洗濯乾燥機
【課題】乾燥終了を判断する場合に、従来のように一つの判定手段、例えば検出される温度の変化だけに頼らず、その他にも乾燥運転を終了させるための判定手段を設け、そのいずれかを機能させることで乾燥運転を確実に終了させることができ、使い勝手のよい洗濯乾燥機を得る。
【解決手段】洗濯物の乾燥度を検出する検出手段を設け、この検出手段からの出力により乾燥終了判定手段で乾燥終了判定を行い乾燥運転を停止する洗濯乾燥機において、乾燥終了判定手段を複数個設け、前記検出手段からの出力が、複数の乾燥終了判定手段のそれぞれに設定してある乾燥終了の判定値のいずれかに達したときに乾燥終了と判断し、乾燥運転を停止する。
【解決手段】洗濯物の乾燥度を検出する検出手段を設け、この検出手段からの出力により乾燥終了判定手段で乾燥終了判定を行い乾燥運転を停止する洗濯乾燥機において、乾燥終了判定手段を複数個設け、前記検出手段からの出力が、複数の乾燥終了判定手段のそれぞれに設定してある乾燥終了の判定値のいずれかに達したときに乾燥終了と判断し、乾燥運転を停止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯兼脱水槽内に収容される洗濯物の乾燥度を検出して、乾燥終了を判定し乾燥運転を停止する洗濯乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗濯乾燥機は、例えば図6に示すように外箱1内に防振吊り棒3を介して水槽2を揺動自在に吊支し、この水槽2内に、底部に回転翼4を有する洗濯兼脱水槽5を配設するもので、上部の開口にはトップカバー6、フタ7が設けてある。
【0003】
洗濯兼脱水槽5の下方には回転翼4や洗濯兼脱水槽5を回転させるためのモータ8を配設し、洗濯兼脱水槽5の上方にはヒータやファンを内蔵する乾燥ユニット9を配設し、乾燥ユニット9から吐出する温風を洗濯兼脱水槽5内に導くようにしている。
【0004】
かかる洗濯乾燥機では、洗い、脱水および乾燥の行程が連続して進行し、乾燥が終了すると自動的に運転が停止するが、図7に示すように乾燥行程が進行するにしたがい、洗濯物に含まれる水分が減少するにともなって、すなわち乾燥容量が増すに従い、水槽2や洗濯兼脱水槽5内の温度が上昇する。
【0005】
そこで、乾燥終了を判定する手段として、従来は例えば水槽2などにサーミスタなどによる槽内温度検出手段を設け、ここで検出される温度が終了検知判定温度に達したときに、乾燥終了と判定して乾燥運転を停止している(例えば特許文献1参照)。
【0006】
図13はかかる乾燥終了検知判定で採用する槽内温度検知サーミスタの温度変化を示すグラフ、図11はこの温度変化をデータとして乾燥終了検知判定を行い乾燥運転を終了する動作を示すフローチャートであり、乾燥行程では、まず、ヒータをオンする前の送風乾燥行程、ヒータをオンしてからの洗濯兼脱水槽5を回転する高速槽回転乾燥行程、洗濯兼脱水槽5は回転せず回転翼4を回転して洗濯物を攪拌する攪拌乾燥行程へと移行する。
【0007】
かかる乾燥行程において、送風乾燥行程後(ステップ1)のヒータオン直前時点を規準としてこのときの槽内温度を検出し、これを規準温度Aして記憶する(ステップ2)。
【0008】
その後、ヒータがオンし(ステップ3)、乾燥運転が高速槽回転乾燥行程、攪拌乾燥行程へと移行するが、この間、一定時間毎(例えば1分毎)に槽内温度検知サーミスタの温度を測定温度Bとして記憶する(ステップ4)。
【0009】
そして、測定温度Bと規準温度Aとの差が終了検知判定温度以上になったとき、すなわち(測定温度B)−(規準温度A)≧(終了検知判定温度)の条件を満たす状態となったときに、乾燥終了と判定し(ステップ6)、一定時間の延長運転後(ステップ7)、乾燥運転を終了する(ステップ8)。
【0010】
なお、前記測定温度Bについては、測定時を含む前数回(例えば10回分)を平均し測定温度とする移動平均値を測定温度Bとして使用することにより(ステップ5)、各測定での温度バラツキを補正し、正確な検知温度を得ることができる。
【0011】
また、乾燥終了判定を行ってから、一定の時間延長運転を行うことにより、終了検知判定がばらついても乾きムラのない乾燥衣類を得ることができる。
【特許文献1】特開2000−397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、外気温度が高い場合などは、槽内の温度も外気温度の影響を受けて高くなる。一方、洗濯乾燥機は、多くの樹脂部品が使われているため、槽内の温度が高くなりすぎると、樹脂の強度が低下し、脱水回転時の槽の当りなど発生したり、材料の熱膨張による変形や熱変形などの不具合が発生するおそれがある。
【0013】
そこで、図14に示すように、洗濯機の樹脂製部品の保護を図るため、また、洗濯物の保護のために、耐熱温度として、槽内の温度が一定以上にならないように槽内マックス制御温度(例えば80℃)を設定している。
【0014】
これにより、図12のフローチャートに示すように、乾燥終了の判定温度に達する前に、測定温度Bの移動平均値が槽内マックス制御温度に達した場合は(ステップ9)、その後、ヒータをオフまたは弱設定にして運転を続行する。
【0015】
そして、この状態で槽内温度が低下し、図14に示す制御温度(例えば75℃)として設定された制御温度Cに達したならば、ヒータを再度オンし、または強設定にして加熱を行う。
【0016】
かかる場合、規準温度Aからの終了検知判定温度がマックス制御温度よりも高い場合は、終了判定ができず、いつまでたっても運転が終らなくなることになってしまう。
【0017】
そこで、従来は、この不都合を回避する手段として、マックス制御温度に達した後は、このマックス制御温度と制御温度Cとの間をオンオフ運転または強弱運転して規定時間経過後に(ステップ10)、強制的に乾燥運転を終了するようにしている(ステップ11)。
