説明

根菜掘取機

【課題】
畝端で作業車両が旋回する際に上方に持ち上げられ、前下がり傾斜姿勢になっても搬送装置内に留まっている根菜が搬送装置前側から落下しない根菜掘取機を提供することを課題とする。
【解決手段】
圃場から根菜を掘り取る掘取部材26を設け、掘取部材26の後部に掘り取った根菜を後方に搬送する搬送装置32を設けると共に、搬送装置32の後部に根菜を受けて機体外側方向の圃場に根菜を排出する排出装置57を設けた根菜掘取機において、搬送装置32の搬送始端側に根菜落下防止用の仕切部材43を落下防止作用状態と収納状態とに切替自在に設けると共に、仕切部材43を落下防止作用状態と収納状態とに切り替える切替装置46を設けて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中のジャガイモやタマネギ等の根菜を掘り取り、機外に排出して圃場に並べる根菜掘取機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、根菜掘取機としては、特許文献1に示されるように、トラクタ等の作業車両の後部に装着され、トラクタの牽引動作により移動して掘取刃で地中の根菜を掘り取り、掘り取った根菜を搬送コンベアで機体後部へ搬送し、排出コンベアで根菜を引き継ぎ機体左右外側に根菜を排出して並べるものが存在する。
【特許文献1】特開2006−325475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載される根菜掘取機は、作業車両が旋回動作をする時等に持ち上げられると前下がり傾斜姿勢になるので、地中から掘り取られて搬送コンベアに搬送されている根菜は搬送コンベアの搬送始端側に向かって逆流して圃場に落下してしまい、人手により根菜を並べ直さねばならないという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、圃場から根菜を掘り取る掘取部材(26)を設け、該掘取部材(26)の後部に掘り取った根菜を後方に搬送する搬送装置(32)を設けると共に、該搬送装置(32)の後部に根菜を受けて機体外側方向の圃場に根菜を排出する排出装置(57)を設けた根菜掘取機において、前記搬送装置(32)の搬送始端側に根菜落下防止用の仕切部材(43)を落下防止作用状態と収納状態とに切替自在に設けたことを特徴とする根菜掘取機とした。
【0005】
従って、仕切部材(43)を回動させて搬送装置(32)の始端側に近接させることによって、仕切部材(43)が搬送装置(32)の搬送始端側を塞ぐので、根菜掘取機が上昇して前下がり傾斜姿勢になっても搬送装置(32)の搬送始端側から根菜が落下することが防止される。従って、旋回後に根菜を適正に圃場に並べることができる。
【0006】
また、根菜の掘り取り作業中は仕切部材(43)を収納状態とし、搬送装置(32)の搬送始端側から離間させておくことによって、仕切部材(43)が根菜の掘り取り作業を妨げるのを防止できる。
【0007】
請求項2の発明は、前記仕切部材(43)を落下防止作用状態と収納状態とに切り替える切替装置(46)を設けたことを特徴とする請求項1記載の根菜掘取機とした。
従って、仕切部材(43)を切替装置(46)の操作によって落下防止作用状態と収納状態とに切り替えることができるので、作業者は根菜掘取機を取り付けたトラクタを操縦しながら仕切部材(43)を落下防止作用状態と収納状態とに切り替えることができる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、作業車両の旋回時に前下り傾斜姿勢となる根菜掘取機の搬送装置(32)の搬送始端側を仕切部材(43)で塞ぐことによって、搬送装置(32)の搬送始端側から根菜が圃場に落下することが防止されるため、根菜は旋回後に適正に圃場に並べられるので、作業者が手作業で根菜を並べ直す作業を省略でき、作業者の労力が軽減される。
【0009】
そして、根菜の掘り取り作業中は仕切部材(43)を収納状態として搬送装置(32)の搬送始端側から離間させておくことによって、仕切部材(43)が根菜の掘り取り作業を妨げるのを防止できるので、根菜の掘り残しや搬送ミスが減少し、作業者が掘り取り作業後に手作業で掘り残した根菜を掘り起こしたり、搬送に失敗した根菜を並べ直したりする作業が省略され、作業者の労力が軽減される。
【0010】
