説明

照明制御システム

【課題】施設の管理者および利用者の双方の負担を軽減できる照明制御システムを提供すること。
【解決手段】点灯情報を二次元コードで表示する紙10または二次元コードを受信して表示する携帯電話110と、予約の際、紙10に二次元コードを表示して発行するまたは携帯電話110に二次元コードを発信して表示させる発行機30と、使用の際、点灯情報に応じて照明設備20を操作する照明制御装置40とを備え、照明制御装置40は、紙10または携帯電話110の二次元コードを非接触で読み取る読取部41と、読み取った二次元情報から点灯情報を認識してこの点灯情報に基づいて照明設備20を制御する制御部43と、を有する点灯制御システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公共施設などの照明設備の利用の際、予約された点灯情報に応じて照明設備を制御する照明制御システムに関し、特に、システムへの点灯情報の入力方法およびシステムの操作方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テニスコートや野球場などの施設において利用者が夜間でも利用できるように、専用の照明設備を備えた施設が多くなっている。照明には多くの費用がかかるため、昼間の施設利用料とは別に照明料金を利用者から徴収する場合が多い。
施設の管理者が一律に照明制御を行うこともあるが、季節ごとの日没時刻の違い、あるいは利用者の都合により、例えば、一定度数が書き込まれたプリペイドカードを利用者が購入し、利用するコートなどに隣接して設置された操作盤にカードを挿入することにより、度数分の照明を行わせるカード式制御装置が知られている(例えば、特許文献1)。このようなカード式制御装置を用いれば照明の無駄が省け、また、利用者に照明料金の適正な負担を求めることができる。また、カードの代わりに利用者が専用コインを購入し、操作盤にコインを投入することによって、コインの枚数に応じて照明設備を点灯させる方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−162968号公報
【特許文献2】特開平2006−164619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の従来のカード式制御装置では、操作盤に挿入されたカードの磁気情報を読み取るために、カード送り用の駆動ローラやゴムベルトなどの可動部、磁気情報を読み取るための磁気ヘッド部が必要となる。操作盤にはカードが頻繁に挿入されるため、駆動ローラが故障したり、ゴムベルトが劣化してひび割れや切断が生じたりすることがある。また、カードの書き込み部と磁気ヘッド部とは接触するため、磁気ヘッド部の消耗が生じることもある。
また、コイン式の操作盤の場合、投入されたコインの大きさを検出するための検出器が設けられるため、コインとの接触によって検出器が故障することがある。
通常、カード式やコイン式の操作盤には、利用者用の操作ボタンが設けられる。利用者は、操作ボタンを押して、照明の強弱といった点灯パターンや照明のON、OFFを入力する。しかし、ボタンの操作には利用者との接触が伴うため、操作ボタンの機械部分が故障しやすい。
【0005】
また、従来、利用者に設定されたID番号を使用する操作盤が知られている(例えば、特許文献2)。ID番号は、管理事務所に設置される親制御盤やサーバによって、利用者が予約した点灯情報とともに管理される。操作盤に入力されたID番号は、操作盤と信号線で接続された親制御盤のID番号と照合される。操作盤は、該当する利用者の点灯情報を親制御盤から読み取って、点灯情報に従って照明装置を制御する。このようにID番号を用いて照明装置を制御する場合、ID番号を入力するために操作盤に操作ボタンを設ける、または、磁気式のIDカードを発行して、操作盤に接触式の読取部を設ける必要がある。
このため、従来のカード式制御装置やID番号を使用する制御装置などでは、駆動ローラなどの可動部、磁気ヘッドなどの接触式読取部、または操作ボタンなどの機械部分に対する定期的なメンテナンスが必要となり、管理者の負担を重くする原因となっていた。これ以外にも、管理者は、管理事務所の窓口において、利用当日のカードやコインの手渡しや、操作盤を操作して使用済みのカードやコインを回収する作業などを行う必要がある。
【0006】
一方、利用者にとっては、利用の当日に管理事務所へカードやコインを受け取りに行くことや、操作盤において点灯パターンを手動で入力するという操作が負担となる。
また、ID番号を使用する場合には、利用者ごとにID番号の発行、ID番号の集中管理などの作業が負担となる。また、管理事務所内の親制御盤によるID番号の照合といった大掛かりな集中管理が必要となり、小規模の施設の照明設備に対して、設置費用の面での負担も大きい。
従って、本発明の目的は、施設の管理者および利用者の双方の負担を軽減できる照明制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明にかかる点灯制御システムは、点灯情報を非接触で読み取り可能な画像情報に変換し、媒体に表示される画像情報を非接触で読み取って、照明設備を制御することを特徴とする。
すなわち、本発明の点灯制御システムは、予約の際、点灯情報を非接触で読み取り可能な画像情報に変換し、媒体に画像情報を表示して該媒体を発行する、または、変換された画像情報を発信して媒体に表示させる発行機と、画像情報を表示する表示部を有する媒体と、使用の際、点灯情報に応じて前記照明設備を操作する操作機と、を備える。前記操作機は、前記表示部の画像情報を非接触で読み取る読取部と、読み取った画像情報から点灯情報を認識して該点灯情報に基づいて照明設備を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
【0008】
ここで、発行機が媒体を発行するとは、例えば画像情報が表示された所定の紙を発行することを示す。また、発行機が画像情報を発信して媒体に表示させるとは、例えば利用者のメール機能付きの携帯情報端末に画像情報を添付したメールを発信して、画像情報を携帯情報端末の表示部に表示させることを示す。
この発明によれば、発行機に非接触式の読取部を設けたので、利用者は、接触式の読取部にカードを挿入したりコインを投入したりせずに、また、操作ボタンを操作したりせずに、媒体に表示される画像情報を読取部に非接触で読み取らせるだけで、点灯情報を操作機に入力できる。従って、接触式の読取部および操作ボタンを設けた際の可動部、接触式の読取部または機械部分を本発明では用いる必要がなくなり、これらの定期的なメンテナンスが省略され、管理者の負担が軽減される。また、カードやコインを使用しないので、利用当日の利用者に対するカードやコインの手渡しや、使用済みのカードやコインを回収する作業といった管理者の負担が軽減される。
【0009】
また、発行機が画像情報を表示した媒体を発行する、または、画像情報を発信して媒体に表示させるので、予約の段階で画像情報を利用者に渡すことが可能となり、利用者が媒体を用いて画像情報を操作機に読み取らせるだけで照明設備を利用できる。すなわち操作機が点灯情報を取得する際に、利用者のID番号を照合する作業が不要となる。操作機は、画像情報に含まれる点灯情報を取得するだけで、単独で照明設備を制御できる。従来のID番号を使用する操作盤と比べると、親制御盤のID番号との照合作業が不要となるだけでなく、大掛かりな信号線工事も不要となる。また、利用者ごとに設定するID番号の集中管理や、IDカードの発行などの作業も要らない。
利用者にとっても、予約の段階で画像情報を表示する媒体を所持できるので、利用の際に管理事務所の窓口に行って手続きをする手間が省ける。また、点灯時刻だけでなく、点灯パターンや利用者名などの点灯条件を点灯情報に含ませることができるので、操作盤に点灯パターンなどを手動で入力するという利用者の負担も軽減される。また、IDカードを用いた場合のように利用者が常時、IDカードを携帯しなければならないという煩わしさもない。つまり、媒体に表示される画像情報は、1回分の予約情報の価値を有するに過ぎず、使用後は容易に破棄できるので、利用者に短期間だけ管理されれば十分である。
【0010】
また、本発明では、前記発行機は、前記点灯情報を縦横に配列されたドットで構成される二次元コードに変換する変換部と、二次元コードを前記媒体に出力する出力部と、を有し、前記読取部は、該読取部にかざされた前記表示部から二次元コードを非接触で読み取ることが好ましい。
この発明によれば、点灯情報を二次元コードに変換するので、点灯年月日、点灯時刻、照明の強弱といった点灯パターンなどの多くの点灯条件を点灯情報に含める場合であっても、コンパクトな画像情報として点灯情報を授受することができる。なお、本発明では、点灯情報は少なくとも点灯時刻を含むものとする。
【0011】
さらに、本発明では、前記媒体は、メール機能付きの携帯情報端末であり、前記出力部は、前記二次元コードの画像情報をメールで前記携帯情報端末に発信し、前記読取部は、前記携帯情報端末の表示部に表示された二次元コードの画像情報を非接触で読み取ることが好適である。
この発明によれば、点灯情報を二次元コードに変換して、画像情報としてインターネットを介して利用者の携帯情報端末にメール送信すれば、媒体を窓口で受け取るといった利用者の負担が軽減される。また、予約した点灯情報を容易に管理できる。
【0012】
また、本発明では、前記操作機は、音声で操作方法を案内する案内部を有することが好ましい。
この発明によれば、利用者が操作機を容易に操作することができ、操作上のトラブルが生じた場合に、利用者自身でトラブルを解消することも可能となる。
【0013】
さらに、本発明では、前記点灯情報は、前記照明設備の点灯パターンの情報を含み、前記操作機は、管理者が必要に応じて前記点灯パターンを手動で切り替えるための点灯パターン入力部を有することが好ましい。また、本発明では、前記点灯情報は、点灯時間の情報を含み、前記操作機は、管理者が必要に応じて前記点灯時間に付加される遅延時間の設定を手動で変更するための遅延時間入力部を有することが好ましい。また、本発明では、前記操作機は、前記照明設備の周辺に複数箇所設けられ、互いに信号線で接続され、いずれかの操作機によって読み取られた前記点灯情報は、前記信号線を経由して他の操作機によって共有され、当該他の操作機によって前記照明設備を消灯することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明では、非接触式の読取部を採用することで、接触式の読取部を用いる場合のような可動部、接触式の読取部または機械部分の定期的なメンテナンスを省略でき、かつ、予約の段階に画像情報を表示する媒体を利用者が所持できるため、利用の際に利用者が画像情報を操作機に読み込ませるだけで照明設備を利用できる。このように、施設の管理者および利用者の双方の負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第一実施形態にかかる照明制御システムの構成の説明図である。
【図2】図1に示したシステムの要部の構成の説明図である。
【図3】図2に示したシステムに対する従来のシステムの構成の説明図である。
【図4】図1に示したシステムの利用状態の説明図であり、(A)は利用申込時、(B)は利用時の説明図である。
【図5】図3に示した従来のシステムの利用状態の説明図であり、(A)は利用申込時、(B)は利用時の説明図である。
【図6】図3に示した従来のシステムにおける管理作業の負担を説明する図である。
【図7】本発明の第二実施形態にかかる照明制御システムの利用状態の説明図であり、(A)は利用申込時、(B)は利用時の説明図である。
【図8】本発明の第三実施形態にかかる照明制御システムの照明制御装置の構成の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づき本発明の好適な第一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる照明制御システムの構成の説明図である。
同図に示す照明制御システムは、予約の際、予約された点灯情報を二次元コードに変換し、紙10に印刷して利用者に発行する。そして、利用の際、紙10に表示された二次元コードを非接触で読み取って、二次元コードから予約された点灯情報を認識し、この点灯情報に基づいて施設の照明設備20を制御するものである。
【0017】
照明制御システムは、媒体である紙10と、紙10を発行する発行機30と、操作機である照明制御装置40とを備える。
発行機30は、例えば施設の管理事務所に設置されたPCとプリンタとを有する。PCは、発行機30の変換部31として機能し、キーボードなどの入力部32から入力される点灯情報をQRコード(登録商標)などの二次元コードの画像情報に変換する。二次元コードは、点灯情報を構成する文字、数字、記号などの情報を縦横に配列されたドットで表示したもので、バーコードよりも多くの情報を画像として表示できる。プリンタは出力部33として機能し、紙10面の所定枠内などの表示部11に二次元コードを印刷する。印刷後の紙10は、管理事務所の窓口で予約に来た利用者に直接渡されてもよいし、利用者に郵送されてもよい。このように発行機30は、紙10に点灯情報を二次元コードの画像情報として表示して、利用者に紙10を発行する。なお、変換部31は、点灯情報を二次元コードに変換するプログラムを実行可能なものであればよく、PCに限られない。出力部33は、二次元コードを画像情報として紙10に出力できる機器であればよく、プリンタに限られない。
【0018】
照明制御装置40(以降、装置とも呼ぶ。)は、例えばテニスコートなどの照明対象となるものの付近に設置され照明設備20を操作するものであり、非接触式の読取部41、判断部42、制御部43および手動入力部44を備える。読取部41は、二次元コードを非接触で読み取る。すなわち、利用者が紙10を読取部41にかざすと、読取部41が所定間隔まで接近した表示部11から二次元コードを非接触で読み取って、二次元コードを取得する。
【0019】
判断部42は、取得された点灯情報から予約された点灯条件を認識する。また、装置40前面に設けられた手動入力部44から、管理者が操作ボタンなどを操作することで入力された手動入力情報がある場合、判断部42は手動入力情報を受け付けて点灯条件に反映する。制御部43は、判断部42が認識し、さらに、手動入力情報が反映された点灯条件に従って、照明設備20を制御する。
【0020】
点灯情報としては、照明設備20を所望の点灯条件で点灯または消灯させる条件の情報である。点灯情報の具体的な項目として、年月日時(点灯時刻、または、点灯時刻と消灯時刻であり、日付を含むものが好ましい。)、照明の強弱などの点灯パターン、利用者名、施設番号(例えば、施設の、テニスコートの、運動場の、野球場の識別番号)などが設定される。点灯情報に利用者名を含めることで、二次元コードを読み取れば、点灯情報がどの利用者のものであるかを特定できる。また、本実施形態の紙10や後述する携帯電話110には、二次元コードと一緒に、点灯情報の内容を文字などで表示させてもよい。利用者が二次元コードを受け取った際に、本人が予約した内容であることを確認できる。また、点灯情報を二次元コードに変換する際に暗号化して、同じ暗号を読み取る機能を備えた照明制御装置40でなければ読み取ることができないようにしてもよい。
【0021】
また、点灯情報には、上記の項目の他、二次元コードがどのバージョンのソフトウェアを用いて作成されたかを確認するためのバージョン番号や、二次元コードが管理者用のものか利用者用のものかを判別するための管理者コードや、読み取り時の読み間違いを確認するためのチェックサムなどの項目を含めてもよい。
以上のように本実施形態では、点灯情報を二次元コードに変換するので、点灯時刻、点灯パターンや利用者名などの多くの点灯条件を点灯情報に含める場合であっても、コンパクトな画像情報として点灯情報を授受することができる。
【0022】
次に、図2、3を用いて本実施形態の照明制御システムを、従来のプリペイドカード式またはコイン式の照明制御システムと比較して説明する。
図2に示すように、本実施形態のシステムでは、紙10、または後述する携帯電話110に表示された二次元コードの画像を読取部41にかざすだけで、読取部41が二次元コードを非接触で読み取り、点灯情報を取得する。制御部43は、点灯情報に含まれている点灯時刻に照明設備20を点灯させる。点灯情報に点灯パターンが含まれていれば、制御部43は、その点灯パターンに従って照明設備20を点灯させる。
【0023】
一方、図3に示すように、従来のシステムでは、プリペイドカード210を読取部241に挿入する、またはコイン211を読取部241に投入すると、接触式の読取部241がカード210の度数またはコイン211の枚数を読み取る。カード式の場合、照明装置20は度数分に応じた時間だけ点灯する。コイン式の場合、同様にコイン211の枚数に応じた時間だけ照明設備20が点灯する。
【0024】
このように従来のシステムに対して、本実施形態の照明制御システムの特徴点なことは、紙10または携帯電話110に表示された二次元コードを非接触で読み取る点である。以下、照明制御システムの利用状態について、従来のシステムの利用状態と比較しつつ、図4、5を用いて説明する。
図4(A)に示すように、本実施形態のシステムでは、利用者が管理事務所で利用申込をする際、予約内容に応じて、点灯時刻、点灯パターン、利用者名などの点灯情報が管理者によって発行機30に入力される。発行機30によって発行される二次元コードを表示した紙10が利用者に渡される。図4(B)に示すように、利用の際、利用者は照明制御装置40に持参した紙10をかざすだけで、照明設備20を利用できる。
【0025】
一方、従来のシステムでは、図5(A)のように、利用者が管理事務所で利用申込をするとともに、図5(B)のように、利用の際、再度、管理事務所でカード210またはコイン211を受け取る。その後、利用者は照明制御装置240にカード210を挿入、またはコイン211を投入して、照明設備20を利用する。
このように、本実施形態のシステムを用いれば、予約の際、二次元コードが表示された紙10を利用者が受け取るので、利用の際、再び窓口に行って手続きする必要がなく、利用者の負担が軽減される。
【0026】
本実施形態の照明制御システムは以上のような構成を備え、特に、照明制御装置40に非接触式の読取部41を設けたので、利用者は、読取部にカードを挿入したりコインを投入したりせずに、また、操作ボタンを操作したりせずに、紙10の二次元コードを読取部41に非接触で読み取らせるだけで、点灯情報を装置40に入力できる。従って、可動部、接触式の読取部または機械部分を用いる必要がなくなり、これらの定期的なメンテナンスが省略され、管理者の負担が軽減される。
【0027】
本実施形態によれば、カードやコインを使用しないので、図6に示すように、利用当日のカード210やコイン211の手渡しや、使用済みのカード210やコイン211を回収する作業といった管理者の負担が軽減される。
また、発行機30が紙10を発行するので、予約の際に紙10を利用者に渡すことが可能となり、利用者が紙10を読取部41にかざして二次元コードを読み取らせるだけで照明設備20を利用できる。すなわち二次元コードを読み取るだけで、照明制御装置40が単独で照明設備20を制御できる。従来のID番号を使用する操作盤と比べると、親制御盤のID番号との照合作業が不要となるだけでなく、大掛かりな信号線工事も不要となる。また、利用者ごとに設定するID番号の集中管理や、IDカードの発行などの作業も要らない。
【0028】
利用者にとっても、予約の段階で紙10を受け取れるので、利用の際に管理事務所の窓口に行って手続きをする手間が省ける。また、点灯情報に、点灯時刻だけでなく点灯パターンや利用者名などの点灯条件を含ませることも可能で、装置40に点灯パターンや利用者名などを手動で入力するという利用者の負担も軽減される。また、IDカードを用いた場合のように利用者が常時、IDカードを携帯しなければならないという煩わしさもない。つまり、紙10に表示される二次元コードは、1回分の予約情報の価値を有するに過ぎず、使用後は容易に破棄できるので、利用者に短期間だけ管理されれば十分である。
【0029】
(第二実施形態)
図7は、本発明の第二実施形態にかかる照明制御システムの利用状態を説明する図である。前記第一実施形態と対応する部分には符号100を加えて示し説明を省略する。
本実施形態において特徴的なことは、携帯情報端末として例えばメール機能付きの携帯電話110、および、インターネットを利用して二次元コードを利用者の携帯電話110に発信する発行機を採用したことである。発行機には、変換した二次元コードの画像情報をメールに添付して発信する発信部が設けられている。また、携帯電話110は、メールを受信すると二次元コードの画像を表示部111に表示する。
【0030】
本実施形態においては、図7(A)に示すように予約の段階で利用者が二次元コードの画像情報を所持できるので、図7(B)のように、利用当日には、二次元コードの画像を読取部にかざすだけで、照明設備20を利用できる。従って、利用者が紙10を窓口で受け取る必要もなく、携帯電話110を用いて点灯情報を容易に管理できる。
本実施形態では、メール機能付きの携帯電話110に二次元コードを発信する場合について説明したが、例えば、利用者が発信された二次元コードを自宅のパソコン等で受信してもよい。利用者が自宅のプリンタで二次元コードの画像を紙に出力すれば、前記実施形態の紙10と同様に使用することができる。従って、携帯電話110のメールを用いる場合と同様に、紙を窓口で受け取る必要がない。
【0031】
(第三実施形態)
図8は、本発明の第三実施形態にかかる照明制御システムにおける照明制御装置340の構成を説明する図である。前記第一実施形態と対応する部分には符号300を加えて示し説明を省略する。
【0032】
本実施形態において特徴的なことは、照明制御装置340において管理者が操作ボタンを手動操作することで、点灯パターンまたは点灯の遅延時間の設定を変更できることである。すなわち、照明制御装置340の手動入力部344には、点灯パターン入力部345と遅延時間入力部346とが設けられる。例えば、今まで点灯パターンが「強」であったところ、「中間」や「弱」へ変更が生じた場合、管理者が、点灯パターン入力部345を操作することで、点灯パターンを「中間」や「弱」に変更できる。また、照明設備20に殺虫器などが設置されている場合、点灯パターンに含めた殺虫器の使用の有無を変更することができる。また、予約時間終了後のかたづけなどの灯りをサポートする消灯遅延時間の設定が10分だったところ、管理者が手動入力部344の操作ボタンで、15分に設定変更できる。また、季節の変動や天候に応じて、消灯遅延時間を長くさせたり、短くさせたりすることができる。
【0033】
このように施設運用上、点灯条件に変更や追加の設定が生じた場合に、管理者が点灯条件を照明制御装置340で変更したり、追加の設定をしたりできるので、利便性が向上する。
【0034】
なお、前述の実施形態において照明制御装置40は、照明設備20の周辺に複数箇所設けられ、いずれかの装置40の読取部41で読取られた点灯情報は、すべての装置40で共有され、点灯の際に使用された装置40とは別の装置40によって消灯できるようにしてもよい。装置40Aで点灯させた後、予約した点灯時間が過ぎたら自動的に消灯するように設定されている場合であっても、予約した点灯時間が過ぎる前に、利用者の操作で消灯することができる。このように照明制御装置40を複数箇所設けることで、入口と出口とが異なる場合などに有効となる。
【0035】
また、本発明の媒体に表示される点灯情報は、二次元コードに変換されたものに限られない。例えば、読取機が、紙に表示された数字などを画像として非接触で取得し、数字などを認識する画像処理機能を有していれば、点灯情報は、二次元コードに変換されなくてもよい。すなわち、点灯情報は、少なくとも操作機が非接触で読み取ることができる形式の画像情報で媒体に表示されていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明にかかる照明制御システムはテニスコートや野球場などの施設照明に利用できる。
【符号の説明】
【0037】
10 紙(媒体)
11,111 表示部
20 照明設備
30 発行機
31 変換部
33 出力部
40,140,340 照明制御装置(操作機)
41 読取部
43,343 制御部
110 携帯電話(携帯情報端末)
345 点灯パターン入力部
346 遅延時間入力部
347 音声案内部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約された点灯条件を示す点灯情報に基づいて照明設備を制御する照明制御システムにおいて、
予約の際、点灯情報を非接触で読み取り可能な画像情報に変換し、媒体に画像情報を表示して該媒体を発行する、または、変換された画像情報を発信して媒体に表示させる発行機と、
画像情報を表示する表示部を有する媒体と、
使用の際、点灯情報に応じて前記照明設備を操作する操作機と、
を備え、前記操作機は、
前記表示部の画像情報を非接触で読み取る読取部と、
読み取った画像情報から点灯情報を認識して該点灯情報に基づいて照明設備を制御する制御部と、
を有することを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記発行機は、前記点灯情報を縦横に配列されたドットで構成される二次元コードに変換する変換部と、二次元コードを前記媒体に出力する出力部と、を有し、
前記読取部は、該読取部にかざされた前記表示部から二次元コードを非接触で読み取ることを特徴とする照明制御システム。
【請求項3】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記媒体は、メール機能付きの携帯情報端末であり、
前記出力部は、前記二次元コードの画像情報をメールで前記携帯情報端末に発信し、
前記読取部は、前記携帯情報端末の表示部に表示された二次元コードの画像情報を非接触で読み取ることを特徴とする照明制御システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記操作機は、音声で操作方法を案内する案内部を有することを特徴とする照明制御システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記点灯情報は、前記照明設備の点灯パターンの情報を含み、
前記操作機は、管理者が必要に応じて前記点灯パターンを手動で切り替えるための点灯パターン入力部を有することを特徴とする照明制御システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記点灯情報は、点灯時間の情報を含み、
前記操作機は、管理者が必要に応じて前記点灯時間に付加される遅延時間の設定を手動で変更するための遅延時間入力部を有することを特徴とする照明制御システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記操作機は、前記照明設備の周辺に複数箇所設けられ、互いに信号線で接続され、
いずれかの操作機によって読み取られた前記点灯情報は、前記信号線を経由して他の操作機によって共有され、当該他の操作機によって前記照明設備を消灯することを特徴とする照明制御システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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