【0018】
この規定時間の設定は、製品のそれぞれの乾燥容量ごとに実験を行い、衣類が乾燥したと判断できる時間を算出して行っているが、大まかな目安であってその都度の洗濯物の実際の乾燥度に対応する終了時間を期待することは困難で、きめ細かな対応とはいえないものであった。
【0019】
一方、衣類保護の観点から槽内の温度を低く設定して衣類を傷めない低温度乾燥のモードを設定することがあるが、かかる場合は、ヒータを最初から弱運転して槽内温度の設定を低く(例えば60℃)とするため、図7に示すように温度上昇範囲がさらに狭くなる。
【0020】
その結果、マックス制御温度に達したとき、その後の規定時間運転がさらに長くなり、乾燥の乾き具合の誤差が大きくなってしまう不都合が生じる。また、外気温度が低い場合などは低温で運転が続行して、終了判定の温度に達しないこともある。
【0021】
また、図15に示すように、乾燥行程の途中で使用者が運転を一時停止した場合、一時停止したときの温度が高いときには使用者をやけどなどから保護するために冷却運転を行うとこがある。
【0022】
この冷却運転により槽内温度は大幅に低下し、また、一時停止時間の長さによってはさらに槽内温度が低下することもある。このため、一時停止解除後は、この低下した温度値から温度を再度上昇させることになり、終了判定の温度に達するまでには非常に長時間を要することになる。場合によっては、終了判定温度にまで達しなくなるおそれもあり、乾燥運転を終了できなくなるおそれがある。
【0023】
本発明はかかる不都合を解消するものとして、乾燥終了を判断する場合に、従来のように一つの判定手段、例えば検出される温度の上昇変化だけに頼らず、その他にも乾燥運転を終了させるための判定手段を設け、そのいずれかを機能させることで乾燥運転を確実に終了させることができ、また必要以上に乾燥時間が長引いたりせず、使い勝手のよい洗濯乾燥機を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
請求項1記載の発明は、洗濯物の乾燥度を検出する検出手段を設け、この検出手段からの出力により乾燥終了判定手段で乾燥終了判定を行い乾燥運転を停止する洗濯乾燥機において、乾燥終了判定手段を複数個設け、前記検出手段からの出力が、複数の乾燥終了判定手段のそれぞれに設定してある乾燥終了の判定値のいずれかに達したときに乾燥終了と判断し、乾燥運転を停止することを要旨とするものである。
【発明の効果】
【0025】
以上述べたように本発明の洗濯乾燥機は、乾燥運転の終了を判断する乾燥終了判定手段を複数個設けたから、例えば、所定温度に達したことだけを終了の目安にしていた従来に比較して、種々の観点から終了判定を行うことができ、そのいずれかの終了判定手段で終了と判定されれば乾燥運転が終了する。よって、乾燥運転を確実に終了でき、運転が必要以上に長引いたり、停止できなくなることを防止できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の洗濯乾燥機における乾燥終了判定の第1実施形態を示すフローチャートで、洗濯乾燥機の全体の基本構成は、前記した従来例と同様であり、本発明でも、乾燥ユニット9に配設してあるヒータ前にサーミスタなどによる温度検出手段を設けた。
【0027】
本発明の洗濯乾燥機においても、洗い、脱水の行程に連続して乾燥行程に移行する。この乾燥行程は、送風乾燥行程1の終了後、洗濯兼脱水槽5を回転する高速槽回転乾燥行程、回転翼4を回転する攪拌乾燥行程へと進行し、この高速槽回転乾燥行程と攪拌乾燥行程の間で、乾燥終了を判定して運転を停止するための終了判定手段を複数個設けた。
【0028】
図1は、乾燥終了判定手段よる終了判定動作を示すフローチャートで、第1の乾燥終了判定手段としては、図11に示した従来と同様、乾燥運転において、送風乾燥行程が終了した後(ステップ1)、温風乾燥が開始する前の段階、すなわち乾燥ユニット9に設けてあるヒータがオンする前の段階で、サーミスタなどの温度検出手段で検出される温度データを測定し、これを規準温度Aとして記憶設定しておく(ステップ2)。
【0029】
ヒータがオンして(ステップ3)温風乾燥行程が開始した後、サーミスタで一定時間毎にヒータ前温度を測定し、これを測定温度Bとして記憶し(ステップ4)、この測定温度Bの移動平均値を算出する(ステップ5)。
【0030】
かかる温度測定を行って乾燥終了を判定する場合、第1の乾燥終了判定手段としては、乾燥行程の進行にともない洗濯物に含まれる水分が減少し、測定温度Bが上昇するが、この温度上昇値が所定の判定値に達すれば、乾燥終了と判定する(ステップ12)。
【0031】
そして、延長時間運転を行った後(ステップ14)、乾燥運転を終了する(ステップ15)。
【0032】
そして、前記第1の乾燥判定手段であるサーミスタによる測定温度の値が判定値に達せず、乾燥終了判定が行われない場合は(ステップ12)、別の第2の乾燥終了判定手段で終了判定を行い(ステップ13)、判定の結果、乾燥終了と判定されれば乾燥運転を終了する(ステップ14)。
【0033】
第2の乾燥終了判定手段としては、図2のフローチャート、図8の積算温度終了検知のグラフに示すように、送風乾燥終了後のヒータオン時点の槽内温度検知サーミスタで検出される温度を規準温度Aとして設定し、その後、一定時間毎(例えば1分毎)に測定される測定温度と前記規準温度Aとの差を算出し、その差の値を加算していく(ステップ16)。例えば一回目:a、二回目:a+b、三回目:a+b+c、n回目:a+b+c……+(n−2)+(n−1)+nである。
【0034】
