説明

温調装置

【課題】 腐食性の高いガスが熱電モジュール内に侵入して熱電モジュールが腐食することを防止でき、かつ熱電モジュールを密に設けることができ、さらに、ガスの熱に対する耐久性を向上させることができる温調装置を提供すること。
【解決手段】 温調装置1は、天板2と、熱交換板4と、天板2側に温調側電極52が配置され、熱交換板4側に熱交換板側電極53が配置され、熱電素子54P,54Nの一方の端面が温調側電極52に接続され、熱電素子54P,54Nの他方の端面が熱交換板側電極53に接続された熱電モジュール50と、熱電モジュール50の天板2側の部分に設けられたポリイミドフィルム60Aとを備え、熱電モジュール50よりも外周側は、ポリイミドフィルム60Aと熱交換板4との間に配置され、外周がセラミックス製のシール壁70で囲まれ、シール壁70とポリイミドフィルム60Aとの間には、接着シートまたは接着剤80が介在している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温調対象物の温調を行う温調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
温調対象物としての半導体ウェハは、真空チャンバ内に設けられたサセプタの載置板に載置され、プラズマ雰囲気におけるプロセスガスによってドライエッチング等の各種半導体処理が施される。各種半導体処理を行う際には、半導体ウェハの面内の温度分布を所望する温度分布に制御する必要がある。
この制御を行うものとして、従来、温調対象物が載置される載置板と、熱交換板と、載置板と熱交換板とによって挟まれ、熱電モジュールが配置された熱電モジュールプレートとを備え、熱電モジュールに電力を供給して温調対象物の温調を行う温調装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
熱電モジュールは、載置板側に一方の電極が配置され、熱交換板側に他方の電極が配置されており、P型およびN型の熱電素子が交互に電極に接続され、電気的に直列接続されている。そして、P型およびN型の熱電素子に電流を流して熱電モジュールに電力を供給すると、電流の通電方向に応じて載置板面で吸熱作用あるいは発熱作用が行われる。よって、この吸熱作用により、載置板を介して半導体ウェハが冷却され、発熱作用により、半導体ウェハが温められる。
【0004】
このような温調装置では、特許文献1に記載のように、熱電モジュールは、熱電モジュールプレート内に樹脂製のシール部材によって封止されていたり、又は、特許文献2に記載のように、熱電モジュールプレート内に金属枠体によって封止されている。
また、特許文献2に記載の温調装置では、熱電モジュールプレートの上板と金属枠体との間には、枠体接合用の金属板が介在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−284761号公報
【特許文献2】特開2007−258298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のような従来の温調装置では、シール部材が樹脂製であり、特許文献2に記載のような従来の温調装置では、シール部材が金属製であるため、高温のプロセスガスの熱や腐食性の高いプロセスガスによってシール部材の強度が弱められてシール部材が壊される。そうすると、腐食性の高いプロセスガスが熱電モジュール内に侵入し、熱電モジュールが腐食して温調装置が適切に作動しなくなる。
【0007】
ここで、シール部材が壊されないようにするには、シール部材を厚くすることが考えられるが、シール部材を厚くすると、熱電モジュールプレート内においてシール部材による配置スペースが大きくなるため、熱電モジュールを密に設けることができず、温調対象物の温調を適切に行うことができなくなる。
【0008】
また、特許文献2に記載のような従来の温調装置では、熱電モジュールプレートの上板とシール部材との間に介在しているものが金属板であるため、熱電モジュールプレートの上板とシール部材との間でプロセスガスの熱によって生じる熱膨張差が吸収されず、熱電モジュールプレートの上板とシール部材との接合部分から、温調装置が壊されてしまい、温調装置の耐久性に劣る。
【0009】
