説明

料金式精米設備

【課題】料金式精米設備において、初期精米工程中に利用者が精白度の変更操作をしても、精米機の抵抗板の調節を禁止し、投入した利用料金で精米作業を終了させる。
【解決手段】初期精米処理方式、通常精米処理方式及び終了精米処理方式の順序で玄米を精米する1回通し式の精米機(9)を備え、操作盤には精白度を選択する白度選択手段を備えた料金式精米設備において、操作盤(11)の料金投入部(13)に投入した利用料金に応じた時間だけ精米機(9)を運転するコントローラを備え、精米機(9)の精米運転開始時には圧迫板(9d)をほぼ閉鎖して精米処理する初期精米処理方式で精米し、初期精米処理方式での精米中に白度選択手段(18a,18b,18c)の精白度を変更する操作がなされても、精米機(9)の初期精米処理方式の圧迫板(9d)の位置をそのまま維持し変更調節を禁止するコントローラを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、料金式の精米設備の操作制御に関する。
【背景技術】
【0002】
一回通過式の精米機において、精米初期に精米機の圧迫板を閉じて所定時間精米し、その後圧迫板の位置を設定した精白度の位置に調整し、通常精米処理を継続するものは公知である(特許文献1)。
【0003】
また、精米設備において、利用料金と玄米を投入し、設定された精白度に圧迫板を調節し精白するものは公知である(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−80202号公報
【特許文献2】特開2005−40796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
料金式の精米設備で従来装置の精米機で玄米を精白する際に、初期精米工程中に利用者が精白度の変更操作をすると、精米むらが生じたり、玄米が精白されずに未精白の状態で機外に取り出されることがある。本発明は、このような不具合を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、初期精米処理方式、通常精米処理方式及び終了精米処理方式の順序で玄米を精米する1回通し式の精米機(9)を備え、操作盤(11)には精白度を選択する白度選択手段(18a,18b,18c)を設けた料金式の精米設備において、操作盤(11)の料金投入部(13)に投入した利用料金に応じた時間だけ前記精米機(9)を運転するコントローラを備え、前記精米機(9)の精米運転開始時には圧迫板(9d)をほぼ閉鎖して精米処理する初期精米処理方式で精米し、前記初期精米処理方式で精米しているときに、前記白度選択手段(18a,18b,18c)の精白度を変更する操作をしても、精米機(9)の初期精米処理方式における前記圧迫板(9d)の変更調節を禁止するコントローラを備えたことを特徴とする料金式精米設備とする。
【0007】
前記構成によると、操作盤(11)の料金投入部(13)に利用料金が投入されると、投入した利用料金に応じた時間だけ精米機(9)が運転され、精米機(9)により、初期精米処理方式、通常精米処理方式及び終了精米処理方式の順序で玄米が精米される。そして、精米機(9)の精米運転開始時の初期精米処理方式では圧迫板(9d)をほぼ閉鎖した状態で精米処理がなされ、初期精米処理方式で精米しているときに、白度選択手段(18a,18b,18c)の精白度の変更操作がされても、コントローラの指令により、精米機(9)の圧迫板(9d)の変更調節が禁止される。そして、初期精米処理方式での精米が終了すると、通常精米処理方式及び終了精米処理方式で精米される。
【0008】
請求項2の発明は、初期精米処理方式、通常精米処理方式及び終了精米処理方式の順序で玄米を精米する1回通し式の精米機(9)を備え、操作盤(11)には精白度を選択する白度選択手段(18a,18b,18c)を設けた料金式の精米設備において、操作盤(11)の料金投入部(13)に投入した利用料金に応じた時間だけ前記精米機(9)を運転するコントローラを備え、前記精米機(9)の精米運転開始時には圧迫板(9d)をほぼ閉鎖して精米処理する初期精米処理方式で精米し、前記初期精米処理方式で精米しているときに、前記白度選択手段(18a,18b,18c)の精白度を変更する操作をしても、精米機(9)の初期精米処理方式における前記圧迫板(9d)の変更調節を禁止し、初期精米処理方式が終了し後続の通常精米処理方式移行すると、前記白度選択手段(18a,18b,18c)の精白度変更操作に基づき前記圧迫板(9d)の変更調節を可能にするコントローラを備えたことを特徴とする料金式精米設備とする。
