説明

構造物用板材及び同板材を用いた面構造

【課題】 構造物の床面や壁面等を面構造構成とする場合に高い強度を有すると共に所定の板材を適宜この面構造に対して着脱できるようにする。
【解決手段】 板材本体1A、1B、1C・・・はネジ11により根太等の所定の対象にに固定され、各板材本体のネジ11が挿通している板材取付部4はカバー部材2A、2B・・・により覆われ、床面等の面構造が一体的に形成される。この面構造において例えば板材本体1Bを取り外したい時は、カバー部材2Bを取り外し、露出したネジ11を取り外し、この状態で余裕空間Wにおいて板材本体Bの突条7が隣接の板材本体1Cの凹所3の後壁に当接するようにする。これにより板材本体1Aの突条7と、板材本体1Bの凹所3との係合状態が解除され、この状態で板材本体1Bの突条7Aを中心として板材本体1Bを回動させ、板材本体1Bのみを取り外す。板材本体1Bの再取付はこの逆を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家屋等の構造物の床板や外装材等に利用可能な板材の構成に係り、特に板材取付後に、所望の部分の板材を取り外し可能に構成した板材及び同板材を用いた面構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば木造家屋等の建築物における床は、長尺の床板を釘や螺子等の固定手段で密接配置して床面の形成(床張り)が行われている。通常これら床板の側壁長手方向に対しては一方の側壁には突条が形成され、かつ他方の側壁には溝が形成された構造となっており、床板の突条とこの床板に隣接する別の床板の溝とを嵌合させるようにして、順次隣接する床板相互が突条と溝の嵌合を繰り返すことにより床張りされた床面全体が一体化するよう構成されている。
【0003】
従来から行われているこの構成は各床板が相互に嵌合しているため床板相互が密着し床面全体が一体化するため、床面全体の強度も高く保持できかつ床面の見栄えも良好となる。このように床張りと言う観点からみると、従来型の床構造は外観及び床面の恒久的使用という点から好ましい構造であると言える。
【0004】
しかし、昨今床面の下部は単なる空間としてではなく、コンピュータ用ケーブルや各種配管の敷設、或いは床暖房の熱源の配置等特定目的に利用される場合が多い。この場合、熱源のチェック等、床面の形成後に敷設対象をチェックする必要が生じる場合がある。この場合、従来型の床張り構造では相互に嵌合する床板を順次取り外す必要があり、かつ床板は多くの場合釘打ちにより固定されているため、取り外しはやっとこ等の金具を用いて無理に床板を剥がす作業となる。このため床板は損傷し、取り外した床板の再使用は不可能となる。また、前記嵌合構成のため開放したい部分の床板のみを取り外すことはできず、床面の端の床板から開放が必要な部分まで順次床板を剥がさねばならず、床板の取り外しと、以後の再度の床張りについては人手、時間、経費ともに膨大となりる大がかりな作業となる。
【0005】
上述の点に鑑み、床板のうち所定の部分の床板を取り外したり、或いは床板の取り外しの容易化と取り外した床板の再使用が可能な床板の構造、および床板を用いた床構造が下記文献の如く幾つか提案されている。
【特許文献1】特開2003−227224
【特許文献2】特開2001−065165
【特許文献3】特開2006−233705
【特許文献4】特開平9−273923
【特許文献5】特開平9−268745
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先ず特許文献1及び2記載の発明は何れも従来と同様な長尺型の床板材の特定部分の取り外しが可能に構成されたものである。このうち特許文献1に記載の発明は隣接する床板の両側壁部をビスで固定する構成となっており、特定の床板を取り外す場合にはこの床板を固定するネジを取り外すことにより行うことになる。このため各床板の間にはネジ回動用のドライバーを挿入するための隙間を予め形成して置く必要があり、この結果床面全体は床板相互が一定間隔離間している「すのこ状」に形成されることになり、室内床面等の通常の床面としての利用は困難である。
【0007】
また特許文献2記載の構成は床板と、床板の下地材とに面ファスナーを取り付けてこの面ファスナーにより床板を下地材に取り付ける構成となっている。取り付けが面ファスナーであるため所定の床板のみを容易に取り外せるが、逆に面ファスナーであるため取り付け強度に問題があり、しかも床板を取り外しても下地材があるため床下の点検という目的は果たせない。
【0008】
特許文献3は本願出願人が先に提案しているものであるが、床板は従来と同様の長尺のの床板の構成であり、形成される床面は従来と全く同じ構成とすることができる。また各床板を取り付けるネジを取り外すことにより、再使用可能に床板を取り外すことができるが、開放したい床下まで順次床板を取り外すため、開放したい床下空間に対応する床板のみを取り外すものではない。
