説明

放送受信装置、放送受信装置の制御方法およびプログラム

【課題】スイッチング電源によるノイズの影響を受けずに放送を視聴可能とする。
【解決手段】バッテリ部18は、放送受信装置1の各部に電力を供給する。電源切換部17は、バッテリ部18からの電力供給と外部から供給される外部電源からの電力供給とを切り換える。チューナ部11は放送を受信する。制御部10は、外部電源から電力が供給され、且つチューナ部11が放送を受信しているときは、電源切換部17によりバッテリ部18からの電力供給とする制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源によるノイズの影響を受けずに放送を視聴可能な、放送受信装置、放送受信装置の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ポータブルメディアプレイヤやポータブルオーディオプレイヤ、携帯電話等の小型装置において、ラジオ放送、TV放送の受信機能を有する装置が一般的になっている。これらの装置は一般的に充電式バッテリを装置に内蔵し、バッテリから給電された電力による動作に加えて、クレードル等への接続によりAC電源から給電された電力により、バッテリに充電を行いながらの動作も可能である。
【0003】
従来の放送受信装置は、例えばバッテリにより動作している場合の放送受信中に、放送受信装置をAC電源からの給電機能を有するクレードル等に接続した場合、放送の受信を継続しながらAC電源からの給電による動作およびバッテリへの充電を行う。
【0004】
また、クレードル等への接続によるAC電源からの給電およびバッテリへの充電中に、放送の受信を開始した場合、AC電源からの給電およびバッテリへの充電を継続しながら、放送の受信を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−68266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
放送受信装置をクレードルや充電器等に接続することによって、AC電源からの給電を行った場合、クレードル内部やACアダプタに内蔵されているスイッチング回路から発生するノイズを含む電源を用いることとなる。
【0007】
スイッチング回路より発生するノイズは、放送受信装置が放送を受信しているときに、放送を受信する受信回路にノイズ成分が侵入してしまい、受信した放送の音声や映像の品質を悪化させてしまう。
【0008】
特許文献1の技術は、放送の受信周波数に対応させてスイッチング電源回路のスイッチング周波数を変更するものであるが、スイッチング動作は継続されているために、完全にノイズを無にすることはできず、さらにスイッチング周波数を可変させるための回路も必要となる。
【0009】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、スイッチング電源によるノイズの影響を受けずに放送を視聴可能な、放送受信装置、放送受信装置の制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、第1の発明に係る放送受信装置(1)は、装置の各部に電力を供給するバッテリ部(18)、前記バッテリ部(18)からの電力供給と外部から供給される外部電源(20)からの電力供給とを切り換える電源切換部(17)、放送を受信する受信部(11)、前記外部電源(20)から電力が供給され、且つ前記受信部(11)が放送を受信しているときは、前記電源切換部(17)により前記バッテリ部(18)からの電力供給とする制御を行う制御部(10)、を備えることを特徴とする。
【0011】
第2の発明に係る放送受信装置(1)は、第1の発明において、前記制御部(10)は、受信した放送の記録処理を行うときに、前記電源切換部(17)により前記バッテリ部(18)からの電力供給とする制御を行うことを特徴とする。
【0012】
第3の発明に係る放送受信装置(1)は、第1または第2の発明において、前記制御部(10)は、前記バッテリ部(18)の容量を取得し、前記バッテリ部(18)の容量が所定の容量以上であると判断したときに、前記電源切換部(17)により前記バッテリ部(18)からの電力供給とする制御を行うことを特徴とする。
【0013】
第4の発明に係る放送受信装置(1)の制御方法は、外部から供給される外部電源(20)より装置の各部に電力供給するステップ、放送を受信する受信部(11)を制御し放送を受信する受信ステップ、前記外部電源(20)から電力が供給され、且つ放送を受信しているときは、装置の各部に電力を供給するバッテリ部(18)からの電力供給に切り換える制御を行う切換ステップ、を備えることを特徴とする。