【0009】
前記構成によると、初期精米処理方式で精米しているときに、白度選択手段(18a,18b,18c)の精白度を変更する操作がなされても、精米機(9)の初期精米処理方式における圧迫板(9d)の変更調節は禁止される。そして、初期精米処理方式が終了し後続の通常精米処理方式移行すると、白度選択手段(18a,18b,18c)の前記精白度変更操作に基づき精米機(9)の圧迫板(9d)が変更調節される。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明は、初期精米処理方式で精米しているときには、白度選択手段(18a,18b,18c)の精白度の変更操作がされても、コントローラの指令により精米機(9)の圧迫板(9d)の変更調節を禁止するので、むら精米を防止することができる。
【0011】
請求項2の発明は、初期精米処理方式で精米しているときに、白度選択手段(18a,18b,18c)の精白度を変更する操作がなされても、精米機(9)の初期精米処理方式における圧迫板(9d)の変更調節は禁止され、後続の通常精米処理方式に移行して精米状態が安定してから、白度選択手段(18a,18b,18c)の精白度変更操作に基づく圧迫板(9d)の変更調節がなされるので、初期精米処理中の精米むらを低減しながら、利用者の好みにあった精白度で精米作業をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】料金式の精米設備の工程図。
【図2】精米機の切断側面図。
【図3】操作室側の正面図。
【図4】フローチャート。
【図5】表示画面の正面図。
【図6】表示画面の正面図。
【図7】表示画面の正面図。
【図8】表示画面の正面図。
【図9】表示画面の正面図。
【図10】表示画面の正面図。
【図11】表示画面の正面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明の一実施の形態を図面に基づき説明する。
まず、図1〜図4に基づき料金式の精米設備について説明する。図1は精米設備の作業工程図、図2は精米機の切断側面図、図3は操作室側の正面図、図4はフローチャートである。
【0014】
料金式の精米設備は、建屋(図示省略)内を操作室と機械室とに仕切り壁(図示省略)により仕切り、操作室側に原料投入ホッパ2、操作盤(図示省略)及び白米取出タンク4を設けている。機械室側には、第1昇降機6、石抜き機7、第2昇降機8、精米機9等を設け、コントローラ(図示省略)の指令により穀粒を順次移送し精米処理するように構成している。
【0015】
精米機9は、図2に示すように、その上部に玄米ホッパ9aを設け、玄米ホッパ9aには玄米センサSE2を設け、所定量の玄米の溜りを検出するようにしている。搗精室9b内に搗精ロール9cを配設し、搗精室9bの排出口には精白度を調節する抵抗板9dを設け、搗精室9bの搗精網9eから漏過した糠を糠排出ファン(図示省略)により糠処理部(図示省略)に送るように構成している。また、搗精ロール9cを精米モータM1で駆動し、抵抗板9dを抵抗板調節モータM2で調節するように構成している。
【0016】
次に、図3に基づき操作室側について説明する。
操作室の正面側の左右一側には原料投入ホッパ2を、左右他側には白米取出タンク4を設け、左右中間部にはコントローラを内蔵する操作盤11を設け、その前面には、操作画面16を設け、操作画面の下方には料金投入部13を設けている。
【0017】
次に、図6〜図11に基づき料金式精米設備の操作スイッチについて説明する。
操作盤11の表示画面16には、操作スイッチと操作方法を表示するようにし、スイッチの簡単化を図ろうとするものである。
【0018】
利用料金を投入すると、図6に示すように、表示画面16に無洗米スイッチ表示a、上白スイッチ表示b、標準スイッチ表示c、8分スイッチ表示d、7分スイッチ表示e、6分スイッチ表示f、5分スイッチ表示g、3分スイッチ表示h、1分スイッチ表示i、訂正スイッチ表示jが表示されると共に、「精白度を選択してください」との操作表示kが表示される。
【0019】
しかして、好みの精白度選択スイッチ(a〜i)を指で触れると、点灯表示がなされ、所定時間経過すると、図7に示すように、「精米スタートならばここに触れてください」との精米スタートスイッチlが表示され、ここを指で触れると、原料投入ホッパ2に投入された玄米の精米作業が開始される。
