説明

測距センサ及びそれを備えた設備機器

【課題】発信信号及び受信信号のレベルを安定させて、対象物までの距離を正確に測定できるようにした測距センサ及びそれを備えた設備機器を提供する。
【解決手段】測距センサ100は、筐体20と、センサ装着部22に装着される支持部11と、台座12と、PZT振動子13と、PZT振動子13の振動と共振することで発信信号を対象物に向けて発射する共振板14と、反射信号を受信し、増幅するコーン部15とを備え、筐体20には、発信信号及び反射信号を送受信するための音響通路23と、支持部11によって音響通路23と隔てられた空間容積部26とが形成されており、音響通路23と空間容積部26との間にシール材30を設け、音響通路23と空間容積部26とを確実に遮断させたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波の送受信によって非接触で対象物までの距離を測定する測距センサ及びそれを備えた設備機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から圧電素子であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を利用した非接触の測距センサ(超音波センサ)が知られている。このような測距センサは、PZT振動子にパルス信号を加えることでPZT振動子を発振させ、発信信号を空中に放射し、対象物からの反射信号(受信信号)を受信し、発信信号の送信時刻と受信信号の受信時刻との時間差を利用することで、対象物との距離を測定するようになっている。また、このような測距センサは、PZT振動子とPZT振動子に固着して共振させる共振金属板(アルミや鋼板等)の1次共振を利用することを基本としていた。
【0003】
そのようなものとして、PZT振動子を発振させることによって発生する信号を空中に放射する送信部と、空中に放射された信号が対象物で反射した反射信号を受信する受信部とを同じ位置に配置するとともに、反射鏡を用いて送信部から反射面(水面)までの距離を伸ばすことで、反射波が受信部に到達するまでに送信部からの信号波を十分減衰させるようにした技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。なお、PZT振動子の共振周波数は40kHz程度であり、超音波領域の周波数を放射(発振)するようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−59765号公報(第6ページ、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の測距センサでは、PZT振動子の筐体(ケース)への装着については、特段制約を設けていなかった。したがって、PZT振動子で隔てられ、PZT振動子から発信される信号方向に形成される2つの容積空間が連通してしまうということがあった。つまり、1つの大きな容積空間となり、PZT振動子を挟み、信号を送受信する側の反対側の空間の圧力変動が筐体内の容積空間全てに影響を与えることになっていたのである。このような状況の下で信号の送受信を行なうと、それらの信号特性に悪影響を与え、送信信号及び受信信号のレベルが安定しないという問題があった。この問題は、更に品質的な不良原因にもなっていた。
【0006】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、発信信号及び受信信号のレベルを安定させて、対象物までの距離を正確に測定できるようにした測距センサ及びそれを備えた設備機器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る測距センサは、中空の筐体と、前記筐体の内壁面に側面が取り付けられた支持部と、前記支持部に取り付けられた台座と、前記台座に取り付けられ、圧電素子で構成された振動子と、前記振動子の前記台座と反対側に取り付けられ、前記振動子の振動と共振することで共振波である発信信号を対象物に向けて発射する共振板と、前記共振板の前記振動子側とは反対側に取り付けられ、前記対象物で反射された反射信号を受信し、増幅するコーン部とを備え、前記支持部によって、前記筐体内に、前記発信信号及び前記反射信号を送受信するための音響通路と、前記音響通路と遮断された空間容積部とを形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る測距センサは、筐体内に形成される音響通路と空間容積部とを支持部によって遮断し、互いを連通させないようにしたので、空間容積部での圧力変動を音響通路に伝播させないようにできる。