説明

液体燃料の交流電磁波処理方法と装置

【課題】電磁波処理技術を液体燃料に適用して、液体燃料を効果的に改質する方法を確立することである。
【解決手段】還元(−)型電磁波発生器3から液体燃料配管1aと液体燃料の燃焼用の空気配管1bの外周にそれぞれ巻いたコイル部2a,2bに液体燃料のゼータ電位がマイナスとなるように、単一の周波数又は周波数が時間的に変化する交流電流を流すことで、前記液体燃料に対して交流電磁波を照射する。このように液体燃料の交流電磁波処理により燃料の燃焼性を従来より高めて燃料消費量を低減させ、排ガス中の一酸化炭素、炭化水素および一酸化窒素の濃度を低減させる。また燃焼用空気供給配管1bにあるエアクリーナ10内のエアフィルタ11の上部にハニカム状の金網12を配置し、該金網12を介して燃焼用空気に前記電磁波処理をすると車両のトルクが大きくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体燃料の電磁波処理方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は各種流体に変調電磁波処理を施すことにより、その後の流体の扱いが容易になる技術を開発し、その技術は各種分野に使用されている。その内容は特許第3247942号の特許公報などに開示されている。
【0003】
その後、変調電磁波処理装置として、還元(−)型変調電磁波発生器と酸化(+)型変調電磁波発生器を使い分けることで、被処理流体中に含まれる物質の性質の違いに適切に対応でき、被処理流体が流れる流体流路を構成する壁面へ付着物が形成されないようにすることが可能であることを本出願人らは見出し、特許出願をした。
【特許文献1】特許第3247942号公報
【特許文献2】特開2005−288436号公報
【特許文献3】特開2007−203168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人らは上記したように変調電磁波処理を各種被処理流体に対して施すことで、主に被処理流体が流れる流路内壁に付着物を堆積させないで、長期間流路が閉塞しない状態に保つことができることを見出した。
しかし、本出願人らの開発した変調電磁波処理技術を液体燃料に適用したことは無かったので、被処理流体としてガソリンなどの液体燃料を用いた場合の効果が不明であった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、本出願人らの開発した電磁波処理技術を液体燃料に適用して液体燃料を効果的に改質する方法と装置を確立することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記課題は、次の解決手段により解決される。
請求項1記載の発明は、燃焼装置に供給する前の液体燃料のゼータ電位がマイナスとなるように、(a)液体燃料又は(b)液体燃料と燃焼用空気に対して単一の周波数又は周波数が時間的に変化する交流電流を照射する液体燃料の交流電磁波処理方法である。
【0007】
請求項2記載の発明は、(a)液体燃料又は(b)液体燃料と燃焼用空気を燃焼装置に供給する前に、還元(−)型電磁波発生器から(i)液体燃料の供給手段又はその近傍又は(ii)液体燃料と燃焼用空気の両方の供給手段又は該両方の供給手段のいずれかの近傍に設けたコイル部に液体燃料のゼータ電位がマイナスとなるように、単一の周波数又は周波数が時間的に変化する交流電流を流すことで、前記液体燃料又は液体燃料と燃焼用空気に対して交流電磁波を照射する液体燃料の交流電磁波処理方法である。
【0008】
請求項3記載の発明は、燃焼用空気の供給手段又はその近傍に金属製編目体、金属製多孔体又は碁盤目状にセラミック粒子を配置して、該金属製編目体、金属製多孔体又は碁盤目状のセラミック粒子に前記交流電磁波を照射する請求項2記載の液体燃料の交流電磁波処理方法である。
【0009】
請求項4記載の発明は、液体燃料燃焼用の燃焼装置への(i)液体燃料供給手段又は(ii)液体燃料供給手段と燃焼用空気供給手段の両方に、又は(iii)液体燃料供給手段又は液体燃料供給手段と燃焼用空気供給手段の両方の供給手段の近傍に設けたコイル部と、該コイル部に液体燃料のゼータ電位がマイナスとなるように、単一の周波数又は周波数が時間的に変化する交流電流を流す還元(−)型電磁波発生器とを備えた液体燃料の交流電磁波処理装置である。
【0010】
請求項5記載の発明は、燃焼用空気の供給手段又はその近傍に金属製編目体、金属製多孔体又は碁盤目状にセラミック粒子を配置した請求項4記載の液体燃料の交流電磁波処理装置である。
【0011】
なお、本発明はガソリンだけでなくディーゼル、重油などにも適用でき、また乗物用エンジンなどだけでなく、ボイラなど乗物用以外の燃焼装置にも適用できる。
【0012】
(作用)
液体燃料に対して本発明の電磁波処理をしない(以下、単に「未処理」ということがある)場合及びプラスのゼータ電位を与える周波数で電磁波による照射処理をする場合に比べて、本発明のマイナスのゼータ電位を与える周波数で照射処理をする場合に燃料消費量低減効果を有し、排ガス中の一酸化炭素と炭化水素の濃度を低減させる理由は次のように推定される。
