説明

温度算出装置

【課題】 温度特性を有する発振回路を利用して、所定の温度を算出することが可能な温度算出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 温度特性を有する発振回路と、発振回路が発振することによって得られるクロックを計数する計数部と、計数部が予め定められた期間を計数したか否かを判別する判別部と、基準温度において計数部が予め定められた期間を計数したと判別部が判別したときの当該計数部の第1計数値と、基準温度と、が記憶された記憶部と、所定温度において計数部が予め定められた期間を計数したと判別部が判別したときの当該計数部の第2計数値と、発振回路の温度特性を示す温度係数と、記憶部に記憶された第1計数値と、基準温度と、に基づいて、所定温度を算出する算出部と、を有することを特徴とする温度算出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度算出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発振回路からの発振クロックが供給されて所定の動作をする例えばLSI(Large Scale Integration・集積回路)においては、当該LSI自体が所定の動作を行うことによって発熱する場合があった。或いは、LSIの近傍に例えば2次電池があることによって、当該2次電池が充放電を繰り返すことによって発熱し、LSIが2次電池の発熱の影響を受けることがあった。ところで、LSIを構成する例えば発振回路やカウンタには温度特性を有しているものがある。例えば発振回路がRC発振回路である場合、抵抗Rが有する温度特性により、当該RC発振回路の発振クロックの周波数が温度変化に対して変化する場合があった。また、カウンタは、フリップフロップから構成され、このフリップフロップはトランジスタから構成されている。そして、このトランジスタの温度特性により、カウンタのカウント値が温度変化に対して変化する場合があった。そのため、LSIが所定の動作を行うための機能が十分に発揮できない場合があった。
【0003】
以下、例えば2次電池の残容量を算出するために動作するLSIについて説明する。
2次電池の残容量を算出すべく設けられるLSI(以下、残容量算出用LSIという)は、例えば当該2次電池と接続された負荷(例えば抵抗)の電圧値を計測する計測部を有しているものがある。また、残容量算出用LSIは、計測部にて計測された電圧値に応じて発振するクロックが2値化され、当該2値化されたクロックの例えば立ち上がりをカウントする温度特性を有するカウンタが備えられているものがある。そして、残容量算出用LSIは、例えば1秒ごとに当該カウンタのカウント値を読出し、例えば2次電池が充電されている場合は当該カウント値を積算して、2次電池の残容量を算出する。或いは、例えば2次電池が放電されている場合は当該カウント値を減算して、2次電池の残容量を算出する。そして、残容量算出用LSIは、算出した2次電池の残容量を示す信号を例えば表示部に送信する。表示部は、当該信号に基づいて2次電池の残容量を例えばモニタに表示する。そうすることによって2次電池の残容量を、例えば当該2次電池によって電源が供給されて動作するPC(Personal Computer)の利用者に知らせることが可能となる。
【特許文献1】特開平6−258410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、計測部にて計測された電圧値に応じてカウントするカウンタには、前述したように温度特性を有しているものがある。この温度特性を有するカウンタは、例えば温度が1度上昇するごとにカウントするカウント値が−0.2%の割合で誤差が生じるものとする。以下、この温度特性を有するカウンタのカウント動作の一例について説明する。例えば温度が25度である場合、当該カウンタが最適な動作を行うものとする。そして、カウンタは、25度において仮に前述した負荷に4000mAの電流が流れている場合、1000カウントするものとする。つまり、カウンタの1カウントは、4mAを示すこととなる。しかしながら、仮に温度が85度であって負荷に同様の4000mAの電流が流れている場合、前述した温度特性を有するカウンタでは、880カウントのカウント値を示すこととなる。このときのカウンタがカウントした880カウントでは、3520mAの電流が流れていることを示すこととなる。そのため、実測値である4000mAとは−480mAの誤差が生じてしまうことになる。このとき、残容量算出用LSIは、算出した値(つまり、480mAの誤差がある3520mA)を、例えば充電時には積算して残容量を算出し、前述したように表示部に送信する。そのため、モニタに表示された2次電池の残容量は、実際の2次電池の残容量と異なってしまう場合があった。
【0005】
そのため、近年においては、このような温度による影響を補正すべく、当該温度を外部から計測するために、例えばサーミスター(thermistor)が用いられる場合がある。或いは、温度測定用の回路を別途残容量算出用LSIに設ける場合がある。しかしながら、外部から温度を計測するためのサーミスターや温度測定用の回路を別途設けるためにコストがかかってしまうという問題があった。更に残容量算出用LSIに別途温度測定用の回路を設ける場合、残容量算出用LSIの回路規模が大きくなってしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、温度特性を有する発振回路を利用して、所定の温度を算出することができる温度算出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための発明は、温度特性を有する発振回路と、発振回路が発振することによって得られるクロックを計数する計数部と、計数部が予め定められた期間を計数したか否かを判別する判別部と、基準温度において計数部が予め定められた期間を計数したと判別部が判別したときの当該計数部の第1計数値と、基準温度と、が記憶された記憶部と、所定温度において計数部が予め定められた期間を計数したと判別部が判別したときの当該計数部の第2計数値と、発振回路の温度特性を示す温度係数と、記憶部に記憶された第1計数値と、基準温度と、に基づいて、所定温度を算出する算出部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、温度特性を有する発振回路を利用して、所定の温度を算出することが可能な温度算出装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0010】
<<実施形態>>
===温度算出装置の全体構成===
図1、図3乃至図5を参照しつつ、本発明に係る温度算出装置について説明する。図1は、本発明に係る温度算出装置の全体構成の一例を示す機能ブロック図である。図3は、内蔵RC発振回路4(発振回路)の温度特性を示す図である。図4は、RC発振回路5(基準発振回路)の温度特性を示す図である。図5は、内蔵RC発振回路4の発振クロックの周波数と、RC発振回路5の発振クロックの周波数との差を示す図である。尚、本実施形態では温度算出装置は、例えば2次電池16の残容量を算出するためのLSI1に用いるものとして説明する。また、本実施形態においては、LSI1の温度が25℃のときを基準温度Dとして説明する。基準温度Dは、後述するようにカウンタCによるカウント動作が、当該カウンタCの温度特性による影響を最も受けにくい温度であることが実験等からもとめられているものとする。
【0011】
LSI1は、CPU(Central Processing Unit)2(判別部、期間判別部、保持部)、タイマ3、カウンタA(基準計数部)、カウンタB(計数部)、カウンタC(残量計測用カウンタ)、内蔵RC発振回路4、RC発振回路5、Flashメモリ6(記憶部)、メモリ7(計数値記憶部)、加算部8(演算部)、除算部9(演算部)、演算部10(算出部)、演算部11(残容量算出部、補正部)、電圧計測部12(計測部)と外付抵抗R1から構成される。尚、本発明に係る温度算出装置が用いられるLSI1は、RC発振回路5からの発振クロックが供給され、当該RC発振回路5から供給される発振クロックの周波数は外付抵抗R1とコンデンサC(不図示)に基づいて定まる。この外付抵抗R1とコンデンサCのうち外付抵抗R1は外付であるため任意の抵抗値に可変可能であり、RC発振回路5からの発振クロックを任意の周波数に変更することが可能である。そのためLSI1は、汎用性を有することとなる。そして、本発明に係る温度算出装置は、このような供給される発振クロックの周波数を任意に変更可能なRC発振回路5を有する当該LSI1に用いられるものとして以下説明する。
【0012】
カウンタAは、CPU2からの指示に基づいて、RC発振回路5からの発振クロックをカウントする。カウンタAは、カウント値が例えば200カウントに達すると信号(以下、オーバーフロー信号という)をCPU2に送信する。
【0013】
RC発振回路5は、外付抵抗R1とコンデンサCから構成される。この外付抵抗R1は温度特性を有しているため、RC発振回路5は、図4に示す温度特性を有することとなる。図4に示すとおりRC発振回路5の発振クロックの周波数は、LSI1の温度が上昇するとともに上昇する。例えば、ある抵抗値の外付抵抗R1が設けられたRC発振回路5の発振クロックの周波数は、LSI1の温度が25℃であるとき1020kHzであることが実験等からもとめられている。また、LSI1の温度が84.4℃であるとき1060kHzであることが同様に実験等からもとめられている。仮に、図4に示すRC発振回路5の温度特性を示す線a(図4)が直線であるものとすると、当該直線の傾きは、温度が1℃上昇するごとに発振クロックの周波数が0.673kHzずつ上昇することを示している。つまり、RC発振回路5は、温度が上昇するにつれて発振クロックの周波数が増加していくことから、所定時間あたりのカウンタAのカウント値も増加していくこととなる。
【0014】
カウンタBは、CPU2からの指示に基づいて、内蔵RC発振回路4からの発振クロックをカウントする。
【0015】
