無線通信ネットワークにおける自動利得制御
無線通信ネットワークにおいて端末の自動利得制御(AGC)を行なうための技法が説明される。ある態様において、端末は、異なる時間間隔において異なるタイプの信号を受信するために異なる受信機利得設定を使用することができる。端末は、各信号タイプのための受信機利得設定を決定することができ、その信号タイプの信号を受信するためにその受信機利得設定を使用することができる。別の態様において、端末は、未来の時間間隔での受信機利得設定を、その時間間隔において送信することが予期されるピア端末の受信パワーレベルに基づいて、決定することができる。端末は、複数の端末から受信された信号の受信パワーレベルを測定することができる。端末は、未来の時間間隔において送信することが予期される端末のセットを決定することができ、端末のセットの測定受信パワーレベルに基づいて未来の時間間隔での受信機利得設定を決定することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して通信に関し、より詳細には、無線通信ネットワークにおいて端末で自動利得制御(AGC:automatic gain control)を行なうための技法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信ネットワークは、音声、映像、パケットデータ、メッセージング、同報通信、等といったさまざまな通信サービスを提供するために広く展開されている。これらの無線ネットワークは、利用可能なネットワークリソースを共有することにより、複数のユーザーのための通信をサポート可能であることができる。そのような無線ネットワークの例は、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、および無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を含む。
【0003】
無線通信ネットワークにおいて、端末は、基地局および/または他の端末であることができる送信機からの信号を受信することができる。送信機は、同一または異なるパワーレベルで、それらの信号を送信することができる。さらに、送信機は、端末に対し異なる距離に位置することができ、したがって、端末に対し異なるパスロスを有することができる。端末は、異なる受信パワーレベルで、異なる送信機からの信号を受信することができる。端末は、AGCを行なうことができ、その受信機の利得を調整することができるので、(i)強い信号は、端末のアナログデジタルコンバータ(ADC)のクリッピングを回避するために減衰させられ、(ii)弱い信号は、全ADCレンジを占有するために、増幅される。適切な受信機利得を使用することによって、ADCのクリッピングおよびADCのクリッピングによる劣化(degradation)の両方が、回避されることができる。したがって、端末で効率よくAGCを行なうことが所望される。
【発明の概要】
【0004】
無線通信ネットワーク(たとえば、ピアツーピアネットワーク)において端末でAGCを行なうための技法が、ここに説明される。ある態様において、端末は、異なる時間間隔またはフレームにおいて、異なるタイプの信号を受信するために、異なる受信機利得設定を使用することができる。受信機利得設定は、端末によって使用される初期受信機利得であり、端末は、所望の信号レベルを得るためにこの初期受信機利得を変えることができる。1つの設計において、端末は、第1の信号タイプ、たとえば、ピア発見信号(peer discovery signals)に対し、第1の受信機利得設定を決定することができる。端末は、第1の時間間隔、たとえば、ピア発見フレームにおいて、第1の信号タイプの信号を受信するために、第1の受信機利得設定を使用することができる。端末は、第2の信号タイプ、たとえば、ページング信号(paging signal)に対し、第2の受信機利得設定を決定することができる。端末は、第2の時間間隔、たとえば、ページングフレームにおいて、第2の信号タイプの信号を受信するために、第2の受信機利得設定を使用することができる。端末は、以下に説明されるように、第1および第2の信号タイプの特性に基づいて、第1および第2の受信機利得設定を決定することができる。
【0005】
別の態様において、端末は、ある未来の時間間隔での受信機利得設定を、その時間間隔で送信することが予期されるピア端末(peer terminal)の受信パワーレベルに基づいて、決定することができる。1つの設計において、端末は、少なくとも1つのフレームで複数の端末からの信号(たとえば、ピア発見信号)を受信することができる。各フレームは、複数の時間間隔における複数のリソースブロック(resource block)を有することができる。各端末は、異なるフレームの異なるリソースブロックで送信することができ、ホッピング関数(hopping function)またはパターンに基づいて、それら異なるリソースブロックを選択することができる。端末は、複数の端末から受信された信号の受信パワーレベルを測定することができる。端末は、ホッピング関数および現在の時間の情報に基づいて、複数の端末の中から、未来の時間間隔で送信することが予期される端末のセットを決定することができる。端末は、その端末のセットの測定受信パワーレベルに基づいて、未来の時間間隔でのその端末のセットの予測受信パワーレベルを決定することができる。端末は、予測受信パワーレベルとターゲットパワーレベルとに基づいて、未来の時間間隔での受信機利得設定を決定することができる。端末は、未来の時間間隔で端末のセットからの信号を受信するために、その受信機利得設定を使用することができる。
【0006】
開示のさまざまな態様および特徴が、以下にさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】無線通信ネットワークを示す図である。
【図2】ピアツーピア通信のための例示的なメッセージフローを示す図である。
【図3】例示的な送信ストラクチャを示す図である。
【図4】複数の送信機から端末への送信を示す図である。
【図5】異なるタイプの信号についての信号の受信を示す図である。
【図6】時間ホッピングを用いたピア発見信号の送信を示す図である。
【図7】異なるタイプの信号を受信するためのプロセスを示す図である。
【図8】異なるタイプの信号を受信するための装置を示す図である。
【図9】ピア発見信号を受信するためのプロセスを示す図である。
【図10】ピア発見信号を受信するための装置を示す図である。
【図11】2つの端末のブロック図である。
【詳細な説明】
【0008】
ここに説明される技法は、WWAN、WMAN、WLAN、等といったさまざまな無線通信ネットワークのために使用されることができる。「ネットワーク」および「システム」という用語は、しばしば互換的に使用される。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交FDMA(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリアFDMA(SC−FDMA)ネットワーク、等であることができる。CDMAネットワークは、ユニバーサル地上無線アクセス(UTRA)、cdma2000、等といった無線技術を実現することができる。TDMAネットワークは、移動体通信のための世界システム(GSM(登録商標))のような無線技術を実現することができる。OFDMAネットワークは、進化型UTRA(E−UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、Flash-OFDM(登録商標)、等といった無線技術を実現することができる。ロングタームエボリューション(LTE)は、E−UTRAを使用する「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)の近く公開されるリリースであり、それは、ダウンリンクにOFDMAを、アップリンクにSC−FDMAを用いる。WLANは、(Wi−Fiとも呼ばれる)IEEE802.11ファミリーの規格の中の1つ以上の規格、Hiperlan、等を実現することができる。WMANは、(WiMAXとも呼ばれる)IEEE802.16ファミリーの規格の中の1つ以上の規格を実現することができる。ここに説明される技法は、上述された無線ネットワークおよび無線技術だけでなく、他の無線ネットワークおよび無線技術のために使用されることができる。
【0009】
図1は、無線通信ネットワーク100を示し、それは、多数の基地局および多数の端末を含むことができる。簡潔にするために、1つの基地局110と4つの端末120a、120b、120c、および120dのみが図1に示されている。基地局は、端末と通信する固定局であることができ、アクセスポイント、ノードB、改良されたノードB(eNB)、等と呼ばれることもできる。端末120は、ネットワーク中に分散されることができ、各端末は、固定または可動であることができる。端末は、アクセス端末、移動局、ユーザー機器(UE)、加入者ユニット、局、等と呼ばれることもできる。端末は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、無線モデム、無線通信デバイス、ハンドへルドデバイス、ラップトップコンピュータ、コードレス電話、無線ローカルループ(WLL)局、等であることができる。端末は、基地局と通信することができ、すなわち、基地局から情報(たとえば、タイミング情報)を受信することができる。あるいは、または、さらに、端末は、他の端末とピアツーピアで通信することができる。
【0010】
図2は、無線ネットワーク100における2つの端末AおよびB間のピアツーピア通信のために使用されることができるメッセージフロー200の設計を示す。はじめに(たとえば、電源投入時)、端末AとBは、各々、基地局110からの同報情報を受信することができる(ステップ1)。各端末は、同報情報から、タイミング情報を、ことによると他の情報も得ることができる。端末Aは、近傍の他の端末に端末Aを検出させるために、ピア発見信号を周期的に同報することができる(ステップ2)。同様にして、端末Bは、近傍の他の端末に端末Bを検出させるために、ピア発見信号を周期的に同報することができる(ステップ3)。端末AとBは、ピア発見信号によって、互いの存在を検出することができる。その後、端末AとBは、送るためのデータがあればいつでも、互いをページングすることができる(ステップ4)。その次に、接続が確立されると、端末AとBは、その接続によって、シグナリングおよびトラヒックデータをやり取りすることができる(ステップ5)。
【0011】
図2は、ピアツーピア通信のために使用されることができる例示的なメッセージフローを示す。一般的に、ピアツーピア通信のためのメッセージフローは、任意の数のメッセージおよび任意のタイプのメッセージを含むことができる。
【0012】
図3は、無線ネットワーク100のために使用されることができる送信ストラクチャ300の設計を示す。送信の時系列は、スーパーフレーム(super frame)単位に分割されることができる。各スーパーフレームは、固定または可変の持続時間をカバーすることができ、多数のフレームに分割されることができる。図3に示された設計において、異なるタイプの信号または情報が、異なるフレームで送られることができる。あるフレームは、基地局からの信号を受信するために使用されることができ、オーバーヘッドフレーム(overhead frame)と呼ばれることができる。あるフレームは、ピア発見信号を送るために使用されることができ、ピア発見フレームと呼ばれることができる。あるフレームは、ページング信号を送るために使用されることができ、ページングフレームと呼ばれることができる。多くの、または、ほとんどのフレームが、データを送るために使用されることができ、データフレームと呼ばれることができる。他のタイプのフレームが定義されることもできる。異なるタイプのフレームは、同一のまたは異なる持続時間を有することができる。
【0013】
概して、各タイプのフレームは、任意の適切な持続時間だけ離間されることができる。オーバーヘッドフレーム間の間隔は、基地局によって使用される無線技術に拠ることができ、UMBでは25ミリセカンド(ms)、または、他の無線技術ではある他の持続時間であることができる。ピア発見フレーム間の間隔およびページングフレーム間の間隔は、各々、任意の適切な持続時間であることができる。オーバーヘッドフレーム、ピア発見フレーム、およびページングフレームは、同一のまたは異なる周期性を有することができる。各スーパーフレームは、オーバーヘッドフレームを含むことも含まないこともでき、ピア発見フレームを含むことも含まないこともでき、ページングフレームを含むことも含まないこともできる。
【0014】
図3は、また、ピア発見フレームの設計を示す。この設計において、ピア発見フレームは、1乃至Nのインデックスを付したN個のスロットに分割され、ここでNは、任意の整数値であることができる。各スロットは、S個のシンボル期間を含み、ここでSは任意の整数値であることができる。システム帯域幅は、直交周波数分割多重(OFDM)またはシングルキャリア周波数分割多重(SC−FDM)によって、複数(K個)のサブキャリアに分割されることができる。1乃至Mのインデックスを付したM個のサブキャリアセットが定義されることができ、ここでM≦Kである。各サブキャリアセットは、1つ以上のサブキャリアを含むことができる。リソースブロックは、ピア発見フレームにおける利用可能なスロットおよびサブキャリアセットに基づいて定義されることができる。図3に示した設計において、1つのリソースブロックは、1つのスロットにおける1つのサブキャリアセットをカバーしている。ピア発見フレーム内の各リソースブロックは、インデックス(m,n)によって一意的に識別されることができ、それは、サブキャリアセットのインデックスmとスロットのインデックスnとで構成されている。リソースブロックは、そのピア発見信号を送るために1つの端末によって使用されることができる。複数の端末が同一のリソースブロックでそれらのピア発見信号を送ると、衝突が起こる。
【0015】
所与の端末Aは、1つ以上の送信機からの信号を受信することができる。端末Aは、端末AのADCのための所望の入力信号レベルを得るために、AGCを行なうことができる。
【0016】
図4は、K個の送信機1乃至Kから端末Aへの送信を示し、Kは、1以上であることができる。各送信機は、無線チャネルを介して特定の送信パワーレベルで信号を送信することができる。端末Aは、各送信機からの信号を、その信号の送信パワーレベルと、その送信機から端末Aへのパスロスとによって決定された受信パワーレベルで、受信することができる。端末Aは、K個のすべての送信機からの信号を含み、PRXの受信パワーレベルを有する、受信信号を得ることができる。端末Aは、受信機利得gによって受信信号をスケーリング(scale)(たとえば、増幅または減衰)することができ、入力パワーレベルPINを有するADC入力信号を得ることができる。端末Aは、受信機利得が1より大きい場合に受信信号を増幅することができ、または、受信機利得が1より小さい場合に受信信号を減衰させることができる。
【0017】
端末Aは、ADC入力信号のターゲットパワーレベルを得るためにAGCを行なうことができる。AGCにより、端末Aは、(i)入力パワーレベルがターゲットパワーレベルよりも小さい場合に受信機利得を増加させることができ、(ii)入力パワーレベルがターゲットパワーレベルよりも大きい場合に受信機利得を減少させることができる。
【0018】
端末Aは、異なる送信機から異なるタイプの信号を受信することができる。各送信機は、基地局または別の端末であることができる。端末Aは、各タイプの信号を、その信号タイプのために使用されるフレームで受信することができる。
【0019】
図5は、端末Aによる信号の受信の設計を示す。端末Aは、TOH秒の間隔だけ離間されることができるオーバーヘッドフレームで、基地局からの同報信号を受信することができる。同報信号は、ビーコン信号、同期信号、パイロット信号、同報および制御チャネルを搬送するフォワードリンク信号、等であることができる。端末Aは、同報信号からタイミングおよび/または他の情報を得ることができる。
【0020】
端末Aは、TPDS秒の間隔だけ離間されることができるピア発見フレームで、他の端末からのピア発見信号を受信することができる。各端末は、異なるピア発見フレーム中の異なるリソースブロックで、そのピア発見信号を送信することができ、すべての端末に既知であることができるホッピング関数に基づいて、これらのリソースブロックを選択することができる。端末Aは、端末Aによってすでに発見されているピア端末によって使用されたリソースブロックを把握可能であることができ、これらのリソースブロックにおけるこれらの端末からのピア発見信号を検出することができる。端末Aは、そのピア発見信号を送信するために端末Aによって使用されていないスロットにおける、新たな端末からのピア発見信号を検出することもできる。
【0021】
端末Aは、TPS秒の間隔だけ離間されることができるページングフレームで、他の端末からのページング信号を受信することができる。端末Aは、端末Aがすでに発見している別の端末に、端末Aがその端末と通信することを望むときにはいつでも、ページング信号を送信することができる。同様にして、他の端末は、それらが端末Aと通信することを望むときにはいつでも、端末Aにページング信号を送信することができる。端末Aは、各ページングフレームにおいて他の端末からのページング信号を検出することができる。
【0022】
端末Aは、任意の量だけ離間されることができるデータフレームで、他の端末からのデータ信号を受信することができる。端末Aは、端末Aをページングした他の端末からのデータ信号を受信することができ、したがって、データ信号の送信者を知っていることができる。データ送信は、端末Aがデータ信号を受信すべきときがわかるように、スケジューリングされることもできる。
【0023】