そして、前記の温度差の積算値と終了検知温度設定値とを比較し、設定値以上の場合に乾燥終了と判定する(ステップ17)。なお、測定温度は各測定時の1回だけのデータを計算するのではなく、数回のデータを移動平均して使用して計算することにより測定誤差を少なくすることができる。
【0035】
このような温度差の積算値は衣類に加えられた熱量に比例すると考えることができるため、各容量の衣類に対し、乾燥するために必要な十分な熱量を加えることができ、効率よく乾燥を行える。
【0036】
このような第2の乾燥終了判定手段は、図3のフローチャートに示すように次のようなケースに実施して有効である。乾燥行程の途中で使用者が運転を一時停止した場合(ステップ18)、この一時停止の時点で検出温度が一時的に低下し、この低下時点から温度の上昇が再開するため、第1の判定手段で設定してある所定の判定値になかなか到達せず、第1の乾燥終了判定手段をもってしては乾燥終了の判定までに長時間を要するか、または、判定を行うことが出来ない。
【0037】
かかる場合は、温度差の積算値を算出し(ステップ16)、この積算値と終了検知温度設定値とを比較し、設定値以上の場合に乾燥終了と判定する(ステップ17)。
【0038】
そして、第2の判定手段で判定が行える場合であっても、この第2の判定手段で判定できない場合に備えてさらに別の判定手段を設けておく(ステップ20)。
【0039】
さらに、洗濯機の合成樹脂製部品や電装品の保護のため、マックス制御温度が設定され、このマックス制御温度に達した後は(ステップ19)、ヒータのオンオフ運転が繰返されるが、かかる場合も、このオンオフの運転時間を設定するにあたり、従来のように規定時間を設定するのではなく、温度差の積算値を算出し(ステップ16)、この積算値と終了検知温度設定値とを比較し、設定値以上の場合に乾燥終了と判定する(ステップ17)。
【0040】
なお、乾燥運転を低温度乾燥で行っている場合で、低温での運転が続くために、第1の判定手段で設定してある所定の判定値になかなか到達せず、第1の乾燥終了判定手段をもってしては乾燥終了の判定を行うことが出来ない場合も、温度差の積算値をもとにして乾燥終了判定を行うことができる。
【0041】
図4は第3の乾燥終了判定手段を示すフローチャートで、前記した第1の判定手段で乾燥終了の判定が出来ない場合、回転翼4の慣性パルス数を計測し(ステップ21)、この計測値によって乾燥終了の判定を行う(ステップ22)。
【0042】
高速槽回転乾燥行程や攪拌乾燥行程では、洗濯物を攪拌する動作やほぐす動作があり、これらの動作を他の動作と組合わせて1セットとし、これを高速槽回転乾燥行程の場合は規定回数、攪拌乾燥行程の場合は終了兼とおよび延長時間の間、セットとなった行程を繰返すことで乾燥が進行していく。
【0043】
このとき、各行程のほぐし行程後、回転翼4の慣性パルス数を測定し前回測定時の慣性パルス測定値と最新の慣性パルス測定値との差が規定値以下となった場合に乾燥が終了したと判定する。
【0044】
慣性パルスの測定は、モータへ通電を行い、回転翼を規定の回転数または速度まで回転させ、その後モータへの通電を停止して決められた時間、回転センサーからのパルス数をカウントすることで行う。この慣性パルス数は、図9のグラフに示すように乾燥行程が進行し、洗濯物に含まれる水分が減少して負荷量が少なくなるにしたがい、パルス数は増加する。
【0045】
そして、乾燥終了の判定がなされれば(ステップ22)、延長時間運転後(ステップ14)、運転が終了する(ステップ15)。
【0046】
前記実施形態は第1の乾燥終了判定手段に、第2の乾燥終了判定手段、第3の乾燥終了判定手段を組合わせて、複数の乾燥終了判定手段としたが、組合せの態様はこれに限定されるものではなく、例えば、図5に示すフローチャートのように、第1、第2および第3の乾燥終了判定手段の全てを組合わせ、第1の乾燥終了判定手段で終了検知判定が出来なかった場合に、第2の乾燥終了判定手段で判定し、この第2の乾燥終了判定手段でも判定できなかった場合に、第3の乾燥終了判定手段で判定し、この第3の乾燥終了判定手段でも判定できなかった場合に、さらに別の乾燥終了判定手段で判定する(ステップ23)こともできる。
【0047】
第4の乾燥終了判定手段は、時間で乾燥終了を判断するもので、乾燥運転開始時からの運転時間を判定値(規定時間)として予め設定しておき、乾燥運転開始後、運転の経過時間が予め設定した判定値に達したときに、乾燥終了と判定し、乾燥運転を終了する。
【0048】
なお、前記第1から第4の乾燥終了判定手段は、乾燥運転開始時の外気温度の値により補正する。すなわち、第1の乾燥終了判定手段では、外気温度が高い場合は、これに反比例して判定値である乾燥終了温度を低く設定する。
【0049】
また、第2の乾燥終了判定手段では、外気温度が高い場合は、温度上昇値の総和、すなわち積算値を小さくし、第4の乾燥終了判定手段では判定値として設定する乾燥運転の規定時間を短くする。
【0050】
なお、前記第1、第2、第4の乾燥終了判定手段で設定される判定値は、乾燥運転開始時にセンシングされた負荷量の値によって補正、変更される。すなわち、布質などにより洗濯物自体の重量が大きい、洗濯物に含まれる水分が多いなどの、負荷量が大きい場合は、乾燥しにくいため、第1の乾燥終了判定手段では判定値である乾燥終了温度を高く設定する。
【0051】
また、第2の乾燥終了判定手段では負荷量の大きい場合は、温度上昇値の総和、すなわち積算値を大きく設定し、第4の乾燥終了判定手段では判定値として設定する乾燥運転の規定時間を長くする。
【0052】
さらに、前記第1、第2、第4の乾燥終了判定手段で設定される判定値は、最終脱水時間により補正される。すなわち、洗濯から乾燥までの行程を連続で運転するコースを選択し、最終の脱水時間を使用者が設定した場合に、負荷量センシングにより洗濯から脱水までの各行程が自動的に進行するよう設定した場合の最終の脱水時間と、前記使用者が設定した最終の脱水時間とに差が生じたときは、この差によって乾燥終了のための判定値を補正する。