内蔵RC発振回路4は、LSI1内部に設けられ、抵抗R(不図示)、コンデンサC(不図示)から構成される。この抵抗Rは温度特性を有しているため、内蔵RC発振回路4は、図3に示す温度特性を有することとなる。図3に示すとおり内蔵RC発振回路4の発振クロックの周波数は、LSI1の温度が上昇するとともに減少する。例えば、内蔵RC発振回路4の発振クロックの周波数は、当該内蔵RC発振回路4の温度が25℃であるとき867kHzであることが実験等からもとめられている。また、当該内蔵RC発振回路4の温度が84.4℃であるとき784.4kHzであることが同様に実験等からもとめられている。仮に、図3に示す内蔵RC発振回路4の温度特性を示す線b(図3)が直線であるとすると、当該直線の傾きは、温度が1℃上昇するにつれて発振クロックの周波数が約1.391kHzずつ減少することを示している。つまり、内蔵RC発振回路4は、温度が上昇するにつれて発振クロックの周波数が減少していくことから、所定時間あたりのカウンタBのカウント値も減少していくこととなる。ところで、内蔵RC発振回路4の傾きの1.391kHzは、RC発振回路5の傾き0.673kHzに比べて大きい値となっている。つまり、温度変化に対する内蔵RC発振回路4の発振クロックの周波数の変化は、RC発振回路5の発振クロックの周波数の変化に比べて大きいこととなる。そこで、本実施形態においては、仮にRC発振回路5は温度特性がないものと想定して、カウンタAの所定時間あたりのカウント値は、常に一定の値であるものとする。そして、カウンタAのあるカウント値(例えば200カウント)を基準値(所定値)として設け、カウンタAが200カウントする間に、カウンタBが何カウントするかによってLSI1の温度を算出することとする。ここで、カウンタBのカウント値を基準値として設けなかったのは、内蔵RC発振回路4はLSI1内部に設けられ、当該LSI1とほぼ等しい温度であると考えられるためであり、また、温度特性が大きいため内蔵RC発振回路4の発振クロックの周波数の変化が大きくなり、LSI1の温度を演算部10にて算出するのが容易となるからである。また、本実施形態においては、RC発振回路5からの発振クロックをカウンタAにてカウントし、内蔵RC発振回路4からの発振クロックをカウンタBにてカウントしているがこれに限るものではない。例えば、RC発振回路5とカウンタAとの間、又は、内蔵RC発振回路4とカウンタBとの間の何れか一方に分周器(Divider、不図示)を設けても良い。例えばRC発振回路5とカウンタAとの間に分周器を設けた場合、RC発振回路5からの発振クロックを分周器にて所定の分周数で分周し、分周されたクロックをカウンタAがカウントする。そして、カウンタAの当該分周器の分周数に応じたカウント値をCPU2が判別するようにしても良い。或いは、内蔵RC発振回路4とカウンタBとの間に分周器を設けた場合、内蔵RC発振回路4からの発振クロックを分周器にて所定の分周数で分周し、カウンタAのカウント値が200カウントに達したときのカウンタBが当該分周器の分周数に応じたカウント値をCPU2が判別するようにしても良い。また、例えば、RC発振回路5とカウンタAとの間、及び、内蔵RC発振回路4とカウンタBとの間の何れにも分周器を設けても良い。例えば当該分周器の分周数が同一である場合、カウンタAの当該分周器の分周数に応じたカウント値をCPU2が判別し、カウンタBの当該分周器の分周数に応じたカウント値に基づいてLSI1の温度を算出するようにしても良い。或いは、当該分周器の分周数が異なる場合、カウンタAの一方の分周器の分周数に応じたカウント値をCPU2が判別し、カウンタBが他方の分周器の分周数に応じたカウント値をCPU2が判別してLSI1の温度を算出するようにしても良い。この様な分周器を設けることによって、カウンタA、Bのカウント動作による負担を軽減することが可能となり、カウンタA、Bは確実にカウントすることが可能となる。また、カウンタA、Bのカウント動作による消費電力を減少することが可能となる。尚、本実施形態においては、温度特性を有する内蔵RC発振回路4、RC発振回路5を用いているがこれに限るものではない。同様の温度特性を有するセラミック発振回路やクリスタル発振回路を用いることも可能である。
【0016】
Flashメモリ6は、CPU2が後述する処理を行うためのプログラムデータが予め記憶されている。Flashメモリ6には、ある任意の温度(25℃)が基準温度Dとして記憶されている。そして、Flashメモリ6には、当該基準温度DにおいてカウンタAが200カウントしたときのカウンタBのカウント値C(例えば170)が予め記憶されている。Flashメモリ6は、データを電気消去することによりデータを繰り返し書き込み読み出しできる不揮発性記憶素子で構成される。
【0017】
タイマ3は、時間を計時する。
【0018】
メモリ7は、CPU2からの指示に基づいて、カウンタBのカウント値が記憶される。メモリ7は、例えば高速に動作可能なSRAM等の揮発性記憶素子で構成される。
【0019】
CPU2は、タイマ3が時間の計時を開始したときの信号が送信される。CPU2は、カウンタA、Bのカウントを開始させる。CPU2には、カウンタAからのオーバーフロー信号が送信され、当該オーバーフロー信号を順次記憶する。CPU2は、カウンタAからのオーバーフロー信号を受信すると、このときのカウンタBのカウント値を、メモリ7の例えばアドレス1から順次記憶させる。CPU2は、カウンタA、Bをリセットさせる。尚、CPU2は、タイマ3が計時する時間が、予め定められた時間(例えば1秒)を計時するまで前述した処理を順次実行する。CPU2は、タイマ3をリセットさせる。CPU2は、除算部9にカウンタAからの送信されたオーバーフロー信号の数を送信する。尚、本実施形態においては、タイマ3が1秒を計時するまでに、カウンタAからのオーバーフロー信号が例えば32回送信されてきたものとして説明する。つまり、メモリ7のアドレス1からアドレス32まで、カウンタBのカウント値が記憶されることとなる。CPU2は、演算部11からの演算結果が送信される。CPU2は、当該演算結果に基づいて、モニタ(不図示)に2次電池16の残容量を表示させるべく表示信号を表示部13に送信する。尚、CPU2のこれらの機能は、前述したFlashメモリ6から読み出されたプログラムデータの解読結果に基づいて、CPU2が当該プログラムを実行することによって実現される。CPU2は、Flashメモリ6のアドレスを指定するアドレスカウンタ(不図示)、Flashメモリ6から読み出されるプログラムデータを解読するプログラムロジックアレイ(不図示)、論理演算を行う演算論理ユニット(不図示)、演算データを一時格納するレジスタ(不図示)等を有する。
【0020】
加算部8は、メモリ7に記憶されているカウンタBからのカウント値が送信される。加算部8は、メモリ7からの当該カウント値を加算する。
【0021】
除算部9は、加算部8からの加算結果が送信される。除算部9は、当該加算結果を、前述したCPU2からのオーバーフロー信号の数で除算する。以下、除算部9の除算結果を平均化データAという。
【0022】
演算部10は、除算部9からの平均化データAが送信される。演算部10は、Flashメモリ6に記憶されている基準温度D(25)及び当該基準温度DにおいてカウンタAが200カウントしたときのカウンタBのカウント値C(170)を読み出す。演算部10は、平均化データA、基準温度D、カウント値C及び内蔵RC発振回路4の温度特性を示す温度係数Bから、このときのLSI1の温度Gを算出する。この内蔵RC発振回路4の温度特性を示す温度係数Bとは、内蔵RC発振回路4の1カウントあたりの温度変化の割合により算出することができる。詳述すると、前述した温度25℃において、RC発振回路5の発振クロックの周波数は1020kHzであり、カウンタAは200カウントする。これに対して、内蔵RC発振回路4の発振クロックの周波数は867kHzであり、このときカウンタBは何カウントであるかをRC発振回路5との比からもとめる。つまり、カウンタBのカウント値は、170カウント(=200・867/1020)となる。次に前述した温度84.4℃において、RC発振回路5の発振クロックの周波数は1060kHzであり、カウンタAは200カウントする。これに対して、内蔵RC発振回路4の発振クロックの周波数は784.4kHzであり、このときカウンタBは何カウントするかをRC発振回路5との比からもとめる。つまり、カウンタBのカウント値は、148カウント(=200・784.4/1060)となる。そして、カウント値の変化(170カウント−148カウント)に対する温度変化(25℃−84.4℃)により、前述した内蔵RC発振回路4の温度特性を示す温度係数Bを算出することができる。つまり、当該温度係数Bは、−2.7となることがわかる。そして、演算部10は、温度係数B(2.7)・(カウント値C(170)−平均化データA)+基準温度D(25)からLSI1の温度Gを算出する。
【0023】
電圧計測部12は、2次電池16に接続された抵抗R2の電圧値を計測する。
【0024】
カウンタCは、CPU2と同様に、タイマ3が時間の計時を開始したときの信号が送信される。カウンタCは、電圧計測部12にて計測された電圧値に応じて発振するクロックが2値化され、当該2値化されたクロックの例えば立ち上がりをカウントする。カウンタCは、前述したタイマ3が予め定められた時間を計時したとCPU2が判別するまでカウント動作を行う。カウンタCは、フリップフロップ(不図示)から構成され、このフリップフロップはトランジスタ(不図示)から構成されている。このトランジスタは温度特性を有しているため、カウンタCは、温度特性を有していることとなる。カウンタCの温度特性とは、温度が1℃上昇するにつれて当該カウンタCが2値化されたクロックをカウントする精度が、正常な場合(カウンタCがカウントする2値化されたクロックに対して正確にカウント動作を行う場合)のカウンタCのカウント値よりも、例えば−0.2%(F)の割合で当該誤差が生じてしまうという特性となっている。例えば、温度25℃において、抵抗R2に電流4000mAが流れているものとする。このとき、カウンタCのカウント値Eは、1000カウントであるものとする。そして、温度84.4℃において、同様に抵抗R2に電流4000mAが流れている場合、本来であればカウンタCのカウント値Eは同様に1000カウントとなるべきである。しかしながら、カウンタCは、前述した−0.2%の温度特性を有しているため881カウントのカウント値Eを示すこととなる。
【0025】
演算部11は、カウンタCからのカウント値Eが送信される。演算部11は、当該カウント値Eに基づいて、抵抗R2に流れている電流値を算出する。この演算部11による抵抗R2の電流値の算出は、前述したように−0.2%の温度特性を有するカウンタCのカウント値Eに基づいて算出される。そのため、前述した温度84.4℃においては、カウンタCからの881カウントに基づいて、演算部11は抵抗R2の電流値を算出することとなる。ここで、前述した温度25℃において、カウンタCは正確にカウントを行うものとすると、当該25℃において抵抗R2に電流4000mAが流れている場合、カウンタCのカウント値Eは1000カウントとなっている。つまり、カウンタCは、電流値4mA対して1カウントするとき、正確にカウント動作を行っていることとなる。ところで、カウンタCからは、84.4℃において前述したように881カウントのカウント値Eが演算部11に送信される。そのため、演算部11は、抵抗R2に3524mA(=881・4)の電流値の電流が流れているものと算出する。しかしながら、実際の抵抗R2の電流値は4000mAであり、演算部11にて算出された3524mAとは、−476mAの誤差が生じていることとなる。そこで、演算部11による電流値の算出にあたって当該誤差を補正すべく、演算部10からの演算結果(つまり、LSI1の温度G)が送信される。そして、演算部11は、演算部10からの当該演算結果を用いて、4・(カウント値E(881)・(1+0.002(0.2%)・(温度G(84.4)−基準温度D(25)))から補正後の電流値I(3942.65mA)を算出する。そして、演算部11は、電圧計測部11にて計測された電圧値が例えば正の値である場合、2次電池16が充電されているものと判別する。そして演算部11は、当該補正後の電流値Iを算出する前までの、例えばFlashメモリ6に記憶されている電流値の積算データを読み出す。演算部11は、Flashメモリ6からの当該積算データに補正後の電流値Iを加算して、加算結果をFlashメモリ6に記憶させるとともにCPU2に送信する。このときの演算部11が算出した加算結果は、前述したカウンタCの温度特性による誤差を補正した後の、2次電池16の残容量を示していることとなる。或いは、電圧計測部11にて計測された電圧値が例えば負の値である場合、2次電池16が放電されているものと判別する。そして演算部11は、Flashメモリ6から前述した積算データを読み出す。演算部11は、Flashメモリ6からの当該積算データから補正後の電流値Iを減算して、減算結果をFlashメモリ6に記憶させるとともにCPU2に送信する。このときの演算部11が算出した加算結果は、前述したカウンタCの温度特性による誤差を補正した後の、2次電池16の残容量を示していることとなる。
【0026】
表示部13は、CPU2からの前述した表示信号に基づいて、例えばモニタ(不図示)に2次電池16の残容量を表示させる。
【0027】
===温度算出装置の動作===
図1、図2、図6、図7を参照しつつ本発明に係る温度算出装置の動作について説明する。図2は、本発明に係る温度算出装置の動作の一例を示すフローチャートである。図6は、本発明に係る温度算出装置を構成する各部の演算結果を示す表である。図7は、補正前の電流値、補正後の電流値を示す図である。尚、本実施形態においては、LSI1の温度が例えば70.9℃である場合の当該温度の算出、及び電流値の補正について説明する。
【0028】
タイマ3が時間の計時を開始すると、CPU2は、当該タイマ3が時間の計時を開始したことを示す信号を受信する(S101・YES)。CPU2は、当該信号に基づいて、カウンタA、Bをリセットさせる(S102)。CPU2は、カウンタAのカウント値が200カウントに達したことを示すオーバーフロー信号を当該カウンタAから受信するか否かを判別する(S104)。
【0029】
カウンタAが、RC発振回路5からの発振クロックをカウント開始すると同時に、カウンタBは、内蔵RC発振回路4からの発振クロックをカウントする(S103)。カウンタAは、カウント値が200カウントに達するとオーバーフロー信号をCPU2に送信する。尚、本実施形態においては、カウンタAのカウント値が200カウントに達するまでに例えば31.25msec(1秒/32)を要するものとして説明する。
【0030】
CPU2は、カウンタAからのオーバーフロー信号を受信すると、カウンタAのカウント値が200に達したと判別し(S104・YES)、このときのカウンタBのカウント値をメモリ7のアドレス1から順次記憶させる(S105)。また、CPU2は、タイマ3が1秒を計時しているか否かを判別する(S106)。このとき、CPU2は、タイマ3が1秒を計時していないと判別すると(S106・NO)、カウンタA、Bをリセットさせ(S102)、再び前述した処理を行う。尚、CPU2は、カウンタAからのオーバーフロー信号を順次記憶する。
【0031】
CPU2は、タイマ3が1秒を計時していると判別すると(S106・YES)、このときのメモリ7に記憶されているカウンタBのカウント値を加算部8に送信させる(S107)。また、CPU2は、カウンタAからのオーバーフロー信号の数を除算部9に送信する(S108)。尚、本実施形態においては、前述したようにタイマ3が1秒を計時したとき、CPU2には、カウンタAからのオーバーフロー信号が32回送信されてきたものとする。そのため、メモリ7には、アドレス1からアドレス32まで、カウンタBのカウント値が記憶されているものとする。
【0032】
加算部8は、メモリ7からのカウンタBのカウント値を加算する。以下、このときの加算部8の加算結果が例えば4896であるものとして説明する(図6参照)。
【0033】
除算部9は、加算部8からの加算結果(4896)が送信される。また、除算部9は、CPU2からの前述したオーバーフロー信号の数(32)が送信される。除算部9は、加算結果(4896)をオーバーフロー信号の数(32)で除算して平均化データA(153)を算出する(S109)。
【0034】
演算部10は、除算部9からの平均化データA(153)が送信されると、Flashメモリ6から基準温度D(25)を読み出す(S110)。また、演算部10は、Flashメモリ6から当該基準温度DにおいてカウンタAが200カウントしたときのカウンタBのカウント値C(170)を読み出す(S111)。そして、演算部10は、内蔵RC発振回路4の温度特性を示す温度係数B(2.7)・(カウント値C(170)−平均化データA(153))+基準温度D(25)から、LSI1の温度G(70.9)を算出する(S112)。よって、タイマ3が1秒を計時したときのLSI1の温度Gが算出されたこととなる。
【0035】
電圧計測部12は、2次電池16に接続された抵抗R2に4000mAの電流が流れたときの、当該抵抗R2の電圧値を計測する。
【0036】
カウンタCは、タイマ3が時間の計時を開始すると、つまり、CPU2が前述した動作を開始すると同時に、カウント動作を開始する。尚、このときカウンタCは、前述したように電圧計測部12にて計測された電圧値に応じて発振するクロックが2値化され、当該2値化されたクロックの例えば立ち上がりをカウントする。カウンタCは、タイマ3が1秒を計時するまでカウント動作する。そして、カウンタCは、タイマ3が1秒を計時したときのカウント値Eを演算部11に送信する。尚、本実施形態においては、タイマ3が1秒を計時したとき、カウンタCのカウント値Eは、例えば908カウントを示していたものとして説明する(図6参照)。
【0037】
演算部11は、カウンタCからのカウント値E(908)が送信される(S113・YES)。演算部11は、当該カウント値E(908)に基づいて、抵抗R2に流れている電流値を算出する。尚、前述したようにカウンタCの1カウントは4mAを示しているので、演算部11の算出した電流値は3632mA(=908カウント・4mA)となる。しかし、実際の抵抗R2の電流値は4000mAであり、演算部11にて算出された3632mAとは、−368mAの誤差が生じていることとなる。そのため、演算部11は当該誤差を補正すべく、演算部10にて算出されたLSI1の温度G(70.9)が送信される(S114・YES)。次に、演算部11は、演算部10からのLSI1の温度G(70.9)が送信されると、Flashメモリ6から基準温度D(25)を読み出す(S115)。そして、演算部11は、4・(カウント値E(908)・(1+カウンタCの温度特性を示す係数F(0.2%)・((温度G(70.9)−基準温度D(25)))から、補正後の電流値I(3965.42mA)を算出する(S116)。ところで、実際に抵抗R2に流れている電流値4000mAとこの補正後の電流値I(3965.42mA)との誤差は、−34.58mAとなっている。この誤差−34.58mAは、電流値の補正前の誤差−367.2mAと比べ誤差が小さくなっていることが分かる(図6参照)。つまり、本発明に係る温度算出装置によって、実際に抵抗R2に流れている電流値4000mAに近い値に補正することができることになる。図6に示すとおり補正前の電流値は4000mAに対して3524.8mA〜4280.8mAを示している。しかしながら、補正後の電流値Iは、3943.55mA〜3998.13mAの電流値を示し、実際に抵抗R2に流れている電流値4000mAに近い値となっていることがわかる。また、電流値の誤差についても、補正前においては、−475.2mA〜280.8mAであるのに対し、補正後においては、−56.45mA〜−1.87mAを示し、誤差が小さくなっていることがわかる。そして演算部11は補正後の電流値Iを算出すると、Flashメモリ6から当該補正後の電流値Iを算出するまでの積算データを読み出す(S117)。演算部11は、電圧計測部11にて計測された電圧値が例えば正の値である場合(S118・YES)、2次電池16が充電されているものとして、積算データに補正後の電流値Iを加算する(S119)。或いは、演算部11は、電圧計測部11にて計測された電圧値が例えば負の値である場合(S118・NO)、2次電池16が放電されているものとして、積算データから補正後の電流値Iを減算する(S120)。尚、本実施形態においては、電圧計測部11にて計測された電圧値が正の値である場合について説明する。演算部11は、積算データと補正後の電流値Iとの加算値をCPU2に送信する。
【0038】
CPU2は、演算部11からの加算値に基づいて、モニタ(不図示)に2次電池16の残容量を表示させるべく表示信号を表示部13に表示する(S121)。表示部13は、CPU2からの表示信号に基づいて、モニタに2次電池16の残容量を表示させる。また、CPU2は、タイマ3をリセットさせる(S122)。
【0039】
このように、温度特性を有する内蔵RC発振回路4を用いて、当該内蔵RC発振回路4が設けられているLSI1の温度Gを演算部10にて算出することが可能となる。また、当該LSI1の温度Gを用いて、温度特性を有するカウンタCのカウント値を演算部11にて補正することが可能となる。
【0040】
本実施形態によれば、所定温度GにおいてカウンタBが予め定められた期間を計数したとCPU2が判別したときのカウント値Aと、内蔵RC発振回路4の温度特性を示す温度係数Bと、Flashメモリ6に記憶された基準温度DにおいてカウンタBが予め定められた期間を計数したとCPU2が判別したときのカウント値Cと、基準温度Dと、に基づいて、演算部10は当該所定温度Gを算出することが可能となる。
【0041】
また、内蔵RC発振回路4の発振クロックの周波数の変化に対する温度変化の割合を示す係数から、内蔵RC発振回路4の温度特性を示す温度係数Bをもとめることが可能となる。よって、演算部10は、当該温度係数Bを用いて所定温度Gを算出することを確実に行うことができる。
【0042】
また、所定温度Gにおいて除算部9にて算出された除算結果(平均データA)と、内蔵RC発振回路4の温度特性を示す温度係数Bと、Flashメモリ6に記憶されたカウント値Cと、基準温度Dと、に基づいて、演算部10は当該所定温度Gを算出することが可能となる。また、タイマ3が1秒を計時する時間内におけるカウント値の平均を除算部9にて算出することが可能となり、演算部10は、より正確な所定温度Gを算出することが可能となる。
