説明

施肥作業機

【課題】左右の肥料供給装置を単一の接地輪による簡潔で廉価な構造によって安定的に駆動すると共に、ロータリ及び畝立器等の作業部との重量バランスを適正にとることができる施肥作業機を提供する。
【解決手段】走行機体1の後方に圃場を耕耘するロータリ6と、ロータリ6に畝立器7を備える共に、畝成形部32に各別に配置されて前記ロータリ6による耕耘前の圃場に肥料を散布する肥料タンク2及び肥料供給装置3を有する散布部4aを備え、該散布部4aの肥料供給装置3を圃場面に転接させる接地輪8から駆動して肥料散布をする施肥作業機であって、前記走行機体1の前部に横フレーム14を設け、該横フレーム14に左右の散布部4aを振り分けて支持すると共に、互いの肥料供給装置3を接地輪8によって回転駆動される1本の繰出軸22で連結することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、畝を成形しながら施肥作業を行う施肥作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
肥料を散布すると共に耕耘された圃場の耕耘土により畝を成形する施肥作業機は、特許文献1で示されるように本願出願人により既に提案されている。
上記特許文献1の施肥作業機は、走行機体の後方に複数の耕耘爪を回転させて圃場を耕耘するロータリと、ロータリの後方に畝を形成する畝成形部を複数有する畝立器を備えると共に、畝成形部の前方に各別に配置されて前記ロータリによる耕耘前の圃場に肥料を散布する肥料タンク及び肥料供給装置からなる散布部を備えている。そして、この散布部は肥料供給装置を、走行機体が有する左右の走行部の外側にそれぞれ設置した接地輪から格別に回転駆動して肥料を散布する構成にしている。
【特許文献1】特願2007−306642号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1の施肥作業機は、走行部を有するトラクタ等の牽引車の後方にリンク機構を介して散布部とロータリと畝立器を装着するものに対し、全体の前後長をコンパクトに構成することができ、狭い圃場においても効率的な作業を行うことを可能にする利点がある。然しながら、この施肥作業機は接地輪を走行部の後側で左右に配置して転接させて肥料供給装置を駆動させるようにしているので、走行部の外側で広い轍距離を有して転接する接地輪が機体を旋回走行する際に大きな抵抗となって操縦性を損なう欠点があると共に、左右の接地輪はスリップを生じ易く左右の肥料散布に差異を伴うこと、また肥料供給装置の駆動構造が複雑化しコスト高になる等の欠点がある。
さらに、散布部と接地輪を走行機体の上方及び側方に設置する施肥作業機は、走行輪の後部に配置されるロータリ及び畝立器等の作業部との重量バランスを悪化させるので、後方からハンドルを持ち上げて行う旋回走行が行い難く、走行機体の前部に大型のバランスウェイトの設置を必要とするため機体の全体重量を増大させる等の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための本発明の施肥作業機は、第1に、走行機体1に複数の耕耘爪を回転させて圃場を耕耘するロータリ6と、ロータリ6の後方に畝を形成する畝成形部32を複数有する畝立器7を備える共に、畝成形部32に各別に配置されて前記ロータリ6による耕耘前の圃場に肥料を散布する肥料タンク2及び肥料供給装置3を有する散布部4aを備え、該散布部4aの肥料供給装置3を圃場面に転接させる接地輪8から駆動して肥料散布をする施肥作業機において、前記走行機体1の前部に横フレーム14を設け、該横フレーム14に左右の散布部4aを振り分けて支持すると共に、互いの肥料供給装置3を接地輪8によって回転駆動される1本の繰出軸22で連結することを特徴としている。
【0005】
第2に、横フレーム14側に設けた接地輪ホルダ40によって、接地輪8を接地姿勢から上方に持ち上げた非接地姿勢に切り換え自在に保持することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
以上のように構成される本発明の施肥作業機は次のような効果を奏することができる。