したがって、音響通路では、発信信号(送信信号)及び反射信号(受信信号)のレベルが安定し、対象物までの距離を正確に測定することが可能になる。また、本発明に係る設備機器は、このような効果を有する測距センサを備えているので、同様の効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る測距センサ100を説明するための説明図である。図2は、筐体20の断面構成を示す縦断面図である。図1及び図2に基づいて、測距センサ100の構成について説明する。また、図1(a)が測距センサ100の断面構成を示す縦断面図を、図1(b)が測距センサ100を上から見た状態を示す平面図をそれぞれ示している。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0010】
この測距センサ100は、超音波を送受信することによって非接触で対象物までの距離を測定するものである。図1(a)に示すように、測距センサ100は、センサ本体部10と、センサ本体部10を収容する筐体20から構成されている。このセンサ本体部10は、支持部11と、台座12と、PZT振動子13と、共振板14と、コーン部15とが順に積層されて構成されている。支持部11は、筐体20内部に形成されているセンサ装着部22に装着され、センサ本体部10を支持するものである。台座12は、支持部11に取り付けられており、PZT振動子13を固定するためのものである。
【0011】
PZT振動子13は、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電素子であり、正電極端子部17及び負電極端子部18を介してパルス電圧が加えられ、発振するようになっている。つまり、PZT振動子13は、パルス電圧が印加されることによって、所定の周波数範囲(一般的に40kHz前後)の音波(超音波)を発振する機能を有しているのである。なお、図1では、正電極端子部17及び負電極端子部18が、支持部11及び台座12を貫通し、PZT振動子13に接続されるようになっている場合を例に示しているが、これに限定するものではなく、支持部11及び台座12を貫通しなくてもPZT振動子13に接続されていればよい。
【0012】
共振板14は、PZT振動子13に取り付けられており、PZT振動子13の発振によって発信信号を作り出す機能を有している。この発信信号は、円形状に形成されている共振板14の中心部に対応する「腹」、周縁部に対応する「節」を有した形状となっている。コーン部15は、対象物からの反射信号を受信し、増幅する機能を有している。このコーン部15の縦断面形状は略等脚台形状となっており、共振板14側が短辺を構成している。
【0013】
筐体20は、中空になっており、上面及び底面を開口することで円筒状に構成されている(図1(b))。そして、筐体20の内部に形成されている空間にセンサ本体部10を収容するようになっている。つまり、センサ本体部10は、筐体20の底面側の開口部であるセンサ挿入部25から筐体20内部に挿入され、センサ装着部22に支持部11が嵌り込むことで支持されるようになっているのである。センサ挿入部25は、センサ本体部10を挿入後に閉塞され、センサ挿入部25とセンサ装着部22との間に空間容積部26を形成するようになっている。つまり、空間容積部26は、支持部11によって音響通路22と遮断されて形成されているのである。センサ挿入部25が閉塞されると、空間容積部26は密閉空間となり、一定の圧力を有することになる。
【0014】
一方、筐体20の上面側の開口図である音響通路開口部21からセンサ装着部22までの間の空間は、音響通路23として機能するようになっている。この音響通路23は、徐々に縮径されるようにして形成されている。具体的には、筐体20の外壁の肉厚を、センサ装着部22から、音響通路開口部21に向かって所定の距離まではほぼ同じ厚さにし、音響通路開口部21に近づくにつれ徐々に薄くなるように構成する。このようにすることによって、音響通路23がホーン部として機能するようにしているのである。また、音響通路23は、対象物で反射された反射信号をコーン部15に導くための通路としても機能している。
【0015】
また、音響通路23の端部には、センサ装着部22が形成されている。このセンサ装着部22は、筐体20の外壁に段差を設け、支持部11を装着できる大きさに形成されている。この実施の形態1では、音響通路23を徐々に縮径形成してホーン部として機能するようにした場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、筐体20を単純な円筒状に形成してもよい。つまり、筐体20は、センサ本体部10が内部に収容できればよいのである。
