説明

無線中継システム、無線中継機、無線端末機の操作方法、および無線中継方法

【課題】無線端末機に特別な機能を装備させることなく、無線中継機のホールドタイムを終了させる。
【解決手段】無線中継部100Aは、無線端末機200Aから送信される信号を受信し無線端末機200Bに対して信号の中継送信を行う。端末信号判定部103は、無線端末機200Aからの信号レベルを検出して信号レベルと予め定められた閾値との比較により無線端末機200Aが送信状態か停波状態かを判定する。タイマ105は、端末信号判定部103が停波状態と判定した場合にカウントを開始する。タイマ106は、端末信号判定部103が送信状態と判定した場合にカウントを開始する。制御部100Bは、タイマ106が動作中に端末信号判定部103が停波状態と判定した場合、およびタイマ105が終了した場合、無線中継部100Aに無線中継動作を終了させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線中継システム、無線中継機、無線端末機の操作方法、および無線中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一対の無線端末機が無線中継機によって中継を行って交信する無線中継システムが知られている。無線中継機は、無線端末機からの送信が終了した場合、一定時間中継送信動作状態を維持し、使用しているチャンネルを占有させるタイマ機能を備えている。(特許文献1)
タイマ機能によってチャンネルを占有させる時間をホールドタイムと称している。
一対の無線端末機の交信が終了しても、無線中継機は、ホールドタイム中は中継送信動作を継続するため、そのチャンネルを占有することになり、他の無線端末機が無線中継機を使用することができないといった問題がある。
【0003】
この問題を解決する手段として無線端末機に終話キーを備え、この終了キーを操作することにより終了コマンドを送信し、ホールドタイムを終了させ、使用していたチャンネルの占有を解除する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−174021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した終話キーを備える構成では無線端末機に特別な機能を装備しなければならずコストが上昇する。さらに、終話キーであることを確認して押すといった操作が要求されるため、煩雑であり時間がかかる。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、無線端末機に特別な機能を装備させることなく、無線中継機のホールドタイムを終了させることができる無線中継システム、無線中継機、無線端末機の操作方法、および無線中継方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、
半二重通信の機能を有し、送信を行う第1の無線端末機と、半二重通信の機能を有し、受信を行う第2の無線端末機と、前記第1の無線端末機から送信される信号を受信し、前記第2の無線端末機に対して前記信号の中継送信を行う無線中継部と、前記無線中継部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1の無線端末機からの信号を検出して前記第1の無線端末機が送信停止状態であるか送信状態であるかを判定する端末信号判定部と、前記端末信号判定部が、前記第1の無線端末機が前記送信停止状態であると判定した場合にカウントを開始し、予め定めた第1の時間カウントを継続する第1のタイマと、前記端末信号判定部が、前記第1の無線端末機が前記送信状態であると判定した場合にカウントを開始し、予め定めた第2の時間カウントを継続する第2のタイマと、を有し、前記制御部は、前記第2のタイマが動作中に前記端末信号判定部が前記第1の無線端末機が前記送信停止状態であると判定した場合と、前記第1のタイマが前記第1の時間のカウントを終了した場合とのいずれかの場合に前記無線中継部に無線中継動作を終了させる無線中継システムを提供する。
【0007】
また、本発明は、
無線端末機から送信される信号を受信し、前記信号を中継送信する無線中継動作を行う無線中継部と、
前記無線端末機からの信号を検出して無線端末機が送信状態であるか送信停止状態であるかを判定する端末信号判定部と、
前記端末信号判定部が前記無線端末機を前記送信停止状態であると判定した場合にカウントを開始し、予め定めた第1の時間カウントを継続する第1のタイマと、
前記端末信号判定部が前記無線端末機を前記送信停止状態であると判定した場合にカウントを開始し、予め定めた第2の時間カウントを継続する第2のタイマと、
