説明

液晶表示操作器

【課題】液晶表示操作器において、任意にバックライトの交換時期の設定を可能とする。
【解決手段】液晶表示操作器1は、液晶用のバックライト12の寿命データを記憶するメモリ16と、寿命データを表示する液晶表示部1aと、液晶表示部1aに表示された寿命データに基づいて、バックライト12の交換時期を変更可能に入力する操作入力部13と、バックライト12の累積点灯時間を計測するタイマ部15と、操作入力部13で入力された交換時期、及び累積点灯時間を比較し、累積点灯時間が交換時期に達したときにバックライト12の交換を報知する制御部14とを備える。この構成により、液晶表示操作器1において、任意にバックライト12の交換時期の設定を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信により照明機器などの負荷を遠隔監視制御するためのシステムに用いられる液晶表示操作器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、照明器具やエアコンなどの負荷の遠隔監視制御を行うため、通信線を通してスイッチのオンオフ情報を含む伝送信号を伝送し、負荷の電源を入切するリレーを伝送信号によって開閉させる技術が知られている。
【0003】
この遠隔監視制御システムとして、例えば、スイッチと、負荷への電源を入切するリレーを有する制御用端末器とを備え、伝送ユニットをセンタ装置として備えた集中制御型のものがある。これら伝送ユニット、スイッチ及び制御用端末器とはそれぞれ2線式の信号線に接続され、伝送ユニットは、スイッチ及び制御用端末器に個別に設定されている端末アドレスを用いてスイッチ及び制御用端末器を各別に認識する。
【0004】
伝送ユニットは、スイッチと制御用端末器とをアドレスによって対応付けた制御テーブルを記憶している。伝送ユニットは、いずれかのスイッチのオンオフ情報が伝送信号を用いて通知されると、制御テーブルによって当該スイッチに対応付けられている制御用端末器に対して伝送信号を用いてリレーを開閉する指示を伝送する。この指示を受けた制御用端末器においてリレーが開閉される。このため、スイッチのオンオフに応じて負荷が制御されることになる。
【0005】
また、この遠隔監視制御システムに用いるスイッチ操作器には、例えばユーザの操作性を向上させるため液晶タッチスイッチを備える液晶表示操作器が用いられる。液晶表示操作器は、液晶タッチスイッチを備えることで、スイッチのコンパクト化、スイッチ部の名前の入力、スイッチサイズの変更などを可能とし、ユーザ操作の快適性を向上できる。
【0006】
この液晶表示操作器は、バックライトを用いて背面側から液晶表示部を照射している。バックライトは、時間の経過と共に徐々に暗くなる寿命特性を有し、また使用法により寿命が異なる。このため、ユーザは、明確なバックライトの交換時期が分からず、液晶表示操作器の液晶画面が暗くなっても我慢しながら使用する場合がある。この問題に対し、液晶表示部の自動消灯機能を備えた装置や、バックライトの累積点灯時間や液晶パネルへの接触回数など計測してバックライトの交換時期をユーザに報知する装置や方法が開示されている。
【0007】
例えば、点灯及び消灯時刻から累積した点灯時間を演算し、バックライトの寿命を判定して報知する液晶表示付セキュリティ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、使用環境が変動したことによってバックライトの寿命特性が変わった場合であっても、バックライトの輝度を適切に制御可能としたバックライト制御装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−2159号公報
【特許文献2】特開2008−311008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の液晶表示操作器において、タイマ部で計測される累積点灯時間などに基づいて一律にバックライトの交換時期を通知すると、ユーザによっては液晶表示部の明るさは十分だと感じているのに「バックライト交換」が通知される場合がある。この場合、ユーザは不満を感じることが考えられる。
【0010】
