説明

渦防止装置および該渦防止装置を備えた両吸込み縦型ポンプ

【課題】空気吸込み渦の発生を防止することができる渦防止装置および該渦防止装置を備えた両吸込み縦型ポンプを提供する。
【解決手段】渦防止装置は、開水路1に配置される上部吸込口10aおよび下部吸込口11aを有する両吸込み縦型ポンプと組み合わせて使用される。渦防止装置は、上部吸込口の上方に配置される渦防止構造体としての板部材20を備える。板部材20は上部吸込口10aから離間して配置され、板部材20と上部吸込口10との間には流路が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水機場や発電所に利用される循環水ポンプ等の両吸込み縦型ポンプに使用される渦防止装置に係わり、特に吸込水槽などのポンプピット内の水を揚水する際に、空気吸い込み渦や水中渦が発生することを防止する渦防止装置に関する。また、本発明は、このような渦防止装置を備えた両吸込み縦型ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、吸込水槽に設置されるポンプとして、片吸込み縦型ポンプに代えて両吸込み縦型ポンプが使用される傾向にある。両吸込み縦型ポンプは、片吸込み縦型ポンプと比較して、各吸込口への流量が約半分となるため、吸込み性能が向上するという利点があり、有効吸込ヘッド(Net Positive Suction Head)を小さくできる。吸込み性能が向上すると、低水位での揚水運転が可能となり、吸込水槽の深さを浅くすることができる。したがって、吸込水槽のコストダウンを実現することができる。
【0003】
さらに、吸込性能の向上によりインペラ入口部でキャビテーションが生じにくくなり、それによる悪影響(気泡化、気泡の消滅によるインペラおよびケーシング表面の壊食)も生じにくくなるため、インペラの回転速度をさらに高く設定することが可能となる。したがって、揚水性能を維持したままインペラの径を小さくすることができ、ポンプサイズをコンパクト化してポンプ自体のコストダウンが可能となる。
【0004】
このように、両吸込み縦型ポンプは、片吸込み縦型ポンプと比較して、各吸込口への流量が約半分となるため、吸込口にてキャビテーションを発生しにくいという利点を有するのであるが、2つある吸込口のうち一方が上方を向いているために、水面からの空気吸込み渦が発生しやすいという問題がある。このため、水位を低くして吸込水槽の深さを浅くすることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−332983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、両吸込み縦型ポンプでの空気吸込み渦の発生を防止することができる渦防止装置を提供することを目的とする。また、本発明は、空気吸込み渦を発生させずに運転することができる両吸込み縦型ポンプ提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、開水路に配置される上部吸込口および下部吸込口を有する両吸込み縦型ポンプと組み合わせて使用される渦防止装置であって、前記上部吸込口の上方に配置される渦防止構造体を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の好ましい態様は、前記渦防止構造体は、前記上部吸込口との間に隙間を空けて配置された板部材であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記渦防止構造体は、前記上部吸込口との間に隙間を空けて配置された傘状の板部材であり、前記板部材は、下方に傾斜するテーパ状の外周部を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記渦防止構造体は、前記上部吸込口との間に隙間を空けて配置された傘状の板部材であり、前記板部材は、下方に湾曲する外周部を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の好ましい態様は、前記渦防止構造体は、前記上部吸込口を覆うように配置された網部材であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記渦防止構造体は、互いに離間する上側板部材と下側板部材とを有し、前記下側板部材は、前記上部吸込口から離間して配置され、前記下側板部材の中央部には、前記上部吸込口の上方に位置する開口部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の好ましい態様は、前記渦防止構造体は、前記上部吸込口との間に隙間を空けて配置された板部材であり、前記板部材は、前記開水路を流れる液体の流れに対して下流側に向かって延びる延長部を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記渦防止構造体は、前記上部吸込口との間に隙間を空けて配置された板部材と、前記板部材の上面に配置された少なくとも1つのリブであることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記少なくとも1つのリブは、前記上部吸込口の径方向に延びる複数のリブであることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記少なくとも1つのリブは、前記上部吸込口の周方向に沿って延びる環状のリブであることを特徴とする。
