説明

映像配信サーバ装置、映像配信プログラム及び映像配信システム

【課題】簡易にユーザ毎の嗜好性にあった視聴が可能な映像配信サーバ装置及び映像配信システムを提供すること。
【解決手段】映像を視聴するユーザが使用するユーザ端末装置30の専用アプリケーション37が送信する加速度センサ36の出力に応じた情報がネットワーク1、通信処理部11を介して入力処理部15に供給され、入力処理部15が盛り上がり状況を示す情報として盛り上がりDB16に格納する。要求処理部21は、ユーザ端末装置40からの要求があると、当該ユーザの嗜好性と嗜好性DB13に格納されている他のユーザの嗜好性に応じて、インデックス作成処理部23に盛り上がりDB16に格納されている盛り上がり状況を示す情報から、インデックス情報を作成させる。インデックス情報に応じてユーザ端末装置40からの映像データの部分の要求があると、配信処理部25が画像データ中の要求された部分をユーザ端末装置40宛に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばネットワーク経由で映像を配信する映像配信サーバ装置及び映像配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
音声・映像等の視聴を行う際の技術として、会場の歓声などの音声を入力してインデックス情報を作成する技術(例えば特許文献1)、試合結果の定義データに対してルールに基づいて重要度を計算し、ダイジェスト映像を作成する技術等が知られている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−143451号公報
【特許文献2】特開2000−261754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、会場の盛り上がりを音声として入力してインデックス情報を作成しているが、会場全体の盛り上がり(音声)を入力とするため、ユーザ毎の嗜好性が考慮されず嗜好性にあった視聴ができない。また、特許文献2に開示された技術では、試合の状況を分析し、ルールに基づいて重要度を計算し、ダイジェスト映像を作成しているため、映像中のイベントの定義を行なう必要がある。このため、野球・サッカー等の映像の種類(イベント)毎に複雑なルールを作成しなくてはいけない。また、ルールにもとづいて計算した重要度がチームや特定の選手といったユーザ毎の嗜好性に合っているとは限らない。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡易にユーザ毎の嗜好性にあった視聴が可能な映像配信サーバ装置及び映像配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するための本発明の映像配信サーバ装置は、ユーザ毎に固有の識別情報に対応付けて当該ユーザの嗜好性を示す情報を保持する嗜好性保持手段と、映像データを保持する映像データ保持手段と、ユーザ毎に固有の識別情報に対応付けて当該ユーザの盛り上がり状況を示す情報を前記映像データ保持手段に保持されている映像データに対応する時系列で保持する盛り上がり状況保持手段と、映像の配信を要求するユーザの嗜好性を示す情報を入力する嗜好性入力手段と、前記映像データの配信を要求するユーザの嗜好性を示す情報と、前記嗜好性保持手段に保持されている他のユーザの嗜好性を示す情報に応じて、前記盛り上がり状況保持手段に保持されている配信が要求された映像データに対応する盛り上がり状況を示す情報から、当該映像データのインデックス情報を作成して端末装置宛てに送信するインデックス作成手段と、当該インデックス情報を受信した端末装置からの、当該インデックス情報に応じて要求される前記映像データの部分を送信する映像データ送信手段とを備えている。
【0007】
この発明によれば、映像データの配信を要求するユーザの嗜好性を示す情報と、嗜好性保持手段に保持されている他のユーザの嗜好性を示す情報に応じて、盛り上がり状況保持手段に保持されている配信が要求された映像データに対応する盛り上がり状況を示す情報から、当該映像データのインデックス情報を作成して送信する。このインデックス情報を受信した端末装置からの、当該インデックス情報に応じて要求される前記映像データの部分を送信することにより、ユーザ毎の嗜好性にあった映像データの部分を送信することができ、ユーザ毎の嗜好性にあった視聴を可能にすることができる。
【0008】
(2)また、本発明の映像配信サーバ装置は、加速度センサと、加速度センサの出力から当該端末装置の振動を検出する検出部と、検出した振動に応じた情報を前記映像配信サーバに送信する送信手段とを有する携帯情報端末装置からの前記振動に応じた情報を受信する受信手段と、受信した前記振動に応じた情報を、前記盛り上がり状況を示す情報として前記盛り上がり状況保持手段に格納する格納手段とをさらに備える構成を有している。
【0009】
この発明によれば、携帯情報端末装置の振動に応じた情報により、当該携帯情報端末装置を使用するユーザの盛り上がり状況を簡易に入力することができる。
【0010】
(3)また、本発明の映像配信サーバ装置は、前記インデックス情報が、前記盛り上がり状況保持手段に保持されている盛り上がり状況の時間変化に応じた画像の表示の定義を含むページ記述データである構成を有している。この発明によれば、端末装置側において、当該ページ記述データに応じた画像を表示することにより、盛り上がり状況を視覚的に容易に把握することができるようになる。
【0011】
(4)また、本発明の映像配信サーバ装置は、前記嗜好性を示す情報が、複数の項目に対応する情報からなり、前記インデックス作成手段は、前記映像データの配信を要求するユーザの嗜好性を示す情報の各々の項目の情報と、前記嗜好性保持手段に保持されている他のユーザの嗜好性を示す情報の各々の項目の情報との一致度に応じて、前記インデックス情報を作成する構成を有している。この発明によれば、ユーザ間の嗜好性の一致度に応じたインデックス情報を作成することができ、よりユーザの嗜好性にあった映像の視聴を可能にすることができる。
【0012】
(5)また、本発明の映像配信サーバ装置は、前記一致度が高い順に、前記映像データのダイジェスト映像のデータを生成するダイジェスト生成手段と、当該ダイジェスト映像のデータの配信を要求する動作の記述を含むダイジェスト情報を作成して前記端末装置宛てに送信するダイジェスト情報送信手段とを備える構成を有している。この発明によれば、ダイジェスト情報により、ダイジェスト映像の映像データの配信を要求することができ、ユーザの嗜好性にあった映像をより簡易に視聴することができる。
【0013】
(6)また、本発明の映像配信プログラムは、映像データを保持する映像データ保持手段に保持されている映像データをネットワーク経由で端末装置に供給するサーバ装置で実行される映像配信プログラムであって、当該サーバ装置を、映像の配信を要求するユーザの嗜好性を示す情報を入力する嗜好性入力手段、ユーザ毎に固有の識別情報に対応付けられた当該ユーザの嗜好性を示す情報と、他のユーザの盛り上がり状況を前記映像データ保持手段に保持されている映像データに対応する時系列で示す情報と、他のユーザの嗜好性を示す情報に応じて、当該映像データのインデックス情報を作成して端末装置宛てに送信するインデックス作成手段、当該インデックス情報を受信した端末装置からの、当該インデックス情報に応じて要求される前記映像データの部分を送信する映像データ送信手段、として機能させる。
【0014】
この発明によれば、ユーザ毎に固有の識別情報に対応付けられた当該ユーザの嗜好性を示す情報と、他のユーザの盛り上がり状況を前記映像データ保持手段に保持されている映像データに対応する時系列で示す情報と、他のユーザの嗜好性を示す情報に応じて、当該映像データのインデックス情報を作成して端末装置宛てに送信し、当該インデックス情報を受信した端末装置からの、当該インデックス情報に応じて要求される前記映像データの部分を送信する。これにより、ユーザ毎の嗜好性にあった映像データの部分を送信することができ、ユーザ毎の嗜好性にあった視聴を可能にすることができる。
【0015】
(7)また、本発明の映像配信システムは、本発明の映像配信サーバ装置と、前記映像配信サーバ装置からの映像データを受信する映像受信手段と、受信した映像データに応じた映像を表示させる表示手段とを有する前記端末装置とを備える構成を有している。この発明によれば、ユーザ毎の嗜好性にあった視聴を可能にすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る映像配信サーバ装置は、簡易にユーザ毎の嗜好性にあった視聴を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る映像配信サーバ装置の一実施形態における映像配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】嗜好性DBに保持されるデータの例を示す図である。
【図3】盛り上がりDBに保持されているデータの例を示す図である。
【図4】会員DBに保持されているデータの例を示す図である。
【図5】試合DBに保持されているデータの例を示す図である。
【図6】ユーザ端末装置側に表示される嗜好性入力画像の例を示す図である。
【図7】ユーザ端末装置の使用態様を示すイメージ図である。
【図8】ユーザ端末装置で実行される専用アプリケーションの動作を示すフローチャートである。
【図9】ユーザ端末装置側に表示される盛り上がり入力画像の例を示す図である。
【図10】映像の視聴を要求する際にユーザ端末装置側に表示される選択画像の例を示す図である。
【図11】映像の視聴を要求する際にユーザ端末装置側に表示される嗜好性入力画像の例を示す図である。
【図12】インデックス情報に応じてユーザ端末装置側に表示される画像の例を示す図である。
【図13】インデックス情報の作成時に用いるデータの例を示す図である。
【図14】インデックス情報の作成時に用いるデータの例を示す図である。
【図15】インデックス情報の作成時に用いるデータの例を示す図である。
【図16】インデックス情報の作成時に用いるデータの例を示す図である。
【図17】変形例の映像配信システムにおいてユーザ端末装置側に表示されるランキング画像の例を示す図である。
【図18】ランキング画像を作成する際の動作を説明するための図である。
【図19】ランキング画像を作成する際の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
なお、以下に説明する実施形態は、ネットワーク経由でスポーツ等のイベントの映像を配信する映像配信システムに、本発明を適用した場合の実施形態である。
【0020】
<構成>
まずは、図1を用いて映像配信システムの構成について説明する。なお、図1は、当該映像配信システムの全体の構成を示す図である。
【0021】
この映像配信システムは、有線あるいは無線のネットワーク1で接続されたサーバ装置(映像配信サーバ装置)10と、携帯電話端末装置あるいはスマートフォン等の携帯情報端末装置からなるユーザ端末装置(端末装置)30と、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置からなるユーザ端末装置(端末装置)40とを備えている。この映像配信システムは、ユーザ端末装置30又はユーザ端末装置40からの要求に応じて、サーバ装置10から映像データを例えばストリーミングによって送信し、ユーザ端末装置30又はユーザ端末装置40で映像データに応じた映像を表示させて視聴するようになっている。
【0022】
サーバ装置10は、インターネット等のネットワーク1を介した通信を制御する通信処理部11と、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)サービスを提供するHTTPサーバ12と、当該システムを利用するユーザ毎の嗜好性に応じたデータ(嗜好性データ)を保持する嗜好性DB(嗜好性保持手段)13と、嗜好性データの取得及び嗜好性DB13に対する格納を制御する嗜好性入力部(嗜好性入力手段)14と、ユーザ端末装置30又はユーザ端末装置40からの盛り上がり情報を取得する入力処理部15と、映像(あるいは当該映像に対応するイベント)を視聴しているユーザの盛り上がり状況を時系列的に保持する盛り上がりDB(盛り上がり状況保持手段)16と、入力処理部15を介して取得した盛り上がり情報に応じた盛り上がり状況を盛り上がりDB16に格納する盛り上がり入力部17を備えている。
【0023】
また、このサーバ装置10は、ユーザ端末装置30又はユーザ端末装置40からの要求に応じた処理を実行する要求処理部21と、当該システムを利用する個々のユーザについての情報を保持する会員DB22と、ユーザ端末装置30又はユーザ端末装置40からの要求に応じて映像のインデックス情報を作成するインデックス作成処理部(インデックス作成手段)23と、映像データの識別情報に対応する属性情報等を保持する試合DB24と、要求処理部21を介したユーザからの指示に応じてユーザ端末装置30又はユーザ端末装置40宛てに送信する配信処理部(映像データ送信手段)25と、スポーツ等のイベントの映像データを保持する映像格納部(映像データ保持手段)26とを備えている。なお、要求処理部21とインデックス作成処理部23は、例えばHTTPサーバ12の機能として実現されている。
【0024】
また、ユーザ端末装置30は、ネットワーク1を介したサーバ装置10等との通信を制御する通信処理部31と、HTTPサーバ12が提供するHTTPサービスを利用するWebブラウザ32と、HTTPサービスに応じた画像等を表示する表示部33と、ユーザからの指示等を入力する入力部34と、スクリプト言語等で記述されたプログラム(アプリケーション)を実行するVM(Virtual Machine)等からなる実行環境35と、ユーザ端末装置30の加速度を検出する加速度センサ36と、この加速度センサ36の検出出力等の盛り上がり状況を示す情報を所定の時間間隔でサーバ装置10宛てに送信する専用アプリケーション(送信手段)37とを備えている。なお、サーバ装置10からの映像データに応じた表示は、例えばストリーミング配信される映像データを受信して映像を表示するWebブラウザ32のプラグイン(プログラム)によって実現している。
【0025】
また、ユーザ端末装置40は、ネットワーク1を介したサーバ装置10等との通信を制御する通信処理部41と、HTTPサーバ12が提供するHTTPサービスを利用するWebブラウザ42と、HTTPサービスに応じた画像等を表示する表示部43と、ユーザからの指示等を入力する入力部44とを備えている。サーバ装置10からの映像データに応じた表示は、例えばWebブラウザ42のプラグインによって実現している。
【0026】
ネットワーク1は、例えばTCP/IPプロトコルで通信を行うようになっており、通信処理部11は、通信パケットを、ポート毎にHTTPサーバ12、入力処理部15、要求処理部21に振り分けるようになっている。
【0027】
ユーザ端末装置30又はユーザ端末装置40のユーザが映像を視聴する際には、Webブラウザ32又はWebブラウザ42からサーバ装置10のアドレスを入力して、映像の視聴要求を送信する。この視聴要求は、サーバ装置10の特定ポート宛ての通信パケットとして、ネットワーク1、通信処理部11を介して要求処理部21に供給される。要求処理部21は、通信パケットを受信すると、その内容に応じて、ユーザの嗜好性に応じた映像の視聴を支援するインデックス情報の作成(インデックス作成処理部23)、ストリーミングによる映像データの送信(配信処理部25)等の処理を実行する。
【0028】
<データ構造>
図2は、嗜好性DB13に格納されるデータの例を示す図である。この実施形態では、嗜好性を大まかに応援対象と観点とに分けている。応援対象については、例えば野球やサッカー等のチームで対戦するゲームの場合には、ユーザが応援するチームとし、個人が対戦する球技、格闘技等のゲームの場合には、ユーザが応援する選手とすることができる。
【0029】
また、観点については、予め詳細な項目を決めておき、各ユーザ毎に会員ID(ユーザ毎に固有の識別情報)と各項目の値(該当する場合には”TRUE”、該当しない場合には”FALSE”)とを対応付けて嗜好性DB13に格納する。なお、この図2は、野球やサッカー等のチームスポーツの場合の例を示しており、応援対象を、チーム(A、B、C、・・・)に対するチームID(チーム毎に固有の識別情報)を1、2、3、...とし、観点を、好きな選手(Aチーム[AA、AB、AC、・・・]、Bチーム[BA、BB、BC、・・・]、Cチーム[CA、・・・])とシーン(A[例えば野球の場合では、投手戦等]、B[例えば野球の場合では、打撃戦等]、C[例えば野球やサッカー等の場合では、得点等]、...)とした例を示している。これらの観点は、ユーザが、自分の好みにより、視聴しようとしている映像(あるいは当該映像に対応するイベント)に応じて設定する。なお、リアルタイムでイベントを視聴するユーザも、視聴前に、当該イベントにおける応援対象と、観点を入力した後、専用アプリケーション37を起動する。また、この際の応援対象は、当該イベントにおける応援対象を入力するが、観点については、当該試合に限らず、一般的な興味の対象等に基づく観点を入力するようにしてもよい。後で視聴するユーザの観点との相関があればよいためである。
【0030】
また、図3は、盛り上がりDB16に格納されるデータの例を示す図である。この盛り上がりDB16には、映像格納部26に格納されている映像データの試合ID(映像データ毎に固有の識別情報)と、当該映像データに応じた映像(あるいは当該映像データに対応するイベント)を視聴した際に盛り上がったユーザの会員IDと、盛り上がったタイミングの当該映像データの開始からの経過時間と、盛り上がったことを示すフラグ(盛り上がりFlag[”TRUE”:盛り上がっている、”FALSE”:盛り上がっていない])とを対応付けて格納している。なお、盛り上がったタイミングのみを盛り上がりDB16に格納しておくのであれば、盛り上がりFlagは必須ではない。
【0031】
また、図4は、会員DB22に格納されるデータの例を示す図である。この実施形態では、会員IDと、当該会員IDに対応するユーザの氏名、性別、年齢、住所等を示すデータとしている。
【0032】
図5は、試合DB24に格納されるデータの例を示す図である。この試合DB24には、映像データの試合IDと、これに対応する属性情報等が格納されている。例えば野球やサッカー等のチームスポーツの場合では、属性情報を、試合の日時、場所(試合を行った場所)、対戦したチーム(チーム1、チーム2)、各チームの出場した選手、結果(試合の結果)等とすることができる。
【0033】
<動作>
次に、本実施形態に係る映像配信システムの動作を説明する。この映像配信システムでは、全体として、各々独立して実行される以下の3つの処理がある。
(1)嗜好性入力
この処理では、映像(あるいは当該映像データに対応するイベント)を視聴するユーザの嗜好性に応じた情報を、ユーザ端末装置30又はユーザ端末装置40からサーバ装置10の嗜好性DB13に入力する。
(2)盛り上がり入力
この処理では、映像(あるいは当該映像データに対応するイベント)を視聴するユーザの盛り上がり状況をユーザ端末装置30又はユーザ端末装置40からサーバ装置10の盛り上がりDB16に入力する。
(3)視聴要求に応じたインデックス情報の作成・提供
この処理では、ユーザ端末装置30又はユーザ端末装置40からの要求に応じて、ユーザの嗜好性に応じた映像の視聴を支援するインデックス情報を作成し、ユーザ端末装置30又はユーザ端末装置40に供給する。このインデックス情報に応じて、ユーザ端末装置30又はユーザ端末装置40を操作することにより、ユーザが映像中の見たい部分を選択して視聴することができる。
【0034】
<嗜好性入力>
この映像配信システムを利用するユーザは、映像(あるいは当該映像データに対応するイベント)を視聴する前に、ユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)を用いて嗜好性を入力する。ユーザは、まず、ユーザ端末装置30のWebブラウザ32(ユーザ端末装置40のWebブラウザ42)を操作してサーバ装置10の所定のアドレスにアクセスし、嗜好性の入力を要求する。この要求は、ネットワーク1、通信処理部11、HTTPサーバ12に供給される。
【0035】
HTTPサーバ12は、予め準備されていた入力フォームのデータ(例えば入力欄とPOSTメソッド等の送信動作を記述したHTML形式のファイル等)をユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)宛てに送信する。この入力フォームのデータに応じて、Webブラウザ32(Webブラウザ42)により、例えば図6に示すような画像51が、表示部33(表示部43)に表示される。
【0036】
この画像51中には、嗜好性の具体的な内容をチェックボックスによって入力する入力欄51A、51B、51Cと、各入力欄51A、51B、51Cの入力を、例えばPOSTメソッドにより送信する動作に対応付けられたボタン51Dが含まれている。
【0037】
この画像を見たユーザが、入力部34(入力部44)を操作し、各入力欄51A、51B、51Cの該当する部分のチェックボックスをチェックし、入力したデータの送信を指示するボタン51Dをクリックすると、例えばPOSTメソッドにより、HTTPサーバ12宛てに、入力されたデータが当該ユーザの会員IDと共に送信される。なお、会員IDについては、Webブラウザ32(Webブラウザ42)が保持するcookieや、入力フォームの送信を要求する前のログイン処理等により、特定されている。
【0038】
このデータを受信すると、HTTPサーバ12は、受信したデータを嗜好性入力部14に供給する。嗜好性入力部14は、受信したデータを当該ユーザの会員IDに対応付けて嗜好性DB13に格納する。これにより、当該ユーザの嗜好性に応じた情報が嗜好性DB13に登録され、嗜好性入力の処理が終了する。
【0039】
<盛り上がり入力>
図7は、盛り上がり入力処理における、ユーザ端末装置30の使用態様を示すイメージ図である。盛り上がり入力処理において、ユーザ端末装置30を使用する場合には、同図中に示すように、予め専用アプリケーション37を起動した状態で、映像(あるいは当該映像データに対応するイベント[※リアルタイムであれば、会場で観ていてもライブ中継でテレビ等で観ていてもかまわない。])を視聴し、盛り上がったタイミングでユーザ端末装置30を振るようにする。
【0040】
図8は、ユーザ端末装置30で実行される専用アプリケーション37の動作を示すフローチャートである。ユーザが、専用アプリケーション37を起動すると、専用アプリケーション37は、所定の時間間隔{τ:例えば1秒(1[s])}が経過したか否かを確認し(S1)、所定の時間間隔毎に、加速度センサ36の出力を取得し(S2)、取得したデータに応じたデータ(盛り上がり状況に応じたデータ)を、会員IDと共にサーバ装置10の所定のポート宛てに送信する。送信するデータは、例えば加速度センサ36の出力の絶対値が所定のしきい値以上であれば盛り上がっている状態であることを示す”TRUE”、加速度センサ36の出力の絶対値が閾値より小さければ盛り上がっていないことを示す”FALSE”とする。この後、ユーザが当該専用アプリケーション37の終了を選択したか否かを確認し(S4)、終了が選択されるまでS1〜S3の動作を繰り返す。なお、TCPコネクションのセッション管理を行うのであれば、ログイン処理を行う際に会員IDをサーバ装置10宛に送信し、この後のセッション内の通信においては、ログインIDの送信は行わない動作としてもよい。これにより、トラフィックの削減に寄与することができる。
【0041】
これにより、ユーザが専用アプリケーション37を起動している間、所定の時間間隔毎に、ユーザ端末装置30からサーバ装置10の所定のポート宛てに、当該ユーザ端末装置30のユーザの盛り上がり状況を示すデータが送信され続ける。このデータは、サーバ装置10の通信処理部11を介して入力処理部15に供給される。
【0042】
入力処理部15は、供給されたデータを、当該ユーザ端末装置30を操作しているユーザが視聴している映像(あるいは当該映像データに対応するイベント)の試合IDに対応付けて、当該ユーザの会員ID、視聴開始からの経過時間、盛り上がりFlagを盛り上がりDB16に格納する。このような処理により、盛り上がりDB16には、上述の図3のようなデータが蓄積される。
【0043】
なお、盛り上がりデータの入力は、ユーザ端末装置30を振るだけでなく、専用アプリケーション37により、例えばユーザ端末装置30の表示部33に図9に示すような画像55を表示させておき、盛り上がった際に所定のボタンを押下し、専用アプリケーション37がボタンの押下を所定の時間間隔毎にサーバ装置10側に送信するようにしてもよい。また、このような動作であれば、ユーザ端末装置40のWebブラウザ42が図9と同様の画像を表示させ、Webブラウザ42が所定時間毎に画像55中のボタンの画像55Aがクリックされたか否かをサーバ装置10宛てに送信するようにしてもよい。
【0044】
また、ユーザ端末装置40における映像の視聴とユーザ端末装置30からの盛り上がりの入力との同期を取っておけば、例えばユーザ端末装置40で映像を視聴しながら、ユーザ端末装置30で盛り上がりの入力を行うようにしてもよい。よって、映像(イベント)の視聴は必ずしもリアルタイムでの視聴に限る必要はない。
【0045】
<視聴要求>
ユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)のユーザは、サーバ装置10が提供する映像配信サービスを利用しようとする際に、まず、Webブラウザ32(Webブラウザ42)を操作して、サーバ装置10の特定のポート宛に視聴要求を送信する。
【0046】
この視聴要求は、ネットワーク1、通信処理部11を介して要求処理部21に供給される。要求処理部21は、この要求に応じて、配信処理部25を介して視聴可能な映像データの試合ID等の情報を試合DB24から取得させ、これらの情報を含むデータ(ページ記述データ)を生成し、通信処理部11を介してユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)宛てに送信する。ユーザ端末装置30のWebブラウザ32(ユーザ端末装置40のWebブラウザ42)は、このデータに応じて、例えば図10に示すような画像61を表示部33(表示部43)に表示させる。
【0047】
この画像61中には、視聴を希望する映像データの試合IDを含む要求を送信する動作の定義(例えばリンクやPOSTメソッド)が含まれており、これに応じたリンク表示61A、61B、61C、61Dが含まれている。ユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)のユーザは、この画像61を確認し、入力部34(入力部44)を操作して、視聴したい映像に対応するリンク表示61A、61B、61C、61Dを指示する。これに応じて、Webブラウザ32(Webブラウザ42)は、選択されたリンク表示に対応して定義されている動作を実行し、上述の試合IDを含む要求をサーバ装置10の所定のポート宛に送信する。
【0048】
この要求は、ネットワーク1、通信処理部11を介して要求処理部21に供給される。要求処理部21は、当該要求に含まれる試合IDに対応する属性情報の選択を行うためのデータ(例えばHTML形式あるいはXML形式等のページ記述データ)をインデックス作成処理部23に作成させる。インデックス作成処理部23は、試合DB24中の当該試合IDに対応する属性データに応じて上述のページ記述データを生成し、要求処理部21に供給する。要求処理部21は、インデックス作成処理部23から供給されたページ記述データをユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)宛てに送信する。
【0049】
このページ記述データを受信したユーザ端末装置30のWebブラウザ32(ユーザ端末装置40のWebブラウザ42)は、これに応じて、例えば図11に示すような画像62を表示部33(表示部43)に表示させる。
【0050】
この画像62中には、趣向性の具体的な内容をチェックボックスによって入力する入力欄62A、62B、62Cと、各入力欄62A、62B、62Cの入力を、例えばPOSTメソッドにより送信する動作に対応付けられたボタン62Dが含まれている。
【0051】
この画像を見たユーザが、入力部34(入力部44)を操作し、各入力欄62A、62B、62Cの該当する部分のチェックボックスをチェックし、入力したデータの送信を指示するボタン62Dをクリックすると、例えばPOSTメソッドにより、サーバ装置10の所定のポート宛てに、入力された嗜好性についてのデータが送信される。このデータは、ネットワーク1、通信処理部11を介して要求処理部21に供給される。
【0052】
上述のように、嗜好性についてのデータが供給されると、要求処理部21は、インデックス作成処理部23に、インデックス情報(インデックス情報の可視化コンテンツ)を生成させ、ユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)宛てに送信する。このインデックス情報を受信したWebブラウザ32(Webブラウザ42は、)は、表示部33(Webブラウザ32)に、例えば図12に示すような画像70を表示させる。
【0053】