【0013】
すなわち、前記未処理の場合は図2(c)に図示するように燃料の微粒子の表面電位は弱いプラス電位を形成するためマイナスに帯電しているシリンダー内壁部および燃料の微粒子間の電位反発が見られず、シリンダー内壁部のマイナス電位にプラス電位の燃料微粒子が付着し、酸素不足となり、不完全燃焼となるため、排ガス中の一酸化炭素と炭化水素の濃度が上昇する傾向が見られるためと考えられる。
【0014】
また、燃料微粒子にプラスのゼータ電位を与える周波数の電磁波で照射処理をする場合は、燃料微粒子がプラス電位となり、図2(b)に図示するようにシリンダー内壁部のマイナス電位に対してプラス電位の燃料微粒子が吸着し易くなり、燃料内部でのプラスに帯電した燃焼粒子同士の反発力だけでは燃焼効率がそれほど上昇しないものと考えられる。
【0015】
また、照射する交流電磁波の周波数を特定せずに、ある範囲の周波数(例えば、図5に示す100Hz〜10,000Hz付近)を与えた場合には、プラスとマイナスのゼータ電位となっている燃料微粒子が混在して、これらの微粒子相互間の結合と反発が生じるために燃焼効率が未処理の場合に比べて改善されないものと推定される。
【0016】
これに対して本発明の燃料微粒子表面にマイナスのゼータ電位を与えるように単一の周波数又は周波数が時間的に変化する交流電流を液体燃料に照射する場合には図2(a)に示すようにマイナス帯電しているシリンダー内壁面に触れるマイナス帯電燃料粒子を含め、シリンダ内の全ての領域でマイナス帯電した燃料微粒子同士の反発が起こり、燃焼効率が上昇したものと推定される。
また、本発明の電磁波処理は液体燃料に限らず、液体燃料と燃焼用空気の両方に対して電磁波処理をすることでも効果がある。
【0017】
さらに、燃焼用空気に対して電磁波処理をする場合に燃焼装置への燃焼用空気供給手段又はその近傍に金属製編目体、金属製多孔体を配置して、該金属製編目体又は金属製多孔体に前記交流電磁波を照射すると、理由が不明であるが、上記電磁波で処理された液体燃料を使用する車両のトルク及び馬力が大きくなる。
【0018】
前記金属製編目体又は金属製多孔体は、金属製のものであれば、限定はないが、耐腐食性能が高い金属、例えば銀、アルミニウムなどが望ましい。高価な金属の場合は他の金属にメッキを施すことで使用すると低コスト化できる。前記金属製多孔体にセラミックを溶射した多孔体を用いても良い。また、通気空間を有するようにステンレス製の金網などに碁盤目状にセラミック粒子を保持させた構成でもよい。
さらに、金属製多孔体に上記セラミック粒子と同一成分のセラミックを溶射したものを用いても良い。
【発明の効果】
【0019】
請求項1〜5記載の発明によれば、燃焼装置内での燃料の燃焼効率が本発明の電磁波処理を施さない場合に比べて、燃焼効率が向上し、燃料消費量を低減させ、排ガス中の一酸化炭素、炭化水素および一酸化窒素の濃度を低減させることができる。
また、請求項3,5記載の発明によれば、上記電磁波で処理された液体燃料を使用する車両のトルク及び馬力が大きくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態について図面とともに説明する。
本実施例は液体燃料としてガソリンを例にして還元(−)型の単一の周波数又は周波数が時間的に変化する交流電流を発振する電磁波発生器(以下、単に「還元(−)型電磁波発生器」ということがある)を用いてガソリンを電磁波処理する方法について説明する。
【0021】
まず、図3に示す還元(−)型電磁波発生器を用いる電磁波処理装置(以下、単に「還元(−)型装置」ということがある)の説明をする。
図3において、三角波又はのこぎり波の発振回路から発振する周波数を電圧−周波数変換回路により前記周波数を細分化し、各周波数に対応した電圧を得る。該電圧−周波数変換回路からの出力を波形整形増幅回路で電磁波強度を設定し、さらに電力を増幅させて適切な大きさの電力を得て図1に示すコイル部2aに出力するか又はコイル部2a,2bの両方に出力する。
【0022】
なお、電磁波強度とは空間における電磁波の強さを意味し、単位は[V/m]又は[A/m]である。測定方法は使用目的により使い分けるが、本発明においては[A/m]である(Vは電圧、Aは電流、mは長さ)。コイル部2a又はコイル部2a,2bに流す電流に比例し、センサーを置いた所での磁界の大きさをこの場合の電磁波の強さ又は強度としている。
【0023】
この還元(−)型装置は、単一の周波数又は100Hz〜10,000Hzの帯域で連続的に周波数が時間的に変化する交流電流をガソリンを流すガソリン供給配管1aの外周に巻いたコイル部2a及び/又はコイル部2bに流す電磁波処理装置であり、当該装置により発生する電流により誘起される電磁界により前記ガソリン供給配管1aを流れるガソリンを処理するものである。
【0024】
