温水洗浄便座操作スイッチの操作誘導案内装置及びその機能を併せ持った温水洗浄便座の制御装置
【課題】視力や聴力、理解力や記憶力等の低下から、温水洗浄便座の洗浄、乾燥、停止などの操作スイッチの操作が困難な高齢者等を対象とした温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内装置及びその機能を併せ持った温水洗浄便座の制御装置を提供する。
【解決手段】温水洗浄便座である本体機械の使用者が本体機械の使用にあることを検出して信号を出力する使用検出手段1と、使用者の応答を検出して信号を出力する応答検出手段2と、本体機械の操作スイッチ6及び応答検出手段2の存在位置へ誘導する位置誘導手段3と、操作スイッチ6及び応答検出手段2の操作等を案内する操作等案内手段4と、使用検出手段1からの出力信号及び応答検出手段2からの出力信号とを入力信号とし、入力信号に基づいて、位置誘導手段3へ動作制御を必要とする場合に出力する制御信号及び操作等案内手段4へ出力する誘導案内情報を生成し出力する制御手段5とから構成される。
【解決手段】温水洗浄便座である本体機械の使用者が本体機械の使用にあることを検出して信号を出力する使用検出手段1と、使用者の応答を検出して信号を出力する応答検出手段2と、本体機械の操作スイッチ6及び応答検出手段2の存在位置へ誘導する位置誘導手段3と、操作スイッチ6及び応答検出手段2の操作等を案内する操作等案内手段4と、使用検出手段1からの出力信号及び応答検出手段2からの出力信号とを入力信号とし、入力信号に基づいて、位置誘導手段3へ動作制御を必要とする場合に出力する制御信号及び操作等案内手段4へ出力する誘導案内情報を生成し出力する制御手段5とから構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水洗浄便座の洗浄、乾燥、停止などの操作スイッチの操作を誘導し案内する装置及びその機能を併せ持った温水洗浄便座の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
温水洗浄便座が一般社団法人日本機械学会の機械遺産に認定されたことは、家庭で使用される機械としては初めてのことであり、新しいトイレ習慣を創造し、国民生活に貢献した機械として歴史的価値が認められたもの、とする製造会社の公報記事がある。温水洗浄便座は、わが国が世界に誇れる技術の一つであることは確かであり、国内での普及率は現在約70%と言われている。
【0003】
多くの者が温水洗浄便座の恩恵を受けていると言えるが、高齢者の中には手先や足腰の衰えによりトイレットペイパーでの処理が思うようにできず、衛生上好ましいことではない。そうであるからといって、視力や聴力、理解力や記憶力等の低下から、この価値のある生活用機械を独りで使うことも難しく、その都度、家族や介護者が付き添い、操作スイッチの位置や操作を教えるといった状況もある。家庭で家族が深夜就寝中でも起きて付き添わなければならないことは大変な苦労である。
【0004】
一般家庭用の温水洗浄便座であって、その洗浄、乾燥、停止などの操作スイッチの操作を、例えば音声ガイドとともに、誘導案内する機能を併せ持った温水洗浄便座、或いは、温水洗浄便座とは独立して設置できる前記の機能をもった汎用装置や専用装置について調査したが、特に非特許文献1には、トイレの最前線情報、高齢化時代のトイレリフォーム情報を含めて多くの情報が掲載されているが、現状では見つからない。
【0005】
公共施設等のトイレには、障害者を対象とした、専門的な知識や技術を活用して製作された文字ディスプレイや音声ガイドの備わった専用機械や装置が設置されていることが多く、勿論、障害者以外でも使用できるが、一般家庭に設置することはスペース面、経済面で不可能である。
【0006】
一般用として市販されているセンサライト、センサチャイム、センサスピーカーなどと呼ばれる装置は、人を感知して自動的に照明、メロディ、音声を発するものである。音声では、例えば、「機械警備中です、すぐに退去して下さい」などの威嚇用、「いらっしゃいませ」などの挨拶用、あるいは、「足元に気をつけ下さい」などの注意喚起用、などが大半である。
【0007】
また、市販のセンサスピーカーの中には音声内容をユーザーが変更可能な仕様のものもあるが、文字数に制限がある、文字数を増やすことは特別仕様の装置となり高価なものとなる、などの問題があり、温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内には不適である。
【0008】
しかし、上記のような高齢者に対し、果たして、音声だけで十分な誘導案内ができるであろうか、という疑問もある。つまり、温水洗浄便座の操作を、一方向の固定された音声による誘導案内だけではなく、案内音声は予め用意されているが案内音声内の単語や表現を、使用者側で高齢者が聞き取り易く理解し易いものを選択して変更できる、用を足したことや操作をしたことを確認する、さらには、操作スイッチなどの存在位置を、例えば、点滅光源などをそれに近接設置しその存在位置に誘導する、などの手段と組み合わせることでより確実な誘導案内ができるものと考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】一般社団法人 日本衛生設備機器工業会/一般社団法人 温水洗浄便座工業会 ホームページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の点に鑑み、本発明の課題は、視力や聴力、理解力や記憶力等の低下から、温水洗浄便座の洗浄、乾燥、停止などの操作スイッチの操作が困難な高齢者等を対象とした、音声情報等と組み合わせてより確実な誘導案内ができる、望ましくは使用者である高齢者等の使用状態から安否確認や健康確認もできる、温水洗浄便座とは独立して設置できる温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内装置及びその機能を併せ持った温水洗浄便座の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
温水洗浄便座とは独立に設置できる温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内装置では、温水洗浄便座である本体機械の使用者が前記本体機械の使用にあることを検出して信号を出力する使用検出手段と、使用者の応答を検出して信号を出力する応答検出手段と、前記本体機械の操作スイッチ及び前記応答検出手段の存在位置へ誘導する位置誘導手段と、前記本体機械の操作スイッチ及び前記応答検出手段の操作等を案内する操作等案内手段と、前記使用検出手段からの出力信号及び前記応答検出手段からの出力信号とを入力信号とし、前記入力信号に基づいて、前記位置誘導手段へ動作制御を必要とする場合に出力する制御信号及び前記操作等案内手段へ出力する誘導案内情報を生成し出力する制御手段とから構成されることを特徴とする。
【0012】
一方、温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内機能を併せ持った温水洗浄便座の制御装置では、温水洗浄便座を使用者が使用したことにより発生する着座検出信号と、前記温水洗浄便座の操作スイッチが押下されたことにより発生する押下検出信号とを入力信号とし、前記操作スイッチの位置へ誘導する位置誘導手段と、前記操作スイッチの操作等を案内する操作等案内手段と、前記入力信号に基づいて前記位置誘導手段へ動作制御を必要とする場合に出力する制御信号及び前記操作等案内手段へ出力する誘導案内情報を生成し出力する制御手段とが、既存手段に加えて構成されることを特徴とする。
【0013】
また、前記操作等案内手段の誘導案内情報は、音声情報または文字情報であり、前記誘導案内情報の一部が使用者側で選択して変更できることを特徴とするものである。
【0014】
さらに、前記位置誘導手段は、発光源または振動源または発熱源、または、文字または図または凹凸であることを特徴とするものである。
【0015】
使用者である高齢者等の安否確認や健康確認のために、温水洗浄便座の1回の使用時間が設定された上限値を超えて使用された場合に緊急を通報できる、また、使用履歴が記憶され表示できる手段を加えて備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
以上に課題を解決するための手段について説明した。上記の手段を講ずることにより、視力や聴力、理解力や記憶力等の低下から、温水洗浄便座の洗浄、乾燥、停止などの操作スイッチの操作が困難な高齢者等に対し、独りで安心して使用できる温水洗浄便座を調えることが出来る。以下に発明の効果を具体的に説明する。
【0017】
一方向の固定された音声や文字による誘導案内だけではなく、その内容は予め用意されているがその内容の一部の単語や表現を、使用者側で使用者である高齢者等が聞き取り易く理解し易いものを選択して変更できる、用を足したことや操作をしたことの応答を確認する、さらには、操作スイッチなどの存在位置へ的確に誘導する、などの手段と組み合わせることで、使用者が戸惑い置き去りにされることなくより確実な誘導案内ができる、使用者の応答確認を行っているため無応答監視ができ安否確認にも活用できる、使用履歴による健康確認ができる、などの効果に加えて、健康面、衛生面、さらには、快適さの面で、温水洗浄便座の恩恵にあずかることができ、結果としてQOL(クオリティー オブ ライフ)向上につながるといった効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内装置(以下、独立型装置と呼ぶ)の構成を表すブロック図である。
【図2】本発明に係る温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内機能を併せ持った温水洗浄便座の制御装置(以下では、一体型装置と呼ぶ)の構成を表すブロック図である。
【図3】独立型装置の使用確認処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図4】独立型装置の排便確認処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図5】独立型装置の洗浄処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図6】独立型装置の乾燥処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図7】独立型装置の停止処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図8】一体型装置の使用確認処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図9】一体型装置の排便確認処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図10】一体型装置の洗浄処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図11】一体型装置の乾燥処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図12】一体型装置の停止処理の制御フローを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る、独立型装置である温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内装置及び一体型装置である温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内機能を併せ持った温水洗浄便座の制御装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[独立型装置の実施形態での構成]
図1は、独立型装置の構成を表すブロック図である。同図の数字1〜5を付した実線のブロックが本発明に係る構成手段で、数字6を付した一点差線のブロックが既存の温水洗浄便座の、「(おしりの)洗浄」、「(おしりの)乾燥」及び「(洗浄や乾燥の)停止」機能を動作・停止させる、単に押しボタンとも呼ばれるスイッチを配した操作スイッチ部である。数字63、64、62の押しボタンが上記の各機能に対応する。
【0021】
これらの操作スイッチを、使用者である高齢者等がより確実に操作できるように誘導し案内することが、本発明の課題である。以下に、それぞれのブロックについて説明する。
【0022】
図1の使用検出手段1は、本発明に係る独立型装置が設置された温水洗浄便座のあるトイレを使用者が使用状態にあることを検出して信号を出力するもので、例えば、トイレの照明スイッチやドアの施錠開錠に連動してオンオフするスイッチ、トイレ照明の明るさに反応する明るさセンサ、人の接近に反応する人感センサ、さらには、便座上に設けられるシートスイッチなどを用いることが出来る。同手段1の出力信号は、後述の制御手段5に入力される。尚、以下では温水洗浄便座を単に本体機械とも呼ぶ。
【0023】
図1の応答検出手段2は、使用者が音声等の誘導案内情報に応答したことを確認するために設けられるもので、一方向だけの誘導案内で使用者が戸惑い置き去りにされることを防ぐためである。使用者が応答したことを検出して信号を出力する、例えば、本体機械の「洗浄」などの操作スイッチと同種の押しボタンスイッチなどを用いることが出来る。同手段2の出力信号は、後述する制御手段5に入力される。
【0024】
図1の位置誘導手段3は、使用者が同図の応答検出手段2への応答操作及び本体機械の「洗浄」、「乾燥」、「停止」などの操作スイッチの操作を確実に行えるよう誘導するために、応答検出手段2及び操作スイッチの存在位置に近接して、或いは、それらの存在位置に在るスイッチ等と一体化して設けられる。 同手段3のブロック内の数字31、32、33、34が付されたものは、応答検出手段2及び本体機械の操作スイッチ「停止」、「洗浄」、「乾燥」のそれぞれに対応して設けられる位置誘導源である。
【0025】
上記の位置誘導源としては、動作のための制御を必要とせず簡素な構造とできる、例えば、文字または図または凹凸などを用いることが出来る。また、動作のための制御を必要とするがより確実な誘導ができる、例えば、発光源または振動源または発熱源などを用いる、さらには、これらと文字や図などを併用して用いることも出来る。
【0026】
発光源としては、例えば、LEDを用いて点灯させる、視認性をより高めるために点滅させる等の方法がある。振動源としては、例えば、携帯電話にも搭載されている振動モータ等が採用できる。発熱源としては、例えば、面状発熱体等が活用できる。そして、誘導が必要なタイミングにおけるこれらの動作制御は、図1の制御手段5で生成され出力される制御信号が位置誘導手段3に入力されることによって行われる。
【0027】
一方、動作制御を必要としない位置誘導源としては、使用者である高齢者等が認識し易い大きな、一つの文字や数字、または、丸、四角、三角、果物、乗り物などの図形や絵を、例えばシール状にして、応答検出手段2及び操作スイッチの存在位置に近接して貼り付けた位置誘導源、或いは、それらの存在位置に在るスイッチ等に直接に貼り付けて一体化した位置誘導源などが考えられる。また、視力低下が進行しているが点字に頼るまでには至っていない者に対しては、凹や凸を組み合わせた成型パネルなどを近接設置する方法も考えられる。
【0028】
図1の操作等案内手段4は、次に説明する同図の制御手段5で生成出力され同手段4に入力される誘導案内情報を、音声または文字の形で使用者に伝えるためのものであり、スピーカーまたは文字ディスプレイを用いることが出来る。
【0029】
図1の制御手段5は、同図の使用検出手段1及び応答検出手段2からの出力信号が入力され、後に説明する制御フローに従って、同図の位置誘導手段3へ動作制御を必要とする場合に出力する制御信号及び同図の操作等案内手段4へ出力する誘導案内情報を生成し出力するものである。
【0030】
近年、制御回路はCPU(セントラルプロセシングユニット)を用いたコンピュータ制御が主流であり、図1の制御手段5にもCPUの採用が最適である。同図の同手段5内の構成は省略しているが、CPUを中核とし、プログラム格納用のROM(リードオンリーメモリー)、データの一時格納用のRAM(ランダムアクセスメモリー)、設定値等格納用の不揮発性メモリーなどの記憶回路、外部との入出力回路、記憶回路格納データ等の表示回路、時計回路、電源回路などから構成されることになる。
【0031】
上記のCPUを採用したコンピュータ制御とすることで、その能力を活用すれば、先述した使用者である高齢者等の安否確認や健康確認のための、使用時間監視と通報、或いは、使用履歴メモリーと表示なども比較的容易に実現できることになる。なお、安否確認結果の通報手段は図示していないが、現状のさまざまな技術が活用できる。
【0032】
図1の数字1、2及び62、63、64が付されたブロック内及び押しボタン内に描かれた太い矢印は、押しボタンスイッチを押すなどの使用者の動作入力を示すもので、それにより発生する出力信号は細い矢印で描いている。例えば、数字63が付された「洗浄」の押しボタンが押されると、洗浄スイッチ押下検出信号が発生することになる。図1の独立型装置ではこの信号を直接用いることはないが、洗浄の有無を同図の応答検出手段2の入力により確認することになる。詳細は以降の制御フローで説明する。
【0033】
[一体型装置の実施形態での構成]
図2は、一体型装置の構成を表すブロック図である。図1の独立型装置と共通する手段、部位には同じ数字を付している。それらの機能もほとんど同じであるため、以下では異なる点を中心に説明する。
【0034】
図2で、数字6、7を付した一点差線のブロックは、温水洗浄便座(ここでも、本体機械とも呼ぶ)に既に備わっている部位であり、数字3、4、5を付した実線のブロックは、新たに加えて設けられる手段である。
【0035】
図2では、図1の使用検出手段1は省略され、図2の着座検出部7がその機能を担うことになる。また、図1の応答検出手段2及びそれに付随した位置誘導源31も省略され、図2の操作スイッチ部6の「洗浄」、「乾燥」、「停止」の操作スイッチの押下誘導案内を、操作のために行った後に、確認のためにも行い、使用者が誘導案内情報を正しく認識した上での押下操作であることを確かめるようにしている。この点に関しては、後の[一体型装置の実施形態での制御フロー]においても説明する。
【0036】
図2の着座検出部7から出力される着座検出信号、操作スイッチ部6の押しボタンスイッチ63、64及び62から出力される洗浄スイッチ押下検出信号、乾燥スイッチ押下検出信号および停止スイッチ押下検出信号が、同図の制御手段5に分岐して入力され、同図の同手段5が後述する制御フローに従って、同図の位置誘導手段3へ動作制御を必要とする場合に出力する制御信号及び同図の操作等案内手段4へ出力する誘導案内情報を生成し出力することになる。同図の同手段5の機能を本体機械に既に備わっている制御部が担うことは、何ら問題はない。尚、同図に描かれている太い矢印は、図1での説明と同じ意味のものである。
【0037】
[独立型装置の実施形態での制御フロー]
次に、図3〜図7のフローチャートに従って、独立型装置の制御フローを説明する。各種の制御は、独立型装置の構成を表すブロック図である図1の制御手段5が、同手段5の内部で、或いは、図1の他の数字を付した手段等との間で行うものであり、一体型装置の手段等と混同することはないと思われるため、以下の説明では、例えば、図1の位置誘導手段3、を単に、位置誘導手段3、と表現する。また、31〜34の位置誘導源はLEDによる発光源、応答検出手段2は、押している間だけオン出力する、所謂、モメンタリー型の押しボタンスイッチ、操作等案内手段4は、スピーカーを想定する。
【0038】
図3は、独立型装置の設置されたトイレを使用者が使用したことを確認する、使用確認処理の制御フローである。同図のステップSTA1で、制御手段5が使用検出手段1の出力信号を読み込み、次のステップSTA2で、出力信号の有無判定を行い、無である限りステップSTA1との間でのループ処理を行う。有でループから抜け出すことになり、使用開始が検出される。ステップSTA3は、着衣の上げ下げから着座までの目安の時間を考慮したもので、時限TA1の経過を待つタイマー処理である。この時限経過で使用確認処理は終了し、排便確認処理(B)に進む。
【0039】
図4は、排便確認処理の制御フローである。同図のステップSTB1は、排便が終わるまでの目安の時間を考慮したもので、時限TB1の経過を待つタイマー処理である。次のステップSTB2では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情B1(排便は済みましたか?)及び制御出力信号:制B1(制御出力なし)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。次の誘導案内に進むため、ステップSTB3で、情B1及び制B1の出力を停止する。
【0040】
図4のステップSTB4では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情B2(排便が済みましたら 点滅ランプの下の ボタンを押して下さい。)及び制御出力信号:制B2(位置誘導源31のLED点滅制御信号)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。
【0041】
図4のステップSTB5で、情B2及び制B2の出力を停止し、次のステップSTB6に進み、直前の誘導案内に対する使用者の応答を確認するため、応答検出手段2の出力信号を読み込む。ステップSTB7で出力信号の有無判定を行い、無ならば、ステップSTB1に戻り、有ならば、排便確認処理を終了し、洗浄処理(C)に進む。
【0042】
図5は、洗浄処理の制御フローである。同図のステップSTC1では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情C1(お尻をお湯で洗います。点滅ランプの下の ボタンを押して下さい。)及び制御出力信号:制C1(位置誘導源33のLED点滅制御出力)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。次の誘導案内に進むため、ステップSTC2で、情C1及び制C1の出力を停止する。
【0043】
図5のステップSTC3では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情C2(お湯が出ていましたら 点滅ランプの下の ボタンを押して下さい。)及び制御出力信号:制C2(位置誘導源31のLED点滅制御信号)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。
【0044】
図5のステップSTC4で、情C2及び制C2の出力を停止し、次のステップSTC5に進み、直前の誘導案内に対する使用者の応答を確認するため、応答検出手段2の出力信号を読み込む。ステップSTC6で出力信号の有無判定を行い、無ならば、ステップSTC1に戻る。有ならば、ステップSTC7に進み、洗浄の時間を考慮して、時限TC1の経過を待つ。時限経過後、洗浄処理を終了し、停止処理(E)に進む。尚、洗浄処理の後に停止処理を経ず、直接に乾燥処理に進むことがメカニズム上問題なければ(ある製造者は、問題無いとの回答)、操作が簡単になり望ましい。
【0045】
図6は、乾燥処理の制御フローである。同図のステップSTD1では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情D1(お尻を温風で乾かします。点滅ランプの下の ボタンを押して下さい。)及び制御出力信号:制D1(位置誘導源34のLED点滅制御出力)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。次の誘導案内に進むため、ステップSTD2で、情D1及び制D1の出力を停止する。
【0046】
図6のステップSTD3では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情D2(温風が出ていましたら 点滅ランプの下の ボタンを押して下さい。)及び制御出力信号:制D2(位置誘導源31のLED点滅制御信号)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。
【0047】
図6のステップSTD4で、情D2及び制D2の出力を停止し、次のステップSTD5に進み、直前の誘導案内に対する使用者の応答を確認するため、応答検出手段2の出力信号を読み込む。ステップSTD6で出力信号の有無判定を行い、無ならば、ステップSTD1に戻る。有ならば、ステップSTD7に進み、乾燥の時間を考慮して、時限TD1の経過を待つ。時限経過後、乾燥処理を終了し、停止処理(E)に進む。
【0048】
図7は、停止処理の制御フローである。同図のステップSTE1では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情E1(止まります。点滅ランプの下の ボタンを押して下さい。)及び制御出力信号:制E1(位置誘導源32のLED点滅制御出力)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。次の誘導案内に進むため、ステップSTE2で、情E1及び制E1の出力を停止する。
【0049】
図7のステップSTE3では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情E2(止まりましたら 点滅ランプの下の ボタンを押して下さい。)及び制御出力信号:制E2(位置誘導源31のLED点滅制御信号)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。
【0050】
図7のステップSTE4で、情E2及び制E2の出力を停止し、次のステップSTE5に進み、直前の誘導案内に対する使用者の応答を確認するため、応答検出手段2の出力信号を読み込む。ステップSTE6で出力信号の有無判定を行い、無ならば、ステップSTE1に戻る。有ならば、停止処理を終了しステップSTE7に進む。乾燥処理(D)後の停止処理ならば、一連の操作が終了し、使用確認処理(A)に、そうでなければ、即ち、洗浄処理(C)後の停止処理ならば、乾燥処理(D)に進む。
【0051】
以上に、独立型装置の実施形態での制御フローについて説明した。これは基本的な考え方を示すもので、例えば、図6のステップSTD1やSTD3での誘導案内出力をゆっくりと複数回繰り返す、同図のSTD7での時限経過待ちの間に関連する案内情報(例えば、お尻を温風で乾かしています)を出力する、ステップ進行の速さ制御、など設計上考慮すべき点については、図3〜図7のフローチャートでは省略している。
【0052】
また、図6のSTD6とSTD1でのループ処理が無限ループに陥ることがないようプログラム上でループ回数などを常時監視し異常検出することも、設計上考慮すべき点である。この無限ループは、装置故障でも発生するが、使用者の応答が無い時にも発生するもので、常時監視結果は、誘導案内情報の見直し、或いは、1回の使用時間の上限値の超過監視とともに使用者の安否確認にも活用できる有益なものである。
【0053】
次に、誘導案内情報の一部を使用者側で選択変更する点について説明する。上記の説明で用いた制御フローにおける誘導案内情報、情B1、情B2〜情E1、情E2は例示したものであり、以下のように、選択肢を用意しておき、使用者がより理解し易い内容表現を選択して、使用者側で変更できるようにするものである。
情B1:排便は済みましたか
→排便は(便は)終わりましたか、用は足しましたか、便は出ましたか
情B2:点滅ランプ(情C2、情D2、情E2でも同表現使用)
→点いたり消えたりしている、チカチカしている、(○色の)光、あかり
情C1:お尻をお湯で洗います
→お尻を洗います
情D1:お尻を温風で乾かします
→お尻を暖かい風で乾かします、お尻を風で乾かします、お尻を乾かします
情E1:止まります
→終わります
【0054】
当然、位置誘導源によって誘導案内情報の内容は変わるが、文字や図などの誘導源の場合は、数字では1音節の“2(に)”、“5(ご)”などより2音節の“3(さん)”、“4(よん)”、“6(ろく)、“7(なな)”などの方が聞き取り易く、丸、四角、三角などの図形や果物(例えば、バナナ、みかん、りんご)、乗り物(例えば、飛行機、船、電車、自動車)、動物(例えば、ぞう、きりん、いぬ)などの絵も良く識別できるようである。これは、93歳になる中度の要介護者である親の世話をしている本願発明者の経験からである。従って、その中から選択できる文字や図が印刷されたシールのシートを用意し、使用者側で選択し押しボタンに貼り付けるなども効果的だと思われる。
【0055】
また、上記の誘導案内情報の一部の単語や表現を選択変更することは、コンピュータ制御を採用することで、そのハードウェア、ソフトウェア(プログラム)を活用すれば比較的容易に実現できる。次に、一体型装置の制御フローについて説明する。
【0056】
[一体型装置の実施形態での制御フロー]
図8〜図12のフローチャートに従って、一体型装置の制御フローを説明する。独立型装置の制御フローと同じ処理ステップを進むフローであり、基本的には同じステップ名を付けているが、処理内容が変わるステップでは、ステップ名の末尾に“0”加えて区別している。例えば、独立型装置のステップSTA1の処理内容が一体型装置で変わる場合はSTA10のように表している。以下に、変更点を中心に説明する。
【0057】
その変更点とは、既存の着座検出部7の着座検出信号及び操作スイッチ部6の押しボタンの押下検出信号のみを用いていることに起因して、使用者が誘導案内情報に的確に応答したことを、同じ操作スイッチの押下の誘導案内を、最初に操作のために発した後に、誘導案内情報の表現を一部変えて、確認のために発して行っている点(これは、一体型装置では図1の独立型装置の応答検出手段2を設けていないためである)、さらに、特徴的な点は、排便確認を同部6の「停止」操作スイッチの押下検出信号を活用している点である。
【0058】
変更箇所を具体的示すと、使用確認を着座検出信号で行う図8のステップSTA10、排便確認を「停止」の押下検出信号で行う図9のステップSTB40及びSTB60、洗浄確認を「洗浄」の押下検出信号で行う図10のステップSTC30及びSTC50、乾燥確認を「乾燥」の押下検出信号で行う図11のステップSTD30及びSTD50、停止確認を「停止」の押下検出信号で行う図12のステップSTE30及びSTE50、の箇所である。制御出力すべき位置誘導手段3の対象となる位置誘導源が変更されていることは言うまでもない。
【0059】
以上に、一体型装置の制御フローにおいて、独立型装置の制御フローから変更される点及び具体的な変更箇所について説明した。それ以外の部分に関しては独立型装置と同じであるため説明は省略する。独立型装置も一体型装置も、その制御フローは上記の内容に限定されるものではないこと、また、乾燥機能が無いものでも、洗浄後のトイレットペイパーの使用を誘導案内するような独立型装置、一体型装置にも、以上に説明してきた構成手段、制御フローを応用できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
排泄行為は生きるものの基本の一つである。英知ある人間が、日本人が創造し国民生活に貢献した機械として機械遺産にも認定された温水洗浄便座は、普及率が約70%と日常生活に定着し多くの者がこの機械の恩恵を受けている。このことは、最初に述べた通りである。
【0061】
今後、高齢化、長寿命化がますます進むが、高齢者のQOL(クオリティー オブライフ)向上の観点からも、健康面、衛生面、さらには、快適さの面で優れた温水洗浄便座を高齢者等が独りでも安心して使用できるよう、技術開発が行われ、改良が重ねられることが大いに望まれる。そのような開発・改良は行われているのであろうが、視力や聴力、理解力や記憶力等の低下から独りで使うことが難しい高齢者等でも独りで安心して使用できる一般家庭用の温水洗浄便座は、現在のところ見つからない。このような状況にあるため、本願発明の産業上の利用可能性は極めて大きいと言える。
【符号の説明】
【0062】
1 使用検出手段
2 応答検出手段
3 位置誘導手段
31 応答スイッチ位置誘導源
32 停止スイッチ位置誘導源
33 洗浄スイッチ位置誘導源
34 乾燥スイッチ位置誘導源
4 操作等案内手段
5 制御手段
6 操作スイッチ部
62 停止スイッチ
63 洗浄スイッチ
64 乾燥スイッチ
7 着座検出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水洗浄便座の洗浄、乾燥、停止などの操作スイッチの操作を誘導し案内する装置及びその機能を併せ持った温水洗浄便座の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
温水洗浄便座が一般社団法人日本機械学会の機械遺産に認定されたことは、家庭で使用される機械としては初めてのことであり、新しいトイレ習慣を創造し、国民生活に貢献した機械として歴史的価値が認められたもの、とする製造会社の公報記事がある。温水洗浄便座は、わが国が世界に誇れる技術の一つであることは確かであり、国内での普及率は現在約70%と言われている。
【0003】
多くの者が温水洗浄便座の恩恵を受けていると言えるが、高齢者の中には手先や足腰の衰えによりトイレットペイパーでの処理が思うようにできず、衛生上好ましいことではない。そうであるからといって、視力や聴力、理解力や記憶力等の低下から、この価値のある生活用機械を独りで使うことも難しく、その都度、家族や介護者が付き添い、操作スイッチの位置や操作を教えるといった状況もある。家庭で家族が深夜就寝中でも起きて付き添わなければならないことは大変な苦労である。
【0004】
一般家庭用の温水洗浄便座であって、その洗浄、乾燥、停止などの操作スイッチの操作を、例えば音声ガイドとともに、誘導案内する機能を併せ持った温水洗浄便座、或いは、温水洗浄便座とは独立して設置できる前記の機能をもった汎用装置や専用装置について調査したが、特に非特許文献1には、トイレの最前線情報、高齢化時代のトイレリフォーム情報を含めて多くの情報が掲載されているが、現状では見つからない。
【0005】
公共施設等のトイレには、障害者を対象とした、専門的な知識や技術を活用して製作された文字ディスプレイや音声ガイドの備わった専用機械や装置が設置されていることが多く、勿論、障害者以外でも使用できるが、一般家庭に設置することはスペース面、経済面で不可能である。
【0006】
一般用として市販されているセンサライト、センサチャイム、センサスピーカーなどと呼ばれる装置は、人を感知して自動的に照明、メロディ、音声を発するものである。音声では、例えば、「機械警備中です、すぐに退去して下さい」などの威嚇用、「いらっしゃいませ」などの挨拶用、あるいは、「足元に気をつけ下さい」などの注意喚起用、などが大半である。
【0007】
また、市販のセンサスピーカーの中には音声内容をユーザーが変更可能な仕様のものもあるが、文字数に制限がある、文字数を増やすことは特別仕様の装置となり高価なものとなる、などの問題があり、温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内には不適である。
【0008】
しかし、上記のような高齢者に対し、果たして、音声だけで十分な誘導案内ができるであろうか、という疑問もある。つまり、温水洗浄便座の操作を、一方向の固定された音声による誘導案内だけではなく、案内音声は予め用意されているが案内音声内の単語や表現を、使用者側で高齢者が聞き取り易く理解し易いものを選択して変更できる、用を足したことや操作をしたことを確認する、さらには、操作スイッチなどの存在位置を、例えば、点滅光源などをそれに近接設置しその存在位置に誘導する、などの手段と組み合わせることでより確実な誘導案内ができるものと考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】一般社団法人 日本衛生設備機器工業会/一般社団法人 温水洗浄便座工業会 ホームページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の点に鑑み、本発明の課題は、視力や聴力、理解力や記憶力等の低下から、温水洗浄便座の洗浄、乾燥、停止などの操作スイッチの操作が困難な高齢者等を対象とした、音声情報等と組み合わせてより確実な誘導案内ができる、望ましくは使用者である高齢者等の使用状態から安否確認や健康確認もできる、温水洗浄便座とは独立して設置できる温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内装置及びその機能を併せ持った温水洗浄便座の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
温水洗浄便座とは独立に設置できる温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内装置では、温水洗浄便座である本体機械の使用者が前記本体機械の使用にあることを検出して信号を出力する使用検出手段と、使用者の応答を検出して信号を出力する応答検出手段と、前記本体機械の操作スイッチ及び前記応答検出手段の存在位置へ誘導する位置誘導手段と、前記本体機械の操作スイッチ及び前記応答検出手段の操作等を案内する操作等案内手段と、前記使用検出手段からの出力信号及び前記応答検出手段からの出力信号とを入力信号とし、前記入力信号に基づいて、前記位置誘導手段へ動作制御を必要とする場合に出力する制御信号及び前記操作等案内手段へ出力する誘導案内情報を生成し出力する制御手段とから構成されることを特徴とする。
【0012】
一方、温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内機能を併せ持った温水洗浄便座の制御装置では、温水洗浄便座を使用者が使用したことにより発生する着座検出信号と、前記温水洗浄便座の操作スイッチが押下されたことにより発生する押下検出信号とを入力信号とし、前記操作スイッチの位置へ誘導する位置誘導手段と、前記操作スイッチの操作等を案内する操作等案内手段と、前記入力信号に基づいて前記位置誘導手段へ動作制御を必要とする場合に出力する制御信号及び前記操作等案内手段へ出力する誘導案内情報を生成し出力する制御手段とが、既存手段に加えて構成されることを特徴とする。
【0013】
また、前記操作等案内手段の誘導案内情報は、音声情報または文字情報であり、前記誘導案内情報の一部が使用者側で選択して変更できることを特徴とするものである。
【0014】
さらに、前記位置誘導手段は、発光源または振動源または発熱源、または、文字または図または凹凸であることを特徴とするものである。
【0015】
使用者である高齢者等の安否確認や健康確認のために、温水洗浄便座の1回の使用時間が設定された上限値を超えて使用された場合に緊急を通報できる、また、使用履歴が記憶され表示できる手段を加えて備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
以上に課題を解決するための手段について説明した。上記の手段を講ずることにより、視力や聴力、理解力や記憶力等の低下から、温水洗浄便座の洗浄、乾燥、停止などの操作スイッチの操作が困難な高齢者等に対し、独りで安心して使用できる温水洗浄便座を調えることが出来る。以下に発明の効果を具体的に説明する。
【0017】
一方向の固定された音声や文字による誘導案内だけではなく、その内容は予め用意されているがその内容の一部の単語や表現を、使用者側で使用者である高齢者等が聞き取り易く理解し易いものを選択して変更できる、用を足したことや操作をしたことの応答を確認する、さらには、操作スイッチなどの存在位置へ的確に誘導する、などの手段と組み合わせることで、使用者が戸惑い置き去りにされることなくより確実な誘導案内ができる、使用者の応答確認を行っているため無応答監視ができ安否確認にも活用できる、使用履歴による健康確認ができる、などの効果に加えて、健康面、衛生面、さらには、快適さの面で、温水洗浄便座の恩恵にあずかることができ、結果としてQOL(クオリティー オブ ライフ)向上につながるといった効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内装置(以下、独立型装置と呼ぶ)の構成を表すブロック図である。
【図2】本発明に係る温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内機能を併せ持った温水洗浄便座の制御装置(以下では、一体型装置と呼ぶ)の構成を表すブロック図である。
【図3】独立型装置の使用確認処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図4】独立型装置の排便確認処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図5】独立型装置の洗浄処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図6】独立型装置の乾燥処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図7】独立型装置の停止処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図8】一体型装置の使用確認処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図9】一体型装置の排便確認処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図10】一体型装置の洗浄処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図11】一体型装置の乾燥処理の制御フローを表すフローチャートである。
【図12】一体型装置の停止処理の制御フローを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る、独立型装置である温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内装置及び一体型装置である温水洗浄便座操作スイッチの操作の誘導案内機能を併せ持った温水洗浄便座の制御装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[独立型装置の実施形態での構成]
図1は、独立型装置の構成を表すブロック図である。同図の数字1〜5を付した実線のブロックが本発明に係る構成手段で、数字6を付した一点差線のブロックが既存の温水洗浄便座の、「(おしりの)洗浄」、「(おしりの)乾燥」及び「(洗浄や乾燥の)停止」機能を動作・停止させる、単に押しボタンとも呼ばれるスイッチを配した操作スイッチ部である。数字63、64、62の押しボタンが上記の各機能に対応する。
【0021】
これらの操作スイッチを、使用者である高齢者等がより確実に操作できるように誘導し案内することが、本発明の課題である。以下に、それぞれのブロックについて説明する。
【0022】
図1の使用検出手段1は、本発明に係る独立型装置が設置された温水洗浄便座のあるトイレを使用者が使用状態にあることを検出して信号を出力するもので、例えば、トイレの照明スイッチやドアの施錠開錠に連動してオンオフするスイッチ、トイレ照明の明るさに反応する明るさセンサ、人の接近に反応する人感センサ、さらには、便座上に設けられるシートスイッチなどを用いることが出来る。同手段1の出力信号は、後述の制御手段5に入力される。尚、以下では温水洗浄便座を単に本体機械とも呼ぶ。
【0023】
図1の応答検出手段2は、使用者が音声等の誘導案内情報に応答したことを確認するために設けられるもので、一方向だけの誘導案内で使用者が戸惑い置き去りにされることを防ぐためである。使用者が応答したことを検出して信号を出力する、例えば、本体機械の「洗浄」などの操作スイッチと同種の押しボタンスイッチなどを用いることが出来る。同手段2の出力信号は、後述する制御手段5に入力される。
【0024】
図1の位置誘導手段3は、使用者が同図の応答検出手段2への応答操作及び本体機械の「洗浄」、「乾燥」、「停止」などの操作スイッチの操作を確実に行えるよう誘導するために、応答検出手段2及び操作スイッチの存在位置に近接して、或いは、それらの存在位置に在るスイッチ等と一体化して設けられる。 同手段3のブロック内の数字31、32、33、34が付されたものは、応答検出手段2及び本体機械の操作スイッチ「停止」、「洗浄」、「乾燥」のそれぞれに対応して設けられる位置誘導源である。
【0025】
上記の位置誘導源としては、動作のための制御を必要とせず簡素な構造とできる、例えば、文字または図または凹凸などを用いることが出来る。また、動作のための制御を必要とするがより確実な誘導ができる、例えば、発光源または振動源または発熱源などを用いる、さらには、これらと文字や図などを併用して用いることも出来る。
【0026】
発光源としては、例えば、LEDを用いて点灯させる、視認性をより高めるために点滅させる等の方法がある。振動源としては、例えば、携帯電話にも搭載されている振動モータ等が採用できる。発熱源としては、例えば、面状発熱体等が活用できる。そして、誘導が必要なタイミングにおけるこれらの動作制御は、図1の制御手段5で生成され出力される制御信号が位置誘導手段3に入力されることによって行われる。
【0027】
一方、動作制御を必要としない位置誘導源としては、使用者である高齢者等が認識し易い大きな、一つの文字や数字、または、丸、四角、三角、果物、乗り物などの図形や絵を、例えばシール状にして、応答検出手段2及び操作スイッチの存在位置に近接して貼り付けた位置誘導源、或いは、それらの存在位置に在るスイッチ等に直接に貼り付けて一体化した位置誘導源などが考えられる。また、視力低下が進行しているが点字に頼るまでには至っていない者に対しては、凹や凸を組み合わせた成型パネルなどを近接設置する方法も考えられる。
【0028】
図1の操作等案内手段4は、次に説明する同図の制御手段5で生成出力され同手段4に入力される誘導案内情報を、音声または文字の形で使用者に伝えるためのものであり、スピーカーまたは文字ディスプレイを用いることが出来る。
【0029】
図1の制御手段5は、同図の使用検出手段1及び応答検出手段2からの出力信号が入力され、後に説明する制御フローに従って、同図の位置誘導手段3へ動作制御を必要とする場合に出力する制御信号及び同図の操作等案内手段4へ出力する誘導案内情報を生成し出力するものである。
【0030】
近年、制御回路はCPU(セントラルプロセシングユニット)を用いたコンピュータ制御が主流であり、図1の制御手段5にもCPUの採用が最適である。同図の同手段5内の構成は省略しているが、CPUを中核とし、プログラム格納用のROM(リードオンリーメモリー)、データの一時格納用のRAM(ランダムアクセスメモリー)、設定値等格納用の不揮発性メモリーなどの記憶回路、外部との入出力回路、記憶回路格納データ等の表示回路、時計回路、電源回路などから構成されることになる。
【0031】
上記のCPUを採用したコンピュータ制御とすることで、その能力を活用すれば、先述した使用者である高齢者等の安否確認や健康確認のための、使用時間監視と通報、或いは、使用履歴メモリーと表示なども比較的容易に実現できることになる。なお、安否確認結果の通報手段は図示していないが、現状のさまざまな技術が活用できる。
【0032】
図1の数字1、2及び62、63、64が付されたブロック内及び押しボタン内に描かれた太い矢印は、押しボタンスイッチを押すなどの使用者の動作入力を示すもので、それにより発生する出力信号は細い矢印で描いている。例えば、数字63が付された「洗浄」の押しボタンが押されると、洗浄スイッチ押下検出信号が発生することになる。図1の独立型装置ではこの信号を直接用いることはないが、洗浄の有無を同図の応答検出手段2の入力により確認することになる。詳細は以降の制御フローで説明する。
【0033】
[一体型装置の実施形態での構成]
図2は、一体型装置の構成を表すブロック図である。図1の独立型装置と共通する手段、部位には同じ数字を付している。それらの機能もほとんど同じであるため、以下では異なる点を中心に説明する。
【0034】
図2で、数字6、7を付した一点差線のブロックは、温水洗浄便座(ここでも、本体機械とも呼ぶ)に既に備わっている部位であり、数字3、4、5を付した実線のブロックは、新たに加えて設けられる手段である。
【0035】
図2では、図1の使用検出手段1は省略され、図2の着座検出部7がその機能を担うことになる。また、図1の応答検出手段2及びそれに付随した位置誘導源31も省略され、図2の操作スイッチ部6の「洗浄」、「乾燥」、「停止」の操作スイッチの押下誘導案内を、操作のために行った後に、確認のためにも行い、使用者が誘導案内情報を正しく認識した上での押下操作であることを確かめるようにしている。この点に関しては、後の[一体型装置の実施形態での制御フロー]においても説明する。
【0036】
図2の着座検出部7から出力される着座検出信号、操作スイッチ部6の押しボタンスイッチ63、64及び62から出力される洗浄スイッチ押下検出信号、乾燥スイッチ押下検出信号および停止スイッチ押下検出信号が、同図の制御手段5に分岐して入力され、同図の同手段5が後述する制御フローに従って、同図の位置誘導手段3へ動作制御を必要とする場合に出力する制御信号及び同図の操作等案内手段4へ出力する誘導案内情報を生成し出力することになる。同図の同手段5の機能を本体機械に既に備わっている制御部が担うことは、何ら問題はない。尚、同図に描かれている太い矢印は、図1での説明と同じ意味のものである。
【0037】
[独立型装置の実施形態での制御フロー]
次に、図3〜図7のフローチャートに従って、独立型装置の制御フローを説明する。各種の制御は、独立型装置の構成を表すブロック図である図1の制御手段5が、同手段5の内部で、或いは、図1の他の数字を付した手段等との間で行うものであり、一体型装置の手段等と混同することはないと思われるため、以下の説明では、例えば、図1の位置誘導手段3、を単に、位置誘導手段3、と表現する。また、31〜34の位置誘導源はLEDによる発光源、応答検出手段2は、押している間だけオン出力する、所謂、モメンタリー型の押しボタンスイッチ、操作等案内手段4は、スピーカーを想定する。
【0038】
図3は、独立型装置の設置されたトイレを使用者が使用したことを確認する、使用確認処理の制御フローである。同図のステップSTA1で、制御手段5が使用検出手段1の出力信号を読み込み、次のステップSTA2で、出力信号の有無判定を行い、無である限りステップSTA1との間でのループ処理を行う。有でループから抜け出すことになり、使用開始が検出される。ステップSTA3は、着衣の上げ下げから着座までの目安の時間を考慮したもので、時限TA1の経過を待つタイマー処理である。この時限経過で使用確認処理は終了し、排便確認処理(B)に進む。
【0039】
図4は、排便確認処理の制御フローである。同図のステップSTB1は、排便が終わるまでの目安の時間を考慮したもので、時限TB1の経過を待つタイマー処理である。次のステップSTB2では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情B1(排便は済みましたか?)及び制御出力信号:制B1(制御出力なし)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。次の誘導案内に進むため、ステップSTB3で、情B1及び制B1の出力を停止する。
【0040】
図4のステップSTB4では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情B2(排便が済みましたら 点滅ランプの下の ボタンを押して下さい。)及び制御出力信号:制B2(位置誘導源31のLED点滅制御信号)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。
【0041】
図4のステップSTB5で、情B2及び制B2の出力を停止し、次のステップSTB6に進み、直前の誘導案内に対する使用者の応答を確認するため、応答検出手段2の出力信号を読み込む。ステップSTB7で出力信号の有無判定を行い、無ならば、ステップSTB1に戻り、有ならば、排便確認処理を終了し、洗浄処理(C)に進む。
【0042】
図5は、洗浄処理の制御フローである。同図のステップSTC1では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情C1(お尻をお湯で洗います。点滅ランプの下の ボタンを押して下さい。)及び制御出力信号:制C1(位置誘導源33のLED点滅制御出力)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。次の誘導案内に進むため、ステップSTC2で、情C1及び制C1の出力を停止する。
【0043】
図5のステップSTC3では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情C2(お湯が出ていましたら 点滅ランプの下の ボタンを押して下さい。)及び制御出力信号:制C2(位置誘導源31のLED点滅制御信号)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。
【0044】
図5のステップSTC4で、情C2及び制C2の出力を停止し、次のステップSTC5に進み、直前の誘導案内に対する使用者の応答を確認するため、応答検出手段2の出力信号を読み込む。ステップSTC6で出力信号の有無判定を行い、無ならば、ステップSTC1に戻る。有ならば、ステップSTC7に進み、洗浄の時間を考慮して、時限TC1の経過を待つ。時限経過後、洗浄処理を終了し、停止処理(E)に進む。尚、洗浄処理の後に停止処理を経ず、直接に乾燥処理に進むことがメカニズム上問題なければ(ある製造者は、問題無いとの回答)、操作が簡単になり望ましい。
【0045】
図6は、乾燥処理の制御フローである。同図のステップSTD1では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情D1(お尻を温風で乾かします。点滅ランプの下の ボタンを押して下さい。)及び制御出力信号:制D1(位置誘導源34のLED点滅制御出力)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。次の誘導案内に進むため、ステップSTD2で、情D1及び制D1の出力を停止する。
【0046】
図6のステップSTD3では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情D2(温風が出ていましたら 点滅ランプの下の ボタンを押して下さい。)及び制御出力信号:制D2(位置誘導源31のLED点滅制御信号)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。
【0047】
図6のステップSTD4で、情D2及び制D2の出力を停止し、次のステップSTD5に進み、直前の誘導案内に対する使用者の応答を確認するため、応答検出手段2の出力信号を読み込む。ステップSTD6で出力信号の有無判定を行い、無ならば、ステップSTD1に戻る。有ならば、ステップSTD7に進み、乾燥の時間を考慮して、時限TD1の経過を待つ。時限経過後、乾燥処理を終了し、停止処理(E)に進む。
【0048】
図7は、停止処理の制御フローである。同図のステップSTE1では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情E1(止まります。点滅ランプの下の ボタンを押して下さい。)及び制御出力信号:制E1(位置誘導源32のLED点滅制御出力)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。次の誘導案内に進むため、ステップSTE2で、情E1及び制E1の出力を停止する。
【0049】
図7のステップSTE3では、同図下の表に記載の誘導案内情報:情E2(止まりましたら 点滅ランプの下の ボタンを押して下さい。)及び制御出力信号:制E2(位置誘導源31のLED点滅制御信号)が制御手段5で生成され、操作等案内手段4及び位置誘導手段3に出力される。
【0050】
図7のステップSTE4で、情E2及び制E2の出力を停止し、次のステップSTE5に進み、直前の誘導案内に対する使用者の応答を確認するため、応答検出手段2の出力信号を読み込む。ステップSTE6で出力信号の有無判定を行い、無ならば、ステップSTE1に戻る。有ならば、停止処理を終了しステップSTE7に進む。乾燥処理(D)後の停止処理ならば、一連の操作が終了し、使用確認処理(A)に、そうでなければ、即ち、洗浄処理(C)後の停止処理ならば、乾燥処理(D)に進む。
【0051】
以上に、独立型装置の実施形態での制御フローについて説明した。これは基本的な考え方を示すもので、例えば、図6のステップSTD1やSTD3での誘導案内出力をゆっくりと複数回繰り返す、同図のSTD7での時限経過待ちの間に関連する案内情報(例えば、お尻を温風で乾かしています)を出力する、ステップ進行の速さ制御、など設計上考慮すべき点については、図3〜図7のフローチャートでは省略している。
【0052】
また、図6のSTD6とSTD1でのループ処理が無限ループに陥ることがないようプログラム上でループ回数などを常時監視し異常検出することも、設計上考慮すべき点である。この無限ループは、装置故障でも発生するが、使用者の応答が無い時にも発生するもので、常時監視結果は、誘導案内情報の見直し、或いは、1回の使用時間の上限値の超過監視とともに使用者の安否確認にも活用できる有益なものである。
【0053】
次に、誘導案内情報の一部を使用者側で選択変更する点について説明する。上記の説明で用いた制御フローにおける誘導案内情報、情B1、情B2〜情E1、情E2は例示したものであり、以下のように、選択肢を用意しておき、使用者がより理解し易い内容表現を選択して、使用者側で変更できるようにするものである。
情B1:排便は済みましたか
→排便は(便は)終わりましたか、用は足しましたか、便は出ましたか
情B2:点滅ランプ(情C2、情D2、情E2でも同表現使用)
→点いたり消えたりしている、チカチカしている、(○色の)光、あかり
情C1:お尻をお湯で洗います
→お尻を洗います
情D1:お尻を温風で乾かします
→お尻を暖かい風で乾かします、お尻を風で乾かします、お尻を乾かします
情E1:止まります
→終わります
【0054】
当然、位置誘導源によって誘導案内情報の内容は変わるが、文字や図などの誘導源の場合は、数字では1音節の“2(に)”、“5(ご)”などより2音節の“3(さん)”、“4(よん)”、“6(ろく)、“7(なな)”などの方が聞き取り易く、丸、四角、三角などの図形や果物(例えば、バナナ、みかん、りんご)、乗り物(例えば、飛行機、船、電車、自動車)、動物(例えば、ぞう、きりん、いぬ)などの絵も良く識別できるようである。これは、93歳になる中度の要介護者である親の世話をしている本願発明者の経験からである。従って、その中から選択できる文字や図が印刷されたシールのシートを用意し、使用者側で選択し押しボタンに貼り付けるなども効果的だと思われる。
【0055】
また、上記の誘導案内情報の一部の単語や表現を選択変更することは、コンピュータ制御を採用することで、そのハードウェア、ソフトウェア(プログラム)を活用すれば比較的容易に実現できる。次に、一体型装置の制御フローについて説明する。
【0056】
[一体型装置の実施形態での制御フロー]
図8〜図12のフローチャートに従って、一体型装置の制御フローを説明する。独立型装置の制御フローと同じ処理ステップを進むフローであり、基本的には同じステップ名を付けているが、処理内容が変わるステップでは、ステップ名の末尾に“0”加えて区別している。例えば、独立型装置のステップSTA1の処理内容が一体型装置で変わる場合はSTA10のように表している。以下に、変更点を中心に説明する。
【0057】
その変更点とは、既存の着座検出部7の着座検出信号及び操作スイッチ部6の押しボタンの押下検出信号のみを用いていることに起因して、使用者が誘導案内情報に的確に応答したことを、同じ操作スイッチの押下の誘導案内を、最初に操作のために発した後に、誘導案内情報の表現を一部変えて、確認のために発して行っている点(これは、一体型装置では図1の独立型装置の応答検出手段2を設けていないためである)、さらに、特徴的な点は、排便確認を同部6の「停止」操作スイッチの押下検出信号を活用している点である。