【0014】
第5の発明に係るプログラムは、第4の発明における各ステップを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、スイッチング電源によるノイズの影響を受けずに放送を視聴することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明における放送受信装置のブロック図である。
【図2】本発明における放送受信装置の外観平面図である。
【図3】本発明における放送受信装置をクレードルに接続したときの外観平面図である。
【図4】本発明における第1の実施例に係る放送受信装置の動作を表すフローチャートである。
【図5】本発明における第2の実施例に係る放送受信装置の動作を表すフローチャートである。
【図6】本発明における第3の実施例に係る放送受信装置の動作を表すフローチャートである。
【図7】本発明における第4の実施例に係る放送受信装置の動作を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の第1の実施例における放送受信装置について、図1から図4を参照して説明する。図1は放送受信装置のブロック図であり、図2および図3は放送受信装置の外観図の例である。放送受信装置1は、携帯型のラジオやオーディオプレイヤ、メディアプレイヤ、携帯電話、PDA等であり、バッテリを有するとともにAC電源からの電源供給を可能とし、ラジオ放送受信機能やテレビ放送受信機能を有するものを対象とする。
【0018】
放送受信装置1は、制御部10、チューナ部11、アンテナ部11A、表示部12、操作部13、出力部14、入力部15、記憶部16、電源切換部17、バッテリ部18を備える。さらに放送受信装置1は、電源切換部17にスイッチング電源部21を介してAC電源20を接続する。
【0019】
制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DSP(Digital Signal Processor)等を備えて構成され、制御手段として放送受信装置1の各部を制御する。
【0020】
制御部10におけるCPUは、制御手段として、放送受信装置10の各部からの操作信号やデータに基づき、ROMに記憶された各種プログラムをRAM上で実行することにより各部の制御を行う。
【0021】
制御部10におけるDSPは、後述するチューナ部11や入力部13より入力され、後述する入力部15より入力される音声データや映像データを圧縮音声データに変換するエンコード処理、後述する出力部14より出力する音声データや映像データのデコード処理に加えて、音質補正や音場補正、画像調整等の各種処理を行う。
【0022】
制御部10は、後述するチューナ部11や入力部15からの音声データをDSPによりエンコードし、後述する記憶部16に記憶する。
【0023】
チューナ部11は、受信部として、後述するアンテナ部11Aにより受信した放送波(電波)に対して、制御部10による制御により、不図示の同調部を放送波の所定の周波数に同調させ、放送波として変調されている音声信号や映像信号を抽出することにより、ラジオ放送やテレビ放送を受信する。
【0024】
アンテナ部11Aは、放送局から送信される変調された電波を受信し、その電波をチューナ部11に出力する。
【0025】
表示部12は、操作部15による操作の状態や、放送受信装置1の動作状態、放送受信装置1で再生する音声データや画像データ、チューナ部11で受信する放送に関する各種情報やテレビ放送の受信画像を表示し、例えば液晶表示素子や有機EL(Electro Luminescence)表示素子などにより構成される。
【0026】
操作部13は、ユーザが放送受信装置1を操作するユーザインターフェースであり、押しボタンスイッチやタッチスイッチ、表示部12上に設けられたタッチパネルにより構成される。
【0027】
操作部13は、操作されることにより、制御部10の処理に基づきチューナ部11により受信する放送の周波数や受信バンドなどを切り換える。また、操作されることにより、制御部10の処理に基づき記録や再生の動作を行う。
【0028】
出力部14は、チューナ部11により受信した音声信号や映像信号、後述する記憶部16に記憶された各種コンテンツの音声信号や映像信号を、制御部10を介して出力する。
【0029】
出力部14は、制御部10から出力されるデジタル音声データをアナログ音声信号に変換するDAC(Digital Analog Converter)、DACによりアナログ信号に変換された音声信号を増幅するオペアンプ等の増幅部、増幅部により増幅された音声信号を出力するスピーカやヘッドホン、音声出力端子等を包含してもよい。さらに出力部14は、制御部10から出力されるデジタル画像データを出力する映像出力端子等であってもよい。
