説明

普通型コンバイン

【課題】刈取部の搬送部の塵埃をフィーダハウスから吸い出した後に、隣接配置の操縦部に戻らないようにして、同操縦部まわりの作業環境の改善を図ることができる普通型コンバインを提供する。
【解決手段】普通型コンバイン1は、刈取前処理部2と搬送部3とからなる刈取部と、その搬送部3の側方に面する操縦部7等を備えて構成され、上記搬送部3は、刈取前処理部2の後端に接続して内設のスラットコンベヤ17によって刈取物を後方に案内するフィーダハウス16と、このフィーダハウス16の上面から内部の塵埃混入空気を吸い出す排塵ファン21と、吸い出された塵埃混入空気をフィーダハウス16の操縦部寄りの側面に沿ってその下面位置まで下行案内する案内ダクト22とからなり、この案内ダクト22の下端には、フィーダハウス16の下面に沿って機体の外側方に向かって開口する排出口22aを形成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、普通型コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
機体前部に刈取前処理部と搬送部とを一体に上下動作可能に備え、その搬送部と隣接して後部の脱穀貯留部との間に操縦部を備える普通型コンバインにおいて、例えば、特許文献1に記載のように、搬送部を構成するフィーダハウスに排塵ファンを設ける技術が知られている。この排塵ファンは、フィーダハウスの上面から塵埃混入空気を吸い出して、操縦部と反対側の外側部に形成したダクトの下端開口から排出することにより、刈取部からその後方の操縦部に流れる塵埃がフィーダハウスに集められた上で操縦部から遠い機体外側位置に排出されるので、操縦部まわりの作業環境の改善を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3676356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フィーダハウス内の塵埃混入空気は、排塵ファンによって吸い出されてダクトの下端開口から排出されると、圃場面にぶつかることによってフィーダハウスの下方に充満し、操縦部との間の隙間から再び操縦部に舞い上がるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、刈取部の搬送部の塵埃混入空気をフィーダハウスから吸い出した後に、隣接配置の操縦部戻らないようにして、同操縦部まわりの作業環境の改善を図ることができる普通型コンバインを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、刈取前処理部(2)と搬送部(3)とからなる刈取部を走行機台(4)の前方に上下動可能に支持し、該刈取部の後端部に接続する脱穀貯留部(5,6)と、上記搬送部(3)の側方に面する操縦部(7)とを備える普通型コンバインにおいて、上記搬送部(3)は、刈取前処理部(2)の後端に接続して刈取物を後方に案内するフィーダハウス(16)と、このフィーダハウス(16)内でその底板(16a)に沿って刈取物を上昇移送するスラットコンベヤ(17)と、フィーダハウス(16)の上面から内部の塵埃混入空気を吸い出す排塵ファン(21)と、吸い出された塵埃混入空気をフィーダハウス(16)の操縦部(7)寄りの側面(16c)に沿って下面位置まで案内する案内ダクト(22)とからなり、この案内ダクト(22)の下端には、フィーダハウス(16)の下面に沿って機体の外側方に向かって開口する排出口(22a)を形成したことを特徴とする普通型コンバインとする。
【0007】
上記普通型コンバインは、操縦部における操作指令に基づき、刈取部によって刈取りを行い、フィーダハウスにスラットコンベヤを内設した搬送部によって後送して脱穀貯留し、この時、搬送部のフィーダハウスに設けた排塵ファンと案内ダクトとにより、刈取部からフィーダハウスを経て吸い出された塵埃混入空気を同フィーダハウスの操縦部寄り側面に沿って下行案内し、その下端に開口する排出口により、フィーダハウスの下面に沿って機体の外側方に向かって操縦部と反対方向に排出する。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記フィーダハウス(16)の下面には土砂排出用の目抜窓(23)を形成し、この目抜窓(23)を案内ダクト(22)の排出口(22a)からの排出風の流動域に臨ませたことを特徴とする請求項1記載の普通型コンバインとする。
