説明

歩行型管理機

【課題】移動時の操作性の向上を図ることができる歩行型管理機を提供する。
【解決手段】機体フレーム2上に設けられるエンジン6と、前記機体フレーム2の下方で左右方向に横設されて前記エンジン6と連動連結され、耕耘爪11を取り付ける耕耘軸10と、を具備する歩行型管理機1において、前記耕耘軸10の左右の各端部に取付部材30を設け、移動輪20を前記取付部材30により前記耕耘軸10に対して相対回転不能な状態と相対回転可能な状態とに切替可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行型管理機における移動輪の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行輪と耕耘装置とを一体的に構成した小型の歩行型管理機において、耕耘装置の耕耘軸の側端部に配置されるディスクに、着脱自在な移動輪を取り付けて、歩行型管理機全体を移動可能に構成した技術が公知となっている。
【0003】
例えば、特許文献1の技術は、サイドカバー体(ディスク)の中心部に係止孔を形成する一方、耕耘軸上の耕耘爪の回動軌跡よりも大径に形成した移動輪の中心部に係止片を取り付けて、該係止片をサイドカバー体の係止孔に外側方から挿入して係止し、サイドカバー体に移動輪を着脱自在に取り付け可能としたものである。
【0004】
特許文献2の技術は、サイドカバー体(ディスク)の中心部に筒状の軸受体を設け、この軸受体を耕耘軸の端部に同軸心上に取り付けると共に、サイドカバー体に係止孔を形成する一方、耕耘軸上の耕耘爪の回転軌跡よりも大径に形成した移動輪の中心部に移動輪支軸を設け、該移動輪支軸を前記軸受体に外側方から抜き差し自在に挿入可能とすると共に、移動輪に係止体を取り付けて、該係止体をサイドカバー体の係止孔に外側方から挿入して係止し、サイドカバー体に移動輪を着脱自在に取り付け可能としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−173634号公報
【特許文献2】特開2004−248600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1や特許文献2の技術では、エンジンを停止させ、機体を手押しして移動させる場合、移動輪の転動に伴って耕耘軸が回動するため、耕耘軸や、耕耘軸と連動連結したミッションケースのギアが抵抗となり、移動に必要な操作労力が増加するという問題がある。そのうえ、左右の移動輪が一体的に転動するため、左右の移動輪に回転差を生じさせることができず、小回りが効かないという問題もある。
そこで本発明の課題は、移動時の操作性の向上を図ることができる歩行型管理機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
請求項1においては、機体フレーム上に設けられるエンジンと、前記機体フレームの下方で左右方向に横設されて前記エンジンと連動連結され、耕耘爪を取り付ける耕耘軸と、を具備する歩行型管理機において、前記耕耘軸の左右の各端部に取付部材を設け、移動輪を前記取付部材により前記耕耘軸に対して相対回転不能な状態と相対回転可能な状態とに切替可能に構成するものである。
【0009】
請求項2においては、前記取付部材は、前記耕耘軸の左右の各端部に固定される固定部と、前記移動輪を回転可能に支持する支持部と、を具備し、前記移動輪を前記支持部に対して相対回転不能な状態または相対回転可能な状態に保持する保持手段を設けるものである。
【0010】
請求項3においては、前記保持手段は、前記支持部に形成される第一挿通孔および第二挿通孔と、前記第一挿通孔および第二挿通孔に挿通可能なピン状部材と、で構成し、前記ピン状部材を前記第一挿通孔と前記第二挿通孔のいずれか一方に選択的に挿通することによって、前記移動輪を前記支持部に対して相対回転不能な状態または相対回転可能な状態に保持するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1においては、移動輪を取付部材により耕耘軸に対して相対回転可能な状態に切り替えて、耕耘軸とは独立させて左右別々に回転させることが可能となる。したがって、機体を手押しで容易に移動させることができるとともに、機体の移動時に小回りを容易に利かせることができ、作業者の操作労力を軽減して、移動時の操作性の向上を図ることができる。また、移動輪を取付部材により耕耘軸に対して相対回転不能な状態に切り替えて、耕耘軸に伝達される動力により回転させることが可能となる。したがって、機体を押すことなく移動させることができ、作業者の操作労力を軽減して、移動時の操作性の向上を図ることができる。