【0030】
入力部15は、外部からのアナログ音声信号やデジタル音声データ、映像データの入力が可能な入力端子や、放送受信装置1に内蔵されるマイクロホン等である。さらに入力部15は、外部から入力されるアナログ音声信号をデジタル音声データに変換するADC(Analog Digital Converter)を包含してもよい。
【0031】
入力部15は、可搬型記録媒体等の接続部であってもよく、例えば図示しないメモリカードを接続するメモリカードスロット、USBメモリ、外部HDD(Hard Disk Drive)を接続するUSB端子などである。これらの入力部に接続される各種可搬型記録媒体は、後述する記憶部16として用いてもよい。
【0032】
記憶部16は、音声データや映像データ、テキストデータなど、コンテンツに関する各種データや、チューナ部11で同調する放送局の周波数情報、放送局名を記憶する。記憶部16は、例えばHDDやフラッシュメモリより構成される。HDDやフラッシュメモリは放送受信装置1に内蔵されるが、入力部15としての所定のインターフェースにより放送受信装置1に接続される外部のデバイスであってもよい。具体的には、USB(Universal Serial Bus)により接続される外付けHDDやUSBメモリ、所定のメモリカードスロットにより接続されるメモリカードなどである。
【0033】
電源切換部17は、放送受信装置1に内蔵されている後述するバッテリ部18と、後述する外部から入力されるAC電源20からの電力供給とを切り替える。電源切換部17は、FET(Field Effect Transistor)等を用いた切換回路より構成される。
【0034】
電源切換部17は、後述するクレードル23等の接続により、放送受信装置1にAC電源20が接続された場合、制御部10の制御により放送受信装置1に対して、AC電源20からの電力供給とバッテリ部18からの電力供給とを切換える。
【0035】
バッテリ部18は、放送受信装置1に内蔵されているバッテリであり、例えば充電可能なリチウムイオン電池などである。
【0036】
AC電源20は、例えば100Vの交流からなる家庭用商用電源であり、一般的なコンセントより供給される。
【0037】
スイッチング電源部21は、AC電源20を、AC−DC変換およびスイッチングレギュレータ等のスイッチング回路によりDC−DC変換することにより、放送受信装置1に供給するために適切な電圧の直流電源に変換する。
【0038】
次に、図2および図3における放送受信装置1の外観図について説明する。図2は、放送受信装置1がバッテリ部18から供給される電力を用いて動作し、例としてFMラジオ放送を受信している図である。
【0039】
表示部12には、現在受信中の放送局情報が表示され、操作部13の操作によって、受信する放送局を切り換えることができる。
【0040】
図3は、放送受信装置1が、クレードル23に接続され、AC電源20からの電力をスイッチング電源部21を介して電力供給を受けている図である。スイッチング電源部21は一般的なACアダプタであり、クレードル23に電源コード22を介して接続されているが、クレードル23に内蔵されてもよい。
【0041】
次に、本発明の第1の実施例に係る放送受信装置1の動作について説明する。図4は、放送受信装置1が放送受信中にクレードル23への接続などによりAC電源20に接続されたときの動作である。図4の前提としては、放送受信装置1が、バッテリ部18からの電力供給を受けながら放送を受信している状態であり、図2に該当する。
【0042】
図4において、先ず制御部10は前述した前提の状態において、AC電源20が接続されたか否かを判断する(ステップS1)。AC電源20の接続とは、放送受信装置1がクレードル23などに接続されることにより、AC電源20からの電力がスイッチング電源部21を介して放送受信装置1の各部に供給される状態である。
【0043】
ステップS1において、放送受信装置1がAC電源20に接続していないと判断された場合(ステップS1:No)、制御部10は放送の受信が終了したか否かを判断する(ステップS4)。放送の受信の終了とは、放送受信中においてユーザが操作部13を操作することにより、放送受信装置1の動作を放送受信動作以外の動作に切り換えた場合や、放送受信動作を終了させた場合などである。
【0044】
ステップS4において、制御部10が放送の受信が終了したと判断した場合(ステップS4:Yes)、本処理は終了する。ステップS4において、制御部10が放送の受信が終了していないと判断した場合(ステップS4:No)、ステップS1に戻り、制御部10は放送受信装置1がAC電源20に接続されたか否かの判断を行う。