前記第2のタイマが動作中に前記端末信号判定部より前記無線端末機が前記送信停止状態であると判定した場合と、前記第1のタイマが前記第1の時間のカウントを終了した場合とのいずれかの場合に前記無線中継部に無線中継動作を終了させる制御部と、
を備える無線中継機を提供する。
【0008】
上記の無線中継システムまたは無線中継機において、前記第1のタイマが動作中に、前記端末信号判定部が送信状態と判定した時点で、前記第1のタイマを停止してリセットしてもよい。
【0009】
また、本発明は、
押すことにより送信状態となり、離すことにより送信停止状態となる動作を切り換えるPTTスイッチを備えた無線端末機であって、該無線端末機からの信号が停止すると予め定められた時間中継動作を継続する無線中継機を中継して交信を行う無線端末機の操作方法において、送信状態である前記無線端末機の前記PTTスイッチを離して前記無線中継機への送信を終了させ、前記無線中継機が中継動作を継続中に前記PTTスイッチを押して前記無線端末機を送信状態とさせ、そして、予め定められた時間以前に前記PTTスイッチを離して前記無線端末機を送信停止状態とさせることによって、前記無線中継機による中継動作を終了させる無線端末機の操作方法を提供する。
【0010】
さらに、本発明は、
無線中継機が複数の無線端末機間の半2重通信の交信を中継するステップと、前記無線中継機が前記複数の無線端末機のいずれかからの送信信号を検出する第1の検出ステップと、前記第1の検出ステップで検出した第1の検出結果に基づいて前記送信信号が送信停止状態であるか送信状態であるかを判定する第1の判定ステップと、前記第1の判定ステップで前記送信信号が前記送信停止状態であると判定された場合に、前記無線中継機は中継動作を継続しつつ第1のタイマのカウントを開始する第1の開始ステップと、前記第1のタイマがカウント中に、前記複数の無線端末機のいずれかからの送信信号を検出する第2の検出ステップと、前記第2の検出ステップで検出した第2の検出結果に基づいて前記送信信号が前記送信停止状態であるか送信状態であるかを判定する第2の判定ステップと、前記第1のタイマが終了する前に、前記第2の判定ステップで前記送信信号が前記送信状態であると判定された場合に、前記無線機中継機は中継動作を継続しつつ前記第1のタイマを停止してリセットし、第2のタイマのカウントを開始する第2の開始ステップと、前記第2のタイマのカウントが終了する前に、前記複数の無線端末機のいずれかからの送信信号を検出する第3の検出ステップと、前記第3の検出ステップで検出した第3の検出結果に基づいて前記送信信号が送信停止状態であるか送信状態であるかを判定する第3の判定ステップと、そして、前記第2のタイマのカウントが終了する前に前記第3の判定ステップで前記送信信号が前記送信停止状態であると判定された場合と、前記第1のタイマのカウントが終了した場合とのいずれかの場合に前記無線中継機による中継動作を終了させるステップと、を含む無線中継方法を提供する。
【0011】
また、上記無線中継方法は、前記第2のタイマのカウントが終了した場合、前記無線中継機による中継動作を継続させるステップをさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無線端末機に特別な機能を装備させることなく、また特別な操作を必要とさせることなく無線中継機のホールドタイムを終了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線中継システムの外観図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る無線中継システムの構成を示すブロック図である。
【図3】無線端末機の構成の一実施例である。
【図4】PTTスイッチの設置場所を示す図である。
【図5】一実施例のタイムチャートである。
【図6】一実施例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の無線中継システム、無線中継機、無線端末機の操作方法、および無線中継方法について、添付図面を参照して説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる例に過ぎない。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る無線中継システムの外観図である。
図1において、無線端末機200A〜200Dは半二重方式の無線機であり、使用者の操作により送信が行なわれる。無線端末機200A〜200Dを無線端末機200と総称することがある。
無線中継機100は、無線端末機200Aから送信された信号を受信し、中継して交信相手の無線端末機200Bに対して送信を行う。無線端末機200Aと無線端末機200Bは相互に交信可能なため、無線端末機200Bから送信された信号を受信し、中継して交信相手の無線端末機200Aに対して送信を行う。
