説明

照明制御システム

【課題】照明制御システムにおいて、照明負荷の間引き制御の際、照明負荷の点滅回数に偏りが生じることを防止する。
【解決手段】照明制御システム1において、スイッチ操作器6,7は、複数の照明負荷9から一部の照明負荷9の点灯を省く間引き制御する際、点灯させるごとに点灯する照明負荷9が入れ替わるようにアドレス設定されたスイッチSWを備え、このスイッチSWが押下された場合、該アドレスを含む制御信号を伝送ユニット2に送信する。伝送ユニット2は、該制御信号に含まれるアドレスに対応する照明負荷9を間引き制御するための制御信号をリレー制御端末器3に送信する。この構成により、照明制御システム1において、照明負荷9の間引き制御の際、照明負荷の点滅回数に偏りが生じることを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の制御信号に基づいて照明負荷を制御する照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、制御対象となる照明負荷などの負荷の状態を変化させるための入力端末器と、照明負荷が接続された負荷制御端末器とが信号線を介して伝送ユニットにそれぞれ接続された照明制御システムが知られている。この照明制御システムでは、入力端末器から送信される伝送信号に基づいて、伝送ユニットが、入力端末器に関連付けられたアドレス情報と対応する負荷制御端末器を介して、この負荷制御端末器に接続する照明負荷を制御する。
【0003】
この種の照明制御システムでは、図11に示すように、壁面に設けられた負荷操作器111を介して、複数の照明負荷112から一部の照明負荷112の点灯を省く間引き点灯の制御ができる。この場合、負荷操作器111の1つのスイッチに、同一のグループの複数の照明負荷を同一の制御状態へと一括的に制御するための1つのグループアドレスを設定する。または、負荷操作器111の1つのスイッチに、各照明負荷112を予め定めた所定の制御状態へ一括的に制御するための1つのパターンアドレスを設定する。ユーザは、上記アドレス設定がなされた負荷操作器111のスイッチを押下し、複数の照明負荷をパターン制御やグループ制御して間引き制御を実現する。
【0004】
そして、近年、照明制御システムでは、周囲の照度を検知する照度センサにより検出される周囲環境の照度に合わせて、自動的に、明るい昼間や昼休みなど、照明負荷の間引き制御を行うことで省エネルギーを図る制御が行われている。また、LEDの累積点灯時間が均一になるようにLEDを間引き点灯させるトンネル照明負荷が知れられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−142116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の照明制御システムにおいて間引き制御を行う際、図11に示すように、間引きして点滅させる照明負荷112が固定されている。このため、照明負荷の点滅回数に偏りが生じ、点滅回数の多い照明負荷やリレーの寿命が早くなり、照明負荷の明るさにバラツキが生じ、その結果、ユーザに違和感を与えてしまうという問題がある。
【0007】
また、従来の照明制御システムでは、上記のように間引き制御に用いられるパターンアドレスやグループアドレスが負荷操作器に一度設定されると、間引き制御を行う照明負荷を変更するにはアドレス設定器を用いて再度アドレス設定からやり直す必要がある。この結果、ユーザの手間を要するという問題もある。
【0008】
さらに、図12(a)に示すように、従来の液晶付き負荷操作器121の液晶表示部122においては、OFF時に操作ボタン123の左側に緑表示124、ON時に操作ボタン123の右側に赤表示125がなされる。図12(b)に示すスイッチ式の負荷操作器126では、操作ボタンの左上、右上に設けられたLED127,128をそれぞれOFF時には緑点灯(127)、ON時には赤点灯(128)する。このため、従来の負荷操作器121,126では、照明負荷のON状態又はOFF状態を操作面において確認することはできるが、消灯している照明負荷があった場合、間引き制御のために消灯しているのか、寿命により消灯しているのか分からない。すなわち、ユーザやメンテナンス業者は、負荷操作器121,126の操作面から視覚的に間引き点灯状態を確認することができないという問題がある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、照明負荷の間引き制御において、照明負荷の点滅回数に偏りが生じることを防止した照明制御システムを提供することを目的とする。