この還元(−)型装置から発生する電流を、例えば400msサイクル(任意可変可能)で順次周波数を変えてコイル部2a,2bに流すと、例えば図4に示す電磁波強度が得られる。図4に示す例は、周波数に対する電磁波強度のイメージ図であり、6×10-3ガウスの電磁波強度で約4,000〜6,000Hzの周波数帯にピーク値を有する主要周波数を示す場合である。
【0025】
また、前記電磁波強度はコイル2a,2bに流す電流値に比例してその大きさが変化する。
P=K×i2×t
P:被処理水液体への電磁波照射エネルギー[W]
i:コイル2a,2bに流れる電流[A]
t:照射時間[秒]
K:定数[H/m3
【0026】
前記図4に示す電磁波強度のピーク値を示す周波数付近でガソリン中に含まれる粒子のゼータ電位が大きく変化し、図5に示すように電磁波処理を行わない場合(未処理時)のゼータ電位(ゼロ値)に比べて大きく低下した値を示す。
【0027】
なお、図5は、図3に示す回路を有する還元(−)型電磁波発生器と図示しない酸化(+)型電磁波発生器(特開2005−288436号公報の図7参照)を用いて周波数を変化させたときの酸化チタン微粒子を含む塩化カリウム水溶液のゼータ電位の変化を示すグラフである。
【0028】
その際のゼータ電位の測定手順は以下の(1)〜(4)に示す通りである。
(1)ゼータ電位測定装置:大塚電子(株)製の電気泳動光散乱光度計ELS−800
(2)試料、溶質:酸化チタンのコロイド粒子(粒径100〜200μm)
溶媒:10mモルのKCl水溶液
調整液:pH5.5
温度:25℃
(3)変調電磁波発生器
図3に示す還元(−)型電磁波発生器と図示しない前記酸化(+)型電磁波発生器を用いてコイル電流を1.0アンペアで、例えば図5に示す電磁波強度と周波数の関係を示す変調電磁波を発生させる。
(4)図9に示すようにコイル部2a,2b(コイルを20回巻き付けた塩化ビニル配管)の内部空間に前記粒子を含む試料を入れたビーカー24を挿入した後、電磁波発生器3などからコイル部2a,2bに周波数で1.0アンペアの電流を1分間流して処理をした。その後、ビーカー24内の粒子を含む試料を低部に設けた流出管25からゼータ電位測定装置26内に送り出してゼータ電位を測定した。
コイルに流す電流の主要周波数は、0.5、20,40,60,80,・・・及び120kHzで行った。また、還元(−)型発生器3などによる電磁波処理をしない場合にも、ビーカー24内の粒子を含む試料を低部に設けた流出管25からゼータ電位測定装置26内に送り出してゼータ電位を測定した。
【0029】
上記方法で得られた各周波数とゼータ電位の変化量の関係を図5に示すが、図5のゼータ電位の変化量は電磁波処理を行わない場合(未処理時)のゼータ電位に対する変化量であり、5回の測定値の平均値である。
【0030】
次にコイル部2a,2bの配置について説明する。
図1には車両、発電機などの内燃機関(エンジン)7のシリンダへガソリンを供給する燃料供給配管1aと燃焼用空気を供給する空気供給配管1bの外周部にケーブルコイルを巻き付けてコイル部2a,2bを形成した例を示す。該コイル部2a,2bへ還元(−)型電磁波発生器3から単一の周波数又は周波数が時間的に変化する交流電流を流すと、コイル部2a,2bより発生する電磁波が配管1a,1bをそれぞれ透過してガソリン、燃焼用空気に照射された後にポンプ6a,6bによりエンジン7に供給される。なお、ポンプ6aから出たガソリンは再び電磁波発生器3の前流側及びポンプ6aの前流側の配管1aに循環してもよい。
【0031】
配管1a,1bの材質によっては電磁波の透過量が異なり、鋼鉄管<ステンレス管<塩化ビニル管の順に電磁波透過量は多くなる。透過率の悪い材質に対してはコイル電流値を増加させてガソリン・空気に必要な電磁波量を確保する。
【0032】
また、図6(a)には配管1a,1bにコイルをシングル巻きした場合のコイル部2a,2bの外観図を示し、図6(b)には配管1a,1bにコイルをダブル巻きした場合のコイル部2a,2bの外観図を示す。
【0033】
図7には投げ込み式のコイル部2aとコイル部2aへ電流を流す還元(−)型電磁波発生器3を有する投込み照射型の電磁波処理装置を示す。ガソリン貯留槽4内に、例えば塩化ビニル管からなるコイル設置部材にコイルを巻いたコイル部2aを投込み、コイル部2aより発生する電磁波をガソリン貯留槽4内のガソリンに作用させる。
【0034】
図6に示すような、ガソリンと空気がそれぞれ流れる配管1a,1bが鋼鉄管、鋳鉄管、ステンレス管等の金属材質からなる場合には配管1a,1bの電磁波透過性が良くないので、ガソリンと空気への電磁波の作用が著しく低下する場合がある。このような場合には、コイル部2aをガソリン貯留槽4内のガソリン中に浸漬した投込み照射型の電磁波発生器によりガソリンを処理する方法を実施する。図7(a)に示す投込み照射型の電磁波処理装置の電磁波発信部を図7(b)に示すように絶縁性の合成樹脂製のケース5内に密封することが効果的である。
【0035】
