説明

柱梁仕口部の構築方法、鉄筋コンクリート造の柱梁架構

【課題】グラウトを充填することなく、施工可能な柱梁仕口部の構築方法を提供する。
【解決手段】上方のPC柱部材20を、その下面が梁の上面にあたる高さよりも低くなるように、下方のPC柱部材40の上方に建て込み、上方及び下方のPC柱部材20、40の間の空間に柱梁仕口部を構成するコンクリートを打設する。柱梁仕口部を構成するコンクリートを打設する際には、少なくとも、柱梁仕口部における上部領域のコンクリートと、梁の柱梁仕口部に接続される端部における上部領域のコンクリートを一体に打設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PC柱部材を用いて柱梁架構の柱梁仕口部を構築する方法及びこの方法により柱梁仕口部が構築された鉄筋コンクリート造の柱梁架構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、施工期間短縮のため、PC部材を用いて鉄筋コンクリート造構造物を構築することが行われている。このようなPC部材を用いて仕口部を構築する方法として、図16に示すように、仕口部738及び梁部739を一体成形し、柱主筋を貫通させるための鉄筋貫通孔731が設けられたPC梁・仕口部材730を、頭部に機械式継手742が設けられたPC柱部材740の上部に建込み、さらに、下面に柱主筋721が突出したPC柱部材720を、その柱主筋721がPC梁・仕口部材730の貫通孔731を貫通し、PC柱部材740の機械式継手742内に挿入されるように建込み、貫通孔731及び機械式継手742内にグラウトを充填することにより、柱梁架構を構築する工法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようにPC部材を用いて柱梁架構を構築する場合には、PC柱部材720、740とPC梁・仕口部材730との間の目地750、760の処理を行う必要がある。通常、このような目地750、760の処理は、目地750、760内にグラウトを充填することにより行っていた。
【特許文献1】特許3837390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年、建築物の超高層化にともない、柱に非常に高い圧縮強度を有する超高強度コンクリートを用いた建築物が構築されている。ここで、このような建築物の構築に上記の特許文献1記載の方法を適用しようとすると、柱を構成するフルPC柱部材間の目地に充填するグラウトにも同程度の圧縮強度が必要となる。しかしながら、超高強度コンクリートと同等な非常に高い圧縮強度を有するグラウトは存在せず、このような建物の柱梁架構をPC部材を用いて構築することはできなかった。
【0004】
また、柱を構成するPC柱部材の間にコンクリートを打設することにより、これらPC柱部材を接合する方法も考えられるが、この方法では、打設したコンクリートが収縮し、コンクリートの表面の高さが低下してしまうため、上方のPC柱部材と打設したコンクリートとの間に目地ができてしまう。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、グラウトを充填することなく、施工可能な柱梁仕口部の構築方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の柱梁仕口部の構築方法は、柱及び梁が接合される柱梁仕口部の構築方法であって、上方のPC柱部材を、その下面が、少なくとも前記梁に支持され、前記柱に接続されるスラブ又は前記梁の何れか一方の上面よりも低くなるように、下方のPC柱部材の上方に建て込む上方のPC柱部材建て込み工程と、前記上方及び下方のPC柱部材の間の空間に前記柱梁仕口部を構成するコンクリートを打設する柱梁仕口部コンクリート打設工程と、を備え、前記コンクリート打設工程では、少なくとも、前記柱梁仕口部における上部領域のコンクリートと、前記何れか一方のスラブ又は梁の前記柱梁仕口部に接続される端部における上部領域のコンクリートを一体に打設することを特徴とする。
【0007】
上記の柱梁仕口部の構築方法において、前記コンクリート打設工程の前に、少なくとも前記柱梁仕口部に接続される端部の上部を構成するコンクリートが構築されていないPC梁部材を、前記柱梁仕口部にあたる部分の側部に建て込むPC梁部材建て込み工程を備え、 前記コンクリート打設工程では、少なくとも前記柱梁仕口部における上部領域のコンクリートと、前記PC梁部材のコンクリートの構築されていない部分の少なくとも前記柱梁仕口部に接続される端部の上部に当たる部分のコンクリートとを一体に打設してもよい。
【0008】
上記の柱梁仕口部の構築方法において、前記コンクリート打設工程の前に、前記梁を構成するPC梁部材を前記柱梁仕口部にあたる部分の側部に建て込むPC梁部材建て込み工程を備え、前記コンクリート打設工程では、少なくとも前記柱梁仕口部における上部領域のコンクリートと、前記スラブの少なくとも前記柱梁仕口部に接続される端部の上部に当たる部分のコンクリートとを一体に打設してもよい。
【0009】
また、前記上方及び下方のPC柱部材を構成するコンクリート及び前記コンクリート打設工程において打設される前記柱梁仕口部を構成するコンクリートには、圧縮強度が120N/mmを超える高強度コンクリートが用いられてもよい。
【0010】
また、前記上方のPC柱部材の下面には、傾斜が設けられていてもよい。前記傾斜は、前記上方のPC柱部材の中央に向かって、前記下方のPC柱部材に近づくような形状であってもよい。
また、本発明の柱梁架構は、上記の方法により柱梁仕口部が構築されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、上方のPC柱部材を、その下面が梁の上面よりも低い高さ位置になるように建て込み、柱梁仕口部の上部領域及び梁の前記柱梁仕口部に接続される端部における上部領域のコンクリートを打設するため、打設したコンクリートの上面が上方のPC柱部材の下面より高くなる。これにより、打設したコンクリートが収縮し、コンクリート表面の高さが低下しても、打設したコンクリートと上方のPC柱部材の間に隙間が生じることがないため、グラウトを充填することなく柱梁仕口部を構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の柱梁仕口部の構築方法の一実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図4は、本実施形態の柱梁仕口部の構築方法を説明するための図である。
本実施形態の柱梁仕口部の構築方法は、下階の柱を構成する下方のPC柱部材40の上方に上方のPC柱部材20を建て込み、また、梁の一部を構成するハーフPC梁部材30を建て込み、柱梁仕口部及びハーフPC梁部材30の上部にコンクリートを打設して柱梁仕口部を構築する。なお、以下の説明において、柱を構成するPC部材は圧縮強度が120N/mmを超える高強度コンクリートを用いて構築されており、また、現場において打設されるコンクリートにも圧縮強度が120N/mmを超える高強度コンクリートが用いられている。
【0013】
図1に示すように、下方のPC柱部材40は、部材内部に上下方向に延びるように埋設された複数の柱主筋41と、柱主筋41の上端に接続されるとともに上面に鉄筋挿入口が開口するように設けられたスリーブ式継手42と、を備える。なお、下方のPC柱部材40は既に建て込みが完了しているものとする。
【0014】
上方のPC柱部材20は、部材内部に上下方向に延びるように埋設され、端部が下面より突出するように設けられた柱主筋21と、柱主筋21の上端に接続され鉄筋挿入孔が部材上面に開口するように埋設されたスリーブ式継手22と、を備える。また、上方のPC柱部材20の下面には中心に向かって進出するような傾斜が設けられている。なお、柱主筋21の下面より突出する部分は、後述するように、上方のPC柱部材20を建て込んだ際に、下方のPC柱部材40のスリーブ式継手42内に先端が到達する長さを有する。
【0015】
ハーフPC梁部材30は、梁の下部を構成するプレキャストコンクリート31と、プレキャストコンクリート31内に埋設された下端の梁主筋33と、プレキャストコンクリート31内に下部が埋設されたせん断補強筋34と、上端の梁主筋32と、を備える。また、上端及び下端の梁主筋33、32の何れか一方の端部にはねじ式継手35が取り付けられている。
【0016】
柱梁仕口部を構築する際には、まず、図2に示すように、柱梁仕口部の両側よりハーフPC梁部材30を建て込む。そして、対向するハーフPC梁部材30の上端及び下端の梁主筋33、32を夫々ねじ式継手35により継手する。
【0017】
次に、図3に示すように、柱主筋21が、下方のPC柱部材のスリーブ式継手42内に挿入されるとともに、上方のPC柱部材20の下面が梁の上面より低い高さ位置にくるように、上方のPC柱部材を建て込む。そして、スリーブ式継手42内にグラウトを充填する。なお、スリーブ式継手42内にグラウトを充填するが、これは柱主筋21、41の接合に寄与するものであり、柱の圧縮強度に影響を及ぼすことはない。
【0018】
次に、図4に示すように、梁の柱梁仕口部近傍の上方より、柱梁仕口部及び梁の上部を構成するコンクリート50を梁の上面高さまで打設する。この際、上記のように上方のPC柱部材20の下面には中心に向かって下方に突出するような傾斜が設けられているため、上方のPC柱部材20の下方に空気が残存することを防ぎ、確実にコンクリートを充填することができる。
【0019】
ここで、上記のように上方のPC柱部材20は下面が梁の上面よりも低い高さ位置にくるように建て込まれているため、コンクリート50の上面は上方のPC柱部材20の下面よりも高い位置になる。これにより、打設したコンクリート50が収縮し、コンクリート50の上面の高さが低下しても、上方のPC柱部材20と打設したコンクリート50の間に隙間が生じることを防止できる。
そして、打設したコンクリートが硬化することにより柱梁仕口部100が構築され、また、上記の作業を繰り返すことにより柱梁架構を構築することができる。
【0020】
本実施形態の柱梁仕口部の構築方法によれば、上方のPC柱部材20を下面が梁の上面よりも低い位置になるように建て込み、仕口部及び梁の上部を構成するコンクリートを梁上面高さまで打設するため、打設したコンクリート50の上面が上方のPC柱部材20の下面よりも高い位置になる。このため、打設したコンクリート50が収縮して上面の高さが低下しても、上方のPC柱部材20と打設したコンクリート50の間に隙間が生じることを防止でき、グラウトの充填作業が不要となる。
【0021】
また、上方のPC柱部材20の下面に中心に向かって進出するような傾斜を設けることにより、部材の下方に空気が残存することを防ぎ、部材の下部に確実にコンクリートを打設することができる。
【0022】
なお、上記の実施形態では、梁をハーフPC梁部材を用いて構築するものとしたが、これに限らず、図5に示すように、梁を構成するコンクリート150を全て現場打ちとすることも可能である。このような場合には、下方のPC柱部材40の上方の仕口部にあたる部分を貫通するように梁主筋132を、そして、梁主筋132の周囲を囲繞するようにせん断補強筋134を配筋し、下面が梁の上面よりも低くなるように上方のPC柱部材20を建て込み、柱主筋21、41を機械式継手42により継手し、梁型枠を設置したのち、梁及び柱梁仕口部を構成するコンクリート150を打設すればよい。
【0023】
また、梁をフルPC梁部材を用いて構築することも可能である。このような場合には、図6に示すように、梁の柱梁仕口部側の端部を構成するコンクリートが構築されておらず、この部分において梁主筋232が露出するように製作されたフルPC梁部材230を用いるとよい。このようなフルPC梁部材230を柱梁仕口部にあたる部分に側方より建て込み、梁主筋232を継手し、下面が梁の上面よりも低くなるように上方のPC柱部材20を建て込み、柱主筋21、41を機械式継手42により継手し、梁の上面の高さまで梁の柱梁仕口部側の端部及び仕口部を構成するコンクリート250を打設すればよい。また、図6に示す実施形態では、梁の柱梁仕口部側の端部の全断面に亘ってコンクリートが構築されていないフルPC梁部材230を用いているが、これに限らず、少なくとも、フルPC梁部材を構成するコンクリートの梁の柱梁仕口部側の端部の上部にあたる部分を構成するコンクリートが構築されていなければ、本発明の柱梁仕口部の構築方法に用いることができる。
【0024】
また、本実施形態では、柱の柱脚部から柱頭部までを構成するコンクリートがプレキャストコンクリートにより構成されたPC柱部材20、40を用いているが、これに限らず、図7に示すように、柱の柱脚部から中間部までを構成するコンクリートがプレキャストコンクリートにより構成されたPC柱部材320、340を用いてもよい。このようなPC柱部材320、340を用いる場合には、柱梁仕口部、梁の仕口部側の端部及び下階の中間部から柱頭部までを構成するコンクリート350を一括して打設すればよい。
【0025】
また、図8に示すように、下階の柱を構成するPC柱部材40、梁の下部を構成するハーフPC梁部材30、及び仕口部の下部を構成するPC仕口部材480が一体に構築されたPC部材460、470を用いることもできる。このようなPC部材460、470を用いる場合には、上階のPC部材470を建て込み、柱主筋21、41を継手した後、仕口部の上部領域及び梁の上部領域にコンクリート450を打設することにより柱梁仕口部を構築することができる。
【0026】
また、上記の各実施形態では、PC部材の部材上面に鉄筋挿入孔が開口するようにスリーブ式継手を設けるとともに部材下面より柱主筋を突出させておき、このスリーブ式継手により柱主筋を継手するものとしたが、これに限らず、図9に示すように、PC柱部材20、40の下面に鉄筋挿入孔が開口するようにスリーブ式継手22を設けるとともに、部材上面より柱主筋21、41を突出させておき、このスリーブ式継手22により柱主筋21、41を継手してもよい。また、図10に示すように、PC柱部材20、40の部材上面及び下面より柱主筋21、41を突出させておき、ねじ式継手62により柱主筋21、41を継手してもよく、要するに柱主筋の継手の方法は問わない。
【0027】
また、本実施形態では、梁の上方の柱梁仕口部の近傍よりコンクリートを打設するものとしたが、これに限らず、図11に示すようにPC柱部材520に上面から下面に貫通する貫通孔523を設けておき、この貫通孔523を通してコンクリート550を打設してもよい。
【0028】
また、上記の各実施形態では、柱梁仕口部を構成するコンクリート及び梁の現場打ちコンクリートを全て一体に打設するものとしたが、これに限らず、仕口部の少なくとも上部領域及び梁の仕口部側の端部の上部領域を構成するコンクリートを一体に打設していれば、柱梁仕口部を構成するコンクリート及び梁の現場打ちコンクリートを複数回に分けて打設してもよい。
【0029】
また、上記の各実施形態では、上方のPC柱部材の下面に中央に向かうほど下方のPC柱部材に近づくような傾斜を設けることとしたが、これに限らず、例えば、上方のPC柱部材の下面の一方の縁から反対側の縁に向かうほど下方のPC柱部材に近づくような傾斜を設けても良く、要するにコンクリート打設の際に、空気が逃げやすくなるような傾斜であればよい。
【0030】
また、上記の各実施形態では、柱梁仕口部の上部領域を構成するコンクリートと、柱梁仕口部に接続される梁の接合端部の上部領域を構成するコンクリートとを一体に打設するものとしたが、これに限らず、図12に示すような、梁601に支持されるスラブ602が柱600と接続される場合には、上記の柱梁仕口部の上部領域を構成するコンクリートと、このスラブ602の柱600との接合端部の上部領域を構成するコンクリートとを一体に打設することとしてもよい。
【0031】
このような場合には、まず、図13に示すように、柱梁仕口部の側部にPC梁部材630を建て込む。なお、PC梁部材630として上記の各実施形態で用いたような柱梁仕口部側の端部の上部領域を構成するコンクリートが打設されているものを用いる必要はなく、図13に示すように、その端面が柱梁仕口部内まで到達するようなPC梁部材630や、端面が柱の外周面と一致するようなPC梁部材を用いることができる。そして、このようなPC梁部材を建て込んだ後、機械式継手235により端面が対向するように建て込まれたPC梁部材630の梁筋232を継手する。
【0032】
次に、図14に示すように、上方のPC柱部材620をその下面がスラブ602の上面高さよりも低くなるように建て込み、柱筋21、41を継手する。
次に、図15に示すように、柱梁仕口部を構成するコンクリート及びスラブ602を構成するコンクリート650を打設する。なお、この際、柱梁仕口部の上部領域を構成するコンクリート及びスラブ602の上部領域を構成するコンクリートが一体に打設されれば、必ずしも柱梁仕口部及びスラブ602を構成するコンクリートを一度に打設する必要はなく、複数回に分けて打設してもよい。
【0033】
このようにスラブ602の柱600との接合端部の上部領域を構成するコンクリートと柱梁仕口部の上部領域を構成するコンクリートを一体に打設することにより上記の各実施形態と同様に、打設したコンクリートと上方のPC柱部材620、640の間に目地が生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施形態の柱梁仕口部の構築方法を説明するための図(その1)である。
【図2】本実施形態の柱梁仕口部の構築方法を説明するための図(その2)である。
【図3】本実施形態の柱梁仕口部の構築方法を説明するための図(その3)である。
【図4】本実施形態の柱梁仕口部の構築方法を説明するための図(その4)である。
【図5】梁を構成するコンクリートを現場打ちとした柱梁仕口部を示す図である。
【図6】梁をフルPC梁部材を用いて構築した柱梁仕口部を示す図である。
【図7】柱の柱脚部から中間部までを構成するコンクリートがプレキャストコンクリートにより構成されたPC柱部材を用いた柱梁仕口部を示す図である。
【図8】下階の柱を構成するPC柱部材、梁の下部を構成するハーフPC梁部材、及び仕口部の下部を構成するPC仕口部材が一体に構築されたPC部材を用いた柱梁仕口部を示す図である。
【図9】PC柱部材の下面に鉄筋挿入孔が開口するようにスリーブ式継手を設けた場合の柱梁仕口部を示す図である。
【図10】PC柱部材の部材上面及び下面より柱主筋を突出させておき、ねじ式継手62により柱主筋を継手した場合の柱梁仕口部を示す図である。
【図11】PC柱部材に上面から下面に貫通する貫通孔を設けておき、この貫通孔を通してコンクリートを打設する方法を説明するための図である。
【図12】柱にスラブが接続されている様子を示す平面図である。