無線端末機200Cおよび200Dは、無線端末機200Aと無線端末機200Bとが無線中継機100を中継した交信が終了するまで待機している。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態に係る無線中継システムの構成を示すブロック図である。図2においては、無線中継機100と、無線中継機100を介して送受信を行っている無線端末機200A,200Bのみを図示している。また図2では、無線端末機200Aが送信状態であり、無線端末機200Bが受信状態である場合を示している。
無線中継機100は、無線中継部100Aと制御部100Bとを備える。
無線中継部100Aは、受信部101と送信部102とを備える。
制御部100Bは、端末信号判定部103と、タイマ105,106とを備える。
【0017】
図3は、無線端末機200の構成を示すブロック図である。
無線端末機200は、アンテナ201と、アンテナ切替スイッチ202と、受信部203と、スピーカ204と、マイク205と、送信部206と、プッシュ・トゥ・トーク(PTT)スイッチ207(以下、PTT207と略す)と、制御部208とからなる。
【0018】
図3を用いて、無線端末機200の動作を説明する。
アンテナ201は、無線中継機100からの信号を受信する。
アンテナ切替スイッチ202は、受信時にR側となりアンテナ201より受信した受信信号を受信部203に伝達し、送信時にはT側となり送信部206の送信信号をアンテナ201に伝達する。その切替は制御部208にて行われる。
【0019】
受信部203は、受信信号を増幅し、妨害波の低減を行い、受信信号を検波し、検波信号を復調し、復調した信号を音声信号に変換する。音声信号はスピーカ204に供給され、スピーカ204は音声を出力する。
【0020】
マイク205は、使用者の音声を音声信号に変換し送信部206に入力する。送信部206は、音声信号を変調して変調波とし、変調波を増幅し、不要輻射の除去を行って送信信号に変換する。送信信号は、アンテナ切替スイッチ202を介してアンテナ201から出力される。
【0021】
無線端末機200は、PTT207を押す(オンにする)ことで送信状態となり、離す(オフにする)ことで受信状態となる。
PTT207がオフとなっているときは、制御部208は、受信部203に図示していない電源から電力を供給させ、受信に必要な各種データを受信部203に設定する。一方、PTT207がオンとなっているときは、制御部208は、送信部206に図示していない電源から電力を供給させ、送信に必要な各種データを送信部206に設定する。
【0022】
無線端末機200は、PTT207がオフの状態で無線中継機100からの信号がある場合には受信状態となる。一方、無線中継機100からの信号がない場合は、または無線中継機100からの制御信号が自らへの信号ではない場合は、無線端末機200は待ち受け状態となり、制御部208は、スピーカ204からの音声出力をミュートするよう受信部203を制御する。
【0023】
PTT207は、無線端末機200が携帯機の場合、図4(a)で示すように、片手での容易な操作を考慮し本体側面に配置されることが多い。また、無線端末機200が車載機の場合、PTT207は、図4(b)のように、ハンドマイク300の側面に配置されるか、運転中の操作を考慮し、図4(c)のようにマイク205がピラー301等に固定され、PTT207がシフトレバー302またはハンドル303等の操作が容易な位置に配置される。
【0024】
図2を用いて、無線中継機100の動作を、無線端末機200Aからの送信を受信し、無線端末機200Bへ送信を行う場合で説明する。
【0025】
図2において、受信部101が、無線端末機200Aの送信信号を受信する。受信部101は、受信した信号の妨害波を低減し、受信した信号を増幅し、受信した信号を検波処理し、検波処理した信号より音声データ信号と制御データ信号とを復調する。音声データ信号は送信部102に入力され、制御データ信号は制御部100Bに入力される。
【0026】
制御部100Bは、復調された制御データ信号を解析し、無線端末機200Bとの交信に必要な制御データ信号を構築して送信部102に送る。
【0027】
送信部102は、無線端末機200Bとの交信に必要な制御データ信号と復調された音声データ信号とを変調して送信信号に変換し、送信信号を増幅し、不要輻射を低減して無線端末機200Bに送信する。
【0028】
制御部100Bは、受信した制御データ信号に含まれる、無線端末機200A,200Bの、例えば、機種を示すID情報等の情報を解析し中継送信のデータの構築や、受信部101および送信部102の動作に必要な制御を行う。
【0029】
端末信号判定部103は、無線端末機200Aからの同期信号の有無により、無線端末機200Aが送信停止状態であるか送信状態であるかの判定を行う。同期信号の検出以外にも、電界強度やビットエラーレート等を用いてもよく、判定手段は限定されるものではない。