図5に示したように、端末Aは、異なるフレームで異なるタイプの信号を受信することができる。端末Aは、送信ストラクチャに基づいて、各タイプの信号を予期すべきときを知ることができる。各信号タイプによって、端末Aは、端末Aが受信する可能性のある信号の、実際の、および/または、もっともらしい送信機を知ることもできる。端末Aは、受信性能を向上させるために、この知識に基づいてAGCを行なうことができる。
【0024】
ある態様において、端末Aは、異なるフレームで受信された異なるタイプの信号のために、異なる受信機利得設定を使用することができる。受信機利得設定は、受信機利得モード、AGC利得設定、AGCモード、等と呼ばれることもできる。各信号タイプのために、端末Aは、1つ以上の以前のフレームにおけるそのタイプの信号の受信パワーレベルを測定することができる。そして、端末Aは、(単数または複数の)以前のフレームにおける測定受信パワーレベルに基づいて、次のフレームでそのタイプの信号を受信するために使用する1つ以上の受信機利得設定を決定することができる。(単数または複数の)受信機利得設定が適切に選択されると、端末Aは、大量ではなく少量だけその受信機利得を調整する必要があるだけでよく、性能を向上させることができる。端末Aは、以下に説明するように、各信号タイプのための1つ以上の受信機利得設定を、そのタイプの信号の特性に基づいて決定することができる。
【0025】
同報信号について、端末Aは、端末Aが大幅に移動しない限り、各オーバーヘッドフレームで同一の基地局セットからの同報信号を受信することを予期することができる。端末Aは、各オーバーヘッドフレームでの同報信号の受信パワーレベルを測定することができる。1つの設計において、端末Aは、以下のように、直近のオーバーヘッドフレームの受信パワーレベルに基づいて、次のオーバーヘッドフレームのための受信機利得設定を決定することができる。
【数1】
【0026】
ここで、PBS_RX(t)は、オーバーヘッドフレームtでの同報信号の受信パワーレベルであり、
PBS_targetは、同報信号のターゲットパワーレベルであり、
gBS(t+t)は、オーバーヘッドフレームt+1での同報信号のための受信機利得設定である。
【0027】
パワーおよび利得は、式(1)および以下の説明のほとんどにおいて線形ユニットで与えられる。
【0028】
式(1)で示した設計において、受信機利得設定は、同報信号の受信パワーレベルが、受信機利得の適用後に同報信号のターゲットパワーレベルに近づくように、選択される。別の設計において、端末Aは、フィルタリングされた受信パワーレベル、
【数2】
【0029】
を得るために、各オーバーヘッドフレームでの受信パワーレベルを測定することができ、異なるオーバーヘッドフレームにわたる受信パワーレベルを平均することができる。平均することは、有限インパルス応答(FIR:finite impulse response)フィルタ、無限インパルス応答(IIR:infinite impulse response)フィルタ、等に基づくことができる。そして、端末は、直近のオーバーヘッドフレームでの(測定受信パワーレベルではなく)フィルタリングされた受信パワーレベルに基づいて、次のオーバーヘッドフレームのための受信機利得設定を決定することができる。
【0030】
概して、端末Aは、1つ以上の以前のオーバーヘッドフレームでの受信パワーレベルに基づいて、次のオーバーヘッドフレームのための受信機利得設定を決定することができる。端末Aがオーバーヘッドフレーム間に、移動しない、または少しだけ移動する場合、次のオーバーヘッドフレームでの受信パワーレベルは、(単数または複数の)以前のオーバーヘッドフレームでの受信パワーレベルに基づいて正確に予測されることができる。そして、端末Aは、予測受信パワーレベルに基づいて、次のオーバーヘッドフレームにとって適切な受信機利得設定を適用することができる。
【0031】
ピア発見信号について、端末Aは、どのピア端末が端末Aによって発見されているかの知識を有する。端末Aは、1つ以上の以前のピア発見フレームでの各ピア端末からのピア発見信号の受信パワーレベルを決定することができる。端末Aは、フレームタイミング(frame timing)の知識およびホッピング関数に基づいて、次のピア発見フレームにおける、ピア端末がそれらのピア発見信号を送信するであろうスロットを決定することができる。そして、端末Aは、次のピア発見フレームにおける各スロットでの受信パワーレベルを、(i)どのピア端末がそのスロットで送信しそうであるかの知識と、(ii)そのスロットで送信しそうな各ピア端末の受信パワーレベルとに基づいて、予測することができる。そして、端末Aは、以下に説明されるように、そのスロットでの予測受信パワーに基づいて、次のピア発見フレームにおける各スロットでの受信機利得設定を決定することができる。
【0032】
ページング信号について、端末Aは、どのピア端末が端末Aをページングする可能性があるかの知識を有するが、(たとえあったとしても)これらのピア端末のうちのどれが次のページングフレームで実際に端末Aをページングするかを知ることはできない。1つの設計において、端末Aは、最大受信機利得設定、最小受信機利得設定、またはある他の受信機利得設定であることができる、所定の受信機利得設定gPSを使用することができる。各ピア端末は、(i)端末Aによって使用される受信機利得設定と、(ii)そのピア端末から端末Aへのパスロスとを知ることができる。パスロスは、端末Aから受信されたピア発見信号に基づいて推定されることができる。各ピア端末は、以下のように、ページング信号用のその送信パワーを設定することができる。
【数3】
【0033】
ここで、PPS_targetは、ページング信号用のターゲットパワーレベルであり、
PLkは、ピア端末kから端末Aへのパスロスであり、
gPSは、ページング信号用に端末Aによって使用される受信機利得設定であり、
PPS_TX,kは、ピア端末kからのページング信号用の送信パワーレベルである。
【0034】
式(2)で示した設計において、送信パワーレベルは、ピア端末kからのページング信号の受信パワーレベルが、受信機利得gPSによるスケーリング後に、端末Aでのページング信号用のターゲットパワーレベルに近づくように、選択される。
【0035】
端末Aは、すべてのピア端末からのページング信号を受信するために、単一の受信機利得設定を使用することができる。端末Aが最大受信機利得設定を使用する場合、隣接端末は、端末AのADCをクリッピングすることを回避するために、非常に低いパワーレベルで送信する必要があり得る。隣接端末は、そのような低いパワーレベルで送信可能でないことがあり得る。逆に、端末Aが最小受信機利得設定を使用する場合、遠くの端末は、端末Aによって十分なパワーレベルで受信されるために、非常に高いパワーレベルで送信する必要があり得る。遠くの端末は、そのようなパワーレベルで送信可能でないことがあり得る。
【0036】
別の設計において、端末Aは、ピア端末からのページング信号を受信するために、異なるページングフレームで異なる受信機利得設定を使用することができる。異なるページングフレームでの受信機利得設定は、ピア端末によって既知であることができるパターンに基づいて選択されることができる。そのパターンは、複数の受信機利得設定を含むことができ、端末Aは、そのパターンを繰り返すことができ、各ページングフレームで異なる受信機利得設定を使用することができる。たとえば、そのパターンは、高い受信機利得設定、中間の受信機利得設定、低い受信機利得設定を含むことができる。端末Aは、ページングフレームtで高い受信機利得設定を、ページングフレームt+1で中間の受信機利得設定を、ページングフレームt+2で低い受信機利得設定を、ページングフレームt+3で高い受信機利得設定に戻って、使用することができる。ピア端末は、既知のパターンとその端末から端末Aへのパスロスとに基づいて、端末Aにページング信号を送るための適切なページングフレームを選択することができる。ピア端末は、式(2)に示したように、選択されたページングフレームでの受信機利得設定、パスロス、およびターゲットパワーレベルに基づいて、ページング信号の送信パワーレベルを決定することもできる。
【0037】
データ信号について、端末Aは、どのピア端末が次のデータフレームで端末Aにデータ信号を送信するかの知識を有することができる。そして、端末Aは、ピア端末からのデータ信号が、端末Aでのデータ信号のターゲットパワーレベルで、または、ほぼそれで、受信されるように、受信機利得設定を選択することができる。
【0038】
図5を参照すると、端末Aは、オーバーヘッドフレームtで受信機利得設定gBS(t)を、ピア発見フレームtで受信機利得gPDS,n(t)を、ページングフレームtで受信機利得設定gPS,n(t)を、データフレームtで受信機利得設定gDS,n(t)を使用することができる。簡潔にするために、同一のフレームインデックスtがすべての信号タイプのために使用されている。各信号タイプについて、フレームインデックスtは、その信号タイプのフレームが現れるたびに増加させられることができる。異なる信号タイプのフレームインデックスは、どれほど頻繁にこれらの信号タイプのフレームが現れるかによって、同一の割合または異なる割合で更新されることができる。異なる信号タイプのための受信機利得設定は、上述したように決定されることができる。
【0039】
各タイプの信号について、端末Aは、その信号タイプのフレームの開始時に、初期受信機利得としてその信号タイプのために決定された受信機利得設定を使用することができる。端末Aは、AGCを行なうことができ、(i)ADCでの入力パワーレベルがターゲットパワーレベルよりも低い場合には受信機利得を増加し、(ii)該入力パワーレベルがターゲットパワーレベルよりも高い場合には受信機利得を減じることができる。端末Aは、上述したように、その信号タイプの受信パワーレベルを測定することができ、次のフレームでの受信機利得設定を決定するために、測定受信パワーレベルを使用することができる。端末Aは、現在のフレームでの最終受信機利得を記録することもでき、この受信機利得を、次のフレームでの受信機利得設定として使用することができる。
【0040】
別の態様において、端末Aは、ピア発見フレーム中の各スロットでの受信機利得設定を、そのスロットで送信することが予期されるピア端末の受信パワーレベルに基づいて、決定することができる。各端末は、他の端末からのピア発見信号との衝突を減少またはランダム化するために、異なるピア発見フレーム中の異なるリソースブロックで、そのピア発見信号を送信することができる。各端末は、既知のフレームタイミング、ホッピング関数、およびホッピング関数の1つ以上のパラメータ値に基づいて、異なるリソースブロックを選択することができる。すべての端末は、(アプリオリ(a priori)に既知であることができるか、端末にシグナリングされることができる)ホッピング関数だけでなく、(基地局110またはある他の共通タイムソースから得ることができる)フレームタイミングの知識を有することができる。端末Aは、所与のピア端末によって使用された(単数または複数の)パラメータ値を、そのピア端末からのピア発見信号を検出すると、決定可能であることができる。そして、端末Aは、各発見されたピア端末によって使用されるリソースブロックを、既知のフレームタイミング、ホッピング関数、および、そのピア端末の(単数または複数の)パラメータ値に基づいて決定可能であることができる。
【0041】
1つの設計において、各端末は、以下のように、各ピア発見フレーム中のリソースブロックを選択することができる。
【数4】
【0042】
ここで、m0は、第1のピア発見フレームt=0のために選択された初期サブキャリアセットであり、
n0は、第1のピア発見フレームのために選択された初期スロットであり、
Δmは、1つのフレームから次のフレームでのサブキャリアのオフセットまたはサブキャリアセットの変化であり、
Δnは、1つのフレームから次のフレームでのスロットのオフセットまたはスロットの変化であり、
fm(x)およびfn(x)は、xで表された1つ以上のパラメータの関数であり、
mtは、フレームtにおいてピア発見信号のために使用されたサブキャリアセットであり、
ntは、フレームtにおいてピア発見信号のために使用されたスロットであり、
「mod」は、モジュロ演算を表す。
【0043】
式(3a)および(3b)での加算およびモジュロ演算は、それぞれ、サイズMおよびNのガロアフィールド(Garois fields)で行なわれることができる。式(3a)および(3b)での「+1」は、図3に示したように、0ではなく1から始まるインデックスの使用によるものである。
【0044】
リソースユニット(mt,nt)は、ピア発見フレームtにおいて、ピア発見信号のために使用されることができる。端末は、さまざまな方法で、第1のピア発見フレームt=0の初期サブキャリアセットm0および初期スロットn0を選択することができる。1つの設計において、端末は、初期リソースブロック(m0,n0)を擬似ランダムに選択することができる。別の設計において、端末は、1つ以上のピア発見フレーム中の各リソースブロックの受信パワーを測定することができ、初期リソースブロック(m0,n0)として、最も低い受信パワーのリソースブロックを選択することができる。任意のケースにおいて、インデックスm0およびn0は、式のセット(3)によって定義されたホッピング関数のためのパラメータ値と考えられることができる。
【0045】
式のセット(3)で示した設計において、各後続フレームで使用するためのサブキャリアセットmt+1は、先行するフレームで使用されたサブキャリアセットmtからのオフセットΔmによって計算されることができる。各後続フレームで使用するためのスロットnt+1は、先行するフレームで使用されたスロットntからのオフセットΔnによって計算されることができる。このように、選択されるサブキャリアセットは、フレームにわたって一定量Δmだけシフトし、選択されるスロットは、フレームにわたって一定量Δnだけシフトする。ΔmおよびMは、M個のすべてのサブキャリアセット1乃至MがM個の連続するフレームで選択されるように、互いに素であることができる。Δmは、周波数ホッピングできないようにするためにゼロに等しいこともできる。ΔnおよびNは、N個のすべての異なるスロット1乃至NがN個の連続するフレームで選択されるように、互いに素であることができる。
【0046】
1つの設計において、端末Aは、ピア端末からのピア発見信号の受信パワーレベルを測定することができる。そして、端末Aは、以下の例によって説明するように、測定受信パワーレベルに基づいて、各ピア発見フレーム中の各スロットでの適切な受信機利得設定を決定することができる。
【0047】
図6は、時間および周波数ホッピングを用いたピア発見信号の例示的な送信を示す。この例において、各ピア発見フレームは、3個のスロット1、2、3において3個のサブキャリアセット1、2、3によって形成された9個のリソースブロックを含む。9個の端末1乃至9が、各ピア発見フレーム中の9個のリソースブロックで、それらのピア発見信号を送信することができる。図6において、各リソースブロック(m,n)は、ピア発見信号のためにそのリソースブロックを使用する端末を表すラベルkを有し、ここで、m∈{1,2,3}、n∈{1,2,3}、およびk∈{1,...,9}である。たとえば、端末5は、ピア発見フレームtにおけるリソースブロック{2,2}と、ピア発見フレームt+1におけるリソースブロック(3,1)と、ピア発見フレームt+2におけるリソースブロック(1,3)とを使用する。
【0048】
端末Aは、ピア発見フレームtにおける端末1乃至9からのピア発見信号の受信パワーレベルを測定することができる。端末Aは、ピア発見フレームt+1における各ピア端末による使用リソースブロックを、既知のホッピング関数、既知のフレームタイミング、および、1つ以上の以前のピア発見フレームでそのピア端末によって使用された(単数または複数の)リソースブロックに基づいて、把握可能であることができる。そして、端末Aは、以下のように、端末1乃至9について測定受信パワーレベルに基づいて、ピア発見フレームt+1における各スロットでの予測受信パワーレベルを計算することができる。
【数5】
【0049】
ここで、PRX,k(t)は、ピア発見フレームtにおけるピア端末kからのピア発見信号の測定受信パワーレベルであり、
PPRE,n(t+1)は、ピア発見フレームt+1におけるスロットnでの予測受信パワーレベルである。
【0050】
式のセット(4)で示した設計において、端末Aは、各ピア端末が、次のピア発見フレームt+1において、以前のピア発見フレームtと同一のパワーレベルで受信されるであろうと想定することができる。そして、ピア発見フレームt+1における各スロットでの予測受信パワーレベルは、そのスロットで受信されることが予期されるすべてのピア端末のピア発見信号の受信パワーレベルの合計として計算されることができる。
【0051】
別の設計において、端末Aは、各ピア発見フレームでの各ピア端末kの受信パワーレベルを測定することができ、ピア端末kのフィルタリングされた受信パワーレベルを得るために、異なるピア発見フレームにわたる測定受信パワーレベルを平均することができる。そして、端末Aは、各スロットでの予測受信パワーレベルを、そのスロットで受信されることが予期されるピア端末のフィルタリングされた受信パワーレベルに基づいて、計算することができる。
【0052】
概して、端末Aは、以下のように、各スロットでの予測受信パワーレベルを計算することができる。
【数6】
【0053】
ここで、Sn(t+1)は、ピア発見フレームt+1のスロットnで受信されることが予期される端末のセットである。
【0054】
端末Aは、以下のように、ピア発見フレームt+1における各スロットでの受信機利得設定を決定することができる。
【数7】
【0055】
ここで、PPDS_targetは、ピア発見信号のターゲットパワーレベルであり、
gPDS,n(t+1)は、ピア発見フレームt+1におけるスロットnでのピア発見信号の受信機利得設定である。
【0056】