また、根菜を複数条に亘って適正に並べることによって、大型のハーベスタ等で圃場に並んだ根菜を一度にまとめて回収することができるので、回収作業にかかる時間や動作が軽減され、作業能率が向上する。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、仕切部材(43)を切替装置(46)の操作によって回動するため、作業者は根菜掘取機を取り付けた作業車両を操縦しながら仕切部材(43)を落下防止作用状態と収納状態とに切り替えることができるので、作業能率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態について、一実施例としてトラクタ等の作業車両に装着し、地中のタマネギを掘り取ると共に機外に排出して整列させるタマネギ掘取機を説明する。
図1〜5に示すように、タマネギ掘取機は、トラクタのPTO軸から受ける駆動力を各部へ伝動する伝動部Aと、地中からタマネギを掘り取り機体後方へと搬送する掘取搬送部Bと、仕切板を回動させて搬送装置の搬送始端側の開閉を切り替える仕切部Cと、掘取搬送部Bからタマネギを引き継いで機体左右外側方向に排出する排出搬送部Dとから構成される。
【0013】
先ず、伝動部Aの構成について説明する。
トラクタ1のPTO軸2にユニバーサルジョイント3の一側を取り付け、該ユニバーサルジョイント3の他側を第1伝動ケース4の受軸5に取り付ける。また、該第1伝動ケース4の左右一側の出力軸に伝動軸カバー6に内装する伝動軸7の左右一側を軸着すると共に、駆動力伝動ケース4の左右他側の出力軸に第2伝動ケース8に内装する駆動スプロケット9を軸着する。そして、該伝動軸カバー6と第2伝動ケース8の下部に連結フレーム10を取り付け、該連結フレーム10の前部にトラクタ1のトップリンクと連結する左右トップリンク連結アーム11,11を取り付けると共に、連結フレーム10の下部にトラクタ1の左右ロワーリンクと連結する左右ロワーリンク連結アーム12,12を取り付ける。さらに、前記伝動軸7の左右他側に軸着する駆動プーリ13と回転自在な従動プーリ14と回動自在なテンションアーム15に回転自在に取り付けたテンションプーリ16とを内装する第3伝動ケース17を前記伝動軸カバー6の左右他側に取り付けると共に、該駆動プーリ13と従動プーリ14とテンションプーリ16との間に伝動ベルト18を無端状に巻き掛ける。また、前記第2伝動ケース8の上部に従動スプロケット19を回転自在に内装し、テンションスプロケット20を回転自在に装着したテンションアーム21を内装すると共に、前記駆動スプロケット9と従動スプロケット19とテンションスプロケット20との間に伝動チェーン21を無端状に巻き掛ける。そして、前記従動スプロケット19に伝動軸22の左右一側を軸着し、該伝動軸22の左右他側を油圧ポンプに取り付けることによって、伝動部Aが構成される。
【0014】
なお、図2に示す第3伝動ケース17は、内部構造を把握しやすくするため、外側のカバーを外した状態である。
次に、掘取搬送部Bについて説明する。
【0015】
前記連結フレーム10の左右端部に左右連結プレート23,23を取り付け、該左右連結プレート23,23の左右一側下部に右サイドカバー24Rを取り付けると共に、左右連結プレート23,23の左右他側下部と前記第3伝動ケースとの間に左サイドカバー24Lを取り付ける。また、該左右サイドカバー24L,24Rの前端部に左右ガイドカバー25,25を取り付け、該左右サイドカバー24L,24Rの前部左右間に掘取刃26を機体前後方向にボルト等で位置調節自在に取り付けると共に、左右駆動スプロケット27,27を軸着したコンベア駆動軸28を回転自在に取り付ける。そして、該コンベア駆動軸28の左右一側を前記従動プーリ14に軸着し、左右サイドカバー24L,24Rの前部内側に左右従動ローラ29,29を回転自在に装着すると共に、該左右従動ローラ29,29の左右間にコンベア従動軸30を取り付ける。さらに、該コンベア従動軸30とコンベア駆動軸28との間に、左右の枠の間に所定間隔ごとに棒材を配置して構成した搬送帯31を無端状に巻き掛けて搬送コンベア32を構成する。そして、前記左右サイドカバー24L,24Rの後側上部に左右支持プレート33,33を機体左右方向に回動自在に取り付けると共に、該左右支持プレート33,33に左右支持アーム34,34の基部を取り付ける。また、該左右支持アーム34,34の端部に左右ガイド取付フレーム35,35を取り付けると共に、該左右ガイド取付フレーム35,35の後部に排出コンベア32からタマネギを直接圃場に排出する際、タマネギを一定範囲内に集める左右ガイドプレート36,36を取り付ける。そして、左右サイドカバー24L,24Rの後端部に上下回動自在な左右支持アーム65,65を取り付けると共に、該左右支持アーム65,65に後述する排出搬送部Dの排出コンベア57上でタマネギの動きを規制する左右規制アーム66,66を取り付ける。さらに、前記左右サイドカバー24L,24Rの後側下部に左右ボス37,37を取り付け、該左右ボス37,37に複数の穴を開けた左右橇体支持アーム38,38を挿入してロックピンやボルト・ナット等で任意の高さに固定すると共に、該左右橇体支持アーム38,38の下部に左右橇体39,39を機体上下方向に回動自在に取り付ける。そして、該左右橇体39,39の前端部を左右回動アーム40,40の基部に固定すると共に、該左右回動アーム40,40の端部を左右サイドカバー24L,24Rに機体上下方向に回動自在に取り付けることによって、掘取搬送部Bが構成される。
【0016】
上記構成によれば、搬送コンベア32を構成する搬送帯31は所定間隔ごとに空間部を有しているため、タマネギに付着している泥土を搬送帯31で搬送しながら下方に落とすことができるので、収穫後にタマネギから泥土を取り除く作業が軽減されるので、作業者の労力が軽減される。
【0017】
また、タマネギは適度に乾燥させておくと長期間鮮度を維持することができるため、圃場に掘り出した後天日により乾燥させることがあるが、搬送帯31で搬送している最中にタマネギに付着した泥土を除去しておくことによって、タマネギの表面が天日に晒されて乾燥し易くなるので、タマネギの品質を長期に亘って保持することができ、タマネギの商品価値を向上させることができる。
【0018】
そして、搬送コンベア32から直接圃場にタマネギを排出する場合、タマネギを一定範囲内に集める左右ガイドプレート36,36を設けたことによって、タマネギが圃場に散らばってしまうことを防止できると共に、均等な左右幅にタマネギを整列させることができるので、大型のハーベスタ等で圃場に並んだタマネギを一度にまとめて回収することができるので、回収作業にかかる時間や動作が軽減され、作業能率が向上する。
【0019】
また、左右ガイドプレート36,36を備える左右ガイド取付フレーム35,35を支持する左右支持プレート33,33が機体左右方向に回動自在であることによって、タマネギを直接圃場に落下させる場合は左右支持プレート33,33の左右どちらか一方或いは両方を機体内側方向に回動させると、タマネギを圃場に一定範囲に整列させることができる。なお、左右どちらか一方のガイドプレート36だけを用いる場合は6条、左右ガイドプレート36,36を用いる場合は4条に並べることができる。一方、搬送コンベア32から後述する排出搬送部Dの排出コンベア57にタマネギを排出するときは、左右支持アーム33,33を機体外側方向に回動させることにより、搬送コンベア32の左右幅全体から排出搬送部Dの排出コンベア57にタマネギを排出することができるので、排出コンベア57はタマネギを均等に圃場に落下させて並べることができ、大型のハーベスタ等で圃場に並んだタマネギを一度にまとめて回収することができるようになり、回収作業にかかる時間や動作が軽減され、作業能率が向上する。
【0020】
さらに、左右橇体39,39を左右橇体支持アーム38,38の下部に機体上下方向に回動自在に取り付けると共に、左右サイドカバー24L,24Rに機体上下方向に回動自在に取り付けた左右回動アーム40,40の基部を左右橇体39,39の前端部に取り付けたことによって、左右橇体39,39が圃場の起伏に沿ってタマネギ掘取機の作業高さを自動的に変更することができるので、タマネギの掘り取りや搬送が安定し、作業能率が向上する。
【0021】
次に、仕切部Cについて説明する。
前記左右連結プレート23,23に左右支持プレート41,41を取り付け、該左右支持プレート41,41の左右間に仕切板回動軸42を機体上下方向に回動自在に取り付ける。また、該仕切板回動軸42の前端部に掘取搬送部Bの前端部を塞ぐ左右幅及び上下幅の仕切板43を取り付けると共に、前記連結フレーム10の左右一端上部に支持フレーム44を取り付ける。そして、該支持フレーム44の上部に仕切板シリンダ45の基部を取り付けると共に、該仕切板シリンダ45の端部を支持フレーム44を取り付けた側の支持プレート41の外側から仕切板回動軸42に取り付ける。さらに、該仕切板シリンダ45を伸縮させる切替スイッチ46をトラクタ1に取り付けると共に、該切替スイッチ46と仕切板シリンダ45とをケーブル47で連結することによって、仕切部Cが構成される。
【0022】
なお、本件実施例の仕切板シリンダ45は電動シリンダであるが、油圧シリンダやエアシリンダで構成してもよい。
上記構成によれば、仕切板43が仕切板シリンダ45によって機体上下方向に回動して掘取搬送部Bの前端部を塞ぐことにより、トラクタ1が畝の端で旋回する際にタマネギ掘取機をリフトして前下がり傾斜姿勢にさせて搬送コンベア32上のタマネギが掘取搬送部Bの前端側に転がっても、仕切板43がタマネギの圃場への落下を防止するため、タマネギはトラクタ1の旋回後に掘取搬送部Bの搬送コンベア32から機体後方に排出、もしくは排出搬送部Dの排出コンベア57から機体外側方向に排出されて圃場に適正に並べられるので、作業者が手作業でタマネギを圃場に並べ直す作業を省略でき、作業者の労力が軽減される。
【0023】
また、タマネギの掘り取り作業中は仕切板43を回動させて搬送コンベア32の搬送始端側から離間させておくことによって、仕切板43がタマネギの掘り取り作業を妨げるのを防止できるので、タマネギの掘り残しや搬送ミスが減少し、作業者が掘り取り作業後に手作業で掘り残したタマネギを掘り起こしたり、搬送に失敗したタマネギを並べ直したりする作業が省略され、作業者の労力が軽減される。
【0024】
そして、仕切板43を回動させる仕切板シリンダ45の伸縮を切り替える切替スイッチ46をトラクタ1に設けたことによって、作業者はトラクタ1を操縦しながら仕切板43を開閉させることができるので、作業能率が向上する。
【0025】
次に、排出搬送部Dについて説明する。
前記左右サイドカバー24L,24Rの後部下部に左右支持フレーム48,48を取り付けると共に、該左右支持フレーム48,48の終端部を回動支点として載置台49を機体上下方向に回動自在に取り付ける。そして、該載置台49と載置台49を設けた側の支持フレーム48との間に電動式の排出部シリンダ50を取り付け、該載置台49の上部に、タマネギ掘取機の左右幅よりも左右方向に長い前後コンベアフレーム51,51を取り付けると共に、後コンベアフレーム51上にガイドプレート51aを取り付ける。また、前後コンベアフレーム51,51の左右端部のうち、機体外側方向に突出した側の前後間に駆動ローラ52を回転自在に装着し、他端側の前後間に従動ローラ53を回転自在に取り付けると共に、駆動ローラ52と従動ローラ53との左右間に複数のテンションローラ54・・・を回転自在に取り付ける。そして、該駆動ローラ52と従動ローラ53と複数のテンションローラ54・・・とに排出ベルト55を無端状に巻き掛けると共に、駆動ローラ52に正逆転自在である油圧モータ56を取り付けて、掘取搬送部Bの搬送コンベア32から排出されるタマネギを受けて機体左右外側方向に排出して並べる排出コンベア57を構成する。さらに、前記伝動部Aの油圧ポンプ70と排出コンベア57を構成する油圧モータ56とを正逆送油ケーブル58a,58bで連結し、油圧ポンプ70の上部にポンプカバー59を取り付けると共に、該ポンプカバー59の上部に油圧ポンプ70内の油の流れを切り替える正逆転切替レバー60を取り付けることによって、排出搬送部Dが構成される。なお、該正逆転レバー60はトラクタ1に向かって先端部を突出させて取り付ける。
【0026】
上記構成によれば、載置台49が排出部シリンダ50の伸縮によって上下動することによって、排出部シリンダ50を伸ばして載置台49を上昇させると左右支持フレーム48,48の左右間の空間部が現れるため、掘取搬送部Bの搬送コンベア32からタマネギを圃場に排出して並べる作業を行うことができると共に、排出部シリンダ50を縮めて載置台49を下降させると排出コンベア57が搬送コンベア32からタマネギを受けて、機体左右外側方向に排出して並べる作業を行うことができるので、タマネギを大型のハーベスタ等で回収しやすい幅に隙間無く並べることができ、回収作業の際に回収し損なうタマネギが減るため、作業者が回収作業後にタマネギを圃場から回収する作業が省略され、作業者の労力が軽減される。
【0027】
また、正逆転切替レバー60の操作により排出コンベア57の排出方向を自在に切り替えることができるので、掘り取り作業の方向に応じてタマネギを排出する方法を決めることができるので、タマネギを大型のハーベスタ等で回収しやすい幅に隙間無く並べることができ、回収作業の際に回収し損なうタマネギが減るため、作業者が回収作業後にタマネギを圃場から回収する作業が省略され、作業者の労力が軽減される。
【0028】
そして、正逆転切替レバー60の先端部をトラクタ1に向けて突出させていることによって、作業者はトラクタ1に搭乗したまま手を伸ばすだけで正逆転切替レバー60を操作することができるので、排出コンベア57の排出方向を切り替える際にトラクタ1を停止させる必要がないので、作業能率が向上する。
【0029】
以下、本件タマネギ掘取機の別実施例について説明する。
図6、図7で示すように、仕切部Cの仕切板回動軸42の左右端のうち、第3伝動ケース17を取り付けた側に連結アーム61の基部を取り付け、該連結アーム61の端部の左右に溝部を切り欠いた左右スライド板62,62を配置し、該左右スライド板62,62の溝部と連結アーム61の端部とをボルト等でスライド可能に連結する。また、第3伝動ケース17に内装する伝動ベルト18を張圧するテンションローラ16を回転自在に装着したテンションアーム15の回動軸15aの端部に連結アーム63の基部を取り付け、該連結アーム63の端部を支持部材64に回動自在に取り付けると共に、第3伝動ケース17の内側とテンションアーム15とをスプリング65で連結する。そして、前記左右スライド板62,62に連結部材66を取り付けると共に、該連結部材66と支持部材64とをクラッチワイヤー67で連結することによって、仕切部Cの開閉の切り替えに連動して掘取搬送部Bの駆動力伝動を切り替えるクラッチ機構68を構成する。このとき、伝動ベルト18はテンションローラ16に張圧されなければ回転が止まるように装着する。
【0030】
なお、図6及び図7の第3伝動ケース17は、内部の構造を把握しやすくするために、外側のカバーを外した状態を示している。
上記構成によれば、仕切板43を開くとテンションアーム15がクラッチワイヤー67に引っ張られて下方回動し、テンションローラ16が伝動ベルト18を張圧して駆動力を伝動するようになるため、掘取搬送部Bの搬送コンベア32が駆動して掘り取ったタマネギを後部に搬送することができる。一方、仕切板43を閉じるとテンションアーム15を引っ張っていたクラッチワイヤー67が弛み、テンションアーム15を取り付ける連結アーム63の機体後方への移動に連動してテンションアーム15も機体後方に移動するため、テンションプーリ16が伝動ベルト18から離間して伝動ベルト18の張りが弛むので、掘取搬送部Bへの駆動力の伝動が停止し、掘取搬送部Bの搬送コンベア32を停止させることができる。
【0031】
従って、仕切板43の開閉を切替スイッチ46で切り替えることによって、掘取搬送部Bへの駆動力伝動の切替を連動して行うことができるので、作業者は旋回前にトラクタ1のPTO軸2の回転を停止させ、旋回後に再びPTO軸2の回転を再開させる操作を省略できるようになるので、作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】根菜掘取機を装着したトラクタの側面図
【図2】根菜掘取機の左側面図
【図3】根菜掘取機の右側面図
【図4】根菜掘取機の平面図
【図5】根菜掘取機の伝動機構図
【図6】根菜掘取機の別実施例の左側面図
【図7】根菜掘取機の別実施例の左側面図
【符号の説明】
【0033】
26 掘取刃(掘取部材)
32 搬送コンベア(搬送装置)
43 仕切板(仕切部材)
46 切替スイッチ(切替装置)
57 排出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場から根菜を掘り取る掘取部材(26)を設け、該掘取部材(26)の後部に掘り取った根菜を後方に搬送する搬送装置(32)を設けると共に、該搬送装置(32)の後部に根菜を受けて機体外側方向の圃場に根菜を排出する排出装置(57)を設けた根菜掘取機において、
前記搬送装置(32)の搬送始端側に根菜落下防止用の仕切部材(43)を落下防止作用状態と収納状態とに切替自在に設けたことを特徴とする根菜掘取機。
【請求項2】
前記仕切部材(43)を落下防止作用状態と収納状態とに切り替える切替装置(46)を設けたことを特徴とする請求項1記載の根菜掘取機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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