図7に示すガソリン貯留槽4内に投げ込む方式のコイル部2aは、図6のガソリン供給配管1aにコイルを巻く方法と比較して配管1aの材質に左右されないで電磁波をガソリンに有効に作用させることができる。また、図7に示す方法は図6に示す方法に比べて単位時間当たりの電磁波の照射エネルギーが高い。このように電磁波による照射エネルギーが高いため、投げ込み方式のコイル部2aにより発生させる電磁波強度は小さくても良い。
【0036】
また、ガソリンに対する還元力を促進させる電磁波を作用させる手段として、図7に示すガソリンが一時的に貯留されるガソリン貯留槽4等を有する場合には、コイル部2aの投込み照射型の電磁波処理装置を採用することで、図6に示す方法に比較して効率的な電磁波処理が可能となる。
【0037】
図7に示すようにガソリン貯留槽4内のガソリン中に投込み照射型の電磁波処理装置のコイル部2aを浸漬しておくと、電磁波処理装置から発する電磁波エネルギーは全てガソリンに供給されるのでエネルギーのロスがない。しかも、図6の配管1a内を流れるガソリンとは異なり、ガソリン貯留槽4内にガソリンが滞留しているので長時間の電磁波を照射できる。このため、電磁波の照射時間の制御が容易になる。
【0038】
図8には外部照射方式のコイル部2a,2bを示す。
図8(a)は外部照射方式コイル部2a,2bをそれぞれ配管1a,1bの外側に設置して、該コイル部2a,2bからガソリン・空気に電磁波を照射するものであり、図8(b)はガソリン貯留槽4内の水面より上側に設置するコイル部2aからガソリンに電磁波を照射する様子を示す。
【0039】
以上図6〜図8に示すコイル部2a,2bからの電磁波処理方法のうち、最も少ない電磁波強度で処理が可能な方法は図7に示す投げ込み式である。透過させる物質の影響を受けず、直接、ガソリンに照射させることが可能である。
また、図3に示す還元(−)型電磁波発生器では連続的に周波数が時間的に変化する波形は方形波又はのこぎり波に限らず、サイン波などの他の波形であってもよい。
【0040】
さらに空気供給配管1bには燃焼用空気を浄化するエアクリーナを設けているが、該エアクリーナ内に金属製編目体、金属製多孔体又は碁盤目状にセラミック粒子を配置して、該金属製編目体、金属製多孔体又は碁盤目状のセラミック粒子に前記交流電磁波を照射すると、該電磁波で処理された液体燃料を使用する車両のトルク及び馬力が大きくなる。
【実施例1】
【0041】
表1には図1に示す系統においてエンジン7への燃焼用空気配管1bにはコイル部2bを装着してなく、ガソリン供給配管1aにだけコイル部2aを装着して図3の還元(−)型電磁波発生器3からコイル部2aに250ミリアンペアの電流を流し、配管1aの内壁面付近のゼータ電位がマイナスになるように単一の周波数又は時間の経過と共に周波数が変る電磁波を照射させて、本実施例を下記の条件下で750ccのオートバイ(カワサキ株式会社製)用エンジンを用いてガソリンを燃焼させた実験結果を示す。
【表1】

【0042】
オートバイはカワサキ株式会社製ゼファー750(登録商標名)、型式BCZR750CIを用いて、所定時間(15分間又は20分間)の間、エンジンをアイドリング(エンジン回転数=1100±50rpm)で駆動させたときの各測定値である。
また、エンジン排ガス中の一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の排出濃度は株式会社ヤナコ計測製の計測装置ALTAS−210Lで計測した。
【0043】
上記表1に示す通り、本実施例で特徴的なことはゼータ電位をマイナスにする周波数をガソリンに発振した場合に、電磁波処理を行わなかった場合(未処理の場合)に比べて、著しくガソリン消費量が削減でき、さらに排ガス中の一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の排出濃度が減少されることが分かった。前記ゼータ電位をマイナスにする周波数は単一の周波数又は時間的に変化する変調周波数である。
【0044】
これに対して未処理の場合はガソリンが不完全燃焼するために排ガス中の一酸化酸素と炭化水素の濃度が共に高くなり、燃費も悪い。また、ゼータ電位がプラスとなるように電磁波処理をすると未処理の場合に比べて、約3%程度燃焼効率が上昇するが、排ガス中の炭化水素の濃度が低減しないことが分かった。
【0045】
さらに、電磁波処理の周波数を100Hz〜10,000Hzで特定せず与えた場合には、未処理に近い燃焼効率が見られたが、排ガス中の炭化水素の濃度が未処理の場合に比べて低減しないことが分かった。
【実施例2】
【0046】
図1に示す系統においてエンジン7へのガソリン供給配管1aと燃焼用空気配管1bにコイル部2a,2bをそれぞれ装着して図3の還元(−)型電磁波発生器3からコイル部2a,2bに電流を流さない場合(未処理)と1ワット、3ワット、5ワットの各電流を流して配管1a、1bの内壁面付近のゼータ電位がマイナスになるように単一の周波数又は時間の経過と共に周波数が変る電磁波を照射させた場合(本実施例)において、下記の条件下で表2〜表5に示す車種のエンジン7を用いてガソリンを燃焼させた実験結果を表2〜表5に示す。なお、還元(−)型電磁波発生器3による照射は配管1a、1bそのものでなく、該配管1a、1bの近傍でもよい。
