説明

有機ケイ素化合物をベースとする架橋可能な材料

本発明は、縮合反応により架橋可能な材料に関するものであり、(A)縮合可能な基を少なくとも2つ有する有機ケイ素化合物、(B)式(R3O)3-nSiR2n−(CR12)−NR7−CO−R8(I)の有機ケイ素化合物及び/又はそれらの部分水解物、(C)式A[CR42SiR5a(OR63-ax(V)の複素環式化合物及び/又はそれらの部分水解物、場合により(D)エポキシ官能性有機ケイ素化合物及び場合により(E)ステアリン酸でコーティングされた炭酸カルシウムを使用することで製造可能であり、その際に全ての基及び添え字は請求項1に記載される意味を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複素環式置換基を有する有機ケイ素化合物をベースとする架橋可能な材料、それらの製造方法並びにそれらの使用に関する。
【0002】
水の排除下に貯蔵安定で、水が入る際に室温でエラストマーに加硫する一成分系シーラント(RTV−1)は、久しい以前から公知である。これらの製品は、例えば建築工業において、大量に使用される。これらの混合物のベースは、OH基又は加水分解可能な基、例えばアルコキシ基のような反応性置換基を有するシリル基を末端基としているポリマーである。特に職業的な使用にとって重要であるのは、大量の充填剤を含有する中性的に架橋するシーラントである、それというのも、そのようなシーラントは、特に良好な加工特性を有するからである。このためには、特にいわゆるアルコキシ架橋性シーラントが興味深い、それというのも、これらは、硬化中に健康上懸念のある分解生成物を放出しないからである。
【0003】
これらのシーラントには、たいてい、多数の異なる基材への付着に対して特に高い要求が課される。この課題は、通常、有機官能性シランが接着促進剤(Haftvermittler)として添加されることにより解決される。特に、ここでは、シリル置換イソシアヌラートとエポキシ官能性シランとの接着促進剤の組合せが記載される米国特許(US-A)第5,093,454号明細書が参照される。そこでアルコキシ官能性シランの使用のもとに記載された材料は、しかしながら貯蔵安定ではなく、むしろそれらのポリマー成分をそれらの架橋剤と混合する際に短時間で硬化する。そのような材料は、建築用途にとって魅力がない。
【0004】
良好な基材付着に加えて、建築用途のシーラントは、モジュラスとたいてい呼ばれる、100%伸長時の低いひずみ(Spannung)を有しなければならない。そのような低モジュラスのシーラントについての100%伸長時のひずみは、通例、0.4MPaよりも小さくなければならない。さらにまた、それらの製品が、それらの保証された貯蔵能力の最後でもなお欠陥のない機能を有するように、極めて良好な貯蔵安定性を有することが、そのうえ是非とも必要である。さらに、良好な加工性のためには、前記材料のモデリング能力が必要であり、これは大量の充填剤の添加によりたいてい達成される。
【0005】
本発明の対象は、縮合反応により架橋可能な材料であって、以下のもの:
(A)縮合可能な基を少なくとも2つ有する有機ケイ素化合物、
(B)式
(R3O)3-nSiR2n−(CR12m−NR7−CO−R8 (I)
[式中、
1は、同じか又は異なっていてよく、かつ水素原子を表すか又は置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表し、
2は、同じか又は異なっていてよく、かつ酸素原子により中断されていてよい置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表し、
3は、同じか又は異なっていてよく、かつ水素原子を表すか又は酸素原子により中断されていてよい置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表し、
7は、水素原子を表すか又はカルボニル基を介して窒素原子に結合されていてよい置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表すか、又は橋かけ有機基の成分であり、
8は、置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表すか、又は橋かけ有機基の成分であり、ここでR7及びR8は一緒になって1つの環を形成することができ、
mは、1〜8の整数、特に好ましくは1又は3であり、かつ
nは、0、1又は2、好ましくは0又は1、特に好ましくは0である]で示される有機ケイ素化合物及び/又はそれらの部分水解物
(C)式
A[CR42SiR5a(OR63-ax (V)
[式中、
Aは、第3及び/又は第5主族の環形成性元素を少なくとも1つ有する複素環AHxをベースとする基であり、ここで、x個の水素原子は、CR42基への化学結合により置き換えられており、その際にこれらの結合の少なくとも1つが、第3又は第5主族の環形成性元素上に存在し、
4は、同じか又は異なっていてよく、かつ水素原子を表すか又は置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表し、
5は、同じか又は異なっていてよく、かつ酸素原子により中断されていてよい置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表し、
6は、同じか又は異なっていてよく、かつ水素原子を表しかつ酸素原子により中断されていてよい置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表し、
aは、0又は1、好ましくは0であり、かつ
xは、1、2又は3、好ましくは1又は2、特に好ましくは1である]
で示される複素環式化合物及び/又はそれらの部分水解物、
但し、基Aは、二重結合を介して結合された酸素原子又は硫黄原子を有する環炭素原子を有しておらず、式(V)のCR42基に結合されている第3又は第5主族の環形成性ヘテロ原子への直接結合を有し、
場合により
(D)エポキシ官能性有機ケイ素化合物、
及び場合により
(E)ステアリン酸でコーティングされた炭酸カルシウム
を使用することで、製造可能である。
【0006】
部分水解物という概念は、本発明の意味で、加水分解及び/又は縮合により生じている生成物であると理解されるべきである。
【0007】
本発明により使用される有機ケイ素化合物(A)は、これまでも縮合反応により架橋可能な材料中で使用されている、縮合可能な基を少なくとも2つ有する全ての有機ケイ素化合物であることができる。
【0008】
好ましくは、本発明により使用される有機ケイ素化合物(A)は、式
b(OH)cSiO(4-b-c)/2 (VI)
[式中、
Rは、同じか又は異なっていてよく、かつ酸素原子により中断されていてよい置換もしくは非置換の炭化水素基を表し、
bは、0、1、2又は3、好ましくは2であり、かつ
cは、0、1、2又は3、好ましくは0又は1であり、
但し、b+cの和は≦3であり、かつ1分子あたり少なくとも2つの縮合可能な基OHが存在している]で示される単位を有するものである。
【0009】
好ましくは、基Rは、炭素原子1〜18個を有する1価炭化水素基であり、これらは、場合によりハロゲン原子、アミノ基、エーテル基、エステル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基又は(ポリ)グリコール基で置換されており、その際に後者はオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位から構成されており、基Rは、特に好ましくは炭素原子1〜12個を有するアルキル基、特にメチル基である。