端末Aは、ピア発見フレームt+1における各スロットのための1つの受信機利得設定を得ることができる。各スロットのための受信機利得設定は、たとえば、式(5)で示したように、そのスロットで受信されることが予期されるピア端末の受信パワーレベルによることができる。各スロットでの受信機利得設定は、そのスロットでの合計受信パワーレベルが、受信機利得によるスケーリング後に、ターゲットパワーレベルに、またはそれに近づくようにすることができる。受信機利得設定は、初期受信機利得であることができ、端末AのADCのための所望の入力信号レベルを得るために実際の受信パワーレベルに基づいて調整されることができる。
【0057】
端末Aは、ピア発見フレームt+1におけるN個のスロットのためのN個の受信機利得設定を得ることができる。これらの受信機利得設定は、同様であることも広い範囲で異なることもできる。端末Aは、各スロットのための受信機利得設定を、そのスロットでピア発見信号を受信するために、使用することができる。向上した検出性能が、各スロットでのADCクリッピングを回避しながら所望のADC入力信号レベルを提供できる受信機利得設定を使用することにより、得られることができる。
【0058】
端末Aは、各ピア発見フレームの受信機利得設定を更新することができる。端末Aは、ピア発見フレームt+1における各スロットで受信されたピア発見信号の受信パワーレベルを測定することができる。図6に示した例で、端末Aは、以下のように、後続のピア発見フレームt+2における各スロットの受信機利得設定を決定することができる。
【数8】
【0059】
概して、端末Aは、1つ以上のピア発見フレームでのピア端末からのピア発見信号の受信パワーレベルを測定することができる。端末Aは、既知のホッピング関数、既知のフレームタイミング、および、そのピア端末からピア発見信号が検出された1つ以上のリソースブロックに基づいて、未来においてピア発見信号を送るためのスループット(throughput)に関し各ピア端端末Aは、既知のホッピング関数、既知のフレームタイミング、および、そのピア端末からピア発見信号が検出された1つ以上のリソースブロックに基づいて、未来においてピア発見信号を送るためのスループット(throughput)のために各ピア端末によって使用されるリソースブロックを把握することができる。末によって使用されるリソースブロックを把握することができる。端末Aは、未来のピア発見フレームにおける各スロットでの予測受信パワーレベルを、そのスロットで受信されることが予期されるすべてのピア端末の測定受信パワーレベルに基づいて、決定することができる。そして、端末Aは、未来のピア発見フレームにおける各スロットでの受信機利得設定を、そのスロットでの予測受信パワーレベルおよびターゲットパワーレベルに基づいて、計算することができる。
【0060】
図7は、無線通信ネットワーク、たとえば、ピアツーピアネットワークにおいて異なるタイプの信号を受信するためのプロセス700の設計を示す。プロセス700は、(以下に説明されるように)端末、またはある他のエンティティによって、行なわれることができる。端末は、第1の信号タイプのための第1の受信機利得設定を決定することができる(ブロック712)。端末は、第1の時間間隔で第1の信号タイプの信号を受信するために第1の受信機利得設定を使用することができる(ブロック714)。端末は、第2の信号タイプのための第2の受信機利得設定を決定することができる(ブロック716)。端末は、第2の時間間隔で第2の信号タイプの信号を受信するために第2の受信機利得設定を使用することができる(ブロック718)。第1および第2の時間間隔は、(たとえば、図3および図5に示したように)異なるタイプのフレーム、または、いくつかの他の時間ユニットに対応することができる。
【0061】
1つの設計において、第1の信号タイプの信号は、ピア発見信号を含むことができ、第2の信号タイプの信号は、ページング信号を含むことができる。ブロック712の1つの設計において、端末は、少なくとも1つの以前の時間間隔における第1の信号タイプの信号の受信パワーレベルを測定することができる。そして、端末は、第1の信号タイプの信号の測定受信パワーレベルおよびターゲットパワーレベルに基づいて、第1の受信機利得設定を決定することができる。ブロック716の1つの設計において、端末は、複数の受信機利得設定を含む所定のパターンに基づいて、第2の信号タイプのための異なる時間間隔での異なる受信機利得設定を選択することができる。端末は、他の方法で第1および第2の受信機利得設定を決定することもできる。端末は、その時間間隔中に各信号タイプのためにAGCを行なうこともできる。たとえば、端末は、第1の時間間隔中の第1の信号タイプの信号についての合計受信パワーを測定することができ、合計受信パワーに基づいて、第1の時間間隔中の受信機利得を調整することができる。端末は、ピア端末を発見するために第1の時間間隔において第1の信号タイプの信号を検出することができる。端末は、第2の時間間隔において、以前に発見された端末からの第2の信号タイプの信号を検出することができる。
【0062】
端末は、現在の時間と第1の信号タイプの第1の周期的なパターンに基づいて、第1の信号タイプのための第1の時間間隔を決定することができる。端末は、現在の時間と第2の信号タイプの第2の周期的なパターンに基づいて、第2の信号タイプのための第2の時間間隔を決定することができる。端末は、たとえば、図3に示したようなネットワークによって使用される送信またはフレームストラクチャに基づいて、第1および第2の時間間隔を決定することもできる。
【0063】
第1および第2の信号タイプは、他のタイプの信号用であることもできる。端末は、1つ以上の追加の信号タイプのための1つ以上の追加の受信機利得設定を決定することもできる。端末は、別の時間間隔において、対応する信号タイプの信号を受信するために、各々の追加の受信機利得設定を使用することができる。たとえば、端末は、同報信号のための第3の受信機利得設定を決定することができ、第3の時間間隔で基地局からの同報信号を受信するために第3の受信機利得設定を使用することができる。端末は、同報信号からタイミング情報を得ることができ、タイミング情報に基づいて第1および第2の信号タイプのために第1および第2の時間間隔を決定することができる。
【0064】
図8は、異なるタイプの信号を受信するための装置800の設計を示す。装置800は、第1の信号タイプのための第1の受信機利得設定を決定するためのモジュール812と、第1の時間間隔で第1の信号タイプの信号を受信するために第1の受信機利得設定を使用するためのモジュール814と、第2の信号タイプのための第2の受信機利得設定を決定するためのモジュール816と、第2の時間間隔で第2の信号タイプの信号を受信するために第2の受信機利得設定を使用するためのモジュール818とを含む。
【0065】
図9は、無線通信ネットワーク、たとえば、ピアツーピアネットワークにおいて信号を受信するためのプロセス900の設計を示す。プロセス900は、(以下に説明するように)端末またはある他のエンティティによって行なわれることができる。端末は、少なくとも1つの以前の時間間隔における端末のセットの受信パワーレベルを測定することができる(ブロック912)。各時間間隔は、上述したスロットまたはある他の時間ユニットに対応することができる。端末は、たとえば、式(5)で示したように、端末のセットの測定受信パワーレベルに基づいて、未来の時間間隔における端末のセットの予測受信パワーレベルを決定することができる(ブロック914)。端末は、たとえば、式(6)で示したように、予測受信パワーレベルおよびターゲットパワーレベルに基づいて、未来の時間間隔での受信機利得設定を決定することができる(ブロック916)。端末は、未来の時間間隔において端末のセットから信号(たとえば、ピア発見信号)を受信するために、受信機利得設定を使用することができる(ブロック918)。
【0066】
1つの設計において、端末は、少なくとも1つのフレームで複数の端末からの信号を受信することができ、各フレームは、複数の時間間隔またはスロットを含む。各端末は、異なるフレーム中の異なる時間間隔で送信することができ、ホッピング関数に基づいて異なる時間間隔を選択することができる。ホッピング関数は、信号発生の周期的なパターンを定義することができる。別の設計において、端末は、少なくとも1つのフレームで複数の端末からの信号を受信することができ、各フレームは、複数の時間間隔またはスロットにおいて複数のサブキャリアセットによって形成された複数のリソースブロックを含む。各端末は、異なるフレーム中の異なるリソースブロックで送信することができ、ホッピング関数に基づいて異なるリソースブロックを選択することができる。両方の設計で、端末は、複数の端末から受信された信号の受信パワーレベルを測定することができる。端末は、ホッピング関数および現在の時間の情報に基づいて、複数の端末の中から端末のセットを決定することができる。端末は、未来の時間間隔において、その端末のセットから信号を受信することを予期することができる。
【0067】
たとえば、端末のセットは、図6に示した例における端末3、4、および8を含むことができる。端末は、フレームtのスロット1、2、3に対応する以前の時間間隔での端末3、4、8の受信パワーレベルを測定することができる。端末は、これらの端末の測定受信パワーレベルに基づいて、フレームt+1のスロット2に対応する未来の時間間隔での端末3、4、8の予測受信パワーレベルを決定することができる。そして、端末は、予測受信パワーレベルおよびターゲットパワーレベルに基づいて未来の時間間隔での受信機利得設定を決定することができる。
【0068】
1つの設計において、端末は、セット内の各端末の直近の測定受信パワーレベルに基づいて、端末のセットの予測受信パワーレベルを決定することができる。別の設計において、端末は、複数の時間間隔にわたる各端末の測定受信パワーレベルをフィルタリングして、その端末のフィルタリングされた受信パワーレベルを得ることができる。そして、端末は、フィルタリングされた受信パワーレベルに基づいて、端末のセットの予測受信パワーレベルを決定することができる。
【0069】
ブロック918の1つの設計において、端末は、受信機利得設定に基づいて(たとえば、それに等しく)受信機利得を設定することができる。端末は、その受信機利得にしたがって受信信号をスケーリング(たとえば、増幅または減衰)し、スケーリングされた信号を得ることができる。1つの設計において、端末は、AGCを行なうことができ、所定の範囲内にスケーリングされた信号を維持するように受信機利得を調整することができる。別の設計において、端末は、AGCを行なわず、すべての未来の時間間隔のためにその受信機利得設定を使用する。1つの設計において、端末は、未来の時間間隔中にAGCを行なうことができる。たとえば、端末は、未来の時間間隔中に端末のセットの合計受信パワーを測定することができ、合計受信パワーに基づいて、未来の時間間隔中の受信機利得を調整することができる。
【0070】
図10は、信号を受信するための装置1000の設計を示す。装置1000は、少なくとも1つの以前の時間間隔における端末のセットの受信パワーレベルを測定するためのモジュール1012と、端末のセットの測定受信パワーレベルに基づいて未来の時間間隔における端末のセットの予測受信パワーレベルを決定するためのモジュール1014と、予測受信パワーレベルおよびターゲットパワーレベルに基づいて未来の時間間隔での受信機利得設定を決定するためのモジュール1016と、未来の時間間隔において端末のセットから信号(たとえば、ピア発見信号)を受信するために受信機利得設定を使用するためのモジュール1018とを含む。
【0071】
図8および図10のモジュールは、プロセッサ、電子デバイス、ハードウェアデバイス、電子コンポーネント、論理回路、メモリ、ソフトウェアコード、ファームウェアコード、等、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0072】
図11は、端末120aおよび120bの設計のブロック図を示し、それらは、図1の無線ネットワーク100の2つの端末である。この設計において、端末120aは、U個のアンテナ1134a乃至1134uを装備し、端末120bは、V個のアンテナ1152a乃至1152vを装備し、概してU≧1かつV≧1である。
【0073】
端末120aで、送信プロセッサ1120は、データソース1112からデータを、制御装置/プロセッサ1140から制御情報を、受け取ることができる。制御情報は、ピア発見信号で送るための情報、ページング信号で送るための情報、等を含むことができる。送信プロセッサ1120は、データおよび制御情報を処理(たとえば、符号化、インターリーブ、および変調)することができ、それぞれデータシンボルおよび制御シンボルを供給することができる。送信(TX)多入力多出力(MIMO)プロセッサ1130は、該当する場合、データシンボル、制御シンボル、および/またはパイロットシンボルの空間処理(たとえば、プリコーディング)を行なうことができ、U個の変調器(MOD)1132a乃至1132uにU個の出力シンボルストリームを供給することができる。各変調器1132は、出力サンプルストリームを得るために、(たとえば、OFDM、SC−FDM、等の)各出力シンボルストリームを処理することができる。各変調器1132は、無線周波(RF)信号を得るために、出力サンプルストリームをさらに処理(たとえば、アナログ変換、増幅、フィルタリング、およびアップコンバート)することができる。変調器1132a乃至1132uからのU個のRF信号は、それぞれ、U個のアンテナ1134a乃至1134uを介して送信されることができる。
【0074】
端末120bで、アンテナ1152a乃至1152vは、端末120aからのRF信号を受信することができ、復調器(DEMOD)1154a乃至1154vにそれぞれ受信信号を供給することができる。各復調器1154は、受信サンプルを得るために、各受信信号を調整(たとえば、フィルタリング、増幅、ダウンコンバート、およびデジタル化)することができる。各復調器1154は、受信シンボルを得るために、(たとえば、OFDM、SC−FDM、等の)受信サンプルをさらに処理することができる。MIMO検出器1156は、すべてのV個の復調器1154a乃至1154vからの受信シンボルを得ることができ、該当する場合、受信シンボルのMIMO検出を行なうことができ、検出シンボルを供給することができる。受信プロセッサ1158は、検出シンボルを処理(たとえば、復調、デインターリーブ、および復号)することができ、データシンク1160に復号データを供給することができ、制御装置/プロセッサ1180に復号された制御情報を提供することができる。
【0075】
端末120bで、データソース1162からのデータおよび制御装置/プロセッサ1180からの制御情報は、送信プロセッサ1164によって処理されることができ、該当する場合、TX MIMOプロセッサ1166によってプリコーディングされることができ、変調器1154によってさらに処理されることができ、アンテナ1152を介して送信されることができる。端末120aで、端末120bからのRF信号は、アンテナ1134によって受信されることができ、復調器1132によって処理されることができ、該当する場合、MIMO検出器1136によって検出されることができ、受信プロセッサ1138によってさらに処理されることができ、端末120bによって送信された復号データおよび制御情報を得ることができる。
【0076】
各端末120は、たとえば、端末120aの送信プロセッサ1120、TX MIMOプロセッサ1130、および変調器1132を使用して、ピア発見信号、ページング信号、および/または他の信号を生成および送信することができる。各端末120は、たとえば、端末120bの復調器1154、MIMO検出器1156、および受信プロセッサ1158を使用して、他の端末からのピア発見信号、ページング信号、および/または他の信号を受信することもできる。各端末120は、タイミングおよび/または同報情報、等を得るために、通信用の基地局および/または他の送信機局からの信号を受信および処理することもできる。各端末120は、上述したように、異なるタイプの信号に使用するための受信機利得設定を決定することができる。
【0077】
制御装置/プロセッサ1140および1180は、それぞれ、端末120aおよび120bでの動作を指示することができる。各端末のプロセッサおよび/またはモジュールは、図7のプロセス700、図9のプロセス900、および/または、ここに説明された技法のための他のプロセスを実行または指示することができる。メモリ1142および1182は、それぞれ、端末120aおよび120bのためのデータおよびプログラムコードを記憶することができる。
【0078】
当業者は、情報および信号が任意のさまざまな異なる技術および技法を使用して表され得るということを理解するであろう。たとえば、上記の説明を通して言及されうるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光場または光粒子、またはそれらの任意の組み合わせによって表されることができる。
【0079】
当業者は、ここでの開示に関連して説明された、さまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムのステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両者の組み合わせとして実現されうるということを、さらに理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとの、この相互互換性をわかりやすく示すために、さまざまな例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、概してそれらの機能の点で、上述されている。そのような機能がハードウェアまたはソフトウェアとして実現されるかどうかは、システム全体に課された特定の用途および設計の制約による。当業者は、特定の用途ごとに異なる方法で、説明された機能を実現することができるが、そのような実現の決定は、本開示の範囲から逸脱を生じるものと解釈されるべきではない。
