説明

測定用プローブ、及びプローブ保持装置

【課題】円筒面を有する測定対象物に対し、プローブの先端が円筒面で滑ることがなく、且つ周囲に障害部材が有っても測定対象物に容易に当接することが可能な測定用プローブ、又はプローブ保持装置を提供すること。
【解決手段】円筒面を有する測定対象物の導通を検査する導通検査装置に用いる測定用プローブであって、測定用プローブが板状の部材により形成され、前記円筒面に当接する測定用プローブにおける当接面が平面状であることを特徴とする測定用プローブ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は円筒面を有する測定対象物の導通を検査する導通検査装置に用いる測定用プローブ、及びプローブ保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置に用いられる感光体ドラムや現像ローラは回転する円筒体で形成されており、通常、円筒体の表面と回転軸とが導通されており、円筒体の表面に電圧が付与されるものが多い。これらの円筒体又は回転軸等、外周に円筒面を有する測定対象物に対し、導通の検査を行う機会が少なくない。
【0003】
また、近年の画像形成装置に対する小型化、高機能化に対する要望により、導通の検査を行いたい部位において、測定用のプローブの形状によってはプローブを挿入する十分なスペースが取れないという場合がある。
【0004】
図7は、導通検査を行う際に一般に用いられている従来例の各種プローブの形状を表す概略図であり、図8及び図9は、図7に示すプローブを用いて、円筒面を有する測定対象物に対して導通検査を行う状態を示す概略図である。
【0005】
図7において、図7(a)は先端が円筒状をなすプローブ、図7(b)は先端が円錐状をなすプローブ、図7(c)は先端が半球状をなすプローブを示す。
【0006】
図7(a)において、円筒状プローブ10は、円筒状先端部11、円筒状先端部11を保持するアーム部12、及び、アーム部12に嵌合し、アーム部12に連結する図示しないばね部材等を内蔵する外筒部13、により構成される。
【0007】
同様に、図7(b)において、円錐状プローブ20は、円錐状先端部21、円錐状先端部21を保持するアーム部22、及び、アーム部22に嵌合し、アーム部22に連結する図示しないばね部材を内蔵する外筒部23、により構成される。
【0008】
更に同様に、図7(c)において、半球状プローブ30は、半球状先端部31、半球状先端部31を保持するアーム部32、及び、アーム部32に嵌合し、アーム部32に連結する図示しないばね部材を内蔵する外筒部33、により構成される。
【0009】
図8は、先端が円筒状をなす円筒状プローブ10を用いて円筒面を有する測定対象物EBに対して導通検査を行う場合の斜視図である。図8(a)は周囲に測定の障害となる部材が無い場合の斜視図、図8(b)は周囲に測定の障害となる部材がある場合の斜視図を示す。
【0010】
図8(a)に示すように、先端が円筒状のプローブ10を用いると、測定対象物EBの円筒面に対し、円筒状プローブ10の円筒状先端部11下面の平面部が当接するため、円錐状プローブ20や半球状プローブ30に比べて安定した当接が得られる。
【0011】
しかしながら、図8(b)に示すように周囲に測定の障害となる障害部材S1、S2がある場合、障害部材S1、S2の間隔dが円筒状先端部11の直径より小さいときには、円筒状先端部11を測定対象物EBに当接できないことになる。更に、障害部材S1、S2の間隔dが円筒状プローブ10のアーム部12の直径より小さいときには、円筒状プローブ10のアーム部12自体を測定対象物EBに近づけることができないことになる。
【0012】
図9は、先端が円錐状をなす円錐状プローブ10を用いて円筒面を有する測定対象物EBに対して導通検査を行う場合の斜視図である。図9(a)は周囲に測定の障害となる部材が有る場合の斜視図、図9(b)は円錐状プローブ20の円錐状先端部21が測定対象物EBに当接したときの状態を示す側断面図である。
【0013】
図9(a)に示すように周囲に測定の障害となる障害部材S1、S2があっても、障害部材S1、S2の間隔dが円錐状プローブ20のアーム部22の直径より大きいときには、円錐状先端部21を測定対象物EBに当接できる。然るに、障害部材S1、S2の間隔dがアーム部22の直径より小さいときには、円錐状プローブ20のアーム部22を測定対象物EBに近づけることができないことになる。
【0014】
更に、図9(b)に示すように、先端が円錐状の円錐状プローブ20を用いる場合には、実線で示すように円錐状先端部21の中心と測定対象物EBの中心とが一致しているときは問題ないが、設定時の誤差により両者の中心がずれた場合には問題がある。即ち、図9(b)の破線で示すように、円錐状先端部21の先端が測定対象物EBの円筒面で滑ってずれてしまい、接触圧が変動したり、測定が不能となるといった問題である。
【0015】