また、照明負荷の間引き制御状態を視覚的に認識できる負荷操作器を備える照明制御システムを提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、制御対象となる照明負荷の状態を変化させるために操作され、該操作に応じて信号を出力する負荷操作器と、前記負荷操作器の制御対象となる照明負荷を制御する制御端末器と、信号線を介して前記制御端末器及び前記負荷操作器と接続され伝送信号を送受信する伝送ユニットと、を備える照明制御システムにおいて、前記負荷操作器は、複数の照明負荷から一部の照明負荷の点灯を省く間引き制御する際、点灯させるごとに点灯する照明負荷が入れ替わるようにアドレス設定されたスイッチ手段と、前記スイッチ手段が押下された場合、前記アドレスを含む制御信号を前記伝送ユニットに送信する送受信手段と、を備え、前記伝送ユニットは、前記制御信号に含まれるアドレスに対応する照明負荷を間引き制御するための制御信号を前記制御端末器に送信する制御手段を備えた、ことを特徴とする。
【0011】
この照明制御システムにおいて、前記アドレスには、間引き制御において一部の照明負荷を点灯させるパターンアドレス、間引き制御において前記一部の照明負荷以外の照明負荷を点灯させるパターンアドレス、全ての照明負荷を点灯させるパターンアドレス、及び全ての照明負荷を消灯させるパターンアドレスが含まれることが好ましい。
【0012】
この照明制御システムにおいて、前記負荷操作器は、照明負荷の点灯状態を表示する表示部を有し、前記表示部は、間引き点灯状態と、そうでない状態とで表示色又は表示領域を異ならせたことが好ましい。
【0013】
この照明制御システムにおいて、前記表示部は、液晶表示部であり、前記間引き点灯状態においては、照明負荷の全点灯時において所定色で表示される前記液晶表示部の領域の半分の領域を前記所定色で表示することが好ましい。
【0014】
この照明制御システムにおいて、前記表示部は、LED表示部であり、前記間引き点灯状態においては、照明負荷の全点灯時において所定色で表示される前記LED表示部を他の色で表示することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、照明制御システムにおいて、負荷操作器は、間引き点灯させるごとに点灯する照明負荷が入れ替わるようにアドレス設定されたスイッチを有する。このため、間引き制御において、照明負荷の点滅回数に偏りが生じることを防止できる。
【0016】
また、照明制御システムの負荷操作器は、間引き点灯状態と、そうでない状態とで表示色又は表示領域を異ならせて照明負荷の点灯状態を表示する表示部を有するため、照明負荷の間引き制御の状態を視覚的に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1に係る照明制御システムの構成図である。
【図2】同上照明制御システムにおける間引き制御の説明図である。
【図3】同上照明制御システムの伝送ユニットが保持する情報テーブルの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る照明制御システムにおける間引き制御の説明図である。
【図5】同上実施の形態2の第1の変形例に係る照明制御システムの負荷操作器の前面図である。
【図6】(a)本発明の実施の形態3に係る照明制御システムの説明図、(b)同上照明制御システムの負荷操作器に設定されるパターンアドレスの一例を示す図である。
【図7】(a)同上実施の形態3の第1の変形例に係る照明制御システムの間引き制御の説明図、(b)同上照明制御システムの負荷操作器に設定されるグループアドレスの一例を示す図である。
【図8】(a)本発明の実施の形態4に係る照明制御システムの液晶付負荷操作器の表示画面の一例を示す図、(b)同上照明制御システムに係る負荷操作器のLED表示部の前面図、(c)同上LED表示部の前面図である。
【図9】(a)及び(b)はそれぞれ同上実施の形態4の第1の変形例に係る照明制御システムの負荷操作器の前面図である。
【図10】(a)及び(b)はそれぞれ同上実施の形態4の第2の変形例に係る照明制御システムの負荷操作器の前面図である。
【図11】従来の照明制御システムにおける間引き制御の説明図である。
【図12】(a)従来の照明制御システムに用いる液晶付き負荷操作器の前面図、(b)同上照明制御システムに用いる負荷操作器の前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態に係る照明制御システムに関して図面を参照して説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る照明制御システム1の構成を示す。この照明制御システム1は、伝送ユニット2と、リレー制御端末器(制御端末器)3と、リモコンリレー4と、リモコントランス5と、スイッチ操作器(負荷操作器)6と、液晶付スイッチ操作器(負荷操作器)7と、照度センサ8と、照明負荷9とを備えている。リレー制御端末器3、スイッチ操作器6、液晶付スイッチ操作器7、及び照度センサ8は、2線式の信号線を介して伝送ユニット2と相互に接続されている。伝送ユニット2との情報のやり取りは、信号線に割り込み式時分割多重伝送方式で伝送される伝送信号を通して行われる。