【0053】
使用者が脱水時間を短くまたは長く設定して設定変更があった場合、これに対応させて乾燥運転終了の判定値を変更設定するもので、例えば、使用者が脱水時間を短く設定した場合は、含水率が高くなるから、その後の乾燥には時間を要する。よって、判定値として設定する乾燥運転時間を長く設定する。
【0054】
これとは反対に使用者が脱水時間を長く設定した場合は、含水率が低くなるから、その後の乾燥には時間を要しない。よって、判定値として設定する乾燥運転時間を短くする。
【0055】
また、洗濯から脱水までの行程を連続で自動運転するコースを選択し、この自動運転中にアンバランスや泡発生が原因で脱水運転時間が変更された場合、すなわち、アンバランスや泡発生により脱水運転が途中で停止し、乾燥運転に移行してしまった場合は、停止後の脱水時間を次の行程の乾燥運転に上乗せするかたちで乾燥運転時間の判定値を長く設定しなおす。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の洗濯乾燥機における乾燥運転の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図2】本発明の洗濯乾燥機における乾燥運転の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図3】本発明の洗濯乾燥機における乾燥運転の第3実施形態を示すフローチャートである。
【図4】本発明の洗濯乾燥機における乾燥運転の第4実施形態を示すフローチャートである。
【図5】本発明の洗濯乾燥機における乾燥運転の第5実施形態を示すフローチャートである。
【図6】本発明の洗濯乾燥機の実施形態を示す縦断側面図である。
【図7】乾燥行程での温度上昇値を示すグラフである。
【図8】乾燥行程での積算温度終了検知のグラフである。
【図9】慣性パルス数と負荷量の関係を示すグラフである。
【図10】乾燥終了検知の判定値を示す表である。
【図11】従来の乾燥終了判定を示すフチャートである。
【図12】従来のマックス制御温度に達した場合の乾燥終了判定を示すフローチャートである。
【図13】槽内温度検知サーミスタの温度変化を示すグラフである。
【図14】槽内温度制御を行った場合の温度変化を示すグラフである。
【図15】一時停止した場合の温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0057】
1 外箱 2 水槽
3 防振吊り棒 4 回転翼
5 洗濯兼脱水槽 6 トップカバー
7 フタ 8 モータ
9 乾燥ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯兼脱水槽内に収容される洗濯物の乾燥度を検出して、乾燥終了を判定し乾燥運転を停止する洗濯乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗濯乾燥機は、例えば図6に示すように外箱1内に防振吊り棒3を介して水槽2を揺動自在に吊支し、この水槽2内に、底部に回転翼4を有する洗濯兼脱水槽5を配設するもので、上部の開口にはトップカバー6、フタ7が設けてある。
【0003】
洗濯兼脱水槽5の下方には回転翼4や洗濯兼脱水槽5を回転させるためのモータ8を配設し、洗濯兼脱水槽5の上方にはヒータやファンを内蔵する乾燥ユニット9を配設し、乾燥ユニット9から吐出する温風を洗濯兼脱水槽5内に導くようにしている。
【0004】
かかる洗濯乾燥機では、洗い、脱水および乾燥の行程が連続して進行し、乾燥が終了すると自動的に運転が停止するが、図7に示すように乾燥行程が進行するにしたがい、洗濯物に含まれる水分が減少するにともなって、すなわち乾燥容量が増すに従い、水槽2や洗濯兼脱水槽5内の温度が上昇する。
【0005】
そこで、乾燥終了を判定する手段として、従来は例えば水槽2などにサーミスタなどによる槽内温度検出手段を設け、ここで検出される温度が終了検知判定温度に達したときに、乾燥終了と判定して乾燥運転を停止している(例えば特許文献1参照)。
【0006】
図13はかかる乾燥終了検知判定で採用する槽内温度検知サーミスタの温度変化を示すグラフ、図11はこの温度変化をデータとして乾燥終了検知判定を行い乾燥運転を終了する動作を示すフローチャートであり、乾燥行程では、まず、ヒータをオンする前の送風乾燥行程、ヒータをオンしてからの洗濯兼脱水槽5を回転する高速槽回転乾燥行程、洗濯兼脱水槽5は回転せず回転翼4を回転して洗濯物を攪拌する攪拌乾燥行程へと移行する。
【0007】
かかる乾燥行程において、送風乾燥行程後(ステップ1)のヒータオン直前時点を規準としてこのときの槽内温度を検出し、これを規準温度Aして記憶する(ステップ2)。
【0008】
その後、ヒータがオンし(ステップ3)、乾燥運転が高速槽回転乾燥行程、攪拌乾燥行程へと移行するが、この間、一定時間毎(例えば1分毎)に槽内温度検知サーミスタの温度を測定温度Bとして記憶する(ステップ4)。
【0009】
そして、測定温度Bと規準温度Aとの差が終了検知判定温度以上になったとき、すなわち(測定温度B)−(規準温度A)≧(終了検知判定温度)の条件を満たす状態となったときに、乾燥終了と判定し(ステップ6)、一定時間の延長運転後(ステップ7)、乾燥運転を終了する(ステップ8)。
【0010】
なお、前記測定温度Bについては、測定時を含む前数回(例えば10回分)を平均し測定温度とする移動平均値を測定温度Bとして使用することにより(ステップ5)、各測定での温度バラツキを補正し、正確な検知温度を得ることができる。
【0011】
また、乾燥終了判定を行ってから、一定の時間延長運転を行うことにより、終了検知判定がばらついても乾きムラのない乾燥衣類を得ることができる。
【特許文献1】特開2000−397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、外気温度が高い場合などは、槽内の温度も外気温度の影響を受けて高くなる。一方、洗濯乾燥機は、多くの樹脂部品が使われているため、槽内の温度が高くなりすぎると、樹脂の強度が低下し、脱水回転時の槽の当りなど発生したり、材料の熱膨張による変形や熱変形などの不具合が発生するおそれがある。
【0013】
そこで、図14に示すように、洗濯機の樹脂製部品の保護を図るため、また、洗濯物の保護のために、耐熱温度として、槽内の温度が一定以上にならないように槽内マックス制御温度(例えば80℃)を設定している。
【0014】
これにより、図12のフローチャートに示すように、乾燥終了の判定温度に達する前に、測定温度Bの移動平均値が槽内マックス制御温度に達した場合は(ステップ9)、その後、ヒータをオフまたは弱設定にして運転を続行する。
【0015】
そして、この状態で槽内温度が低下し、図14に示す制御温度(例えば75℃)として設定された制御温度Cに達したならば、ヒータを再度オンし、または強設定にして加熱を行う。
【0016】
かかる場合、規準温度Aからの終了検知判定温度がマックス制御温度よりも高い場合は、終了判定ができず、いつまでたっても運転が終らなくなることになってしまう。
【0017】
そこで、従来は、この不都合を回避する手段として、マックス制御温度に達した後は、このマックス制御温度と制御温度Cとの間をオンオフ運転または強弱運転して規定時間経過後に(ステップ10)、強制的に乾燥運転を終了するようにしている(ステップ11)。
【0018】
この規定時間の設定は、製品のそれぞれの乾燥容量ごとに実験を行い、衣類が乾燥したと判断できる時間を算出して行っているが、大まかな目安であってその都度の洗濯物の実際の乾燥度に対応する終了時間を期待することは困難で、きめ細かな対応とはいえないものであった。
【0019】
一方、衣類保護の観点から槽内の温度を低く設定して衣類を傷めない低温度乾燥のモードを設定することがあるが、かかる場合は、ヒータを最初から弱運転して槽内温度の設定を低く(例えば60℃)とするため、図7に示すように温度上昇範囲がさらに狭くなる。
【0020】
その結果、マックス制御温度に達したとき、その後の規定時間運転がさらに長くなり、乾燥の乾き具合の誤差が大きくなってしまう不都合が生じる。また、外気温度が低い場合などは低温で運転が続行して、終了判定の温度に達しないこともある。
【0021】
また、図15に示すように、乾燥行程の途中で使用者が運転を一時停止した場合、一時停止したときの温度が高いときには使用者をやけどなどから保護するために冷却運転を行うとこがある。
【0022】
この冷却運転により槽内温度は大幅に低下し、また、一時停止時間の長さによってはさらに槽内温度が低下することもある。このため、一時停止解除後は、この低下した温度値から温度を再度上昇させることになり、終了判定の温度に達するまでには非常に長時間を要することになる。場合によっては、終了判定温度にまで達しなくなるおそれもあり、乾燥運転を終了できなくなるおそれがある。
【0023】
本発明はかかる不都合を解消するものとして、乾燥終了を判断する場合に、従来のように一つの判定手段、例えば検出される温度の上昇変化だけに頼らず、その他にも乾燥運転を終了させるための判定手段を設け、そのいずれかを機能させることで乾燥運転を確実に終了させることができ、また必要以上に乾燥時間が長引いたりせず、使い勝手のよい洗濯乾燥機を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
請求項1記載の発明は、洗濯物の乾燥度を検出する検出手段を設け、この検出手段からの出力により乾燥終了判定手段で乾燥終了判定を行い乾燥運転を停止する洗濯乾燥機において、乾燥終了判定手段を複数個設け、前記検出手段からの出力が、複数の乾燥終了判定手段のそれぞれに設定してある乾燥終了の判定値のいずれかに達したときに乾燥終了と判断し、乾燥運転を停止することを要旨とするものである。
【発明の効果】
【0025】
以上述べたように本発明の洗濯乾燥機は、乾燥運転の終了を判断する乾燥終了判定手段を複数個設けたから、例えば、所定温度に達したことだけを終了の目安にしていた従来に比較して、種々の観点から終了判定を行うことができ、そのいずれかの終了判定手段で終了と判定されれば乾燥運転が終了する。よって、乾燥運転を確実に終了でき、運転が必要以上に長引いたり、停止できなくなることを防止できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の洗濯乾燥機における乾燥終了判定の第1実施形態を示すフローチャートで、洗濯乾燥機の全体の基本構成は、前記した従来例と同様であり、本発明でも、乾燥ユニット9に配設してあるヒータ前にサーミスタなどによる温度検出手段を設けた。
【0027】
本発明の洗濯乾燥機においても、洗い、脱水の行程に連続して乾燥行程に移行する。この乾燥行程は、送風乾燥行程1の終了後、洗濯兼脱水槽5を回転する高速槽回転乾燥行程、回転翼4を回転する攪拌乾燥行程へと進行し、この高速槽回転乾燥行程と攪拌乾燥行程の間で、乾燥終了を判定して運転を停止するための終了判定手段を複数個設けた。
【0028】
図1は、乾燥終了判定手段よる終了判定動作を示すフローチャートで、第1の乾燥終了判定手段としては、図11に示した従来と同様、乾燥運転において、送風乾燥行程が終了した後(ステップ1)、温風乾燥が開始する前の段階、すなわち乾燥ユニット9に設けてあるヒータがオンする前の段階で、サーミスタなどの温度検出手段で検出される温度データを測定し、これを規準温度Aとして記憶設定しておく(ステップ2)。