プローブの外筒部の大きさによる測定対象物への制約を解消するために、プローブを弾性を有する薄板で形成するという技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0016】
特許文献1に記載のプローブは、プリント基板等の導体における2つの導電部間の導通を測定するものであり、横U字状の弾性薄片からなり、測定時の横U字状部位のたわみによりプリント基板への押圧力の変動を抑制するものである。また、先端部が刃先状に傾斜を持った形状を有するものである。
【0017】
図10は、従来例としての特許文献1に記載の薄板状プローブ40を円筒面を有する測定対象物EBに対して用いたときの状態を示す概略図である。図10(a)は周囲に測定の障害となる障害部材S1、S2が有る場合の斜視図、図10(b)は薄板状プローブ40の刃先状先端部41が測定対象物EBに当接したときの状態を示す側断面図である。
【0018】
図10(a)において、周囲に障害部材S1、S2が有っても、薄板状プローブ40の板厚寸法が障害部材S1、S2の間隔dより小さければ測定に支障はない。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、薄板状プローブ40の先端部が刃先状となっており、図10(b)に示すように、刃先状先端部41の中心と測定対象物EBの中心とが設定時の誤差によりずれた場合に問題がある。即ち、図10(b)の破線で示すように、円錐状プローブ20での問題と同様に、刃先状先端部41の先端が測定対象物EBの円筒面で滑ってずれてしまう。このため、接触圧が変動したり、測定が不能となるといった問題があり、特許文献1に記載の薄板状プローブ40では円筒面を有する測定対象物EBには適さないと言える。
【特許文献1】実公平7−6531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、上記のような問題を解決し、円筒面を有する測定対象物に対し、プローブの先端が円筒面で滑ることがなく、且つ周囲に障害部材が有っても測定対象物に容易に当接することが可能な測定用プローブ、又はプローブ保持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の目的は、下記の構成により達成することが出来る。
【0021】
即ち、
1.円筒面を有する測定対象物の導通を検査する導通検査装置に用いる測定用プローブであって、測定用プローブが板状の部材により形成され、前記円筒面に当接する測定用プローブにおける当接面が平面状であることを特徴とする測定用プローブ、
2.円筒面を有する測定対象物の導通を検査する導通検査装置に用いる測定用プローブであって、測定用プローブが板状の部材により形成され、前記円筒面に当接する測定用プローブの当接面が前記円筒面と同一方向に湾曲した曲面状をなし、前記当接面の曲率が前記円筒面の曲率より小さいことを特徴とする測定用プローブ、
3.1又は2に記載の測定用プローブと、前記測定用プローブを保持するプローブ保持部と、前記測定用プローブを測定対象物に押圧する加圧手段と、を有するプローブ保持装置であって、前記加圧手段により前記測定用プローブを前記測定対象物に押圧する際に、押圧力を弱める押圧力調整手段を有することを特徴とするプローブ保持装置、
である。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る測定用プローブ又はプローブ保持装置を用いることにより、円筒面を有する測定対象物に対し、プローブの先端が円筒面で滑ることがなく、且つ周囲に障害部材が有っても測定対象物に容易に当接することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0024】
図1は、本発明に係る導通検査装置における測定用プローブの第1の実施形態について説明するための概略図である。図1(a)は、周囲に障害部材が有る場合における測定用プローブと円筒面を有する測定対象物との当接状態を示す斜視図であり、図1(b)は、測定用プローブと測定対象物との当接状態を示す側面図である。
【0025】
図1(a)において、S1、S2は、円筒面を有する測定対象物EBに対して導通検査装置における測定用プローブを当接する際に障害となる障害部材を示す。
【0026】
本発明に係る測定用プローブ100の第1の実施形態は、導電性を有する厚さtの薄板状の部材により形成されている。
【0027】
測定用プローブ100の厚さtを、障害部材S1と障害部材S2との間隔dより小さい値に形成することにより、障害部材S1、S2があっても測定が可能となる。
【0028】
測定用プローブ100の材料としては導電性を有する部材が用いられるが、弾性係数の大きなステンレス板材やばね用りん青銅板がより好ましく用いられる。実施の形態では厚さ0.2mmのステンレス板材を用いている。
【0029】
本発明に係る測定用プローブの第1の実施形態は、図1に示すように、測定対象物EBに当接される測定用プローブ100の当接面101が平面状に形成されている。
【0030】