走行機体の前部に横フレームを設け、該横フレームに左右の散布部を振り分けて支持すると共に、互いの肥料供給装置を接地輪によって回転駆動される繰出軸で連結することにより、単一の接地輪によって左右の肥料供給装置を簡潔で廉価な構造によって安定的に駆動することができる。また走行機体の前後で散布部と接地輪等と、ロータリ及び畝立器等の作業部との重量バランスを適正にとることができるので、機体の軽量化と走行バランスを改善し機体の走行作業及び旋回走行を行い易くすることができる。また接地輪の接地部を一方の走行輪の接地部と近接させるので、ハンドルを持ち上げて行なう機体の旋回走行をスムーズに行うことができる。
【0007】
接地輪を接地姿勢から上方に持ち上げた状態で、横フレーム側に設けた接地輪ホルダによって非接地姿勢に切り換え自在に保持することにより、非接地姿勢にした接地輪を簡単な構成によって横フレーム側に確実に保持することができ、路上走行をスムーズに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1,図2は本発明を適用した歩行型施肥作業機の側面図及び平面図である。本歩行型施肥作業機は、走行機体1(機体)と、左右一対の肥料タンク2と、各肥料タンク2の底部に設置された肥料供給装置3(肥料供給部)と、一端が肥料供給装置3に接続され他端から肥料を散布する施肥パイプ4等からなる散布部4aと、圃場を耕耘する左右方向のロータリ6と、上記ロータリ6の後方に配置された畝立器7と、圃場面に接地して前後回転する接地輪8と、走行機体1から後方に延設されたハンドル9(操向操作部)等を備えている。
【0009】
上記走行機体1は、主フレーム11と、主フレーム11の前部上面に載置固定されるエンジン12と、主フレーム11の前部下面側に設けられて主フレーム11を支持する左右一対の走行輪13(走行部)と、主フレーム11の前端部から左右方向に一体的に突出形成される横フレーム14と、横フレーム14の左右の各端部から後方に延設されて肥料タンク2を支持する縦フレーム16と、横フレーム14の右側に取付支持されて接地輪8を支持する支持ブラケット17等からなる。
【0010】
左右の走行輪13は、主フレーム11の下方位置に回転自在に支持され且つエンジン12の動力が伝動される左右方向の車軸19によって駆動される。
上記各肥料タンク2は、上方が開放されるとともに上部開口端から底部に向かって収束する形状にされており、この底部には肥料供給装置3が設置されている。尚、本歩行型施肥作業機では、肥料として粒状のものを用いる。
【0011】
上記各肥料供給装置3は、内部のローラ(図示しない)を回転駆動させることにより、肥料タンク2の排出口から排出される肥料を、肥料供給装置3の下面に形成される供給口に接続される施肥パイプ4から圃場に排出供給するように構成されている。即ち、上記のように構成される散布部4aの単位時間当たりの肥料供給量は、肥料供給装置3のローラ回転速度に比例するようになっている。
また図示例の左右の散布部4aは、各肥料供給装置3のローラを横方向の繰出軸(ローラ軸)22で連結しており、この繰出軸22の中途を後述するように接地輪8から回転させることにより各ローラを回転駆動するようにしている。
【0012】
また肥料供給装置3の供給口には可撓性を有する施肥パイプ4を設けており、その先端部を前記横フレーム14に設けた施肥ガイド21によって施肥位置を調節自在に支持し、肥料を施肥パイプ4の散布口から圃場の適正位置に散布することができる。
即ち、施肥ガイド21は基部を横フレーム14に対し左右方向に移動調節自在なブラケット23に設け、先端側に施肥パイプ4の支持位置を斜め前後方向に調節自在とする位置調節部21aを設けている。これにより施肥パイプ4はブラケット23による左右方向の調節と位置調節部21aによる高さ方向の調節を自在とし、肥料を散布口から圃場の適正位置に対応し簡単に散布させることができる。
【0013】
ロータリ6は、エンジン12の動力が伝動されると共に、走行機体1の主フレーム11の後部下方に前後回転自在に支持されるロータリ軸24に軸装された複数の耕耘爪(図示しない)によって構成されている。即ち、ロータリ6はロータリフレーム25を走行機体1の後部ヒッチ部1aに着脱自在に取付支持され、エンジン12の動力をロータリフレーム25に固設されるロータリ用チェーンケース26を介してロータリ軸24に伝動している。また上記複数の耕耘爪は、前記左右の施肥パイプ4から散布される肥料軌跡に、耕耘土を盛るように構成されている。