【0020】
精米作業開始後、図8に示すように、表示画面16には、「標準で精米」との精米作業表示m、及び、「精白度を変更するときはここに触れてください」との精白度変更操作スイッチnが表示される。
【0021】
そして、精米作業開始後に精白度を変更するときには、精白度変更操作スイッチnを指で触れると、図9に示すように、表示画面16には、精白度選択スイッチ(a〜j)が表示されると共に、その下方には、「変更する精白度を選択してください」との操作表示o、及び、初期画面に戻る「変更がない場合にはここを触れて下さい」との戻りスイッチpが表示される。
【0022】
しかして、好みの精白度選択スイッチ(a〜i)を指で触れる(図10で無洗米aを選択)と、精白度を変更制御を開始するための「変更スタートならここに触れてください」との精白度変更開始スイッチsが表示される。なお、精白度を変更せずに初期画面に戻るには「変更がない場合にはここを触れて下さい」との戻りスイッチtに触れる。
【0023】
しかして精白度が変更されると、表示画面16には現在の精白度の表示である「無洗米で精米」との精米作業表示q、及び、再度精白度を変更するための「精白度を変更するときはここに触れてください」との精白度変更操作スイッチrが表示される。
【0024】
次に、図4に基づき料金式精米設備の精米作業について説明する。
精米制御が開始され、利用者が操作盤の料金投入部に利用料金を投入すると(ステップS1)、原料センサSE1が投入穀粒を検出したか否かを判定し(ステップS2)、Noであると、ステップS1に戻り、Yesであると、操作盤の精白度選択スイッチの表示灯を点灯する(ステップS4)。次いで、利用者が精白度選択スイッチ(a〜i)をONし精米白度を選択すると(ステップS5)、原料投入ホッパ2の繰出バルブ2a、第1昇降機6、石抜き機7及び第2昇降機8を駆動し(ステップS7)、次いで、精米機9を駆動し精米作業を開始する(ステップS7)。
【0025】
精米機9を駆動すると、まず、初期精米処理方式で玄米を精米する(ステップS8)。この初期精米処理方式は、コントローラから抵抗板9dの閉鎖指令を出力すべく、抵抗板調節モータM2を駆動し抵抗板9dにより精米室9bを閉鎖し、精白ロール9cを駆動する。次いで、玄米繰出バルブ9fを駆動し、精米室9bから糠の漏過排出に対応する玄米量を繰り出し補充し、所定精白圧力を保持しながら所定時間にわたり精米する。
【0026】
次いで、通常精米処理に移行する(ステップS9)。コントローラから精白度調節指令を出力し、抵抗板調節モータM2を調節駆動し、抵抗板9dを選択された精白度に対応するように開調節し、精白ロール9cを駆動する。しかして、玄米ホッパ9aから選択精白度に対応した玄米量を玄米繰出バルブ9fにより繰り出しながら精米し、玄米センサSE2が玄米の所定残存量を検出すると、通常精米処理を終了する。
【0027】
次いで、終了精米処理に移行すると(ステップS10)、コントローラから抵抗板閉鎖指令を出力し、抵抗板調節モータM2を閉鎖駆動し、抵抗板9dにより精米室9bの出口を略閉鎖し、精白ロール9cを駆動し精米作業を開始する。そして、玄米繰出バルブ9fを繰出駆動し、糠の漏過排出量に対応する玄米を精米室9bに補充し、所定精白圧力を保持しながら所定時間にわたり精米し、所定時間が経過すると終了精米処理を終了し、搗精室9b内白米を排出する。次いで、精米設備の駆動各部を停止し、精米作業を終了する(ステップS11)。
【0028】
前記精米処理作業中において、初期精米処理及び終了精米処理を実行しているときには、利用者が前述の図6〜図11で説明した精白度変更操作スイッチnや精白度選択スイッチ(a〜i)を操作して精白度を変更しても、コントローラから抵抗板調節モータM2に精白度変更禁止指令を出力し、抵抗板9dの白度調節を不能にしている。そして、初期精米処理が終了し、次工程の通常精米処理に移行した段階で、変更した精白度に抵抗板9dの白度調節の変更を行なうよう抵抗板調節モータM2を制御する構成にしている。
【0029】
いわゆる1回通しの精米装置において、 初期精米処理及び終了精米処理の段階で、利用者の白度選択スイッチの操作に基づき抵抗板9dを調節すると、精米むらがや未精白米が発生し易くなる。
【0030】