【0010】
基Rの例は、アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、1−n−ブチル基、2−n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基;ヘキシル基、例えばn−ヘキシル基;ヘプチル基、例えばn−ヘプチル基;オクチル基、例えばn−オクチル基及びイソオクチル基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル基;ノニル基、例えばn−ノニル基;デシル基、例えばn−デシル基;ドデシル基、例えばn−ドデシル基;オクタデシル基、例えばn−オクタデシル基;シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びメチルシクロヘキシル基;アルケニル基、例えばビニル基、1−プロペニル基及び2−プロペニル基;アリール基、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基及びフェナントリル基;アルカリール基、例えばo−、m−、p−トリル基;キシリル基及びエチルフェニル基;及びアラルキル基、例えばベンジル基、α−及びβ−フェニルエチル基である。
【0011】
置換された基Rの例は、ハロゲンアルキル基、例えば3,3,3−トリフルオロプロプ−1−イル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロプ−2−イル基及びヘプタフルオロプロプ−2−イル基、ハロゲンアリール基、例えばo−、m−及びp−クロロフェニル基、及び2−メトキシエチル基、2−メトキシプロプ−1−イル基並びに2−(2−メトキシエトキシ)エチル基である。
【0012】
有機ケイ素化合物(A)の例は、式(HO)Me2SiO[SiMe2O]30〜2000SiMe2(OH)[ここでMeはメチル基である]で示されるものである。
【0013】
本発明により使用される有機ケイ素化合物(A)は、特に好ましくは、本質的には線状のOH末端オルガノポリシロキサン、特にα,ω−ジヒドロキシポリジオルガノシロキサン、極めて特に好ましくはα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサンである。前記の線状のシロキサン中で、製造に制約されて全ての単位の0.1%までが、分枝を、例えばMeSiO3/2単位又はSiO4/2単位中に、有することができる。
【0014】
本発明により使用される有機ケイ素化合物(A)は、それぞれ25℃で、好ましくは100〜106mPas、特に好ましくは103〜350 000mPasの粘度を有する。
【0015】
有機ケイ素化合物(A)は、市販製品であるか、もしくはケイ素化学において通常の方法により製造されることができる。
【0016】
置換もしくは非置換の炭化水素基R1の例は、Rについて上記で示した基である。
【0017】
基R1は、好ましくは水素原子又はアルキル基、特に好ましくは水素原子である。
【0018】
基R2の例は、Rについて上記で示した基である。
【0019】
基R2は、好ましくは、炭素原子1〜18個を有する1価炭化水素基であり、これらは、場合によりハロゲン原子、アミノ基、エーテル基、エステル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基又は(ポリ)グリコール基で置換されており、その際に後者はオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位から構成されており、基R2は、特に好ましくは炭素原子1〜12個を有するアルキル基、特にメチル基である。
【0020】
置換もしくは非置換の炭化水素基R3の例は、Rについて上記で示した基である。
【0021】
好ましくは、基R3は、炭素原子1〜6個を有するアルキル基、特に好ましくはメチル基及びエチル基である。
【0022】
置換もしくは非置換の炭化水素基R7の例は、Rについて上記で示された基、R8が化学結合により置き換えられている式(I)の化合物をベースとする基、置換もしくは非置換の2価炭化水素基、例えばn−プロピレン基及びn−ブチレン基、並びにR7及びR8がそれぞれ化学結合により置き換えられている式(I)の化合物をベースとする2価の基並びにそれらの二量体又はポリマーである。
【0023】
基R7は、好ましくは、水素原子であるか又はカルボニル基を介して窒素原子に結合されていてよい置換もしくは非置換の1価炭化水素基であるか、又は式(I)の化合物から誘導される2価の基であるので、式(I)中で窒素原子は、この2価の基を介してカルボニル炭素原子と共に1つの環を形成する。
【0024】
特に好ましくは、基R7は、式(I)の化合物から誘導される2価の基であるので、式(I)中で窒素原子は、この2価の基を介してカルボニル炭素原子と共に1つの環を形成する。
【0025】
基R8の例は、R7について上記で示した基である。
【0026】
基R8は、好ましくは、置換もしくは非置換の1価炭化水素基であるか又は式(I)の化合物から誘導される2価の基であるので、式(I)中でカルボニル炭素原子は、この2価の基を介して窒素原子と共に1つの環を形成する。
【0027】
特に好ましくは、基R8は、式(I)の化合物から誘導される2価の基であるので、式(I)中でカルボニル炭素原子は、この2価の基を介して窒素原子と共に1つの環を形成する。
【0028】
特に好ましくは、基R7及びR8は2価の基であり、この基は、式(I)中の窒素原子及びカルボニル炭素原子を1つの環に結合させる。これは特に、式
【化1】

[式中、R1′はR1について、R2′はR2について、R3′はR3について、m′はmについて及びn′はnについて示された意味を有し、並びにyは、整数、好ましくは1又は2、特に好ましくは2である]で示される2価の基である。
【0029】
本発明により使用される有機ケイ素化合物(B)の例は、N−1−(トリエトキシシリル)エチルピロリドン−(2)、N−1−(トリエトキシシリル)エチル−N−メチルアセトアミド、N−1−(トリエトキシシリル)エチルスクシンイミド、N−1−(トリエトキシシリル)エチルフタルイミド、N,N′−ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)ウレトジオン、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラート、1,3,5−トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌラート、N,N′,N″−トリス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−2−イミノ−3H,5H−1,3,5−オキサジアジン−4,6−ジオン、1,3,5−トリス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1H,3H,5H−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、1,3,5−トリス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−1H,3H,5H−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、1,3,5−トリス[トリメトキシシリルメチル]−1H,3H,5H−