上記フィーダハウス内の土砂は刈取物の移送に伴って目抜窓から落下し、この時、案内ダクトの排出口からフィーダハウスの下面に沿って吹き出された塵埃混入空気によって操縦部と反対方向の機体の外側方に案内される。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記フィーダハウス(16)内に仕切板(25)を設け、この仕切板(25)はスラットコンベヤ(17)の上方空間を排塵ファン(21)の後端位置で前後に仕切る構成としたことを特徴とする請求項1記載の普通型コンバインとする。
上記フィーダハウス内は、仕切板がスラットコンベヤの上方空間を排塵ファンの後端位置で前後に仕切られることから、排塵ファンが主として刈取部の側から塵埃混入空気を吸引する。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記仕切板(25)は、可撓性板材によってスラットコンベヤ(17)と干渉可能に構成したことを特徴とする請求項3記載の普通型コンバインとする。
上記スラットコンベヤは、可撓性板材による仕切板との干渉によって掻落とし作用を受ける。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によると、操縦部における操作指令に基づき、刈取前処理部によって刈取りを行い、フィーダハウスにスラットコンベヤを内設した搬送部によって後送して脱穀貯留し、この時、搬送部のフィーダハウスに設けた排塵ファンと案内ダクトとにより、刈取部からフィーダハウスを経て吸い出された塵埃混入空気を同フィーダハウスの操縦部寄り側面に沿って下降案内し、その下端に開口する排出口により、フィーダハウスの下面に沿って機体の外側方に向かって操縦部と反対方向に排出する。したがって、大豆等の低位栽培作物の収穫作業に際して、作物に付着した塵埃は、搬送部から吸い出された後にフィーダハウスの下面と圃場面との間を案内されるようにして操縦部と反対方向の機体外側に向けて排出されることから、操縦部に戻ることなく刈取前処理部から操縦部に流れる塵埃が抑えられるので、操縦部の作業環境の改善を図ることができる。
【0012】
請求項2記載の発明によると、請求項1記載の発明の効果に加え、上記フィーダハウス内の土砂が刈取物の移送に伴って目抜窓から落下し、この時、案内ダクトの排出口からフィーダハウスの下面に沿って吹き出された塵埃混入空気によって操縦部と反対方向の機体の外側方に案内されることから、操縦部の作業環境を損なうことなく、フィーダハウス内の土砂排出によって円滑な刈取物搬送を確保することができる。
【0013】
請求項3記載の発明によると、請求項1記載の発明の効果に加え、上記フィーダハウス内は、仕切板によりスラットコンベヤの上方空間が排塵ファンの後端位置で前後に仕切られることから、排塵ファンが主として刈取部の側から塵埃混入空気を吸引するので、刈取部から舞い上がる塵埃が低減されて操縦部の作業環境の改善を図ることができる。
【0014】
請求項4記載の発明によると、請求項3記載の発明の効果に加え、スラットコンベヤが、可撓性板材による仕切板との干渉によって掻落とし作用を受けることから、土砂の付着や夾雑物の引掛かりが抑えられるので、土砂や夾雑物の滞留をが無くなって円滑な搬送が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の普通型コンバインの平面図
【図2】刈取部の要部拡大側面図
【図3】図2におけるS1−S1線断面の拡大図
【図4】フィーダハウスの上板の貫通部の上面図
【図5】高位刈取用刈取部の要部平面図
【図6】図5の刈取部の側面図
【図7】刈取部の移送体の要部断面の拡大図
【図8】分草体のガイド板の動作説明側面図
【図9】別構成の普通型コンバインの側面図
【図10】図9の普通型コンバインの平面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の普通型コンバインの平面図である。この図に記載の普通型コンバイン1は、刈取前処理部2と搬送部3とからなる刈取部を圃場走行可能な走行機台4に設けた伝動支軸4aと不図示の昇降シリンダによって前方に延出支持することにより大豆等の低位置刈取りを可能に構成し、その後端部に接続する脱穀部5と、その側方に隣接して脱穀物を貯留排出する貯留部6と、上記搬送部3の側方に面する操縦部7とを備える。