【0009】
また特許文献4及び5記載の発明は、各床板(床材)を雄・雌嵌合により配置し、所定の床板を鉛直方向に引き上げるようにして取り外すよう構成している。しかしこれらの床板構造はその構成上ほぼ矩形に形成する必要があり、これらの床板(床材)のみで床面を形成することはできない。つまり床板(床材)を特許文献3記載の発明のように下地材に張り付けるようにして配置する必要があり、従ってこの特許文献3の発明と同様の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み構成されたものであって、床面、壁面等を形成したときにそれ自体としてこれら床面、壁面等の強度を保持するよう構成された板材、及び同板材を用いた面構造であって、板材は板材本体と、カバー部材とから構成され、板材本体の両側壁部のうち一方の側壁部の長手(奥行き)方向には凹所が形成され、他方の側壁部に対しては板材本体の幅方向に対して板材取付部が展設され、この板材取付部の側縁には隣接する板材の凹所と係合する突条が形成され、かつカバー部材は板材が所定の対象にネジ止めされた後にこの板材取付部に対して嵌合等の手段で固定するよう構成した板材及び同板材を連接して床面や壁面を形成した面構造に関する。
【発明の効果】
【0011】
各板材はネジ等の取り付け手段により根太等の対象物に対して容易に取り付けることができ、床面や壁面等として構成された面はそれ自体で十分な強度を有し、しかも取り外したい板材のカバーを取り外して、板材取付部を露出させることによりネジ等の取り付け手段を外して所望の板材を容易に取り外すことができると共に、当該板材を再使用することが可能である。
【0012】
また、この板材を用いれば形成された床面、壁面等の面部分は床板が相互に密着して一体的な面を形成することができ、床面として形成した場合には前記特許文献のすのこ状の面等に比較して足裏の接触が心地よく、かつ隙間からゴミや液体が進入することもない。また外壁として構成した場合にも雨風が侵入することもなく外壁材として十分な機能を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
板材はアルミニウム等の金属により構成し、同形状のものが大量生産できるように構成する。金属で構成することにより断面形状がやや複雑な板材を容易に形成できると共に、同板材で構成された床面の下部に水容器を配置して床冷暖房構造を構成(本願出願人はこの構成を多数出願している)した場合、熱伝達率の高い金属で床面を形成することにより効率的な床冷暖房構造を得ることができる。
【実施例1】
【0014】
以下本発明の実施例を図面を参考に具体的に説明する。
先ず主として図1を用いて本発明に係る板材の構造を示す。板材は本体1とこの本体1に嵌合するカバー部材2とから構成されている。このうち先ず本体1の構成から説明すると、この板材本体1は例えばアルミニウム等の金属材料により、例えば引抜き工法等の方法によって形成されいてる。図は板材本体1の端面を示すが、この板材本体1は図の奥行き方向に対してこの端面形状と同一の断面形状を有するよう構成され、例えば長さ(図の奥行き方向の長さ)が数十cmから数メートルの長さに形成されている。
【0015】
板材本体1の両側壁部1a、1bの内、一方の側壁部(図の左側の側壁部)1aには凹所3が形成されている。一方他方の側壁部(図の右側の側壁部)1bの下端部からは板材本体1の幅方向に対して板材取付部4が展出形成されている。この板材取付部4以外の板材本体部分は上面部1cと下面部1dとが一定の上下の間隔(板材の厚みに対応する)をもって位置している。図示の構成では板材本体1の上面部1cと下面部1dは仕切り壁を介して空間部6a、6b、6cが形成されているが、これらの空間部は本発明の必須の構成要素ではなく、一定の強度を保持したまま板材1全体の重量の軽減及び使用金属の軽減のために形成されたものである。
【0016】
また図示の構成では上面部1cには板材本体1の長さ方向に沿って溝がほぼ等間隔で細かく形成されている。この溝の幅は板材取付部4の幅も含めて板材本体1の幅が例えば従来の床板とほぼ同様の7〜8cm程度である場合には、幅1.5〜2mm程度の溝が同溝の幅と同じ間隔で平行に配置された構成となっている。
【0017】
上面部1cにおける溝の形成も本発明における必須の構成要素ではないが、以下の理由により溝を形成しておくと効果的である。
先ず、この板材1を床板として利用し、かつ床面下部に冷暖房用の水容器等を収納した場合、表面部1cの表面積を大きくとれるため、床冷暖房構造において、床面と床下空間に於ける水容器との間の伝熱量を大きく設定することができ、床冷暖房の効率を上げることができる。
【0018】
また、金属材料はその材料自体としては木材と比較して殆ど吸湿作用がないため、これを床板として利用したときに溝部がない平坦面であると、足裏の汗等により金属面に対する足裏の接触間隔が悪くなるおそれがある。この場合前述のように細かい溝を形成しておけばこの溝を介して汗などの成分が足裏から外部に放出されるため足裏の接触間隔がとても良好になる。
【0019】
次に板材取付部4の側縁部には突条部7が図の奥行き方向に連続的に形成されている。また板材本体1の下面部1dから展出している板材取付部4の底面部には一定の間隔を以て一対の突条5a、5bがやはり図の奥行き方向に連続的に形成されている。この一対の突条5a、5bを形成することにより、後述する板材本体1をネジ止めする時にネジの位置決めが容易となる。また板材取付部4の部分は一枚の板状に形成されており、この部分を介して板材本体1全体が根太等の対象物に対して取り付けられるため、突条5a、5bを形成しておけばこれが板材取付部4に対して補強材として作用し、板材取付部4全体の強度、更には板材本体1の取付強度を高めることができる。
【0020】
続いてこの板材本体1に嵌合するカバー部材2の構成について説明すると、このカバー部材2は上面部8Aと、この上面部8Aの下面から展出している一対の脚部8B、8Cとから構成されている。上面部8Aには板材本体1の上面部1cに形成されたものと同大、同形状の溝が等間隔に形成され、後述するようにカバー部材2を板材本体1に嵌合固定した場合に、板材本体1の表面部1cとカバー部材2の表面部8Aが一体化するよう構成されている。
【0021】
脚部8A、8Bの下端部は外側に僅かに突出した突出部8b、8cが形成され、一方前記板材取付部4の底部両側縁には係合凹所4a、4bが形成されている。これによりカバー部材2を板材取付部4に対して押し込めばカバー部材2の脚部8B、8Cの凸部8b、8cと前記係合凹所4a、4bが係合してカバー部材2は板材本体1に対して一体的に取り付けられることになる。
【0022】
次に図2以降を用いて上記構成の板材を床板として用いる場合を例としてその取付状態及び取り外し状態を具体的に説明する。
先ず床面の側縁を形成する板材を例えば室内の壁面等の基準面に対して配置する。図示の構成では符号10が基準面であり、この基準面10に対して最初の板材(符号1Aで示す)を配置し、板材1Aの取付を行う。この場合カバー部材2(2A)は図1の場合のように取り外し、板材取付部4が露出したとなっている。
【0023】
この状態でネジ11を用いて板材取付部4を介して板材本体1を取付対象(例えば根太)に対して取り付ける。この場合板材本体1がアルミニウム製であれば、板材取付部4を挿通してネジ11は直接対象物に螺合することができるが、板材取付部に対してドリル等で挿通穴を予め形成しておき、この挿通穴を介して対象に対してネジ11を螺合するようにしてもよい。
【0024】
板材取付部4の奥行き方向に対して順次ネジで固定し、固定作業が終了したならば、カバー部材2Aを、固定の完了した板材本体1Aの板材取付部4に対して嵌挿固定する。この作業はカバー部材2Aを板材取付部4に対して手で押し込むだけで、特別な器具を用いることなく実施できる。カバー部材2Aの取り付けにより、板材1Aの表面1cとカバー部材2Aの表面8Aは一体化し、板材本体1A及びカバー部材2Aを含めて一定の幅(例えば前述の7cm) の一つの板材として対象に固定される。
【0025】
次に隣接する板材1Bを板材1Aと同様の手順により取り付ける。この場合、図において板材本体1Bの右側の側縁を板材本体1Aの左側の側縁に接触配置することにより、板材本体1Aの突条部7が一定の余裕空間Wを以て板材本体1Bの凹所3内に位置する。この状態で板材本体1Bを前述の手順で取り付け、この作業を順次繰り返すことにより所定の板材本体1A、1B、1C、1D・・・を順次取りつけて床面を構成する。なお、符号2B、2Cは板材本体1Aに対して取り付けたのと同様の、各板材本体に1B、1Cにそれぞれ取り付けたカバー部材である。
【0026】
続いて、図3乃至図5を用いて板材の取り外し状態を説明する。
本発明の構成では床面を形成した板材のうち何れの板材でも単独で、或いは連続して取り外し可能であるが、以下板材1Bを取り外す場合を例に説明する。
最初に、板材本体1Bの板材取付部4を覆っているカバー部材2Bを取り外す。カバー部材2Bの取り外しは、例えばカバー部材2Bの長手方向の一端においてドライバー等を用いてこのカバー部材1Bをこじ開ける。カバー部材1Bは前述の如くカバー部材1Bの脚部8B、8Cの凸部8b、8cと板材取付部4の係合凹所4a、4bとが係合しているだけで、特別の固定部材を用いていないため、この係合状態に抗してカバー部材2Bの一端を持ち上げたならば後は、特別の器具を用いることなくカバー部材2Bを手で取り外すことができる。