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、1,3,5−トリス[トリエトキシシリルメチル]−1H,3H,5H−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、1,3,5−トリス[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−1H,3H,5H−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、1,3,5−トリス[3−(ジエトキシメチルシリル)プロピル]−1H,3H,5H−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、1,3,5−トリス[ジメトキシメチルシリルメチル]−1H,3H,5H−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、1,3,5−トリス[ジエトキシメチルシリルメチル]−1H,3H,5H−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン並びにウレトジオン構造、イソシアヌラート構造及びイミノオキサジアジン構造を有するシリル置換イソシアナートの二量化生成物もしくは三量化生成物及び/又はそれらの部分水解物である。
【0030】
有機ケイ素化合物(B)の別の例は、トリエトキシシリル基又はトリメトキシシリル基が、ジエトキシメトキシシリル基又はエトキシジメトキシシリル基により、並びにジエトキシメチルシリル基又はジメトキシメチルシリル基が、エトキシメトキシメチルシリル基により、置き換えられている前記の全ての化合物である。
【0031】
好ましくは、本発明により使用される成分(B)は、ウレトジオン構造、イソシアヌラート構造及びイミノオキサジアジン構造を有するシリル置換イソシアナート、特にトリメトキシシリルプロピルイソシアナートの二量化生成物もしくは三量化生成物、及び/又はそれらの部分水解物である。
【0032】
特に好ましくは、本発明により使用される有機ケイ素化合物(B)は、一般式
【化2】

[式中、R1、R2、R3、n及びmは、それぞれ同じか又は異なっていてよく、かつ前記の意味の1つを表す]で示されるシリル置換イソシアヌラート及び/又はそれらの部分水解物、特に1,3,5−トリス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1H,3H,5H−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラート、1,3,5−トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌラート及び1,3,5−トリス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−1H,3H,5H−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンである。
【0033】
式(I)の化合物の部分水解物は、部分単独水解物(Teilhomohydrolysate)並びに部分共水解物であることができる。本発明により使用される成分(B)が、式(I)の化合物の部分水解物である場合、このことは好ましくないが、しかし実際には回避するのが難しく、5個までのSi−O−Si−結合を有するものが好ましい。
【0034】
成分(B)は、市販製品であるか、もしくはその化学において通常の方法により、例えば好ましくはシリル置換ハロゲン炭化水素と無機シアン酸塩との、例えば3−クロロプロピルトリメトキシシランとシアン酸カリウムとの反応により、製造されることができる。
【0035】
本発明による材料は、成分(B)を、前記架橋可能な材料100質量部を基準としてそれぞれ、好ましくは0.05〜2質量部、特に好ましくは0.1〜1.5質量部、特に0.5〜1.2質量部の量で含有する。
【0036】
置換もしくは非置換の炭化水素基R4の例は、Rについて上記で示された基である。
【0037】
基R4は、好ましくは水素原子であるか又は炭素原子1〜20個を有する炭化水素基、特に好ましくは水素原子である。
【0038】
基R5の例は、Rについて上記で示された基である。
【0039】
基R5は、好ましくは、炭素原子1〜18個を有する1価炭化水素基であり、これらは、場合によりハロゲン原子、アミノ基、エーテル基、エステル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基又は(ポリ)グリコール基で置換されており、その際に後者はオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位から構成されており、基R5は、特に好ましくは炭素原子1〜12個を有するアルキル基、特にメチル基である。
【0040】
置換もしくは非置換の炭化水素基R6の例は、R3について上記で示された基である。
【0041】
好ましくは、基R6は、炭素原子1〜6個を有するアルキル基、特に好ましくはメチル基及びエチル基、特にエチル基である。
【0042】
基Aは、少なくとも2つの異なる元素からなる環形成性原子を有する環式化合物であるが、但し、少なくとも1個の環形成性原子が、第3及び/又は第5主族の元素であり、この元素が式(V)中の基−CR42−の炭素原子への結合サイトを有し、かつ基Aが、二重結合を介して結合された酸素原子又は硫黄原子を有する環炭素原子を有しておらず、式(V)のCR42基に結合されている第3又は第5主族の環形成性ヘテロ原子への直接結合を有する。
【0043】
好ましくは、基Aは、環構造が、炭素原子に加えてさらに第3及び/又は第5主族の少なくとも1つの元素、及び特に好ましくは少なくとも1つの別のヘテロ原子を有する環式有機化合物である。
【0044】
以下に、"ヘテロ原子"という呼称は、炭素以外の全ての環形成性原子であると理解されるべきである。
【0045】
基Aは、好ましくは、環形成性原子として炭素に加えて窒素及び/又は酸素及び/又は硫黄をヘテロ原子として有する6員の複素環であるが、但し、少なくとも1個の環形成性原子が窒素であり、その際に別の環も縮合されていることができる。
【0046】
基Aがベースとする複素環の例は、ピロリジン、式
【化3】

で示されるテトラヒドロ−1,4−オキサジン、テトラヒドロ−1,4−チアジン、テトラヒドロ−1,4−ジアジン及び1−メチルテトラヒドロ−1,4−ジアジン、特にテトラヒドロ−1,4−オキサジンである。
【0047】
式(V)の化合物の部分水解物は、部分単独水解物並びに部分共水解物であることができる。本発明により使用される成分(C)が、式(V)の化合物の部分水解物である場合、このことは好ましくないが、しかし実際には回避するのが困難であり、10個までのSi−O−Si−結合を有するものが好ましい。
【0048】
複素環式化合物(C)の例は、1−(トリエトキシシリルメチル)ピロリジン、1−(トリエトキシシリルメチル)ピペリジン、4−(トリエトキシシリルメチル)テトラヒドロ−1,4−オキサジン、1−(トリエトキシシリルメチル)テトラヒドロ−1,4−ジアジン−3−オン、1−(トリメトキシシリルメチル)ピロリジン、1−(トリメトキシシリルメチル)ピペリジン、4−(トリメトキシシリルメチル)テトラヒドロ−1,4−オキサジン、1−(ジエトキシメチルシリルメチル)ピロリジン、1−(ジエトキシメチルシリルメチル)ピペリジン、4−(ジエトキシメチルシリルメチル)テトラヒドロ−1,4−オキサジン、1−(ジエトキシメチルシリルメチル)ピロリジン、1−(ジメトキシメチルシリルメチル)ピペリジン及び4−(ジメトキシメチルシリルメチル)テトラヒドロ−1,4−オキサジンである。