【0017】
刈取部の刈取前処理部2は、要部拡大側面図を図2に示すように、先端位置で刈取幅を定める左右の分草杆11,11と、分草幅内の植立穀稈を上方から掻込むリ−ル12と、掻込まれた植立穀稈の株元を全幅切断して刈取りするバリカン型のレシプロ切断機13と、刈取物を幅方向に掻き集めて送出口に送り出す掻寄オーガ14と、これら機器を支持する略バケット状のフレーム15とから構成する。
【0018】
また、搬送部3は、刈取前処理部2のフレーム15の後端に接続して刈取物を後方に案内する底板16aを備える略筒状のフィーダハウス16と、このフィーダハウス内でその底板16aに沿って刈取物を上昇移送するスラット板17a…を左右の無端チェーン17b,17b間に架設したスラットコンベヤ17とによって構成し、フィーダハウス16の上板16bを中間部を高く山形状に形成してスラットコンベヤ17の上方に流通空間を確保するとともに、上板16bに形成した貫通部から内部の塵埃混入空気を吸い出す排塵装置18を設ける。
【0019】
排塵装置18は、図2に示すS1−S1線断面の拡大図を図3に示すように、フィーダハウス16の上板16bの頂部に設けた排塵ファン21と、吸い出された塵埃混入空気をフィーダハウス16の操縦部寄りの側面16cに沿って下面位置まで下行案内する案内ダクト22とからなり、この案内ダクト22の下端には、フィーダハウス16の下面に沿って機体の外側方に向かって開口する排出口22aを形成する。
【0020】
このように排塵装置18を構成した刈取部の搬送部3は、フィーダハウス16に設けた排塵ファン21と案内ダクト22とにより、刈取前処理部2からフィーダハウス16を経て吸い出された塵埃混入空気を同フィーダハウス16の操縦部寄り側面に沿って下行案内し、その下端に開口する排出口22aにより、フィーダハウス16の下面に沿って機体の外側方に向かって操縦部7と反対方向に排出する。
【0021】
したがって、大豆等の低位栽培作物の収穫作業に際して、作物に付着した塵埃は、搬送部3から吸い出された後にフィーダハウス16の下面と圃場面との間を案内されるようにして操縦部7と反対方向の機体外側に向けて排出されることから、塵埃が操縦部7に戻ることなく刈取前処理部2から操縦部7に流れる塵埃が低減されるので、操縦部の作業環境の改善を図ることができる。
【0022】
この場合において、排出口22aは、必要により、フィーダハウス16の外側面に形成し、この排出口22aまで操縦部7の側からフィーダハウス16を横断するように案内ダクト22を連通して構成することにより、前記同様に塵埃を操縦部7と反対方向に排出することができるので、搬送部3の下方のメンテナンス空間を損なうことなく、操縦部7の作業環境の改善を図ることができる。
【0023】
また、前記構成において、フィーダハウス16の下面には土砂排出用の目抜窓23を形成し、この目抜窓23を案内ダクト22の排出口22aからの排出流域に配置することにより、フィーダハウス16内の土砂は刈取物の移送に伴って目抜窓23から落下し、この時、案内ダクト22の排出口22aからフィーダハウス16の下面に沿って吹き出された塵埃混入空気によって操縦部7と反対方向の機体の外側方に案内される。したがって、操縦部7の作業環境を損なうことなく、フィーダハウス16内の土砂排出が可能となり、機体への埃の堆積を防止することができる。
【0024】
また、排塵ファン21と連通するフィーダハウス16の上板16bの貫通部には、穀粒の吸い出しを防止するために、図4の上面図に示すように、粒径より小さい網目材24を設け、さらに、排塵ファン21が主として刈取前処理部2の側から塵埃混入空気を吸引するように、貫通部の後端位置から下垂状に仕切板25を設けるとともに、その下端縁がスラットコンベヤ17のスラット板17a…に接触して付着物を掻き落とすように仕切板25を可撓部材によって形成し、または、前後揺動可能に軸支する。
【0025】
このようにフィーダハウス16内に仕切板25を設け、スラットコンベヤ17の上方空間を排塵ファン21の後端位置で前後に仕切ることにより、排塵ファン21が主として刈取前処理部2の側から塵埃混入空気を吸引するので、刈取前処理部2から舞い上がる塵埃が低減されて操縦部7の作業環境の改善を図ることができ、また、仕切板25の下端縁をスラットコンベヤ17と干渉可能に構成したことから、その掻落とし作用により、スラットコンベヤ17は、土砂の付着や夾雑物の引掛かりが抑えられるので、土砂や夾雑物の滞留が無くなって円滑な搬送が確保され、また、上記網目材24の目詰まりによって刈取前処理部2から舞い上がる埃による前方視界不良や目詰まりの清掃の手間を解消することができる。