【0014】
畝立器7は図1で示すように、ロータリフレーム25の後部に、中央の畝立器7と左右の畝立器7を前後方向の畝立開始間隔Hを有して、上下方向に調節自在に支持する支柱27,27aを設けている。上記支柱27はロータリフレーム25の中央後部に一体的に形成される支柱ホルダ28に挿入され、下端に中央の畝立器7を設けている。支柱27aはロータリフレーム25の後部に着脱自在に取付固定されるツールバーホルダ29aが横向に支持するツールバー29の両側に設けた支柱ホルダ28a,28aに挿入され、下端に左右の畝立器7を設けている。
【0015】
尚、支柱ホルダ28a,28aはツールバー29に対してボルト締着手段によって左右位置調節可能に挿通支持されている。また支柱27は支柱ホルダ28に、支柱27aは各支柱ホルダ28a,28aにボルト締着手段によって上下位置調節可能に挿通支持されている。また支柱ホルダ28は畝立作業をしない場合、支柱27に代えて図示しない尾輪を有する支持軸を交換自在に挿入支持することができる。
【0016】
上記支柱27,27aはその下端部に左右一対の成形板30,30(成形体)を支持固定している。左右の成形板30は、各別に取外し可能に構成され、後方に向かって互いが離間するように傾き且つ上方に向かって後方に突出するようにそれぞれ構成している。そして、支柱27,27aとにより中央と左右の3体の畝立器7は、対をなす成形板30,30の前側に成形先端部31を備えてロータリ6の後方に配置される。これにより畝立器7は互いが後方に向かって近づくように隣合う2枚の成形板30,30によって、左右の畝成形部32を構成することができ、ロータリ6の後方で同時に2つの畝を成形することができる。
【0017】
このとき畝成形部32を構成するように隣接する成形板30,30は、ロータリ6によって盛られた耕耘土の左右の側部を押圧し、互いが近づくように左右方向に傾斜した斜面を形成し、走行に伴って描かれる肥料散布軌跡に沿う帯状の畝を形成する。また最外側の左右の成形板30,30は、畝立器7により成形される2つの畝の外側方に位置する畝の片側側部の斜面を成形する。
【0018】
また上記中央の畝立器7と左右の畝立器7は畝立開始間隔Hを有して設けているので、ロータリ6によって耕耘された耕耘土中に先ず中央の畝立器7が先行して畝立作用を始め、次いで左右の畝立器7が同時に畝立作用を行うため、3体の畝立器7に同じ負荷を同時に掛けることなく畝立作業を行うことができる。また先行する中央の畝立器7が耕耘土中で畝立センター位置を定めた状態となり、次いで左右の畝立器7が左右均等状態で畝立作業をおこなうので、各畝立器7に加わる畝立負荷にばらつきが生じたとしても、畝立時の蛇行を抑制することができる等の特徴がある。
【0019】
また左右の畝立器7は成形板30,30の間で、ツールバー29にホルダ33を介して左右移動自在に支持される接地尾輪34を配設している。この接地尾輪34はハンドル付きの上下調節杆35を有し、該上下調節杆35を支持杆35aを介しホルダ33に前後調節可能に設けている。これにより接地尾輪34は畝立器7によって形成される畝溝の底部に転接し、機体後部の自重を支持すると共に畝立器7の畝立深さ調節を行うことができ、また路上走行時に畝立器7を接地させることなく、接地尾輪34を路面に転接させて走行することができる。
【0020】
次に接地輪8について説明する。この接地輪8は図1,図2に示すように、右側の走行輪13の外側前方寄りで側面視において走行輪13と一部ラップさせて接地回転を行なうように配置している。そして、接地輪8は前記ローラ軸22に図示しないスプロケットが嵌挿されて揺動回動自在に軸支されるチェーンケース36の車軸37に設けている。また接地輪8は平面視において走行輪13によって踏み付けられて盛り上がる土を踏まない程度の位置に接近させて配置している。
【0021】
これにより接地輪8の車軸37は走行輪13の車軸19より機体前方に位置し、接地輪8の接地部は走行輪13の接地部の近傍に位置させることができる。従って、接地輪8は大きな上下運動を抑制されて接地回転をし、前記車軸37からチェーンケース36内のチェーン伝動機構を介して、ローラ軸22を回転させ肥料供給装置3を安定的に回転駆動させることができる。また接地輪8の接地部を走行輪13の接地部と近接させているので、ハンドル9を持ち上げて機体を旋回走行させる際に、接地輪8が旋回時に大きな抵抗となることなく機体の旋回をスムーズにする等の特徴がある。