【0049】
別の例は、トリエトキシシリル基又はトリメトキシシリル基が、ジエトキシメトキシシリル基又はエトキシジメトキシシリル基により、並びにジエトキシメチルシリル基又はジメトキシメチルシリル基が、エトキシメトキシメチルシリル基により、置き換えられている前記の全ての化合物である。
【0050】
好ましくは、本発明により使用される成分(C)は、4−(トリエトキシシリルメチル)テトラヒドロ−1,4−オキサジンである。
【0051】
本発明により使用される複素環式化合物(C)は、市販製品であるか、もしくはその化学において通常の方法により製造可能である。
【0052】
本発明による材料は、成分(C)を、前記架橋可能な材料100質量部を基準としてそれぞれ、好ましくは0.5〜10.0質量部、特に好ましくは0.5〜2.0質量部の量で含有する。
【0053】
場合により使用されるエポキシ官能性化合物(D)は、好ましくは、式
【化4】

[式中、
oは、同じか又は異なっていてよく、かつ0、1又は2、好ましくは0又は1、特に好ましくは0であり、
pは、1〜8の整数、特に好ましくは1又は3であり、
9は、同じか又は異なっていてよく、かつ水素原子を表すか又は置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表し、
10は、同じか又は異なっていてよく、かつ酸素原子により中断されていてよい置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表し、かつ
11は、同じか又は異なっていてよく、かつ水素原子を表すか又は酸素原子により中断されていてよい置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表す]で示されるものである。
【0054】
基R9の例及び好ましい範囲は、基R1について示されたものである。
【0055】
基R10の例及び好ましい範囲は、基R2について示されたものである。
【0056】
基R11の例及び好ましい範囲は、基R3について示されたものである。
【0057】
式(III)の成分(D)の例は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン及び3−グリシドキシプロピルジエトキシメチルシランであり、その際に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
【0058】
式(IV)の成分(D)について好ましいのは、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランである。
【0059】
場合により使用される成分(D)は、好ましくは、式(III)の化合物、特に3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。
【0060】
成分(D)は、市販製品であるか、もしくはケイ素化学において通常の方法により製造されることができる。
【0061】
本発明による材料が、成分(D)を含有する場合には、前記架橋可能な材料100質量部を基準としてそれぞれ、好ましくは0.05〜2質量部、特に好ましくは0.1〜1.5質量部、特に0.5〜1.5質量部の量である。本発明による材料は、好ましくは成分(D)を含有する。
【0062】
場合により使用される成分(E)の母体となる炭酸カルシウムは、好ましくは、粉砕炭酸カルシウム、特に好ましくは、天然資源由来の粉砕炭酸カルシウム、例えば石灰石及び大理石である。全ての場合に、炭酸カルシウムは、公知の方法により、処理されるべき炭酸カルシウムの量を基準として好ましくは0.1〜4.0質量%の量のステアリン酸で、処理される。ステアリン酸は、好ましくは、天然資源に由来し、かつステアリン酸に加えてたいてい、炭素原子14〜22個を有する別の長鎖カルボン酸を含有する。
【0063】
本発明による材料中で場合により使用される成分(E)は、好ましくは0.1〜10μm、特に好ましくは1〜6μmの平均粒度(D50)を有する。
【0064】
好ましくは、本発明による材料中で場合により使用される成分(E)は、0.5〜1.0質量%、特に好ましくは0.7〜0.9質量%、殊にほぼ0.8質量%のステアリン酸の含分を有する。
【0065】
本発明による材料中で場合により使用される成分(E)は、110℃及び1013hPaの圧力での乾燥の際の質量損失で測定される、好ましくは0.05質量%未満の含水量を有する。
【0066】
成分(E)の例は、OMYA社、D-Koelnから入手可能な製品OMYACARB BLR3、OMYABOND 520-FL及びOMYACARB 5T-NJであり、その際に名称OMYABOND 520-FLを有する製品が特に好ましい。
【0067】
本発明による材料が成分(E)を含有する場合には、好ましくは、前記架橋可能な材料100質量部を基準としてそれぞれ、10〜60質量部、特に好ましくは30〜55質量部、特に40〜55質量部の量である。本発明による材料は、好ましくは成分(E)を含有する。
【0068】
前記の成分(A)、(B)、(C)、場合により(D)及び場合により(E)に加えて、本発明による材料は、これまでも縮合反応により架橋可能な材料中で使用されている全ての物質、例えば(F)別の架橋剤、(G)触媒、(H)別の充填剤、(I)別の接着促進剤、(K)可塑剤及び(L)添加剤を含有することができる。
【0069】
本発明による材料中で場合により使用される別の架橋剤(F)は、縮合可能な基を少なくとも3つ有するこれまで公知の任意の架橋剤、例えば成分(B)、(C)及び(D)とは異なる、オルガニルオキシ基を少なくとも3つ有するシランであることができる。
【0070】
特に好ましくは、本発明による材料中で場合により使用される別の架橋剤(F)は、シラン架橋剤、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−(トリメトキシシリルメチル)−O−メチルカルバマート、N,N−ジブチルアミノメチルトリエトキシシラン及びメタクリル酸(トリエトキシシリルメチル)エステル並びにそれらの部分水解物である。
【0071】
本発明による材料中で場合により使用される別の架橋剤(F)は、市販製品であるか、もしくはケイ素化学において公知の方法により製造されることができる。
【0072】
本発明による材料が、別の架橋剤(F)を含有する場合には、本発明による材料100質量部を基準としてそれぞれ、好ましくは0.1〜10質量部、特に好ましくは0.1〜5質量部、特に0.1〜3質量部の量である。好ましくは、本発明による材料は、付加的な架橋剤(F)を含有する。
【0073】
触媒(G)の例は、これまで既に公知のチタン化合物、例えばテトライソプロポキシチタナート、並びにジルコニウム化合物及びハフニウム化合物、亜鉛化合物、例えば亜鉛(2−エチルヘキサアート)及び有機スズ化合物、例えばジ−n−ブチルスズジラウラート及びジ−n−ブチルスズジアセタート、ジ−n−ブチルスズオキシド、ジオクチルスズジアセタート、ジオクチルスズジラウラート、ジオクチルスズオキシド並びにこれらの化合物とアルコキシシラン、例えばテトラエトキシシランとの反応生成物であり、その際にテトラエチルシリケート水解物中のジ−n−オクチルスズオキシドの溶液、メチルトリエトキシシラン水解物50質量%及び3−アミノプロピルトリエトキシシラン50質量%の混合物中のジ−n−オクチルスズオキシドの溶液及びテトライソプロピルシリケート中のジ−n−オクチルスズオキシドの溶液が好ましく、かつその際にリン酸エステル及びホスホン酸と、テトラエチルシリケート水解物中のジ−n−オクチルスズオキシドとの、メチルトリエトキシシラン水解物50質量%及び3−アミノプロピルトリエトキシシラン50質量%の混合物中に溶解されたジ−n−オクチルスズオキシドとの、及びテトライソプロピルシリケート中のジ−n−オクチルスズオキシドとの、反応生成物が特に好ましい。