【0029】
ヒータがオンして(ステップ3)温風乾燥行程が開始した後、サーミスタで一定時間毎にヒータ前温度を測定し、これを測定温度Bとして記憶し(ステップ4)、この測定温度Bの移動平均値を算出する(ステップ5)。
【0030】
かかる温度測定を行って乾燥終了を判定する場合、第1の乾燥終了判定手段としては、乾燥行程の進行にともない洗濯物に含まれる水分が減少し、測定温度Bが上昇するが、この温度上昇値が所定の判定値に達すれば、乾燥終了と判定する(ステップ12)。
【0031】
そして、延長時間運転を行った後(ステップ14)、乾燥運転を終了する(ステップ15)。
【0032】
そして、前記第1の乾燥判定手段であるサーミスタによる測定温度の値が判定値に達せず、乾燥終了判定が行われない場合は(ステップ12)、別の第2の乾燥終了判定手段で終了判定を行い(ステップ13)、判定の結果、乾燥終了と判定されれば乾燥運転を終了する(ステップ14)。
【0033】
第2の乾燥終了判定手段としては、図2のフローチャート、図8の積算温度終了検知のグラフに示すように、送風乾燥終了後のヒータオン時点の槽内温度検知サーミスタで検出される温度を規準温度Aとして設定し、その後、一定時間毎(例えば1分毎)に測定される測定温度と前記規準温度Aとの差を算出し、その差の値を加算していく(ステップ16)。例えば一回目:a、二回目:a+b、三回目:a+b+c、n回目:a+b+c……+(n−2)+(n−1)+nである。
【0034】
そして、前記の温度差の積算値と終了検知温度設定値とを比較し、設定値以上の場合に乾燥終了と判定する(ステップ17)。なお、測定温度は各測定時の1回だけのデータを計算するのではなく、数回のデータを移動平均して使用して計算することにより測定誤差を少なくすることができる。
【0035】
このような温度差の積算値は衣類に加えられた熱量に比例すると考えることができるため、各容量の衣類に対し、乾燥するために必要な十分な熱量を加えることができ、効率よく乾燥を行える。
【0036】
このような第2の乾燥終了判定手段は、図3のフローチャートに示すように次のようなケースに実施して有効である。乾燥行程の途中で使用者が運転を一時停止した場合(ステップ18)、この一時停止の時点で検出温度が一時的に低下し、この低下時点から温度の上昇が再開するため、第1の判定手段で設定してある所定の判定値になかなか到達せず、第1の乾燥終了判定手段をもってしては乾燥終了の判定までに長時間を要するか、または、判定を行うことが出来ない。
【0037】
かかる場合は、温度差の積算値を算出し(ステップ16)、この積算値と終了検知温度設定値とを比較し、設定値以上の場合に乾燥終了と判定する(ステップ17)。
【0038】
そして、第2の判定手段で判定が行える場合であっても、この第2の判定手段で判定できない場合に備えてさらに別の判定手段を設けておく(ステップ20)。
【0039】
さらに、洗濯機の合成樹脂製部品や電装品の保護のため、マックス制御温度が設定され、このマックス制御温度に達した後は(ステップ19)、ヒータのオンオフ運転が繰返されるが、かかる場合も、このオンオフの運転時間を設定するにあたり、従来のように規定時間を設定するのではなく、温度差の積算値を算出し(ステップ16)、この積算値と終了検知温度設定値とを比較し、設定値以上の場合に乾燥終了と判定する(ステップ17)。
【0040】
なお、乾燥運転を低温度乾燥で行っている場合で、低温での運転が続くために、第1の判定手段で設定してある所定の判定値になかなか到達せず、第1の乾燥終了判定手段をもってしては乾燥終了の判定を行うことが出来ない場合も、温度差の積算値をもとにして乾燥終了判定を行うことができる。
【0041】
図4は第3の乾燥終了判定手段を示すフローチャートで、前記した第1の判定手段で乾燥終了の判定が出来ない場合、回転翼4の慣性パルス数を計測し(ステップ21)、この計測値によって乾燥終了の判定を行う(ステップ22)。
【0042】
高速槽回転乾燥行程や攪拌乾燥行程では、洗濯物を攪拌する動作やほぐす動作があり、これらの動作を他の動作と組合わせて1セットとし、これを高速槽回転乾燥行程の場合は規定回数、攪拌乾燥行程の場合は終了兼とおよび延長時間の間、セットとなった行程を繰返すことで乾燥が進行していく。
【0043】
このとき、各行程のほぐし行程後、回転翼4の慣性パルス数を測定し前回測定時の慣性パルス測定値と最新の慣性パルス測定値との差が規定値以下となった場合に乾燥が終了したと判定する。
【0044】
慣性パルスの測定は、モータへ通電を行い、回転翼を規定の回転数または速度まで回転させ、その後モータへの通電を停止して決められた時間、回転センサーからのパルス数をカウントすることで行う。この慣性パルス数は、図9のグラフに示すように乾燥行程が進行し、洗濯物に含まれる水分が減少して負荷量が少なくなるにしたがい、パルス数は増加する。
【0045】
そして、乾燥終了の判定がなされれば(ステップ22)、延長時間運転後(ステップ14)、運転が終了する(ステップ15)。
【0046】
前記実施形態は第1の乾燥終了判定手段に、第2の乾燥終了判定手段、第3の乾燥終了判定手段を組合わせて、複数の乾燥終了判定手段としたが、組合せの態様はこれに限定されるものではなく、例えば、図5に示すフローチャートのように、第1、第2および第3の乾燥終了判定手段の全てを組合わせ、第1の乾燥終了判定手段で終了検知判定が出来なかった場合に、第2の乾燥終了判定手段で判定し、この第2の乾燥終了判定手段でも判定できなかった場合に、第3の乾燥終了判定手段で判定し、この第3の乾燥終了判定手段でも判定できなかった場合に、さらに別の乾燥終了判定手段で判定する(ステップ23)こともできる。
【0047】
第4の乾燥終了判定手段は、時間で乾燥終了を判断するもので、乾燥運転開始時からの運転時間を判定値(規定時間)として予め設定しておき、乾燥運転開始後、運転の経過時間が予め設定した判定値に達したときに、乾燥終了と判定し、乾燥運転を終了する。
【0048】
なお、前記第1から第4の乾燥終了判定手段は、乾燥運転開始時の外気温度の値により補正する。すなわち、第1の乾燥終了判定手段では、外気温度が高い場合は、これに反比例して判定値である乾燥終了温度を低く設定する。
【0049】
また、第2の乾燥終了判定手段では、外気温度が高い場合は、温度上昇値の総和、すなわち積算値を小さくし、第4の乾燥終了判定手段では判定値として設定する乾燥運転の規定時間を短くする。
【0050】
なお、前記第1、第2、第4の乾燥終了判定手段で設定される判定値は、乾燥運転開始時にセンシングされた負荷量の値によって補正、変更される。すなわち、布質などにより洗濯物自体の重量が大きい、洗濯物に含まれる水分が多いなどの、負荷量が大きい場合は、乾燥しにくいため、第1の乾燥終了判定手段では判定値である乾燥終了温度を高く設定する。
【0051】
また、第2の乾燥終了判定手段では負荷量の大きい場合は、温度上昇値の総和、すなわち積算値を大きく設定し、第4の乾燥終了判定手段では判定値として設定する乾燥運転の規定時間を長くする。
【0052】
さらに、前記第1、第2、第4の乾燥終了判定手段で設定される判定値は、最終脱水時間により補正される。すなわち、洗濯から乾燥までの行程を連続で運転するコースを選択し、最終の脱水時間を使用者が設定した場合に、負荷量センシングにより洗濯から脱水までの各行程が自動的に進行するよう設定した場合の最終の脱水時間と、前記使用者が設定した最終の脱水時間とに差が生じたときは、この差によって乾燥終了のための判定値を補正する。
【0053】
使用者が脱水時間を短くまたは長く設定して設定変更があった場合、これに対応させて乾燥運転終了の判定値を変更設定するもので、例えば、使用者が脱水時間を短く設定した場合は、含水率が高くなるから、その後の乾燥には時間を要する。よって、判定値として設定する乾燥運転時間を長く設定する。
【0054】
これとは反対に使用者が脱水時間を長く設定した場合は、含水率が低くなるから、その後の乾燥には時間を要しない。よって、判定値として設定する乾燥運転時間を短くする。
【0055】
また、洗濯から脱水までの行程を連続で自動運転するコースを選択し、この自動運転中にアンバランスや泡発生が原因で脱水運転時間が変更された場合、すなわち、アンバランスや泡発生により脱水運転が途中で停止し、乾燥運転に移行してしまった場合は、停止後の脱水時間を次の行程の乾燥運転に上乗せするかたちで乾燥運転時間の判定値を長く設定しなおす。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の洗濯乾燥機における乾燥運転の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図2】本発明の洗濯乾燥機における乾燥運転の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図3】本発明の洗濯乾燥機における乾燥運転の第3実施形態を示すフローチャートである。
【図4】本発明の洗濯乾燥機における乾燥運転の第4実施形態を示すフローチャートである。
【図5】本発明の洗濯乾燥機における乾燥運転の第5実施形態を示すフローチャートである。
【図6】本発明の洗濯乾燥機の実施形態を示す縦断側面図である。
【図7】乾燥行程での温度上昇値を示すグラフである。
【図8】乾燥行程での積算温度終了検知のグラフである。
【図9】慣性パルス数と負荷量の関係を示すグラフである。
【図10】乾燥終了検知の判定値を示す表である。
【図11】従来の乾燥終了判定を示すフチャートである。
【図12】従来のマックス制御温度に達した場合の乾燥終了判定を示すフローチャートである。
【図13】槽内温度検知サーミスタの温度変化を示すグラフである。
【図14】槽内温度制御を行った場合の温度変化を示すグラフである。
【図15】一時停止した場合の温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0057】
1 外箱 2 水槽
3 防振吊り棒 4 回転翼
5 洗濯兼脱水槽 6 トップカバー
7 フタ 8 モータ
9 乾燥ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物の乾燥度を検出する検出手段を設け、この検出手段からの出力により乾燥終了判定手段で乾燥終了判定を行い乾燥運転を停止する洗濯乾燥機において、乾燥終了判定手段を複数個設け、前記検出手段からの出力が、複数の乾燥終了判定手段のそれぞれに設定してある乾燥終了の判定値のいずれかに達したときに乾燥終了と判断し、乾燥運転を停止することを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記乾燥終了判定手段は、ヒータオン時点からの温度上昇値が判定値に達したときに乾燥終了と判断する第1の乾燥終了判定手段と、ヒータオン時点からの単位時間当りの温度上昇値の総和が判定値に達したときに乾燥終了と判断する第2の乾燥終了判定手段とで構成し、前記第1と第2の乾燥終了判定手段に設定されている判定値のいずれかに達したときに乾燥運転を停止することを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記複数の乾燥終了判定手段の一つである第3の乾燥終了判定手段は、回転翼回転時の慣性パルス数を検出して負荷量を検出する負荷量検出手段を備える洗濯乾燥機において、一定時間毎に回転翼回転時の慣性パルス数を計測し、その差が判定値以下に達したときに乾燥終了と判断し乾燥運転を停止することを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