【0016】
ここで、音響通路23と空間容積部26とが連通してしまうと、空間容積部26での圧力変動が音響通路23にも伝播してしまうことになり、共振板14から発信される送信信号(発信信号)及びコーン部15で受信する受信信号(反射信号)のレベルが安定しないことになってしまう。音響通路23及び空間容積部26は、一定の容積を有しており、この容積によって圧力が決定するために、送信信号及び受信信号の信号レベルを安定するには、互いが確実に遮断され、完全に独立していることが要求される。すなわち、共振板14及びコーン部15には、常に一定の空気負荷がかかっており、この状況の下で所定の動作が行なえるようになっているため、音響通路23内で想定していない圧力変動が発生すると共振板14及びコーン部15が所定の動作を実行できないことになってしまうのである。
【0017】
空間容積部26からの圧力変動が音響通路23に伝播すると、共振板14及びコーン部15の変位量に影響を与えることになり、その影響が電荷(Q)にも波及する。そうすると、静電容量値の変動が、機械的な変動(コンプライアンス変動)となり、結果的に共振板14及びコーン部15が振動しているときの音響特性を示す尖鋭度(Q)に影響を与えることになってしまうのである(図3参照)。
【0018】
そこで、実施の形態1に係る測距センサ100では、支持部11によって、空間容積部26と音響通路23と遮断し、空間容積部26の圧力変動を音響通路23に伝播しないようにしているのである。また、測距センサ100は、音響通路23と空間容積部26とを確実に遮断し、互いが完全に独立するように支持部11の下側にシール材30を設けているのである。このシール材30は、センサ本体部10が筐体20内に装着された際に、音響通路23と空間容積部26とを遮断できる材料であればよく、特に材料を限定するものではない。たとえば、シール材30には、エポキシ樹脂やシリコンゴム等の接着剤を使用するとよい。
【0019】
なお、実施の形態1では、シール材30を支持部11の下側に設けて音響通路23と空間容積部26とを遮断している場合を例に示しているが、これに限定するものではない。たとえば、センサ本体部10の挿入前のセンサ装着部22にシール材30を塗布してから、センサ本体部10を装着するようにしてもよい。また、実施の形態1では、シール材30を支持部11の下側全面に設けている場合を例に示しているが、音響通路23と空間容積部26とが連通してしまう位置だけに設けてもよい。
【0020】
音響通路23と空間容積部26とを遮断し、完全に独立させれば、音響通路23内の音響通路開口部21からセンサ装着部22までの空気圧が常に一定となり、共振板14には空気負荷がかかっている状態にできる。そして、共振板14が振動すると、音響通路23内の空気を筐体20の外部に押し出すことになる。また、この空気は、共振板14で発生する音波の粗密波と一致して、音響通路23内の空気を一挙に音響通路開口部21から集中放射することになる。つまり、空間容積部26の圧力変動の影響を常に受けないようにすることができるのである。さらに、音響通路23の長さを1次振動モード波の波長と一致するように構成すれば、音響通路23の共鳴周波数とも一致させることができ、音響通路開口部21から安定した大きな音響レベルを有する音波を放射することができる。
【0021】
図3は、共振板14及びコーン部15が振動しているときの音響特性を表すグラフである。図3に基づいて、共振板14及びコーン部15が振動しているときの音響特性について説明する。この図3では、横軸が周波数(Hz)を、縦軸が尖鋭度(Q)をそれぞれ示している。また、実線Aが測距センサ100の尖鋭度曲線を、波線Bが音響通路と空間容積部とを遮断としていない測距センサの尖鋭度曲線をそれぞれ示している。
【0022】
尖鋭度(Q)は、共振板14及びコーン部15の共振の状態を表す音響特性の傾向を示すものであり、確実な共振現象が発生しているときは、急峻なピークを有する傾向を示すが、共振板14及びコーン部15が何らかの影響(圧力変動の影響)を受け、共振現象が乱れると、緩やかなピークを有する傾向を示す。つまり、音響通路23と空間容積部26とが互いに遮断され、完全に独立した測距センサ200では実線Aに示すような傾向の音響特性を有するが、音響通路と空間容積部とが互いに遮断されていない測距センサでは波線Bに示すような傾向の音響特性を有することになる。
【0023】
したがって、波線Bに示すような傾向の音響特性では、共振板14から送信信号を確実に送信できないことになり、受信信号を受信したコーン部15の振動が阻害されて受信時における振動が働かず、受信信号が劣化してしまうことになる。すなわち、送信信号及び受信信号の信号レベルが安定せず、測距センサの品質的な不良原因となってしまうのである。そこで、この測距センサ100では、共振板14及びコーン部15が常に安定した動作を実行できるように、センサ装着部22にシール材30を設けて、音響通路23と空間容積部26とを確実に遮断し、完全に独立させるようにしているのである。
【0024】
図4は、測距センサ100の信号処理の概要を説明するための説明図である。図4に基づいて、測距センサ100の信号処理について説明する。まず、送信回路部(パルス発振部)40からパルス電圧を周期的に繰り返し発信させ、正電極端子部17及び負電極端子部18を介してPZT振動子13に加える(図4で示す矢印A)。そうすると、PZT振動子13は、所定の周波数範囲の音波を発振する。PZT振動子13の発振によって共振板14が発信信号(送信信号)を対象物に向けて放射する。
【0025】
発振信号が対象物で反射した反射信号(受信信号)は、コーン部15で受信される。この受信信号は、コーン部15で増幅され、受信回路部41に入力される(図4で示す矢印B)。この受信回路部41は、受信信号をフィルタにかけてノイズを取り、更に増幅を行った上で、波高値、入射時間を計測する。受信回路部41で計測された値は、演算処理回路部42に送られる(図4で示す矢印C)。そして、演算処理回路部42は、送信時間と入射時間から対象物までの距離を算出する。なお、演算処理回路部42は、送信回路部41に周期的にパルス電圧を発信させるようになっている(図4で示す矢印D)。
【0026】
図5は、発振信号の波形(送信波形)及び反射信号の波形(受信波形)を説明するための説明図である。図5に基づいて、送信波形及び受信波形について図4を参照しながら説明する。なお、図5には、実施の形態1に係る測距センサ100の送信波形及び受信波形(図5(b))の他に、PZT振動子13に加えられるパルスの波形(図5(a))と、シール材30を設けていない測距センサの送信波形及び受信波形(図5(c))とを併せて示している。また、この図5では、横軸は時間を示している。なお、図5では、送信信号及び受信信号の残留振動が効率よく抑制されている場合を例に示している。
【0027】
送信回路部40から発信されたパルス電圧S1がPZT振動子13に加えられると、PZT振動子13が発振して、共振板14から送信信号S2が対象物に向けて放射される。このとき、音響通路23と空間容積部26とは互いに遮断された状態となっているために、空間容積部26での圧力変動が音響通路23に伝播することはない。したがって、送信信号S2のレベルは、図5(b)に示すように常に安定した波形を有することになる。一方、音響通路23と空間容積部26とが互いに遮断していない状態では、送信信号S2’のレベルは、図5(c)に示すように不安定な波形を有することになる。なお、共振板14の振動を強制的に抑制すれば、残留成分が抑制され、より安定した発振信号S2を作り出すことができる。
【0028】
発振信号S2は、対象物で反射し反射信号S3となってT時間経過にコーン部15で受信される。ここでも、音響通路23と空間容積部26とは互いに遮断した状態となっているために、空間容積部26で発生する圧力変動によってコーン部15の振動が阻害されずに、受信した受信信号を確実に増幅することができることになる。一方、音響通路23と空間容積部26とが互いに遮断していない状態では、受信信号S3’のレベルは、図5(c)に示すように不安定な波形を有することになる。なお、コーン部15の振動を強制的に抑制すれば、残留成分が抑制され、より安定した受信信号S3を作り出すことができる。そして、演算処理回路部42は、発振信号S2が放射されてから反射信号S3を受信するまでに要した時間Tにより対象物までの距離を測定する。
【0029】
以上より、測距センサ100は、シール材30を設けることにより、音響通路23と空間容積部26とを確実に遮断し、空間容積部26での圧力変動を音響通路23に伝播しないようにしている。すなわち、シール材30によって音響通路23と空間容積部26とを確実に遮断し、共振板14及びコーン部15が常に一定の圧力の下で、所定の動作ができるようになっているのである。したがって、送信信号及び受信信号のレベルが安定し、対象物をより効果的に測定することができる。
【0030】
実施の形態2.
