説明

木質ペレット燃焼装置

【課題】
木質ペレット燃料を供給する燃料供給手段にシャッタ構成を設けて貯留空間に定量に充填した木質ペレット燃料を燃焼部に確実に供給することによって、燃焼量を細かく制御でき、しかも非常停止時には燃焼部と燃料供給手段との連通を遮断して安全面においても優れたる木質ペレット燃焼装置を提供する。
【解決手段】
木質ペレット燃焼装置の燃料供給手段に、燃焼部との連通を妨げて木質ペレット燃料の供給を堰き止めるシャッタ構成と、そのシャッタ構成によって木質ペレットを充填させる貯留空間を設け、貯留空間に備えられた堆積量の検出手段によって木質ペレット燃料の供給開始姿勢を整え、シャッタ構成の開動作に伴なって定量的に木質ペレット燃料を供給する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流木及び間伐材や木質建材の粉砕物や、大鋸屑等を圧縮加工して成形した木質ペレットを燃料とする木質ペレット燃焼装置の燃料供給に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から燃焼装置・暖房機等の燃料として使用されている化石燃料の石油は、燃焼によって温室効果ガスとなる二酸化炭素を発生させ、地球温暖化の問題を招いている。一刻も早く、持続的に循環再生利用可能な燃料資源への転換が急務となっている。
【0003】
そこで近年では、循環再生利用可能な有機性資源(バイオマス)を燃料として用いることで循環型社会の構築を確立しようと試みられ、特に今まで焼却処分されていた大鋸屑、間伐材、木質系建築廃材や流木等を燃焼燃料として一定の粒径の形状に圧縮成形して、燃焼装置・暖房機等の燃料に使用され始めている。例えば、実開昭58−190301号公報(特許文献1)に記する固形燃料ストーブが公知となっている。
【0004】
間伐材、建設発生木材、間伐材及び流木の粉砕物や、大鋸屑等を圧縮加工して粒状に成形された木質ペレットは、通常直径6mmから8mmの円柱の形状で長さは約10mmから25mmのものとされていて、その寸法自体にかなりの違いが見られる。また木質ペレットは、そのペレット化する木質の違いによってもその形状、長さは若干の違いが発生するものである。特に、杉の木のように成分にリグニンの含有量が少ない木質にあっては、ペレット化が容易ではなく、成形したペレットが細断されやすい特徴を持ち合わせているため、その形状、長さが一定とはなり難いものである。
【0005】
従来の燃焼の燃料とされてきた化石燃料の石油は、液体状であるために燃焼量の制御がきめ細かく、また連続的に行え安定した燃焼を得ることが出来る利点を有しているものである。木質ペレットを燃焼燃料として使用する場合においても、均一にしかも連続的に定量の燃料を燃焼部に供給する事が重要であるが、その燃料の形状、長さの違いから均一に供給して安定燃焼させることは困難であった。
【0006】
そこで特開2004−191011号公報(特許公報2)のように、燃料タンクから燃焼部にペレット燃料を搬送する搬送手段のスクリューコンベア出口の羽根のピッチをほかの羽根のピッチより短くして、スクリューコンベア内に遅延した燃料を詰め、燃料供給量を一定量にしようとする構成は公知である。
【0007】
しかも、スクリューコンベアの出口上部には羽根の傾斜を他の羽根と逆にした構成として、燃料がその上部のモータ部に到達しないで、燃料が安定的に供給できるペレット燃料燃焼装置も公知となっている。
【0008】
【特許文献1】実開昭58−190301号公報
【特許文献2】特開2004−191011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前掲の特許文献2においては、スクリューコンベアで上昇搬送されるペレット燃料のばらつきを、スクリューコンベアの出口方向の羽根のピッチが短い場所で遅延したペレット燃料を詰めるので、ある程度定量的に燃焼器に供給は可能であるが、スクリューコンベア内の排出部付近にもピッチが短くなったとしても搬送体の羽根自体は存在するので、スクリューコンベア内の断面全てを効率良くペレット燃料を貯留させることは不可能であって、羽根とペレット燃料の間に多くの空隙が発生し、ペレット燃料の充填率を上昇させる妨げとなっている。
【0010】