【0011】
本発明の好ましい態様は、前記渦防止構造体は、前記上部吸込口との間に隙間を空けて配置された板部材であり、前記板部材は、前記上部吸込口の径よりも大きく形成され、前記板部材は、前記上部吸込口の径よりも小さな開口を有していることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記渦防止構造体は、前記上部吸込口に近接して配置された複数の鉛直板であり、前記鉛直板は、前記上部吸込口の径方向に延びていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記渦防止構造体は、前記両吸込み縦型ポンプの回転軸の露出部分を囲むように配置された円筒部材であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記渦防止構造体は、前記上部吸込口の上方に配置された鉛直板であり、前記鉛直板は、前記開水路を流れる液体の流れに対して前記上部吸込口の下流側に位置していることを特徴とする。
【0012】
本発明の好ましい態様は、前記渦防止構造体は、前記上部吸込口の上方に配置された少なくとも1枚の傾斜板であり、前記傾斜板は、前記開水路を流れる液体の流れに対して下流側に向かって下方に傾いていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記少なくとも1枚の傾斜板は、上下方向に並列に配列された複数の傾斜板であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記傾斜板は、前記液体の流れに沿って下向きに湾曲していることを特徴とする。
【0013】
本発明の他の態様は、開水路に配置される上部吸込口および下部吸込口を有する両吸込み縦型ポンプであって、上記渦防止装置を備えたことを特徴とする両吸込み縦型ポンプである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、上部吸込口の上方に渦防止構造体が配置されるので、開水路内の水面からの空気吸い込み渦が発生しにくくなり、1つの吸込口のみを持つ片吸込み縦型ポンプと比較して、低水位での揚水運転が可能となる。その結果、開水路の高さを低く設計でき、ポンプ機場のコストダウンを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、吸込水槽に配置された両吸込み縦型ポンプを示す側面図である。
【図2】図2(a)は、吸込水槽と両吸込み縦型ポンプとの位置関係を示す上面図であり、図2(b)は、吸込水槽と両吸込み縦型ポンプとの位置関係を示す上面図である。
【図3】図3は、図1のA−A線断面を示す図である。
【図4】図4は、図1のB−B線断面を示す図である。
【図5】図5は、図4のC−C線断面を示す図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。
【図7】図7は、図6に示す板部材の縦断面図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。
【図9】図9は、図8に示す傘状の板部材の縦断面図である。
【図10】図10は、本発明のさらに他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。
【図11】図11は、図10に示す傘状の板部材の縦断面図である。
【図12】図12は、本発明のさらに他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。
【図13】図13(a)は、図12に示す網部材の上面図であり、図13(b)は、図12に示す網部材の側面図である。
【図14】図14は、本発明のさらに他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。
【図15】図15は、図14に示す二重板部材の縦断面図である。
【図16】図16は、図15のA−A線矢視図である。
【図17】図17は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。
【図18】図18(a)は、図17に示す板部材の上面図であり、図18(b)は、図17に示す板部材の縦断面図である。
【図19】図19は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。
【図20】図20(a)は、図19に示す渦防止構造体の上面図であり、図20(b)は、図19に示す渦防止構造体の縦断面図である。
【図21】図21(a)は、本実施形態に係る渦防止構造体の他の例を示す上面図であり、図21(b)は、図21(a)に示す渦防止構造体の縦断面図である。
【図22】図22は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。
【図23】図23は、図22に示す板部材の上面図である。
【図24】図24は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。