【0047】
また、表2〜表5に示すデータはアイドリング状態でエンジンの回転数を種々変化させたときの値である。
【表2】

【0048】
【表3】

【0049】
【表4】

【0050】
【表5】

【0051】
使用した自動車排ガス分析計は(株)リエロ・ジャパン製のハンディタイプ各種自動車排ガス分析計(Autoシリーズ)であり、排ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2 )、酸素(O2)及び一酸化窒素(NO)の濃度を自動計測する計測器である。
上記自動車排ガス分析計を自動車エンジンからの排気ガスが流れるマフラー内に自動車排ガス分析計のプローブを挿入してアイドリング状態でのエンジン排気ガスの濃度を測定することができる。
【0052】
上記表に示すように本発明の電磁波処理を行わない(「未処理」という)場合と1ワット(10ミリアンペア)、3ワット(30ミリアンペア)、5ワット(50ミリアンペア)で図1のガソリン供給配管1aと燃焼用空気配管1bにそれぞれ巻いたコイル部2aとコイル部2bに電流をそれぞれ流して電磁波処理を行った場合についてエンジン排ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2 )、酸素(O2)及び一酸化窒素(NO)の濃度の測定を行った。
また、エンジン7の回転数を500〜750rpm程度のエンジン回転数をアイドリング状態で数段階に変えて、エンジン排気ガス中の前記成分濃度を自動計測した。
【0053】
表2に本田技研工業(株)のハイオクタン価ガソリン用の自動車レジェンド(登録商標)にレギュラーガソリンを使用した結果を示す。
表2に示す結果によれば、本発明の電磁波処理を行わない(未処理)場合にはエンジン回転数が低いと炭化水素(HC)濃度が高く、エンジン7中ではガソリンの不完全燃焼状態であることを示しており、一酸化窒素(NO)の濃度も高くなっている。前記未処理のレギュラーガソリンを使用したレジェンド(登録商標)では2000rpmにエンジン回転数を上げないと、酸素濃度が減少しなく、2000rpm以下のエンジン回転数では酸素が消費されなく、炭化水素濃度も減少しないことから不完全燃焼していることが分かった。エンジン回転数を2000rpm以上にすると初めて酸素も消費され、ガソリンが完全燃焼に近くなり、一酸化窒素(NO)の濃度もゼロに近くなる。ここでガソリンが完全燃焼に近くなって一酸化窒素(NO)の濃度がゼロに近くなる理由は、次の表3のエンジンの高速回転時のデータと比較して分かる通り、燃焼室内の温度が一酸化窒素(NO)を生成する高温に達していないためと考えられる。
【0054】
しかし本発明の電磁波処理を行うと、驚くべきことにアイドリング状態の走行テストでは表2に示すほぼすべての条件下で一酸化窒素(NO)の濃度がゼロまたはそれに近い状態となり、ほぼ完全燃焼が行われていることを示している。またエンジン回転数が高くなっても還元性雰囲気でのガソリンの燃焼であるため一酸化窒素(NO)の濃度がゼロまたはそれに近い状態になるものと考えられる。
【0055】
なお、一般道路の走行中には発進と停止を繰り返し、また時速50〜60kmの速度、すなわち、ほとんどの場合において1500rpm程度以下のエンジン回転数で走行することから通常の時速50〜60kmの速度でのエンジン回転数において、本発明の電磁波処理によれば未処理の場合に比較してガソリンの燃焼性が良くなることが分かった。
【0056】
さらに、表2に示す結果によると、ハイオクタン価ガソリンの使用に適した自動車(本田田技研工業(株)の自動車レジェンド(登録商標))でも本発明の電磁波処理によりレギュラーガソリンが不完全燃焼することなく使用できることが分かった。
【0057】
表3にトヨタ自動車(株)の自動車トヨタクラウンアスリート(登録商標)にハイオクタン価ガソリンを使用した結果を示す。
表3に示す結果によれば、本発明の電磁波処理を行わない未処理の場合と本発明の電磁波処理を行った場合を比較すると未処理の場合に、エンジン回転数が1500rpm以上になると、一酸化窒素(NO)濃度が異常に高くなっている。これはレギュラーガソリンとは違ってハイオクタン価ガソリンを使用することで、ガソリンが酸化性雰囲気下で完全燃焼となるために高温燃焼となり、一酸化窒素(NO)濃度が高くなっているものと考えられる。
【0058】
これに対して本発明の電磁波処理を行うと、エンジン回転数が低い段階エンジンの高速回転まで、一酸化窒素(NO)の濃度がゼロまたはそれに近い状態となり、また排ガス中の炭化水素(HC)も少なく、ほぼ完全燃焼が行われていることをデータが示している。これは前述のようにエンジン回転数が高くなっても還元性雰囲気でガソリンが燃焼するため、一酸化窒素(NO)の濃度がゼロまたはそれに近い状態にあるものと考えられる。ただし、3ワットと電磁波強度が高くなると一酸化窒素(NO)の濃度が増加する傾向にあることも分かった。
なお、表3で前記未処理のときのエンジン7の600rpmの場合の排ガスデータは採取に失敗した。