【0027】
このようにしてカバー部材2Bを取り外し、ネジ11の頭が露出したならば各ネジ11を取り外す。全てのネジ11を取り外したならば図4に示すように板材本体1Bを矢印D1で示すように、隣接する板材本体1Cの凹所3と板材本体1Bの突条部7との間に形成されていた余裕空間Wの分だけ移動させこの突条部7が板材本体1Cの凹所3の壁面に当接するよう移動させる。
【0028】
このD1方向への移動により、板材本体1Bの凹所3と板材本体1Aの突条7との係合状態が解除される。この状態で図5に示すように板材本体1Bを突条7を中心として矢印D2方向に回動させ、続いて矢印D3方向に引き上げるように移動させることにより板材本体1Bを床面から取り外すことができる。なお、板材本体1Bに続いて隣接する板材本体1Cも取り外す場合には、板材本体1Cのカバー部材2Cを取り外した後ネジ11を外す。この場合は隣接する板材本体1Bはすでに取り外しているため板材本体1Cは図4の如く一旦D2方向に回動させることなく取り外すことができる。このようにして所望の板材本体を取り外す。
【0029】
次に板材本体1Bのみを取り外した場合における当該板材本体1Bの取り付けに当たっては、取り外してある板材本体1Bを図5の状態でその突条7が隣接する板材本体1Cの凹所3に挿入されるよう矢印D3´の方向に移動させ、かつこの状態で突条7を中心としてD2´方向に回動させ、しかる後図4に示す矢印D1´方向に移動させて板材本体1Aと板材本体1Bの対向する側壁を密着させ、この状態でネジ11で板材本体1Bを固定し、かつカバー部材2Bを板材取付部4に嵌挿して作業を終了する。
【0030】
また、例えば板材本体1Bと板材本体1Cとを取り外した場合には、先ず板材本体1Bを水平に配置し、かつ図4のD1´方向に移動させて板材本体1Aと板材本体1Bとを密着させ、ネジ11で止め、かつカバー部材1Bを嵌挿する。続いて板材本体1Bが取り付けられた状態で、板材本体1Cは前記移動部材本体1Bを取り付けたのと同じ手順で取り付けを完了する。
【実施例2】
【0031】
図6は第2の実施例を示す。
この実施例では前記実施例1で示した板材本体をその長手方向に連接して板材本体全体を長くすることができるよう構成している。
板材本体1には図1等に示されるように空間6a、6b、6cが形成されている。このうち例えば空間6a、6bの内径断面形状と同一の外径断面形状を有する接続体9を、接続したい板材本体1´の後端部と板材本体1´´の先端部から挿入して両者を連結する。これにより両板材本体1´及び1´´は一体化される。なお、板材本体1´と板材本体1´´それぞれ個々にネジ11を用いて対象に固定されるため、この面形成された後もこの接続部に応力が集中することはない。このため、接続体9は各板材本体の空間6aのみ或いは6aと6bに配置すれば十分である。因みに空間6cの断面形状は他の空間6a、6bと異なる形状となっており接続体9もこの形状に合わせた特殊なものとなるので、特に必要がある場合を除いてはこの空間6cは接続構造としては利用しない。
【0032】
以上に示した実施例では板材本体1に対するカバー部材2の取付はカバー部材2の脚部下端と板材取付部材4の凹所との係合により実行されているが、この様な凹凸の係合とする外、前記脚部と凹所のとの係合を無くし、カバー部材2の長手方向の何箇所かでカバー部材2の上面部から、板材取付部4或いはこの板材取付部4を挿通して板材本体取付対象にネジを螺合するよう構成してもよい。この場合はカバー部材取付用のネジの頭がカバー部材2の上面部8Aに露出することになるが、カバー部材2の取付以外には別に強度を要求されないので、例えば数メートルのカバー部材で1mおきネジ止めする等、ネジの使用本数は少数で済む。ネジ止めの場合にはこじ開けの場合に比較してカバー部材に損傷を与える可能性がより低いため、カバー部材の再使用の可能性がより一層高くなる。
【0033】
また板材本体は床面、壁面等を構成した時にこれら面構造の強度を確保する部分であるが、カバー部材は板材本体の板材取付部をカバーするだけであり、面構造において強度を負担する部分ではない。このため板材本体は一定の強度を有する金属材料により構成してもカバー部材は基本的には強度を考慮する必要がないので、例えばプラスチック等板材本体を構成する材料よりも強度の低い材料を利用することも可能である。
【0034】