前記複数の乾燥終了判定手段の一つである第4の乾燥終了判定手手段は、乾燥運転開始時からの経過時間が判定値に達したときに乾燥終了と判断し乾燥運転を停止する請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
前記第1から第4の乾燥終了判定手段は、乾燥運転開始時の外気温度により判定値を補正することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項6】
前記第1、第2、第4の乾燥終了判定手段は、乾燥運転開始時の負荷量センシングにより検出された負荷量の値により、判定値を補正することを特徴とする請求項2または請求項4のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項7】
前記第1、第2、第4の乾燥終了判定手段は、洗濯から乾燥までの行程を連続運転するコースを選択し、最終脱水時間が使用者の設定により設定されたときに、この最終脱水時間が、負荷量センシングにより洗濯から乾燥までの行程が自動的に設定された時の最終脱水時間との間に差があるときは、この差の値により判定値を補正することを特徴とする請求項2または請求項4のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項8】
前記第1、第2、第4の乾燥終了判定手段は、洗濯から脱水までの行程を連続自動運転するコースを選択し、この自動運転中にアンバランスや泡起動により脱水時間が変更されたときは、変更前後の脱水時間の差の値により判定値を補正することを特徴とする請求項2または請求項4のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項1】
洗濯物の乾燥度を検出する検出手段を設け、この検出手段からの出力により乾燥終了判定手段で乾燥終了判定を行い乾燥運転を停止する洗濯乾燥機において、乾燥終了判定手段を複数個設け、前記検出手段からの出力が、複数の乾燥終了判定手段のそれぞれに設定してある乾燥終了の判定値のいずれかに達したときに乾燥終了と判断し、乾燥運転を停止することを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記乾燥終了判定手段は、ヒータオン時点からの温度上昇値が判定値に達したときに乾燥終了と判断する第1の乾燥終了判定手段と、ヒータオン時点からの単位時間当りの温度上昇値の総和が判定値に達したときに乾燥終了と判断する第2の乾燥終了判定手段とで構成し、前記第1と第2の乾燥終了判定手段に設定されている判定値のいずれかに達したときに乾燥運転を停止することを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記複数の乾燥終了判定手段の一つである第3の乾燥終了判定手段は、回転翼回転時の慣性パルス数を検出して負荷量を検出する負荷量検出手段を備える洗濯乾燥機において、一定時間毎に回転翼回転時の慣性パルス数を計測し、その差が判定値以下に達したときに乾燥終了と判断し乾燥運転を停止することを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
前記複数の乾燥終了判定手段の一つである第4の乾燥終了判定手手段は、乾燥運転開始時からの経過時間が判定値に達したときに乾燥終了と判断し乾燥運転を停止する請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
前記第1から第4の乾燥終了判定手段は、乾燥運転開始時の外気温度により判定値を補正することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項6】
前記第1、第2、第4の乾燥終了判定手段は、乾燥運転開始時の負荷量センシングにより検出された負荷量の値により、判定値を補正することを特徴とする請求項2または請求項4のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項7】
前記第1、第2、第4の乾燥終了判定手段は、洗濯から乾燥までの行程を連続運転するコースを選択し、最終脱水時間が使用者の設定により設定されたときに、この最終脱水時間が、負荷量センシングにより洗濯から乾燥までの行程が自動的に設定された時の最終脱水時間との間に差があるときは、この差の値により判定値を補正することを特徴とする請求項2または請求項4のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項8】
前記第1、第2、第4の乾燥終了判定手段は、洗濯から脱水までの行程を連続自動運転するコースを選択し、この自動運転中にアンバランスや泡起動により脱水時間が変更されたときは、変更前後の脱水時間の差の値により判定値を補正することを特徴とする請求項2または請求項4のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−279172(P2008−279172A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127873(P2007−127873)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】
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