【図25】図25は、図24に示すD−D線断面図である。
【図26】図26は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。
【図27】図27(a)は、図26に示す円筒部材の上面図であり、図27(b)は、図26に示す円筒部材の断面図である。
【図28】図28は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。
【図29】図29は、図28に示す渦防止構造体の上面図である。
【図30】図30は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。
【図31】図31は、図30に示す渦防止構造体の上面図である。
【図32】図32は、本実施形態に係る渦防止装置の変形例を示す図である。
【図33】図33は、本実施形態に係る渦防止装置の他の変形例を示す図である。
【図34】図34は、本実施形態に係る渦防止装置のさらに他の変形例を示す図である。
【図35】図35は、図6に示す板部材と図33に示す湾曲した傾斜板とを組み合わせた例を示す図である。
【図36】図36は、図35に示す板部材、揚水管、および吐出管の関係を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、吸込水槽に配置された両吸込み縦型ポンプを示す側面図である。図2(a)および図2(b)は、吸込水槽と両吸込み縦型ポンプとの位置関係を示す上面図である。また、図3は、図1のA−A線断面を示す図であり、図4は図1のB−B線断面を示す図である。さらに、図5は、図4のC−C線断面を示す図である。
【0017】
図1乃至図5に示すように、両吸込み縦型ポンプは、開水路である吸込水槽1に設置されている。この両吸込み縦型ポンプは、縦方向に延びる回転軸5と、この回転軸5に固定された両吸込型インペラ6と、インペラ6を収容するケーシング7と、ケーシング7の上部および下部に固定された上部ベルマウス10および下部ベルマウス11とを備えている。
【0018】
上部ベルマウス10は、上方を向いて開口する上部吸込口10aを有し、下部ベルマウス11は、下方を向いて開口する下部吸込口11aを有している。ケーシング7はインペラ6を囲むように形成されたボリュート室7aを有している。このボリュート室7aは、2本の吐出管15A,15Bを通じて揚水管14に連通している。これら吐出管15A,15Bは、揚水管14とケーシング7とを連結する脚部としても機能する。揚水管14は縦方向に延び、その内部を通って回転軸5が延びている。回転軸5は、揚水管14に設けられた水中軸受17と、下部ベルマウス11に設けられた水中軸受18とにより回転自在に支持されている。水中軸受17は揚水管14の下端に位置しており、水中軸受17の下方にはブッシュ19が配置されている。ブッシュ19は回転軸5を囲む内周面を有し、ブッシュ19と回転軸5との間には微小な隙間が形成されている。このブッシュ19を水中軸受17の外側に配置することにより、昇圧された水が揚水管14の外部に漏れることが抑制される。
【0019】
回転軸5は、図示しない駆動源に接続されており、駆動源によって回転軸5およびインペラ6は一体に回転するようになっている。インペラ6が回転すると、吸込水槽1内の水は、上部吸込口10aおよび下部吸込口11aからケーシング7内に吸い込まれる。そして、回転するインペラ6により昇圧され、吐出管15A,15Bを通って揚水管14内を上方に移送される。駆動源としては、モータ、ディーゼルエンジン、ガスタービンなどが使用される。
【0020】
2本の吐出管(脚部)15A,15Bは、回転軸5に関して対称に配置されている。さらに、これら吐出管15A,15Bは、吸込水槽1内の水流の流れに沿って配列される。より具体的には、吐出管15Bは吸込口10a,11aの上流側に配置され、吐出管15Aは吸込口10a,11aの下流側に配置されている。
【0021】
両吸込み型縦型ポンプにおいては、図1に示すように、界面から延びる吸い込み渦200,201,202が発生しやすい。吸い込み渦200は、空気と水との界面から発生する空気吸い込み渦である。吸い込み渦201は、吸込水槽1の後壁と水との界面から発生する水中渦であり、吸い込み渦202は、吸込水槽1の底と水との界面から発生する水中渦である。吸い込み渦201は、ポンプの吸込口10aと吸込水槽1の後壁との距離が短いときに成長しやすい。このため、吐出管(脚部)15Aが後壁に対向するようにポンプを配置して、吸込口10aを後壁から遠ざけている。
【0022】
吸い込み渦200は上部吸込口10aと水面との距離に依存して発生しやすさが変わり、この距離が短いほど発生しやすくなる。また、吸い込み渦200は吸込水槽1の水位に依存して発生形態が変わる。具体的には、図1に示す水位Lは、2本の吐出管15A,15Bの合流点、すなわち揚水管14の下端に位置している。吸込水槽1の水位がレベルLよりも高いときは、図2(a)に示すように、揚水管14の下流側にカルマン渦状のはく離渦が形成される。吸い込み渦200はこのはく離渦をきっかけとして成長する。一方、吸込水槽1の水位がレベルLよりも低いと、上流側の吐出管15Bの存在により、図2(b)に示すように上部吸込口10aの真上にカルマン渦状のはく離渦が発生し、これが原因となって空気吸い込み渦が発生する。