以上発明における板材を、床面を形成する床板として利用した場合を例に説明したが、家屋等の構造物の外壁、或いは室内の仕切り壁等にも応用可能である。また面が形成されるものであれば面の形成対象は家屋等の構造物に限る必要もない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本板材を家屋等の床板或いは外装材として利用する場合を例に説明したため、そのサイズは幅7〜8cm、長さは数十cmから数mとしたが、より大型高強度に構成することはもとより可能であるため、各種重量物を配置した工場の床面や仕切壁の形成等その用途に応じた大きさに形成することにより幅広い目的に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る板材本体とカバー部材の端面図である。
【図2】図1に示す板材本体とカバー部材とを連接して床面を構成した状態の床面の端面図である。
【図3】所定の板材本体の取り外しを行う第1の工程を示す床面の端面図である。
【図4】所定の板材本体の取り外しを行う第2の工程を示す床板端面の拡大図である。
【図5】所定の板材本体の取り外しを行う第3の工程を示す床板端面の拡大図である。
【図6】本発明の第2の実施例を示す二つの板材本体の接続部の断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1、1A、1B、1C、1D 板材本体
1a、1b (板材本体の)側壁部
1c (板材本体の)上面部
1d (板材本体の)下面部
2、2A、2B、2C カバー部材
3 凹所
4 板材取付部 4a、4b (板材取付部に設けた)係合凹所 5a、5b (板材取付部に設けた)突条
6、6a、6b、6c 空間部
7 突条部
8A (カバー部材2の)上面部
8B、8C (カバー部材2の)脚部
8b (脚部8Bの)凸部
8c (脚部8Cの)凸部 9 接続体
10 板材本体取付の基準面
11 ネジ
W (特定の板材本体の突条とこれに隣接する板材本体の凹所との間の)余裕空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の床面、外壁面或いは仕切壁面等の面を構成する素材としての板材であって、板材本体とこの板材本体に係合するカバー部材とからなり、板材本体は側面の一方に凹所が形成され、かつ他方の側面には板材本体の幅方向に板材取付部が展出形成され、板材取付部の端部側縁には突条部が形成され、ネジ等の固定手段が板材取付部材を挿通することにより板材本体を取付対象に固定し、かつこの板材取付部に対してカバー部材が取り付けられるよう構成したことを特徴とする構造物用板材。
【請求項2】
板材取付部に対して一定の間隔をもって一対の突条が、板材本体長手方向に対して平行に形成されていることを特徴とする請求項1記載の構造物用板材。
【請求項3】
板材本体の上面部にはほぼ等間隔で多数の溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の構造物用板材。
【請求項4】
板材本体には1以上の空間部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の構造物用板材。
【請求項5】
接続を必要とする板材本体の対応する空間部に対して当該空間部の内径断面形状と同一形状の外径断面形状を有する接続体をそれぞれ挿入することにより、この接続体を介して二つの板材本体を板材本体の長手方向に対して接続するよう構成したことを特徴とする請求項4記載の構造物用板材。
【請求項6】
カバー部材には一対の脚部が形成され、脚部の下端には凸部が形成され、かつ板材取付部にはこの凸部と係合する凹所がそれぞれ形成され、カバー部材を板材取付部に嵌挿することにより、これら凸部と凹所が係合してカバー部材が板材本体に取り付けられるよう構成したことを特徴とする請求項1記載の構造物用板材。
【請求項7】
板材本体及びカバー部材のうち少なくとも板材本体は金属により構成されていることを特徴とする請求項1記載の構造物用板材。
【請求項8】
最初に対象物に固定された第1の板材本体に対して隣接する第2の板材本体は、当該第1の板材本体の突条部が第2の板材本体の凹所に対して一定の余裕空間を介して挿入位置するようにして配置固定され、この配置固定された第2の板材本体に対して更に隣接する第3の板材本体も、第2の板材本体の突条が一定の余裕空間を介して当該第3の板材本体の凹所に位置するよう構成され、順次この構成で第4以降の板材本体を固定することにより面構造を形成することを特徴とする構造物用板材を用いた面構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−91761(P2009−91761A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261834(P2007−261834)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(593107937)株式会社イゼナ (7)
【Fターム(参考)】