【0074】
本発明による材料が、触媒(G)を含有する場合には、本発明による材料100質量部を基準としてそれぞれ、好ましくは0.0001〜2質量部、特に好ましくは0.001〜1質量部の量である。本発明による材料は、好ましくは触媒(G)を含有する。
【0075】
本発明による材料中で場合により使用される別の充填剤(H)は、成分(E)とは異なる、これまで公知の任意の充填剤であることができる。
【0076】
別の充填剤(H)の例は、非補強充填剤、すなわち50m2/gまでのBET表面積を有する充填剤、例えば石英、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ゼオライト、金属酸化物粉末、例えば酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄又は酸化亜鉛もしくはそれらの混合酸化物、硫酸バリウム、セッコウ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、ガラス粉末及びプラスチック粉末、例えばポリアクリロニトリル粉末;補強充填剤、すなわち50m2/gよりも大きいBET表面積を有する充填剤、例えば熱分解により製造されたシリカ、沈降シリカ、カーボンブラック、例えばファーネスブラック及びアセチレンブラック及び大きなBET表面積のケイ素−アルミニウム混合酸化物;繊維充填剤、例えば石綿並びにプラスチック繊維である。挙げた充填剤は、例えばオルガノシランもしくはオルガノシロキサンでの処理によるか又はヒドロキシル基のアルコキシ基へのエーテル化により、疎水化されていることができる。充填剤(H)が使用される場合には、好ましくは、親水性の熱分解シリカである。
【0077】
本発明による材料が、成分(H)を含有する場合には、本発明による材料100質量部を基準としてそれぞれ、好ましくは1〜80質量部、特に好ましくは1〜10質量部の量である。好ましくは、本発明による材料は、成分(H)を含有する。
【0078】
本発明による材料中で場合により使用される別の接着促進剤(I)は、成分(D)とは異なる、これまで公知の任意の接着促進剤であることができる。
【0079】
本発明による材料中で場合により使用される別の接着促進剤(I)の例は、官能基を有するシラン及びオルガノポリシロキサン、例えばアミノプロピル基、アミノエチルアミンプロピル基、ウレイドプロピル基又はメタクリルオキシプロピル基を有するものである。
【0080】
本発明による材料が、成分(I)を含有する場合には、本発明による材料100質量部を基準としてそれぞれ、好ましくは0.01〜2.5質量部、特に好ましくは0.1〜1.0質量部の量である。好ましくは、本発明による材料は、成分(I)を含有する。
【0081】
可塑剤(K)の例は、室温で液体の、トリメチルシロキシ基により末端ブロックされたジメチルポリシロキサン、特に25℃で5〜1000mPasの範囲内の粘度を有するもの、並びに高沸点炭化水素、例えばパラフィン油又はナフテン系単位及びパラフィン系単位からなる鉱油である。
【0082】
本発明による材料が、成分(K)を含有する場合には、本発明による材料100質量部を基準としてそれぞれ、好ましくは1〜50質量部、特に好ましくは5〜25質量部の量である。好ましくは、本発明による材料は、成分(K)を含有する。
【0083】
添加剤(L)の例は、顔料、染料、香料、酸化防止剤、電気的性質に影響を与える薬剤、例えば導電性カーボンブラック、難燃性を付与する薬剤、光安定剤及び皮張り時間を延長する薬剤、例えばSiCに結合したメルカプトアルキル基を有するシラン、セルを発生させる薬剤、例えばアゾジカルボンアミド、熱安定剤及びチキソトロープ剤、例えばポリエーテル、及び有機溶剤、例えばアルキル芳香族化合物、殺生物剤、例えば殺真菌剤、殺細菌剤、殺ダニ剤及びモジュラスをさらに調節する薬剤、例えばOH末端基を有するポリジメチルシロキサンである。
【0084】
本発明による材料が、成分(L)を含有する場合には、本発明による材料100質量部を基準としてそれぞれ、好ましくは0.0001〜10質量部、特に好ましくは0.001〜10質量部の量である。
【0085】
特に好ましくは、本発明による材料は、大気中の湿気で縮合反応により架橋可能な材料であり、以下のもの:
(A)縮合可能な基を少なくとも2つ有する有機ケイ素化合物、
(B)式(I)の有機ケイ素化合物
及び/又はそれらの部分水解物
(C)式(V)の複素環式化合物、
及び/又はそれらの部分水解物、
場合により
(D)エポキシ官能性有機ケイ素化合物、
場合により
(E)ステアリン酸でコーティングされた炭酸カルシウム、
場合により
(F)別の架橋剤、
場合により
(G)触媒、
場合により
(H)別の充填剤、
場合により
(I)別の接着促進剤、
場合により
(K)可塑剤及び
場合により
(L)添加剤
を使用することで、製造可能である。
【0086】
特に、本発明による材料の製造のためには、成分(A)〜(L)以外のさらなる成分は使用されない。
【0087】
本発明による材料の個々の成分はそれぞれ、そのような成分の1種類並びにこの種の成分の異なる少なくとも2つの種類の混合物であることができる。
【0088】
本発明による材料は、有機ケイ素化合物をベースとするこれまで公知の任意のタイプの架橋可能な材料、例えば室温で加硫可能な一成分系又は二成分系のオルガノポリシロキサン材料であることができる。好ましくは、本発明による材料は、架橋可能な一成分系材料である。
【0089】
原則的に、本発明による材料を調製するために、全ての成分が、任意の順序で一緒に混合されることができる。
【0090】
前記成分の混合は、室温及び周囲雰囲気の圧力で、すなわち約900〜1100hPa、又は約20hPa〜800hPaの減圧下で行われることができる。所望の場合には、この混合は、しかしより高い温度で、例えば35〜135℃の範囲内の温度でも、行われることができる。所望の場合には、加熱又は冷却されることができる。
【0091】
本発明による個々の成分の混合は、好ましくは周囲雰囲気からの水を大幅に排除しながら行われ、このことは例えば乾燥空気でのブランケッティング(Ueberschleierung)により実現されることができる。
【0092】
本発明による架橋可能な材料を製造する本発明による方法の好ましい一実施態様の場合に、有機ケイ素化合物(A)は場合により可塑剤(K)及び添加剤(L)とまず最初に混合され、それに成分(C)及び(B)並びに場合により成分(D)、(F)及び(I)が添加され、かつ密接に混合される。所望の場合には、その後、ステアリン酸でコーティングされた炭酸カルシウム(E)及び別の充填剤(H)が添加され、かつこの混合物が均質化され、最後に、場合により触媒(G)が添加される。
【0093】
本発明による方法の好ましいさらなる実施態様において、(A)及び(G)以外の、処理条件で液体の全ての成分が、まず最初に一緒に混合されてから、これらが成分(A)に添加される。特に、たいてい少量の触媒については、この触媒を成分(F)、(I)又は(K)の部分量で予め混合されて、添加することが好都合である。
【0094】
所望の全ての成分の混合後に、前記混合物は、好ましくは脱気され、かつ湿密なコンテナ中へ充填される。
【0095】
本発明による架橋可能な材料の本発明による製造は、不連続に並びに連続的に実施されることができる。
【0096】
本発明による材料の架橋のためには、空気の通常の含水量で十分である。本発明による材料の架橋は、好ましくは室温で行われる。この架橋は、所望の場合には、室温よりも高いか又は低い温度でも、例えば−5℃〜15℃で又は30℃〜50℃で及び/又は空気の通常の含水量を超える水の濃度を用いて、実施されることができる。
【0097】
好ましくは、前記架橋は、100〜1100hPaの圧力で、特に周囲雰囲気の圧力で、実施される。
【0098】
本発明のさらなる対象は、本発明による材料の架橋により製造された成形体である。
【0099】
本発明による材料は、水の遮断下に貯蔵可能で、水が入る際に室温でエラストマーに架橋する材料がこれまで使用されることができる、全ての使用目的に使用されることができる。
【0100】
本発明による材料は例えば、それゆえ、例えば建築物、陸上乗物、船舶及び航空機の、垂直に延びる接合部を含めた接合部及び類似の空所、例えば内のり幅10〜40mmのもの用の、シーリングコンパウンド(Abdichtmassen)として、又は例えば窓建築において又は水槽(Aquarien)又はガラスケース(Vitrinen)の製造の際の接着剤又はパテコンパウンド(Verkittungsmassen)として、並びに例えば淡水又は海水の恒常的な作用に暴露された表面、又はスリップを防止するカバー用のものを含めた保護カバー、又はゴム弾性成形体を製造する際に、並びに電気装置又は電子装置を絶縁するために、傑出して適している。
【0101】
本発明による材料は、これらが貯蔵安定であり、かつ低モジュラスであるという利点を有する。
【0102】
さらに、本発明による材料は、硬化されていない材料の極めて僅かな糸引きのために、極めて良好な加工性及び平滑性(Glaettbarkeit)を有するという利点を有する。前記材料は、多くの基材、例えばコンクリート、ガラス、金属及び合金、例えば鉄、合金鋼、銅、黄銅及びアルミニウム上に、並びに多数のプラスチック、例えばPVC及びポリカーボネート、及び粉体塗料でコーティングされた表面上に、極めて良好に付着する。
【0103】
次に記載された実施例において、全ての粘度データは、25℃の温度に基づく。他に記載されない限り、次の例を、周囲雰囲気の圧力で、すなわち約1000hPaで、かつ室温で、すなわち約23℃で、もしくは室温で反応物を合一する際に追加的な加熱又は冷却せずに確立される温度で、並びに約50%の相対大気湿度で実施した。さらに、部及び百分率の全てのデータは、他に記載されていない限り、質量に基づく。
【0104】
ショアA硬さは、DIN (Deutsche Industrie Norm) 53505-87に従い測定される。
【0105】
引張強さは、DIN 53504-85 S2に従い測定される。
【0106】
破断伸び(Reissdehnung)は、DIN 53504-85 S2に従い測定される。
【0107】
モジュラスは、100%伸長時のひずみ値である。
【0108】
例1
80 000mPasの粘度を有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン350g、1 000mPasの粘度を有するα,ω−トリメチルシロキシポリジメチルシロキサン150g、4−(トリエトキシシリルメチル)テトラヒドロ−1,4−オキサジン13.6g、ビニルトリエトキシシラン20.0g、テトラエトキシシラン12.0g、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラート4.43g、1分子あたり平均して10個のケイ素原子を有するメチルトリエトキシシラン水解物オリゴマー1質量部と3−アミノプロピルトリエトキシシラン1質量部との混合物4.43g及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン4.43gを、プラネタリディソルバー中で一緒に密接に15分間混合した。その後、150m2/gのBET表面積を有する親水性の熱分解シリカ45.0gを添加し(HDK(登録商標) V15という名で Wacker Chemie AG、D-Muenchenから購入により入手可能)、さらに15分間混合した。引き続き、この混合物を、亜鉛−ビス(2−エチルヘキサノアート)0.36g及びビス(2−エチルヘキサノアート−O)−μ−オキソ二亜鉛0.24gの混合物の添加により完成させた。混合物を脱気するために、約200hPaの減圧を適用し、改めて5分間混合した。その後、完成した混合物を、市販のポリエチレンカートリッジ中へ詰め替えた。ISO 7390によれば、安定な材料が得られた、すなわち、前記材料は、垂直につるしたU字形のアルミニウム形材から垂れなかった。
【0109】
こうして得られた生成物の試料を、性質を評価する前に、まず最初に、気密及び湿密にシールしたカートリッジ中で23℃で24時間貯蔵した。そのうち、1つの試料を引き続き、気密及び湿密なカートリッジ中で70℃でさらに7日間貯蔵した。こうして前処理されたこれらの混合物から、それぞれ厚さ2mmのシートをポリエチレンフィルム上に塗り、これらを硬化1日後に前記フィルムからはがし、かつさらに6日間、全ての面に空気が近づけるようにつるして、試料を全部で7日間にわたって硬化させた。相対大気湿度を、その際に50%に調節し、その際に温度を23℃に調節した。これらのシートから、引き続き試験体を、DIN 53504-85による型S2に打ち抜き、かつ機械的な特有値を測定した。硬さを測定するために、厚さ6mmの試験体を製造し、これらを同様に7日間にわたって50%の相対大気湿度及び23℃の温度で、周囲の大気中の湿気との反応により硬化させた。
【0110】
さらにまた、前記表面の皮張り時間及び不粘着までの時間を、それぞれそしてまた相対大気湿度50%及び23℃で決定した。皮張り時間は、新たに塗られた材料の表面を3分の間隔で鉛筆の先端で軽く触れるようにして測定される。皮張り時間は、鉛筆の先端にもはや材料がくっついていない場合に達成されている。不粘着を、指で触ることにより30分の間隔で確かめた。表面粘着性にもはや気付かない場合には、不粘着が達成されている。
【0111】
結果は、第1表に見出される。
【0112】
例2
80 000mPasの粘度を有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン350g、1 000mPasの粘度を有するα,ω−トリメチルシロキシポリジメチルシロキサン200g、4−(トリエトキシシリルメチル)テトラヒドロ−1,4−オキサジン22.0g、ビニルトリエトキシシラン15g、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラート10.0g及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン11.0gを、プラネタリディソルバー中で一緒に密接に15分間混合した。その後、150m2/gのBET表面積を有する親水性の熱分解シリカ36gを添加し(HDK(登録商標) V15という名でWacker Chemie AG、D-Muenchenから購入により入手可能)、約5.0μmの平均粒子直径(D50%)を有するステアリン酸でコーティングされた大理石粉616g("OMYABOND 520 FL"という名でOMYA社、D-Koelnから購入により入手可能)を添加し、さらに20分間混合した。引き続き、この混合物を、テトライソプロポキシシラン中のジオクチルスズオキシド0.46g("TK 217"という名でTIB Chemicals AG、D-Mannheimから入手可能)及びメチルトリメトキシシラン中のオクチルホスホン酸の50質量%溶液3.0gの添加により完成させた。混合物を脱気するために、約200hPaの減圧を適用し、改めて5分間混合した。その後、完成した混合物を、市販のポリエチレンカートリッジ中へ詰め替えた。ISO 7390によれば、安定な材料が得られた、すなわち、前記材料は、垂直につるしたU字形のアルミニウム形材から垂れなかった。
【0113】
さらに、例1に記載されたように行った。結果は、第1表に見出される。
【0114】
例3
80 000mPasの粘度を有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン350g、1 000mPasの粘度を有するα,ω−トリメチルシロキシポリジメチルシロキサン200g、4−(トリエトキシシリルメチル)テトラヒドロ−1,4−オキサジン22.0g、ビニルトリエトキシシラン15g及び1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラート11.0gを、プラネタリディソルバー中で一緒に密接に15分間混合した。その後、150m2/gのBET表面積を有する親水性の熱分解シリカ45gを添加し(HDK(登録商標) V15という名でWacker Chemie AG、D-Muenchenから購入により入手可能)、約5.0μmの平均粒子直径(D50%)を有するステアリン酸でコーティングされた石灰石粉616g("OMYA BLR 3"という名でOMYA社、D-Koelnから購入により入手可能)を添加し、さらに20分間混合した。引き続き、この混合物を、テトライソプロポキシシラン中のジオクチルスズオキシド0.46g("TK 217"という名でTIB Chemicals AG、D-Mannheimから入手可能)及びメチルトリメトキシシラン中のオクチルホスホン酸の50質量%溶液3.0gの添加により完成させた。混合物を脱気するために、約200hPaの減圧を適用し、改めて5分間混合した。その後、完成した混合物を市販のポリエチレンカートリッジ中へ詰め替えた。ISO 7390によれば、安定な材料が得られた、すなわち、前記材料は、垂直につるしたU字形のアルミニウム形材から垂れなかった。
【0115】
さらに、例1に記載されたように行った。結果は第1表に見出される。
【0116】
米国特許(US)第5 093 454号明細書による比較例1
80 000mPasの粘度を有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン350g、1 000mPasの粘度を有するα,ω−トリメチルシロキシポリジメチルシロキサン200g、ビニルトリエトキシシラン30.9g、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラート10g及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン11.0gを、プラネタリディソルバー中で一緒に密接に15分間混合した。その後、150m2/gのBET表面積を有する親水性の熱分解シリカ36gを添加し(HDK(登録商標) V15という名でWacker Chemie AG、D-Muenchenから購入により入手可能)、さらに15分間混合した。引き続き、この混合物を、テトライソプロポキシシラン中のジオクチルスズオキシド0.39g(TK 217という名でTIB Chemicals AG、Mannheimで入手可能)及びメチルトリメトキシシラン中のオクチルホスホン酸の50質量%溶液3.0gの添加により完成させた。混合物を脱気するために、約200hPaの減圧を適用し、改めて5分間混合した。その後、完成した混合物を、市販のポリエチレンカートリッジ中へ詰め替えた。ISO 7390によれば、安定な材料が得られた、すなわち、前記材料は、垂直につるしたU字形のアルミニウム形材から垂れなかった。
【0117】
前記生成物の試料を、性質を評価する前に、まず最初に気密及び湿密にシールしたカートリッジ中で23℃で24時間貯蔵した。この生成物のさらなる評価を行うことはできなかった、それというのも、既に硬化しおり、かつもはやカートリッジから押し出すことができなかったからである。
【0118】
比較例2
80 000mPasの粘度を有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン350g、1 000mPasの粘度を有するα,ω−トリメチルシロキシポリジメチルシロキサン200g、4−(トリエトキシシリルメチル)テトラヒドロ−1,4−オキサジン22.0g、ビニルトリエトキシシラン15g及び1分子あたり平均して10個のケイ素原子を有するメチルトリメトキシシラン水解物オリゴマー1質量部と3−アミノプロピルトリエトキシシラン1質量部との混合物11g(Haftvermittler AMS 70という名でWacker Chemie AGから入手可能)を、プラネタリディソルバー中一緒に密接に15分間混合した。その後、150m2/gのBET表面積を有する親水性の熱分解シリカ45gを添加し(HDK(登録商標) V15という名でWacker Chemie AG、D-Muenchenから購入により入手可能)、約5.0μmの平均粒子直径(D50%)を有するステアリン酸でコーティングされた石灰石粉616g("OMYA BLR 3"という名でOMYA社、D-Koelnから購入により入手可能)を添加し、さらに20分間混合した。引き続き、この混合物を、テトライソプロポキシシラン中のジオクチルスズオキシド0.46g(TK 217という名でTIB Chemicals AG、Mannheimから入手可能)及びメチルトリメトキシシラン中のオクチルホスホン酸の50質量%溶液3.0gの添加により完成させた。混合物を脱気するために、約200hPaの減圧を適用し、改めて5分間混合した。その後、完成した混合物を、市販のポリエチレンカートリッジ中へ詰め替えた。ISO 7390によれば、安定な材料が得られた、すなわち、前記材料は、垂直につるしたU字形のアルミニウム形材から垂れなかった。
【0119】
この混合物の特有値は、例1に類似して決定され、かつ第1表にまとめられている。
【0120】
比較例3
80 000mPasの粘度を有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン350g、1 000mPasの粘度を有するα,ω−トリメチルシロキシポリジメチルシロキサン200g、4−(トリエトキシシリルメチル)テトラヒドロ−1,4−オキサジン22.0g、ビニルトリエトキシシラン15g及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン11.0gを、プラネタリディソルバー中で一緒に密接に15分間混合した。その後、150m2/gのBET表面積を有する親水性の熱分解シリカ37gを添加し(HDK(登録商標) V15という名でWacker Chemie AG、D-Muenchenから購入により入手可能)、約5.0μmの平均粒子直径(D50%)を有するステアリン酸でコーティングされた大理石粉616g("OMYABOND 520 FL"という名でOMYA社、D-Koelnから購入により入手可能)を添加し、さらに20分間混合した。引き続き、この混合物を、テトライソプロポキシシラン中のジオクチルスズオキシド0.46g("TK 217"という名でTIB Chemicals AG、D-Mannheimから入手可能)及びメチルトリメトキシシラン中のオクチルホスホン酸の50質量%溶液3.0gの添加により完成させた。混合物を脱気するために、約200hPaの減圧を適用し、改めて5分間混合した。その後、完成した混合物を、市販のポリエチレンカートリッジ中へ詰め替えた。ISO 7390によれば、安定な材料が得られた、すなわち、前記材料は、垂直につるしたU字形のアルミニウム形材から垂れなかった。