しかし、前記のように、初期精米処理中及び終了精米処理中には、白度選択スイッチの変更操作がなされても、コントローラの指令により抵抗板9dの白度調節を停止することにより、このような不具合を解消することができる。
【0031】
また、前記精米処理作業中において、初期精米処理及び終了精米処理をしている段階には、利用者が白度選択スイッチを操作し白度を変更しようとした場合には、白度選択スイッチの変更操作の入力を受け付け、白度表示ランプを点灯したり、あるいは、表示画面に変更された白度を表示する。そして、コントローラの指令により抵抗板9dの白度調節を禁止し、初期精米処理が終了し通常精米処理に移行した段階で、精白度を変更できるように構成する。
【0032】
初期精米処理及び終了精米処理の段階で、白度選択スイッチの操作に基づき精白度を調節すると、精米むらや未精白米が生じやすい。
しかし、前記のように、初期精米処理及び終了精米処理の段階では、利用者が白度選択スイッチを操作し白度変更操作をした場合には、白度選択スイッチの変更操作入力だけを受け付け、抵抗板9dの調節を停止することにより、利用者が白度変更を受け付けられたことに安心しながら、精米むらや未精白米を生じ難くすることができる。
【0033】
また、表示画面に変更した精白度を表示することで、誤操作を防止することができる。また、精米開始後も精白度変更操作スイッチ(n,r)を表示することで、迅速な精白度の変更操作を行なうことができる。
【0034】
次に他の実施例について説明する。
原料投入ホッパ2に穀粒を投入し、利用料金を投入し、無洗米スイッチOFFの普通精米コースの運転中である場合には、利用者が無洗米スイッチをONしても、コントローラの無洗米精米禁止指令により無洗米装置の作動を禁止し、普通精米運転により精米作業を継続し精米作業を終了させる。
【0035】
普通精米作業から無洗米精米作業へ変更すると、精米機9の精米ロール9cの回転数を低く変更するので、精米作業終了までの時間が長くなり、投入している利用料金に対応する運転時間だけでは無洗米精米が終了しない可能性がある。
【0036】
しかし、前記構成のように、普通精米運転中には、無洗米精米運転に変更できないようにすることで、投入した利用料金により設定された所定時間内に精米作業を終了させることができ、前記不具合を解消することができる。
【0037】
次に、料金式の精米設備の他の実施例について説明する。
原料投入ホッパ2には原料センサSE1を設け、精米機9の玄米ホッパ9aには玄米センサを設けずに、原料センサSE1がONし、且つ、繰出バルブ2aの駆動開始から所定時間経過後に玄米ホッパ9aが満了するものと判定し、原料投入ホッパ2の繰出バルブ2aの駆動を停止する。
【0038】
次いで、所定時間経過し、玄米ホッパ9aの玄米が所定量減少すると、原料投入ホッパ2aの繰出バルブ2aを所定時間駆動し、玄米ホッパ9aに玄米を供給する。そして、このような作動を繰り返しながら原料投入ホッパ2の玄米を玄米ホッパ9aに順次供給し、精米作業をするものである。
【0039】
また、前記のように、原料投入ホッパ2の原料センサSE1が玄米投入を検出し、且つ、繰出バルブ2aの駆動開始から所定時間経過することにより、精米機2の玄米ホッパ9aの満了検出までの所定時間を設定するにあたり、普通精米作業では精米機9の精米ロール9cの回転数が高く、無洗米精米作業では精米ロール9cの回転数が低くなる関係で、普通精米作業では短く、無洗米精米作業では長く設定する。
【0040】
また、原料投入ホッパ2の原料センサSE1が玄米投入を検出し、且つ、繰出バルブ2aが駆動開始から所定時間経過することにより、精米機2の玄米ホッパ9aの満了検出までの所定時間を設定するにあたり、普通精米作業でも精白度の選択により精米速度が異なるので、高い白度を選択の場合には所定時間を長くするように、また、低い白度を選択の場合には、所定時間を短くするように設定する。
【0041】
前記構成によると、センサの数を少なくし、コストの低減を図ることができる。
次に、図5に基づき料金式精米設備の他の実施例について説明する。
料金式の精米設備の操作盤には、例えば、液晶式の表示画面16と単一の操作スイッチSW1を設けている。
【0042】
そして、利用料金の不足により停止した場合、あるいは、精米設備が故障で停止した場合には、図5に示すように、コントローラから玄米持ち帰り指令を出力し、表示画面16には、例えば、「操作スイッチSW1が玄米持ち帰りスイッチであることを表示する」と共に、「原料投入ホッパ2の玄米がなくなるまで操作スイッチSW1を押し続けてください」と、操作方法を表示をする。
