説明

海苔養殖用支柱

【課題】加工がしやすく、コストも合理的な海苔養殖用支柱の提供
【解決手段】この発明の海苔養殖用支柱は、海底面1と干潮時の海面2間に位置する支柱3の表面を熱収縮性ゴムチューブ4で被覆している、したがってフジツボが付着しにくく、また付着しても熱収縮性ゴムチューブを除去し、新品に装着し直せばよいので、簡単であると共に銅板材などに比べ安価である。また、グリップ部Gに熱収縮性ゴムチューブ4を被覆することにより、経年劣化によりガラスファイバがむき出しになり、支柱を抜き取る際に、ガラスファイバが手に刺さったり、飛散して服に付着するのを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海苔養殖用支柱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海苔養殖用の支柱には、フジツボが付着し、その除去が非常に面倒で、時間を要するので、例えば、フジツボが付着しにくい、銅板等で被覆した支柱等が実用されている(特許文献1参照)。
【0003】
しかし、加工面やコスト面の問題点があり、加工がしやすく、コストのやすい支柱の開発が切望されている。
【特許文献1】特開平2001−28958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、背景技術で記述した問題点を解消するためになされたもので、加工がしやすく、コストも合理的な海苔養殖用支柱の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の海苔養殖用支柱は、海底面と干潮時の海面間に位置する支柱の表面を熱収縮性ゴムチューブで被覆したことを特徴とするものであり、さらに、グリップ部に熱収縮性ゴムチューブを被覆することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
この発明は上述のように構成されているので、次のような効果を奏する。
(1)フジツボが付着しやすい部位の支柱の表面に、熱収縮性ゴムチューブを被覆するだけでよいので、加工が簡単である。
(2)銅板等比べてコストがやすい。
(3)フジツボはゴム材を忌避する習性があるので、熱収縮性ゴムチューブには付着し難い。
(4)熱収縮性ゴムチューブに付着したときには、その熱収縮性ゴムチューブをはぎ取ることにより、フジツボを簡単に除去できる。
(5)耐久性・耐候性向上が向上する。
(6)グリップ部に熱収縮性ゴムチューブを被覆していうるので、ガラスファイバがむき出しになり、支柱を抜き取る際に、手に刺さったり、飛散して服に付着することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
加工がしやすく、コストも合理的な海苔養殖用支柱の提供という目的を海底面と干潮時の海面間に位置する支柱の表面を熱収縮性ゴムチューブで被覆することにより実現できた。
【実施例】
【0008】
本発明の実施の一例を図面を参照しながら説明する。本願の海苔養殖用支柱は、図1〜図2に示すように、海底面1と干潮時の海面2間に位置する支柱3の表面を熱収縮性ゴムチューブ4で被覆する。
【0009】
なお、図1は、ガラスファイバからなる心棒5にアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)6をコーチングしてなる支柱3の、海底面1と干潮時の海面2間に位置する部位に熱収縮性ゴムチューブ4を被覆した場合を示している。なお、経年劣化によりガラスファイバがむき出しになり、支柱を抜き取る際に、ガラスファイバが手に刺さったり、飛散して服に付着するのを防ぐために、図1に示すように、グリップ部Gに熱収縮性ゴムチューブ4を被覆している。
【0010】
図2は、竹筒7からなる支柱3の、海底面1と干潮時の海面2間に位置する部位に熱収縮性ゴムチューブ4を被覆する。なお、熱収縮性ゴムチューブ4には、はぎ取りを容易にするためにミシン目Mを入れておいてもよい。
【0011】
フジツボは、干潮時に海水面から出ている支柱3には付着しないので、この部分には熱収縮性ゴムチューブ4を被覆する必要はない。
また、海底に埋設(通常約3メートル)される部分の支柱3部分にも熱収縮性ゴムチューブ4を被覆する必要はない。
【0012】
一般によく使われる熱収縮性ゴムチューブ4は、熱収縮性エチレンプロピレンゴムチューブである。なお、フジツボが付着した場合には、熱収縮性ゴムチューブ4を除去してしまい、新品を装着し直せばよいので、フジツボの除去が簡単である。
【産業上の利用可能性】
【0013】
フジツボが付着しない若しくは付着しても除去が容易な海苔栽培用支柱として利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の一例を示す斜視図
【図2】本発明の別の実施の一例を示す斜視図
【符号の説明】
【0015】
1 海底面
2 干潮時の海面
3 支柱
4 熱収縮性ゴムチューブ
5 心棒
6 ABS樹脂
7 竹筒
8 満潮時の海面
G グリップ部 M ミシン目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海底面(1)と干潮時の海面(2)間に位置する支柱(3)の表面を熱収縮性ゴムチューブ(4)で被覆したことを特徴とする海苔養殖用支柱
【請求項2】
グリップ部(G)に熱収縮性ゴムチューブ(4)を被覆することを特徴とする請求項1記載の海苔養殖用支柱

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−72092(P2009−72092A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243170(P2007−243170)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【特許番号】特許第4128608号(P4128608)
【特許公報発行日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000196565)西日本電線株式会社 (57)
【Fターム(参考)】