【0023】
このように、空気吸い込み渦は、水面と吸込口との距離、およびカルマン渦状のはく離渦の形成に依存する。したがって、空気吸い込み渦を防止するためには、水面と吸込口10aとの距離を長くすること、およびはく離渦(旋回流)を破壊することが効果的である。そこで、この両吸込み型縦型ポンプは、空気吸い込み渦の発生を防止する渦防止装置を備えている。以下、この渦防止装置について詳細に説明する。
【0024】
図6は、本発明の一実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。図6に示すように、上部吸込口10aの上方には、水面からの空気吸い込み渦の発生を防止する渦防止構造体としての板部材20が配置されている。この板部材20は上部吸込口10aとの間に隙間(すなわち水の流路)が形成されるように、上部吸込口10aから離間して配置されている。板部材20は揚水管14と上部吸込口10aとの間に位置しており、回転軸5は板部材20を貫通して延びている。板部材20は、上述した2本の吐出管15A,15Bに固定されており、水面よりも下方に位置している。
【0025】
図7は、図6に示す板部材の縦断面図である。板部材20の中央は、下方に突出して略円錐台状の突出部20aを形成し、その中心には回転軸5が貫通する通孔20bが形成されている。突出部20a以外の板部材20の表面は平坦となっている。板部材20の大きさ(横方向の寸法)は上部吸込口10aの径よりも大きく、上部吸込口10aは隙間を介して板部材20によって覆われている。したがって、上部吸込口10aは、実質的に側方を向くことになり、水面からの上部吸込口10aまでの水の経路が長くなる。これにより、空気吸い込み渦が発生しにくくなる。板部材20の形状は特に限定されるものではないが、適用可能な板部材20の形状の具体例としては、円盤状、矩形状、多角形状などを挙げることができる。
【0026】
図8は、本発明の他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。この渦防止装置は、上部吸込口10aの上方に配置された、渦防止構造体としての傘状の板部材30を備えている。この板部材30は上部吸込口10aとの間に隙間(すなわち水の流路)が形成されるように、上部吸込口10aから離間して配置されている。板部材30は揚水管14と上部吸込口10aとの間に位置しており、回転軸5は板部材30を貫通して延びている。板部材30は、上述した2本の吐出管15A,15Bに固定されており、水面よりも下方に位置している。
【0027】
図9は、図8に示す傘状の板部材の縦断面図である。板部材30の中央は、下方に突出して略円錐台状の突出部30aを形成し、その中心には回転軸5が貫通する通孔30bが形成されている。板部材30の外周部は、径方向外側に向かって下方に傾斜したテーパ部30cを構成している。板部材30の径は上部吸込口10aの径よりも大きく、上部吸込口10aは隙間を介して板部材30によって覆われている。また、板部材30の最外周端部は、上部吸込口10aと同じ高さ、または上部吸込口10aよりも低い位置にある。したがって、上部吸込口10aは、実質的に下方を向くことになり、水面からの上部吸込口10aまでの水の経路がさらに長くなる。これにより、空気吸い込み渦がさらに発生しにくくなる。
【0028】
図10は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。この実施形態の特に説明しない構成および位置は、図8および図9に示す実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。この実施形態においても、渦防止構造体としての傘状の板部材40が上部吸込口10aの上方に配置されている。図11は、図10に示す傘状の板部材の縦断面図である。板部材40の中央は、下方に突出して略円錐台状の突出部40aを形成し、その中心には回転軸5が貫通する通孔40bが形成されている。板部材40の外周部は、径方向外側に向かって下方に湾曲した湾曲部40cを構成している。この湾曲部40cと中央部に形成された突出部40aとにより、板部材40の内側には滑らかな流路が形成される。
【0029】
板部材40の径は上部吸込口10aの径よりも大きく、上部吸込口10aは隙間を介して板部材40によって覆われている。また、板部材40の最外周端部は、上部吸込口10aと同じ高さ、または上部吸込口10aよりも低い位置にある。したがって、上部吸込口10aは、実質的に下方を向くことになり、水面からの上部吸込口10aまでの水の経路が長くなる。これにより、空気吸い込み渦をさらに効果的に防止することができる。さらに、板部材40の内側に形成される流路は滑らかであり、流路面積の急拡大が生じにくく、圧力損失が発生しにくい。したがって、ポンプ性能の低下を防ぎつつ、空気吸い込み渦の発生を防止することができる。
【0030】
図9乃至図11に示す渦防止構造体としての傘状の板部材(符号30および40で示す)は、その渦防止機能を効果的に発揮するためには、全体として上部吸込口10aよりもある程度大きな径を有する必要がある。上部吸込口10aの径が大きいと、流路面積の急拡大を抑えて圧力損失が発生しにくくするため、板部材の寸法も大きくする必要があり、吐出管(脚部)15A,15Bからはみ出してしまい、ポンプをコンパクトにできない場合もあり得る。そこで、上部吸込口10aを従来の両吸込み縦型ポンプよりも小さくして、板部材が吐出管(脚部)15A,15Bよりも内側に位置するようにすることが好ましい。