すなわち、ユーザによっては液晶画面が少しでも暗くなればバックライトの交換を希望する人や、液晶画面が多少暗くなっても不満を感じない人もいる。従って、バックライトの累積点灯時間に基づいて、一律にユーザにバックライトの交換時期を通知することは必ずしも適切な報知とは言えない。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、個々のユーザの趣向に合わせて、バックライトの交換時期を報知可能とする液晶表示操作器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、通信により負荷を遠隔監視制御するためのシステムに用いられ、液晶用のバックライトを有する液晶表示操作器において、前記バックライトの寿命データを記憶する記憶手段と、少なくとも前記寿命データを液晶画面に表示する表示手段と、前記表示手段に表示された寿命データに基づいて、バックライトの交換時期を変更可能に入力する入力手段と、前記バックライトの累積点灯時間を計測するタイマ手段と、前記入力手段で入力された交換時期と前記累積点灯時間とを比較し、前記累積点灯時間が前記交換時期に達したとき、又は前記累積点灯時間が前記交換時期から所定値内になったときにバックライトの交換を報知する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
この液晶表示操作器において、前記記憶手段は、前記寿命データとして、バックライトの寿命時間を記憶し、前記表示手段は、前記バックライトの寿命時間を表示し、前記交換時期は、前記入力手段を介して前記寿命時間から所定の時点を選択することで設定されることが好ましい。
【0014】
この液晶表示操作器において、前記記憶手段は、前記寿命データとして、バックライトの点灯時間及び輝度の関係を示す輝度低減曲線を保持し、前記表示手段は、前記輝度低減曲線を表示し、前記交換時期は、前記入力手段を介して前記輝度低減曲線から所定の輝度を選択することで設定されることが好ましい。
【0015】
この液晶表示操作器において、前記制御手段は、前記表示手段に表示される画面の背景色を変化させることで、バックライトの交換時期を報知することが好ましい。
【0016】
この液晶表示操作器において、前記制御手段は、前記表示手段に表示される画面に警告メッセージを表示することで、バックライトの交換時期を報知することが好ましい。
【0017】
この液晶表示操作器において、前記制御手段は、所定の音声を発生させることで、バックライトの交換時期を報知することが好ましい。
【0018】
この液晶表示操作器において、前記遠隔監視制御するためのシステムが、リレーをオンオフすることで前記負荷を制御する制御用端末器を接続する場合に、前記交換時期に達した場合に、予め設定してあるアドレスの前記制御用端末器に対し、前記リレーをオン状態にする制御信号を送信する通信手段を備えることが好ましい。
【0019】
この液晶表示操作器において、前記遠隔監視制御するためのシステムが、前記液晶表示操作器を管理する電子機器を備える場合に、前記電子機器の画面上でバックライトが前記交換時期に達したことを報知するための制御信号を送信する通信手段を備えることが好ましい。
【0020】
この液晶表示操作器において、前記表示手段は、バックライトの前記累積点灯時間、バックライトの寿命時間、及びバックライトの残りの使用時間の少なくとも1つを表示することが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る液晶表示操作器によれば、記憶手段には液晶用のバックライトの寿命データが記憶され、ユーザは、入力手段を用いて、当該記憶手段に記憶された寿命データに基づいてバックライトの交換時期を変更可能に設定できる。このため、個々のユーザの趣向に合わせてバックライトの交換時期を報知できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)本発明の実施の形態1に係る液晶表示操作器の分解斜視図、(b)同上液晶表示操作器の斜視図である。
【図2】同上液晶表示操作器のシステム構成図である。
【図3】同上液晶表示操作器の機能ブロック図である。
【図4】同上液晶表示操作器のメモリに記憶される寿命曲線の一例を示す図である。
【図5】同上液晶表示操作器のバックライトの交換時期の設定画面の一例を示す図である。
【図6】同上液晶表示操作器の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】同上実施の形態1の変形例1に係る液晶表示操作器の画面表示の一例を示す図である。
【図8】同上実施の形態1の変形例2に係る液晶表示操作器の画面表示の一例を示す図である。