【0045】
ステップS1において、制御部10により放送受信装置1がAC電源20に接続されたと判断されると(ステップS1:Yes)、制御部10は放送受信装置1がAC電源20に接続されたことを記憶するが、放送受信装置1の各部への給電をAC電源20からの給電に切り換えずに、バッテリ部18にからの給電を継続させる(ステップS2)。
【0046】
ステップS2において、放送受信装置1にバッテリ部18からの給電が継続されているときは、放送受信装置1は放送受信状態でクレードル23に接続されたにも係らず、クレードルより供給されるAC電源20からの給電ではなくバッテリ部18からの給電により放送受信動作を行う。
【0047】
ステップS2における、放送受信中であり且つバッテリ部18からの給電による動作を行っている状態において、制御部10は放送の受信が終了したか否かを判断する(ステップS3)。放送受信終了とは、放送受信中においてユーザが操作部13を操作することにより、放送受信動作以外の動作に切り換えた場合や、放送受信動作を終了させた場合などである。
【0048】
ステップS3において、放送の受信が終了していないと判断した場合(ステップS3:No)、制御部10は、放送の受信が終了するまで待機する。 ステップS3において、放送の受信が終了したと判断した場合(ステップS3:Yes)、制御部10は、ステップS1におけるAC電源20が接続されたことの記憶に基づいて、電源切換部17を制御し、放送受信装置1が用いる電源をバッテリ部18からの給電からAC電源20からの給電に切り換える(ステップS5)。
【0049】
ステップS5において、制御部10が、放送受信装置1が用いる電源をバッテリ部18からAC電源20に切り換えた場合は、AC電源20からの電力を、放送受信装置1の各部に供給することにより、放送受信装置1を動作させる。また、AC電源20から供給される電力により放送受信装置1を動作させるとともに、AC電源20から供給される電力によりバッテリ部18を充電してもよい。
【0050】
このような動作を行うことによって、放送受信装置1は、放送受信中にクレードル23への接続等によってAC電源20に接続されても、バッテリ部18からの給電による動作を継続する。このため、放送受信中はAC電源20からの給電により放送受信装置1を動作させるために適切な電源とするためのスイッチング電源部21が動作しない。従って、放送を受信した音声にスイッチング電源部21に基づくスイッチングノイズが混入せず、高品質でS/N比の高い放送コンテンツを出力することができる。
【0051】
次に、本発明の第2の実施例における放送受信装置の動作について、図5を用いて説明する。第2の実施例における放送受信装置の構成は、第1の実施例と同一であるため説明を省略する。
【0052】
図5は、放送受信装置1がAC電源20もしくはバッテリ部18のいずれかの電力を用いて動作している状態で、放送の受信を開始したときの動作である。図5の前提としては、放送受信装置1が放送受信動作以外の状態であり、例えば記憶部16に記憶されている音声データ等のコンテンツファイルを再生している状態などである。
【0053】
図5において、先ず制御部10は放送受信装置1において、放送の受信が開始されたか否かを判断する(ステップS11)。放送の受信の開始とは、ユーザが操作部13を操作することにより、放送受信動作を開始した場合や、放送受信動作以外の動作から放送受信動作に切り換えた場合などである。
【0054】
ステップS11において、放送の受信が開始されていないと判断した場合は(ステップS11:No)、放送受信装置1が例えば放送の受信以外の動作中であるために、制御部10は放送の受信が開始されるまで待機する。
【0055】
ステップS11において、放送の受信が開始されたと判断した場合は(ステップS11:Yes)、制御部10は放送の受信動作を開始するとともに放送受信装置1が用いている電源を確認する(ステップS12)。ステップS12においては、具体的には放送受信装置がAC電源20からの給電により動作しているか、バッテリ部18からの給電により動作しているかを判断する。
【0056】
ステップS11において、制御部10による放送の受信が開始されたか否かの判断は、例えばユーザが操作部13を操作することにより、放送受信装置1の動作モードを放送受信モードに切り換えたとき、またはユーザが操作部13を操作することによりチューナ部11が受信する所望の周波数を選択したときなどにおいて、放送を受信したと判断する。
【0057】
ステップS11において、放送の受信が開始されると、チューナ部11で受信した放送波からの音声データは、制御部10により処理され出力部14に出力される。また、放送に映像や画像が含まれている場合は、同様に表示部12に出力される。表示部12には受信中の放送局に係る情報、例えば受信周波数や放送局名、受信状態などを表示してもよい。
【0058】
ステップS12において、制御部10が放送受信装置1に用いられている電源がAC電源20からの給電ではないと判断した場合(ステップS12:No)、放送受信装置1はバッテリ部18からの給電により放送受信動作を行っているため、バッテリ部18からの給電による動作を継続し、制御部10は放送の受信が終了したか否かを判断する(ステップS16)。
【0059】
ステップS16において、制御部10が放送の受信が終了していないと判断した場合(ステップS16:No)、制御部10は放送の受信を継続しながら放送の受信が終了するまで待機する。ステップS16において、制御部10が放送の受信が終了したと判断した場合(ステップS16:Yes)、本処理は終了する。
【0060】
ステップS12において、放送受信装置1に用いられている電源がAC電源20からの給電であると判断した場合(ステップS12:Yes)、制御部10は電源切換部17を制御し、放送受信装置1が用いる電源をAC電源20からの給電からバッテリ部18からの給電に切り換える(ステップS13)。
【0061】
ステップS13において、放送受信装置1が用いる電源がバッテリ部18からの給電に切り換えられると、放送受信装置1は放送受信状態で、クレードル23等への接続によりAC電源が接続されているにもかかわらず、AC電源20からの給電による動作ではなくバッテリ部18からの給電による放送受信動作を行う。
【0062】
ステップS13における、放送受信中であり且つバッテリ部18からの給電による動作を行っている状態において、制御部10は放送の受信が終了したか否かを判断する(ステップS14)。放送受信終了とは、放送受信中においてユーザが操作部13を操作することにより、放送受信動作以外の動作に切り換えた場合や、放送受信動作を終了させた場合などである。
【0063】
ステップS14において、放送の受信が終了していないと判断した場合は(ステップS14:No)、放送の受信が継続されているため、制御部10は放送の受信が終了するまで待機する。
【0064】
ステップS14において、制御部10が放送の受信が終了したと判断した場合は(ステップS14:Yes)、制御部10は電源切換部17を制御し、放送受信装置1が用いる電源をバッテリ部18からの給電からAC電源20からの給電に切り換える。(ステップS15)。
【0065】
ステップS15において、制御部10が、放送受信装置1が用いる電源をAC電源20に切り換えた場合は、AC電源20からの電力を、放送受信装置1の各部に供給することにより、放送受信装置1を動作させる。また、AC電源20から供給される電力により放送受信装置1を動作させるとともに、AC電源20から供給される電力によりバッテリ部18を充電してもよい。
【0066】
このような動作を行うことによって、放送受信装置1は、クレードル23への接続等によってAC電源20からの給電による動作を行っていても、放送受信の開始とともにバッテリ部18からの給電による動作に切り替わる。このため、放送受信中はAC電源20からの給電により放送受信装置1を動作させるために適切な電源とするためのスイッチング電源部21が動作しない。従って、放送を受信した音声にスイッチング電源部21に基づくスイッチングノイズが混入せず、高品質でS/N比の高い放送コンテンツを出力することができる。
【0067】
次に、本発明の第3の実施例における放送受信装置の動作について、図6を用いて説明する。第3の実施例における放送受信装置の構成は、第1の実施例と同一であるため説明を省略する。
【0068】
第3の実施例における第2の実施例との違いは、第2の実施例が放送の受信を開始することによって、放送受信装置1が用いる電源がAC電源20からの給電であった場合にバッテリ部18からの給電に切り換えたのに対して、第3の実施例においては放送記録開始によって、放送受信装置1への給電をバッテリ部18からの給電に切り換える。
【0069】
図6において、先ず制御部10は放送受信装置1において、放送の受信が開始されたか否かを判断する(ステップS21)。ステップS21において、放送の受信を開始したと判断した場合(ステップS21:Yes)、制御部10は操作部13が操作されることによって受信している放送の記録が開始されたか否かを判断する(ステップS22)。
【0070】