【0031】
図12は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。図12に示すように、本実施形態では、渦防止構造体として網部材50が上部吸込口10aを覆うように配置されている。この網部材50は上部ベルマウス10に固定されており、水面よりも下方に位置している。図13(a)は図12に示す網部材の上面図であり、図13(b)は網部材の側面図である。網部材50は、円筒状の周壁50aと、この周壁50aの上部開口を覆う上壁50bとから構成されている。ただし、網部材50の形状は円筒状に限らず、他の形状であってもよい。この網部材50により、空気吸い込み渦が上部吸込口10aに進入する前にこの空気吸い込み渦を破壊することができる。
【0032】
図14は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。この渦防止装置は、上部吸込口10aの上方に配置された、渦防止構造体としての二重板部材60を備えている。この二重板部材60は、水平に配置された互いに平行な上側板部材60Aおよび下側板部材60Bとから構成されている。上側板部材60Aおよび下側板部材60Bは互いに離間しており、同心状に配列されている。さらに下側板部材60Bと上部吸込口10aとの間に隙間(すなわち水の流路)が形成されるように、下側板部材60Bは上部吸込口10aから離間して配置されている。二重板部材60は揚水管14と上部吸込口10aとの間に位置しており、回転軸5は二重板部材60を貫通して延びている。二重板部材60は、上述した2本の吐出管15A,15Bに固定されており、水面よりも下方に位置している。上側板部材60Aの大きさ(横方向の寸法)は下側板部材60Bの大きさ(横方向の寸法)よりも小さく、下側板部材60Bの大きさは上部吸込口10aの径よりも大きく設定されている。
【0033】
図15は、図14に示す二重板部材の縦断面図である。図16は図15のA−A線矢視図である。上側板部材60Aの中心には、回転軸5が貫通する通孔60aが形成されている。下側板部材60Bの中心にも、回転軸5が貫通する開口部60bが形成されている。この開口部60bは、上部吸込口10aの上方に位置しており、上部吸込口10aと同心状に配置されている。開口部60bの径は上側板部材60Aの大きさよりも小さく、また、上部吸込口10aの径よりもやや小さくなっている。なお、開口部60bの径は上部吸込口10aの径と同じか、またはやや大きくてもよい。下側板部材60Bの上面には、複数の突起部材61が設けられている。これらの突起部材61は開口部60bを囲むように周方向に等間隔に配置されており、開口部60bの径方向に延びている。突起部材61は、インペラ6による吸込み流れの回転成分を抑制し、吸込み性能を向上させる効果がある。
【0034】
このように配置された二重板部材60によれば、図14の矢印に示すように、水の進路は2つに分割されその後合流するため、空気吸い込み渦は2つに分割され合流する水の流れによって破壊される。したがって、上部吸込口10aへの空気吸い込み渦の進入を防止することができる。
【0035】
図17は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。渦防止構造体としての板部材70は、上部吸込口10aの上方に配置されている。この板部材70は上部吸込口10aとの間に隙間(すなわち水の流路)が形成されるように、上部吸込口10aから離間して配置されている。板部材70は揚水管14と上部吸込口10aとの間に位置しており、回転軸5は板部材70を貫通して延びている。板部材70は、上述した2本の吐出管15A,15Bに固定されており、水面よりも下方に位置している。
【0036】
図18(a)は、図17に示す板部材の上面図であり、図18(b)は、図17に示す板部材の縦断面図である。板部材70の、吸込水槽1内の水流に対して下流側の部分は延長されている。すなわち、板部材70は、上方から見たときに、円板部70aと、その下流側端部に一体に接続された延長部70bとを有している。円板部70aの中央は、下方に突出して略円錐台状の突出部70cを形成し、その中心には回転軸5が貫通する通孔70dが形成されている。突出部70c以外の板部材70の表面は平坦となっている。板部材70の大きさ(横方向の寸法)は上部吸込口10aの径よりも大きく、上部吸込口10aは隙間を介して板部材70によって覆われている。したがって、上部吸込口10aは、実質的に側方を向くことになり、水面からの上部吸込口10aまでの水の経路が長くなる。これにより、空気吸い込み渦が発生しにくくなる。
【0037】
図1に示すように、空気吸い込み渦200は、揚水管14の下流側に形成されやすい。したがって、本実施形態のように、下流側に向かって延びる延長部70bを有する板部材70を上部吸込口10aの上方に配置することにより、空気吸い込み渦の発生を防止することができる。なお、板部材70全体の形状は、図示する例に限られず、上記延長部を有する矩形状であってもよい。また、板部材70は、図9または図11に示すように、その外周縁が下方に傾斜した形状または湾曲した形状を有してもよい。