【0013】
請求項2においては、移動輪を保持手段により支持部に対して相対回転不能な状態または相対回転可能な状態に保持することが可能となる。したがって、移動輪を耕耘軸に対して相対回転不能な状態と相対回転可能な状態とのいずれか一方の状態に容易に切り替えることができる。
【0014】
請求項3においては、保持手段を簡単な構成として、安価に製作することができる。また、一つのピン状部材を第一挿通孔と第二挿通孔とに対して共通して利用し、部品点数と組立工数を削減できる。しかも、保持手段の操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】歩行型管理機1の全体的な構成を示す側面図。
【図2】耕耘軸10の正面図。
【図3】耕耘軸10と取付部材30と移動輪20の正面図。
【図4】ディスク12に取付部材30を取り付けた時の側面図
【図5】ディスク12に移動輪20を取り付けた時の側面図
【図6】(a)移動輪20の固定状態を示す平面図、(b)同じく空転状態を示す平面図。
【図7】(a)移動輪20の固定状態を示す正面断面図、(b)同じく空転状態を示す正面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係る歩行型管理機の実施形態を説明する。
図1は歩行型管理機1の全体的な構成を示す側面図、図2は耕耘軸10の正面図、図3は耕耘軸10と取付部材30と移動輪20の正面図、図4はディスク12に取付部材30を取り付けた時の側面図、図5はディスク12に移動輪20を取り付けた時の側面図、図6(a)は移動輪20の固定状態を示す平面図、(b)は同じく空転状態を示す平面図、図7(a)は移動輪20の固定状態を示す正面断面図、(b)は同じく空転状態を示す正面断面図である。
尚、以下の説明においては、図1における矢印Fの方向を歩行型管理機1の前方向とする。
【0017】
まず、本発明の一実施形態に係る歩行型管理機1の全体構成を説明する。
図1に示すように、歩行型管理機1の機体フレーム2の前部には機体を保護するバンパー3が固設され、後部には土壌から抵抗を受けるために抵抗棒4が固設されている。そして、機体フレーム2の後部上方にはハンドル5が延出され、該ハンドル5の後側に把持部51が備えられている。前記把持部51の近傍には、主クラッチレバーやアクセルレバー等の操作部52が備えられている。
【0018】
機体フレーム2の上部には、動力源としてエンジン6と伝動ケース9とが設けられて、左右方向に並置されている。機体フレーム2に対してミッションケース8が上下方向に延設され、このミッションケース8の下部に耕耘装置13が設けられている。耕耘装置13では、耕耘軸10がミッションケース8の下部から左右方向に突出され、この耕耘軸10の外周面に耕耘爪11(内盛り爪11aと外盛り爪11b)が植設されている。
【0019】
そして、動力源としてのエンジン6が燃料タンク7から燃料を得て駆動されたとき、エンジン6の動力が伝動ケース9およびミッションケース8内の伝動機構を介して耕耘軸10に伝達されて、この耕耘軸10、ひいては耕耘爪11が回転するように構成されている。こうして、歩行型管理機1は、耕耘装置の耕耘爪11の回転によって、土壌を耕耘することができるようになっている。
【0020】
また、図2に示すように、耕耘装置13では、耕耘軸10の左右側端部には円板状のディスク12・12が固設されている。耕耘軸10の左右の各端部および左右の各ディスク12・12には、後述するように、移動輪20・20が取付部材30・30を介して取り付けられている(図3参照)。この各移動輪20・20は取付部材30・30により耕耘軸10と一体的に、または独立して回転可能に構成されている。こうして、歩行型管理機1は、移動輪20・20を回転させて走行し、移動することができるようになっている。
【0021】
次に、移動輪20の取付構造について詳しく説明する。
尚、左右の移動輪20・20は、ミッションケース8を中心として左右対称に構成されるため、右の移動輪20の取付構造についてのみ説明する。
【0022】
図1に示すように、移動輪20は耕耘軸10上の耕耘爪11の回転軌跡よりも大径に構成されて、右ディスク12の右側方に配置される。この移動輪20には、ゴムタイヤ21と、リム22と、複数のスポーク23・23・・・と、ボス部24とが備えられる。