【図9】同上実施の形態1の変形例3に係る液晶表示操作器の画面表示の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る液晶表示操作器のシステム構成図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る液晶表示操作器のシステム構成図である。
【図12】同上実施の形態3の変形例に係る液晶表示操作器の画面表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態に係る液晶表示操作器について図面を参照して説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1(a)に示すように、液晶表示操作器1は、液晶用のバックライトの交換時期の報知機能を有し、例えば、後部が壁内に埋め込まれる形で壁に固定される埋込ブロック10と、埋込ブロック10の前面側に着脱可能に装着されるパネルブロック11とを備える。パネルブロック11は、図1(b)に示す液晶表示部1aと、この液晶表示部1aの前面に重ねて配置される透明な板状のタッチスイッチからなる操作入力部と、液晶用のバックライトとを備えている。
【0025】
液晶表示操作器1は、通信により照明機器などの負荷を監視制御する遠隔監視制御システムに用いられる。図2に示すように、遠隔監視制御システムSは、液晶表示操作器1、伝送ユニット2、リレー制御用端末器3、操作スイッチ4、リモコントランス5、交流電源6、及びPC(電源装置)7を備え、2線式の信号線Lsを介して相互に接続されている。この遠隔監視制御システムSでは、室内などの壁面に埋め込まれた液晶表示操作器1及び操作スイッチ4を用いて、負荷3aのオン/オフ状態の操作できる。
【0026】
液晶表示操作器1は、液晶用のバックライトを有し、遠隔監視制御システムS内の照明器具などの負荷の遠隔制御を、液晶画面へのタッチ操作で実現できるリモコンスイッチである。液晶表示部1aの液晶画面には、例えば、1枚の表示シートごとに8個の操作ボタンが表示され、右側のタブを触れることで3枚の表示シートを自由に変更できる。ユーザは液晶表示部1aに表示される各スイッチに触れることで負荷制御のための操作入力を与える。このとき、液晶表示操作器1は、内部メモリに記憶されているアドレスの内、操作されたスイッチに対応するアドレスを含む通信コマンドを、信号線Lsを介して伝送ユニット2に送信する。
【0027】
伝送ユニット2は、液晶表示操作器1及び操作スイッチ4からの伝送信号に基づいて、伝送信号に含まれるアドレス情報から制御対象となる負荷3aを特定すると共に、負荷3aに対する制御状態を特定する。そして、伝送ユニット2は、制御対象となる負荷3aと対応するリレー制御用端末器3に対して、負荷3aのアドレス情報と、その制御状態とを制御指令信号として送信する。伝送ユニット2は、液晶表示操作器1及び操作スイッチ4とリレー制御用端末器3とをアドレスにより対応付けたアドレステーブルをメモリに保持する。なお、伝送ユニット2との情報のやり取りは、信号線Lsに多重伝送方式で伝送される伝送信号を通して行われる。
【0028】
リレー制御用端末器3は、複数のリレーを備え、各リレーのオンオフによって電源(AC100V)の供給をオンオフすることで負荷3aを点灯・消灯制御する。リレー制御用端末器3は、伝送ユニット2からの伝送信号に基づいて、自己に接続するリモコンリレー)のうち、制御対象となる負荷3aに対応するリモコンリレーに対して制御信号を送ることにより、リモコンリレーの状態を制御する。リモコンリレーの個々のリレーは、リレー制御用端末器3に制御されて、ブレーカ電源(AC100)などからの商用交流をオン/オフすることで、負荷3aをオン状態またはオフ状態にする。なお、図2では、リレー制御用端末器3、負荷3a及びスイッチ4をそれぞれ1台ずつ示しているが、実際にはそれぞれ複数台ずつ接続される。
【0029】
負荷3aは、負荷アドレスによって一意に特定することができる。例えば、リレー制御用端末器3には、負荷チャネル(Ch)と呼ばれる固有の識別子が割り当てられており、リレー制御用端末器3に接続するリモコンリレーには、負荷ナンバー(Nm)を呼ばれる固有の識別子が割り当てられている。負荷チャネル(Ch)と、負荷ナンバー(Nm)とを組み合わせることにより、負荷アドレス(Ch−Nm)が構成される。
【0030】
操作スイッチ4は、負荷3aを制御するための制御指令を出力するための入力端末器としての機能を担っている。具体的には、操作スイッチ4は、例えば室内などの任意の壁面に設置されており、負荷3aを利用するユーザによってプッシュ操作が可能な端末器である。操作スイッチ4は、スイッチのいずれかが操作されるのに応じて、そのスイッチに関連付けられているアドレス情報と、スイッチの操作状態とを制御指令として伝送ユニット2に送信する。
【0031】
リモコントランス5は、交流電源6からの商用電源(AC100V)を交流24Vに降圧して駆動用の電力を液晶表示操作器1に供給する。PC7は、バックライト12の交換時期などの液晶表示操作器1に関する情報を管理する。
【0032】
次に、液晶表示操作器1の機能構成に関して図3を参照して説明する。液晶表示操作器1は、液晶表示部1a、バックライト12、操作入力部13、制御部14、比較部14a、タイマ部15、メモリ(記憶手段)16、報知部17、及び通信部18を備える。
【0033】
液晶表示部1aは、液晶表示パネルであり、液晶駆動回路及び表示制御回路などによって、外部から入力される映像データや文字データに応じた画像情報や映像情報を表示する。液晶表示部1aには、例えば多数の画素を縦横にマトリクス状に配列したマトリクス表示型のものを用い、画素の組み合わせによって図形や文字をカラー表示する。
【0034】
バックライト12は、背面側から液晶表示部1aを照射する。バックライト12の発光体には、蛍光管(CCFL)や発光ダイオード(LED)などが使用され、蛍光管の場合には約1万時間、LEDの場合には約4万時間など、バックライト12は点灯時間の経過に伴い輝度が低下する寿命特性を有している。また、バックライト12は、制御部14からの制御信号に基づいて駆動電流(駆動電圧)を変化させ輝度を変更する。
【0035】
操作入力部13は、ユーザからの操作入力を受け付け、液晶表示部1aの画面(前面)に重ねて配置された透明な板状のタッチスイッチからなる。この操作入力部13は、透明なシート状部材に透明電極からなる接点部を多数個配列し、シート状部材に指などが触れた際にどの部分に触れたのかを出力する抵抗感圧方式のタッチスイッチであり、液晶表示部1aと共にタッチパネルディスプレイを構成する。ユーザにおいては液晶表示部1aの画面上の操作入力部13にタッチすることで負荷3aを制御することができる。なお、タッチアップディスプレイのタッチスイッチは、抵抗感圧方式に限らず、例えば静電容量方式、光学式のタッチスイッチであってもよい。
【0036】
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)を備え、プログラムに基づいてバックライト12の交換報知のための制御を行う。比較部14aは、操作入力部13を介してユーザにより設定された交換時期と、タイマ部15において計測されメモリ16に保持される累積点灯時間とを比較する。そして、累積点灯時間が交換時期に達した場合、または累積点灯時間が交換時期から所定値以内となった場合、液晶表示部1a及び報知部17を介してユーザに対してバックライト12の交換を報知する。
【0037】
タイマ部15は、汎用タイマであり、バックライト12が点灯されたときの点灯時間を計測する。このため、タイマ部15は、画面操作がある場合には、制御部14に割り込み信号を発生させて、メモリ16より点灯累積時間の読み込み処理を行う。その後、タイマ部15はカウントを開始して、画面操作がなくなって点灯が終了した場合には、タイマ部15のカウントを停止して、制御部14に割り込みを発生させて新たな計測数をメモリ16に書き込む。
【0038】
メモリ16は、フラッシュライトなどの小型メモリであり、バックライト12の種類に応じて、後述する点灯時間と輝度との関係を示す輝度減衰曲線(寿命曲線)を保持する。メモリ16は、また、液晶操作部1aや操作スイッチ4のスイッチに対応して設定されるアドレス(端末アドレス+負荷番号)も記憶する。報知部17は、バックライト12の寿命を音声で報知するスピーカである。通信部18は、信号線Lsを介して伝送ユニット2と接続されて制御信号の送受信を行う。
【0039】
次に、図4を用いてメモリ16に記憶されるバックライト12の輝度低減曲線(寿命曲線)40に関して説明する。本図において、縦軸は輝度(%)、横軸は点灯時間(h)を示しており、バックライト12が蛍光管の場合、点灯時間が1万時間を超えると急激に輝度が低下する特性を有していることが分かる。
【0040】