ステップS22において、放送の記録を開始していないと判断した場合は(ステップS22:No)、放送の受信を継続しながら放送の記録が開始されるまで待機する。ステップS22において、制御部10が放送の記録が開始されたと判断した場合は(ステップS22:Yes)、制御部10は放送の記録動作を開始するとともに放送受信装置1が用いている電源を確認する(ステップS23)。
【0071】
ステップS23において、放送受信装置1に用いられている電源がAC電源20からの給電ではないと判断した場合(ステップS23:No)、放送受信装置1はバッテリ部18からの給電により放送受信動作を行っているため、バッテリ部18からの給電による動作を継続し、制御部10は放送の受信が終了したか否かを判断する(ステップS27)。
【0072】
ステップS27において、放送の受信が終了していないと判断した場合(ステップS27:No)、制御部10は放送の受信を継続しながら放送の受信が終了するまで待機する。ステップS27において、放送の受信が終了したと判断した場合(ステップS27:Yes)、本処理は終了する。
【0073】
ステップS23において、放送受信装置1に用いられている電源がAC電源20からの給電であると判断した場合(ステップS23:Yes)、制御部10は電源切換部17を制御し、放送受信装置1が用いる電源をAC電源20からの給電からバッテリ部18からの給電に切り換える(ステップS24)。
【0074】
ステップS24において、放送受信装置1が用いる電源がバッテリ部18からの給電に切り換えられると、放送受信装置1は放送受信および記録状態で、クレードル23等への接続によりAC電源が接続されているにもかかわらず、AC電源20からの給電による動作ではなくバッテリ部18からの給電による放送受信および記録動作を行う。
【0075】
ステップS24における、放送受信中であり且つバッテリ部18からの給電による動作を行っている状態において、制御部10は放送の記録が終了したか否かを判断する(ステップS25)。放送の記録終了とは、放送記録中においてユーザが操作部13を操作することにより、放送記録動作を終了させた場合などである。
【0076】
ステップS25において、放送の記録が終了していないと判断した場合(ステップS25:No)、制御部10は放送の記録が終了するまで待機する。ステップS25において、放送の記録が終了したと判断した場合(ステップS25:Yes)、制御部10は電源切換部17を制御し、放送受信装置1が用いる電源をバッテリ部18からの給電からAC電源20からの給電に切り換える。(ステップS26)。
【0077】
ステップS26において、放送受信装置1が用いる電源がAC電源20からの給電に切り換えられた後、制御部10は放送の受信が終了したか否かを判断する(ステップS28)。ステップS28において、放送の受信が終了していないと判断した場合は(ステップS28:No)、放送の受信が継続されているため、制御部10は放送の受信が終了するまで待機する。
【0078】
ステップS28において、放送の受信が終了したと判断した場合は(ステップS28:Yes)、制御部10は本処理を終了する。
【0079】
このような動作を行うことによって、放送受信装置1は、クレードル23への接続等によってAC電源20からの給電による動作を行っていても、放送の記録開始とともにバッテリ部18からの給電に切り替わる。このため、放送の記録中は、AC電源20からの給電により放送受信装置1を動作させるために適切な電源とするためのスイッチング電源部21が動作しない。従って、放送を受信した音声にスイッチング電源部21に基づくスイッチングノイズが混入せず、高品質でS/N比の高い放送コンテンツを記録することができる。
【0080】
次に、本発明の第4の実施例における放送受信装置の動作について、図7を用いて説明する。図7は、バッテリ部18の容量に応じてバッテリ部18からの給電に切り換えるか否かの処理を追加した応用例であり、図5に記載の第2の実施例を応用したものである。従って、第4の実施例における放送受信装置の構成は、第1の実施例と同一であるため説明を省略するとともに、図7における図5と同一の部分については説明を省略する。
【0081】
図7におけるステップS12において、制御部10が放送受信装置1に用いられている電源がAC電源20からの給電であると判断した場合(ステップS12:Yes)、制御部10はバッテリ部18の容量を確認する(ステップS31)。制御部10によるバッテリ部18の残容量確認方法は、バッテリ部18の開放電圧値の取得や放電曲線に基づく演算など、既存の処理で良い。
【0082】