【0023】
図5に示すように、ボス部24は円筒状または多角筒状に構成されて、円環状のリム22の内側中央部に配置される。複数のスポーク23・23・・・はボス部24の外周面からリム22の内周面まで放射状に突出されて、ボス部24とリム22との間に架設される。そして、リム22の外周面にゴムタイヤ21が固設される。
【0024】
図3に示すように、移動輪20とディスク12との間に取付部材30が設けられる。取付部材30には、固定部30aと支持部30bと保持手段30cが備えられる。取付部材30において、固定部30aはディスク12側に配置され、支持部30bは移動輪20側に配置される。
【0025】
固定部30aは、支持板部30dと、固定ネジ部30eと、軸心位置決め用の内側挿入部30fとで形成される。内側挿入部30fは円筒状または円柱状に構成されて、耕耘軸10の右側端部に右外側から挿入可能とされる。図4に示すように、前記内側挿入部30fの右側端部の外周面がその径方向外側へ向かって突出して、側面視略長方形に支持板部30dが形成される。前記支持板部30dの形状は、前記ディスク12の形状よりも小さいものとされる。
【0026】
また、固定ネジ部30eは孔とされ、支持板部30dに左右方向に開口される。ここで、ディスク12には、固定孔12bが左右方向に開口されて、内側挿入部30fが耕耘軸10の右側端部に右外側から挿入されて、支持板部30dがディスク12に当接された場合に、固定ネジ部30eと一致して連通可能とされる。固定ネジ部30eおよび固定孔12bの径はボルト31が挿通可能な程度とされる。
【0027】
支持部30bは、円筒状または円柱状に構成されて、移動輪20のボス部24に挿入可能とされる。支持部30bは内側挿入部30fよりも左右幅を長いものとして、内側挿入部30fと同径かつ同心状に一体的に形成される。
【0028】
保持手段30cは、前記移動輪20を支持部30bに相対回転不能な状態または相対回転可能な状態に保持する手段であり、第一挿通孔30gと、第二挿通孔30hと、前記第一挿通孔30gおよび第二挿通孔30hに挿通可能なピン状部材40とから構成される。該保持手段30cは、前記支持部30bの右側部に設けられ、支持部30bに移動輪20のボス部24が挿入されたときに、このボス部24よりも右外側に配置される。
【0029】
ピン状部材40は、図5に示すように、その長手方向の幅を移動輪20のボス部24の直径よりも大きいものとして、前記第一挿通孔30gおよび前記第二挿通孔30hに挿通可能に構成される。ピン状部材40の一端部は円板形状の係止部40bが第一挿通孔30gおよび第二挿通孔30hよりも大きな径をもって形成され、他端部にスナップピン固定用孔40aが開口される。スナップピン固定用孔40aにはスナップピン41が挿嵌可能とされる。
【0030】
第一挿通孔30gおよび第二挿通孔30hはピン孔とされ、前記支持部30bにその径方向に開口される。第一挿通孔30gおよび第二挿通孔30hは左右方向に適宜の間隔をとって平行に並べられ、第一挿通孔30gが外側に、第二挿通孔30hが内側に配置される。ここで、移動輪20のボス部24には、貫通孔24aがその径方向に開口されて、前記支持部30bに移動輪20のボス部24が挿入された場合に、第二挿通孔30hと一致して連通可能とされる。貫通孔24aの径はピン状部材40が挿通可能な程度とされる。
【0031】
このような構成において、移動輪20が耕耘軸10に相対回転不能または相対回転可能に選択的に取付可能とされる。図6(a)及び図7(a)に示すように、移動輪20が耕耘軸10に相対回転不能に取り付けられる場合、まず取付部材30の内側挿入部30fが管理機1の右外側から耕耘軸10の右側端部に挿入され、取付部材30の固定ネジ部30eがディスク12の固定孔12bに一致させられる。ボルト31が固定ネジ部30eと固定孔12bとにこれらの左右一側から挿通され、蝶ナット32がボルト31に左右他側から螺合される。これにより、内側挿入部30fとディスク12とが締結されて、取付部材30全体がディスク12に固定される。
【0032】
つづいて、取付部材30の支持部30bが移動輪20のボス部24に挿入される。そして、移動輪20のボス部24の貫通孔24aが取付部材30の第二挿通孔30hに一致させられる。ピン状部材40が貫通孔24aと第二挿通孔30hとにこれらの一側から挿嵌され、スナップピン41がピン状部材40のスナップピン固定用孔40aに挿嵌される。このスナップピン41によりピン状部材40の抜け止めが図られ、ひいてはピン状部材40により移動輪20の抜け止めが図られる。こうして、ボス部24が支持部30bと一体的に固定されて、移動輪20が取付部材30に相対回転不能に取り付けられる。つまり、移動輪20が耕耘軸10に取付部材30を介して相対回転不能に取り付けられる。