【0022】
また上記チェーンケース36は中途部を前記支持ブラケット17の後端に吊り下げ状態で支持される支持ロッド38の下端と接続している。そして、支持ロッド38外周にはスプリング39を外装してチェーンケース36を下方揺動方向に付勢している。
また支持ブラケット17の後端には、接地輪8を地面から離間させた状態に保持する接地輪ホルダ40を設けている。図示例の接地輪ホルダ40は帯板部材の基部を支持ブラケット17に支持軸41によって実線で示す非接地姿勢(格納姿勢)と点線で示す接地姿勢(保持姿勢)とに切り替え回動自在に設けると共に、先端部に非接地姿勢において接地輪8のリム部に係合して、該接地輪8を上方に保持するフック部40aを設けた構成にしている。
【0023】
以上のように支持ロッド38及び接地輪ホルダ40を備えた施肥作業機は、圃場において施肥作業を行う際には接地輪ホルダ40を前記接地姿勢にする。これにより接地輪8は支持ロッド38及びスプリング39を介し弾力的に下方側(圃場側)に付勢されて圃場面に接地するので、圃場における走行速度に比例した速度で接地輪8が前後回転作動する。そして、接地輪8の回転速度に対応した速度で肥料供給装置3が駆動され、走行速度に対応した量の肥料を施肥パイプ4から圃場に散布することができる。
またチェーンケース36を介してローラ軸22を支点に点線で示すように持ち上げた状態の接地輪8に対し、非接地姿勢に切り換えた接地輪ホルダ40のフック部40aを係合させると、接地輪8を非接地状態に保持して路上走行を好適に行うことができる。
【0024】
ハンドル9は、その前端部(基端部)が走行機体1の前後方向中央部分から後方斜め上方に突設されたハンドルフレーム42に取付固定されている。このハンドル9は、平面視2本の棒状部材が後方に向かって互いに離間するように広がるグリップを形成し、側面視後方に向かって斜め上方に延設されている。
これにより作業者は、ハンドル9の左右のグリップを把持して操向操作を行う一方、ハンドル9を走行輪13を支点に上方に揺動させることにより、走行機体1の後部を持ち上げてロータリ6及び畝立器7を圃場面から離間させながら走行旋回をスムーズに行うことができる。
【0025】
また図示例の施肥作業機は主フレーム11の前部に側面視で逆コ字状のヒッチ部45を一体的に設けており、該ヒッチ部45の上辺に取付片46を前方に向けて延長させて取付け、取付片46の先端部に前記横フレーム14を設けている。またヒッチ部45内にはバランスウェイト47を取付けている。
この構成により走行機体1の前部に設置されるヒッチ部45を介して、横フレーム14並びに該横フレーム14に取付ける散布部4aや接地輪8及び関連フレームを、走行機体1より前部に集約させて設け、走行輪13の後部に配置されるロータリ6及び畝立器7等の作業部との重量バランスを適正にしている。これによりヒッチ部45に設けるバランスウェイト47を大型にすることなく、走行に支障を生じない大きさ及び小型形状のものにすることができる。また横フレーム14は肉厚な角パイプにすることができ、バランスウェイト47をより小型化することができる。
【0026】
以上のように構成される歩行型施肥作業機は、左右の走行輪13を有する走行機体1の後方に複数の耕耘爪を回転させて圃場を耕耘するロータリ6と、ロータリ6の後方に畝を形成する畝成形部32を複数有する畝立器7を備える共に、畝成形部32の前方に各別に配置されて前記ロータリ6による耕耘前の圃場に肥料を散布する肥料タンク2及び肥料供給装置3を有する散布部4aを備え、該散布部4aの肥料供給装置3を圃場面に転接させる接地輪8から駆動して肥料散布をする構成により、前進走行に伴い施肥パイプ4から圃場に肥料を散布し、肥料が散布された圃場の土をロータリ6で耕耘し肥料と耕耘土を攪拌させていく。そして、ロータリ6は走行に伴って描かれる肥料散布軌跡側に耕耘土を盛り、盛られた耕耘土の左右の各側部を畝立器7の対応する成形板30で押圧して斜面を形成して畝を成形する。
【0027】