次に、液晶表示部1aに表示されるバックライト12の交換時期の設定画面を図5を参照して説明する。設定画面50には、バックライト12の輝度の経時変化や点灯時間が示され、ユーザは「輝度○○%到達時に報知」又は「点灯時間○○h到達時に報知」を設定画面50から自由に選択できる。
【0041】
なお、ユーザがバックライト12の交換時期を輝度で設定した場合、実際に液晶表示部1aの輝度を測定するのではない。この場合、制御部14は、輝度低減曲線40の関数をソフトウェアに組み込み、この曲線40に基づいて、設定された輝度から点灯時間を算出し、この点灯時間に基づいて交換時期の報知タイミングを決定する。なお、設定画面50に輝度低減曲線40を直接表示することもできる。
【0042】
次に、液晶表示操作器1の動作に関して図6を参照して説明する。最初に、ユーザは設定画面を介して、任意のバックライト12の交換時期を設定する(S61)。液晶表示操作器1は、通常、操作入力が所定期間以上検出されない場合にバックライト12を消灯させる自動消灯機能を有している。このため、制御部14は、液晶表示部1aにおいて新たな画面操作があるか否かを判定する(S62)。
【0043】
そして、制御部14は、新たな画面操作がある場合には(S62でYes)、液晶表示のためバックライト12を点灯する(S63)。そして、タイマ部15は、メモリ16から累積点灯時間の読み込み(S64)、バックライト12を点灯し始めた時点からの時間の計測を開始する(S65)。
【0044】
また、制御部14は、液晶表示部1aの画面点灯を終了したか否かを判定し(S66)、画面点灯を終了、すなわち画面が消灯した場合には(S66でYes)、メモリ16に計測値の書き込み処理を行う(S69)。なお、制御部14は、S64の処理を省き、メモリ16に蓄積されている前回までの累積点灯時間に、新たな計測値を加算してもよい。
【0045】
一方、制御部14は、新たな画面操作がない場合(S62でNo)、液晶画面を消灯し(S67)、画面が消灯したタイミングで計測を停止して(S68)、メモリ16に計測値の書き込み処理を行う(S69)。また、制御部14は、S61で設定した交換時期と、メモリ16に記憶される累積点灯時間とを比較する(S70)。そして、交換時期が累積点灯時間に達したか、或いは交換時期が累積点灯時間から所定値以内になった場合には(S70でYes)、液晶表示部1aや報知部17を用いてバックライト12の交換時期の報知を行う(S71)。
【0046】
以上のように、本実施の形態1に係る液晶表示操作器1においては、バックライト12の寿命曲線をメモリ16に記憶し、操作入力部13を介して、設定画面からバックライト12の交換時期を任意に設定できる。この場合、バックライト12の種類毎の寿命曲線をメモリ16に保持することで、購入時の何%の輝度になると想定されるタイミングで交換時期の報知を行うかを変更可能、または点灯時間に基づく交換時期の設定を行うことが可能となる。このため、液晶表示操作器1では、ユーザによっては報知されたくない輝度での報知を避け、逆に一刻も早く交換したい場合に早期に報知できるなど、バックライト12の交換時期の設定に自由度を持たせてユーザの使い勝手を良くできる。
【0047】
(第1の変形例)
本実施の形態1の第1の変形例について、図7を参照して説明する。本変形例では、液晶用のバックライト12の累積点灯時間が、設定された交換時期を超えた場合において、液晶表示操作器1の液晶表示部1aの背景色70を変化させることにより、バックライト12の交換時期をユーザ通知するものである。
【0048】
具体的には、液晶表示部1aにおける通常グレーの背景色を、例えば黄色や赤色などの背景色70に変化させる。このため、エンドユーザがバックライト12の交換時期を一目で確認できる。なお、この機能をキャンセルする機能を備えてもよい。
【0049】
(第2の変形例)
本実施の形態1の第2の変形例について、図8を参照して説明する。本変形例では、制御部14は、画面消灯からの復帰時に累積点灯時間がバックライト12の交換時期に達しているかを確認し、達している場合は、スイッチの画面を表示する前に液晶表示部1aに警告画面80を表示する。または、制御部14は、累積点灯時間がバックライト12の交換時期を超えた時点でフラグを立てて、それを確認して警告画面80を表示する。
【0050】
具体的には、図8の警告画面80のように、液晶表示部1aに「交換時期が近づいています。バックライトの交換の準備を行って下さい」などの警告メッセージを表示する。これにより、バックライト12の設定した交換時期に近づいたことを、警告画面80を介して明確にユーザへ伝えることができる。
【0051】
(第3の変形例)
本実施の形態1の第3の変形例について、図9を参照して説明する。本変形例では、制御部14は、累積点灯時間が交換時期に達している場合、スピーカ90などで音声を発する機能を有する。具体的には、スピーカ90は、ブザー音「ピーピ」、メッセージ音声「交換時期が近づいています。バックライトの交換を検討してください」などを発生させる。これにより、エンドユーザに対して、液晶表示部1aに交換表示をするより、バックライト12の交換を強く訴えることができ、ユーザにバックライト12の交換を促しやすい。なお、液晶表示部1aの画面点灯時に音声が鳴り、画面消灯時に音声を止めてもよく、この機能をキャンセルすることもできる。
【0052】
(実施の形態2)
以下、本発明に係る液晶表示操作器の実施の形態2に関して図10を参照して説明する。上記実施の形態1に係る液晶表示操作器1と同様の構成には同符号を付し、その詳細な説明は省略する(以下同様)。
【0053】
本実施の形態2に係る液晶表示操作器1は、信号線Lsを介してバックライト12の交換時期の報知アドレス(例えば、63ch−1)を設定したリレー制御用端末器3に接続される。液晶表示操作器1の制御部14は、通信部18を介して、バックライト12の交換時期に達すると当該アドレス(63ch−1)のリレーに対応する負荷3aをON状態にする制御信号を伝送ユニット2に送信する。
【0054】
この構成により、バックライト12の交換時期に達した場合、管理室100の負荷(ランプ)3aが点灯し、特定のユーザのみがバックライト12の交換を確認でき、エンドユーザに対して不信感を抱かせることがない。なお、バックライト12の交換時期の報知をキャンセルすると負荷3aのリレーをOFF制御する機能があってもよい。
【0055】
(実施の形態3)
以下、本発明に係る液晶表示操作器の実施の形態3に関して図11を参照して説明する。本実施の形態3では、遠隔監視制御システムSが、液晶表示操作器1を管理するPC(電子機器)7を備える。液晶表示操作器1は、バックライト12の交換時期に達した場合の報知アドレス(例えば63ch−1)をPC7に設定し、交換時期に達すると伝送ユニット2及びエミットフル2線8を介して当該アドレス(63ch−1)のPC7に通知する。PC7では、特定のページでバックライト12の交換の可否のメッセージを表示する。このため、エミット端末であるPC7側のユーザが、特別な装置を必要とすることなく、PC7の画面上においてバックライト12の交換時期を確認できる。
【0056】
(第1の変形例)
本実施の形態3の第1の変形例について、図12を参照して説明する。本変形例では、液晶表示操作器1のメンテナンス時などにおいて、液晶表示部1aにバックライト12のメンテナンス確認画面121や点灯時間確認画面122を表示する。このメンテナンス確認画面121には、バックライト12の点灯時間の「初期化」、「補正」、「Version」、「点灯時間」の項目があり、「点灯時間」の領域に触れることで点灯時間確認画面122に移る。この点灯時間確認画面122には、「累積点灯時間」、「寿命までの残り点灯時間」の項目が表示される。
【0057】
この構成により、ユーザは、画面121,122を用いて、バックライト12の交換時期に達していない場合であっても、その時点でのバックライト12の交換に関する情報を確認できる。従って、メンテナンスユーザが必要に応じてバックライト12の交換時期を確認でき、エンドユーザに対して不信感を抱かせることがない。また、交換時期に近くない場合でも累積点灯時間等、バックライト12の点灯実績を確認することができ、バックライト12の交換時期の目安を立て易い。
【0058】
なお、本発明は、上記実施の形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、本発明は、液晶表示操作器1における使用に限定されるものではなく、パソコン、携帯電話やPDAなど、液晶表示画面を有する装置において適用できる。
【符号の説明】
【0059】
1 液晶表示操作器
1a 液晶表示部(表示手段)
2 伝送ユニット
3 リレー制御用端末器(制御用端末器)
4 操作スイッチ
5 リモコントランス
6 交流電源
7 PC(電子機器)
8 エミットフル2線
12 バックライト
13 操作入力部(入力手段)
14 制御部(制御手段)