【0020】
この照明制御システム1では、室内の壁面などに埋め込まれたスイッチ操作器6や液晶付スイッチ操作器7、照度センサ8を用いて、複数の照明負荷9から一部の照明負荷9の点灯を省く間引き制御や照明負荷9のオン/オフ状態の操作を行うことができる。
【0021】
伝送ユニット2は、スイッチ操作器6、液晶付スイッチ操作器7、及び照度センサ8からの伝送信号に基づいて、伝送信号に含まれるアドレス情報から制御対象となる照明負荷9を特定すると共に、照明負荷9に対する制御状態(オン、オフや調光状態)を特定する。そして、伝送ユニット2は、制御対象となる照明負荷9と対応するリレー制御端末器3に対して、照明負荷9のアドレス情報と、その制御状態とを制御指令信号として送信する制御部を有している。
【0022】
リレー制御端末器3は、リレーの制御状態に応じて照明負荷9の状態を制御する負荷制御端末器としての機能を担っている。リレー制御端末器3は、伝送ユニット2からの伝送信号に基づいて、自己に接続するリモコンリレー4のうち、制御対象となる照明負荷9に対応するリモコンリレー4に対して制御信号を送ることにより、リモコンリレー4の状態を制御する。リモコンリレー4の個々のリレーは、リレー制御端末器3に制御されて、ブレーカ電源(AC100又は200V)10などからの商用交流をオン/オフすることで、照明負荷9をオン状態やオフ状態にする。
【0023】
リモコントランス5は、リレー制御端末器3、及びリモコンリレー4に駆動用の電力を供給する。
【0024】
スイッチ操作器6及び液晶付スイッチ操作器7は、照明負荷9を制御するための制御指令を出力するための入力端末器としての機能を担っている。具体的には、スイッチ操作器6,7は、例えば室内などの任意の壁面に設置されており、照明負荷9を利用するユーザによってプッシュ操作が可能な端末器である。スイッチ操作器6は、スイッチSW(スイッチ手段)のいずれかが操作されるのに応じて、そのスイッチSWに関連付けられているアドレス情報と、スイッチSWの操作状態とを制御信号として伝送ユニット2に送信する送受信手段を備えている。液晶付スイッチ操作器7は、液晶タッチパネルを有し、ユーザが画面表示されるスイッチSW(スイッチ手段)に触れることで、操作状態を制御信号として伝送ユニット2に送信する送受信手段を備えている。
【0025】
スイッチ操作器6,7の各スイッチSWには、照明負荷9の間引き点灯制御を行うため、アドレス情報としてグループアドレスやパターンアドレスが設定されている。このスイッチSWのプッシュ操作に応じて、アドレスに対応する照明負荷9は、間引き点灯状態へと移行する。
【0026】
照度センサ8は、天井面などに設置され、検知領域周辺の明るさを検知(検知照度100〜2000ルクス等)する。そして、照度センサ8は、検知された照度に基づいて照明負荷9を制御するためアドレス情報や制御情報を含む制御信号を、伝送信号線を介して伝送ユニット2に対して送信する。照度センサ8には、照度検出のON/OFF設定、照度値を設定する照度設定用スイッチなどが備わっている。なお、照明制御システム1が備えるセンサ機能は照度センサ8に限定されるものではなく、例えば人の動きの温度変化を検知して照明を制御する熱線センサなどを用いることもできる。
【0027】
これらのスイッチ操作器6、液晶付スイッチ操作器7、及び照度センサ8は、照明負荷9を制御するための負荷操作器であるが、負荷操作器はこれらに限定されるものではない。すなわち、その他の負荷操作器として、人体の熱を検出する熱線センサ、年間プログラムや時間帯プログラムに基づいて照明負荷9の点灯状態(オン状態、オフ状態や調光状態)を制御するタイマユニットや、接点入力端末器を用いることもできる。この接点入力端末器は、他システムからの信号を接続することで他システムからの制御信号に基づいて照明負荷9の間引き制御におけるグループ制御やパターン制御を可能とする。
【0028】
照明負荷9は、負荷アドレスによって一意に特定することができる。具体的には、リレー制御端末器3には、負荷チャネル(Ch)と呼ばれる固有の識別子が割り当てられており、リレー制御端末器3に接続するリモコンリレー4には、負荷ナンバー(Nm)を呼ばれる固有の識別子が割り当てられている。負荷チャネル(Ch)と、負荷ナンバー(Nm)とを組み合わせることにより、負荷アドレス(Ch−Nm)が構成される。
【0029】
次に、本実施の形態1における照明制御システム1の間引き制御に関して説明する。図2に示すように、スイッチ操作器6を用いて照明負荷9の間引き制御を行う際、一部の照明負荷9を点灯させ、残りの照明負荷9を点灯させないこととし、且つ点灯させる毎に点灯する照明が入れ替わるようになる。すなわち、一回目は奇数番目の照明負荷9を点灯させ偶数番目の照明負荷9を消灯させ、二回目には、偶数番目の照明負荷9を点灯させ奇数番目の照明負荷9を消灯させ、三回目以降はこの制御を繰り返す。なお、図2の4つの照明負荷9の負荷アドレスは、左側から「0−1」、「0−2」、「1−1」、「1−2」とする。