【0038】
図19は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。本実施形態に係る渦防止構造体80は、板部材80aと、この板部材80aの上面に固定された複数の長板状のリブ80bとを備えている。板部材80aは、上部吸込口10aの上方に配置されている。この板部材80aは上部吸込口10aとの間に隙間(すなわち水の流路)が形成されるように、上部吸込口10aから離間して配置されている。板部材80aは揚水管14と上部吸込口10aとの間に位置しており、回転軸5は板部材80aを貫通して延びている。板部材80aは、上述した2本の吐出管15A,15Bに固定されており、水面よりも下方に位置している。
【0039】
図20(a)は、図19に示す渦防止構造体の上面図であり、図20(b)は、図19に示す渦防止構造体の縦断面図である。リブ80bは、板部材80aおよび上部吸込口10aの径方向に延び、板部材80aの中心周りに等間隔で配置されている。リブ80bと吐出管(脚部)15A,15Bとの位置関係は特に限定されない。また、図に示される例では4本のリブ80bが配置されているが、リブ80bの数は特に限定されない。さらに、図示される板部材80aは円板形状であるが、これに限らず、矩形状などの他の形状であってもよい。また、板部材80aは、図9または図11に示すように、その外周縁が下方に傾斜した形状または湾曲した形状を有してもよい。
【0040】
板部材80aの中央は、下方に突出して略円錐台状の突出部80cを形成し、その中心には回転軸5が貫通する通孔80dが形成されている。突出部80c以外の板部材80aの表面は平坦となっている。板部材80aの大きさ(横方向の寸法)は上部吸込口10aの径よりも大きく、上部吸込口10aは隙間を介して板部材80aによって覆われている。したがって、上部吸込口10aは、実質的に側方を向くことになり、水面からの上部吸込口10aまでの水の経路が長くなる。これにより、空気吸い込み渦が発生しにくくなる。さらに、リブ80bによって上部吸込口10a付近の水流が乱れ、安定した渦ができにくくなる。また、リブ80bによって板部材80aの剛性が向上するので、水流による板部材80aの振動を防止することができる。
【0041】
図21(a)は、本実施形態に係る渦防止構造体の他の例を示す上面図であり、図21(b)は、図21(a)に示す渦防止構造体の縦断面図である。この例では、板部材80aおよび上部吸込口10aの周方向に延びる環状のリブ80bが板部材80aの上面に設けられている。リブ80bは、板部材80aの周端部の近傍に配置され、板部材80aの全周を延びて環状壁を形成している。この例においても、図20(a)および図20(b)に示すリブと同様の効果が得られる。なお、リブ80bと吐出管15A,15Bとは接触してもよく、また、吐出管15A,15Bに接触するリブ80bの部分に、吐出管15A,15Bの形状に沿った切り欠きを形成してもよい。また、板部材80aは、図9または図11に示すように、その外周縁が下方に傾斜した形状または湾曲した形状を有してもよい。
【0042】
図22は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。渦防止構造体としての板部材90は、上部吸込口10aの上方に配置されている。この板部材90は上部吸込口10aとの間に隙間(すなわち水の流路)が形成されるように、上部吸込口10aから離間して配置されている。板部材90は揚水管14と上部吸込口10aとの間に位置しており、回転軸5は板部材90を貫通して延びている。板部材90は、上述した2本の吐出管15A,15Bに固定されており、水面よりも下方に位置している。板部材90の大きさ(横方向の寸法)は上部吸込口10aの径よりも大きく、上部吸込口10aは隙間を介して板部材90によって覆われている。
【0043】
図23は、図22に示す板部材の上面図である。図23に示すように、板部材90の中央には開口90aが設けられている。この開口90aは上部吸込口10aよりも小さく、板部材90は全体として平らな環状の形を有している。開口90aは上部吸込口10aのほぼ真上に位置しており、図22および図23に示す例では、開口90aの径は、上部吸込口10aの径の略半分である。水の流れの一部は、開口90aを通じて上部吸込口10aに向かい、吸込水槽1内の水流が下方に向けられる。したがって、空気吸い込み渦の発生源となる水面の旋回流の速度が低減される。特に、水位が2本の吐出管15A,15Bの合流部よりも高い場合において、空気吸い込み渦が発生しにくくなる。なお、板部材90は、図9または図11に示すように、その外周縁が下方に傾斜した形状または湾曲した形状を有してもよい。
【0044】
図24は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。図25は、図24に示すD−D線断面図である。2本の吐出管15A,15Bには、渦防止構造体としての鉛直板100がそれぞれ固定されている。これらの鉛直板100は揚水管14と上部吸込口10aとの間に位置しており、上部吸込口10aの上方に配置されている。なお、図24および図25には、吐出管15Aに固定される鉛直板100のみが図示されているが、吐出管15Bにも鉛直板100が固定される。つまり、1本の吐出管につき1枚の鉛直板100が設けられる。したがって、例えば、3本の吐出管の場合は3枚の鉛直板100が、4本の吐出管の場合には4枚の鉛直板100が設けられる。