図6は、測距センサ100が搭載されたショーケース50の全体構成を示す概略構成図である。図6に基づいて、測距センサ100をショーケース50に適用した場合について説明する。このショーケース50は、コンビニエンスストアや、スーパーマーケット等の店舗に設置され、食品や飲料等を載置するものである。図6に示すように、ショーケース50は、熱交換器51と、この熱交換器51から発生するドレン水55を集めて下方に流下するドレン管52と、このドレン管52から流下したドレン水55を貯留するドレンタンク53とで構成されている。
【0031】
そして、測距センサ100は、ドレンタンク53の上面の開口部の上方に取り付けられるようになっている。また、測距センサ100は、筐体20の音響通路開口部21がドレンタンク53内の水面を向くように配置されている。なお、波線は測距センサ100から送信された超音波(発信信号)と水面で反射された反射波(反射信号)を示している。すなわち、測距センサ100は、ドレンタンク53内に貯留されるドレン水55の水位を検出するための水位検出装置として機能しているのである。
【0032】
この場合、対象物がドレンタンク53内に貯留されるドレン水55の水面であり、測距センサ100から水面までの距離、つまり水位を検出するようになっている。測距センサ100は、対象物までの距離を効率よく測定することができるので、このような形態で利用することができるのである。なお、ショーケース50に1つの測距センサ100を搭載した場合を例に説明したが、これに限定するものではなく、複数個の測距センサ100を搭載してもよい。
【0033】
この実施の形態2では、測距センサ100をショーケース50に搭載した場合を例に説明したが、これに限定するものではなく、空気調和装置等の設備機器内に搭載してもよい。つまり、対象物との距離の検出を目的とする設備機器であれば搭載することができるのである。たとえば、掃除機の本体や吸込口体に測距センサ100を搭載して掃除する室内にある障害物までの距離を検出するようにしたり、自動車のバンパーに測距センサ100を搭載して壁やガードレールまでの距離を検出したりすることも可能である。
【0034】
各実施の形態では、PZT振動子13を例として説明したが、これに限定するものではない。たとえば、セラミック型の圧電素子や高分子型の圧電素子等の圧電素子であってもよい。また、実施の形態1に係る筐体20が円筒状に構成されている場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、筐体20を角柱状に構成し、音響通路33を円柱状にくり抜くようにしてもよい。また、この場合には、支持部11も筐体20のセンサ装着部22の形状に応じた形状とするとよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施の形態1に係る測距センサを説明するための説明図である。
【図2】筐体の断面構成を示す縦断面図である。
【図3】共振板及びコーン部が振動しているときの音響特性を表すグラフである。
【図4】測距センサの信号処理の概要を説明するための説明図である。
【図5】送信波形及び受信波形を説明するための説明図である。
【図6】測距センサが搭載されたショーケースの全体構成を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0036】
10 センサ本体部、11 支持部、12 台座、13 PZT振動子、14 共振板、15 コーン部、17 正電極端子部、18 負電極端子部、20 筐体、21 音響通路開口部、22 センサ装着部、23 音響通路、25 センサ挿入部、26 空間容積部、30 シール材、40 送信回路部、41 受信回路部、42 演算処理回路部、50 ショーケース、51 熱交換器、52 ドレン管、53 ドレンタンク、55 ドレン水、100 測距センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の筐体と、
前記筐体の内壁面に側面が取り付けられた支持部と、
前記支持部に取り付けられた台座と、
前記台座に取り付けられ、圧電素子で構成された振動子と、
前記振動子の前記台座と反対側に取り付けられ、前記振動子の振動と共振することで共振波である発信信号を対象物に向けて発射する共振板と、
前記共振板の前記振動子側とは反対側に取り付けられ、前記対象物で反射された反射信号を受信し、増幅するコーン部とを備え、
前記支持部によって、
前記筐体内に、前記発信信号及び前記反射信号を送受信するための音響通路と、前記音響通路と遮断された空間容積部とを形成した
ことを特徴とする測距センサ。
【請求項2】
前記音響通路と前記空間容積部との間にシール材を設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の測距センサ。
【請求項3】
前記筐体の内壁面に前記支持部を取り付けるためのセンサ装着部を設け、
前記センサ装着部に前記シール材を設けた
ことを特徴とする請求項2に記載の測距センサ。
【請求項4】
前記音響通路を前記コーン部に向かって徐々に縮径させた
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの記載の測距センサ。
【請求項5】
前記空間容積部を密閉空間とした
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の測距センサ。
【請求項6】
前記振動子が、PZTからなる圧電素子で構成されている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の測距センサ。
【請求項7】
前記シール材が、エポキシ樹脂またはシリコンゴムである
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の測距センサ。
【請求項8】
前記請求項1〜7のいずれかに記載の測距センサを備えた
ことを特徴とする設備機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−151667(P2008−151667A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340514(P2006−340514)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】