【0058】
変更箇所を具体的示すと、使用確認を着座検出信号で行う図8のステップSTA10、排便確認を「停止」の押下検出信号で行う図9のステップSTB40及びSTB60、洗浄確認を「洗浄」の押下検出信号で行う図10のステップSTC30及びSTC50、乾燥確認を「乾燥」の押下検出信号で行う図11のステップSTD30及びSTD50、停止確認を「停止」の押下検出信号で行う図12のステップSTE30及びSTE50、の箇所である。制御出力すべき位置誘導手段3の対象となる位置誘導源が変更されていることは言うまでもない。
【0059】
以上に、一体型装置の制御フローにおいて、独立型装置の制御フローから変更される点及び具体的な変更箇所について説明した。それ以外の部分に関しては独立型装置と同じであるため説明は省略する。独立型装置も一体型装置も、その制御フローは上記の内容に限定されるものではないこと、また、乾燥機能が無いものでも、洗浄後のトイレットペイパーの使用を誘導案内するような独立型装置、一体型装置にも、以上に説明してきた構成手段、制御フローを応用できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
排泄行為は生きるものの基本の一つである。英知ある人間が、日本人が創造し国民生活に貢献した機械として機械遺産にも認定された温水洗浄便座は、普及率が約70%と日常生活に定着し多くの者がこの機械の恩恵を受けている。このことは、最初に述べた通りである。
【0061】
今後、高齢化、長寿命化がますます進むが、高齢者のQOL(クオリティー オブライフ)向上の観点からも、健康面、衛生面、さらには、快適さの面で優れた温水洗浄便座を高齢者等が独りでも安心して使用できるよう、技術開発が行われ、改良が重ねられることが大いに望まれる。そのような開発・改良は行われているのであろうが、視力や聴力、理解力や記憶力等の低下から独りで使うことが難しい高齢者等でも独りで安心して使用できる一般家庭用の温水洗浄便座は、現在のところ見つからない。このような状況にあるため、本願発明の産業上の利用可能性は極めて大きいと言える。
【符号の説明】
【0062】
1 使用検出手段
2 応答検出手段
3 位置誘導手段
31 応答スイッチ位置誘導源
32 停止スイッチ位置誘導源
33 洗浄スイッチ位置誘導源
34 乾燥スイッチ位置誘導源
4 操作等案内手段
5 制御手段
6 操作スイッチ部
62 停止スイッチ
63 洗浄スイッチ
64 乾燥スイッチ
7 着座検出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温水洗浄便座である本体機械の使用者が前記本体機械の使用にあることを検出して信号を出力する使用検出手段と、使用者の応答を検出して信号を出力する応答検出手段と、前記本体機械の操作スイッチ及び前記応答検出手段の存在位置へ誘導する位置誘導手段と、前記本体機械の操作スイッチ及び前記応答検出手段の操作等を案内する操作等案内手段と、前記使用検出手段からの出力信号及び前記応答検出手段からの出力信号とを入力信号とし、前記入力信号に基づいて、前記位置誘導手段へ動作制御を必要とする場合に出力する制御信号及び前記操作等案内手段へ出力する誘導案内情報を生成し出力する制御手段とから構成される、前記本体機械とは独立して設置できる、温水洗浄便座操作スイッチの操作誘導案内装置。
【請求項2】
前記操作等案内手段の誘導案内情報が、音声情報または文字情報であり、かつ、前記誘導案内情報の一部が使用者側で選択して変更できることを特徴とする請求項1に記載の温水洗浄便座操作スイッチの操作誘導案内装置。
【請求項3】
前記位置誘導手段が、発光源または振動源または発熱源、または、文字または図または凹凸であることを特徴とする請求項2に記載の温水洗浄便座操作スイッチの操作案内誘導装置。
【請求項4】
温水洗浄便座を使用者が使用したことにより発生する着座検出信号と、前記温水洗浄便座の操作スイッチが押下されたことにより発生する押下検出信号とを入力信号とし、前記操作スイッチの位置へ誘導する位置誘導手段と、前記操作スイッチの操作等を案内する操作等案内手段と、前記入力信号に基づいて前記位置誘導手段へ動作制御を必要とする場合に出力する制御信号及び前記操作等案内手段へ出力する誘導案内情報を生成し出力する制御手段とを併せ持った温水洗浄便座の制御装置。
【請求項5】
前記操作等案内手段の誘導案内情報が、音声情報または文字情報であり、かつ、前記誘導案内情報の一部が使用者側で選択して変更できることを特徴とする請求項4に記載の温水洗浄便座の制御装置。
【請求項6】
前記位置誘導手段が、発光源または振動源または発熱源、または、文字または図または凹凸であることを特徴とする請求項5に記載の温水洗浄便座の制御装置。
【請求項7】
温水洗浄便座の使用履歴が記憶され表示できる使用履歴記憶表示手段、または1回の使用時間の上限値を設定でき前記上限値を超えて使用された場合に緊急を通報できる緊急通報手段を加えて備えた、請求項2または請求項3または請求項5または請求項6のいずれかに記載の温水洗浄便座操作スイッチの操作誘導案内装置あるいは温水洗浄便座の制御装置。
【請求項1】
温水洗浄便座である本体機械の使用者が前記本体機械の使用にあることを検出して信号を出力する使用検出手段と、使用者の応答を検出して信号を出力する応答検出手段と、前記本体機械の操作スイッチ及び前記応答検出手段の存在位置へ誘導する位置誘導手段と、前記本体機械の操作スイッチ及び前記応答検出手段の操作等を案内する操作等案内手段と、前記使用検出手段からの出力信号及び前記応答検出手段からの出力信号とを入力信号とし、前記入力信号に基づいて、前記位置誘導手段へ動作制御を必要とする場合に出力する制御信号及び前記操作等案内手段へ出力する誘導案内情報を生成し出力する制御手段とから構成される、前記本体機械とは独立して設置できる、温水洗浄便座操作スイッチの操作誘導案内装置。
【請求項2】
前記操作等案内手段の誘導案内情報が、音声情報または文字情報であり、かつ、前記誘導案内情報の一部が使用者側で選択して変更できることを特徴とする請求項1に記載の温水洗浄便座操作スイッチの操作誘導案内装置。
【請求項3】
前記位置誘導手段が、発光源または振動源または発熱源、または、文字または図または凹凸であることを特徴とする請求項2に記載の温水洗浄便座操作スイッチの操作案内誘導装置。
【請求項4】
温水洗浄便座を使用者が使用したことにより発生する着座検出信号と、前記温水洗浄便座の操作スイッチが押下されたことにより発生する押下検出信号とを入力信号とし、前記操作スイッチの位置へ誘導する位置誘導手段と、前記操作スイッチの操作等を案内する操作等案内手段と、前記入力信号に基づいて前記位置誘導手段へ動作制御を必要とする場合に出力する制御信号及び前記操作等案内手段へ出力する誘導案内情報を生成し出力する制御手段とを併せ持った温水洗浄便座の制御装置。
【請求項5】
前記操作等案内手段の誘導案内情報が、音声情報または文字情報であり、かつ、前記誘導案内情報の一部が使用者側で選択して変更できることを特徴とする請求項4に記載の温水洗浄便座の制御装置。
【請求項6】
前記位置誘導手段が、発光源または振動源または発熱源、または、文字または図または凹凸であることを特徴とする請求項5に記載の温水洗浄便座の制御装置。
【請求項7】
温水洗浄便座の使用履歴が記憶され表示できる使用履歴記憶表示手段、または1回の使用時間の上限値を設定でき前記上限値を超えて使用された場合に緊急を通報できる緊急通報手段を加えて備えた、請求項2または請求項3または請求項5または請求項6のいずれかに記載の温水洗浄便座操作スイッチの操作誘導案内装置あるいは温水洗浄便座の制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−68075(P2013−68075A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2012−248816(P2012−248816)
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【出願人】(505288011)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−248816(P2012−248816)
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【出願人】(505288011)
【Fターム(参考)】
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