【0045】
鉛直板100は、上部吸込口10aに近接して配置されている。これら鉛直板100は、鉛直方向に延びるとともに、上部吸込口10aの径方向に延びている。より具体的には、鉛直板100は、回転軸5に沿って延びるとともに、吐出管15A,15Bから回転軸5に向かって延びている。このように配置された鉛直板100は、吐出管15A,15Bの間を通過する水の流れを遮ることができる。したがって、吐出管15A,15Bの両側からの水の流れが合流することが防止され、これら水流が強力な空気吸い込み渦に成長することが防止される。
【0046】
図26は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。図26に示すように、渦防止構造体としての円筒部材110が、回転軸5を囲むように設けられている。図27(a)は、図26に示す円筒部材の上面図であり、図27(b)は、図26に示す円筒部材の断面図である。この円筒部材110の上端は、揚水管14の下端に固定されており、円筒部材110の下端は上部吸込口10aの直ぐ上方に位置している。すなわち、円筒部材110は、回転軸5の露出部分を囲むように配置されている。このように配置された円筒部材110によれば、回転軸5の回転により発生する旋回流を防止し、空気吸い込み渦への影響を排除することができる。
【0047】
図28は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。図29は、図28に示す渦防止構造体の上面図である。揚水管14の下部には、渦防止構造体としての2枚の鉛直板120が固定されている。より具体的には、鉛直板120は吐出管15A,15Bの合流位置に配置されている。これらの鉛直板120は、上部吸込口10aの上方に位置し、鉛直板120の上端は吸込水槽1内の水面付近に位置している。さらに、鉛直板120は、吸込水槽1内の水の流れに対して上部吸込口10aの下流側に位置し、吸込水槽1内の水の流れに対して斜めに配置されている。
【0048】
図29に示すように、鉛直板120が固定される揚水管14の箇所は、揚水管14の下流側の箇所である。2枚の鉛直板120は、上部吸込口10aおよび揚水管14の略径方向に延びている。このように配置された鉛直板120は、水面の流れを撹乱して、空気吸い込み渦の発生源となる旋回流を不安定にし、空気吸い込み渦を発生しにくくすることができる。
【0049】
図30は、本発明の更に他の実施形態に係る渦防止装置が組み込まれた両吸込み縦型ポンプを示す断面図である。図31は、図30に示す渦防止構造体の上面図である。上部吸込口10aの上方には、渦防止構造体としての2枚の傾斜板130が配置されている。より具体的には、これら傾斜板130は、揚水管14の下部に固定されている。これらの傾斜板130は、図31に示すように、上から見たときに吸込水槽1内の水流に対して垂直な方向に揚水管14から突出している。また、各傾斜板130は、側方からみたときに、水流に対して傾斜している。より具体的には、各傾斜板130は、吸込水槽1内の水流に対し下流側に向かうに従って下方に傾斜している。
【0050】
このような吸込水槽1内の水流に沿って下向きの勾配を持つ傾斜板130を水面付近に配置することにより、吸込水槽1内の水流が傾斜板130に案内されて下方に向かい、空気吸い込み渦の発生源となる水面の旋回流の旋回速度が低減される。さらに、傾斜板130は、水面の流れを乱して、水面の旋回流を不安定にすることができる。また、吸込水槽1内の水位が低下して傾斜板130の一部が水面から出たときは、傾斜板130によって水面の旋回流を破壊することができる。
【0051】
図32は、本実施形態に係る渦防止装置の変形例を示す図である。この例では、複数の(図示の例では3枚の)傾斜板130が縦方向に沿って配列されている。これら傾斜板130は、揚水管14の下部に配置されている。それぞれの傾斜板130の形状および傾斜角度は、図30に示す傾斜板130と同じであり、また互いに同一である。複数の傾斜板130を上下に並列して配置することにより、さらに広範囲の水位で空気吸い込み渦の発生を防止することができる。
【0052】
図33は、本実施形態に係る渦防止装置の他の変形例を示す図である。この例では、傾斜板130は、横から見たときに、湾曲した形状を有している。この例においても、傾斜板130の全体は、吸込水槽1内の水流に対して下流側に向かって下方に湾曲している。このように傾斜板130が湾曲していることで、傾斜板130の剛性が高まり、水流による傾斜板130の振動を防止することができる。
【0053】
図34は、本実施形態に係る渦防止装置のさらに他の変形例を示す図である。この例では、複数の(図示の例では3枚の)傾斜板130が縦方向に沿って配列されており、各傾斜板130は、図33に示す例と同様に、横から見たときに、下流側に向かって下方に湾曲した形状を有している。
【0054】
上述した実施形態は適宜組み合わせることができる。例えば、図6に示す板部材20と、図28に示す鉛直板120とを組み合わせることで、広い範囲の水位で空気吸い込み渦を防止することができる。また、図6に示す板部材20と、図30に示す傾斜板130とを組み合わせることでも、広い範囲の水位で空気吸い込み渦を防止することができる。図35に示す組み合わせ例は、図6に示す板部材20と図33に示す湾曲した傾斜板130とを組み合わせたものである。また、図36は、図35に示す傾斜板130と揚水管14と吐出管15Aとの関係を模式的に示した平面図である。図35の例では、板部材20と傾斜板130にそれぞれ変形が加えられている。板部材20は、図7で示す突出部20aが省略されており、円形の単純な平板として構成されている。また、傾斜板130は、その上端が吸込水槽1内の水流の上流方向に延長されている。このような組み合わせでも、広い範囲の水位で空気吸い込み渦を防止することができる。
【0055】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開水路に配置される上部吸込口および下部吸込口を有する両吸込み縦型ポンプと組み合わせて使用される渦防止装置であって、
前記上部吸込口の上方に配置される渦防止構造体を備えることを特徴とする渦防止装置。
【請求項2】
前記渦防止構造体は、前記上部吸込口との間に隙間を空けて配置された板部材であることを特徴とする請求項1に記載の渦防止装置。
【請求項3】
前記渦防止構造体は、前記上部吸込口との間に隙間を空けて配置された傘状の板部材であり、
前記板部材は、下方に傾斜するテーパ状の外周部を有することを特徴とする請求項1に記載の渦防止装置。
【請求項4】
前記渦防止構造体は、前記上部吸込口との間に隙間を空けて配置された傘状の板部材であり、
前記板部材は、下方に湾曲する外周部を有することを特徴とする請求項1に記載の渦防止装置。
【請求項5】
前記渦防止構造体は、前記上部吸込口を覆うように配置された網部材であることを特徴とする請求項1に記載の渦防止装置。
【請求項6】
前記渦防止構造体は、互いに離間する上側板部材と下側板部材とを有し、
前記下側板部材は、前記上部吸込口から離間して配置され、
前記下側板部材の中央部には、前記上部吸込口の上方に位置する開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の渦防止装置。
【請求項7】
前記渦防止構造体は、前記上部吸込口との間に隙間を空けて配置された板部材であり、
前記板部材は、前記開水路を流れる液体の流れに対して下流側に向かって延びる延長部を有することを特徴とする請求項1に記載の渦防止装置。
【請求項8】
前記渦防止構造体は、前記上部吸込口との間に隙間を空けて配置された板部材と、前記板部材の上面に配置された少なくとも1つのリブであることを特徴とする請求項1に記載の渦防止装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのリブは、前記上部吸込口の径方向に延びる複数のリブであることを特徴とする請求項8に記載の渦防止装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのリブは、前記上部吸込口の周方向に沿って延びる環状のリブであることを特徴とする請求項8に記載の渦防止装置。
【請求項11】
前記渦防止構造体は、前記上部吸込口との間に隙間を空けて配置された板部材であり、
前記板部材は、前記上部吸込口の径よりも大きく形成され、
前記板部材は、前記上部吸込口の径よりも小さな開口を有していることを特徴とする請求項1に記載の渦防止装置。
【請求項12】
前記渦防止構造体は、前記上部吸込口に近接して配置された複数の鉛直板であり、
前記鉛直板は、前記上部吸込口の径方向に延びていることを特徴とする請求項1に記載の渦防止装置。
【請求項13】
前記渦防止構造体は、前記両吸込み縦型ポンプの回転軸の露出部分を囲むように配置された円筒部材であることを特徴とする請求項1に記載の渦防止装置。
【請求項14】
前記渦防止構造体は、前記上部吸込口の上方に配置された鉛直板であり、
前記鉛直板は、前記開水路を流れる液体の流れに対して前記上部吸込口の下流側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の渦防止装置。
【請求項15】
前記渦防止構造体は、前記上部吸込口の上方に配置された少なくとも1枚の傾斜板であり、
前記傾斜板は、前記開水路を流れる液体の流れに対して下流側に向かって下方に傾いていることを特徴とする請求項1に記載の渦防止装置。
【請求項16】
前記少なくとも1枚の傾斜板は、上下方向に並列に配列された複数の傾斜板であることを特徴とする請求項15に記載の渦防止装置。
【請求項17】
前記傾斜板は、前記液体の流れに沿って下向きに湾曲していることを特徴とする請求項15に記載の渦防止装置。
【請求項18】
開水路に配置される上部吸込口および下部吸込口を有する両吸込み縦型ポンプであって、
請求項1乃至17のいずれか一項に記載の渦防止装置を備えたことを特徴とする両吸込み縦型ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2012−13065(P2012−13065A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211809(P2010−211809)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】