この画像70中には、サーバ装置10から供給される映像データに応じた映像を表示する映像領域71と、インデックス情報に応じた画像を表示するインデックス情報領域72とを含んでいる。インデックス情報領域72には、上述のように映像を視聴しようとするユーザが指定した応援対象(自チーム)についての重要度(自チーム重要度)を示す表示73と、上述のようにユーザが指定した観点についての重要度(観点重要度)を示す表示74と、上述のようにユーザが指定した応援対象以外(相手チーム)についての重要度(相手チーム重要度)を示す表示75と、自チームのクライマックスシーンを示す表示76と、映像中の再生位置を指示する再生バー77とが表示されている。
【0054】
このような画像70を見たユーザは、インデックス情報領域72の表示に応じて、入力部34(入力部34)を操作し、インデックス情報領域72中の再生バー77の位置を移動させて、見たいシーン(映像コンテンツ中の再生する時間領域)を選択する。
【0055】
シーン(時間領域)が選択されると、Webブラウザ32(Webブラウザ42)は、再生バー77の移動によって選択されたシーン(時間領域)についての情報を、サーバ装置10の所定のポート宛に送信する。より詳細には、Webブラウザ32(Webブラウザ42)のプラグインが、再生バー77の位置に応じた時間領域の映像データを要求する情報をサーバ装置10の所定のポート宛に送信する。
【0056】
このような情報は、ネットワーク1、通信処理部11を介して要求処理部21に供給される。このような情報を受信すると、要求処理部21は、配信処理部25を介して、上述のように指定された試合IDに対応する映像データ中の選択された時間領域に対応する部分を映像格納部26から読み出し、ユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)宛ての所定のポート宛に送信する。
【0057】
ユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)のWebブラウザ32(Webブラウザ42)のプラグインは、当該ポート宛のデータパケットを監視しており、要求処理部21からの映像データを受信すると、当該映像データに応じた映像を映像領域71に表示させる。これにより、ユーザの嗜好性に応じたインデックス情報からユーザが選択した時間領域の映像が映像領域71に表示される。
【0058】
このような動作により、この実施形態では、映像の視聴を要求するユーザが、サーバ装置10から提供されたインデックス情報に応じて、ユーザ端末装置30又はユーザ端末装置40を操作することにより、ユーザが映像中の見たい部分を選択して視聴することができる。従って、簡易にユーザ毎の嗜好性にあった視聴を可能にすることができる。
【0059】
<インデックス情報の作成・提供>
以下、上述のインデックス情報の作成動作の詳細について説明する。
ユーザの嗜好性にあった部分(時間領域)としては、例えば以下のような条件を満たす部分が想定される。
(1)自分が応援するチーム(応援対象)が、得点した部分、チャンス、好プレーをした部分やピンチを切り抜けた部分
(2)(1)の中で、自分の応援しているチーム(応援対象)で、かつ自分の観点(自分が好きな選手が出ている部分、投手戦、打撃戦、得点等)にあった部分(例えば「得点シーン」という観点に興味があっても、応援していない相手チームの得点シーンは観たくないと考えられるため、応援対象も考慮している。)
【0060】
逆に、ユーザの嗜好性にあっていない(見たくない)部分としては、以下のような条件を満たす部分が想定される。
(3)相手チーム(応援対象以外)が、得点した部分、チャンス、好プレーをした部分やピンチを切り抜けた部分
【0061】
このため、本実施形態では、映像を視聴しようとするユーザが入力した上述の嗜好性と、他のユーザの盛り上がり度と嗜好性とから、上述の(1)、(2)、(3)の条件を考慮したインデックス情報を作成している。
【0062】
具体的には、本実施形態では、インデックス情報として、以下の情報を作成する。
(a)チーム重要度
(b)クライマックスシーン
(c)観点重要度
【0063】
(a)チーム重要度
チーム重要度は、ユーザの応援対象毎の盛り上がり度から判断した重要度を示しており、応援対象となる各々のチーム毎に、例えば1秒単位で算出する。このチーム重要度が高ければ高いほど、そのチームを応援対象とするユーザにとって上述の(1)の条件を満たす部分に該当すると考えられる。このため、この実施形態では、応援対象のチーム毎に、応援対象が当該チームであるユーザの盛り上がりを示す指標(当該チームを応援対象としているユーザであって盛り上がっているユーザ(盛り上がりFlagが”TRUE”であるユーザ)の数/当該チームを応援対象としていて専用アプリケーション37を起動しているユーザの総数)を各々のチームのチーム重要度とし、インデックス情報に付加する。
【0064】
(b)クライマックスシーン
クライマックスシーンは、例えば2死満塁など、緊迫した場面を想定している。クライマックスシーンにおいては、対戦中の両チームのファンが同様に盛り上ると考えられ、両チームのチーム重要度が同様に高くなると考えられる。このため、この実施形態では、対戦中の両チームの各々を応援対象とするユーザのチーム重要度が一定以上である部分をクライマックスシーンと判断する。
【0065】
このクライマックスシーンでは、例えば「2死満塁を抑える」、「得点を許す」等の結果に応じて、その後の各チームの盛り上がりが、「盛り下がる」、「より盛り上がる」に分かれると考えられる。クライマックスシーン関しては、その後に盛り下がるようでは観たくない(上記の(3))と考えられ、より盛り上がるようでは観たい(上記の(1))、と考えられる。このため、この実施形態では、クライマックスシーンの部分(時間領域)を示す情報と、それがどちらのチームにとって望ましいシーンかを示す情報をインデックス情報に付加する。
【0066】
(c)観点重要度(自分の観点に合った盛り上がり度)
観点重要度は、映像を視聴しようとしているユーザの応援対象及び観点との一致度により重み付けを行った盛り上がり度を示しており、1秒単位で算出する。この観点重要度が高ければ高いほど、映像を視聴しようとしているユーザにとって、上述の(2)の条件を満たす部分(観点に近い部分)と考えられる。このため、この実施形態では、盛り上がりを入力した他のユーザの嗜好性と映像を視聴しようとしているユーザの嗜好性との一致率を考慮し、嗜好性の一致率の高い他のユーザが盛り上がっている部分を示す指標を観点重要度とし、インデックス情報に付加する。
【0067】
以下、各々の情報のさらに詳細な計算方法について説明する。
<チーム重要度の計算方法>
上述の各々の応援対象毎のチーム重要度は、上述のインデックス作成処理部23と盛り上がりDB16に格納されているデータを用いて、インデックス作成処理部23が映像データの開始位置から1秒毎に計算する。
【0068】
映像を視聴しようとしているユーザと同じ応援対象(自チーム)についてのチーム重要度は、以下の式によって求めることができる。
自チームのチーム重要度 = W/X [%]
ここで、左辺分母のXは、当該ユーザと同じ応援対象を選択していて専用アプリケーション37を起動しているユーザの総数であり、左辺分子のWは、当該ユーザと同じ応援対象を選択しており、盛り上がりFlagが"TRUE"であるユーザの数である。
【0069】
インデックス作成処理部23は、盛り上がりDB16から、ユーザが視聴しようとしている映像データの試合IDに対応する盛り上がり情報(当該試合IDに対応付けられている全てのデータ)を取得し、当該映像データの開始時間から1秒(1[s])毎に、自チームのチーム重要度を求める。
【0070】
また、映像を視聴しようとしているユーザと異なる応援対象(相手チーム)についてのチーム重要度は、以下の式によって求めることができる。
相手チームのチーム重要度 = Y/Z [%]
ここで、左辺分母のZは、当該ユーザと異なる応援対象を選択しているユーザの総数であり、左辺分子のYは、当該ユーザと異なる応援対象を選択しており、盛り上がりFlagが"TRUE"であるユーザの数である。
【0071】
インデックス作成処理部23は、盛り上がりDB16から、ユーザが視聴しようとしている映像データの試合IDに対応する盛り上がり情報(当該試合IDに対応付けられている全てのデータ)を取得し、当該映像データの開始時間から1秒(1[s])毎に、相手チームのチーム重要度を求める。
【0072】
この結果求められるチーム重要度は、例えば図13に示すように、当該試合IDに対応する画像データの開始位置からの経過時間と、各々のチームのチームIDと当該チームのチーム重要度(重要度)を並べた状態となる。
【0073】
具体的には、例えばある試合IDに対応する映像を視聴しようとしているユーザと同じチーム(応援対象:Aチーム)を選択しているユーザ数が60であり、当該ユーザと異なるチーム(応援対象:Bチーム)を選択しているユーザ数が40であるとする。当該試合IDに対応する映像の開始からある経過時間t秒において、Aチームを応援対象としているユーザのうち、盛り上がりFlagが”TRUE”であるユーザの数が40であり、Bチームを応援対象としているユーザのうち、盛り上がりFlagが”TRUE”であるユーザの数が10である場合の自チーム重要度と相手チーム重要度は、以下のようになる。
自チーム重要度 = 40/60 = 0.67(67%)
相手チーム重要度 = 10/40 = 0.25(25%)
【0074】
なお、自チーム重要度が大きければ大きいほど、かつ相手チーム重要度が小さければ小さいほど自チームにとって望ましいシーンとなる。
【0075】
このようにチーム重要度を求めると、インデックス作成処理部23は、インデックス情報に、当該チーム重要度に応じた画像の表示を指示する記述を追加する。これにより、当該インデックス情報に応じて、Webブラウザ32(Webブラウザ42)側で、上述の図12中の自チーム重要度を示す表示73と、相手チーム重要度を示す表示75を表示できる状態になる。
【0076】
<クライマックスシーンの計算方法>
上述のクライマックスシーンは、上述のように求めた各々の応援対象についてのチーム重要度(各チーム毎の盛り上がり度)を用いてインデックス作成処理部23が求める。インデックス作成処理部23は、上述のように求めた各々の応援対象についてのチーム重要度が、共に所定の値(例えば80%)を超えている部分をクライマックスシーンと判断する。なお、このクライマックスシーンを判断する所定の値は、80%でなくともよく、映像の種類によって適宜変更することができる。
【0077】
例えば映像の視聴を要求するユーザの応援対象がAチームであり、各々の応援対象についてのチーム重要度が、図14に示す状態だった場合について検討する。同図中の実線は、応援対象をAチームとしているユーザの盛り上がり度(上述の自チーム重要度に対応)を示しており、破線は、応援対象をBチームとしているユーザの盛り上がり度(上述の相手チーム重要度に対応)である。各々のチーム重要度がこのような状態である場合、インデックス作成処理部23は、各チーム重要度が共に80%を超えたt2から、一方のチーム重要度が80%を下回るt5の前(すなわちt4)までの部分(時間領域)をクライマックスシーンと判断する。
【0078】
また、インデックス作成処理部23は、上述のように判断したクライマックスシーンがいずれのチーム(応援対象)にとってのものか判断する。具体的には、インデックス作成処理部23は、クライマックスシーンが終了した後の所定時間(例えば30秒間)内の、相手チーム重要度(この場合は、チームBのチーム重要度)の平均が所定の値(例えば60%)以下であり、かつ、自チーム重要度がクライマックスシーンの間の値以上である場合に、当該クライマックスシーンを自チーム(この場合はAチーム)のクライマックスシーンであると判断する。この条件を満たさない場合は、インデックス作成処理部23は当該クライマックスシーンを相手チーム(この場合はBチーム)のクライマックスシーンであると判断する。なお、判断する所定の時間及び所定の値は、この30秒、60%に限られず、対象となる映像によって適宜変更してもよい。
【0079】
具体的には、例えば時間t1において、自チーム重要度(チームAの盛り上がり度)が85%、相手チーム重要度(チームBの盛り上がり度)が80%であり、1秒後の時間t2において、自チーム重要度が85%、相手チーム重要度が79%となり、この後30秒間で、自チーム重要度の平均が90%、相手チーム重要度の平均が50%となった場合、インデックス作成処理部23は、当該クライマックスシーンがチームAのクライマックスシーンであると判断する。
【0080】
インデックス作成処理部23は、映像データの全体について、上述のように、クライマックスシーンの開始時間と終了時間及びいずれのチームのクライマックスシーンであるかを求め、例えば図15に示すように、試合IDと、開始時間と終了時間及びチームIDに対応付けてクライマックスシーンについての情報とする。さらに、インデックス作成処理部23は、インデックス情報に、クライマックスシーンについての情報に応じた画像の表示を指示する記述を追加する。これにより、当該インデックス情報に応じて、Webブラウザ32(Webブラウザ42)側で、上述の図12中の自チームのクライマックスシーンを示す表示76を表示できる状態になる。
【0081】
なお、以上の説明では、自チームのクライマックスシーンのみを表示する動作について説明しているが、クライマックスシーンについての情報を用いれば、相手チームのクライマックスシーンも特定することができる。このため、自チームのクライマックスシーンの表示とは異なる表示態様(例えば色を変えたり、破線の形態を変える等)で、相手チームのクライマックスシーンを表示する記述をインデックス情報に追加するようにしてもよい。これにより、ユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)を使用しているユーザに相手チームのクライマックスシーンを認識させることができるようになる。
【0082】
<観点重要度の計算方法>
上述の観点重要度は、嗜好性DB13と盛り上がりDB16に格納されているデータを用いて、インデックス作成処理部23が、映像データの1秒毎に、映像を視聴しようとしているユーザの観点との一致度により重み付けを行った盛り上がり度として求める。
【0083】
この観点重要度は、次式によって求めることができる。
観点重要度 = U/X [%]
ここで、左辺分母のXは、上述の自チームのチーム重要度を求める際と同じく、当該ユーザと同じ応援対象を選択していて専用アプリケーション37を起動しているユーザの総数であり、左辺分子のUは、当該ユーザと同じ応援対象を選択しており、盛り上がりFlagが"TRUE"であるユーザの観点ポイントの合計である。
【0084】
また、観点ポイントは、映像の視聴を要求しているユーザと、他のユーザの観点との一致度である。具体的には、例えば映像の視聴を要求しているユーザが入力した観点の数をBとし、他のユーザが入力した観点の数をCとし、これらの観点が一致している数をDとすると、観点ポイントは、 D/B となる。
【0085】
なお、観点ポイントは、盛り上がりを入力したユーザと映像の視聴を要求するユーザの観点の一致度が高ければ高いほど大きくなる。これにより、盛り上がり度(上述の自チーム重要度)に、観点の一致度によって重み付けし、観点が近いユーザの意見を重く扱うようになっている。
【0086】
例えば映像の視聴を要求しているユーザと同じ応援対象を選択しているユーザ数が10で、このうち盛り上がりFlagが”TRUE”であるユーザ数が5であり、これらのユーザの観点ポイントが、各々、0.68、0.55、0.80、0.15、0.52である場合、観点重要度は、
(0.68+0.55+0.80+0.15+0.52)/10=0.27(27%)
となる。なお、このような条件下での自チーム重要度は、
5/10=0.5(50%) となる。
【0087】
このように求めた観点重要度は、例えば図16に示すように、試合IDと映像データの開始からの経過時間と当該時間における重要度とを対応付けたデータとなる。このような観点重要度を求めると、インデックス作成処理部23は、インデックス情報に、求めた観点重要度に応じた画像の表示を指示する記述を追加する。これにより、当該インデックス情報に応じて、Webブラウザ32(Webブラウザ42)側で、上述の図12中の観点重要度を示す表示74を表示できる状態になる。
【0088】
<効果>
この実施形態では、上述のように、映像(あるいは当該映像データに対応するイベント)を視聴するユーザの嗜好性を入力し、当該映像(あるいは当該映像データに対応するイベント)を見たユーザが、盛り上がり状況を入力しておき、映像の視聴を要求するユーザの嗜好性に合ったインデックス情報を作成してユーザ端末装置に提供することにより、映像の視聴を要求するユーザ毎の嗜好性にあった視聴を可能にすることができる。これにより、例えばスポーツ等のイベントの映像を視聴する際に、全ての映像を視聴することなく、自分の嗜好性にあった部分のみ選択して視聴することができる。
【0089】
<変形例>
次に、図17〜図19を用いて本実施形態の映像配信システムの変形例について説明する。この変形例に係る映像配信システムでは、上述のように作成したインデックス情報に基づいて、映像格納部26に格納されている映像データからダイジェスト映像を作成し、ユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)からの要求に応じて提供するようになっている。このダイジェスト映像を作成する映像データ中の部分(区間)は、例えば上述のチーム重要度、クライマックスシーン、観点重要度に応じて、インデックス作成処理部(ダイジェスト情報送信手段)23が選択するようになっている。
【0090】
<チーム重要度>
インデックス作成処理部23は、上述のチーム重要度中の、盛り上がり度が高い区間を抽出し、チーム重要度の平均値が高い上位3つの区間についてダイジェスト映像を作成する。このように作成したダイジェスト映像についての情報は、例えば図17に示すような画像を、ユーザ端末装置30の表示部33(ユーザ端末装置40の表示部43)に表示させるページ記述データとして、ユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)に供給する。
【0091】
インデックス作成処理部23は、まず、上述のように求めたチーム重要度が所定の閾値(例えば90%)以上の状態が15秒以上続く部分(区間)を抽出する。なお、抽出する部分が短いと映像として物足りないため、15秒以上の区間を抽出するようにしているが、この区間を判断する閾値、時間については、映像の種類等に応じて適宜変更するようにしてもよい。
【0092】
具体的には、例えばチーム重要度が、図18に示すような状態である場合には、この段階で、同図中のA、Bの区間が抽出される。ここで、2つ以上の区間が抽出された場合には、インデックス作成処理部23は、抽出した区間のチーム重要度を比較して、チーム重要度が高い方の区間を上の順位とする。
【0093】
チーム重要度が90%以上の区間が3つ以上抽出されなかった場合には、インデックス作成処理部23は、3つ以上の区間が抽出されるまで、閾値を10%ずつ下げながら、チーム重要度が閾値以上の状態が15秒以上続く区間を抽出する。ここで、抽出された区間について、以下の条件を満たす場合には、インデックス作成処理部23は、当該区間を抽出対象から除外する。
(1)既に抽出済みの区間を含む場合(上述の図18に示す場合では、抽出済みのBを含むCの区間。)
ダイジェスト映像の内容が重複するためである。
(2)既に抽出済みの区間と隣接する場合(上述の図18に示す場合では、抽出済みのBに隣接するDの区間。)
内容的に抽出済みの区間と同じような内容と思われるためである。
【0094】
このような動作により、例えば上述の図18に示す場合では、上述のA、Bの区間の他に、Eの区間が抽出される。このように抽出された各区間のチーム重要度の平均は、以下のようになる。
区間Aのチーム重要度の平均値=94%
区間Bのチーム重要度の平均値=93%
区間Eのチーム重要度の平均値=88%
【0095】
このため、インデックス作成処理部23は、各区間のランキングを、1位:A区間、2位:B区間、3位:E区間とする。このようにランキングを決定すると、インデックス作成処理部23は、映像格納部26に格納されている映像データから各区間に対応する部分を抽出し、ダイジェスト映像の映像データとする。さらに、インデックス作成処理部23は、これらの映像データに対するリンク等の記述を、上述の図17に示す画像を表示させるためのページ記述データ中に追加する。なお、対象となる区間が最終的に3つ以上抽出されなかった場合には、インデックス作成処理部23は、抽出できた数だけのダイジェスト映像(を示す画像)の表示の指示を、ページ記述データに追加する。
【0096】
このページ記述データは、ユーザ端末装置30のWebブラウザ32(ユーザ端末装置40のWebブラウザ42)に供給され、Webブラウザ32がこれに応じた画像80を表示部33に表示させる。この画像80中には、各ダイジェスト映像に対するリンク81、82、83が含まれており、ユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)のユーザが入力部34(入力部44)を操作して視聴を求めるダイジェスト映像に対応するリンクを指示すると、Webブラウザ32(Webブラウザ42)が、当該ダイジェスト映像の送信をサーバ装置10に要求する。
【0097】
この要求は、ネットワーク1、通信処理部11を介して要求処理部21に供給され、要求処理部21は、配信処理部25に、ユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)から要求されたダイジェスト映像の画像データを送信させる。これにより、ユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)側にダイジェスト映像の画像データが供給され、Webブラウザ32(Webブラウザ42)によって、ダイジェスト映像が表示される。
【0098】
<クライマックスシーン>