14a 比較部
15 タイマ部(タイマ手段)
16 メモリ(記憶手段)
17 報知部
18 通信部
Ls 信号線
S 遠隔監視制御システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信により負荷を遠隔監視制御するためのシステムに用いられ、液晶用のバックライトを有する液晶表示操作器において、
前記バックライトの寿命データを記憶する記憶手段と、
少なくとも前記寿命データを液晶画面に表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された寿命データに基づいて、バックライトの交換時期を変更可能に入力する入力手段と、
前記バックライトの累積点灯時間を計測するタイマ手段と、
前記入力手段で入力された交換時期と前記累積点灯時間とを比較し、前記累積点灯時間が前記交換時期に達したとき、又は前記累積点灯時間が前記交換時期から所定値内になったときにバックライトの交換を報知する制御手段と、を備えることを特徴とする液晶表示操作器。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記寿命データとして、バックライトの寿命時間を記憶し、
前記表示手段は、前記バックライトの寿命時間を表示し、
前記交換時期は、前記入力手段を介して前記寿命時間から所定の時点を選択することで設定される、ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示操作器。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記寿命データとして、バックライトの点灯時間及び輝度の関係を示す輝度低減曲線を保持し、
前記表示手段は、前記輝度低減曲線を表示し、
前記交換時期は、前記入力手段を介して前記輝度低減曲線から所定の輝度を選択することで設定される、ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示操作器。
【請求項4】
前記制御手段は、前記表示手段に表示される画面の背景色を変化させることで、バックライトの交換時期を報知する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の液晶表示操作器。
【請求項5】
前記制御手段は、前記表示手段に表示される画面に警告メッセージを表示することで、バックライトの交換時期を報知する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の液晶表示操作器。
【請求項6】
前記制御手段は、所定の音声を発生させることで、バックライトの交換時期を報知する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の液晶表示操作器。
【請求項7】
前記遠隔監視制御するためのシステムが、リレーをオンオフすることで前記負荷を制御する制御用端末器を接続する場合に、前記交換時期に達した場合に、予め設定してあるアドレスの前記制御用端末器に対し、前記リレーをオン状態にする制御信号を送信する通信手段を備える、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の液晶表示操作器。
【請求項8】
前記遠隔監視制御するためのシステムが、前記液晶表示操作器を管理する電子機器を備える場合に、前記電子機器の画面上でバックライトが前記交換時期に達したことを報知するための制御信号を送信する通信手段を備える、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の液晶表示操作器。
【請求項9】
前記表示手段は、バックライトの前記累積点灯時間、バックライトの寿命時間、及びバックライトの残りの使用時間の少なくとも1つを表示する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の液晶表示操作器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−198419(P2012−198419A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62949(P2011−62949)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】