上記のように形成される各畝は適度に肥料が混合された耕耘土により構成される。この畝に作物を植えて栽培することにより、作物の株元付近にのみ肥料を施肥することが可能になるため、施肥作業で使用する肥料の量を減らすことができる他、肥料を耕耘土と混合された状態で用いるため、作物の株元にノズル等で直接的に肥料を施肥するものと比較して作物の肥料障害が抑制される。くわえて、肥料が施肥された畝を2つ同時に成形していくため、作業の省力化を図ることができる他、歩行型の施肥作業機であるため、旋回時に必要な枕地を狭くすることができる。
【0028】
また歩行型施肥作業機は、走行機体1の最前部に横フレーム14を設け、該横フレーム14に左右の散布部4aを振り分けて支持すると共に、互いの肥料供給装置3を接地輪8によって回転駆動される繰出軸22で連結するので、従来のもののように走行機体1の左右に接地輪8を設けることなく、単一の接地輪8によって左右の肥料供給装置3を簡潔で廉価な構造によって安定的に駆動することができ、全体構造をより簡素化し製造コストを低く抑えることが可能になる。
【0029】
また走行機体1の前部に集約して設置される横フレーム14並びに散布部4aや接地輪8及び関連フレームと、後部に配置されるロータリ6及び畝立器7等の作業部との重量バランスを適正にとることができるので、ヒッチ部45に設けるバランスウェイト47を大型化することなく、機体の軽量化と走行バランスを改善し機体の走行作業及び旋回走行を行い易くすることができる。
さらに、接地輪8の接地部を一方の走行輪13の接地部と近接させているので、ハンドル9を持ち上げて機体を旋回走行させる際に、接地輪8が旋回時に大きな抵抗となることなくスムーズな機体旋回を行うことができる等の特徴がある。
【0030】
また横フレーム14側に設けた接地輪ホルダ40によって、接地輪8を接地姿勢から上方に持ち上げた非接地姿勢に切り換え自在に保持することができるので、接地輪8を接地姿勢から上方に持ち上げ非接地姿勢にした状態で、接地輪8を簡単な構成によって横フレーム14側に確実に保持することができ路上走行を好適に行うことができる。
【0031】
また歩行型施肥作業機は、ツールバー29の支持構造及びツールバー29に対する左右の畝立器7の支持構造により、畝立器7が上下及び左右に位置調整可能且つ成形する畝の横幅も変更可能に構成し、且つ横フレーム14に対し散布部4a及び施肥ガイド21並びに接地輪8等も左右に位置調整可能にしているので、様々な圃場状態に対応可能になるため、施肥作業機の汎用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明を適用した歩行型施肥作業機の側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 走行機体(機体)
3 肥料供給装置(肥料供給部)
4 施肥パイプ
4a 散布部
6 ロータリ
7 畝立器
8 接地輪
9 ハンドル(操向操作部)
13 走行輪(走行部、無限軌道体、車輪)
14 横フレーム
22 繰出軸
32 畝成形部
40 接地輪ホルダ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体(1)に複数の耕耘爪を回転させて圃場を耕耘するロータリ(6)と、ロータリ(6)の後方に畝を形成する畝成形部(32)を複数有する畝立器(7)を備える共に、畝成形部(32)に各別に配置されて前記ロータリ(6)による耕耘前の圃場に肥料を散布する肥料タンク(2)及び肥料供給装置(3)を有する散布部(4a)を備え、該散布部(4a)の肥料供給装置(3)を圃場面に転接させる接地輪(8)から駆動して肥料散布をする施肥作業機において、前記走行機体(1)の前部に横フレーム(14)を設け、該横フレーム(14)に左右の散布部(4a)を振り分けて支持すると共に、互いの肥料供給装置(3)を接地輪(8)によって回転駆動される1本の繰出軸(22)で連結することを特徴とする施肥作業機。
【請求項2】
横フレーム(14)側に設けた接地輪ホルダ(40)によって、接地輪(8)を接地姿勢から上方に持ち上げた非接地姿勢に切り換え自在に保持する請求項1記載の施肥作業機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−240170(P2009−240170A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87218(P2008−87218)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】