【0030】
制御部100Bは、端末信号判定部103の判定結果により無線端末機200Aからの送信が停止したと判定した場合、予め定められた時間をカウントするタイマ105のカウントを開始させる。一方、制御部100Bは、無線端末機200Aから送信が行われ、端末信号判定部103が送信状態と判定した場合、予め定められた時間をカウントするタイマ106のカウントを開始させる。タイマ106は、無線端末機200Aからの送信を受信してカウントが開始されるタイマであるため、端末信号判定部103で判定に用いる同期信号の数をカウントしてもよい。
【0031】
制御部100Bは、タイマ105がカウント中、無線端末機200Aからの信号が停止中であっても無線中継部100Aの中継動作を継続するように制御する。
制御部100Bは、タイマ105のカウントが終了した場合、無線中継部100Aの中継送信動作を終了させる。タイマ105のカウント開始から終了までの時間がホールドタイムである。
一実施形態の無線中継システムが、デジタル方式の場合には、ホールドタイム中の中継送信は無変調状態であるが、シンクワード等の同期信号は送信される。
【0032】
図5を用いて、制御部100Bの動作を説明する。図5(a)にホールドタイムが終了した場合のタイムチャート、図5(b)にホールドタイムを無線端末機200Aの操作により解除させた場合のタイムチャートを示す。
図5(a)において、無線端末機200Aの使用者はタイミングT1でPTT207をオフにすることで送信を終了させ、受信状態を継続する。
無線端末機200Aからの送信が停止すると、タイマ105はカウントを開始し、無線中継機100は、タイミングT1から予め定められたタイミングT2までの時間(ホールドタイム)、中継送信の状態を維持する。
無線端末機200Bからの応答または無線端末機200Aによる送信の再開が行われずホールドタイム(T1−T2)を経過した場合には、無線中継機100は中継送信動作を終了する。無線端末機200A,200Bは無線中継機100からの信号が停止するため、受信状態が解除され待ち受け状態となる。
【0033】
図5(b)において、無線端末機200Aの使用者はタイミングT1でPTT207をオフにすることで送信を終了させ、受信状態を継続する。
無線端末機200Aからの送信信号が停止すると、タイマ105はカウントを開始する。
使用者は、タイミングT3〜T4で通常の送信操作を行うようにPTT207をごく短時間押して離す。このPTT207を短時間操作することをワンプッシュと称することとする。
【0034】
無線中継機100は、ホールドタイムが終了するタイミングT2より以前のタイミングT3で無線端末機200Aが送信状態になると、ホールドタイム中であるのでタイマ105を停止してリセットし、タイマ106のカウントを開始する。
タイマ105の停止およびリセットと、タイマ106のカウントの開始は、どちらかが先でもよく、同時でもよい。
タイマ106は、タイミングT5でカウントを終了する。しかし、カウントが終了以前のタイミングT4で無線端末機200Aが送信を終了した場合、無線中継機100は、タイマ106を停止してリセットし、中継送信動作を終了する。
【0035】
無線端末機200Cおよび無線端末機200Dは、無線中継機100が使用中であったため交信を待機していた。無線端末機200Aと無線端末機200Bとの交信の中継送信動作を終了させたことで、ホールドタイムの終了のタイミングT2を待たずに無線端末機200CはタイミングT6から送信を開始することができる。
無線中継機100はタイミングT7より中継送信を開始する。
無線端末機Dは、無線中継機100より中継送信を受信し、自らへの通信であるかの確認を行った後、確認できた場合タイミングT9でミュートを解除して受信音声を再生する。
【0036】
図6に一実施形態の無線中継方法である無線中継機100の制御のフローを示す。
無線端末機200Aと無線端末機200Bは無線中継機100を中継して交信を行っており、無線中継部100Aの受信部101にて無線端末機200Aからの送信信号を受信しているものとする(ステップS401)。
制御部100Bは、受信信号内の同期信号を検出し、その検出結果に基づいて、端末信号判定部103で、無線端末機200Aが送信停止状態となったか送信状態のままかを判定し、無線端末機200Aが送信停止状態となったと判定した場合(ステップS402でYes)、タイマ105のカウントを開始し、中継動作を継続する(ステップS403)。タイマ105のカウント中も、端末信号判定部103は無線端末機200Aもしくは無線端末機200Bからの送信信号の検出を続ける(ステップS404)。
【0037】
無線端末機200Aもしくは無線端末機200Bからの送信信号が検出できず(ステップS404でNo)、タイマ105のカウントが終了した場合(ステップS405でYes)、無線中継機100の制御部100Bは交信終了と判定し、無線中継機100は中継動作を終了する(ステップS406)。タイマ105のカウントが終了しない場合は(ステップS405でNo)、ステップS404に戻り、端末信号判定部103は信号の検出を続ける。
【0038】
タイマ105のカウントが終了する前に、無線端末機200Aもしくは無線端末機200Bからの送信信号を受信した場合(ステップS404でYes)、制御部100Bはタイマ105を停止してリセットして、タイマ106のカウントを開始させる(ステップS407)。制御部100Bは、タイマ105の停止およびリセットとタイマ106の開始とを同時に行ってもよく、いずれを先に行ってもよい。
【0039】
タイマ106のカウント中に、無線端末機200Aもしくは無線端末機200Bからの信号が停止した場合(ステップ408でYes)は、制御部100Bはタイマ106を停止してリセットし(ステップS409)、中継動作を終了させる(ステップS406)。
無線端末機200Aもしくは無線端末機200Bからの信号が停止していない場合は(ステップ408でNo)、制御部100Bはタイマ106のカウントが終了したか否かの判定を行う(ステップ410)。
タイマ106がカウント継続中であった場合(ステップS410でNo)、無線中継部100Aは中継動作が継続し、制御部100Bの端末信号判定部103は、無線端末機200Aもしくは無線端末機200Bからの信号の検出を続ける(ステップS408)。
【0040】
一方、無線端末機200Aもしくは無線端末機200Bからの信号が停止していない間(ステップ408でNo)に、タイマ106のカウントが終了した場合(ステップ410でYes)、制御部100Bは無線端末機200Aと無線端末機200Bが交信を継続すると判定し、中継動作を継続する(ステップS401)。
以上、詳細に説明したように、無線端末機200A,200Bにて特殊なコマンド送信や操作を行うことなく、PTT207をワンプッシュすることで無線中継機100のホールドタイム中の中継動作を解除することができる。
【0041】
上記のホールドタイムを解除する機能は、無線中継機100の制御部100Bのソフトウェアを変更することにより実現が可能である。即ち、終了キーを備えた無線端末機を新たに用意する必要もなく現在使用している無線端末機で、ホールドタイムを解除する機能を実現することができる。
【0042】
上記のホールドタイムを解除する機能により、無線端末機200の使用者は、交信終了後にPTT207をワンプッシュすることで、無線中継機100の中継動作を終了させ、使用しているチャネルをすぐに開放することができ、チャネルを占有している時間を短くすることができる。
よって、ホールドタイムが不要な場合、それを無線端末機200側より解除することで無線中継機100の利用効率が上がる。
【0043】
なお、制御部100Bは無線中継機100の外にあってもよい。また、端末信号判定部103とタイマ105,106のいずれかを、制御部100Bの外部に設けてもよい。
以上、詳細に説明したように本発明によれば、無線端末機に特別な機能を装備させることなく、また特別な操作を必要とさせることなく無線中継機のホールドタイムを終了させることができる。
【符号の説明】
【0044】
100… 無線中継機、100A… 無線中継部、 100B… 制御部
101… 受信部、 102… 送信部、 103… 端末信号判定部
105… タイマ、 106… タイマ
200… 無線端末機
200A〜200D… 無線端末機
201… アンテナ、 202… アンテナ切替機、 203… 受信部
204… スピーカ、 205… マイク、 206… 送信部
207… PTT、 208… 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半二重通信の機能を有し、送信を行う第1の無線端末機と、
半二重通信の機能を有し、受信を行う第2の無線端末機と、
前記第1の無線端末機から送信される信号を受信し、前記第2の無線端末機に対して前記信号の中継送信を行う無線中継部と、
前記無線中継部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1の無線端末機からの信号を検出して前記第1の無線端末機が送信停止状態であるか送信状態であるかを判定する端末信号判定部と、
前記端末信号判定部が、前記第1の無線端末機が前記送信停止状態であると判定した場合にカウントを開始し、予め定めた第1の時間カウントを継続する第1のタイマと、
前記端末信号判定部が、前記第1の無線端末機が前記送信状態であると判定した場合にカウントを開始し、予め定めた第2の時間カウントを継続する第2のタイマと、を有し、