また、インデックス作成処理部23は、自チームのクライマックスシーンを抽出し、クライマックスシーンの区間でチーム重要度が高い上位3つ区間についてダイジェスト映像を作成する。このように作成したダイジェスト映像についての情報は、上述の図17に示す画像を表示させるページ記述データ中に追加して、ユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40)に供給する。
【0099】
まず、インデックス作成処理部23は、上述のように求めた自チームのクライマックスシーンを抽出する。次に、インデックス作成処理部23は、抽出した各々のクライマックスシーンの区間内のチーム重要度の平均値を算出する。さらに、インデックス作成処理部23は、算出したチーム重要度の平均値が高い順に、上位3つの区間について、ダイジェスト映像を作成する。
【0100】
このダイジェスト映像は、対応するクライマックスシーンが終了した後、自チームのチーム重要度が所定の値(例えば上述のクライマックスシーンの判断に用いた80%)以下になるまでの区間について作成する。具体的には、例えば図19中に示すように、クライマックスシーンの区間(同図中のA)と、当該クライマックスシーンの終了後、自チームのチーム重要度(同図中の符号73に対応)が、80%以下になるまでの区間を含む区間(同図中のB)に対して、ダイジェスト映像を作成する。
【0101】
さらに、インデックス作成処理部23は、これらのダイジェスト映像の映像データに対するリンク等の記述を、上述の図17に示す画像を表示させるためのページ記述データ中に追加する。なお、対象となる区間が最終的に3つ以上抽出されなかった場合には、インデックス作成処理部23は、抽出できた数だけのダイジェスト映像(を示す画像)の表示の指示を、ページ記述データに追加する。
【0102】
<観点重要度>
観点重要度ランキングは、上述の観点重要度に対して、上述のチーム重要度についてのランキングと同様の処理を行って求める。インデックス作成処理部23は、ランキングの上位3つについて、上述と同様に、ダイジェスト映像の映像データを作成し、これらの映像データに対するリンク等の記述を、上述の図17に示す画像を表示させるためのページ記述データ中に追加する。
【0103】
このように、上述のチーム重要度、クライマックスシーン、観点重要度のランキングに応じてダイジェスト映像を作成しておき、ユーザ端末装置30(ユーザ端末装置40側)からの要求に応じてダイジェスト映像を提供することにより、ユーザの嗜好性にあった映像をより簡易に視聴することができる。
【符号の説明】
【0104】
1 … ネットワーク
10 … サーバ装置
13 … 嗜好性DB
14 … 嗜好性入力部
16 … 盛り上がりDB
17 … 盛り上がり入力部
21 … 要求処理部
22 … 会員DB
23 … インデックス作成処理部
24 … 試合DB
25 … 配信処理部
26 … 映像格納部
30 … ユーザ端末装置
36 … 加速度センサ
40 … ユーザ端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ毎に固有の識別情報に対応付けて当該ユーザの嗜好性を示す情報を保持する嗜好性保持手段と、
映像データを保持する映像データ保持手段と、
ユーザ毎に固有の識別情報に対応付けて当該ユーザの盛り上がり状況を示す情報を前記映像データ保持手段に保持されている映像データに対応する時系列で保持する盛り上がり状況保持手段と、
映像の配信を要求するユーザの嗜好性を示す情報を入力する嗜好性入力手段と、
前記映像データの配信を要求するユーザの嗜好性を示す情報と、前記嗜好性保持手段に保持されている他のユーザの嗜好性を示す情報に応じて、前記盛り上がり状況保持手段に保持されている配信が要求された映像データに対応する盛り上がり状況を示す情報から、当該映像データのインデックス情報を作成して端末装置宛てに送信するインデックス作成手段と、
当該インデックス情報を受信した端末装置からの、当該インデックス情報に応じて要求される前記映像データの部分を送信する映像データ送信手段と、を備える映像配信サーバ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の映像配信サーバ装置において、
加速度センサと、加速度センサの出力から当該端末装置の振動を検出する検出部と、検出した振動に応じた情報を前記映像配信サーバに送信する送信手段とを有する携帯情報端末装置からの前記振動に応じた情報を受信する受信手段と、
受信した前記振動に応じた情報を、前記盛り上がり状況を示す情報として前記盛り上がり状況保持手段に格納する格納手段とをさらに備える、映像配信サーバ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の映像配信サーバ装置において、
前記インデックス情報は、
前記盛り上がり状況保持手段に保持されている盛り上がり状況の時間変化に応じた画像の表示の定義を含むページ記述データである、映像配信サーバ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の映像配信サーバ装置において、
前記嗜好性を示す情報は、複数の項目に対応する情報からなり、
前記インデックス作成手段は、前記映像データの配信を要求するユーザの嗜好性を示す情報の各々の項目の情報と、前記嗜好性保持手段に保持されている他のユーザの嗜好性を示す情報の各々の項目の情報との一致度に応じて、前記インデックス情報を作成する、映像配信サーバ装置。
【請求項5】
請求項4に記載の映像配信サーバ装置において、
前記一致度が高い順に、前記映像データのダイジェスト映像のデータを生成するダイジェスト生成手段と、
当該ダイジェスト映像のデータの配信を要求する動作の記述を含むダイジェスト情報を作成して前記端末装置宛てに送信するダイジェスト情報送信手段とを備える、映像配信サーバ装置。
【請求項6】
映像データを保持する映像データ保持手段に保持されている映像データをネットワーク経由で端末装置に供給するサーバ装置で実行される映像配信プログラムであって、
当該サーバ装置を、
映像の配信を要求するユーザの嗜好性を示す情報を入力する嗜好性入力手段、
ユーザ毎に固有の識別情報に対応付けられた当該ユーザの嗜好性を示す情報と、他のユーザの盛り上がり状況を前記映像データ保持手段に保持されている映像データに対応する時系列で示す情報と、他のユーザの嗜好性を示す情報に応じて、当該映像データのインデックス情報を作成して端末装置宛てに送信するインデックス作成手段、
当該インデックス情報を受信した端末装置からの、当該インデックス情報に応じて要求される前記映像データの部分を送信する映像データ送信手段、
として機能させる映像配信プログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の映像配信サーバ装置と、
前記映像配信サーバ装置からの映像データを受信する映像受信手段と、受信した映像データに応じた映像を表示させる表示手段とを有する前記端末装置とを備える、映像配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−209823(P2012−209823A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74894(P2011−74894)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】