また、木質ペレット燃料はそれぞれの長さに違いがあるため、長いペレット燃料がスクリューコンベアの投入口に投入された場合、ペレット燃料同士の間隙が大きくなっているため、投入口から投入されるペレット燃料の総量は少なくなってしまうと共に、いくらスクリューコンベアの排出口付近の羽根のピッチが短くなって燃料を詰める働きがあっても、ペレット燃料同士の配列によっては空間が大きく発生してしまう事となり、その間隙は狭まることなく燃焼器に投入されるので、安定してペレット燃料を定量的に供給できない場合が発生する。
【0011】
そこで本発明では、燃焼部に木質ペレット燃料を供給する燃料供給手段に、燃焼部との連通を妨げて木質ペレット燃料の供給を堰き止めるシャッタ構成と、そのシャッタ構成によって木質ペレットを堆積させる貯留空間を設けて定量を充填し、シャッタ構成の稼動で定量に充填した木質ペレット燃料を燃焼部に確実に供給することによって、燃焼量を細かく制御できる木質ペレット燃焼装置を提供すると共に、非常停止時においても燃焼部と燃料供給手段との連通を遮断して安全面においても優れた木質ペレット燃焼装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成させるため、本発明は請求項1ないし請求項5に係る木質ペレット燃焼装置を提案する。
【0013】
即ち、請求項1記載の木質ペレットを燃料とする木質ペレット燃焼装置において、燃料タンクから燃焼部に燃料を供給する燃料供給手段に、燃焼部との連通を妨げて、木質ペレット燃料の供給を堰き止めるシャッタ構成と、そのシャッタ構成によって木質ペレットを堆積させる貯留空間を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項2記載の木質ペレット燃焼装置は、請求項1記載の木質ペレット燃焼装置において、燃料供給手段は、燃料タンクの下方から木質ペレット燃料を上昇搬送して燃焼部に供給するスクリューコンベアであって、スクリューコンベア内部の搬送羽根の上端からスクリューコンベア内部空間の略上面までの空間を、シャッタ構成によって閉鎖された貯留空間としたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項3記載の木質ペレット燃焼装置は、請求項1記載の木質ペレット燃焼装置において、燃料供給手段は、燃料タンクの下方から木質ペレット燃料を上昇搬送して燃焼部に供給するスクリューコンベアであって、スクリューコンベアの排出口に隣接して、下方にシャッタ構成を備える貯留空間を備えたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項4記載の木質ペレット燃焼装置は、請求項1、2又は請求項3記載の木質ペレット燃焼装置において、燃料供給手段によって、貯留空間には木質ペレット燃料が供給開始態勢を整え、シャッタ構成の稼動によって、燃焼部に適切に設定量の木質ペレット燃料を供給可能であることを特徴とするものである。
【0017】
請求項5記載の木質ペレット燃焼装置は、請求項1、2、3又は請求項4記載の木質ペレット燃焼装置において、貯留空間の木質ペレット燃料の供給開始態勢を整えられないことを感知して、警報を発するように構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る木質ペレット燃焼装置によれば、燃料供給手段に燃焼部との連通を妨げて木質ペレット燃料の供給を堰き止めるシャッタ構成と、そのシャッタ構成によって木質ペレット燃料が充填する貯留空間によって、定量の木質ペレット燃料を貯留空間に堆積させることが可能となり、シャッタ構成の稼動によって、定量に貯留した木質ペレット燃料を燃焼部に確実に供給することによって、燃焼部の燃焼量を細かくまた確実に制御できるものである。
【0019】
また、貯留空間には定量の充填を感知する検出手段を備えているので、燃料供給手段が稼動していても燃料を供給できない自体が発生しても、貯留空間に備えられた堆積量の検出手段によって木質ペレット燃料の供給開始態勢を整えられない状態を逸早く検知し、警報もしくは停止動作を取ることが出来るので安全性も備えるものである。さらにシャッタ構成は正常運転時の木質ペレット燃料を供給する動作を行う場合意外は常に閉状態にあるので、非常停止した場合の燃焼部からの炎若しくは燃焼風を木質ペレット燃料を貯留する貯留空間と断絶されているので、安全性も考慮されているものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の木質ペレット燃焼装置の実施の形態として、木質ペレットを燃料とするペレットストーブについて以下に説明を行う。