【図13】柱梁仕口部の上部領域を構成するコンクリートとスラブの柱に接続される端部の上部領域を構成するコンクリートとを一体に打設することにより柱梁仕口部を構築する方法を説明するための図(その1)である。
【図14】柱梁仕口部の上部領域を構成するコンクリートとスラブの柱に接続される端部の上部領域を構成するコンクリートとを一体に打設することにより柱梁仕口部を構築する方法を説明するための図(その2)である。
【図15】柱梁仕口部の上部領域を構成するコンクリートとスラブの柱に接続される端部の上部領域を構成するコンクリートとを一体に打設することにより柱梁仕口部を構築する方法を説明するための図(その3)である。
【図16】従来のPC部材を用いて柱梁仕口部を構築する方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0035】
20 上方のPC柱部材
21 柱主筋
30 ハーフPC梁部材
31 プレキャストコンクリート
32 下端の梁主筋
33 上端の梁主筋
34 せん断補強筋
35 ねじ式継手
40 下方のPC柱部材
41 柱主筋
42 スリーブ式継手
50、150、250、350、450、550 コンクリート
62 ねじ式継手
132、232 梁主筋
134、234 せん断補強筋
230 フルPC梁部材
320、340 フルPC柱部材
430 ハーフPC梁部材
460、470 PC部材
520 貫通孔
600 柱
601 梁
602 スラブ
620 上方のPC柱部材
630 PC梁部材
640 下方のPC柱部材
650 コンクリート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱及び梁が接合される柱梁仕口部の構築方法であって、
上方のPC柱部材を、その下面が、少なくとも前記梁に支持され、前記柱に接続されるスラブ又は前記梁の何れか一方の上面よりも低くなるように、下方のPC柱部材の上方に建て込む上方のPC柱部材建て込み工程と、
前記上方及び下方のPC柱部材の間の空間に前記柱梁仕口部を構成するコンクリートを打設する柱梁仕口部コンクリート打設工程と、を備え、
前記コンクリート打設工程では、少なくとも、前記柱梁仕口部における上部領域のコンクリートと、前記何れか一方のスラブ又は梁の前記柱梁仕口部に接続される端部における上部領域のコンクリートを一体に打設することを特徴とする柱梁仕口部の構築方法。
【請求項2】
請求項1記載の柱梁仕口部の構築方法であって、
前記コンクリート打設工程の前に、
少なくとも前記柱梁仕口部に接続される端部の上部を構成するコンクリートが構築されていないPC梁部材を、前記柱梁仕口部にあたる部分の側部に建て込むPC梁部材建て込み工程を備え、
前記コンクリート打設工程では、少なくとも前記柱梁仕口部における上部領域のコンクリートと、前記PC梁部材のコンクリートの構築されていない部分の少なくとも前記柱梁仕口部に接続される端部の上部に当たる部分のコンクリートとを一体に打設することを特徴とする柱梁仕口部の構築方法。
【請求項3】
請求項1記載の柱梁仕口部の構築方法であって、
前記コンクリート打設工程の前に、
前記梁を構成するPC梁部材を前記柱梁仕口部にあたる部分の側部に建て込むPC梁部材建て込み工程を備え、
前記コンクリート打設工程では、少なくとも前記柱梁仕口部における上部領域のコンクリートと、前記スラブの少なくとも前記柱梁仕口部に接続される端部の上部に当たる部分のコンクリートとを一体に打設することを特徴とする柱梁仕口部の構築方法。
【請求項4】
前記上方及び下方のPC柱部材を構成するコンクリート及び前記コンクリート打設工程において打設される前記柱梁仕口部を構成するコンクリートには、圧縮強度が120N/mmを超える高強度コンクリートが用いられていることを特徴とする請求項1から3何れかに記載の柱梁仕口部の構築方法。
【請求項5】
請求項1から4何れかに記載の柱梁仕口部の構築方法であって、
前記上方のPC柱部材の下面には、傾斜が設けられていることを特徴とする柱梁仕口部の構築方法。
【請求項6】
請求項5記載の柱梁仕口部の構築方法であって、
前記傾斜は、前記上方のPC柱部材の中央に向かって、前記下方のPC柱部材に近づくような形状であることを特徴とする柱梁仕口部の構築方法。
【請求項7】
請求項1から6何れかに記載の柱梁仕口部の構築方法により柱梁仕口部が構築されたことを特徴とする鉄筋コンクリート造の柱梁架構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−144398(P2009−144398A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322442(P2007−322442)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】