本発明の目的は、腐食性の高いガスが熱電モジュール内に侵入して熱電モジュールが腐食することを防止でき、かつ熱電モジュールを密に設けることができ、さらに、ガスの熱に対する耐久性を向上させることができる温調装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明に係る温調装置は、温調対象物が載置される載置板と、熱交換板と、前記載置板側に温調側電極が配置され、前記熱交換板側に熱交換板側電極が配置され、熱電素子の一方の端面が前記温調側電極に接続され、熱電素子の他方の端面が前記熱交換板側電極に接続された熱電モジュールと、前記熱電モジュールの少なくとも前記載置板側の部分に設けられた保護部材とを備え、前記熱電モジュールよりも外周側は、前記保護部材と前記熱交換板との間に配置され、外周がセラミックス製のシール壁で囲まれ、前記シール壁と前記保護部材との間には、接着シートまたは接着剤が介在していることを特徴とする。
【0011】
第2発明に係る温調装置では、前記シール壁は酸化アルミニウム製または窒化アルミニウム製またはアルミニウムにアルマイト処理したものであることを特徴とする。
第3発明に係る温調装置では、前記保護部材はポリイミドフィルムであることを特徴とする。
第4発明に係る温調装置では、前記保護部材はセラミックス板であることを特徴とする。
【0012】
第5発明に係る温調装置では、前記載置板と前記熱交換板との間に設けられて前記熱電モジュールが配置された熱電モジュールプレートでは、前記保護部材を貫通して形成される貫通孔に対応した位置にブッシュまたはボスが設けられ、前記ブッシュまたは前記ボスは前記保護部材と接合されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1発明によれば、熱電モジュールよりも外周側は、保護部材と熱交換板との間に配置され、外周がセラミックス製のシール壁で囲まれているため、シール壁の強度を高めることができ、高温で腐食性の高いプロセスガスによってシール壁が壊されることがなく、腐食性の高いプロセスガスが熱電モジュール内に侵入してくることを防止でき、熱電モジュールが腐食して温調装置が適切に作動しなくなることを防止できる。また、シール壁を厚くする必要がないので、シール壁の配置スペースを小さくでき、熱電モジュールをより密に設けることができ、温調対象物の温調をより適切に行うことができる。さらに、プロセスガスの熱に対する温調装置の耐久性を向上させることができる。
【0014】
第2発明によれば、シール壁は酸化アルミニウム製または窒化アルミニウム製またはアルミニウムにアルマイト処理したものであるので、腐食性の高いプロセスガスに対する耐食性に優れている。
【0015】
第3発明および第4発明によれば、保護部材がポリイミドフィルムやセラミックス板であるので、少なくとも載置板からの熱がシール壁に流入することを防止でき、載置板とシール壁との間を断熱できて、流入してくる熱によってシール壁が高温になることを防止できる。また、熱電モジュールと載置板との間を電気的に絶縁でき、熱電モジュールを適切に作動できる。
【0016】
第5発明によれば、ブッシュまたはボスを設けることによって、熱電モジュールプレートの外側から貫通孔を通って流入してくるプロセスガスが貫通孔から熱電モジュール内に流入してくることを防止でき、熱電モジュールの腐食を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る温調装置が真空チャンバ内に配置された状態を示す図。
【図2】前記温調装置を示す分解斜視図。
【図3】前記温調装置の断面図。
【図4】前記温調装置を構成する熱電モジュールの一部を拡大して示す分解斜視図。
【図5】図4のA−A’線での断面図。
【図6】本発明の第1の変形例を示す断面図で、特に温調装置を構成する熱電モジュールの一部を拡大して示す分解斜視図。
【図7】図6のB−B’線での断面図。
【図8】本発明の第2の変形例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施形態の温調装置を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、温調対象物としての半導体ウェハWは、円板形状であり、真空チャンバ100内で天板2上に静電気チャックで吸着・載置され、プラズマ雰囲気におけるプロセスガスによってドライエッチング等の各種半導体処理が施される。ドライエッチング時には、真空チャンバ100内は真空引きされており、所定の低圧に維持される。この状態で、真空チャンバ100内にエッチングガスを導入する。導入したエッチングガスをプラズマ化し、半導体ウェハWをエッチング処理する。このような各種半導体処理を行う際に、温調装置1によって半導体ウェハWの温度が目標温度に制御されるとともに、半導体ウェハWの面内の温度分布が所望する温度分布に制御される。
【0019】