【0059】
表4にはトヨタ自動車(株)の自動車カルディナ(登録商標)にレギュラーガソリンを使用した結果を示す。
表4に示す結果によれば、本発明の電磁波処理を行わない未処理の場合にはエンジン回転数が低いと炭化水素(HC)濃度が高く、ガソリンは不完全燃焼状態であることを示しており、1500回転以上になって初めて完全燃焼に近い状態が得られ、一酸化窒素(NO)が発生しない状態になっている。しかし本発明の電磁波処理を行うとエンジン回転数が低い段階でも炭化水素(HC)濃度が低く、一酸化窒素(NO)濃度がゼロであった。これは本発明の電磁波処理により還元雰囲気で一酸化窒素(NO)が発生しないで、しかもガソリンが完全燃焼したものと考えられる。しかし、本発明の電磁波処理を5ワットで行い、エンジン回転数を1500rpm以上にすると、ガソリンは完全燃焼するが、一酸化窒素(NO)の濃度が高くなっている。これは還元性雰囲気が強力な電磁波で壊されて、ガソリンが完全燃焼した後に空気中の窒素が酸化されたものと推定される。
【0060】
表5にトヨタ自動車(株)の自動車エルグランド(登録商標)にレギュラーガソリンを使用した場合の結果を示す。
表5に示す結果によれば、本発明の電磁波処理を行わない未処理の場合と本発明の電磁波処理を行う場合に、共に炭化水素(HC)濃度が低く、一酸化窒素(NO)濃度も一部を除いて低く、大きな違いはなかったが、前記未処理の場合に本発明の還元(−)型電磁波発生器3を作動したまま車内に置き忘れていたのでガソリンが電磁波処理されたものと考えられる。
【0061】
表2〜表5に示すように本発明の電磁波処理を行わない未処理の場合にはエンジン回転数を高くしないと炭化水素(HC)の濃度が減らないが、すべての車種で本発明の電磁波処理を行った場合はエンジン回転数が低い段階から排ガス中の炭化水素(HC)濃度がゼロに近く、ガソリンが完全燃焼しているものと推測でき、しかも一酸化窒素(NO)の濃度もエンジン回転数が低い段階からゼロに近い。通常、燃料が完全燃焼する条件下では空気中の窒素が酸化されて窒素酸化物(一酸化窒素(NO))が生成し易くなるが、本実施例では燃料が完全燃焼したにもかかわらず、一酸化窒素(NO)が生成していない理由は、燃料が還元性雰囲気下で燃焼するためと考えられる。また酸素(O2)濃度については前記未処理に比べて本発明の電磁波処理を行うことで減少しているので、ガソリンの燃焼が促進しているのものと推定できる。さらに、表2〜表5に示すように本発明の電磁波処理を行うことで排ガス中の一酸化炭素は明らかに減少しており、ガソリンの燃焼性が良いことが分かる。
【0062】
従って表2〜表5に示す結果から本発明の電磁波処理を行うことで発進、停止を繰り返しながら時速50〜60kmで走行する通常の一般道路で走行条件下でガソリンの燃焼性が大幅に向上することが分かる。
【0063】
また、上記表2〜表5の測定結果を得る前に湿度15%、気温2℃の条件下で本発明の電磁波処理を図1と同じ装置を用いてガソリンと空気に本発明の電磁波処理を行った。その測定結果を表6〜表8に示す。
【表6】

【0064】
【表7】

【0065】
【表8】

【0066】
なお、表6に示す結果はトヨタ自動車(株)の自動車カルディナ(登録商標)にレギュラーガソリンを使用した場合の結果であり、表7に示す結果はダイハツ工業(株)の自動車ムーバー(登録商標)にレギュラーガソリンを使用した場合の結果であり、表8に示す結果は本田技研工業(株)の自動車レジェンド(登録商標)にハイオクタン価ガソリンを使用した場合の結果である。
【0067】
表6〜表8に示す測定結果によると、本発明の電磁波処理を行わない未処理の場合と本発明の電磁波処理を行う場合とでデータに有意差が認められなかった。この原因は湿度が低すぎるために、燃焼時のガソリンに供給する燃焼用空気中の水分が不足しているためと考えられる。
従って本発明の電磁波処理をガソリンに適用するためには燃焼用空気中の湿度がある程度高くする必要があることが分かった。
【実施例3】
【0068】
図10にエンジン7に供給する燃焼用空気を浄化するエアクリーナ10内部の概略断面図を示す。エアクリーナ10内には空気流路を横断する範囲にエアフィルタ11を配置しており、該エアフィルタ11の上部又は下部にハニカム状の銀メッキされたステンレス製金網(「金網(Ag)」と表9、表10に表示)12又は約5mm径のセラミック粒子((有)古谷技術研究所製の「イオンテクノボール」)を10mm×10mmの範囲内に1個つづ、碁盤状に配置したステンレス製金網(「金網(セラミック)」と表9、表10に表示)12を配置する。そして前記金網12に図3に示す還元(−)型電磁波発生器3からの時間的に変化する交流電流を流すコイルを巻き付けて図1に示すコイル部2bとするか、または上記金網12の近傍の燃焼用空気供給配管1bにコイルを巻き付けてコイル部2bとしてコイル部2に1ワットの電流を流して燃焼用空気を本発明の電磁波処理する。
【0069】