【0121】
さらに、例1に記載されたように行った。結果は第1表に見出される。
【0122】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
縮合反応により架橋可能な材料であって、以下のもの:
(A)縮合可能な基を少なくとも2つ有する有機ケイ素化合物、
(B)式
(R3O)3-nSiR2n−(CR12m−NR7−CO−R8 (I)
[式中、
1は、同じか又は異なっていてよく、かつ水素原子を表すか又は置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表し、
2は、同じか又は異なっていてよく、かつ酸素原子により中断されていてよい置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表し、
3は、同じか又は異なっていてよく、かつ水素原子を表すか又は酸素原子により中断されていてよい置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表し、
7は、水素原子を表すか又はカルボニル基を介して窒素原子に結合されていてよい置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表すか又は橋かけ有機基の成分であり、
8は、置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表すか又は橋かけ有機基の成分であり、その際にR7及びR8は一緒に環を形成することができ、
mは、1〜8の整数であり、かつ
nは、0、1又は2である]
で示される有機ケイ素化合物及び/又はそれらの部分水解物
(C)式
A[CR42SiR5a(OR63-ax (V)
[式中、
Aは、第3及び/又は第5主族の環形成性元素を少なくとも1つ有する複素環AHxをベースとする基であり、ここで、x個の水素原子は、CR42基への化学結合により置き換えられており、その際にこれらの結合の少なくとも1つが、第3又は第5主族の環形成性元素上に存在し、
4は、同じか又は異なっていてよく、かつ水素原子を表すか又は置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表し、
5は、同じか又は異なっていてよく、かつ酸素原子により中断されていてよい置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表し、
6は、同じか又は異なっていてよく、かつ水素原子を表すか又は酸素原子により中断されていてよい1価の置換又は非置換の炭化水素基を表し、
aは、0又は1であり、かつ
xは、1、2又は3である]
で示される複素環式化合物及び/又はそれらの部分水解物、
但し、基Aは、二重結合を介して結合されている酸素原子又は硫黄原子を有する環炭素原子を有さず、式(V)のCR42基に結合されている第3又は第5主族の環形成性ヘテロ原子への直接結合を有し、
場合により
(D)エポキシ官能性有機ケイ素化合物、
及び場合により
(E)ステアリン酸でコーティングされた炭酸カルシウム
を使用することで製造される、縮合反応により架橋可能な材料。
【請求項2】
有機ケイ素化合物(A)が、式
b(OH)cSiO(4-b-c)/2 (VI)
[式中、
Rは、同じか又は異なっていてよく、かつ酸素原子により中断されていてよい置換もしくは非置換の炭化水素基を表し、
bは、0、1、2又は3であり、かつ
cは、0、1、2又は3であり、
但し、b+cの和は≦3であり、かつ1分子あたり少なくとも2つの縮合可能な基OHが存在している]で示される単位を有するものである、請求項1記載の架橋可能な材料。
【請求項3】
有機ケイ素化合物(B)が、ウレトジオン構造、イソシアヌラート構造及びイミノオキサジアジン構造を有するシリル置換イソシアナートの二量生成物もしくは三量化生成物及び/又はそれらの部分水解物である、請求項1又は2記載の架橋可能な材料。
【請求項4】
有機ケイ素化合物(B)が、一般式
【化1】

[式中、R1、R2、R3、n及びmは、それぞれ同じか又は異なっていてよく、かつ前記の意味の1つを表す]で示されるシリル置換イソシアヌラート及び/又はそれらの部分水解物である、請求項1から3までのいずれか1項記載の架橋可能な材料。
【請求項5】
エポキシ官能性化合物(D)が、式
【化2】

[式中、
oは、同じか又は異なっていてよく、かつ0、1又は2であり、
pは、1〜8の整数であり、
9は、同じか又は異なっていてよく、かつ水素原子を表すか又は置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表し、
10は、同じか又は異なっていてよく、かつ酸素原子により中断されていてよい置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表し、かつ
11は、同じか又は異なっていてよく、かつ水素原子を表すか又は酸素原子により中断されていてよい置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表す]で示されるものである、請求項1から4までのいずれか1項記載の架橋可能な材料。
【請求項6】
大気中の湿気で縮合反応により架橋可能な材料であり、以下のもの:
(A)縮合可能な基を少なくとも2つ有する有機ケイ素化合物、
(B)式(I)の有機ケイ素化合物
及び/又はそれらの部分水解物
(C)式(V)の複素環式化合物、
及び/又はそれらの部分水解物、
場合により
(D)エポキシ官能性有機ケイ素化合物、
場合により
(E)ステアリン酸でコーティングされた炭酸カルシウム、
場合により
(F)別の架橋剤、
場合により
(G)触媒、
場合により
(H)別の充填剤、
場合により
(I)別の接着促進剤、
場合により
(K)可塑剤及び
場合により
(L)添加剤
を使用することで製造される、請求項1から5までのいずれか1項記載の架橋可能な材料。
【請求項7】
成分(D)を含有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の架橋可能な材料。
【請求項8】
成分(E)を含有する、請求項1から7までのいずれか1項記載の架橋可能な材料。
【請求項9】
全ての成分を、水を大幅に排除しながら、一緒に混合する、請求項1から8までのいずれか1項記載の材料の製造方法。
【請求項10】
請求項1から8までのいずれか1項記載の材料を架橋することにより製造された、成形体。

【公表番号】特表2012−513513(P2012−513513A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542767(P2011−542767)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067152
【国際公開番号】WO2010/072615
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】