図2に示すように、温調装置1は、半導体ウェハW(図2の2点鎖線参照)が載置される載置板としての天板2と、天板2の下側に設けられた均熱板3と、最下部側を構成する熱交換板4と、均熱板3と熱交換板4とによって挟まれ、熱電モジュール50が配置された熱電モジュールプレート5とを備え、熱電モジュール50に電力を供給して半導体ウェハWの温調を行う。
【0020】
天板2は円板形状であり、天板2と半導体ウェハWとの間にヘリウムガスが流され、そのヘリウムガスを介して半導体ウェハWが天板2上に載置される。
均熱板3は円板形状であり、熱電モジュール50からの熱をより均一に分布させるように天板2へ伝達する。
【0021】
熱交換板4は厚手の円板形状であり、図3に示すように、熱交換板4の内部には、渦巻き状の流路41が設けられている。所定温度に制御された温調流体が図示しない流入口から流入し、流路41を通って熱交換板4全体を通過した後、図示しない流出口から流出する。このような構成によって、後述するように、熱電モジュール50を介して天板2で吸熱現象が起きると、天板2の吸熱作用により温度上昇が起きた熱交換板4が、流路41を流れる液体によって冷却される。
また、図2に示すように、熱交換板4の後述する各貫通孔42に対応した位置には、熱交換板4から天板2および均熱板3に向けて突出した円筒形状のボス43(図5も参照)が立設されている。
【0022】
図3および図4に示すように、熱電モジュールプレート5は、熱電モジュール50が配置された円板形状であり、ポリイミドフィルム60A,60Bとシール壁70とで構成される。図2に示すように、熱電モジュールプレート5の面内のうち1点鎖線よりも内側部分が熱電モジュール50として機能する。熱電モジュール50は円形であって、必要に応じて、1点鎖線よりも内側部分において複数の温調エリアを有する。
【0023】
以上に説明した天板2、均熱板3、熱交換板4、および熱電モジュールプレート5には、表裏を貫通する貫通孔21,31,42,51が形成されている。
天板2、均熱板3、熱交換板4、および熱電モジュールプレート5が組み合わせられると、貫通孔21,31,42,51が連通し、天板2から熱交換板4まで全てを貫通したリフトピン挿通孔11が形成される。このリフトピン挿通孔11には、半導体ウェハWを図1中上下方向にリフトさせるための図示しないリフトピンが下方側(図2中下側)から挿通される。
【0024】
図3および図4に示すように、熱電モジュール50は多数の熱電素子を含んで構成されている。すなわち、熱電モジュール50では、天板2側に温調側電極52,52’が配置され、熱交換板4側に熱交換板側電極53,53’(図5参照)が配置されており、P型の熱電素子54PおよびN型の熱電素子54Nの天板2側の端面が温調側電極52,52’に接続され、熱電素子54P、54Nの熱交換板4側の端面が熱交換板側電極53,53’に接続されている。熱電素子54Pと54Nとが交互に温調側電極52,52’および熱交換板側電極53,53’を介して電気的に直列接続されることにより、熱電モジュール50が構成されている。
【0025】
なお、図4では、温調側電極52および熱交換板側電極53は上面視四角形で形成されているが、電極の形状はこれには限定されず、上面視が繭形形状など他の形状であり、温調に局所ムラが出ないように均等に配列されることが必要となる。
【0026】
そして、熱交換板4の下方で熱交換板4を貫通して取り付けられた図示しない電力線を介して、熱電素子54P、54Nに電流を流して熱電モジュール50に電力を供給すると、温調側電極52,52’と熱交換板側電極53,53’との間で電荷の移動が起こり、その電荷が熱(エネルギー)を運ぶため熱の移動が起こる。これにより、温調側電極52,52’側では吸熱現象が起こり、熱交換板側電極53,53’では発熱現象により熱が放出される。よって、温調側電極52,52’側での吸熱現象により、天板2を介して半導体ウェハWが冷却される。また、逆方向に電流を流すと、温調側電極52,52’側では発熱現象により熱が放出される。よって、温調側電極52,52’側での発熱現象により、天板2を介して半導体ウェハWが温められる。つまり、電流の通電方向に応じて温調側電極52,52’側に対応する天板2で吸熱作用あるいは発熱作用が行われる。
【0027】
また、温調側電極52,52’の上部側(天板2側)は、保護部材としてのポリイミドフィルム60Aで覆われており、このポリイミドフィルム60Aの上部に均熱板3が設けられている。熱交換板側電極53,53’の下部側も、保護部材としてのポリイミドフィルム60Bで覆われており、このポリイミドフィルム60Bの下部に熱交換板4が設けられている。ポリイミドフィルム60A,60Bの厚さは限定されるものではないが、本実施形態では約25μmである。
【0028】
熱電モジュール50よりも外周側は、ポリイミドフィルム60Aと60Bとの間に挟持されたリング形状のシール壁70で囲まれている。
シール壁70は、酸化アルミニウム製または窒化アルミニウム製またはアルミニウムにアルマイト処理したものである。すなわち、シール壁70の外周はセラミックス製である。図3に示すように、シール壁70は、その厚さH1が熱電モジュール50の厚さH0(温調側電極52の上側端面から熱交換板側電極53の下側端面までの距離)よりも薄く、ポリイミド系、シリコン系、エポキシ系などの接着シートまたは接着剤80を介してポリイミドフィルム60A,60Bに接合されている。
【0029】
シール壁70は、熱電モジュール50の外周から間隔t0離れて設けられており、間隔t0は、隣接する温調側電極52間の間隔t1以上であり、また、隣接する熱交換板側電極53間の間隔t2以上である。
このようなシール壁70は、従来の樹脂製のものと比較して強度が大きく、樹脂製のものと同じ厚さであっても、高温のプロセスガスの熱や腐食性の高いプロセスガスに対して十分に耐えることができる。また、ポリイミド系、シリコン系、エポキシ系などの接着シートまたは接着剤80を介してシール壁70とポリイミドフィルム60A,60Bとを接合することで、シール壁70およびポリイミドフィルム60A,60B間で生じる熱膨張差を接着シートまたは接着剤80にて吸収でき、耐久性を向上させることができる。
【0030】
図5には、温調装置1を構成する熱電モジュール50の図4におけるA−A’線での断面視が示されている。
図5に示すように、貫通孔51は、温調側電極52,52’や熱交換板側電極53,53’、および熱電素子54P,54Nと干渉しない位置でポリイミドフィルム60A,60Bを貫通している。貫通孔51のポリイミドフィルム60A側における孔径はボス43の内径と同じであり、貫通孔51のポリイミドフィルム60B側における孔径はボス43の外径よりも大きくなっている。
【0031】
熱交換板4と熱電モジュールプレート5とが組み合わせられると、各ボス43がポリイミドフィルム60B側から貫通孔51内に進入し、貫通孔51に対応した位置であって、温調側電極52’および熱交換板側電極53’に隣接する位置に配置される。よって、貫通孔51の一部がボス43の内部空間を通って熱電モジュールプレート5の表裏を貫通し、貫通孔42と連通する。
【0032】
ボス43の突出長さH2は熱電モジュール50の厚さH0よりも薄く、ボス43の上端部は、接着シートまたは接着剤80を介してポリイミドフィルム60Aに接合されている。温調側電極52’および熱交換板側電極53’のボス43に対応する辺では、電極の一部がボス43側へ延伸してボス43と間隔t3を保つように曲部を形成する。ボス43と、ボス43に隣接して設けられる周囲の温調側電極52’との間には円環状の隙間Sが形成されており、隙間Sの間隔t3は、隣接する温調側電極52’間の間隔t1(図3参照)以上であり、また、隣接する熱交換板側電極53間の間隔t2以上である。
このように配置されたボス43は、貫通孔51を通って流入してくるプロセスガスが、貫通孔51から熱電モジュール50内に流入することを防止している。
【0033】
次に、本発明の第1の変形例について説明する。なお、前述の実施形態と同一の構成部分には同じ符合を付すとともに、それらの説明を省略する。
図6は本発明の第1の変形例を示す断面図で、特に温調装置1を構成する熱電モジュール50の一部を拡大して示す分解斜視図である。そして、図7には、図6におけるB−B’線での断面視が示されている。
【0034】
図6および図7に示すように、本変形例では、図4および図5に示す実施形態と異なり、熱電モジュールプレート5は、ポリイミドフィルム60A,60Bと、シール壁70と、ブッシュ90とで構成される。
図7に示すように、貫通孔51のポリイミドフィルム60A側における孔径と、貫通孔51のポリイミドフィルム60B側における孔径とはともにブッシュ90の内径と同じとなっている。
【0035】
ポリイミドフィルム60A,60B間には、貫通孔51に対応した位置に、温調側電極52’および熱交換板側電極53’に隣接する円筒形状のブッシュ90が設けられ、このブッシュ90の内部空間を通って、貫通孔51が熱電モジュールプレート5の表裏を貫通している。
ブッシュ90の厚さH3は熱電モジュール50の厚さH0よりも薄く、ブッシュ90の上下の端部はそれぞれ、接着シートまたは接着剤80を介してポリイミドフィルム60A,60Bに接合されている。
このように配置されたブッシュ90は、貫通孔51を通って流入してくるプロセスガスが、貫通孔51から熱電モジュール50内に流入することを防止している。
【0036】
次に、本発明の第2の変形例について説明する。なお、前述の実施形態と同一の構成部分には同じ符合を付すとともに、それらの説明を省略する。
図8に示すように、本変形例では、図3に示す実施形態と異なり、温調側電極52,52’の上部側は、保護部材としてのセラミックス板61Aで覆われており、このセラミックス板61Aの上部に均熱板3が設けられている。熱交換板側電極53,53’の下部側も、保護部材としてのセラミックス板61Bで覆われており、このセラミックス板61Bの下部に熱交換板4が設けられている。セラミックス板61A,61Bの厚さは限定されるものではないが、本変形例では約1mmであり、製作上の理由から、図3に示す実施形態のポリイミドフィルム60A,60Bの厚さよりも厚くなっている。
【0037】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、天板2と熱電モジュールプレート5との間には均熱板3が設けられていたが、均熱板3は必要に応じて設けられればよく、本発明に必須の構成ではない。
【0038】
前記実施形態では、温調側電極52,52’の上部側および熱交換板側電極53,53’の下部側がポリイミドフィルム60A,60Bまたはセラミックス板61A,61Bで覆われていたが、少なくとも、温調側電極52,52’の上部側がポリイミドフィルム60A,60Bまたはセラミックス板61A,61Bで覆われていればよく、必ずしも熱交換板側電極53,53’の下部側は覆われていなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、半導体ウェハ等の温調対象物の温調を行う温調装置として利用できる。
【符号の説明】
【0040】
1…温調装置、2…載置板である天板、4…熱交換板、5…熱電モジュールプレート、43…ボス、50…熱電モジュール、51…貫通孔、52,52’…温調側電極、53,53’…熱交換板側電極、54N,54P…熱電素子、60A,60B…保護部材であるポリイミドフィルム、61A,61B…保護部材であるセラミックス板、70…シール壁、80…接着シートまたは接着剤、90…ブッシュ、W…温調対象物である半導体ウェハ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温調対象物が載置される載置板と、
熱交換板と、
前記載置板側に温調側電極が配置され、前記熱交換板側に熱交換板側電極が配置され、熱電素子の一方の端面が前記温調側電極に接続され、熱電素子の他方の端面が前記熱交換板側電極に接続された熱電モジュールと、
前記熱電モジュールの少なくとも前記載置板側の部分に設けられた保護部材とを備え、
前記熱電モジュールよりも外周側は、前記保護部材と前記熱交換板との間に配置され、外周がセラミックス製のシール壁で囲まれ、
前記シール壁と前記保護部材との間には、接着シートまたは接着剤が介在している
ことを特徴とする温調装置。
【請求項2】
請求項1に記載の温調装置において、
前記シール壁は酸化アルミニウム製または窒化アルミニウム製またはアルミニウムにアルマイト処理したものである
ことを特徴とする温調装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の温調装置において、
前記保護部材はポリイミドフィルムである
ことを特徴とする温調装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の温調装置において、
前記保護部材はセラミックス板である
ことを特徴とする温調装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の温調装置において、
前記載置板と前記熱交換板との間に設けられて前記熱電モジュールが配置された熱電モジュールプレートでは、前記保護部材を貫通して形成される貫通孔に対応した位置にブッシュまたはボスが設けられ、
前記ブッシュまたは前記ボスは前記保護部材と接合される
ことを特徴とする温調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−102135(P2013−102135A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−211942(P2012−211942)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【出願人】(590000835)株式会社KELK (40)
【Fターム(参考)】