【0043】
しかして、利用者が操作スイッチSW1を押し続けると、原料投入ホッパ2に残っている玄米を精米設備の下手側工程に順次送り、白米取出タンク4に取り出し、玄米を返却する。
【0044】
また、料金ありで精米運転中には、図8に示すように表示画面16には、「標準で精米」と表示したり、これから米と料金を投入するときには、図6のように精白度選択スイッチの表示がなされる。
【0045】
前記構成によると、表示画面16を共通にすることができる。
次に、料金式精米設備の他の実施例について説明する。
原料投入ホッパ2には玄米の投入したことを検出する原料センサを設けた料金式の精米設備において、操作盤11の料金投入部13に利用者が利用料金を投入しても、原料投入ホッパ2への玄米の投入が検出されない場合には、コントローラの指令により、白度選択スイッチを点灯表示せず、白度選択スイッチを不作動状態にするものである。
【0046】
なお、利用者が利用料金をしても、原料投入ホッパ2への玄米の投入が検出されない場合には、コントローラの指令により、白度選択スイッチを作動可能の点灯表示はするが、白度選択スイッチを作動不能状態に維持し、表示画面16や音声装置で「玄米の投入」を促すように構成してもよい。
【0047】
従来の料金式精米設備では、利用料金を投入すると、原料投入ホッパ2に玄米を投入しない場合でも、白度選択スイッチを作動可能とし、精米作業を起動できる構成である。従って、玄米の投入が遅れた場合には、投入した利用料金だけでは精米作業が終了せず、余分な利用料金を投入しなければならない場合がある。
【0048】
しかし、前記構成によると、利用者が利用料金を投入し、原料投入ホッパ2への玄米投入を原料センサが検出して初めて白度選択スイッチが点灯しスイッチ操作可能となるので、前記不具合を解消することができる。
【符号の説明】
【0049】
2 原料投入ホッパ
9 精米機
9d 圧迫板
11 操作盤
13 料金投入部
18a 白度選択手段
18b 白度選択手段
18c 白度選択手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
初期精米処理方式、通常精米処理方式及び終了精米処理方式の順序で玄米を精米する1回通し式の精米機(9)を備え、操作盤(11)には精白度を選択する白度選択手段(18a,18b,18c)を設けた料金式の精米設備において、
操作盤(11)の料金投入部(13)に投入した利用料金に応じた時間だけ前記精米機(9)を運転するコントローラを備え、前記精米機(9)の精米運転開始時には圧迫板(9d)をほぼ閉鎖して精米処理する初期精米処理方式で精米し、前記初期精米処理方式で精米しているときに、前記白度選択手段(18a,18b,18c)の精白度を変更する操作をしても、精米機(9)の初期精米処理方式における前記圧迫板(9d)の変更調節を禁止するコントローラを備えたことを特徴とする料金式精米設備。
【請求項2】
初期精米処理方式、通常精米処理方式及び終了精米処理方式の順序で玄米を精米する1回通し式の精米機(9)を備え、操作盤(11)には精白度を選択する白度選択手段(18a,18b,18c)を設けた料金式の精米設備において、
操作盤(11)の料金投入部(13)に投入した利用料金に応じた時間だけ前記精米機(9)を運転するコントローラを備え、前記精米機(9)の精米運転開始時には圧迫板(9d)をほぼ閉鎖して精米処理する初期精米処理方式で精米し、前記初期精米処理方式で精米しているときに、前記白度選択手段(18a,18b,18c)の精白度を変更する操作をしても、精米機(9)の初期精米処理方式における前記圧迫板(9d)の変更調節を禁止し、初期精米処理方式が終了し後続の通常精米処理方式移行すると、前記白度選択手段(18a,18b,18c)の精白度変更操作に基づき前記圧迫板(9d)の変更調節を可能にするコントローラを備えたことを特徴とする料金式精米設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−162465(P2010−162465A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5808(P2009−5808)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】