【0080】
ここでの開示に関連して説明された、さまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートまたはトランジスタ論理、離散ハードウェアコンポーネント、またはここに説明された機能を実行するように設計された、それらの任意の組合せを用いて、実現または実行されることができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであることができるが、あるいは、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、制御装置、マイクロ制御装置、またはステートマシンであることができる。プロセッサは、コンピュータデバイスの組み合わせ、例えば、DSPと、1つのマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコア併用型の1つ以上のマイクロプロセッサとの組み合わせ、または任意の他のそのような構成として実現されることもできる。
【0081】
ここでの開示に関連して説明された方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、または、両者の組み合わせにおいて、具現化されることができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当該技術で周知の任意の他の形態の記憶媒体の中に存在することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。あるいは、記憶媒体は、プロセッサに組み込まれることができる。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICの中に存在することができる。ASICは、ユーザー端末の中に存在することができる。あるいは、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザー端末の中の離散コンポーネントとして存在することができる。
【0082】
1つ以上の例示的な設計において、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせにおいて実現されることができる。ソフトウェアにおいて実現される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令またはコードとして、記憶または伝送されることができる。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体およびコンピュータ記憶媒体の両方を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセス可能な任意の入手可能な媒体であることができる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、または、汎用または専用コンピュータ、または、汎用または専用プロセッサによってアクセスされることができ、かつ、命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を搬送または記憶するために使用されることができる、任意の他の媒体を含むことができる。また、任意の接続も、厳密にはコンピュータ可読媒体と呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または、赤外線、無線、およびマイクロ波といった無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバー、または他のリモートソースから伝送される場合には、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波といった無線技術が、媒体の定義に含まれる。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、ここに使用される場合、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザー(登録商標)ディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生するが、ディスク(disc)は、レーザーによって光学的にデータを再生する。上記したものの組み合わせも、また、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0083】
本開示の先の説明は、本開示を製造または使用することを当業者に可能にさせるように提供されている。本開示へのさまざまな変更が、当業者には容易に明らかになるであろうし、ここに定義された一般的な原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく他の変形例に適用されることができる。したがって、本開示は、ここに説明された例および設計に限定されるものではなく、ここに開示された原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して通信に関し、より詳細には、無線通信ネットワークにおいて端末で自動利得制御(AGC:automatic gain control)を行なうための技法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信ネットワークは、音声、映像、パケットデータ、メッセージング、同報通信、等といったさまざまな通信サービスを提供するために広く展開されている。これらの無線ネットワークは、利用可能なネットワークリソースを共有することにより、複数のユーザーのための通信をサポート可能であることができる。そのような無線ネットワークの例は、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、および無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を含む。
【0003】
無線通信ネットワークにおいて、端末は、基地局および/または他の端末であることができる送信機からの信号を受信することができる。送信機は、同一または異なるパワーレベルで、それらの信号を送信することができる。さらに、送信機は、端末に対し異なる距離に位置することができ、したがって、端末に対し異なるパスロスを有することができる。端末は、異なる受信パワーレベルで、異なる送信機からの信号を受信することができる。端末は、AGCを行なうことができ、その受信機の利得を調整することができるので、(i)強い信号は、端末のアナログデジタルコンバータ(ADC)のクリッピングを回避するために減衰させられ、(ii)弱い信号は、全ADCレンジを占有するために、増幅される。適切な受信機利得を使用することによって、ADCのクリッピングおよびADCのクリッピングによる劣化(degradation)の両方が、回避されることができる。したがって、端末で効率よくAGCを行なうことが所望される。
【発明の概要】
【0004】
無線通信ネットワーク(たとえば、ピアツーピアネットワーク)において端末でAGCを行なうための技法が、ここに説明される。ある態様において、端末は、異なる時間間隔またはフレームにおいて、異なるタイプの信号を受信するために、異なる受信機利得設定を使用することができる。受信機利得設定は、端末によって使用される初期受信機利得であり、端末は、所望の信号レベルを得るためにこの初期受信機利得を変えることができる。1つの設計において、端末は、第1の信号タイプ、たとえば、ピア発見信号(peer discovery signals)に対し、第1の受信機利得設定を決定することができる。端末は、第1の時間間隔、たとえば、ピア発見フレームにおいて、第1の信号タイプの信号を受信するために、第1の受信機利得設定を使用することができる。端末は、第2の信号タイプ、たとえば、ページング信号(paging signal)に対し、第2の受信機利得設定を決定することができる。端末は、第2の時間間隔、たとえば、ページングフレームにおいて、第2の信号タイプの信号を受信するために、第2の受信機利得設定を使用することができる。端末は、以下に説明されるように、第1および第2の信号タイプの特性に基づいて、第1および第2の受信機利得設定を決定することができる。
【0005】
別の態様において、端末は、ある未来の時間間隔での受信機利得設定を、その時間間隔で送信することが予期されるピア端末(peer terminal)の受信パワーレベルに基づいて、決定することができる。1つの設計において、端末は、少なくとも1つのフレームで複数の端末からの信号(たとえば、ピア発見信号)を受信することができる。各フレームは、複数の時間間隔における複数のリソースブロック(resource block)を有することができる。各端末は、異なるフレームの異なるリソースブロックで送信することができ、ホッピング関数(hopping function)またはパターンに基づいて、それら異なるリソースブロックを選択することができる。端末は、複数の端末から受信された信号の受信パワーレベルを測定することができる。端末は、ホッピング関数および現在の時間の情報に基づいて、複数の端末の中から、未来の時間間隔で送信することが予期される端末のセットを決定することができる。端末は、その端末のセットの測定受信パワーレベルに基づいて、未来の時間間隔でのその端末のセットの予測受信パワーレベルを決定することができる。端末は、予測受信パワーレベルとターゲットパワーレベルとに基づいて、未来の時間間隔での受信機利得設定を決定することができる。端末は、未来の時間間隔で端末のセットからの信号を受信するために、その受信機利得設定を使用することができる。
【0006】
開示のさまざまな態様および特徴が、以下にさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】無線通信ネットワークを示す図である。
【図2】ピアツーピア通信のための例示的なメッセージフローを示す図である。
【図3】例示的な送信ストラクチャを示す図である。
【図4】複数の送信機から端末への送信を示す図である。
【図5】異なるタイプの信号についての信号の受信を示す図である。
【図6】時間ホッピングを用いたピア発見信号の送信を示す図である。
【図7】異なるタイプの信号を受信するためのプロセスを示す図である。
【図8】異なるタイプの信号を受信するための装置を示す図である。
【図9】ピア発見信号を受信するためのプロセスを示す図である。
【図10】ピア発見信号を受信するための装置を示す図である。
【図11】2つの端末のブロック図である。
【詳細な説明】
【0008】
ここに説明される技法は、WWAN、WMAN、WLAN、等といったさまざまな無線通信ネットワークのために使用されることができる。「ネットワーク」および「システム」という用語は、しばしば互換的に使用される。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交FDMA(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリアFDMA(SC−FDMA)ネットワーク、等であることができる。CDMAネットワークは、ユニバーサル地上無線アクセス(UTRA)、cdma2000、等といった無線技術を実現することができる。TDMAネットワークは、移動体通信のための世界システム(GSM(登録商標))のような無線技術を実現することができる。OFDMAネットワークは、進化型UTRA(E−UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、Flash-OFDM(登録商標)、等といった無線技術を実現することができる。ロングタームエボリューション(LTE)は、E−UTRAを使用する「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)の近く公開されるリリースであり、それは、ダウンリンクにOFDMAを、アップリンクにSC−FDMAを用いる。WLANは、(Wi−Fiとも呼ばれる)IEEE802.11ファミリーの規格の中の1つ以上の規格、Hiperlan、等を実現することができる。WMANは、(WiMAXとも呼ばれる)IEEE802.16ファミリーの規格の中の1つ以上の規格を実現することができる。ここに説明される技法は、上述された無線ネットワークおよび無線技術だけでなく、他の無線ネットワークおよび無線技術のために使用されることができる。
【0009】
図1は、無線通信ネットワーク100を示し、それは、多数の基地局および多数の端末を含むことができる。簡潔にするために、1つの基地局110と4つの端末120a、120b、120c、および120dのみが図1に示されている。基地局は、端末と通信する固定局であることができ、アクセスポイント、ノードB、改良されたノードB(eNB)、等と呼ばれることもできる。端末120は、ネットワーク中に分散されることができ、各端末は、固定または可動であることができる。端末は、アクセス端末、移動局、ユーザー機器(UE)、加入者ユニット、局、等と呼ばれることもできる。端末は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、無線モデム、無線通信デバイス、ハンドへルドデバイス、ラップトップコンピュータ、コードレス電話、無線ローカルループ(WLL)局、等であることができる。端末は、基地局と通信することができ、すなわち、基地局から情報(たとえば、タイミング情報)を受信することができる。あるいは、または、さらに、端末は、他の端末とピアツーピアで通信することができる。
【0010】
図2は、無線ネットワーク100における2つの端末AおよびB間のピアツーピア通信のために使用されることができるメッセージフロー200の設計を示す。はじめに(たとえば、電源投入時)、端末AとBは、各々、基地局110からの同報情報を受信することができる(ステップ1)。各端末は、同報情報から、タイミング情報を、ことによると他の情報も得ることができる。端末Aは、近傍の他の端末に端末Aを検出させるために、ピア発見信号を周期的に同報することができる(ステップ2)。同様にして、端末Bは、近傍の他の端末に端末Bを検出させるために、ピア発見信号を周期的に同報することができる(ステップ3)。端末AとBは、ピア発見信号によって、互いの存在を検出することができる。その後、端末AとBは、送るためのデータがあればいつでも、互いをページングすることができる(ステップ4)。その次に、接続が確立されると、端末AとBは、その接続によって、シグナリングおよびトラヒックデータをやり取りすることができる(ステップ5)。
【0011】
図2は、ピアツーピア通信のために使用されることができる例示的なメッセージフローを示す。一般的に、ピアツーピア通信のためのメッセージフローは、任意の数のメッセージおよび任意のタイプのメッセージを含むことができる。
【0012】
図3は、無線ネットワーク100のために使用されることができる送信ストラクチャ300の設計を示す。送信の時系列は、スーパーフレーム(super frame)単位に分割されることができる。各スーパーフレームは、固定または可変の持続時間をカバーすることができ、多数のフレームに分割されることができる。図3に示された設計において、異なるタイプの信号または情報が、異なるフレームで送られることができる。あるフレームは、基地局からの信号を受信するために使用されることができ、オーバーヘッドフレーム(overhead frame)と呼ばれることができる。あるフレームは、ピア発見信号を送るために使用されることができ、ピア発見フレームと呼ばれることができる。あるフレームは、ページング信号を送るために使用されることができ、ページングフレームと呼ばれることができる。多くの、または、ほとんどのフレームが、データを送るために使用されることができ、データフレームと呼ばれることができる。他のタイプのフレームが定義されることもできる。異なるタイプのフレームは、同一のまたは異なる持続時間を有することができる。
【0013】
概して、各タイプのフレームは、任意の適切な持続時間だけ離間されることができる。オーバーヘッドフレーム間の間隔は、基地局によって使用される無線技術に拠ることができ、UMBでは25ミリセカンド(ms)、または、他の無線技術ではある他の持続時間であることができる。ピア発見フレーム間の間隔およびページングフレーム間の間隔は、各々、任意の適切な持続時間であることができる。オーバーヘッドフレーム、ピア発見フレーム、およびページングフレームは、同一のまたは異なる周期性を有することができる。各スーパーフレームは、オーバーヘッドフレームを含むことも含まないこともでき、ピア発見フレームを含むことも含まないこともでき、ページングフレームを含むことも含まないこともできる。
【0014】
図3は、また、ピア発見フレームの設計を示す。この設計において、ピア発見フレームは、1乃至Nのインデックスを付したN個のスロットに分割され、ここでNは、任意の整数値であることができる。各スロットは、S個のシンボル期間を含み、ここでSは任意の整数値であることができる。システム帯域幅は、直交周波数分割多重(OFDM)またはシングルキャリア周波数分割多重(SC−FDM)によって、複数(K個)のサブキャリアに分割されることができる。1乃至Mのインデックスを付したM個のサブキャリアセットが定義されることができ、ここでM≦Kである。各サブキャリアセットは、1つ以上のサブキャリアを含むことができる。リソースブロックは、ピア発見フレームにおける利用可能なスロットおよびサブキャリアセットに基づいて定義されることができる。図3に示した設計において、1つのリソースブロックは、1つのスロットにおける1つのサブキャリアセットをカバーしている。ピア発見フレーム内の各リソースブロックは、インデックス(m,n)によって一意的に識別されることができ、それは、サブキャリアセットのインデックスmとスロットのインデックスnとで構成されている。リソースブロックは、そのピア発見信号を送るために1つの端末によって使用されることができる。複数の端末が同一のリソースブロックでそれらのピア発見信号を送ると、衝突が起こる。
【0015】
所与の端末Aは、1つ以上の送信機からの信号を受信することができる。端末Aは、端末AのADCのための所望の入力信号レベルを得るために、AGCを行なうことができる。
【0016】
図4は、K個の送信機1乃至Kから端末Aへの送信を示し、Kは、1以上であることができる。各送信機は、無線チャネルを介して特定の送信パワーレベルで信号を送信することができる。端末Aは、各送信機からの信号を、その信号の送信パワーレベルと、その送信機から端末Aへのパスロスとによって決定された受信パワーレベルで、受信することができる。端末Aは、K個のすべての送信機からの信号を含み、PRXの受信パワーレベルを有する、受信信号を得ることができる。端末Aは、受信機利得gによって受信信号をスケーリング(scale)(たとえば、増幅または減衰)することができ、入力パワーレベルPINを有するADC入力信号を得ることができる。端末Aは、受信機利得が1より大きい場合に受信信号を増幅することができ、または、受信機利得が1より小さい場合に受信信号を減衰させることができる。
【0017】
端末Aは、ADC入力信号のターゲットパワーレベルを得るためにAGCを行なうことができる。AGCにより、端末Aは、(i)入力パワーレベルがターゲットパワーレベルよりも小さい場合に受信機利得を増加させることができ、(ii)入力パワーレベルがターゲットパワーレベルよりも大きい場合に受信機利得を減少させることができる。
【0018】
端末Aは、異なる送信機から異なるタイプの信号を受信することができる。各送信機は、基地局または別の端末であることができる。端末Aは、各タイプの信号を、その信号タイプのために使用されるフレームで受信することができる。
【0019】
図5は、端末Aによる信号の受信の設計を示す。端末Aは、TOH秒の間隔だけ離間されることができるオーバーヘッドフレームで、基地局からの同報信号を受信することができる。同報信号は、ビーコン信号、同期信号、パイロット信号、同報および制御チャネルを搬送するフォワードリンク信号、等であることができる。端末Aは、同報信号からタイミングおよび/または他の情報を得ることができる。
【0020】
端末Aは、TPDS秒の間隔だけ離間されることができるピア発見フレームで、他の端末からのピア発見信号を受信することができる。各端末は、異なるピア発見フレーム中の異なるリソースブロックで、そのピア発見信号を送信することができ、すべての端末に既知であることができるホッピング関数に基づいて、これらのリソースブロックを選択することができる。端末Aは、端末Aによってすでに発見されているピア端末によって使用されたリソースブロックを把握可能であることができ、これらのリソースブロックにおけるこれらの端末からのピア発見信号を検出することができる。端末Aは、そのピア発見信号を送信するために端末Aによって使用されていないスロットにおける、新たな端末からのピア発見信号を検出することもできる。
【0021】
端末Aは、TPS秒の間隔だけ離間されることができるページングフレームで、他の端末からのページング信号を受信することができる。端末Aは、端末Aがすでに発見している別の端末に、端末Aがその端末と通信することを望むときにはいつでも、ページング信号を送信することができる。同様にして、他の端末は、それらが端末Aと通信することを望むときにはいつでも、端末Aにページング信号を送信することができる。端末Aは、各ページングフレームにおいて他の端末からのページング信号を検出することができる。
【0022】
端末Aは、任意の量だけ離間されることができるデータフレームで、他の端末からのデータ信号を受信することができる。端末Aは、端末Aをページングした他の端末からのデータ信号を受信することができ、したがって、データ信号の送信者を知っていることができる。データ送信は、端末Aがデータ信号を受信すべきときがわかるように、スケジューリングされることもできる。
【0023】
図5に示したように、端末Aは、異なるフレームで異なるタイプの信号を受信することができる。端末Aは、送信ストラクチャに基づいて、各タイプの信号を予期すべきときを知ることができる。各信号タイプによって、端末Aは、端末Aが受信する可能性のある信号の、実際の、および/または、もっともらしい送信機を知ることもできる。端末Aは、受信性能を向上させるために、この知識に基づいてAGCを行なうことができる。
【0024】
ある態様において、端末Aは、異なるフレームで受信された異なるタイプの信号のために、異なる受信機利得設定を使用することができる。受信機利得設定は、受信機利得モード、AGC利得設定、AGCモード、等と呼ばれることもできる。各信号タイプのために、端末Aは、1つ以上の以前のフレームにおけるそのタイプの信号の受信パワーレベルを測定することができる。そして、端末Aは、(単数または複数の)以前のフレームにおける測定受信パワーレベルに基づいて、次のフレームでそのタイプの信号を受信するために使用する1つ以上の受信機利得設定を決定することができる。(単数または複数の)受信機利得設定が適切に選択されると、端末Aは、大量ではなく少量だけその受信機利得を調整する必要があるだけでよく、性能を向上させることができる。端末Aは、以下に説明するように、各信号タイプのための1つ以上の受信機利得設定を、そのタイプの信号の特性に基づいて決定することができる。
【0025】
同報信号について、端末Aは、端末Aが大幅に移動しない限り、各オーバーヘッドフレームで同一の基地局セットからの同報信号を受信することを予期することができる。端末Aは、各オーバーヘッドフレームでの同報信号の受信パワーレベルを測定することができる。1つの設計において、端末Aは、以下のように、直近のオーバーヘッドフレームの受信パワーレベルに基づいて、次のオーバーヘッドフレームのための受信機利得設定を決定することができる。
【数1】
【0026】
ここで、PBS_RX(t)は、オーバーヘッドフレームtでの同報信号の受信パワーレベルであり、
PBS_targetは、同報信号のターゲットパワーレベルであり、
gBS(t+t)は、オーバーヘッドフレームt+1での同報信号のための受信機利得設定である。
【0027】
パワーおよび利得は、式(1)および以下の説明のほとんどにおいて線形ユニットで与えられる。
【0028】
式(1)で示した設計において、受信機利得設定は、同報信号の受信パワーレベルが、受信機利得の適用後に同報信号のターゲットパワーレベルに近づくように、選択される。別の設計において、端末Aは、フィルタリングされた受信パワーレベル、
【数2】
【0029】
を得るために、各オーバーヘッドフレームでの受信パワーレベルを測定することができ、異なるオーバーヘッドフレームにわたる受信パワーレベルを平均することができる。平均することは、有限インパルス応答(FIR:finite impulse response)フィルタ、無限インパルス応答(IIR:infinite impulse response)フィルタ、等に基づくことができる。そして、端末は、直近のオーバーヘッドフレームでの(測定受信パワーレベルではなく)フィルタリングされた受信パワーレベルに基づいて、次のオーバーヘッドフレームのための受信機利得設定を決定することができる。
【0030】
概して、端末Aは、1つ以上の以前のオーバーヘッドフレームでの受信パワーレベルに基づいて、次のオーバーヘッドフレームのための受信機利得設定を決定することができる。端末Aがオーバーヘッドフレーム間に、移動しない、または少しだけ移動する場合、次のオーバーヘッドフレームでの受信パワーレベルは、(単数または複数の)以前のオーバーヘッドフレームでの受信パワーレベルに基づいて正確に予測されることができる。そして、端末Aは、予測受信パワーレベルに基づいて、次のオーバーヘッドフレームにとって適切な受信機利得設定を適用することができる。
【0031】
ピア発見信号について、端末Aは、どのピア端末が端末Aによって発見されているかの知識を有する。端末Aは、1つ以上の以前のピア発見フレームでの各ピア端末からのピア発見信号の受信パワーレベルを決定することができる。端末Aは、フレームタイミング(frame timing)の知識およびホッピング関数に基づいて、次のピア発見フレームにおける、ピア端末がそれらのピア発見信号を送信するであろうスロットを決定することができる。そして、端末Aは、次のピア発見フレームにおける各スロットでの受信パワーレベルを、(i)どのピア端末がそのスロットで送信しそうであるかの知識と、(ii)そのスロットで送信しそうな各ピア端末の受信パワーレベルとに基づいて、予測することができる。そして、端末Aは、以下に説明されるように、そのスロットでの予測受信パワーに基づいて、次のピア発見フレームにおける各スロットでの受信機利得設定を決定することができる。
【0032】
ページング信号について、端末Aは、どのピア端末が端末Aをページングする可能性があるかの知識を有するが、(たとえあったとしても)これらのピア端末のうちのどれが次のページングフレームで実際に端末Aをページングするかを知ることはできない。1つの設計において、端末Aは、最大受信機利得設定、最小受信機利得設定、またはある他の受信機利得設定であることができる、所定の受信機利得設定gPSを使用することができる。各ピア端末は、(i)端末Aによって使用される受信機利得設定と、(ii)そのピア端末から端末Aへのパスロスとを知ることができる。パスロスは、端末Aから受信されたピア発見信号に基づいて推定されることができる。各ピア端末は、以下のように、ページング信号用のその送信パワーを設定することができる。
【数3】
【0033】
ここで、PPS_targetは、ページング信号用のターゲットパワーレベルであり、
PLkは、ピア端末kから端末Aへのパスロスであり、
gPSは、ページング信号用に端末Aによって使用される受信機利得設定であり、
PPS_TX,kは、ピア端末kからのページング信号用の送信パワーレベルである。
【0034】
式(2)で示した設計において、送信パワーレベルは、ピア端末kからのページング信号の受信パワーレベルが、受信機利得gPSによるスケーリング後に、端末Aでのページング信号用のターゲットパワーレベルに近づくように、選択される。
【0035】
端末Aは、すべてのピア端末からのページング信号を受信するために、単一の受信機利得設定を使用することができる。端末Aが最大受信機利得設定を使用する場合、隣接端末は、端末AのADCをクリッピングすることを回避するために、非常に低いパワーレベルで送信する必要があり得る。隣接端末は、そのような低いパワーレベルで送信可能でないことがあり得る。逆に、端末Aが最小受信機利得設定を使用する場合、遠くの端末は、端末Aによって十分なパワーレベルで受信されるために、非常に高いパワーレベルで送信する必要があり得る。遠くの端末は、そのようなパワーレベルで送信可能でないことがあり得る。
【0036】
別の設計において、端末Aは、ピア端末からのページング信号を受信するために、異なるページングフレームで異なる受信機利得設定を使用することができる。異なるページングフレームでの受信機利得設定は、ピア端末によって既知であることができるパターンに基づいて選択されることができる。そのパターンは、複数の受信機利得設定を含むことができ、端末Aは、そのパターンを繰り返すことができ、各ページングフレームで異なる受信機利得設定を使用することができる。たとえば、そのパターンは、高い受信機利得設定、中間の受信機利得設定、低い受信機利得設定を含むことができる。端末Aは、ページングフレームtで高い受信機利得設定を、ページングフレームt+1で中間の受信機利得設定を、ページングフレームt+2で低い受信機利得設定を、ページングフレームt+3で高い受信機利得設定に戻って、使用することができる。ピア端末は、既知のパターンとその端末から端末Aへのパスロスとに基づいて、端末Aにページング信号を送るための適切なページングフレームを選択することができる。ピア端末は、式(2)に示したように、選択されたページングフレームでの受信機利得設定、パスロス、およびターゲットパワーレベルに基づいて、ページング信号の送信パワーレベルを決定することもできる。
【0037】
データ信号について、端末Aは、どのピア端末が次のデータフレームで端末Aにデータ信号を送信するかの知識を有することができる。そして、端末Aは、ピア端末からのデータ信号が、端末Aでのデータ信号のターゲットパワーレベルで、または、ほぼそれで、受信されるように、受信機利得設定を選択することができる。
【0038】
図5を参照すると、端末Aは、オーバーヘッドフレームtで受信機利得設定gBS(t)を、ピア発見フレームtで受信機利得gPDS,n(t)を、ページングフレームtで受信機利得設定gPS,n(t)を、データフレームtで受信機利得設定gDS,n(t)を使用することができる。簡潔にするために、同一のフレームインデックスtがすべての信号タイプのために使用されている。各信号タイプについて、フレームインデックスtは、その信号タイプのフレームが現れるたびに増加させられることができる。異なる信号タイプのフレームインデックスは、どれほど頻繁にこれらの信号タイプのフレームが現れるかによって、同一の割合または異なる割合で更新されることができる。異なる信号タイプのための受信機利得設定は、上述したように決定されることができる。
【0039】
各タイプの信号について、端末Aは、その信号タイプのフレームの開始時に、初期受信機利得としてその信号タイプのために決定された受信機利得設定を使用することができる。端末Aは、AGCを行なうことができ、(i)ADCでの入力パワーレベルがターゲットパワーレベルよりも低い場合には受信機利得を増加し、(ii)該入力パワーレベルがターゲットパワーレベルよりも高い場合には受信機利得を減じることができる。端末Aは、上述したように、その信号タイプの受信パワーレベルを測定することができ、次のフレームでの受信機利得設定を決定するために、測定受信パワーレベルを使用することができる。端末Aは、現在のフレームでの最終受信機利得を記録することもでき、この受信機利得を、次のフレームでの受信機利得設定として使用することができる。
【0040】
別の態様において、端末Aは、ピア発見フレーム中の各スロットでの受信機利得設定を、そのスロットで送信することが予期されるピア端末の受信パワーレベルに基づいて、決定することができる。各端末は、他の端末からのピア発見信号との衝突を減少またはランダム化するために、異なるピア発見フレーム中の異なるリソースブロックで、そのピア発見信号を送信することができる。各端末は、既知のフレームタイミング、ホッピング関数、およびホッピング関数の1つ以上のパラメータ値に基づいて、異なるリソースブロックを選択することができる。すべての端末は、(アプリオリ(a priori)に既知であることができるか、端末にシグナリングされることができる)ホッピング関数だけでなく、(基地局110またはある他の共通タイムソースから得ることができる)フレームタイミングの知識を有することができる。端末Aは、所与のピア端末によって使用された(単数または複数の)パラメータ値を、そのピア端末からのピア発見信号を検出すると、決定可能であることができる。そして、端末Aは、各発見されたピア端末によって使用されるリソースブロックを、既知のフレームタイミング、ホッピング関数、および、そのピア端末の(単数または複数の)パラメータ値に基づいて決定可能であることができる。
【0041】
1つの設計において、各端末は、以下のように、各ピア発見フレーム中のリソースブロックを選択することができる。
【数4】
【0042】
ここで、m0は、第1のピア発見フレームt=0のために選択された初期サブキャリアセットであり、
n0は、第1のピア発見フレームのために選択された初期スロットであり、
Δmは、1つのフレームから次のフレームでのサブキャリアのオフセットまたはサブキャリアセットの変化であり、
Δnは、1つのフレームから次のフレームでのスロットのオフセットまたはスロットの変化であり、
fm(x)およびfn(x)は、xで表された1つ以上のパラメータの関数であり、
mtは、フレームtにおいてピア発見信号のために使用されたサブキャリアセットであり、
ntは、フレームtにおいてピア発見信号のために使用されたスロットであり、
「mod」は、モジュロ演算を表す。
【0043】
式(3a)および(3b)での加算およびモジュロ演算は、それぞれ、サイズMおよびNのガロアフィールド(Garois fields)で行なわれることができる。式(3a)および(3b)での「+1」は、図3に示したように、0ではなく1から始まるインデックスの使用によるものである。
【0044】
リソースユニット(mt,nt)は、ピア発見フレームtにおいて、ピア発見信号のために使用されることができる。端末は、さまざまな方法で、第1のピア発見フレームt=0の初期サブキャリアセットm0および初期スロットn0を選択することができる。1つの設計において、端末は、初期リソースブロック(m0,n0)を擬似ランダムに選択することができる。別の設計において、端末は、1つ以上のピア発見フレーム中の各リソースブロックの受信パワーを測定することができ、初期リソースブロック(m0,n0)として、最も低い受信パワーのリソースブロックを選択することができる。任意のケースにおいて、インデックスm0およびn0は、式のセット(3)によって定義されたホッピング関数のためのパラメータ値と考えられることができる。
【0045】
式のセット(3)で示した設計において、各後続フレームで使用するためのサブキャリアセットmt+1は、先行するフレームで使用されたサブキャリアセットmtからのオフセットΔmによって計算されることができる。各後続フレームで使用するためのスロットnt+1は、先行するフレームで使用されたスロットntからのオフセットΔnによって計算されることができる。このように、選択されるサブキャリアセットは、フレームにわたって一定量Δmだけシフトし、選択されるスロットは、フレームにわたって一定量Δnだけシフトする。ΔmおよびMは、M個のすべてのサブキャリアセット1乃至MがM個の連続するフレームで選択されるように、互いに素であることができる。Δmは、周波数ホッピングできないようにするためにゼロに等しいこともできる。ΔnおよびNは、N個のすべての異なるスロット1乃至NがN個の連続するフレームで選択されるように、互いに素であることができる。