比較のために下記(1)〜(3)の場合の異なる車種について車速に対するトルクと馬力の変化の関係を図11〜図15に示し、それぞれの最大トルクと最大馬力の測定結果を表9、表10に示す。なお、表9と図11〜図13に示すデータは変速段が第4速の場合のテスト結果であり、表10と図14、図15に示すデータは変速段が第3速の場合のテスト結果である。
【0070】
カルディナ(トヨタ自動車(株)製の自動車の登録商標)ではレギュラーガソリンを使用し、アリスト(トヨタ自動車(株)製のハイオクタン用自動車の登録商標)ではレギュラーガソリンを使用した。
なお、前記トルクと馬力はDynaPack(社)製のシャーシダイナモメータ(型番Dyna Pack 5000 (4WDモデル)を仕様書通り使用して測定した。
【0071】
(1)エアクリーナ10内にハニカム状の前記金網12を配置しないで、燃焼用空気に上記電磁波処理をしない場合(従来のままで「未処理」と表示又は図示する。)
(2)エアクリーナ10内に金網(Ag)12又は金網(セラミック)12を配置し、燃焼用空気供給配管1b又は前記金網(Ag)12又は金網(セラミック)12に前記コイル部2bを設けて燃焼用空気に上記電磁波処理をする場合(「処理」と表示又は図示する。)又は上記電磁波処理をしない場合(「未処理」と表示又は図示する。)
(3)エアクリーナ10内に金網(Ag)12又は金網(セラミック)12を配置しないで、燃焼用空気供給配管1bに前記コイル部2bを設けて燃焼用空気に上記電磁波処理をする場合(「処理」と表示又は図示する。)
【0072】
【表9】

【0073】
【表10】

【0074】
図11にはカルディナ(トヨタ自動車(株)製の自動車の登録商標)のエアクリーナ10内に金網(Ag)12又は金網(セラミック)12を配置しないで、燃焼用空気に上記電磁波処理をしない場合(未処理)と燃焼用空気に上記電磁波処理をする場合(「処理」)場合を示す。
【0075】
最大トルクと最大馬力を含めて燃焼用空気に上記電磁波処理をしない場合(未処理)と燃焼用空気に上記電磁波処理をする場合(「処理」)とで、ほぼトルクと馬力は同等であっ
図12にはカルディナ(トヨタ自動車(株)製の自動車の登録商標)のエアクリーナ10内に金網(Ag)12を配置し、燃焼用空気に上記電磁波処理をしない場合(未処理)と燃焼用空気に上記電磁波処理をする場合(「処理」)の結果をそれぞれ示す。
【0076】
この場合も燃焼用空気に上記電磁波処理をしない場合(未処理)に比べて前記コイル部2bを設けて燃焼用空気に上記電磁波処理をする場合(「処理」)は最高トルクと最高馬力を含めて広い車速範囲において処理の方が未処理よりトルクと馬力が上回っている。
【0077】
図13にはアリスト(トヨタ自動車(株)製のハイオクタン用自動車の登録商標)のエアクリーナ10内に金網(Ag)12を配置し、燃焼用空気に上記電磁波処理をしない場合(未処理)と燃焼用空気に上記電磁波処理をする場合(「処理」)の結果をそれぞれ示す。
【0078】
この場合は、最大トルクと最大馬力を含めて燃焼用空気に上記電磁波処理をしない場合(未処理)に比べて燃焼用空気に上記電磁波処理をする場合(「処理」)は、ほぼすべての車速においてトルクと馬力が大きく上回っている。
【0079】
図14にはカルディナ(トヨタ自動車(株)製の自動車の登録商標)のエアクリーナ10内に金網12を配置せず、しかも燃焼用空気に上記電磁波処理をしない場合(未処理)とエアクリーナ10内に金網(セラミック)12を配置して燃焼用空気に上記電磁波処理をする場合(「処理」)の結果をそれぞれ示す。
【0080】
この場合は、最大トルクと最大馬力は未処理と処理でほぼ同等の値を示すが、ほぼすべての車速範囲で処理の方が未処理よりトルクと馬力が上回っている。
【0081】
図15にはカルディナ(トヨタ自動車(株)製の自動車の登録商標)のエアクリーナ10内に金網12を配置せず、しかも燃焼用空気に上記電磁波処理をしない場合(未処理)(図14で示す場合と同じ条件、表10には( )内に数値を示す。)とエアクリーナ10内に金網(Ag)12を配置し、燃焼用空気に上記電磁波処理をする場合(「処理」)の結果をそれぞれ示す。
【0082】
この場合は、ほぼすべての車速範囲で処理の方が未処理よりトルクと馬力が上回っている。また、最大トルクが未処理の場合より処理の場合が大きく上回っているが、最大馬力は未処理の方が上回っているか、ほぼ同等の値を示している。
【0083】
このように、図11〜図15および表9、表10に示す結果から、エンジン7に供給する燃焼用空気を浄化するエアクリーナ10内のエアフィルタ11の近くにハニカム状の銀メッキされたステンレス製金網12又はセラミック製金網12を配置し、該金網12にコイルを巻き付けてコイル部とし又は該金網12の近傍にコイル部を設け、これらのコイル部に、又は燃料用空気供給配管1bに設けたコイル部2bに図3に示す還元(−)型電磁波発生器3からの時間的に変化する100Hz〜10,000Hzの時間とともに周波数が変化する交流電流を流すことで、車両のトルク及び馬力が従来より大きくなる特徴がある。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明により、内燃機関で使用するガソリンなどの液体燃料をマイナス帯電性とすることで、液体燃料の燃焼効率がマイナス帯電性処理をしない場合に比べて向上するので、省エネルギーおよび地球温暖化防止に著しく寄与する可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施例の還元(−)型電磁波発生器による電磁波処理系統図である。