【0033】
このような場合、エンジン6が駆動しているとき、エンジン2の動力が伝動ケース9およびミッションケース8内の伝動機構を介して耕耘軸10に伝達されて、この耕耘軸10が回転するとき、取付部材30が耕耘軸10の回転にともなって回転することとなる。そして、移動輪20・20が取付部材30と一体的に回転することとなる。その結果、歩行型管理機1は、エンジン6の動力を用いて移動輪20・20を回転させて走行し、移動することができるようになっている。この移動輪20・20を用いた走行は、具体的には、主に圃場内や舗装されていない凹凸な道等の手押しが困難な場所で行われる。
【0034】
なお、取付部材30・30をディスク12・12または耕耘軸10に固定する構造は限定するものではなく、ディスク12・12または耕耘軸10に着脱可能に固定できる構造であればよい。例えば、本体固定部30aは内側挿入部30fを耕耘軸10に挿入してピンやボルト等により直接固定する構成とすることも可能であり、内側挿入部30fを耕耘軸10にネジ込んで固定することも可能である。
【0035】
図6(b)及び図7(b)に示すように、移動輪20が耕耘軸10に相対回転可能に取り付けられる場合、まず取付部材30の内側挿入部30fが管理機1の右外側から耕耘軸10の右側端部に挿入され、取付部材30の固定ネジ部30eがディスク12の固定孔12bに一致させられる。ボルト31が固定ネジ部30eと固定孔12bとにこれらの左右一側から挿通され、蝶ナット32がボルト31に左右他側から螺合される。これにより、内側挿入部30fとディスク12とが締結されて、取付部材30全体がディスク12に固定される。
【0036】
つづいて、取付部材30の支持部30bが移動輪20のボス部24に挿入される。つまり、移動輪20が支持部30bに右外側から外嵌される。そして、支持部30bに対する移動輪20の位置が適宜に調整されて、取付部材30の第一挿通孔30gが移動輪20のボス部24と重ならず、ボス部24の右側端面よりも外側に位置するように配置される。ピン状部材40が第一挿通孔30gのみにその一側から挿嵌され、スナップピン41がピン状部材40のスナップピン固定用孔40aに挿嵌される。このスナップピン41によりピン状部材40の抜け止めが図られ、ひいてはピン状部材40により移動輪20の抜け止めが図られる。こうして、ボス部24が支持部30bに固定されず、移動輪20が取付部材30に相対回転可能に、即ち空転状態に取り付けられる。つまり、移動輪20が耕耘軸10に取付部材30を介して相対回転可能に取り付けられる。
【0037】
このような場合、エンジン6が駆動しているとき、エンジン6の動力が伝動ケース9およびミッションケース8内の伝動機構を介して耕耘軸10に伝達されて、この耕耘軸10が回転するとき、取付部材30が耕耘軸10の回転にともなって回転することとなる。この際、移動輪20は取付部材30と一体的に回転しない。また、エンジン6が停止しているとき、移動輪20は機体が手押しされると、耕耘軸10とは独立して回転することとなる。その結果、歩行型管理機1は、ミッションケース8のギアの抵抗を受けず、容易に移動することができるようになっている。この移動輪20を用いた走行は、具体的には、主にコンクリート路面等の手押しが比較的に容易な場所、短い距離の移動でよい場所、納屋などの小回りが必要な場所で行われる。
【0038】
また、移動輪20が耕耘軸10に相対回転不能に取り付けられた状態、または移動輪20が耕耘軸10に相対回転可能に取り付けられた状態で、一方の状態から他方の状態に切り替えられるときには、まずスナップピン41がピン状部材40より外され、ピン状部材40が移動輪20のボス部24の貫通孔24aおよび支持部30bの第二挿通孔30h、または支持部30bの第一挿通孔30gから外される。そして、支持部30bの移動輪20のボス部24に対する挿入位置が適宜に調整された後、前述のようにピン状部材40およびスナップピン41にて抜け止めが行われて、移動輪20が耕耘軸10に相対回転可能に、または移動輪20が耕耘軸10に相対回転不能に取り付けられる。こうして、移動輪20の耕耘軸10に対する取付状態の切替を、移動輪20を耕耘軸10およびディスク12から取り外すことなく行うことができるようになっている。
【0039】
以上のように、機体フレーム2上に設けられるエンジン6と、前記機体フレーム2の下方で左右方向に横設されて前記エンジン6と連動連結され、耕耘爪11を取り付ける耕耘軸10と、を具備する歩行型管理機1において、前記耕耘軸10の左右の各端部に取付部材30を設け、移動輪20を前記取付部材30により前記耕耘軸10に対して相対回転不能な状態と相対回転可能な状態とに切替可能に構成するので、移動輪20を取付部材30により耕耘軸10に対して相対回転可能な状態に切り替えて、耕耘軸10とは独立させて左右別々に回転させることが可能となる。したがって、機体を手押しで容易に移動させることができるとともに、機体の移動時に小回りを容易に利かせることができ、作業者の操作労力を軽減して、移動時の操作性の向上を図ることができる。また、移動輪20を取付部材30により耕耘軸10に対して相対回転不能な状態に切り替えて、耕耘軸10に伝達される動力により回転させることが可能となる。したがって、機体を押すことなく移動させることができ、作業者の操作労力を軽減して、移動時の操作性の向上を図ることができる。尚、移動輪20の回転速度は、耕耘軸10の回転速度と同じであるため、歩行速度に比べて遅く、長距離の路上移動には長時間を要する場合は、相対回転可能な状態に切り替えて、機体を手押しすることで短時間に移動もできる。
【0040】
また前記取付部材30は、前記耕耘軸10の左右の各端部に固定される固定部30aと、前記移動輪20を回転可能に支持する支持部30bと、を具備し、前記移動輪20を前記支持部30bに対して相対回転不能な状態または相対回転可能な状態に保持する保持手段30cを設けるので、移動輪20を保持手段30cにより支持部30bに対して相対回転不能な状態または相対回転可能な状態に保持することが可能となる。したがって、移動輪20を耕耘軸10に対して相対回転不能な状態と相対回転可能な状態とのいずれか一方の状態に容易に切り替えることができる。
【0041】
また、前記保持手段30cは、前記支持部30bに形成される第一挿通孔30gおよび第二挿通孔30hと、前記第一挿通孔30gおよび第二挿通孔30hに挿通可能なピン状部材40と、で構成し、前記ピン状部材40を前記第一挿通孔30gと前記第二挿通孔30hのいずれか一方に選択的に挿通することによって、前記移動輪20を前記支持部30bに対して相対回転不能な状態または相対回転可能な状態に保持するので、保持手段30cを簡単な構成として、安価に製作することができる。また、一つのピン状部材40を第一挿通孔30gと第二挿通孔30hとに対して共通して利用し、部品点数と組立工数を削減できる。しかも、保持手段30cの操作を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0042】
1 歩行型管理機
10 耕耘軸
12 ディスク
20 移動輪
24 ボス部
24a 貫通孔
30 取付部材
30a 固定部
30b 支持部
30c 保持手段
30d 支持板部
30e 固定ネジ部
30f 内側挿入部
30g 第一挿通孔
30h 第二挿通孔
40 ピン状部材
41 スナップピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレーム上に設けられるエンジンと、
前記機体フレームの下方で左右方向に横設されて前記エンジンと連動連結され、耕耘爪を取り付ける耕耘軸と、
を具備する歩行型管理機において、
前記耕耘軸の左右の各端部に取付部材を設け、
移動輪を前記取付部材により前記耕耘軸に対して相対回転不能な状態と相対回転可能な状態とに切替可能に構成することを特徴とする歩行型管理機。
【請求項2】
前記取付部材は、
前記耕耘軸の左右の各端部に固定される固定部と、
前記移動輪を回転可能に支持する支持部と、を具備し、
前記移動輪を前記支持部に対して相対回転不能な状態または相対回転可能な状態に保持する保持手段を設けることを特徴とする請求項1に記載の歩行型管理機。
【請求項3】
前記保持手段は、
前記支持部に形成される第一挿通孔および第二挿通孔と、
前記第一挿通孔および第二挿通孔に挿通可能なピン状部材と、で構成し、
前記ピン状部材を前記第一挿通孔と前記第二挿通孔のいずれか一方に選択的に挿通することによって、前記移動輪を前記支持部に対して相対回転不能な状態または相対回転可能な状態に保持することを特徴とする請求項2に記載の歩行型管理機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate