説明

無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法及び無線電力送信アセンブリ

【課題】部品点数を減らして製造コストを低減し、無線電力送信効率を向上させることのできる、無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法及び無線電力送信アセンブリを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態による無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法は、アダプタが交流電源を直流電圧に変更して無線電力送信装置に出力する段階と、前記無線電力送信装置が電圧変更通信信号を前記アダプタに送信すると、それに基づいて前記アダプタが前記直流電圧の大きさを変更する段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品点数を減らして製造コストを低減することのできる、無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法及び無線電力送信アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、バッテリパックは、外部の充電器から電力(電気エネルギー)が供給されて充電された状態で携帯用端末機(携帯電話、PDAなど)の動作のための電源を供給するためのものであって、電気エネルギーを充電するバッテリセル、前記バッテリセルの充電及び放電(携帯用端末機への電気エネルギーの供給)のための回路などから構成されている。
【0003】
このように携帯用端末機に用いられるバッテリパックと当該バッテリパックに電気エネルギーを充電するための充電器との電気的接続方式には、供給された商用電源をバッテリパックに対応する電圧及び電流に変換して当該バッテリパックの端子を介してバッテリパックに電気エネルギーを供給する端子供給方式がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような端子供給方式で電源を供給する場合は、充電器からバッテリパックを接離する際に、充電器の端子とバッテリパックの端子との電位差により瞬間放電現象が起こるという問題があった。
【0005】
特に、瞬間放電現象などにより両端子(充電器の端子及びバッテリパックの端子)に異物が付着すると火災などが発生する恐れがあった。
【0006】
また、湿気などによりバッテリパックに充電された電気エネルギーが当該バッテリパックの端子を介して外部に自然放電されるなどの問題があることはもちろん、これによりバッテリパックの寿命や性能の低下を招くという欠点があった。
【0007】
近年、上記問題を解決するために、無線電力送信方式を用いた無接点方式の充電システム及び制御方法が提示されている。
【0008】
本発明は、部品点数を減らして製造コストを低減し、無線電力送信効率を向上させることのできる、無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法及び無線電力送信アセンブリを提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態による無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法は、アダプタが交流電源を直流電圧に変更して無線電力送信装置に出力する段階と、前記無線電力送信装置が電圧変更通信信号を前記アダプタに送信すると、それに基づいて前記アダプタが前記直流電圧の大きさを変更する段階とを含んでもよい。
【0010】
本発明の一実施形態の一態様によれば、前記アダプタと前記無線電力送信装置とは、プラス線、グランド線、及び通信線で接続され、前記無線電力送信装置が電圧変更通信信号を前記アダプタに送信すると、それに基づいて前記アダプタが前記直流電圧の大きさを変更する段階は、前記無線電力送信装置が前記通信線を介して振幅変調信号又はシリアル通信信号を送信し、当該振幅変調信号又はシリアル通信信号に基づいて、前記アダプタが前記直流電圧の大きさを変更する段階を含んでもよい。
【0011】
本発明の一実施形態の一態様によれば、前記電圧変更通信信号は、無線電力受信装置における充電状態信号に基づくパワーアップ信号及びパワーダウン信号の少なくとも一方を含んでもよい。
【0012】
本発明の一実施形態の一態様によれば、前記無線電力送信装置は、第1送信コイル及び第2送信コイルを含み、前記無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法は、前記第1送信コイル及び前記第2送信コイルの一方により前記無線電力受信装置が感知される段階と、前記感知された送信コイルにより前記電圧変更通信信号を送信する段階とをさらに含んでもよい。
【0013】
本発明の一実施形態の一態様によれば、前記アダプタと前記無線電力送信装置とは、プラス線及びグランド線で接続され、前記無線電力送信装置が電圧変更通信信号を前記アダプタに送信すると、それに基づいて前記アダプタが前記直流電圧の大きさを変更する段階は、DC変調方式で前記プラス線を介して昇圧要求信号又は減圧要求信号を送信する段階を含んでもよい。
【0014】
本発明の一実施形態の一態様によれば、前記無線電力送信装置が電圧変更通信信号を前記アダプタに送信すると、それに基づいて前記アダプタが前記直流電圧の大きさを変更する段階は、前記アダプタのオフセット電圧を調整して、前記直流電圧の大きさを変更する段階を含んでもよい。
【0015】
本発明の他の実施形態による無線電力送信アセンブリは、交流電源を直流電圧に変更して出力するアダプタと、前記アダプタから出力される直流電圧を用いて無線電力信号を無線電力受信装置に送信する無線電力送信装置とを含み、前記無線電力送信装置の送信制御部は、前記直流電圧の大きさを変更するための電圧変更通信信号を前記アダプタに送信し、前記アダプタの前記直流電圧の大きさを変更するようにしてもよい。
【0016】
本発明の他の実施形態の一態様によれば、前記アダプタと前記無線電力送信装置とは、プラス線、グランド線、及び通信線で接続され、前記送信制御部は、前記通信線を介して振幅変調信号又はシリアル通信信号を送信し、当該振幅変調信号又はシリアル通信信号に基づいて、前記アダプタが前記直流電圧の大きさを変更するようにしてもよい。
【0017】
本発明の他の実施形態の一態様によれば、前記アダプタは、前記電圧変更通信信号を受信する通信制御部と、前記通信制御部から前記電圧変更通信信号を受信して前記直流電圧を制御する出力電圧制御部とを含んでもよい。
【0018】
本発明の他の実施形態の一態様によれば、前記電圧変更通信信号は、前記無線電力受信装置における充電状態信号に基づくパワーアップ信号及びパワーダウン信号の少なくとも一方を含んでもよい。
【0019】
本発明の他の実施形態の一態様によれば、前記無線電力送信装置は、第1送信コイル及び第2送信コイルを含み、前記送信制御部は、前記第1送信コイル及び前記第2送信コイルの一方により前記無線電力受信装置を感知し、前記感知された送信コイルにより前記電圧変更通信信号を送信するようにしてもよい。
【0020】
本発明の他の実施形態の一態様によれば、前記送信制御部は、前記第1送信コイル及び前記第2送信コイルの負荷変調により、前記無線電力受信装置を感知するようにしてもよい。
【0021】
本発明の他の実施形態の一態様によれば、前記アダプタと前記無線電力送信装置とは、プラス線及びグランド線で接続され、前記送信制御部は、DC変調方式で前記プラス線を介して昇圧要求信号又は減圧要求信号を送信するようにしてもよい。
【0022】
本発明の他の実施形態の一態様によれば、前記送信制御部は、前記アダプタのオフセット電圧を調整して、前記直流電圧の大きさを変更するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0023】
前述の構成を有する本発明による無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法及び無線電力送信アセンブリにおいては、アダプタの出力電圧を無線電力送信装置が直接制御することにより、部品点数を減らして製造コストを低減し、無線電力送信効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1a】本発明の一実施形態に係る無線電力送信システムの構成を示すブロック図である。
【図1b】本発明の一実施形態による無線電力送信アセンブリのアダプタの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図3a】本発明の一実施形態による無線電力アセンブリにおける無線電力送信装置とアダプタの接続関係を説明するための図である。
【図3b】本発明の一実施形態による無線電力アセンブリにおける無線電力送信装置とアダプタの接続関係を説明するための図である。
【図4a】本発明の一実施形態による無線電力送信装置に用いられる複数のコイルの構造の一例を示す図である。
【図4b】本発明の一実施形態による無線電力送信装置に用いられる複数のコイルの構造の他の例を示す図である。
【図5a】本発明の一実施形態による無線電力送信装置に用いられる複数のコイルを収容する遮蔽コアの平面図である。
【図5b】本発明の一実施形態による無線電力送信装置に用いられる複数のコイルを収容する遮蔽コアの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態による無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法及び無線電力送信アセンブリについて添付図面を参照して詳細に説明する。以下の説明で用いられる構成要素の接尾辞である「モジュール」及び「部」は、明細書の作成を容易にするために付与又は混用されるものであり、それ自体が有意性や有用性を有するものではない。
【0026】
図1aは、本発明の一実施形態に係る無線電力送信システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、本発明の一実施形態に係る無線電力送信システムは、無線電力送信装置100及びアダプタ(AC/DCコンバータ)300を含む無線電力送信アセンブリと、無線電力受信装置200とを含む。すなわち、電磁誘導方式により、無線電力送信装置100が、アダプタ300を介して受信した直流電圧を無線電力信号に変更して無線電力受信装置200に送信すると、前記無線電力信号を受信した無線電力受信装置200は、前記無線電力信号の電力でバッテリを充電したり、無線電力受信装置200に接続された電子機器に電源を供給する。
【0027】
以下、無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200の構成についてそれぞれ説明する。
【0028】
本発明の一実施形態による無線電力送信装置100は、送信コイル(1次側コイル)110と送信制御部120とを含む。ここで、送信コイル110は、電磁誘導方式で電力信号を無線電力受信装置200の受信コイル210に送信するための装置であって、本実施形態においては、2つのコイル(すなわち、第1送信コイル111及び第2送信コイル112)が適用される。
【0029】
第1送信コイル111及び第2送信コイル112の形態については図3を参照して詳細に説明する。
【0030】
さらに図1aを参照すると、送信コイル110を制御する送信制御部120は、オブジェクト感知部121、中央制御部122、スイッチング制御部123、駆動ドライバ124、及び直列共振形コンバータ125を含んでもよい。
【0031】
オブジェクト感知部121は、送信コイル110の負荷の変化を感知し、その負荷の変化で感知されたオブジェクトが無線電力受信装置200であるか否かを判断する(すなわち、ID確認部としての機能を有する)だけでなく、無線電力受信装置200から受信した充電状態信号をフィルタリングして処理する機能を果たす。つまり、オブジェクト感知部121は、送信コイル110で受信されるID確認信号(ID要求信号の応答信号)をフィルタリングして処理し、その後、送信コイル110で受信される充電状態信号をフィルタリングして処理する機能を果たす。
【0032】
中央制御部122は、オブジェクト感知部121の判断結果を受けて確認し、送信コイル110で受信されるID確認信号及び充電状態信号を分析し、送信コイル110から無線電力信号を送出するための電力信号を駆動ドライバ124に送る役割を果たす。また、中央制御部122は、後述するアダプタ300の出力電圧を調整するために、電圧変更通信信号をアダプタ300に送信する。
【0033】
すなわち、中央制御部122は、オブジェクト感知部121によりフィルタリングされたデータ信号を分析処理し、それに基づいて駆動ドライバ124を制御し、また、アダプタ300の出力電圧を制御する。
【0034】
スイッチング制御部123は、直列共振形コンバータ125と第1送信コイル111及び第2送信コイル112との間に位置するスイッチのスイッチング動作を制御する。
【0035】
駆動ドライバ124は、中央制御部122の制御により、直列共振形コンバータ125の動作を制御する。
【0036】
直列共振形コンバータ125は、駆動ドライバ124の制御により、送出しようとする電力信号を発生するための送出電源を生成し、送信コイル110に供給する。つまり、中央制御部122が、要求される電力値を有する電力信号の送出のための電力制御信号を駆動ドライバ124に送ると、駆動ドライバ124は、その送られた電力制御信号に基づいて直列共振形コンバータ125の動作を制御し、直列共振形コンバータ125は、駆動ドライバ124の制御により、要求される電力値に対応する送出電源を送信コイル110に印加して、要求される強度の無線電力信号が送出されるようにする。ここで、生成される無線電力信号の大きさは、アダプタ300の出力電圧により調節することができ、送信制御部120は、電圧変更通信信号を有線又は無線でアダプタ300に送信して、アダプタ300の出力電圧を変更する。
【0037】
また、直列共振形コンバータ125は、駆動ドライバ124の制御により、第1送信コイル111及び第2送信コイル112からそれぞれ第1オブジェクト感知信号及び第2オブジェクト感知信号を発生するための電源を供給する役割を果たす。
【0038】
一方、電力信号を受信して電力の供給を受ける無線電力受信装置200は、受信した電力信号により誘導電力を生成する受信コイル210と、生成された誘導電力を整流する整流部220と、整流された電力でバッテリセルを充電するバッテリセルモジュール230とを含む。
【0039】
バッテリセルモジュール230には、過電圧及び過電流防止回路、温度感知回路などの保護回路が含まれ、また、バッテリセルの充電状態などの情報を収集及び処理する充電管理モジュールが含まれる。
【0040】
一方、アダプタ300は、220V又は110Vの交流商用電源を可変の直流電圧に変換する装置であって、前述のように、中央制御部122の電圧変更要求信号によりオフセット電圧を変更して、出力電圧を変更する。図1bを参照してアダプタ300についてより詳細に説明する。
【0041】
アダプタ300は、通信制御部310と出力電圧制御部320とを含む。
【0042】
通信制御部310は、無線電力送信装置100の送信制御部120から電圧変更通信信号を受信する役割を果たす。そして、通信制御部310は、受信した前記電圧変更通信信号をフィルタリングし、出力電圧制御部320に送る。
【0043】
出力電圧制御部320は、前記電圧変更通信信号に基づいて、無線電力送信装置100に出力される直流電圧値を変更する。すなわち、出力電圧制御部320は、前記電圧変更通信信号に基づいて出力直流電圧を昇圧又は減圧することにより、無線電力送信装置100が適切な電力信号を送信できるようにする。
【0044】
このように、アダプタ300の出力電力を無線電力送信装置100が直接制御することにより、部品点数を減らして製造コストを低減し、無線電力送信効率を向上させることができる。
【0045】
以下、前述の構成を有する本発明の一実施形態による無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法について図2を参照して詳細に説明する。
【0046】
図2は、本発明の一実施形態による無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0047】
同図に示すように、まず、無線電力送信装置100の送信コイル110が位置する充電位置に外部オブジェクトが位置すると、それに伴う送信コイル110の負荷の変化を感知し、前記外部オブジェクトに対してID要求信号を送信する(S1、S3)。前記外部オブジェクトが無線電力受信装置200の場合、無線電力受信装置200は、前記ID要求信号に対するID応答信号を無線電力送信装置100に送信する(S5)。ID応答信号を受信した無線電力送信装置100は、当該ID応答信号により前記外部オブジェクトが無線電力受信装置200であることを確認し、送信コイル110から無線電力信号を送信する(S7)。ここで、送信コイルが2つの場合、送信制御部120は、2つの送信コイルのいずれのコイルに無線電力受信装置200が位置するかを確認し、その確認されたコイルから無線電力信号を送信する。より詳細には、2つの送信コイルに交代でID要求信号を送った後、ID確認信号が受信されるコイルを前記確認されたコイルとして認知する。
【0048】
次に、前記無線電力信号を受信した無線電力受信装置200は、前記無線電力信号を整流部220により整流し、整流された電源を利用してバッテリを充電する(S9)。
【0049】
無線電力受信装置200は、バッテリが充電されることにより、充電電圧情報及びバッテリ充電状態情報を含む充電状態信号を、無線電力受信装置200の受信コイル210から無線電力送信装置100に送信する(S11)。そして、無線電力送信装置100は、前記充電状態信号に基づいて、アダプタ300に電圧変更通信信号を送信する。前記電圧変更通信信号は、無線電力受信装置200の充電状態信号に基づくパワーアップ信号、パワーダウン信号、満充電信号、充電エラー信号のいずれか1つでもよい。
【0050】
これにより、無線電力信号の変更が必要となると、無線電力送信装置100は、電圧変更通信信号をアダプタ300に送信する(S13)。ここで、電圧変更通信信号は、通信線で送信してもよく、プラス線で送信してもよい。これについては後述する。
【0051】
前記電圧変更通信信号を受信したアダプタ300は、電圧オフセットを変更して出力電圧を上昇又は下降させる(S15)。これにより、前記無線電力信号が変更され、従って、適切な充電が継続される(S17、S19)。
【0052】
前述の構成を有する本発明の一実施形態によれば、アダプタ300の出力電力を無線電力送信装置100が直接制御することにより、部品点数を減らして製造コストを低減し、無線電力送信効率を向上させることができる。
【0053】
以下、本発明の一実施形態による無線電力アセンブリにおける無線電力送信装置とアダプタの接続関係について図3を参照して詳細に説明する。
【0054】
図3a及び図3bは、本発明の一実施形態による無線電力アセンブリにおける無線電力送信装置とアダプタの接続関係を説明するための図である。
【0055】
図3aを参照すると、アダプタ300と無線電力送信装置100とが3線で接続されている。同図に示すように、アダプタ300と無線電力送信装置100とは、プラス線401、グランド線402、及び通信線403で接続される。この場合、無線電力送信装置100の送信制御部120は、通信線403を介して、電圧変更通信信号として振幅変調信号をアダプタ300に送信する。あるいは、無線電力送信装置100の送信制御部120は、通信線403を介して、電圧変更通信信号としてワンワイヤシリアル通信信号をアダプタ300に送信することもできる。前記振幅変調信号又はシリアル通信信号を受信したアダプタ300の電圧オフセットを調整することにより、出力電圧の大きさが変更される。
【0056】
図3bを参照すると、アダプタ300と無線電力送信装置100とが2線で接続されている。同図に示すように、アダプタ300と無線電力送信装置100とは、プラス線401及びグランド線402で接続される。この場合、無線電力送信装置100の送信制御部120は、プラス線401を介して、DC変調により電圧変更信号である昇圧要求信号又は減圧要求信号を送信する。すると、前記要求信号を受信したアダプタ300は、通信制御部310により当該要求信号を解析し、その後、出力電圧制御部320により出力電圧の大きさを変更する。
【0057】
以下、前記複数の送信コイルの例を図4a及び図4bを参照して詳細に説明する。
【0058】
図4a及び図4bは、本発明の一実施形態による複数のコイルを備える無線電力送信装置100のコイル構造の例を示す図である。
【0059】
図4aに示すように、本発明の一実施形態による複数のコイルを備える無線電力送信装置100において、第1送信コイル111及び第2送信コイル112は、重畳領域を有し、同一の形状及び大きさを有するようにしてもよい。同図に示すように、第1送信コイル111及び第2送信コイル112は楕円形コイルでもよい。
【0060】
一方、図4bに示すように、第1送信コイル111及び第2送信コイル112は、それぞれ円形コイルと四角形コイルとが結合された形態でもよい。すなわち、同図に示すように、第1送信コイル111及び第2送信コイル112は、円形コイル111−1、112−1が内側に形成され、四角形コイル111−2、112−2が円形コイル111−1、112−1の外側に配置される。
【0061】
図4bに示すような送信コイルは、円形コイルの利点である電力送信効率性と、四角形コイルの利点である移動性を共に備えるため、無線電力受信装置200が電力を受信できない領域であるデッドゾーンを減らすと共に、電力送信効率性を維持することができる。
【0062】
以下、図4aに用いられる楕円形コイルを挿入するための送信側遮蔽コアについて図5を参照して詳細に説明する。
【0063】
図5a及び図5bは、本発明の一実施形態による複数のコイルを備える無線電力送信装置100に用いられる、複数のコイルを収容する遮蔽コア140の斜視図及び平面図である。同図に示すように、遮蔽コア140は、矩形平板状に形成され、第1コイル111を挿入するための第1凹部141、及び第2送信コイル112を挿入するための第2凹部142が形成される。同図に示すように、第1凹部141と第2凹部142とは段差を有するように形成される。また、各凹部141、142の側面と中央には、リード線を挿入するための孔141−1、142−1が形成され、各凹部141、142の中央には、前記送信コイルを固定するための固定部(突出部)141−2、142−2が形成される。ここで、遮蔽コア140は、非晶質フェライト系、Mn−Zn(50重量部:50重量部)、Ni−Fe(80重量部:20重量部)、又はファインメタル(fine-metal)(Fe−Si−Cu−Nb)の少なくとも1つを含むようにしてもよい。
【0064】
このような遮蔽コアにより、第1送信コイル111及び第2送信コイル112から発生する磁場により無線電力送信装置100の送信制御部120が故障することを防止するだけでなく、電力送信効率を向上させることができる。
【0065】
前述の構成を有する本発明の一実施形態による無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法及び無線電力送信アセンブリにおいては、アダプタの出力電圧を無線電力送信装置が直接制御することにより、部品点数を減らして製造コストを低減し、無線電力送信効率を向上させることができる。
【0066】
本発明による無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法及び無線電力送信アセンブリは、上記実施形態の構成と方法に限定されるものではなく、各実施形態の全部又は一部を選択的に組み合わせて構成することで様々に変形することができる。
【符号の説明】
【0067】
100 無線電力送信装置
111 第1送信コイル
112 第2送信コイル
120 送信制御部
121 オブジェクト感知部
122 中央制御部
123 スイッチング制御部
124 駆動ドライバ
125 直列共振形コンバータ
200 無線電力受信装置
210 受信コイル
220 整流部
230 バッテリセルモジュール
300 アダプタ(AC/DCコンバータ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アダプタが交流電源を直流電圧に変更して無線電力送信装置に出力する段階と、
前記無線電力送信装置が電圧変更通信信号を前記アダプタに送信すると、それに基づいて前記アダプタが前記直流電圧の大きさを変更する段階と、
を含む、無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法。
【請求項2】
前記アダプタと前記無線電力送信装置とは、プラス線、グランド線、及び通信線で接続され、
前記無線電力送信装置が電圧変更通信信号を前記アダプタに送信すると、それに基づいて前記アダプタが前記直流電圧の大きさを変更する段階は、
前記無線電力送信装置が前記通信線を介して振幅変調信号又はシリアル通信信号を送信し、当該振幅変調信号又はシリアル通信信号に基づいて、前記アダプタが前記直流電圧の大きさを変更する段階を含む、請求項1に記載の無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法。
【請求項3】
前記電圧変更通信信号は、無線電力受信装置における充電状態信号に基づくパワーアップ信号及びパワーダウン信号の少なくとも一方を含む、請求項2に記載の無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法。
【請求項4】
前記無線電力送信装置が第1送信コイル及び第2送信コイルを含み、
前記第1送信コイル及び前記第2送信コイルの一方により前記無線電力受信装置が感知される段階と、
前記感知された送信コイルにより前記電圧変更通信信号を送信する段階と、
をさらに含む、請求項3に記載の無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法。
【請求項5】
前記アダプタと前記無線電力送信装置とは、プラス線及びグランド線で接続され、
前記無線電力送信装置が電圧変更通信信号を前記アダプタに送信すると、それに基づいて前記アダプタが前記直流電圧の大きさを変更する段階は、
DC変調方式で前記プラス線を介して昇圧要求信号又は減圧要求信号を送信する段階を含む、請求項1に記載の無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法。
【請求項6】
前記無線電力送信装置が電圧変更通信信号を前記アダプタに送信すると、それに基づいて前記アダプタが前記直流電圧の大きさを変更する段階は、
前記アダプタのオフセット電圧を調整して、前記直流電圧の大きさを変更する段階を含む、請求項1に記載の無線電力送信アセンブリにおける電力制御方法。
【請求項7】
交流電源を直流電圧に変更して出力するアダプタと、
前記アダプタから出力される直流電圧を用いて無線電力信号を無線電力受信装置に送信する無線電力送信装置とを含み、
前記無線電力送信装置の送信制御部は、前記直流電圧の大きさを変更するための電圧変更通信信号を前記アダプタに送信し、前記アダプタの前記直流電圧の大きさを変更する、無線電力送信アセンブリ。
【請求項8】
前記アダプタと前記無線電力送信装置とは、プラス線、グランド線、及び通信線で接続され、
前記送信制御部は、前記通信線を介して振幅変調信号又はシリアル通信信号を送信し、当該振幅変調信号又はシリアル通信信号に基づいて、前記アダプタが前記直流電圧の大きさを変更する、請求項7に記載の無線電力送信アセンブリ。
【請求項9】
前記アダプタは、
前記電圧変更通信信号を受信する通信制御部と、
前記通信制御部から前記電圧変更通信信号を受信して前記直流電圧を制御する出力電圧制御部と
を含む、請求項7に記載の無線電力送信アセンブリ。
【請求項10】
前記電圧変更通信信号は、前記無線電力受信装置における充電状態信号に基づくパワーアップ信号及びパワーダウン信号の少なくとも一方を含む、請求項9に記載の無線電力送信アセンブリ。
【請求項11】
前記無線電力送信装置は、第1送信コイル及び第2送信コイルを含み、
前記送信制御部は、前記第1送信コイル及び前記第2送信コイルの一方により前記無線電力受信装置を感知し、前記感知された送信コイルにより前記電圧変更通信信号を送信する、請求項7に記載の無線電力送信アセンブリ。
【請求項12】
前記送信制御部は、前記第1送信コイル及び前記第2送信コイルの負荷変調により、前記無線電力受信装置を感知する、請求項11に記載の無線電力送信アセンブリ。
【請求項13】
前記アダプタと前記無線電力送信装置とは、プラス線及びグランド線で接続され、
前記送信制御部は、DC変調方式で前記プラス線を介して昇圧要求信号又は減圧要求信号を送信する、請求項8に記載の無線電力送信アセンブリ。
【請求項14】
前記送信制御部は、前記アダプタのオフセット電圧を調整して、前記直流電圧の大きさを変更する、請求項7に記載の無線電力送信アセンブリ。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【公開番号】特開2012−205499(P2012−205499A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−67865(P2012−67865)
【出願日】平成24年3月23日(2012.3.23)
【出願人】(512076313)ハンリム ポステック カンパニー リミテッド (7)
【Fターム(参考)】