【0021】
図1には、本発明の係る木質ペレット燃焼装置を例示するペレットストーブの概略断面図である。図2では、本発明の第1の実施の形態を示す燃料供給手段の断面図、図3には本発明の第2の実施の形態を示す燃料供給手段の断面図。図4には図3に示す第2の実施の形態の他例を示す断面図。図5には本発明の形態の実施のタイムチャート図である。
【0022】
図1において、1はペレットストーブである。aは木質ペレットであって、ペレットストーブ1内には木質ペレットaが燃焼する燃焼部25を下部に備える燃焼室2と、その燃焼室2の中間部から上方にかけて、熱交換部5が設けられている。燃焼室2の上端には燃焼風排気口7が備えられ燃焼風Cを排風部6へ流通させている。燃焼室2は後壁34と冷却空間17を隔てて燃料タンク3を備え、燃料タンク3から燃焼室2へ木質ペレットaを供給する燃料供給手段4が燃料タンク3に密接して備えられている。図1に示す燃料タンク3はペレットストーブ1の上端までの空間を有していて、ペレットストーブ1の上面が扉となって燃料タンク3内に木質ペレットaが投入できる構成であると良い(図示せず)。
【0023】
燃料タンク3の下端を構成する底面板10が燃料供給手段4方向に向かって傾斜し、燃料供給手段4のスクリューコンベア8の投入口9に木質ペレットaが漏れなく投入できるようになっている。スクリューコンベア8の上端には燃焼部25の燃焼皿13上へ木質ペレットaを投入する投入シュート11が配置され、この投入シュート11には、燃料供給手段4と燃焼部25の連通を妨げる動作を可能としたシャッタ構成36が備えられているものである。尚スクリューコンベア8の動力はモータ24の回転によって得られる。
【0024】
燃焼室2の後壁34と燃料タンク3及び燃料供給手段4との間の冷却空間17には外気が流通するようになって、燃焼室2の燃焼熱を燃料タンク3及び燃料供給手段4に伝熱しないようになっている。
【0025】
燃焼室2の下方の燃焼部25では、投入シュート11より流下した木質ペレットaが燃焼皿13内で堆積燃焼し、燃焼皿13の複数のスリット部14を通過する空気によって連続燃焼するものである。更に、燃焼皿13の後方には長細の筒内にヒータ16を備え、長細筒内を通過する空気をヒータ16によって高温(約250℃以上)にしてその高温の空気を木質ペレットaに当てることによって着火する構造の点火装置15が備えられている。
【0026】
燃焼皿13のスリット部14は、投入された木質ペレットaが落下しない開口幅を保って燃焼皿13の略全面に前後左右どちらかの方向に長細形状に開口し、その細長形状に開口したスリット部14から木質ペレットの燃焼後の灰が落下するようになっている。なおスリット部14から落下する灰を堆積させる灰回収容器29が燃焼皿13の設置面を覆う範囲で設けられている。
【0027】
図示はしていないが、燃焼皿13の下方には、燃焼皿13上に浮遊又は固着して固まった固体灰を除去するため、スリット部14の開口部を回転体が通過して強制的に灰を下方に落下させる灰除去手段が設けられていてもよい。
【0028】
燃焼室2の中間部から上方にかけて燃焼室2を前後に縦断する熱交換部5は、複数の放熱管18からなり、外気を圧送ファン19で放熱管18内に強制的に供給し、熱交換をして温風吹き出し口20から温風を機外に供給する。
【0029】
燃焼室2の上端の熱風排気口7には、排風部6が備えられ、吸引ファン21の吸引作用によって燃焼風Cを吸引し、排気ダクト22から機外に燃焼風Cを排気している。なお、燃焼風Cに乗って排風部6に達する比重の軽い灰が機外への飛散を防止するために、排風部6にはサイクロン等の集塵装置を設けて集塵し、集塵装置を通過した燃焼風Cを吸引ファン21から機外に排出する構成であると良い(図示せず)。
【0030】
図1の23は温度センサであって、排気ダクト22又は吸引ファン21の出入口のどちらかに備えられ、温度センサ23・モータ24・ヒータ16・圧送ファン19・吸引ファン21及びシャッタ構成36は制御部31に繋がれ制御されている。
【0031】
吸引ファン21に動作によって外気が直接又は冷却空間17を経由して燃焼部25のスリット部14及び点火装置15の細長筒内を経由して燃焼室2内に達する。燃料タンク3からスクリューコンベア8を経由して燃焼室2内に木質ペレットaが投入され点火装置15によって着火し、スリット部14からの通風を受け、木質ペレットaは燃焼を行う。その後この燃焼風Cは熱交換部5で熱交換され燃焼風排気口7から吸引ファン21を通過し、排気ダクト22から機外に排出される。
【実施例1】
【0032】
図2に示す燃料供給手段4のスクリューコンベア8は、コンベアケース26の略中央にスクリュー軸27を備えており、その底板28と上板30の軸受32によってスクリュー軸27はその上下左右方向の移動を固定されると共に、スクリュー軸27の軸心を中心として容易に回転可能となっていて、その下端にモータ24が備えられている。
【0033】
スクリュー軸27には、始端が投入口9より下方で底板28から若干の距離をもって螺旋状の搬送羽根33が取り付けられていて、その搬送羽根33の上端は排出口35の下面と同等か、その面より若干低く設けられている。
【0034】
排出口35付近には、燃料供給手段4のスクリューコンベア8内と燃焼部25の連通を妨げるシャッタ構成36が備えられ、その閉状態においてはスクリューコンベア8内の排出口35の下面から上板30までの空間の貯留空間37を形成し、スクリュー軸27の回転と搬送羽根33の作用によって木質ペレットaは貯留空間37に徐々に堆積し、充填され、充填量の検出手段である満量センサ38の感知により、モータ24を停止させて、木質ペレットaの供給開始態勢を整えているものである。そしてシャッタ構成36の開状態即ち、木質ペレットaの供給開始によって木質ペレットaは投入シュート11から燃焼部25への良好な供給を妨げないように構成されている。なお、上板30の満量センサ38の取り付け位置によって貯留空間37内に充填される木質ペレットaの容積が変更できるので、燃焼皿13への投入量を調節できるように満量センサ38の上下左右の変更が容易に行える構成であるものとする。さらに上板30の一部に通気口12を設けられているので、シャッタ構成36の開状態において、吸引ファンの吸引作用によって、通気口12から外気を取り入れ貯留空間37の空間を通過し、投入シュート11を経て燃焼室2にいたる風の流れを形成することが出来るので、その流れを利用することで、貯留空間37に充填する木質ペレットaをより効率的に投入シュート11に導くことが可能となるばかりか、塵埃の発生を防止することが可能である。
【実施例2】
【0035】
図3に示す燃料供給手段4のスクリューコンベア8は、実施例1のスクリューコンベア8と同様に、略中央にスクリュー軸27と、それを固定する軸受32が底板28と上板30に設けられスクリュー軸27の上下左右方向の移動の固定と、容易な回転を可能とし、その下端にモータ24が備えられている。
【0036】
スクリュー軸27の上端には掻き出し羽根39が、そして始端が投入口9より下方で底板28から若干の距離をもって螺旋状の搬送羽根33が掻き出し羽根39の下端に接しない範囲で設けられている。スクリューコンベア8の排出口35には投入シュート11が隣接して備えられ、この投入シュート11の中間にはシャッタ構成36が備えられ、シャッタ構成36が閉状態においては、燃料供給手段4のスクリューコンベア8内と燃焼部25の連通を妨げるよう、そして開状態においては木質ペレットaの燃焼部25への良好な供給を妨げないように設けられている。なお、投入シュート11の上方の上板30には満量センサ41が備えられていて、この満量センサ41の作動により、モータ24を停止させるものである。
【0037】
シャッタ構成36が閉状態即ち、投入シュート11の始端と燃焼部25の連通を妨げた状態において、掻き出し羽根39の回転部分の空間と、投入シュート11の始端部とその上方の空間を貯留空間40として構成し、満量センサ41の作動まで搬送羽根33によって木質ペレットaをコンベアケース26内を上昇させ、掻き出し羽根39によって投入シュート11の始端側に堆積させて貯留空間40に木質ペレットaの充填を行い、木質ペレットa燃料の供給開始態勢を整えるものである。そしてシャッタ構成36の開状態即ち、投入シュート11の始端と燃焼部25を連通状態とした場合に、貯留空間40内の木質ペレットaが投入シュート11から燃焼部25へと流下する。
【0038】
なお、実施例1と同様に、上板30の満量センサ41の取り付け位置によって貯留空間40内に充填される木質ペレットaの容積が変更できるので、投入量を調節できるように満量センサ41の上下左右の変更が容易に行える構成であるものであって、図4に示すように満量センサ41を投入シュート11の始端壁面に設けてもよく、この投入シュート11の始端壁面に設けることで少量の木質ペレットaを定量的に投入することが可能となる。さらに上板30の一部に通気口12を設けられているので、シャッタ構成36の開状態において、吸引ファンの吸引作用によって、通気口12から外気を取り入れ貯留空間40の空間を通過し、投入シュート11を経て燃焼室2にいたる風の流れを形成することが出来るので、その流れを利用して貯留空間40に充填する木質ペレットaをより効率的に投入シュート11へ流下させることが可能となるばかりか、塵埃の発生を防止することが可能である。
【0039】
図5には実施例1及び実施例2の燃料供給手段4を備えたペレットストーブ1のタイムチャートを示したものである。
【0040】
ペレットストーブ1に電源が入らない状態においてはシャッタ構成36は閉状態にあって、停電等による非常停止時のシャッタ構成36に通電されない場合には閉状態を保つように構成されているものである。
【0041】
運転開始と共にヒータ16に通電し、通電が規定時間経過後に予熱完了と判断してモータ24を稼動し、燃料タンク3内の木質ペレットaを搬送羽根33が回転しスクリューコンベア8内を上昇させる。シャッタ構成36が閉状態であるので、スクリューコンベア8の上方又は、投入シュート11の始端で構成される貯留空間37、40に搬送羽根33によって上昇した木質ペレットaが堆積を始める。そしてその堆積量が満量センサ38、41を作動させる範囲に達した場合に、貯留空間37、40に木質ペレットaの充填完了と判断し、モータ24を停止させ木質ペレット燃料の供給開始態勢を整えて待機する。
【0042】
そして設定時間後にシャッタ構成36を開状態にし、貯留空間37、40に充填した木質ペレットaを投入シュート11から燃焼部25に流下させる。シャッタ構成36は開状態を設定時間維持し、その後閉動作を行い完全に閉まりきったことを確認してから再度モータ24を稼動させスクリュー軸27と搬送羽根33を回転させて貯留空間37、40に木質ペレットaの充填動作を行い、この一連の動作を繰り返すものである。
【0043】
その後、設定時間後に吸引ファン21を起動させ、燃焼皿13上に前記の一連の燃料供給動作を繰り返すと共に、排気ダクト22に設けられた温度センサ23が、排気ダクト22内を通過する燃焼風Cの温度を測定し、その温度が45℃に達したことを確認して燃焼を検出したものとみなし圧送ファン21を稼動させ、温度センサ23の温度が設定温度より下降しなければ安定燃焼と判断してヒータ16への通電を停止する。
【0044】
ヒータ16への通電の停止と、温度センサ23の温度降下が発生しない状態を維持することで通常燃焼状態と判断し、燃料供給の一連の動作である貯留空間37、40から燃焼皿13上に供給する木質ペレットaの供給間隔を調節することで燃焼量の調節及び熱風温度調節をおこなっている。本発明の実施例の装置によれば、燃料供給の間隔を3段階に調節できるようになっており、その供給量の調節に伴って吸引ファン21の風量も3段階に制御される。燃料供給「大」では燃焼皿通気孔14を上昇する風速は約2〜3m/s、「中」での風速は「大」の風速の約80%、「小」での風速は「大」の風速の約70%となっている。
【0045】
そして停止動作においては、運転をOFFにすることでモータ24は停止し、シャッタ構成36は閉状態を維持し、温度センサ23が35℃以下となった場合に消化と判断して、設定時間後に吸引ファン21を停止して待機状態となる。
【0046】
前記の貯留空間37、40はその内部に障害物となるものを有していないので、粒径の大きい木質ペレットaを略隙間無く充填させることが可能であるので、満量センサ38、41によって略定量を燃焼部25に供給することが可能である。しかも満量センサ38、41を燃料供給手段4の上板30に設けることによって、貯留空間37、40の容積が少なくともセンサが検知する範囲まで木質ペレット燃料を充填することが可能であるため、定量を効率よく供給開始態勢をとることが可能である。
【0047】
なお、モータ24が動作状態で搬送羽根33によって木質ペレットaが貯留空間に充填動作を行っている場合に、設定時間を経過しても満量センサが感知しない状態においては、木質ペレット燃料の供給開始態勢を整えられないと判断し、燃料切れ若しくは、供給開始動作不備の警報を発して、木質ペレット燃料の補給及び、ペレットストーブ1自体の停止動作に移行するように構成されているものである。
【0048】
更に、ペレットストーブ1自体が何らかの原因によって燃焼中に非常停止した場合においては、吸引ファン21による燃焼風Cの吸引作用がなくなるので、燃焼皿13上で燃焼する木質ペレットaの炎及び燃焼風Cの投入シュート11への逆流現象が発生が考えられるが、本発明の実施によれば、燃焼室25とコンベアケース26及び貯留空間37、40をシャッタ構成36で連通の無い状態で遮っているので、緊急の場合の安全性にも優れているものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の係る木質ペレット燃焼装置を例示するペレットストーブの概略断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す燃料供給手段の断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す燃料供給手段の断面図。
【図4】図3に示す第2の実施の形態の他例を示す断面図。
【図5】本発明の形態の実施のタイムチャート図。
【符号の説明】
【0050】
1 ペレットストーブ
2 燃焼室
3 燃料タンク
4 燃料供給手段
5 熱交換部
6 排風部
7 燃焼風排気口
8 スクリューコンベア
9 投入口
10 底面板
11 投入シュート
12 通気口
13 燃焼皿
14 スリット部
15 点火装置
16 ヒータ
17 冷却空間
18 放熱管
19 圧送ファン
20 温風吹き出し口
21 吸引ファン
22 排気ダクト
23 温度センサ
24 モータ
25 燃焼部
26 コンベアケース
27 スクリュー軸
28 底板
29 灰回収容器
30 上板
31 制御部
32 軸受
33 搬送羽根
34 後壁
35 排出口
36 シャッタ構成
37 貯留空間
38 満量センサ
39 掻き出し羽根
40 貯留空間
41 満量センサ
a 木質ペレット
c 燃焼風


【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質ペレットを燃料とする木質ペレット燃焼装置において、燃料タンクから燃焼部に燃料を供給する燃料供給手段に、燃焼部との連通を妨げて、木質ペレット燃料の供給を堰き止めるシャッタ構成と、そのシャッタ構成によって木質ペレットを堆積させる貯留空間を備えたことを特徴とする、木質ペレット燃焼装置。
【請求項2】
燃料供給手段は、燃料タンクの下方から木質ペレット燃料を上昇搬送して燃焼部に供給するスクリューコンベアであって、
スクリューコンベア内部の搬送羽根の上端からスクリューコンベア内部空間の略上面までの空間を、シャッタ構成によって閉鎖された貯留空間としたことを特徴とする、請求項1記載の木質ペレット燃焼装置。
【請求項3】
燃料供給手段は、燃料タンクの下方から木質ペレット燃料を上昇搬送して燃焼部に供給するスクリューコンベアであって、
スクリューコンベアの排出口に隣接して、下方にシャッタ構成を備える貯留空間を備えたことを特徴とする、請求項1記載の木質ペレット燃焼装置。
【請求項4】
燃料供給手段によって、貯留空間には木質ペレット燃料が供給開始態勢を整え、シャッタ構成の稼動によって、燃焼部に適切に設定量の木質ペレット燃料を供給可能であることを特徴とする、請求項1、2又は請求項3記載の木質ペレット燃焼装置。
【請求項5】
貯留空間の木質ペレット燃料の供給開始態勢を整えられないことを感知して、警報を発するように構成したことを特徴とする、請求項1、2、3又は請求項4記載の木質ペレット燃焼装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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