前記制御部は、前記第2のタイマが動作中に前記端末信号判定部が前記第1の無線端末機が前記送信停止状態であると判定した場合と、前記第1のタイマが前記第1の時間のカウントを終了した場合とのいずれかの場合に前記無線中継部に無線中継動作を終了させる無線中継システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1のタイマが動作中に前記端末信号判定部が送信状態であると判定した場合に、前記第1のタイマのカウントを停止してリセットすること特徴とする請求項1に記載の無線中継システム。
【請求項3】
無線端末機から送信される信号を受信し、前記信号を中継送信する無線中継動作を行う無線中継部と、
前記無線端末機からの信号を検出して無線端末機が送信状態であるか送信停止状態であるかを判定する端末信号判定部と、
前記端末信号判定部が前記無線端末機を前記送信停止状態であると判定した場合にカウントを開始し、予め定めた第1の時間カウントを継続する第1のタイマと、
前記端末信号判定部が前記無線端末機を前記送信停止状態であると判定した場合にカウントを開始し、予め定めた第2の時間カウントを継続する第2のタイマと、
前記第2のタイマが動作中に前記端末信号判定部より前記無線端末機が前記送信停止状態であると判定した場合と、前記第1のタイマが前記第1の時間のカウントを終了した場合とのいずれかの場合に前記無線中継部に無線中継動作を終了させる制御部と、
を備える無線中継機。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1のタイマが動作中に前記端末信号判定部が前記無線端末機は前記送信状態であると判定した場合に、前記第1のタイマのカウントを停止してリセットすること特徴とする請求項3に記載の無線中継機。
【請求項5】
押すことにより送信状態となり、離すことにより送信停止状態となる動作を切り換えるPTTスイッチを備えた無線端末機であって、該無線端末機からの信号が停止すると予め定められた時間中継動作を継続する無線中継機を中継して交信を行う無線端末機の操作方法において、
送信状態である前記無線端末機の前記PTTスイッチを離して前記無線中継機への送信を終了させ、
前記無線中継機が中継動作を継続中に前記PTTスイッチを押して前記無線端末機を送信状態とさせ、
予め定められた時間以前に前記PTTスイッチを離して前記無線端末機を送信停止状態とさせることによって、前記無線中継機による中継動作を終了させる無線端末機の操作方法。
【請求項6】
無線中継機が複数の無線端末機間の半2重通信の交信を中継するステップと、
前記無線中継機が前記複数の無線端末機のいずれかからの送信信号を検出する第1の検出ステップと、
前記第1の検出ステップで検出した第1の検出結果に基づいて前記送信信号が送信停止状態であるか送信状態であるかを判定する第1の判定ステップと、
前記第1の判定ステップで前記送信信号が前記送信停止状態であると判定された場合に、前記無線中継機は中継動作を継続しつつ第1のタイマのカウントを開始する第1の開始ステップと、
前記第1のタイマがカウント中に、前記複数の無線端末機のいずれかからの送信信号を検出する第2の検出ステップと、
前記第2の検出ステップで検出した第2の検出結果に基づいて前記送信信号が前記送信停止状態であるか送信状態であるかを判定する第2の判定ステップと、
前記第1のタイマが終了する前に、前記第2の判定ステップで前記送信信号が前記送信状態であると判定された場合に、前記無線機中継機は中継動作を継続しつつ前記第1のタイマを停止してリセットし、第2のタイマのカウントを開始する第2の開始ステップと、
前記第2のタイマのカウントが終了する前に、前記複数の無線端末機のいずれかからの送信信号を検出する第3の検出ステップと、
前記第3の検出ステップで検出した第3の検出結果に基づいて前記送信信号が送信停止状態であるか送信状態であるかを判定する第3の判定ステップと、
前記第2のタイマのカウントが終了する前に前記第3の判定ステップで前記送信信号が前記送信停止状態であると判定された場合と、前記第1のタイマのカウントが終了した場合とのいずれかの場合に前記無線中継機による中継動作を終了させるステップと、
を含む無線中継方法。
【請求項7】
前記第2のタイマのカウントが終了した場合、前記無線中継機による中継動作を継続させるステップをさらに含む請求項6に記載の無線中継方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−166718(P2011−166718A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64052(P2010−64052)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】