更に、図1(b)に示すように、測定用プローブ100の当接面101は、測定用プローブ100を測定対象物EBに接離するために移動する方向Thに対し、略直角(90°)をなすように形成されている。従って当接面101は、測定用プローブ100と測定対象物EBとの当接時の接線Sh上に位置することになる。
【0031】
また、測定対象物EBを測定用プローブ100の幅wの範囲内に配置する構成とすることにより、測定用プローブ100の当接面101は測定対象物EBに対し常に測定対象物EBの円筒面の頂点で当接することになる。
【0032】
本発明に係る第1の実施形態の測定用プローブ100を用いることにより、円筒面を有する測定対象物EBへの接離方向に対して当接面101が直角な平面で当接するため、当接面101が滑ることがなく、安定した測定が可能となる。また、測定する際に障害部材S1、S2等の障害物があっても測定が可能である。
【0033】
図2は、本発明に係る導通検査装置における測定用プローブの第2の実施形態について説明するための概略図である。図2(a)は、周囲に障害部材が有る場合における測定用プローブと円筒面を有する測定対象物との当接状態を示す斜視図であり、図2(b)は、測定用プローブと測定対象物との当接状態を示す側面図である。
【0034】
図2(a)において、S1、S2は、円筒面を有する測定対象物EBに対して導通検査装置における測定用プローブを当接する際に障害となる障害部材を示す。
【0035】
本発明に係る測定用プローブ100の第2の実施形態は、第1の実施形態と同様に、導電性を有する厚さtの薄板状の部材により形成されている。
【0036】
測定用プローブ100の厚さtを、障害部材S1と障害部材S2との間隔dより小さい値に形成することにより、障害部材S1、S2があっても測定が可能となる。
【0037】
測定用プローブ100の材料としては導電性を有する部材が用いられるが、弾性係数の大きなステンレス板材やばね用りん青銅板がより好ましく用いられる。第2の実施形態では第1の実施形態と同様に、厚さ0.2mmのステンレス板材を用いている。
【0038】
第2の実施形態としての測定用プローブは、図2に示すように、測定対象物EBに当接される測定用プローブ100の当接面101が曲面状に形成されている。
【0039】
また、この当接面は、前記測定対象物の円筒面と同一方向に湾曲し、曲率が測定対象物の円筒面より小さくなるように形成されている。
【0040】
更に、図2(b)に示すように、測定用プローブ100の当接面101と測定対象物EBとの当接箇所における接線Shは、測定用プローブ100を測定対象物EBに接離するために移動する方向Thに対して略直角(90°)をなすように構成されている。
【0041】
第1の実施形態と同様に、測定用プローブ100は、厚さtが障害部材S1と障害部材S2との間隔dより小さい値に形成されているため、障害部材S1、S2があっても測定が可能である。
【0042】
本発明に係る第2の実施形態の測定用プローブ100を用れば、円筒面を有する測定対象物EBへの接離方向に対し、当接面101と円筒面の当接箇所における接線が直角となるため、測定用プローブが当接面101で滑ることがなく、安定した測定が可能となる。また、測定する際に障害部材S1、S2等の障害物があっても測定が可能である。
【0043】
図3は、本発明に係る第1又は第2の実施形態の測定用プローブ100に測定圧Pを付与した際の測定用プローブ100の変形状態を示す概略図である。測定圧Pの値に対して弾性を有する測定用プローブ100の厚みtを適切に設定することにより、図3に示すように、実線で示す接触直後の形状100aは、測定圧Pの付与によって破線で示すような形状100bとなる。即ち、弾性を有する測定用プローブ100自体の変形により測定圧Pの一部を吸収し、測定対象物EBへの過度の加圧を防止する。
【0044】
測定用プローブ100を弾性係数の大きな材料で形成することにより、測定圧Pの付与時に測定対象物EBへの過度な加圧が防止でき、測定用プローブ100への損傷を防止し、安定した測定を行うことができる。
【0045】
図4は、本発明に係る測定用プローブの他の実施形態を示す部分正面図である。
【0046】
第1及び第2の実施形態における測定用プローブは一様な平面で形成されているが、図4に記載した実施形態の測定用プローブ100は、それぞれ、第1の平面部101、屈曲部102、及び第2の平面部103とで形成されるものである。本実施の形態では、第1の平面部101及び第2の平面部103はそれぞれ1箇所とし、屈曲部102は1箇所又は複数箇所としている。
【0047】
図4(a)は、屈曲部102が1箇所で傾斜している実施形態、図4(b)は、屈曲部102が1箇所で直角に屈曲している実施形態を示す。
【0048】
図4(c)は、屈曲部102が2箇所でくの字型に傾斜している実施形態、図4(d)は、屈曲部102が3箇所でコの字型に屈曲している実施形態、図4(e)は、屈曲部102が3箇所でそれぞれが傾斜している実施形態を示す。
【0049】
図4(f)は、屈曲部102が1箇所で半円状に屈曲している実施形態、図4(g)は、屈曲部102が2箇所でそれぞれ逆方向の半円状に屈曲している実施形態を示す。
【0050】
図4に示す実施形態においては、いずれも測定対象物EBに当接する当接面(参照符号なし)が第2の平面部103の先端に第1、又は第2の実施形態と同様な形状で形成されている。また、第2の平面部103は十分な長さを有しており、図1(a)又は図2(a)に示すような障害部材S1、S2にも対応可能に構成されている。
【0051】
なお、本実施の形態以外にも、2箇所の平面部を1箇所又は複数箇所にする等、平面部と屈曲部との箇所数及び形状を組み合わせた応用例が考えられるが、要するに平面部と屈曲部とを組み合わせた板状の測定用プローブであれば、本発明の適用が可能である。
【0052】
本実施形態の測定用プローブ100を用いることにより、屈曲部102において、測定用プローブ100の変形がスムーズとなり、簡単な構成で、導通検査時における測定対象物EBへの過度な押圧の付与を防止できる。
【0053】
図5は、本発明に係る導通検査装置における、測定用プローブを保持するプローブ保持装置についての第1の実施形態の構成を説明するための概略構成図である。
【0054】
図5において、第1のプローブ保持装置200は、プローブ保持部210、可動アーム部220、アーム保持部230等からなる。プローブ保持部210はプローブ連結部211を有し、プローブ連結部211を介して測定用プローブ100を保持する。
【0055】
可動アーム部220はプローブ保持部210に一体的に連結され、アーム保持部230により、測定用プローブ100を測定対象物EBに接離するために移動する方向Thに移動可能に保持される。
【0056】
アーム保持部230は油圧シリンダ等からなり、可動アーム部220を上下方向に移動可能に保持し、図示しない操作部又は制御部からの指令により、可動アーム部220を上下方向に移動する。
【0057】
導通測定部300はリード線301を介して測定用プローブ100と電気的に接続されており、測定対象物EBとの間における導通状態を測定する。
【0058】
第1のプローブ保持装置200に用いられる測定用プローブ100は、第1又は第2の測定用プローブ100を形成する材料に弾性を有する材料を用いたものであり、第1又は第2の測定用プローブ100を第1の押圧力調整手段として用いるものである。
【0059】
図5において、測定時にアーム保持部230により可動アーム部220が下方に繰り出され、プローブ保持部210を介して第1又は第2の測定用プローブ100が測定対象物EBを押圧する。このとき、第1又は第2の測定用プローブ100は、第1の押圧力調整手段として作用して図3の破線で示すように屈曲し、測定対象物EBに付与される測定圧Pの押圧を吸収して弱める。
【0060】
導通状態の測定は、導通測定部300からリード線301を介して測定用プローブ100へ電流が付与され、導通測定部300に出力値が表示されることにより行われる。
【0061】
本発明に係る第1の実施形態のプローブ保持装置を用いることにより、簡単な構成で、導通検査時における測定対象物EBへの過度な押圧の付与を防止できる。
【0062】
図6は、本発明に係る導通検査装置における、測定用プローブを保持するプローブ保持装置についての第2の実施形態の構成を説明するための概略構成図である。
【0063】
図6において、第2のプローブ保持装置200は、プローブ保持部210、可動アーム部220、アーム保持部230等からなる。プローブ保持部210は、ガイド板保持部材、プローブガイド板213、及びばね部材214を有し、測定用プローブ100を上下方向に摺動自在に保持する。
【0064】
可動アーム部220はプローブ保持部210に一体的に連結され、アーム保持部230により上下方向に移動可能に保持される。
【0065】
アーム保持部230は油圧シリンダ等からなり、可動アーム部220を上下方向に移動可能に保持し、図示しない操作部又は制御部からの指令により可動アーム部220を移動させ、測定用プローブ100を測定対象物EBに接離する方向Thに移動する。
【0066】
導通測定部300はリード線301を介して測定用プローブ100と電気的に接続されており、測定対象物EBとの間における導通状態を測定する。
【0067】
第2のプローブ保持装置200に用いられる測定用プローブ100は、第1又は第2の測定用プローブ100を形成する材料に弾性係数の小さい材料を用いたものであり、ばね部材214を第2の押圧力調整手段として用いるものである。
【0068】
図6において、測定時にアーム保持部230により可動アーム部220が下方に繰り出され、プローブ保持部210を介して第1又は第2の測定用プローブ100が測定対象物EBを押圧する。このとき、ばね部材214は、第2の押圧力調整手段として作用し、測定対象物EBに付与される測定圧Pの押圧を吸収して弱める。
【0069】
導通状態の測定は、導通測定部300からリード線301を介して測定用プローブ100へ電流が付与され、導通測定部300に出力値が表示されることにより行われる。
【0070】
