歩行型耕耘機
【課題】 ロータリカバー自体の必要強度を抑えて、ロータリカバーの形状をシンプルに構成できるようにすると共に、固定部が外部に露出することを回避して、ロータリカバーの外観を向上させる。
【解決手段】 ロータリ耕耘軸5と、ロータリ耕耘軸5の上方を覆うロータリカバー15と、ロータリ耕耘軸5に動力を伝動するミッションケース2とを備える歩行型耕耘機1であって、ミッションケース2にカバーブラケット14を突設すると共に、該カバーブラケット14上にロータリカバー15を重合し、該ロータリカバー15を下面側でカバーブラケット14に固定する。
【解決手段】 ロータリ耕耘軸5と、ロータリ耕耘軸5の上方を覆うロータリカバー15と、ロータリ耕耘軸5に動力を伝動するミッションケース2とを備える歩行型耕耘機1であって、ミッションケース2にカバーブラケット14を突設すると共に、該カバーブラケット14上にロータリカバー15を重合し、該ロータリカバー15を下面側でカバーブラケット14に固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリ式の耕耘部を備える歩行型管理機などの歩行型耕耘機に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリ式の耕耘部を備える歩行型管理機などの歩行型耕耘機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の歩行型耕耘機は、ロータリカバーを備えており、このロータリカバーで耕耘部の上方を覆うことにより、耕耘土の飛散を防止している。
【特許文献1】特開平10−225205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のロータリカバーは、金属板を曲げ加工して構成され、耕耘伝動ケースに直接取付けられていたため、形状が複雑なだけでなく、取付部が外部に露出し、外観を低下させる不都合があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、ロータリ式の耕耘部と、該耕耘部の上方を覆うロータリカバーと、前記耕耘部に動力を伝動する耕耘伝動ケースとを備える歩行型耕耘機において、前記耕耘伝動ケースにブラケットを突設すると共に、該ブラケット上に前記ロータリカバーを重合し、該ロータリカバーを下面側で前記ブラケットに固定したことを特徴とする。このようにすれば、ロータリカバーがブラケットを介して耕耘伝動ケースに取付けられるので、ロータリカバー自体の必要強度を抑えることができるだけでなく、ロータリカバーの形状をシンプルに構成することができ、その結果、形状がシンプルな樹脂製のロータリカバーなどを可能にし、歩行型耕耘機のデザイン性を高めることができる。しかも、ロータリカバーは、その下面側でブラケットに固定されるので、固定部が外部に露出することも回避できる。
また、前記ロータリカバーの左右両側部には、側面視で前記ブラケットを隠蔽する側面リブが形成されることを特徴とする。このようにすれば、ブラケットが外部に露出することを可及的に回避できるので、ブラケットの露出による外観の低下を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は歩行型耕耘機(歩行型管理機)であって、該歩行型耕耘機1は、機体フレームに兼用される側面視略への字状のミッションケース2を備えている。ミッションケース2の後端部左右両側には、車軸3を介して車輪4が軸支され、また、ミッションケース2の前端部には、左右外側方に延出するロータリ耕耘軸(耕耘部)5が軸支されている。
【0006】
ミッションケース2の上部には、エンジン6が搭載されている。エンジン6は、テンションクラッチからなるメインクラッチ(図示せず)を介して、ミッションケース2に動力を入力している。ミッションケース2には、走行動力を変速する走行変速機構と、耕耘動力を変速する耕耘変速機構とを含むトランスミッションが内装されている。すなわち、本実施形態のミッションケース2は、エンジン6から車輪4に駆動力を伝動する走行伝動ケースと、エンジン6からロータリ耕耘軸5に駆動力を伝動する耕転伝動ケースとに兼用されている。
【0007】
ミッションケース2の後部には、斜め上方に向かって突出する左右一対のハンドルブラケット7がボルト固定されている。両ハンドルブラケット7の後端部同士は、後方持ち手に兼用されるパイプ8を介して一体的に連結されている。パイプ8の左右両端部には、平面視で略U字状に形成されるハンドル9の基端部がノブ付きボルト10を介して取り付けられている。ノブ付きボルト10を締めると、ハンドル9がパイプ8に対して固定される一方、ノブ付きボルト10を緩めると、ノブ付きボルト10を回動支点とするハンドル9の前後回動が許容される。すなわち、図1及び図2に示すように、作業時には、ハンドル9を後方斜め上方に突出する姿勢で固定しているが、非作業時には、図2に仮想線で示すように、ノブ付きボルト10を緩めてハンドル9を前倒し方向に回動させることにより、ハンドル9を折畳み状に格納できるようにしてある。これにより、機体がコンパクトに格納され、機体の運搬や収納が容易になる。
【0008】
ハンドル9には、メインクラッチの入り切りを操作するクラッチ操作具11が設けられている。このクラッチ操作具11の操作により、車輪4及びロータリ耕耘軸5の駆動を入り切りすることが可能になる。また、ミッションケース2からは、後方斜め上方に向かって変速レバー12が突設されている。変速レバー12は、車輪4及びロータリ耕耘軸5の変速操作に兼用されるものであり、レバーガイド13のガイド孔に沿って前後及び左右に操作される。また、変速レバー12には、着脱部12aが構成されている。この着脱部12aは、変速レバー12の一部又は全体を着脱自在にするためのものであり、例えば、雌ねじと雄ねじからなる継手で構成することができる。このような着脱部12aを設けると、ハンドル9の折畳み時に変速レバー12を取り外し、機体をよりコンパクトに格納することが可能になる。
【0009】
一方、ミッションケース2の中間部には、前方に延出する平面視略U字状のカバーブラケット(ブラケット)14がボルト固定されている。カバーブラケット14は、ロータリ耕耘軸5の上方を覆うロータリカバー15の支持部材であるが、本実施形態では、機体の前方持ち手にも兼用される。すなわち、作業者は、前述のパイプ8を後方の持ち手とし、カバーブラケット14を前方の持ち手とすることによって、機体を簡単に持ち上げることができるようになっている。
【0010】
ミッションケース2の前端部には、上方に延出する車輪ブラケット16がボルト固定されている。車輪ブラケット16には、先端部に回転自在な昇降車輪17を備えるアーム18が上下揺動自在に軸支されると共に、アーム18の揺動を任意の角度で固定する昇降固定具19が設けられている。すなわち、左右の車輪4及び前側の昇降車輪17を接地させながら機体を走行させるにあたり、昇降車輪17の高さ調整に基づいてロータリ耕耘軸5の対地高さを変化させることにより、耕耘深さを任意に設定できるようにしてある。また、車輪ブラケット16の上端部は、カバーブラケット14に一体的に連結されているので、カバーブラケット14及び車輪ブラケット16が共に安定かつ強固にミッションケース2に固定される。
【0011】
ロータリカバー15は、ミッションケース2から突出するカバーブラケット14に取付けられる。これにより、ロータリカバー15がカバーブラケット14を介してミッションケース2に取付けられるので、ロータリカバー15自体の必要強度を抑えることができるだけでなく、ロータリカバー15の形状をシンプルに構成することができ、その結果、形状がシンプルな樹脂製のロータリカバー15などを可能にし、歩行型耕耘機1のデザイン性を高めることができる。
【0012】
ロータリカバー15をカバーブラケット14に取付ける際には、カバーブラケット14上にロータリカバー15を重合させ、このロータリカバー15を下面側でカバーブラケット14に固定するようにしてある。例えば、ロータリカバー15の下面に複数(例えば4個)のボス15aを形成する一方、カバーブラケット14に架設したプレート20に複数の取付孔20aを形成し、該取付孔20aに下方から差し込んだピン21をボス15aに圧入することにより、ロータリカバー15がカバーブラケット14に固定される。このようにすると、ロータリカバー15の上面側に固定部が露出することを回避し、良好な外観とすることができる。
【0013】
また、ロータリカバー15の左右両側部には、側面視でカバーブラケット14を隠蔽する側面リブ15bが形成されている。これにより、カバーブラケット14が外部に露出することを可及的に回避できるので、カバーブラケット14の露出による外観の低下を防ぐことができる。しかも、カバーブラケット14を前方持ち手に兼用している本実施形態では、持ち手部分のみをロータリカバー15から突出させることができるので、カバーブラケット14の持ち手部分を明確化させることが可能になる。
【0014】
また、ロータリカバー15の上部は、取り外した変速レバー12の収納部に兼用されている。このようにすると、取り外した変速レバー12を別途運搬する必要がないだけでなく、変速レバー12の紛失も防止できる。また、ロータリカバー15の上部に、左右方向に沿って変速レバー12を収納する場合、ロータリカバー15の左右幅内で変速レバー12が収納されることが好ましい。このようにすると、運搬時に変速レバー12が邪魔になったり、障害物との接触で変速レバー12が脱落する等の不都合を回避できる。
【0015】
本実施形態のロータリカバー15は、変速レバー12の収納部として、変速レバー12を係合保持可能な複数のキャッチ部15cを備えている。各キャッチ部15cは、先端側が変速レバー12の径よりも幅狭で、かつ、基端側が変速レバー12の径よりも幅広又は同等な間隔を存して立設される一対の係合爪からなり、その先端部間に変速レバー12の軸部を押し込むことにより、変速レバー12が係合保持される。そして、本実施形態では、このようなキャッチ部15cを、ロータリカバー15上の凹部15d内に突設しているので、キャッチ部15cの突出量を抑えつつ、変速レバー12をロータリカバー15の上面に沿って収納することができる。
【0016】
叙述の如く構成された本実施形態の歩行型耕耘機1は、ロータリ耕耘軸5と、ロータリ耕耘軸5の上方を覆うロータリカバー15と、ロータリ耕耘軸5に動力を伝動するミッションケース2とを備える歩行型耕耘機1であって、ミッションケース2にカバーブラケット14を突設すると共に、該カバーブラケット14上にロータリカバー15を重合し、該ロータリカバー15を下面側でカバーブラケット14に固定したので、ロータリカバー15がカバーブラケット14を介してミッションケース2に取付けられることになる。これにより、ロータリカバー15自体の必要強度を抑えることができるだけでなく、ロータリカバー15の形状をシンプルに構成することができ、その結果、形状がシンプルな樹脂製のロータリカバー15などを可能にし、歩行型耕耘機1のデザイン性を高めることができる。しかも、ロータリカバー15は、その下面側でカバーブラケット14に固定されるので、固定部が外部に露出することも回避できる。
【0017】
また、ロータリカバー15の左右両側部には、側面視でカバーブラケット14を隠蔽する側面リブ15bが形成されるので、カバーブラケット14が外部に露出することを可及的に回避でき、その結果、カバーブラケット14の露出による外観の低下を防ぐことができる。
【0018】
また、変速レバー12の一部又は全体を着脱自在に構成すると共に、取り外した変速レバー12をロータリカバー15の上部に収納するようにしたので、変速レバー12の取り外しにより、機体をコンパクトに格納することができるだけでなく、取り外した変速レバー12を別途運搬する面倒や、変速レバー12の紛失を回避できる。
【0019】
また、変速レバー12の収納部は、ロータリカバー15上の凹部15d内に突設され、変速レバー12を係合保持可能なキャッチ部15cを備えるので、キャッチ部15cの突出量を抑えつつ、変速レバー12をロータリカバー15の上面に沿って収納することができる。
【0020】
また、変速レバー12は、ロータリカバー15の幅内に収納されるので、運搬時に変速レバー12が邪魔になったり、障害物との接触で変速レバー12が脱落する等の不都合も回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】歩行型耕耘機の斜視図である。
【図2】歩行型耕耘機の側面図である。
【図3】カバーブラケットの平面図である。
【図4】(A)はロータリカバーの平面図、(B)は側面図である。
【図5】(A)はロータリカバーのA−A断面図、(B)はB−B断面図、(C)はC−C断面図、(D)はD−D断面図、(E)はE−E断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 歩行型耕耘機
2 ミッションケース
4 車輪
5 ロータリ耕耘軸
9 ハンドル
12 変速レバー
14 カバーブラケット
15 ロータリカバー
15a ボス
15b 側面リブ
15c キャッチ部
15d 凹部
16 車輪ブラケット
17 昇降車輪
20 プレート
20a 取付孔
21 ピン
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリ式の耕耘部を備える歩行型管理機などの歩行型耕耘機に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリ式の耕耘部を備える歩行型管理機などの歩行型耕耘機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の歩行型耕耘機は、ロータリカバーを備えており、このロータリカバーで耕耘部の上方を覆うことにより、耕耘土の飛散を防止している。
【特許文献1】特開平10−225205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のロータリカバーは、金属板を曲げ加工して構成され、耕耘伝動ケースに直接取付けられていたため、形状が複雑なだけでなく、取付部が外部に露出し、外観を低下させる不都合があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、ロータリ式の耕耘部と、該耕耘部の上方を覆うロータリカバーと、前記耕耘部に動力を伝動する耕耘伝動ケースとを備える歩行型耕耘機において、前記耕耘伝動ケースにブラケットを突設すると共に、該ブラケット上に前記ロータリカバーを重合し、該ロータリカバーを下面側で前記ブラケットに固定したことを特徴とする。このようにすれば、ロータリカバーがブラケットを介して耕耘伝動ケースに取付けられるので、ロータリカバー自体の必要強度を抑えることができるだけでなく、ロータリカバーの形状をシンプルに構成することができ、その結果、形状がシンプルな樹脂製のロータリカバーなどを可能にし、歩行型耕耘機のデザイン性を高めることができる。しかも、ロータリカバーは、その下面側でブラケットに固定されるので、固定部が外部に露出することも回避できる。
また、前記ロータリカバーの左右両側部には、側面視で前記ブラケットを隠蔽する側面リブが形成されることを特徴とする。このようにすれば、ブラケットが外部に露出することを可及的に回避できるので、ブラケットの露出による外観の低下を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は歩行型耕耘機(歩行型管理機)であって、該歩行型耕耘機1は、機体フレームに兼用される側面視略への字状のミッションケース2を備えている。ミッションケース2の後端部左右両側には、車軸3を介して車輪4が軸支され、また、ミッションケース2の前端部には、左右外側方に延出するロータリ耕耘軸(耕耘部)5が軸支されている。
【0006】
ミッションケース2の上部には、エンジン6が搭載されている。エンジン6は、テンションクラッチからなるメインクラッチ(図示せず)を介して、ミッションケース2に動力を入力している。ミッションケース2には、走行動力を変速する走行変速機構と、耕耘動力を変速する耕耘変速機構とを含むトランスミッションが内装されている。すなわち、本実施形態のミッションケース2は、エンジン6から車輪4に駆動力を伝動する走行伝動ケースと、エンジン6からロータリ耕耘軸5に駆動力を伝動する耕転伝動ケースとに兼用されている。
【0007】
ミッションケース2の後部には、斜め上方に向かって突出する左右一対のハンドルブラケット7がボルト固定されている。両ハンドルブラケット7の後端部同士は、後方持ち手に兼用されるパイプ8を介して一体的に連結されている。パイプ8の左右両端部には、平面視で略U字状に形成されるハンドル9の基端部がノブ付きボルト10を介して取り付けられている。ノブ付きボルト10を締めると、ハンドル9がパイプ8に対して固定される一方、ノブ付きボルト10を緩めると、ノブ付きボルト10を回動支点とするハンドル9の前後回動が許容される。すなわち、図1及び図2に示すように、作業時には、ハンドル9を後方斜め上方に突出する姿勢で固定しているが、非作業時には、図2に仮想線で示すように、ノブ付きボルト10を緩めてハンドル9を前倒し方向に回動させることにより、ハンドル9を折畳み状に格納できるようにしてある。これにより、機体がコンパクトに格納され、機体の運搬や収納が容易になる。
【0008】
ハンドル9には、メインクラッチの入り切りを操作するクラッチ操作具11が設けられている。このクラッチ操作具11の操作により、車輪4及びロータリ耕耘軸5の駆動を入り切りすることが可能になる。また、ミッションケース2からは、後方斜め上方に向かって変速レバー12が突設されている。変速レバー12は、車輪4及びロータリ耕耘軸5の変速操作に兼用されるものであり、レバーガイド13のガイド孔に沿って前後及び左右に操作される。また、変速レバー12には、着脱部12aが構成されている。この着脱部12aは、変速レバー12の一部又は全体を着脱自在にするためのものであり、例えば、雌ねじと雄ねじからなる継手で構成することができる。このような着脱部12aを設けると、ハンドル9の折畳み時に変速レバー12を取り外し、機体をよりコンパクトに格納することが可能になる。
【0009】
一方、ミッションケース2の中間部には、前方に延出する平面視略U字状のカバーブラケット(ブラケット)14がボルト固定されている。カバーブラケット14は、ロータリ耕耘軸5の上方を覆うロータリカバー15の支持部材であるが、本実施形態では、機体の前方持ち手にも兼用される。すなわち、作業者は、前述のパイプ8を後方の持ち手とし、カバーブラケット14を前方の持ち手とすることによって、機体を簡単に持ち上げることができるようになっている。
【0010】
ミッションケース2の前端部には、上方に延出する車輪ブラケット16がボルト固定されている。車輪ブラケット16には、先端部に回転自在な昇降車輪17を備えるアーム18が上下揺動自在に軸支されると共に、アーム18の揺動を任意の角度で固定する昇降固定具19が設けられている。すなわち、左右の車輪4及び前側の昇降車輪17を接地させながら機体を走行させるにあたり、昇降車輪17の高さ調整に基づいてロータリ耕耘軸5の対地高さを変化させることにより、耕耘深さを任意に設定できるようにしてある。また、車輪ブラケット16の上端部は、カバーブラケット14に一体的に連結されているので、カバーブラケット14及び車輪ブラケット16が共に安定かつ強固にミッションケース2に固定される。
【0011】
ロータリカバー15は、ミッションケース2から突出するカバーブラケット14に取付けられる。これにより、ロータリカバー15がカバーブラケット14を介してミッションケース2に取付けられるので、ロータリカバー15自体の必要強度を抑えることができるだけでなく、ロータリカバー15の形状をシンプルに構成することができ、その結果、形状がシンプルな樹脂製のロータリカバー15などを可能にし、歩行型耕耘機1のデザイン性を高めることができる。
【0012】
ロータリカバー15をカバーブラケット14に取付ける際には、カバーブラケット14上にロータリカバー15を重合させ、このロータリカバー15を下面側でカバーブラケット14に固定するようにしてある。例えば、ロータリカバー15の下面に複数(例えば4個)のボス15aを形成する一方、カバーブラケット14に架設したプレート20に複数の取付孔20aを形成し、該取付孔20aに下方から差し込んだピン21をボス15aに圧入することにより、ロータリカバー15がカバーブラケット14に固定される。このようにすると、ロータリカバー15の上面側に固定部が露出することを回避し、良好な外観とすることができる。
【0013】
また、ロータリカバー15の左右両側部には、側面視でカバーブラケット14を隠蔽する側面リブ15bが形成されている。これにより、カバーブラケット14が外部に露出することを可及的に回避できるので、カバーブラケット14の露出による外観の低下を防ぐことができる。しかも、カバーブラケット14を前方持ち手に兼用している本実施形態では、持ち手部分のみをロータリカバー15から突出させることができるので、カバーブラケット14の持ち手部分を明確化させることが可能になる。
【0014】
また、ロータリカバー15の上部は、取り外した変速レバー12の収納部に兼用されている。このようにすると、取り外した変速レバー12を別途運搬する必要がないだけでなく、変速レバー12の紛失も防止できる。また、ロータリカバー15の上部に、左右方向に沿って変速レバー12を収納する場合、ロータリカバー15の左右幅内で変速レバー12が収納されることが好ましい。このようにすると、運搬時に変速レバー12が邪魔になったり、障害物との接触で変速レバー12が脱落する等の不都合を回避できる。
【0015】
本実施形態のロータリカバー15は、変速レバー12の収納部として、変速レバー12を係合保持可能な複数のキャッチ部15cを備えている。各キャッチ部15cは、先端側が変速レバー12の径よりも幅狭で、かつ、基端側が変速レバー12の径よりも幅広又は同等な間隔を存して立設される一対の係合爪からなり、その先端部間に変速レバー12の軸部を押し込むことにより、変速レバー12が係合保持される。そして、本実施形態では、このようなキャッチ部15cを、ロータリカバー15上の凹部15d内に突設しているので、キャッチ部15cの突出量を抑えつつ、変速レバー12をロータリカバー15の上面に沿って収納することができる。
【0016】
叙述の如く構成された本実施形態の歩行型耕耘機1は、ロータリ耕耘軸5と、ロータリ耕耘軸5の上方を覆うロータリカバー15と、ロータリ耕耘軸5に動力を伝動するミッションケース2とを備える歩行型耕耘機1であって、ミッションケース2にカバーブラケット14を突設すると共に、該カバーブラケット14上にロータリカバー15を重合し、該ロータリカバー15を下面側でカバーブラケット14に固定したので、ロータリカバー15がカバーブラケット14を介してミッションケース2に取付けられることになる。これにより、ロータリカバー15自体の必要強度を抑えることができるだけでなく、ロータリカバー15の形状をシンプルに構成することができ、その結果、形状がシンプルな樹脂製のロータリカバー15などを可能にし、歩行型耕耘機1のデザイン性を高めることができる。しかも、ロータリカバー15は、その下面側でカバーブラケット14に固定されるので、固定部が外部に露出することも回避できる。
【0017】
また、ロータリカバー15の左右両側部には、側面視でカバーブラケット14を隠蔽する側面リブ15bが形成されるので、カバーブラケット14が外部に露出することを可及的に回避でき、その結果、カバーブラケット14の露出による外観の低下を防ぐことができる。
【0018】
また、変速レバー12の一部又は全体を着脱自在に構成すると共に、取り外した変速レバー12をロータリカバー15の上部に収納するようにしたので、変速レバー12の取り外しにより、機体をコンパクトに格納することができるだけでなく、取り外した変速レバー12を別途運搬する面倒や、変速レバー12の紛失を回避できる。
【0019】
また、変速レバー12の収納部は、ロータリカバー15上の凹部15d内に突設され、変速レバー12を係合保持可能なキャッチ部15cを備えるので、キャッチ部15cの突出量を抑えつつ、変速レバー12をロータリカバー15の上面に沿って収納することができる。
【0020】
また、変速レバー12は、ロータリカバー15の幅内に収納されるので、運搬時に変速レバー12が邪魔になったり、障害物との接触で変速レバー12が脱落する等の不都合も回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】歩行型耕耘機の斜視図である。
【図2】歩行型耕耘機の側面図である。
【図3】カバーブラケットの平面図である。
【図4】(A)はロータリカバーの平面図、(B)は側面図である。
【図5】(A)はロータリカバーのA−A断面図、(B)はB−B断面図、(C)はC−C断面図、(D)はD−D断面図、(E)はE−E断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 歩行型耕耘機
2 ミッションケース
4 車輪
5 ロータリ耕耘軸
9 ハンドル
12 変速レバー
14 カバーブラケット
15 ロータリカバー
15a ボス
15b 側面リブ
15c キャッチ部
15d 凹部
16 車輪ブラケット
17 昇降車輪
20 プレート
20a 取付孔
21 ピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリ式の耕耘部と、該耕耘部の上方を覆うロータリカバーと、前記耕耘部に動力を伝動する耕耘伝動ケースとを備える歩行型耕耘機において、
前記耕耘伝動ケースにブラケットを突設すると共に、該ブラケット上に前記ロータリカバーを重合し、該ロータリカバーを下面側で前記ブラケットに固定したことを特徴とする歩行型耕耘機。
【請求項2】
前記ロータリカバーの左右両側部には、側面視で前記ブラケットを隠蔽する側面リブが形成されることを特徴とする請求項1記載の歩行型耕耘機。
【請求項1】
ロータリ式の耕耘部と、該耕耘部の上方を覆うロータリカバーと、前記耕耘部に動力を伝動する耕耘伝動ケースとを備える歩行型耕耘機において、
前記耕耘伝動ケースにブラケットを突設すると共に、該ブラケット上に前記ロータリカバーを重合し、該ロータリカバーを下面側で前記ブラケットに固定したことを特徴とする歩行型耕耘機。
【請求項2】
前記ロータリカバーの左右両側部には、側面視で前記ブラケットを隠蔽する側面リブが形成されることを特徴とする請求項1記載の歩行型耕耘機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2006−191867(P2006−191867A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−7462(P2005−7462)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
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