説明

植物栄養剤用容器

本発明による植物栄養剤用容器は、液状植物栄養剤を収容するボトルと、該ボトルの嘴状部入口に圧縮し堅固に取り付けられ、該最上部がシリンダ状に成された外部密封裾を包含し、該外部密封裾の内部表面が、ボトルの嘴状部の外部表面に気密に接触されるキャップと、前記外部密封裾の内部下端部から突出され、キャップがボトルに固定される際、該外部表面が嘴状部入口の内部表面と密接に接触される内部密封突出部と、指で容易に取ることができるように外部密封裾から突出されたヘッド及び、前記外部密封裾の先端と前記ヘッドとを連結し、且つ、ヘッドより小さい幅を持ち、且つ、前記内部密封突出部の底部から頂部まで拡張された排出孔を包含することで、切断時に、ボトルの内部と外部とが連通できるようにするネックから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物栄養剤の容器に関するものであって、さらに詳細なことには、植木鉢の土中にスティックのように挿し込み、植物に栄養を供給し得る容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、植物栄養剤(又は治療剤)は、液状からなり、且つ、合成樹脂容器に収容される。かかる植物栄養剤とは、栄養不足により植物が萎れる際、植物周りの土を介して供給される。且つ、開花前後、日光不足、又は、病虫害などのような被害を受ける時に用いられるものである。液状の植物栄養剤は、細長い容器に貯蔵されているため、植木鉢などに逆さまに挿し込み操作だけで、簡単に行われる。
【0003】
前記従来容器の一実施形態が、図1ないし図2に示されている。図1は、植物栄養剤の従来容器のキャップを示した斜視図であり、図2は、従来容器に組み合わせた図1のキャップを示した断面図である。
【0004】
前記キャップ2は、高弾性、且つ、軟質の合成樹脂から成形される。前記キャップ2の内部直径は、ボトルの嘴状部11入口の外部直径と同様であるか、又は、若干小さく形成される。そして、前記キャップ2は、キャップの内部表面が圧縮され、且つ、嘴状部11の外部表面に密接に接触されて、ボトルの嘴状部11と結合される。
【0005】
前記キャップ2の先端は、細長くて、尖って形成され、且つ、排出孔を持っている。そして、使用者が、該先端部分を鋏やナイフなどを介して切断し、開封してから用いることになる。従って、容器を開封するに際して、所定の工具が必要となる。
【0006】
ぽきっと折る方式から成され、且つ、ボトルの口部を被せることができるスナップキャップは、スクリューキャップに比べて、ボトルを開ける作業時間を著しく短縮し得ることから、広く用いられてきた。
【0007】
前記従来のスナップキャップ2は、最初から嘴状部11の入口に堅固に接触し結合されている。然るに、容器を貯蔵、運搬する間に、前記キャップ2が膨張されたり、又は、容器の嘴状部11が縮められると、隙間が、前記キャップ2の内部面と嘴状部11の外部面との間に生じることになる。さらに、前記キャップ2の外部表面に外部圧力が突如加わると、前記キャップ2や前記嘴状部11が元の形態に直ぐ復元され、前記キャップ2の内部表面と嘴状部11の外部表面との間に同様に隙間が生じる。
【0008】
前述したように、キャップ2の内部表面と嘴状部11の外部表面との間に隙間が生じると、容器の内部に充填されていた液状の栄養剤が自然蒸発したり、又は、キャップそのものが嘴状部11から取り離される惧れがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用者が、別途の分離切断工具を必要とせずに、指のみで容器のキャップを容易に開封することができる植物栄養剤容器を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、外部温度の変化や外部圧力に拘わらず、キャップと 嘴状部入口との間の気密性を向上させることができる植物栄養剤容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的等を達成するために、本発明は、液状植物栄養剤を収容するボトルと、該ボトルの嘴状部入口に圧縮し堅固に取り付けられ、該最上部がシリンダ状に成された外部密封裾を包含し、該外部密封裾の内部表面が、ボトルの嘴状部の外部表面に気密に接触されるキャップと、前記外部密封裾の内部下端部から突出され、キャップがボトルに固定される際、該外部表面が嘴状部入口の内部表面と密接に接触される内部密封突出部と、指で容易に取ることができるように外部密封裾から突出されたヘッドと、前記外部密封裾の先端と前記ヘッドとを連結し、且つ、ヘッドより小さい幅を持ち、且つ、前記内部密封突出部の底部から頂部まで拡張された排出孔を包含することで、切断時に、ボトルの内部と外部とが連通できるようにするネックとから構成される。
【0012】
また、前記キャップは、軟質合成樹脂から構成され、前記ヘッドを捻ることによって、容易にネックを切断し得ることを特徴とする。
【0013】
さらに、前記ヘッド部は、多角形の切断面を持つように構成され、指で容易に取ることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上の通り、本発明の植物栄養剤用容器によれば、手で容易に除去し得るヘッドを持つキャップによって、使用時、何らかの工具を必要とせず、極めて使用勝手が良いものである。また、前記内部密封突出部を介して、前記嘴状部入口と前記キャップとの間を気密に接触させることによって、外部温度変化や長時間保存に拘わらず、内容物の蒸発量を最小化することができる植物栄養剤用容器が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の望ましい実施形態を、添付図面を参照として説明する。また、同一部分については、同一符号を付して説明する。図3は、本発明による植物栄養剤を供給する容器のキャップを示した斜視図であり、図4は、図3のキャップとボトルとを組み合わせた状態を示した断面図である。
【0016】
図3及び図4を参照すると、本発明のキャップ20は、使用者の手により取られ、捻り切ることができるヘッド22と、前記ヘッド22と外部密封裾23とを連結し、且つ、排出孔25が備えられたネック21とを包含している。
【0017】
前記ネック21は、該外部直径が小さく、排出孔25と共に提供されるため、親指と人差し指とでヘッド22を掴み、捻るだけで容易に切断できる。
【0018】
図3に示されたように、前記キャップのヘッド22は、四角柱形状からなる。しかし、ヘッド22の形状は、特に、四角柱形状に限定されるものではなく、指により容易に掴まれて捻られることができる形状であれば、如何なる形状でもよい。
【0019】
前記ヘッド22の切断面形状は、使用者にとって、掴みやすくなるように、多角状からなることが好ましい。
【0020】
図4に示されたように、本発明のキャップ20は、二重封込方法として内部密封突出部24と、外部密封裾23とを介して、ボトル10の嘴状部11と組み合わされる。
【0021】
そして、前記外部密封裾23は、該内部面で嘴状部11の外部面と気密に接触することになり、且つ、前記内部密封突出部24は、棒形状からなり、外部密封裾23の内部面頂部より突出されていて、嘴状部内に挿入されることによって、嘴状部11の内部面に気密に密着されている。
【0022】
ボトル10は、硬質の合成樹脂からなることも可能であり、ボトルに装着されるキャップ20は、空気を効果的に遮断するために、軟質の合成樹脂から構成することが好ましい。また、前記キャップ20は、合成ゴム材からなり得る。
【0023】
したがって、通常は、キャップ20の膨張率と収縮率とが、ボトル10の嘴状部の膨張率と収縮率より大きい。そのため、キャップ20と嘴状部11とが、外部温度の増加に伴って、互に異なる膨張率で膨張するか、または、互に異なる収縮率で収縮される際、嘴状部11入口の内・外面のうちに、何れかの一方で、常時、密封可能である。
【0024】
前記排出孔25は、内部密封突出部24からネック21の頂部まで延長されている。従って、キャップ20が、ボトル10の嘴状部11に被せられることで、嘴状部11の内側上部にまで至ることになる。
【0025】
前記ヘッド22が、キャップ20のネック21より切り離されることによって、ボトルの内部と、外部とが連通できる。そして、ボトル20に収容された植物栄養剤がボトル内部より排出されることになる。前記ネック21は、排出孔25の提供によって所定長さを持つチューブ状に形成されている。排出孔25の直径は、液状植物栄養剤がボトル10から排出される時間を考慮して決められる。
【0026】
図5は、液状植物栄養剤用容器を用いて、液状植物栄養剤を詰める方法を示す断面図である。図6は、図5の方法に従って、液状植物栄養剤が収容された容器の斜視図である。図7aないし7cは、本発明による液状植物栄養剤用容器の使用例を示す図面である。
【0027】
図5を参照すれば、ボトル10が液状植物栄養剤で詰められた後、前記キャップ20が、ボトルの胴体12の嘴状部11入口に圧縮かつ固定される。封込は、単一プレス工程により外部密封裾23の内部面と嘴状部11の外部面との間で行われると共に、内部密封突出部24の外部面と嘴状部11入口の内部面との間で行われる。従って、かかる封込は、短時間で完了される。
【0028】
図6に示されたように、液状植物栄養剤で充填されて、キャップ20により被せられたボトル10は、土中に挿し込むことができるように、細長い形状からなることが好ましい。
【0029】
また、ボトル10の胴体12は、嘴状部11の直径より大きい直径を持ち、シリンダ形状からなることが好ましい。
【0030】
図7aを参照すると、液状植物栄養剤を植物に供給する前に、使用者が、片手でボトルの胴体12を取り、且つ、他の手でヘッドを捩じり切る。
【0031】
前述したように、軟質のキャップ20のネック21が切断されることで、前記ヘッド22は、外部密封裾23と内部密封突出部24とから取り外される。この際、キャップ20の外部密封裾23と内部密封突出部24とは、容器の嘴状部11入口に固定され、且つ、ボトル10の内部は、液状植物栄養剤が容器から流出できるように、排出孔25を介して容器の外部に連通されるようになされる。
【0032】
図7cのように、前述した方法を介して切断された容器を植木鉢内における植物周りの土中に挿し込むことで、液状植物栄養剤が、供給されることになる。
【0033】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が発明を容易に実施し得る程度内で詳細に説明したものであって、これにより、本発明の技術的思想及び範疇が限定されることを意味するのではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】従来植物栄養剤用容器のキャップを示した斜視図。
【図2】従来の図1のキャップとボトルとを組み合わせた状態の断面図。
【図3】本発明による植物栄養剤用容器のキャップを示した斜視図。
【図4】図3のキャップとボトルとを組み合わせた状態の断面図。
【図5】植物栄養剤用容器を用いて液状植物栄養剤を詰める方法を示す断面図。
【図6】図5の方法により植物栄養剤を収容した容器を示す斜視図。
【図7a】本発明による植物栄養剤用容器の使用例を示す図面である。
【図7b】本発明による植物栄養剤用容器の使用例を示す図面である。
【図7c】本発明による植物栄養剤用容器の使用例を示す図面である。
【符号の説明】
【0035】
10…ボトル、11…嘴状部、12…ボトルの胴体、20…キャップ、21…ネック、22…ヘッド、23…外部密封裾、24…内部密封突出部、25…排出孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状植物栄養剤を収容するボトルと、
前記ボトルの嘴状部入口に圧縮し堅固に取り付けられ、該最上部がシリンダ状に成された外部密封裾を包含し、前記外部密封裾の内部表面が、ボトルの嘴状部の外部表面に気密に接触されるキャップと、
前記外部密封裾の内部下端部から突出され、該外部表面が、キャップがボトルに固定される際、嘴状部入口の内部表面と緊密に接触される内部密封突出部と、
指で容易に取ることができるように、前記外部密封裾から突出されたヘッドと、
前記外部密封裾の先端と前記ヘッドとを連結し、前記ヘッドより小さい幅を持ち、且つ、前記内部密封突出部の底部から頂部まで拡張された排出孔を包含することで、切断時に、ボトルの内部と外部とが連通できるようにするネック部と
から構成されることを特徴とする植物栄養剤用容器。
【請求項2】
前記キャップは、軟質合成樹脂から構成され、前記ヘッドを捻ることによって、容易にネック部を切断し得ることを特徴とする請求項1に記載の植物栄養剤用容器。
【請求項3】
前記ヘッド部は、多角形の切断面を持つように構成され、指で容易に取ることができるように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の植物栄養剤用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−521091(P2006−521091A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518279(P2005−518279)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【国際出願番号】PCT/KR2004/001621
【国際公開番号】WO2005/002986
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(505243397)ドン バック トレーディング カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】