ステップS31において、制御部10はバッテリ部18の容量を確認し、所定の容量以上であるか否かを判断する。ここでいう所定の容量とは、例えば制御部10が取得したバッテリ部18の開放電圧等各種パラメータによって求められ、バッテリ部18からの給電のみで所定時間以上放送の受信を行うことができる容量であることが望ましい。例としてバッテリ部18の残容量が5%以下であるか否かを判断する。
【0083】
ステップS31において、バッテリ部18の容量が所定の容量以下であると判断した場合は(ステップS31:No)、制御部10はAC電源20からの給電を変更せずに継続し、ステップS16に移行する。
【0084】
ステップS31において、バッテリ部18の容量が所定の容量以上であると判断した場合は(ステップS31:Yes)、制御部10は電源切換部17を制御し、放送受信装置1が用いる電源をバッテリ部18からの給電に切り換える(ステップS13)。
【0085】
このような動作を行うことによって、放送受信装置1は、クレードル23への接続等によってAC電源20からの給電による動作を行っていても、放送受信の開始とともにバッテリ部18からの給電に切り換え、高品質でS/Nの高い放送コンテンツを出力するとともに、バッテリ部18の容量が少ないときは、バッテリ部18からの給電による動作を行わない。このため、バッテリ切れによる放送受信動作の不意な停止を防止することができる。
【0086】
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更可能である。例えば、バッテリ部18は充電可能なバッテリとして説明したが、充電機能は必須ではなく、充電機能を有さない乾電池であってもよい。さらにバッテリ部18は、放送受信装置1に内蔵してもよく、外部のバッテリとして放送受信装置1に接続されていてもよい。
【0087】
また、図7に示した第4の実施例は、第3の実施例の応用例として説明したが、第1の実施例や第3の実施例に適用してもよい。
【0088】
また、上記説明した本発明を適用したプログラムを、放送受信装置1を動作させるコンピュータにインストールして動作させてもよい。インストールするプログラムは、電気通信ネットワークを介して配布されてもよく、記録媒体を介して配布されてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1:放送受信装置、10:制御部、11:チューナ部、12:表示部、13:操作部、14:出力部、15:入力部、16:記憶部、17:電源切換部、18:バッテリ部、20:AC電源、21:スイッチング電源部、22:電源コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の各部に電力を供給するバッテリ部、
前記バッテリ部からの電力供給と外部から供給される外部電源からの電力供給とを切り換える電源切換部、
放送を受信する受信部、
前記外部電源から電力が供給され、且つ前記受信部が放送を受信しているときは、前記電源切換部により前記バッテリ部からの電力供給とする制御を行う制御部、
を備えることを特徴とする、放送受信装置。
【請求項2】
前記制御部は、
受信した放送の記録処理を行うときに、前記電源切換部により前記バッテリ部からの電力供給とする制御を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記バッテリ部の容量を取得し、前記バッテリ部の容量が所定の容量以上であると判断したときに、前記電源切換部により前記バッテリ部からの電力供給とする制御を行うことを特徴とする、
請求項1または2に記載の放送受信装置。
【請求項4】
外部から供給される外部電源より装置の各部に電力供給するステップ、
放送を受信する受信部を制御し放送を受信する受信ステップ、
前記外部電源から電力が供給され、且つ放送を受信しているときは、装置の各部に電力を供給するバッテリ部からの電力供給に切り換える制御を行う切換ステップ、
を備えることを特徴とする、放送受信装置の制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載の放送受信装置の制御方法の各ステップを、コンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−176548(P2011−176548A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38421(P2010−38421)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(308036402)JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 (1,152)
【Fターム(参考)】