【0046】
1つの設計において、端末Aは、ピア端末からのピア発見信号の受信パワーレベルを測定することができる。そして、端末Aは、以下の例によって説明するように、測定受信パワーレベルに基づいて、各ピア発見フレーム中の各スロットでの適切な受信機利得設定を決定することができる。
【0047】
図6は、時間および周波数ホッピングを用いたピア発見信号の例示的な送信を示す。この例において、各ピア発見フレームは、3個のスロット1、2、3において3個のサブキャリアセット1、2、3によって形成された9個のリソースブロックを含む。9個の端末1乃至9が、各ピア発見フレーム中の9個のリソースブロックで、それらのピア発見信号を送信することができる。図6において、各リソースブロック(m,n)は、ピア発見信号のためにそのリソースブロックを使用する端末を表すラベルkを有し、ここで、m∈{1,2,3}、n∈{1,2,3}、およびk∈{1,...,9}である。たとえば、端末5は、ピア発見フレームtにおけるリソースブロック{2,2}と、ピア発見フレームt+1におけるリソースブロック(3,1)と、ピア発見フレームt+2におけるリソースブロック(1,3)とを使用する。
【0048】
端末Aは、ピア発見フレームtにおける端末1乃至9からのピア発見信号の受信パワーレベルを測定することができる。端末Aは、ピア発見フレームt+1における各ピア端末による使用リソースブロックを、既知のホッピング関数、既知のフレームタイミング、および、1つ以上の以前のピア発見フレームでそのピア端末によって使用された(単数または複数の)リソースブロックに基づいて、把握可能であることができる。そして、端末Aは、以下のように、端末1乃至9について測定受信パワーレベルに基づいて、ピア発見フレームt+1における各スロットでの予測受信パワーレベルを計算することができる。
【数5】
【0049】
ここで、PRX,k(t)は、ピア発見フレームtにおけるピア端末kからのピア発見信号の測定受信パワーレベルであり、
PPRE,n(t+1)は、ピア発見フレームt+1におけるスロットnでの予測受信パワーレベルである。
【0050】
式のセット(4)で示した設計において、端末Aは、各ピア端末が、次のピア発見フレームt+1において、以前のピア発見フレームtと同一のパワーレベルで受信されるであろうと想定することができる。そして、ピア発見フレームt+1における各スロットでの予測受信パワーレベルは、そのスロットで受信されることが予期されるすべてのピア端末のピア発見信号の受信パワーレベルの合計として計算されることができる。
【0051】
別の設計において、端末Aは、各ピア発見フレームでの各ピア端末kの受信パワーレベルを測定することができ、ピア端末kのフィルタリングされた受信パワーレベルを得るために、異なるピア発見フレームにわたる測定受信パワーレベルを平均することができる。そして、端末Aは、各スロットでの予測受信パワーレベルを、そのスロットで受信されることが予期されるピア端末のフィルタリングされた受信パワーレベルに基づいて、計算することができる。
【0052】
概して、端末Aは、以下のように、各スロットでの予測受信パワーレベルを計算することができる。
【数6】
【0053】
ここで、Sn(t+1)は、ピア発見フレームt+1のスロットnで受信されることが予期される端末のセットである。
【0054】
端末Aは、以下のように、ピア発見フレームt+1における各スロットでの受信機利得設定を決定することができる。
【数7】
【0055】
ここで、PPDS_targetは、ピア発見信号のターゲットパワーレベルであり、
gPDS,n(t+1)は、ピア発見フレームt+1におけるスロットnでのピア発見信号の受信機利得設定である。
【0056】
端末Aは、ピア発見フレームt+1における各スロットのための1つの受信機利得設定を得ることができる。各スロットのための受信機利得設定は、たとえば、式(5)で示したように、そのスロットで受信されることが予期されるピア端末の受信パワーレベルによることができる。各スロットでの受信機利得設定は、そのスロットでの合計受信パワーレベルが、受信機利得によるスケーリング後に、ターゲットパワーレベルに、またはそれに近づくようにすることができる。受信機利得設定は、初期受信機利得であることができ、端末AのADCのための所望の入力信号レベルを得るために実際の受信パワーレベルに基づいて調整されることができる。
【0057】
端末Aは、ピア発見フレームt+1におけるN個のスロットのためのN個の受信機利得設定を得ることができる。これらの受信機利得設定は、同様であることも広い範囲で異なることもできる。端末Aは、各スロットのための受信機利得設定を、そのスロットでピア発見信号を受信するために、使用することができる。向上した検出性能が、各スロットでのADCクリッピングを回避しながら所望のADC入力信号レベルを提供できる受信機利得設定を使用することにより、得られることができる。
【0058】
端末Aは、各ピア発見フレームの受信機利得設定を更新することができる。端末Aは、ピア発見フレームt+1における各スロットで受信されたピア発見信号の受信パワーレベルを測定することができる。図6に示した例で、端末Aは、以下のように、後続のピア発見フレームt+2における各スロットの受信機利得設定を決定することができる。
【数8】
【0059】
概して、端末Aは、1つ以上のピア発見フレームでのピア端末からのピア発見信号の受信パワーレベルを測定することができる。端末Aは、既知のホッピング関数、既知のフレームタイミング、および、そのピア端末からピア発見信号が検出された1つ以上のリソースブロックに基づいて、未来においてピア発見信号を送るためのスループット(throughput)に関し各ピア端端末Aは、既知のホッピング関数、既知のフレームタイミング、および、そのピア端末からピア発見信号が検出された1つ以上のリソースブロックに基づいて、未来においてピア発見信号を送るためのスループット(throughput)のために各ピア端末によって使用されるリソースブロックを把握することができる。末によって使用されるリソースブロックを把握することができる。端末Aは、未来のピア発見フレームにおける各スロットでの予測受信パワーレベルを、そのスロットで受信されることが予期されるすべてのピア端末の測定受信パワーレベルに基づいて、決定することができる。そして、端末Aは、未来のピア発見フレームにおける各スロットでの受信機利得設定を、そのスロットでの予測受信パワーレベルおよびターゲットパワーレベルに基づいて、計算することができる。
【0060】
図7は、無線通信ネットワーク、たとえば、ピアツーピアネットワークにおいて異なるタイプの信号を受信するためのプロセス700の設計を示す。プロセス700は、(以下に説明されるように)端末、またはある他のエンティティによって、行なわれることができる。端末は、第1の信号タイプのための第1の受信機利得設定を決定することができる(ブロック712)。端末は、第1の時間間隔で第1の信号タイプの信号を受信するために第1の受信機利得設定を使用することができる(ブロック714)。端末は、第2の信号タイプのための第2の受信機利得設定を決定することができる(ブロック716)。端末は、第2の時間間隔で第2の信号タイプの信号を受信するために第2の受信機利得設定を使用することができる(ブロック718)。第1および第2の時間間隔は、(たとえば、図3および図5に示したように)異なるタイプのフレーム、または、いくつかの他の時間ユニットに対応することができる。
【0061】
1つの設計において、第1の信号タイプの信号は、ピア発見信号を含むことができ、第2の信号タイプの信号は、ページング信号を含むことができる。ブロック712の1つの設計において、端末は、少なくとも1つの以前の時間間隔における第1の信号タイプの信号の受信パワーレベルを測定することができる。そして、端末は、第1の信号タイプの信号の測定受信パワーレベルおよびターゲットパワーレベルに基づいて、第1の受信機利得設定を決定することができる。ブロック716の1つの設計において、端末は、複数の受信機利得設定を含む所定のパターンに基づいて、第2の信号タイプのための異なる時間間隔での異なる受信機利得設定を選択することができる。端末は、他の方法で第1および第2の受信機利得設定を決定することもできる。端末は、その時間間隔中に各信号タイプのためにAGCを行なうこともできる。たとえば、端末は、第1の時間間隔中の第1の信号タイプの信号についての合計受信パワーを測定することができ、合計受信パワーに基づいて、第1の時間間隔中の受信機利得を調整することができる。端末は、ピア端末を発見するために第1の時間間隔において第1の信号タイプの信号を検出することができる。端末は、第2の時間間隔において、以前に発見された端末からの第2の信号タイプの信号を検出することができる。
【0062】
端末は、現在の時間と第1の信号タイプの第1の周期的なパターンに基づいて、第1の信号タイプのための第1の時間間隔を決定することができる。端末は、現在の時間と第2の信号タイプの第2の周期的なパターンに基づいて、第2の信号タイプのための第2の時間間隔を決定することができる。端末は、たとえば、図3に示したようなネットワークによって使用される送信またはフレームストラクチャに基づいて、第1および第2の時間間隔を決定することもできる。
【0063】
第1および第2の信号タイプは、他のタイプの信号用であることもできる。端末は、1つ以上の追加の信号タイプのための1つ以上の追加の受信機利得設定を決定することもできる。端末は、別の時間間隔において、対応する信号タイプの信号を受信するために、各々の追加の受信機利得設定を使用することができる。たとえば、端末は、同報信号のための第3の受信機利得設定を決定することができ、第3の時間間隔で基地局からの同報信号を受信するために第3の受信機利得設定を使用することができる。端末は、同報信号からタイミング情報を得ることができ、タイミング情報に基づいて第1および第2の信号タイプのために第1および第2の時間間隔を決定することができる。
【0064】
図8は、異なるタイプの信号を受信するための装置800の設計を示す。装置800は、第1の信号タイプのための第1の受信機利得設定を決定するためのモジュール812と、第1の時間間隔で第1の信号タイプの信号を受信するために第1の受信機利得設定を使用するためのモジュール814と、第2の信号タイプのための第2の受信機利得設定を決定するためのモジュール816と、第2の時間間隔で第2の信号タイプの信号を受信するために第2の受信機利得設定を使用するためのモジュール818とを含む。
【0065】
図9は、無線通信ネットワーク、たとえば、ピアツーピアネットワークにおいて信号を受信するためのプロセス900の設計を示す。プロセス900は、(以下に説明するように)端末またはある他のエンティティによって行なわれることができる。端末は、少なくとも1つの以前の時間間隔における端末のセットの受信パワーレベルを測定することができる(ブロック912)。各時間間隔は、上述したスロットまたはある他の時間ユニットに対応することができる。端末は、たとえば、式(5)で示したように、端末のセットの測定受信パワーレベルに基づいて、未来の時間間隔における端末のセットの予測受信パワーレベルを決定することができる(ブロック914)。端末は、たとえば、式(6)で示したように、予測受信パワーレベルおよびターゲットパワーレベルに基づいて、未来の時間間隔での受信機利得設定を決定することができる(ブロック916)。端末は、未来の時間間隔において端末のセットから信号(たとえば、ピア発見信号)を受信するために、受信機利得設定を使用することができる(ブロック918)。
【0066】
1つの設計において、端末は、少なくとも1つのフレームで複数の端末からの信号を受信することができ、各フレームは、複数の時間間隔またはスロットを含む。各端末は、異なるフレーム中の異なる時間間隔で送信することができ、ホッピング関数に基づいて異なる時間間隔を選択することができる。ホッピング関数は、信号発生の周期的なパターンを定義することができる。別の設計において、端末は、少なくとも1つのフレームで複数の端末からの信号を受信することができ、各フレームは、複数の時間間隔またはスロットにおいて複数のサブキャリアセットによって形成された複数のリソースブロックを含む。各端末は、異なるフレーム中の異なるリソースブロックで送信することができ、ホッピング関数に基づいて異なるリソースブロックを選択することができる。両方の設計で、端末は、複数の端末から受信された信号の受信パワーレベルを測定することができる。端末は、ホッピング関数および現在の時間の情報に基づいて、複数の端末の中から端末のセットを決定することができる。端末は、未来の時間間隔において、その端末のセットから信号を受信することを予期することができる。
【0067】
たとえば、端末のセットは、図6に示した例における端末3、4、および8を含むことができる。端末は、フレームtのスロット1、2、3に対応する以前の時間間隔での端末3、4、8の受信パワーレベルを測定することができる。端末は、これらの端末の測定受信パワーレベルに基づいて、フレームt+1のスロット2に対応する未来の時間間隔での端末3、4、8の予測受信パワーレベルを決定することができる。そして、端末は、予測受信パワーレベルおよびターゲットパワーレベルに基づいて未来の時間間隔での受信機利得設定を決定することができる。
【0068】
1つの設計において、端末は、セット内の各端末の直近の測定受信パワーレベルに基づいて、端末のセットの予測受信パワーレベルを決定することができる。別の設計において、端末は、複数の時間間隔にわたる各端末の測定受信パワーレベルをフィルタリングして、その端末のフィルタリングされた受信パワーレベルを得ることができる。そして、端末は、フィルタリングされた受信パワーレベルに基づいて、端末のセットの予測受信パワーレベルを決定することができる。
【0069】
ブロック918の1つの設計において、端末は、受信機利得設定に基づいて(たとえば、それに等しく)受信機利得を設定することができる。端末は、その受信機利得にしたがって受信信号をスケーリング(たとえば、増幅または減衰)し、スケーリングされた信号を得ることができる。1つの設計において、端末は、AGCを行なうことができ、所定の範囲内にスケーリングされた信号を維持するように受信機利得を調整することができる。別の設計において、端末は、AGCを行なわず、すべての未来の時間間隔のためにその受信機利得設定を使用する。1つの設計において、端末は、未来の時間間隔中にAGCを行なうことができる。たとえば、端末は、未来の時間間隔中に端末のセットの合計受信パワーを測定することができ、合計受信パワーに基づいて、未来の時間間隔中の受信機利得を調整することができる。
【0070】
図10は、信号を受信するための装置1000の設計を示す。装置1000は、少なくとも1つの以前の時間間隔における端末のセットの受信パワーレベルを測定するためのモジュール1012と、端末のセットの測定受信パワーレベルに基づいて未来の時間間隔における端末のセットの予測受信パワーレベルを決定するためのモジュール1014と、予測受信パワーレベルおよびターゲットパワーレベルに基づいて未来の時間間隔での受信機利得設定を決定するためのモジュール1016と、未来の時間間隔において端末のセットから信号(たとえば、ピア発見信号)を受信するために受信機利得設定を使用するためのモジュール1018とを含む。
【0071】
図8および図10のモジュールは、プロセッサ、電子デバイス、ハードウェアデバイス、電子コンポーネント、論理回路、メモリ、ソフトウェアコード、ファームウェアコード、等、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0072】
図11は、端末120aおよび120bの設計のブロック図を示し、それらは、図1の無線ネットワーク100の2つの端末である。この設計において、端末120aは、U個のアンテナ1134a乃至1134uを装備し、端末120bは、V個のアンテナ1152a乃至1152vを装備し、概してU≧1かつV≧1である。
【0073】
端末120aで、送信プロセッサ1120は、データソース1112からデータを、制御装置/プロセッサ1140から制御情報を、受け取ることができる。制御情報は、ピア発見信号で送るための情報、ページング信号で送るための情報、等を含むことができる。送信プロセッサ1120は、データおよび制御情報を処理(たとえば、符号化、インターリーブ、および変調)することができ、それぞれデータシンボルおよび制御シンボルを供給することができる。送信(TX)多入力多出力(MIMO)プロセッサ1130は、該当する場合、データシンボル、制御シンボル、および/またはパイロットシンボルの空間処理(たとえば、プリコーディング)を行なうことができ、U個の変調器(MOD)1132a乃至1132uにU個の出力シンボルストリームを供給することができる。各変調器1132は、出力サンプルストリームを得るために、(たとえば、OFDM、SC−FDM、等の)各出力シンボルストリームを処理することができる。各変調器1132は、無線周波(RF)信号を得るために、出力サンプルストリームをさらに処理(たとえば、アナログ変換、増幅、フィルタリング、およびアップコンバート)することができる。変調器1132a乃至1132uからのU個のRF信号は、それぞれ、U個のアンテナ1134a乃至1134uを介して送信されることができる。
【0074】
端末120bで、アンテナ1152a乃至1152vは、端末120aからのRF信号を受信することができ、復調器(DEMOD)1154a乃至1154vにそれぞれ受信信号を供給することができる。各復調器1154は、受信サンプルを得るために、各受信信号を調整(たとえば、フィルタリング、増幅、ダウンコンバート、およびデジタル化)することができる。各復調器1154は、受信シンボルを得るために、(たとえば、OFDM、SC−FDM、等の)受信サンプルをさらに処理することができる。MIMO検出器1156は、すべてのV個の復調器1154a乃至1154vからの受信シンボルを得ることができ、該当する場合、受信シンボルのMIMO検出を行なうことができ、検出シンボルを供給することができる。受信プロセッサ1158は、検出シンボルを処理(たとえば、復調、デインターリーブ、および復号)することができ、データシンク1160に復号データを供給することができ、制御装置/プロセッサ1180に復号された制御情報を提供することができる。
【0075】
端末120bで、データソース1162からのデータおよび制御装置/プロセッサ1180からの制御情報は、送信プロセッサ1164によって処理されることができ、該当する場合、TX MIMOプロセッサ1166によってプリコーディングされることができ、変調器1154によってさらに処理されることができ、アンテナ1152を介して送信されることができる。端末120aで、端末120bからのRF信号は、アンテナ1134によって受信されることができ、復調器1132によって処理されることができ、該当する場合、MIMO検出器1136によって検出されることができ、受信プロセッサ1138によってさらに処理されることができ、端末120bによって送信された復号データおよび制御情報を得ることができる。
【0076】
各端末120は、たとえば、端末120aの送信プロセッサ1120、TX MIMOプロセッサ1130、および変調器1132を使用して、ピア発見信号、ページング信号、および/または他の信号を生成および送信することができる。各端末120は、たとえば、端末120bの復調器1154、MIMO検出器1156、および受信プロセッサ1158を使用して、他の端末からのピア発見信号、ページング信号、および/または他の信号を受信することもできる。各端末120は、タイミングおよび/または同報情報、等を得るために、通信用の基地局および/または他の送信機局からの信号を受信および処理することもできる。各端末120は、上述したように、異なるタイプの信号に使用するための受信機利得設定を決定することができる。
【0077】
制御装置/プロセッサ1140および1180は、それぞれ、端末120aおよび120bでの動作を指示することができる。各端末のプロセッサおよび/またはモジュールは、図7のプロセス700、図9のプロセス900、および/または、ここに説明された技法のための他のプロセスを実行または指示することができる。メモリ1142および1182は、それぞれ、端末120aおよび120bのためのデータおよびプログラムコードを記憶することができる。
【0078】
当業者は、情報および信号が任意のさまざまな異なる技術および技法を使用して表され得るということを理解するであろう。たとえば、上記の説明を通して言及されうるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光場または光粒子、またはそれらの任意の組み合わせによって表されることができる。
【0079】
当業者は、ここでの開示に関連して説明された、さまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムのステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両者の組み合わせとして実現されうるということを、さらに理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとの、この相互互換性をわかりやすく示すために、さまざまな例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、概してそれらの機能の点で、上述されている。そのような機能がハードウェアまたはソフトウェアとして実現されるかどうかは、システム全体に課された特定の用途および設計の制約による。当業者は、特定の用途ごとに異なる方法で、説明された機能を実現することができるが、そのような実現の決定は、本開示の範囲から逸脱を生じるものと解釈されるべきではない。
【0080】
ここでの開示に関連して説明された、さまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートまたはトランジスタ論理、離散ハードウェアコンポーネント、またはここに説明された機能を実行するように設計された、それらの任意の組合せを用いて、実現または実行されることができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであることができるが、あるいは、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、制御装置、マイクロ制御装置、またはステートマシンであることができる。プロセッサは、コンピュータデバイスの組み合わせ、例えば、DSPと、1つのマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコア併用型の1つ以上のマイクロプロセッサとの組み合わせ、または任意の他のそのような構成として実現されることもできる。
【0081】
ここでの開示に関連して説明された方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、または、両者の組み合わせにおいて、具現化されることができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当該技術で周知の任意の他の形態の記憶媒体の中に存在することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。あるいは、記憶媒体は、プロセッサに組み込まれることができる。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICの中に存在することができる。ASICは、ユーザー端末の中に存在することができる。あるいは、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザー端末の中の離散コンポーネントとして存在することができる。
【0082】
1つ以上の例示的な設計において、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせにおいて実現されることができる。ソフトウェアにおいて実現される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令またはコードとして、記憶または伝送されることができる。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体およびコンピュータ記憶媒体の両方を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセス可能な任意の入手可能な媒体であることができる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、または、汎用または専用コンピュータ、または、汎用または専用プロセッサによってアクセスされることができ、かつ、命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を搬送または記憶するために使用されることができる、任意の他の媒体を含むことができる。また、任意の接続も、厳密にはコンピュータ可読媒体と呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または、赤外線、無線、およびマイクロ波といった無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバー、または他のリモートソースから伝送される場合には、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波といった無線技術が、媒体の定義に含まれる。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、ここに使用される場合、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザー(登録商標)ディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生するが、ディスク(disc)は、レーザーによって光学的にデータを再生する。上記したものの組み合わせも、また、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0083】
本開示の先の説明は、本開示を製造または使用することを当業者に可能にさせるように提供されている。本開示へのさまざまな変更が、当業者には容易に明らかになるであろうし、ここに定義された一般的な原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく他の変形例に適用されることができる。したがって、本開示は、ここに説明された例および設計に限定されるものではなく、ここに開示された原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の信号タイプのための第1の受信機利得設定を決定することと、
第1の時間間隔において前記第1の信号タイプの信号を受信するために前記第1の受信機利得設定を使用することと、
第2の信号タイプのための第2の受信機利得設定を決定することと、
第2の時間間隔において前記第2の信号タイプの信号を受信するために前記第2の受信機利得設定を使用することと
を含む、無線通信のための方法。
【請求項2】
前記第1の信号タイプの前記信号は、ピア発見信号を含み、前記第2の信号タイプの前記信号は、ページング信号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ピア端末を発見するために前記第1の時間間隔においてピア発見信号を検出することと、
前記第2の時間間隔において、以前に発見された端末からのページング信号を検出することと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の受信機利得設定を前記決定することが、
少なくとも1つの以前の時間間隔における前記第1の信号タイプの前記信号の受信パワーレベルを測定することと、
前記第1の信号タイプの前記信号の前記測定受信パワーレベルおよびターゲットパワーレベルに基づいて前記第1の受信機利得設定を決定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の時間間隔中の前記第1の信号タイプの前記信号の合計受信パワーを測定することと、
前記第1の信号タイプの前記信号の前記合計受信パワーに基づいて前記第1の時間間隔中の受信機利得を調整することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の受信機利得設定を前記決定することが、複数の受信機利得設定を含む所定のパターンに基づいて前記第2の信号タイプの異なる時間間隔における異なる受信機利得設定を選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
現在の時間および前記第1の信号タイプの第1の周期的なパターンに基づいて前記第1の信号タイプのための前記第1の時間間隔を決定することと、
現在の時間および前記第2の信号タイプの第2の周期的なパターンに基づいて前記第2の信号タイプのための前記第2の時間間隔を決定することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第3の信号タイプのための第3の受信機利得設定を決定することと、
第3の時間間隔において前記第3の信号タイプの信号を受信するために前記第3の受信機利得設定を使用することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第3の信号タイプの前記信号からタイミング情報を得ることと、
前記タイミング情報に基づいて、前記第1および第2の信号タイプのために、それぞれ、前記第1および第2の時間間隔を決定することと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第1の信号タイプのための第1の受信機利得設定を決定するように、
第1の時間間隔において前記第1の信号タイプの信号を受信するために前記第1の受信機利得設定を使用するように、
第2の信号タイプのための第2の受信機利得設定を決定するように、かつ、
第2の時間間隔において前記第2の信号タイプの信号を受信するために前記第2の受信機利得設定を使用するように、
構成された少なくとも1つのプロセッサ
を含む、無線通信のための装置。
【請求項11】
前記第1の信号タイプの前記信号は、ピア発見信号を含み、前記第2の信号タイプの前記信号は、ページング信号を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの以前の時間間隔における前記第1の信号タイプの前記信号の受信パワーレベルを測定するように、かつ、前記第1の信号タイプの前記信号の前記測定受信パワーレベルおよびターゲットパワーレベルに基づいて前記第1の受信機利得設定を決定するように、構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサは、複数の受信機利得設定を含む所定のパターンに基づいて前記第2の信号タイプの異なる時間間隔における異なる受信機利得設定を選択するように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1つの以前の時間間隔における端末のセットの受信パワーレベルを測定することと、
前記端末のセットの前記測定受信パワーレベルに基づいて未来の時間間隔における前記端末のセットの予測受信パワーレベルを決定することと、
前記予測受信パワーレベルに基づいて前記未来の時間間隔での受信機利得設定を決定することと、
前記未来の時間間隔において前記端末のセットからの信号を受信するために前記受信機利得設定を使用することと
を含む、無線通信のための方法。
【請求項15】
少なくとも1つのフレームにおいて複数の端末からの信号を受信することであって、各フレームは複数の時間間隔を含み、各端末は異なるフレームにおける異なる時間間隔において送信し、前記異なる時間間隔はホッピング関数に基づいて選択される、ことと、
前記ホッピング関数および現在の時間の情報に基づいて前記複数の端末の中から前記端末のセットを決定することであって、前記端末のセットは前記未来の時間間隔において受信されることが予期される、ことと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つのフレームにおいて複数の端末からの信号を受信することであって、各フレームは複数の時間間隔において複数のサブキャリアセットによって形成された複数のリソースブロックを含み、各端末は異なるフレームにおける異なるリソースブロックで送信し、前記異なるリソースブロックはホッピング関数に基づいて選択される、ことと、
前記ホッピング関数および現在の時間の情報に基づいて前記複数の端末の中から前記端末のセットを決定することであって、前記端末のセットは前記未来の時間間隔におけるリソースブロックで受信されることが予期される、ことと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記端末のフィルタリングされた受信パワーレベルを得るために複数の時間間隔にわたる前記セットの各端末の測定受信パワーレベルをフィルタリングすることをさらに含み、
前記端末のセットの前記予測受信パワーレベルは、前記端末のセットのフィルタリングされた受信パワーレベルに基づいて決定される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記受信機利得設定を前記使用することが、
前記受信機利得設定に基づいて受信機利得を設定することと、
スケーリングされた信号を得るために前記受信機利得にしたがって受信信号をスケーリングすることと、
所定の範囲内に前記スケーリングされた信号を維持するために前記受信機利得を調整することと
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記受信機利得設定を前記決定することが、ターゲットパワーレベルにさらに基づいて前記未来の時間間隔での前記受信機利得設定を決定することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記未来の時間間隔中の前記端末のセットのための合計受信パワーを測定することと、
前記端末のセットのための前記合計受信パワーに基づいて前記未来の時間間隔中の受信機利得を調整することと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記受信機利得設定を前記使用することが、前記未来の時間間隔において前記端末のセットからのピア発見信号を受信するために前記受信機利得設定を使用することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つの以前の時間間隔における端末のセットの受信パワーレベルを測定するように、
前記端末のセットの前記測定受信パワーレベルに基づいて未来の時間間隔における前記端末のセットの予測受信パワーレベルを決定するように、
前記予測受信パワーレベルに基づいて前記未来の時間間隔での受信機利得設定を決定するように、かつ、
前記未来の時間間隔において前記端末のセットからの信号を受信するために前記受信機利得設定を使用するように、
構成された少なくとも1つのプロセッサ
を含む、無線通信のための装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
少なくとも1つのフレームにおいて複数の端末からの信号を受信するように構成され、各フレームは複数の時間間隔において複数のサブキャリアセットによって形成された複数のリソースブロックを含み、各端末は異なるフレームにおける異なるリソースブロックで送信し、前記異なるリソースブロックはホッピング関数に基づいて選択され、
前記ホッピング関数および現在の時間の情報に基づいて前記複数の端末の中から前記端末のセットを決定するように構成され、前記端末のセットは前記未来の時間間隔におけるリソースブロックで受信されることが予期される、
請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記受信機利得設定に基づいて受信機利得を設定するように、
スケーリングされた信号を得るために前記受信機利得にしたがって受信信号をスケーリングするように、かつ、
所定の範囲内に前記スケーリングされた信号を維持するように前記受信機利得を調整するように、
構成されている、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記未来の時間間隔において前記端末のセットからのピア発見信号を受信するために前記受信機利得設定を使用するように構成されている、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
少なくとも1つの以前の時間間隔における端末のセットの受信パワーレベルを測定するための手段と、
前記端末のセットの前記測定受信パワーレベルに基づいて未来の時間間隔における前記端末のセットの予測受信パワーレベルを決定するための手段と、
前記予測受信パワーレベルに基づいて前記未来の時間間隔での受信機利得設定を決定するための手段と、
前記未来の時間間隔において前記端末のセットからの信号を受信するために前記受信機利得設定を使用するための手段と
を含む、無線通信のための装置。
【請求項27】
少なくとも1つのフレームにおいて複数の端末からの信号を受信するための手段であって、各フレームは複数の時間間隔において複数のサブキャリアセットによって形成された複数のリソースブロックを含み、各端末は異なるフレームにおける異なるリソースブロックで送信し、前記異なるリソースブロックはホッピング関数に基づいて選択される、手段と、
前記ホッピング関数および現在の時間の情報に基づいて前記複数の端末の中から前記端末のセットを決定するための手段であって、前記端末のセットは前記未来の時間間隔におけるリソースブロックで受信されることが予期される、手段と
をさらに含む、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記受信機利得設定を前記使用するための手段が、
前記受信機利得設定に基づいて受信機利得を設定するための手段と、
スケーリングされた信号を得るために前記受信機利得にしたがって受信信号をスケーリングするための手段と、
所定の範囲内に前記スケーリングされた信号を維持するように前記受信機利得を調整するための手段と
を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記受信機利得設定を前記使用するための手段が、前記未来の時間間隔において前記端末のセットからのピア発見信号を受信するために前記受信機利得設定を使用するための手段を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項30】
少なくとも1つの以前の時間間隔における端末のセットの受信パワーレベルを測定するように、少なくとも1つのコンピュータにさせるためのコードと、
前記端末のセットの前記測定受信パワーレベルに基づいて未来の時間間隔における前記端末のセットの予測受信パワーレベルを決定するように、前記少なくとも1つのコンピュータにさせるためのコードと、
前記予測受信パワーレベルに基づいて前記未来の時間間隔での受信機利得設定を決定するように、前記少なくとも1つのコンピュータにさせるためのコードと、
前記未来の時間間隔において前記端末のセットからの信号を受信するために前記受信機利得設定を使用するように、前記少なくとも1つのコンピュータにさせるためのコードと
を含むコンピュータ可読媒体
を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項1】
第1の信号タイプのための第1の受信機利得設定を決定することと、
第1の時間間隔において前記第1の信号タイプの信号を受信するために前記第1の受信機利得設定を使用することと、
第2の信号タイプのための第2の受信機利得設定を決定することと、
第2の時間間隔において前記第2の信号タイプの信号を受信するために前記第2の受信機利得設定を使用することと
を含む、無線通信のための方法。
【請求項2】
前記第1の信号タイプの前記信号は、ピア発見信号を含み、前記第2の信号タイプの前記信号は、ページング信号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ピア端末を発見するために前記第1の時間間隔においてピア発見信号を検出することと、
前記第2の時間間隔において、以前に発見された端末からのページング信号を検出することと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の受信機利得設定を前記決定することが、
少なくとも1つの以前の時間間隔における前記第1の信号タイプの前記信号の受信パワーレベルを測定することと、
前記第1の信号タイプの前記信号の前記測定受信パワーレベルおよびターゲットパワーレベルに基づいて前記第1の受信機利得設定を決定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の時間間隔中の前記第1の信号タイプの前記信号の合計受信パワーを測定することと、
前記第1の信号タイプの前記信号の前記合計受信パワーに基づいて前記第1の時間間隔中の受信機利得を調整することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の受信機利得設定を前記決定することが、複数の受信機利得設定を含む所定のパターンに基づいて前記第2の信号タイプの異なる時間間隔における異なる受信機利得設定を選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
現在の時間および前記第1の信号タイプの第1の周期的なパターンに基づいて前記第1の信号タイプのための前記第1の時間間隔を決定することと、
現在の時間および前記第2の信号タイプの第2の周期的なパターンに基づいて前記第2の信号タイプのための前記第2の時間間隔を決定することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第3の信号タイプのための第3の受信機利得設定を決定することと、
第3の時間間隔において前記第3の信号タイプの信号を受信するために前記第3の受信機利得設定を使用することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第3の信号タイプの前記信号からタイミング情報を得ることと、
前記タイミング情報に基づいて、前記第1および第2の信号タイプのために、それぞれ、前記第1および第2の時間間隔を決定することと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第1の信号タイプのための第1の受信機利得設定を決定するように、
第1の時間間隔において前記第1の信号タイプの信号を受信するために前記第1の受信機利得設定を使用するように、
第2の信号タイプのための第2の受信機利得設定を決定するように、かつ、
第2の時間間隔において前記第2の信号タイプの信号を受信するために前記第2の受信機利得設定を使用するように、
構成された少なくとも1つのプロセッサ
を含む、無線通信のための装置。
【請求項11】
前記第1の信号タイプの前記信号は、ピア発見信号を含み、前記第2の信号タイプの前記信号は、ページング信号を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの以前の時間間隔における前記第1の信号タイプの前記信号の受信パワーレベルを測定するように、かつ、前記第1の信号タイプの前記信号の前記測定受信パワーレベルおよびターゲットパワーレベルに基づいて前記第1の受信機利得設定を決定するように、構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサは、複数の受信機利得設定を含む所定のパターンに基づいて前記第2の信号タイプの異なる時間間隔における異なる受信機利得設定を選択するように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1つの以前の時間間隔における端末のセットの受信パワーレベルを測定することと、
前記端末のセットの前記測定受信パワーレベルに基づいて未来の時間間隔における前記端末のセットの予測受信パワーレベルを決定することと、
前記予測受信パワーレベルに基づいて前記未来の時間間隔での受信機利得設定を決定することと、
前記未来の時間間隔において前記端末のセットからの信号を受信するために前記受信機利得設定を使用することと
を含む、無線通信のための方法。
【請求項15】
少なくとも1つのフレームにおいて複数の端末からの信号を受信することであって、各フレームは複数の時間間隔を含み、各端末は異なるフレームにおける異なる時間間隔において送信し、前記異なる時間間隔はホッピング関数に基づいて選択される、ことと、
前記ホッピング関数および現在の時間の情報に基づいて前記複数の端末の中から前記端末のセットを決定することであって、前記端末のセットは前記未来の時間間隔において受信されることが予期される、ことと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つのフレームにおいて複数の端末からの信号を受信することであって、各フレームは複数の時間間隔において複数のサブキャリアセットによって形成された複数のリソースブロックを含み、各端末は異なるフレームにおける異なるリソースブロックで送信し、前記異なるリソースブロックはホッピング関数に基づいて選択される、ことと、
前記ホッピング関数および現在の時間の情報に基づいて前記複数の端末の中から前記端末のセットを決定することであって、前記端末のセットは前記未来の時間間隔におけるリソースブロックで受信されることが予期される、ことと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記端末のフィルタリングされた受信パワーレベルを得るために複数の時間間隔にわたる前記セットの各端末の測定受信パワーレベルをフィルタリングすることをさらに含み、
前記端末のセットの前記予測受信パワーレベルは、前記端末のセットのフィルタリングされた受信パワーレベルに基づいて決定される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記受信機利得設定を前記使用することが、
前記受信機利得設定に基づいて受信機利得を設定することと、
スケーリングされた信号を得るために前記受信機利得にしたがって受信信号をスケーリングすることと、
所定の範囲内に前記スケーリングされた信号を維持するために前記受信機利得を調整することと
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記受信機利得設定を前記決定することが、ターゲットパワーレベルにさらに基づいて前記未来の時間間隔での前記受信機利得設定を決定することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記未来の時間間隔中の前記端末のセットのための合計受信パワーを測定することと、
前記端末のセットのための前記合計受信パワーに基づいて前記未来の時間間隔中の受信機利得を調整することと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記受信機利得設定を前記使用することが、前記未来の時間間隔において前記端末のセットからのピア発見信号を受信するために前記受信機利得設定を使用することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つの以前の時間間隔における端末のセットの受信パワーレベルを測定するように、
前記端末のセットの前記測定受信パワーレベルに基づいて未来の時間間隔における前記端末のセットの予測受信パワーレベルを決定するように、
前記予測受信パワーレベルに基づいて前記未来の時間間隔での受信機利得設定を決定するように、かつ、
前記未来の時間間隔において前記端末のセットからの信号を受信するために前記受信機利得設定を使用するように、
構成された少なくとも1つのプロセッサ
を含む、無線通信のための装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
少なくとも1つのフレームにおいて複数の端末からの信号を受信するように構成され、各フレームは複数の時間間隔において複数のサブキャリアセットによって形成された複数のリソースブロックを含み、各端末は異なるフレームにおける異なるリソースブロックで送信し、前記異なるリソースブロックはホッピング関数に基づいて選択され、
前記ホッピング関数および現在の時間の情報に基づいて前記複数の端末の中から前記端末のセットを決定するように構成され、前記端末のセットは前記未来の時間間隔におけるリソースブロックで受信されることが予期される、
請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記受信機利得設定に基づいて受信機利得を設定するように、
スケーリングされた信号を得るために前記受信機利得にしたがって受信信号をスケーリングするように、かつ、
所定の範囲内に前記スケーリングされた信号を維持するように前記受信機利得を調整するように、
構成されている、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記未来の時間間隔において前記端末のセットからのピア発見信号を受信するために前記受信機利得設定を使用するように構成されている、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
少なくとも1つの以前の時間間隔における端末のセットの受信パワーレベルを測定するための手段と、
前記端末のセットの前記測定受信パワーレベルに基づいて未来の時間間隔における前記端末のセットの予測受信パワーレベルを決定するための手段と、
前記予測受信パワーレベルに基づいて前記未来の時間間隔での受信機利得設定を決定するための手段と、
前記未来の時間間隔において前記端末のセットからの信号を受信するために前記受信機利得設定を使用するための手段と
を含む、無線通信のための装置。
【請求項27】
少なくとも1つのフレームにおいて複数の端末からの信号を受信するための手段であって、各フレームは複数の時間間隔において複数のサブキャリアセットによって形成された複数のリソースブロックを含み、各端末は異なるフレームにおける異なるリソースブロックで送信し、前記異なるリソースブロックはホッピング関数に基づいて選択される、手段と、
前記ホッピング関数および現在の時間の情報に基づいて前記複数の端末の中から前記端末のセットを決定するための手段であって、前記端末のセットは前記未来の時間間隔におけるリソースブロックで受信されることが予期される、手段と
をさらに含む、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記受信機利得設定を前記使用するための手段が、
前記受信機利得設定に基づいて受信機利得を設定するための手段と、
スケーリングされた信号を得るために前記受信機利得にしたがって受信信号をスケーリングするための手段と、
所定の範囲内に前記スケーリングされた信号を維持するように前記受信機利得を調整するための手段と
を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記受信機利得設定を前記使用するための手段が、前記未来の時間間隔において前記端末のセットからのピア発見信号を受信するために前記受信機利得設定を使用するための手段を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項30】
少なくとも1つの以前の時間間隔における端末のセットの受信パワーレベルを測定するように、少なくとも1つのコンピュータにさせるためのコードと、
前記端末のセットの前記測定受信パワーレベルに基づいて未来の時間間隔における前記端末のセットの予測受信パワーレベルを決定するように、前記少なくとも1つのコンピュータにさせるためのコードと、
前記予測受信パワーレベルに基づいて前記未来の時間間隔での受信機利得設定を決定するように、前記少なくとも1つのコンピュータにさせるためのコードと、
前記未来の時間間隔において前記端末のセットからの信号を受信するために前記受信機利得設定を使用するように、前記少なくとも1つのコンピュータにさせるためのコードと
を含むコンピュータ可読媒体
を含むコンピュータプログラム製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−516124(P2012−516124A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548238(P2011−548238)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/022143
【国際公開番号】WO2010/085818
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/022143
【国際公開番号】WO2010/085818
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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