本発明に係る第2の実施形態のプローブ保持装置を用いることにより、簡単な構成で、導通検査時における測定対象物EBへの過度な押圧の付与を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る導通検査装置における測定用プローブの第1の実施形態について説明するための概略図である。
【図2】本発明に係る導通検査装置における測定用プローブの第2の実施形態について説明するための概略図である。
【図3】本発明に係る第1又は第2の実施形態の測定用プローブ100に測定圧Pを付与した際の測定用プローブ100の変形状態を示す概略図である。
【図4】本発明に係る測定用プローブの他の実施形態を示す部分正面図である。
【図5】本発明に係る導通検査装置における、測定用プローブを保持するプローブ保持装置についての第1の実施形態の構成を説明するための概略構成図である。
【図6】本発明に係る導通検査装置における、測定用プローブを保持するプローブ保持装置についての第2の実施形態の構成を説明するための概略構成図である。
【図7】導通検査を行う際に一般に用いられている従来例の各種プローブの形状を表す概略図である。
【図8】先端が円筒状をなす円筒状プローブ10を用いて円筒面を有する測定対象物EBに対して導通検査を行う場合の斜視図である。
【図9】先端が円錐状をなす円錐状プローブ10を用いて円筒面を有する測定対象物EBに対して導通検査を行う場合の斜視図である。
【図10】従来例としての特許文献1に記載の薄板状プローブ40を円筒面を有する測定対象物EBに対して用いたときの状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0072】
100 測定用プローブ
101 当接面
200 プローブ保持装置
210 プローブ保持部
214 ばね部材
d 障害部材S1と障害部材S2との間隔
EB 測定対象物
S1、S2 障害部材
Sh 接線
t 厚さ
Th 測定用プローブ100を測定対象物EBに接離する方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒面を有する測定対象物の導通を検査する導通検査装置に用いる測定用プローブであって、
測定用プローブが板状の部材により形成され、
前記円筒面に当接する測定用プローブにおける当接面が平面状であることを特徴とする測定用プローブ。
【請求項2】
測定用プローブを前記測定対象物に接離させるために移動する方向と、前記当接面とが、略直角となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の測定用プローブ。
【請求項3】
測定用プローブが弾性部材により形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の測定用プローブ。
【請求項4】
少なくとも1つの平面部と少なくとも1つの屈曲部とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の測定用プローブ。
【請求項5】
円筒面を有する測定対象物の導通を検査する導通検査装置に用いる測定用プローブであって、
測定用プローブが板状の部材により形成され、
前記円筒面に当接する測定用プローブの当接面が前記円筒面と同一方向に湾曲した曲面状をなし、
前記当接面の曲率が前記円筒面の曲率より小さいことを特徴とする測定用プローブ。
【請求項6】
測定用プローブを前記測定対象物に接離させるために移動する方向と、前記当接面と前記円筒面との当接箇所における接線の方向とが、略直角となるように構成されることを特徴とする請求項5に記載の測定用プローブ。
【請求項7】
測定用プローブが弾性部材により形成されることを特徴とする請求項5又は6に記載の測定用プローブ。
【請求項8】
少なくとも1つの平面部と少なくとも1つの屈曲部とを有することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の測定用プローブ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の測定用プローブと、前記測定用プローブを保持するプローブ保持部と、前記測定用プローブを測定対象物に押圧する加圧手段と、を有するプローブ保持装置であって、
前記加圧手段により前記測定用プローブを前記測定対象物に押圧する際に、押圧力を弱める押圧力調整手段を有することを特徴とするプローブ保持装置。
【請求項10】
前記測定用プローブを弾性部材により形成することにより、前記測定用プローブを前記押圧力調整手段として用いることを特徴とする請求項9に記載のプローブ保持装置。
【請求項11】
前記プローブ保持部に、前記測定用プローブが前記測定対象物を押圧する際の圧力を弱める方向に作用するばね部材を設け、前記プローブ保持部を前記押圧力調整手段として用いることを特徴とする請求項9に記載のプローブ保持装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate