説明

映像波形マルチ表示装置及びマルチ表示方法

【課題】
従来よりも映像と波形の対応が瞬時に判別出来て使い勝手が向上した、映像信号の映像波形マルチ表示装置とマルチ表示方法を提供する。
【解決手段】
表示画面内の予め定めた位置に映像を表示し、この表示の水平および垂直位置近傍の対応した位置に、水平ラインの波形と垂直ラインの波形をそれぞれ映像と同一サイズで同時表示することにより、映像と波形の対応が容易に把握され、表示画面の切換なしに映像状態を瞬時に判別可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は映像信号の波形表示装置と波形表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の映像信号の波形表示方法は、画面内の指定した位置に対応する水平方向のみの映像信号の波形を同一画面内に表示する方法であり、情報量不足の為に映像状態が瞬時に判別し辛かった。
【0003】
【特許文献1】特開2002−135812
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題点を解決し、映像状態が瞬時に判別出来る映像信号の波形表示装置と波形表示方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決する為に、本発明の映像信号波形の表示方法は、表示画面内の予め定めた位置に映像を表示し、カーソル等によって指定した水平ラインの波形と、垂直ラインの波形、およびベクトル表示を映像と同一画面内の適宜な場所に同時表示する事を特徴としている。
【0006】
この発明によれば、映像表示近傍の適宜な場所に各波形をマルチ表示するので映像との対応が取り易くなり、映像状態が瞬時に判別出来る様になる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画面内の指定した位置に対応する映像信号の水平方向の波形と垂直方向の波形とベクトル波形を映像と同一画面内の適宜な位置に同時表示するので、情報量が増加して画面を切り換える必要も無く、視認性が向上するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面によって本発明を詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明の第一のポイントを示す図で、映像と水平波形を同時に表示した時の表示画面である。10は表示画面、20は映像表示部、30は水平波形表示部で例えばY、Pb、Prの3個の波形111、112、113を表示する。水平波形表示部には、映像全体に相当する水平波形を表示する場合と、特定水平ラインにカーソル101を表示し、このラインのみの水平波形を表示する場合がある。
【0010】
この方法は従来からも実施されて来たが、映像表示と水平波形表示の位置およびサイズは表示画面の構成上の都合で必ずしも一致しておらず、映像と水平波形の対応を直感的に把握するのが困難であった。本発明では、映像表示と水平波形表示の位置およびサイズを完全に一致させ、映像と水平波形の対応を直感的に把握するのを容易にしている。
【0011】
図2は本発明の第二のポイントを示す図で、垂直方向の波形を映像表示の左(または右)に表示の縦サイズおよび位置を揃えて表示する。ここで、信号の輝度/色相レベルを横軸に、映像の時間を縦軸にして上から下へ表示する。図で10は表示画面、20は映像表示部、40は垂直波形表示部、211〜213は垂直波形の例えばY、Pb、Pr成分である。この垂直波形は水平波形の場合と同様に、映像全体に相当する波形を表示する場合と、特定の垂直ラインにカーソル201を表示し、このラインのみの垂直波形を表示する場合がある。
【0012】
この様に映像表示と垂直波形表示を横に並べて、縦サイズおよび位置を揃えて表示することにより映像画面と垂直波形を対応して観測することが可能になり、視認性が向上する。
【0013】
図3は映像、水平波形、垂直波形およびベクトルを同一画面に表示した時の例で、50はベクトル表示部である。この例では、水平波形表示30を映像表示部20の下にサイズおよび位置を揃え、また垂直波形表示部を映像表示部の右にサイズおよび位置を揃えて表示する。こうすることにより映像画面と水平/垂直波形を対応して観測することが出来るため、視認性が向上する。
【0014】
図4は図3に示す表示を実施する時のブロック図の1例である。
ここで300は表示器、400は入力映像信号である。映像信号400は水平および垂直スケーラ301、302によって、予め決められた表示サイズに拡大/縮小され、映像メモリ321に蓄えられる。拡大/縮小された水平信号はレベル/位置変換部311によってレベルを垂直位置に変換し水平波形メモリ322に蓄積する。同様に垂直信号はレベル/位置変換部312によってレベルを水平位置に変換し垂直波形メモリー323に蓄積する。一方映像信号中のR,G,BまたはY,Pb,Pr各成分よりベクトル演算部303によってベクトル成分をもとめ、ベクトルメモリ324に蓄積する。
【0015】
ディスプレイカウンタ340は表示する画素の水平/垂直アドレス410、420を出力する。選択回路330では、ディスプレイカウンタから出力された水平/垂直アドレスによって、その位置に映像/水平波形/垂直波形/ベクトルのいずれを表示するかを予め決められた表示位置に基づいて選択し表示器350に送る。
【0016】
図5は本発明の効果を示すためのV波形表示方法を示すもので、(a)は映像表示画面、(b)は従来のやり方でV波形を表示した時の波形表示画面、(c)は本発明の方法によるV波形表示画面である。(a)に示すような横長なカラーバーが縦に並んだカラーバー信号のV波形表示をする場合、従来の(b)のように輝度レベルを縦軸に、映像のV方向(時間)を横軸に表示すると、V波形と映像との対応を直感的に捉えるのが困難である。
【0017】
これに比べて、本発明の(c)のように、輝度レベルを横軸に、映像のV方向(時間)を縦軸に表示し、さらに映像のV軸と波形表示のV軸のサイズおよび位置を一致させて表示することにより、映像とV波形の対応を直感的に捉えることが容易になり、視認性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】映像と水平波形の同時表示画面の図であり本発明の第一のポイントを示す。
【図2】本発明の第二のポイントによる映像と垂直波形の同時表示画面の図である。
【図3】本発明による映像と水平/垂直波形及びベクトルの同時表示画面の図である。
【図4】図3の表示を実施するブロックの例である。
【図5】本発明の効果を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
10 表示画面
20 映像表示部
30 水平波形表示部
40 垂直波形表示部
50 ベクトル表示部
101 水平位置カーソル
111 水平波形
112 水平波形
113 水平波形
201 垂直位置カーソル
211 垂直波形
212 垂直波形
213 垂直波形
301 水平スケーラ
302 垂直スケーラ
303 ベクトル演算部
311 レベル/位置変換部
312 レベル/位置変換部
321 映像メモリ
322 水平波形メモリ
323 垂直波形メモリ
324 ベクトルメモリ
330 選択回路
340 ディスプレイカウンタ
350 表示器
400 入力映像信号
410 水平アドレス
420 垂直アドレス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像と映像信号波形を同一画面に同時に表示する表示装置において、映像表示と水平波形表示の横方向位置およびサイズを一致させて表示することを特徴とする映像波形マルチ表示装置。
【請求項2】
映像と映像信号波形を同一画面に同時に表示する表示装置において、映像表示と垂直波形表示の縦方向位置およびサイズを一致させて表示することを特徴とする映像波形マルチ表示装置。
【請求項3】
映像表示装置において、ベクトルも同一画面に同時に表示することを特徴とする請求項1,2に記載の映像波形マルチ表示装置。
【請求項4】
映像と映像信号波形を同一画面に同時に表示する表示装置において、映像表示と水平波形表示の横方向位置およびサイズを一致させて表示することを特徴とする映像波形マルチ表示方法。
【請求項5】
映像と映像信号波形を同一画面に同時に表示する表示装置において、映像表示と垂直波形表示の縦方向位置およびサイズを一致させて表示することを特徴とする映像波形マルチ表示方法。
【請求項6】
映像表示装置において、ベクトルも同一画面に同時に表示することを特徴とする請求項4,5に記載の映像波形マルチ表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−22390(P2008−22390A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−193535(P2006−193535)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(000101330)アストロデザイン株式会社 (28)
【Fターム(参考)】