【0026】
(向日葵収穫)
次に、向日葵の種の収穫等の高位置収穫用の刈取部の構成を説明する。
向日葵の種を収穫するために、長稈の頂部に形成される花托を刈取る刈取部を備えた従来の普通型コンバイン(例えば、特開2007−252260号公報)は、長稈を取込むための並列搬送装置を備えた刈取部の両側端部に機体全長を抑えて分草体とガイドカバーを備えて構成されることから、倒伏した向日葵が分草体にもたれかかったり、ガイドカバーとの間に入り込んで流れが悪くなり、詰まりの原因となり、また、外に垂れるように傾斜した長稈の切断によって重い花托が機外に落下してヘッドロスを生じるという問題があった。
【0027】
このような問題を解消するために、刈取前処理部31は、要部平面図およびその側面図を図5、図6にそれぞれ示すように、刈取全幅寸法を隔てて左右の分草体32,32を設け、その間に受けた長稈を取り込むための並列搬送装置を対向移送体33…と側端移送体34,34とによって構成し、これら全移送体の移送経路を横断するレシプロ切断部35と、切断花托を受けて幅方向に掻き集めつつ送出口に送り出す掻寄オーガ36とを刈取フレーム37に支持し、その下部に長稈の株元側を切断するために中央位置に掻き寄せるオーガ38を備えて構成する。
【0028】
並列搬送装置は、複数の並列配置の対向移送体33…を後ろ上がりに傾斜して並列配置し、その両側端位置に左右の分草体32,32と近接して側端移送体34,34を配置する。対向移送体33は、長円形に周回支持した無端チェーン41に複数のクロスバー42…を直交して等ピッチに設け、カバー付きフレーム43に軸支した駆動軸44についてレバー操作によって上下方向に回動可能に構成する。側端移送体34は、分草体32のガイド板32aから長稈を引き継ぐ位置から対向移送体33の終端までの範囲で短い無端チェーン41aに短いクロスバー42a…を直交して等ピッチに設け、カバー付きフレーム43aに軸支した共通の駆動軸44について対向移送体33と一体に上下方向に回動可能に構成する。
【0029】
詳細には、対向移送体33は、刈取前処理部31の要部断面の拡大図を図7に示すように、無端チェーン41に直交する複数のクロスバー42…を長稈が引っ掛かるように両側に張出して取付け、無端チェーン41の下半の逆行部分をカバー43で覆い、隣接の対向移送体33との間Aを長稈通路として並列配置する。側端移送体34は、無端チェーン41aに直交するクロスバー42a…を対向移送体33の側に長稈が引っ掛かるように片側のみに張出して取付け、無端チェーン41aの下半の逆行部分を分草体32の側カバー43aで覆って構成し、最外側の対向移送体33との間を対向移送体33の相互間の距離Aを確保し、分草体32との間Bを小さく配置する。
【0030】
また、ガイド板32aは、並列搬送装置33,34の上下全範囲位置について、長稈を安定して取込むために、図8の動作説明の側面図に示すように、その後端部を側端移送体34の前端に近接して構成するととともに、同側端移送体34の前端の上下動作範囲に及んで形成する。
【0031】
このように刈取前処理部31を構成することにより、並列する対向移送体33,33の間で対向するクロスバー42,42…が両側から同速で長稈を取込み、この時、刈取幅の両側端位置の長稈は、機体全長を抑えて配置した分草体32のガイド板32aから側端移送体34に引き継がれて対向移送体33との間で対向するクロスバー42,42a…によって両側から同速で取込まれる。また、側端移送体34を左右非対称とすることにより、側端の分草体32との間Bを小さくでき、長稈の侵入による詰まりを解消することができる。
【0032】
したがって、倒伏した向日葵についても、刈取部31の全刈取幅の長稈を安定して取込み、切断と掻寄せによって全量をロス無く効率よく収穫することができるので、機体全長を抑えつつ、分草体に起因する詰まりやヘッドロスの問題を解消することができる。
【0033】
(貯留部排出装置)
次に、貯留部の排出装置について説明すると、別構成例の普通型コンバインの側面図、平面図を図9および図10にそれぞれ示すように、タンク6a内の貯留物を排出するための排出オーガ6bを備えるとともに、同タンク6aの外側部にある窓に着脱可能にバケット型排出装置51を設け、大豆等の貯留物について、穀粒表面の損傷を最小限度に抑えて無理なく排出できるように構成する。