【図2】本発明の還元(−)型電磁波処理後の燃料粒子にエンジンのシリンダー内での燃料粒子の挙動(図2(a))と酸化(+)型電磁波処理後の燃料粒子後のシリンダー内での燃料粒子の挙動(図2(b))と電磁波処理をしていないシリンダー内での燃料粒子の挙動(図2(c))を比較して説明する推定図である。
【図3】本発明の実施例の還元(−)型電磁波発生器の回路図である。
【図4】図3の還元(−)型電磁波発生器による電磁波強度と周波数との関係図である。
【図5】酸化(+)型と還元(−)型の電磁波発生器を用いる塩化カリウム水溶液中の酸化チタン微粒子の基準値(未電磁波処理水中の酸化チタン微粒子のゼータ電位=ゼロ)との差異と周波数との関係を示す図である。
【図6】配管の外側にコイルを設置する還元(−)型電磁波処理装置の構成図である。
【図7】投げ込み式のコイル部を有する還元(−)型電磁波処理装置の構成図である。
【図8】外部照射方式のコイル部を有する還元(−)型電磁波処理装置の構成図である。
【図9】ゼータ電位測定装置の説明図である。
【図10】エンジンに供給する燃焼用空気を浄化するエアクリーナ内部の概略断面図を示す。
【図11】エンジンに供給する燃焼用空気に対して本発明による電磁波処理を行った場合と未処理の場合の車速に対するトルクと馬力の変化の関係を示すグラフである。
【図12】エンジンに供給する燃焼用空気に対して本発明による電磁波処理を行った場合と未処理の場合の車速に対するトルクと馬力の変化の関係を示すグラフである。
【図13】エンジンに供給する燃焼用空気に対して本発明による電磁波処理を行った場合と未処理の場合の車速に対するトルクと馬力の変化の関係を示すグラフである。
【図14】エンジンに供給する燃焼用空気に対して本発明による電磁波処理を行った場合と未処理の場合の車速に対するトルクと馬力の変化の関係を示すグラフである。
【図15】エンジンに供給する燃焼用空気に対して本発明による電磁波処理を行った場合と未処理の場合の車速に対するトルクと馬力の変化の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0086】
1a 燃料供給配管 1b 空気供給配管
2a,2b コイル部 3 還元(−)型電磁波発生器
4 ガソリン貯留槽 5 コイル専用ケース
6a,6b ポンプ 7 エンジン
10 エアクリーナ 11 エアフィルタ
12 ハニカム状の銀メッキ金網又はセラミック粒子を含む金網
24 ビーカー 25 流出管
26 ゼータ電位測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼装置に供給する前の液体燃料のゼータ電位がマイナスとなるように、(a)液体燃料又は(b)液体燃料と燃焼用空気に対して単一の周波数又は周波数が時間的に変化する交流電流を照射することを特徴とする液体燃料の交流電磁波処理方法。
【請求項2】
(a)液体燃料又は(b)液体燃料と燃焼用空気を燃焼装置に供給する前に、還元(−)型電磁波発生器から(i)液体燃料の供給手段又はその近傍又は(ii)液体燃料と燃焼用空気の両方の供給手段又は該両方の供給手段のいずれかの近傍に設けたコイル部に液体燃料のゼータ電位がマイナスとなるように、単一の周波数又は周波数が時間的に変化する交流電流を流すことで、前記液体燃料又は液体燃料と燃焼用空気に対して交流電磁波を照射することを特徴とする液体燃料の交流電磁波処理方法。
【請求項3】
燃焼用空気の供給手段又はその近傍に金属製編目体、金属製多孔体又は碁盤目状にセラミック粒子を配置して、該金属製編目体、金属製多孔体又は碁盤目状のセラミック粒子に前記交流電磁波を照射することを特徴とする請求項2記載の液体燃料の交流電磁波処理方法。
【請求項4】
液体燃料燃焼用の燃焼装置への(i)液体燃料供給手段又は(ii)液体燃料供給手段と燃焼用空気供給手段の両方に、又は(iii)液体燃料供給手段又は液体燃料供給手段と燃焼用空気供給手段の両方の供給手段の近傍に設けたコイル部と、
該コイル部に液体燃料のゼータ電位がマイナスとなるように、単一の周波数又は周波数が時間的に変化する交流電流を流す還元(−)型電磁波発生器と
を備えたことを特徴とする液体燃料の交流電磁波処理装置。
【請求項5】
燃焼用空気の供給手段又はその近傍に金属製編目体、金属製多孔体又は碁盤目状にセラミック粒子を配置したことを特徴とする請求項4記載の液体燃料の交流電磁波処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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