【0043】
また、演算部10は、内蔵RC発振回路4の温度係数B・(Flashメモリ6に記憶されたカウント値C−平均データA)+基準温度Dから所定温度Gの算出を行うことが可能となる。
【0044】
また、所定温度Gにおける2次電池16の残容量を、温度特性を有するカウンタCがカウントするカウント値Eに基づいて算出する演算部11に対し、演算部10にて算出された所定温度Gを供給し、当該所定温度Gに応じた残容量を演算部11にて算出させることが可能となる。したがって、演算部11は、正確な残容量を算出することができる。
【0045】
また、温度変化に対するカウンタCのカウント値Eの変化の割合を示す係数から、カウンタCの温度特性を示す温度係数Fをもとめることが可能となる。よって、演算部11は、当該温度係数を用いて補正後の電流値Iを算出することを確実に行うことが可能となる。
【0046】
また、演算部11は、カウント値E・(1+0.002(カウンタCの温度係数F)・(所定温度G−基準温度D))から補正後の電流値Iの算出を行うことが可能となる。
【0047】
また、演算部10が算出する所定温度Gと、所定温度GにおいてカウンタCがカウントするカウント値Eに基づいて演算部11が2次電池16の残容量を算出するときの当該所定温度Gと、が同じ温度となるべくタイマが計時する時間(1秒)が定められることが可能となる。そのため、演算部11にて算出される補正後の電流値Iを、カウンタCがカウントしたときの所定温度Gに応じた値とさせることが可能となる。
【0048】
また、所定温度Gにおいて除算部9にて算出された平均データAと、内蔵RC発振回路4の温度特性を示す温度係数Bと、Flashメモリ6に記憶された基準温度DにおいてカウンタAのカウント値が200カウントに達したときのカウント値Cと、基準温度Dと、に基づいて、演算部10は当該所定温度Gを算出することが可能となる。よって、RC発振回路5がすでに設けられている場合、当該RC発振回路5をそのまま利用することが可能となり、LSI1の回路規模の大きくなることを防止することが可能となる。
【0049】
また、RC発振回路5の発振クロックの周波数の変化に対する温度変化の割合を示す係数から、RC発振回路5の温度特性を示す温度係数をもとめることが可能となる。また、RC発振回路5の温度特性を示す温度係数が、内蔵RC発振回路4の温度特性を示す温度係数Bよりも小さいことによって、温度変化してもRC発振回路5の発振クロックは安定したものとなる。そのため、カウンタAのカウント値が200カウントに達するまでの期間を一定とすることができ、演算部10は、正確な所定温度Gを算出することが可能となる。
【0050】
===その他の実施の形態===
以上、本発明に係る温度算出装置における、LSI1の温度Gの算出及び当該LSI1の温度Gを用いた抵抗R2に流れる電流値の補正について説明したが、上記の説明は、本発明の理解を容易とするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得る。
【0051】
<<温度算出装置のその他の形態>>
本実施形態においては、カウンタAのカウント値が200カウントに達したときを基準値として設け、このときのカウンタBのカウント値からLSI1の温度Gを演算部10にて算出しているがこれに限るものではない。
【0052】
例えば、タイマ3が31.25msec(=1秒/32(前述した1秒間におけるカウンタAのカウント値が200カウントに達する回数))を計時した際に、CPU2は、カウンタBのカウント値をメモリ7のアドレス1から順次記憶するように設けてもよい。そうすることによって、RC発振回路5が設けられていないLSI1においても、当該LSI1の温度を演算部10にて算出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る温度算出装置の全体構成の一例を示す図である。
【図2】本発明に係る温度算出装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】内蔵RC発振回路4の温度特性を示す図である。
【図4】RC発振回路5の温度特性を示す図である。
【図5】内蔵RC発振回路4の発振クロックの周波数と、RC発振回路5の発振クロックの周波数の差を示す図である。
【図6】本発明に係る温度算出装置を構成する各部の演算結果を示す表である。
【図7】補正前の電流値、補正後の電流値を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 LSI
2 CPU
3 タイマ
4 内蔵RC発振回路
5 RC発振回路
6 Flashメモリ
7 メモリ
8 加算部
9 除算部
10、11 演算部
12 電圧計測部
13 表示部
16 2次電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度特性を有する発振回路と、
前記発振回路が発振することによって得られるクロックを計数する計数部と、
前記計数部が予め定められた期間を計数したか否かを判別する判別部と、
基準温度において前記計数部が前記予め定められた期間を計数したと前記判別部が判別したときの当該計数部の第1計数値と、前記基準温度と、が記憶された記憶部と、
所定温度において前記計数部が前記予め定められた期間を計数したと前記判別部が判別したときの当該計数部の第2計数値と、前記発振回路の前記温度特性を示す温度係数と、前記記憶部に記憶された前記第1計数値と、前記基準温度と、に基づいて、前記所定温度を算出する算出部と、
を有することを特徴とする温度算出装置。
【請求項2】
前記発振回路の前記温度特性を示す前記温度係数は、
前記発振回路の発振クロックの周波数の変化に対する温度変化の割合を示す係数である、
ことを特徴とする請求項1に記載の温度算出装置。
【請求項3】
前記計数部が前記予め定められた期間を示す第1期間よりも長い第2期間を計数したか否かを判別する期間判別部と、
前記第2期間内に前記計数部が前記第1期間を計数したと前記判別部が判別するごとに当該判別部の判別結果を順次保持する保持部と、
前記計数部が前記第1期間を計数したと前記判別部が判別するごとに当該計数部の前記第2計数値を順次記憶する計数値記憶部と、
前記計数部が前記第2期間を計数したと前記期間判別部が判別したとき、前記保持部にて保持されている前記判別部の前記判別結果の数と、前記計数値記憶部に記憶されている第2計数値と、に基づいて、前記第1期間における前記第2計数値の平均値を算出する演算部と、を有し、
前記算出部は、
所定温度において前記演算部にて算出された演算結果と、前記発振回路の前記温度特性を示す前記温度係数と、前記記憶部に記憶された前記第1計数値と、前記基準温度と、に基づいて、前記所定温度を算出する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の温度算出装置。
【請求項4】
所定温度において前記演算部にて算出された前記演算結果をAとし、前記発振回路の前記温度特性を示す前記温度係数をBとし、前記記憶部に記憶された前記第1計数値をCとし、前記基準温度をDとしたとき、
前記算出部は、
B・(C−A)+Dから前記所定温度を算出する、
ことを特徴とする請求項3に記載の温度算出装置。
【請求項5】
2次電池と接続された負荷の電圧値を計測する計測部と、温度特性を有し前記計測部にて計測された前記電圧値に応じてカウントする残量計測用カウンタと、を有し、所定温度における前記残量計測用カウンタのカウント値に基づいて、前記2次電池の残容量を算出する残容量算出部と、
前記所定温度における前記残量計測用カウンタの前記カウント値と、前記残量計測用カウンタの前記温度特性を示す温度係数と、前記算出部にて算出された所定温度と、前記記憶部に記憶された前記基準温度と、に基づいて、前記残量計測用カウンタの前記カウント値を前記所定温度に応じたカウント値に補正すべく補正値を算出する補正部と、を備え、
前記補正部にて算出された前記補正値を前記残容量算出部に供給し、
前記残容量算出部にて算出される前記残容量を前記補正値に基づいて、前記所定温度に応じた残容量に補正させる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の温度算出装置。
【請求項6】
前記残量計測用カウンタの前記温度特性を示す前記温度係数は、
温度変化に対する前記残量計測用カウンタのカウント値の変化の割合を示す係数である、
ことを特徴とする請求項5に記載の温度算出装置。
【請求項7】
所定温度における前記残量計測用カウンタのカウンタ値をEとし、前記残量計測用カウンタの前記温度特性を示す前記温度係数をFとし、前記算出部にて算出された所定温度をGとしたとき、
前記補正部は、
E・(F・(G−D))から前記補正値を算出する、
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の温度算出装置。
【請求項8】
前記期間判別部が判別する前記第2期間は、
前記算出部が算出する所定温度と、
所定温度における前記残量計測用カウンタのカウント値に基づいて、前記残容量算出部が前記2次電池の前記残容量を算出するときの当該所定温度と、が同じ温度となるべく定められる、
ことを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れかに記載の温度算出装置。
【請求項9】
前記発振回路とは異なる温度特性を有する基準発振回路と、
前記基準発振回路が発振することによって得られるクロックを計数する基準計数部と、
時間を計時するタイマと、を有し、
前記判別部は、前記基準計数部が計数した計数値が所定値に達したとき、前記計数部が前記第1期間を計数したと判別するとともに前記基準計数部、前記計数部をリセットさせ、
前記期間判別部は、前記タイマが予め定められた時間を計時したとき、前記計数部が前記第2期間を計数したと判別するとともに前記基準計数部、前記計数部をリセットさせ、
前記記憶部は、前記基準温度において前記基準計数部が計数した計数値が前記所定値に達したときの前記第1計数値が記憶される、
ことを特徴とする請求項3乃至請求項8の何れかに記載の温度算出装置。
【請求項10】
前記基準発振回路の前記温度特性を示す温度係数は、
前記基準発振回路の発振クロックの周波数の変化に対する温度変化の割合を示す係数であり、前記基準発振回路の当該温度係数は、
前記発振回路の前記温度特性を示す前記温度係数よりも小さい、
ことを特徴とする請求項9に記載の温度算出装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−119048(P2006−119048A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−308731(P2004−308731)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】