【0034】
タンク6aの外側部には、ホッパまたはフレコン用の取出しとしての窓が設けられており、この窓に補助取出52を取付けて流出口とし、油圧モータ53で昇降駆動するバケット型排出装置51を装着し、排出オーガ6bの上下シリンダ(不図示)の油圧配管を利用して油圧モータ53に配管することによりバケットを昇降駆動する。このように構成することにより、従来必要であったタンク6aの側面交換を要することなく、バケット型排出装置51を取付けることができる。
【0035】
この場合において、バケット型排出装置51の取付け位置がタンク6aの中央近辺となり、従来のごとくのタンク6aの下部から排出する場合と比較して装置の底部54が高い位置Hとなることから、排出装置51が小型になって軽量で取扱が容易となるとともに、メンテナンスや清掃が、排出装置51の底部54を開いて姿勢を崩さずに容易に実施することができる。
【0036】
また、バケット型排出装置51は、回動メタル55によって流出口を中心に格納位置まで回動可能に構成することにより、最高高さAの直立の排出位置から機体移動時に格納位置に倒して全高を低くすることができる。この格納位置の高さCは、操縦部7の高さBより低くすることにより、路上走行車両としての法令基準を満たすことができ、また、バケット型排出装置51を傾動動作させるシリンダ56を設けることにより、スイッチ操作で容易に排出位置と格納位置とを切替えることができる。
【0037】
この場合において、排出装置51は、格納位置で傾斜したまま排出動作すると排出先に入らないことがあり、また、周回動作するバケットのバタツキによって詰まりの原因となるとともに、排出能力が低下することから、直立の排出位置でオンとなる安全スイッチを設け、この安全スイッチのオンを条件として排出動作可能に構成する。
【符号の説明】
【0038】
1 普通型コンバイン
2 刈取前処理部
3 搬送部
4 走行機台
4a 伝動支軸
5 脱穀部
6 貯留部
7 操縦部
11 分草杆
13 レシプロ切断機
14 掻寄オーガ
15 フレーム
16 フィーダハウス
16a 底板
16b 上板
16c 側面
17 スラットコンベヤ
17a スラット板
17b 無端チェーン
18 排塵装置
21 排塵ファン
22 案内ダクト
22a 排出口
23 目抜窓
24 網目材
25 仕切板
A 隙間
B 隙間



【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取前処理部(2)と搬送部(3)とからなる刈取部を走行基機台(4)の前方に上下動作可能に支持し、該刈取部の後端部に接続する脱穀貯留部(5,6)と、上記搬送部(3)の側方に面する操縦部(7)とを備える普通型コンバインにおいて、
上記搬送部(3)は、刈取前処理部(2)の後端に接続して刈取物を後方に案内するフィーダハウス(16)と、このフィーダハウス(16)内でその底板(16a)に沿って刈取物を上昇移送するスラットコンベヤ(17)と、フィーダハウス(16)の上面から内部の塵埃混入空気を吸い出す排塵ファン(21)と、吸い出された塵埃混入空気をフィーダハウス(16)の操縦部(7)寄りの側面(16c)に沿って下面位置まで案内する案内ダクト(22)とからなり、この案内ダクト(22)の下端には、フィーダハウス(16)の下面に沿って機体の外側方に向かって開口する排出口(22a)を形成したことを特徴とする普通型コンバイン。
【請求項2】
前記フィーダハウス(16)の下面には土砂排出用の目抜窓(23)を形成し、この目抜窓(23)を案内ダクト(22)の排出口(22a)からの排出風の流動域に臨ませたことを特徴とする請求項1記載の普通型コンバイン。
【請求項3】
前記フィーダハウス(16)内に仕切板(25)を設け、この仕切板(25)はスラットコンベヤ(17)の上方空間を排塵ファン(21)の後端位置で前後に仕切る構成としたことを特徴とする請求項1記載の普通型コンバイン。
【請求項4】
前記仕切板(25)は、可撓性板材によってスラットコンベヤ(17)と干渉可能に構成したことを特徴とする請求項3記載の普通型コンバイン。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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