【0030】
次に、照明負荷9の間引き制御を行うための制御処理に関して説明する。スイッチ操作器6には、図2に示すように、複数のスイッチの1つに間引き制御用のスイッチSW1が設けられる。このスイッチSW1には、アドレス設定器においてパターンアドレス「P−1」及び「P−2」が交互に設定される。
【0031】
なお、スイッチ操作器6,7に設定されるアドレスには、個別アドレス、グループアドレス、又はパターンアドレスを含む。個別アドレスは、個別制御の対象となる照明負荷9を特定するための情報であり、負荷アドレス(個別「0−1」など)に該当する。グループアドレスは、複数の照明負荷9を同一の制御状態へと一括的に制御するためグループ制御の対象となるグループを特定するための情報であり、予め設定された個々のグループに付与された番号(「G−1」など)がこれに該当する。パターンアドレスは、複数の照明負荷9を、それぞれの照明負荷9に予め定められた所定の制御状態へと一括的に制御するパターンを特定するための情報であり、予め設定された個々のパターンに付与された番号(「P−1」など)である。
【0032】
ユーザが、照明負荷9の間引き制御を行うため、スイッチSW1を押下すると、パターンアドレスP−1及びP−2が交互に制御信号に付加されて伝送ユニット2に送信される。伝送ユニット2は、内部のプロセッサの制御のもと、スイッチ操作器6からの伝送信号に基づいて、スイッチ操作器6の各スイッチに関連付けられたアドレス情報から制御対象となる照明負荷9を特定すると共に、照明負荷9に対する制御状態を特定する。そして、伝送ユニット2が備える制御部は、制御対象となる照明負荷9と対応するリレー制御端末器3に対して、照明負荷9のアドレス情報と、その制御状態とを制御指令として送信することで、リモコンリレー4がリレーを動作させて照明負荷9を間引き制御する。
【0033】
次に、伝送ユニット2におけるアドレス設定に関して説明する。図3に示すように、伝送ユニット2は、例えば、個々のパターンアドレス毎に、そのパターンに割り当てられる照明負荷9の負荷アドレスと、その照明負荷9のパターン状態(オン状態、オフ状態)との対応関係を示した情報テーブル30を保持する。この情報テーブル30は、フル2線式信号線に接続されるアドレス設定器を用いて設定され、「P−2」の制御内容を「負荷アドレス0−1,1−1をオフ、0−2,1−2をオン」などと設定する。伝送ユニット2は、例えばスイッチ操作器6から「P−2」を含む伝送信号を受信した場合、情報テーブル30を検索し、この「P−2」に該当する複数の照明負荷9の制御状態(「負荷アドレス0−1,1−1をオフ、0−2,1−2をオン」)を特定する。
【0034】
なお、グループアドレスの場合も同様であり、伝送ユニット2は、個々のグループアドレス毎に、そのグループに割り当てられる照明負荷9の負荷アドレスを示した情報テーブルを保持する。情報テーブルは、アドレス設定器を用いて設定され、例えば「G−1」の制御範囲を「負荷アドレス0−1,0−2,1−1,1−2」と記憶する。伝送ユニット2は、スイッチ操作器6,7などからグループアドレス(「G−1」)を取得した場合には、情報テーブルを検索することで、このグループアドレスに該当する複数の照明負荷9の制御状態(「0−1,0−2,1−1,1−2」)を特定する。
【0035】
以上の説明のように、本実施の形態1では、ユーザが照明負荷9の間引き制御を行う場合、スイッチ操作器6のスイッチSW1を押下するごとに点灯する照明負荷9が入れ替わる。従って、間引き制御において、照明負荷9の点灯を交互に行い、照明負荷9やリモコンリレー4の動作回数が平均化され、照明負荷9やリモコンリレー4の寿命にばらつきがなくなり、照明負荷9の明るさに差が生じにくい。
【0036】
また、間引き制御する照明負荷9の範囲を切り替えて制御したい場合などにおいて、スイッチ操作器6,7のアドレス設定を変更する手間が省け、簡単に間引き制御できる。従って、照明制御システム1を従来の照明制御システムに適用でき、照明負荷9の延命を図ることができる。
【0037】
(実施の形態2)
以下、本発明に係る照明制御システムの実施の形態2に関して図4を参照して説明する。上記実施の形態1に係る照明制御システム1と同様の構成には同符号を付し、その詳細な説明は省略する(以下同様)。
【0038】
スイッチ操作器6のSW1には、アドレス設定器を用いて、「P−1(一部の照明負荷9を点灯)」、「P−2(この逆の点灯状態)」、「P−3(全点灯)」、「P−4(全消灯)」の4つのパターンアドレスP1〜P4を繰り返すアドレス設定がなされる。
【0039】
伝送ユニット2には、図3の情報テーブル30に示すように、アドレス設定器を用いて「P−1」の制御内容を「0−1,1−1をオン、0−2、1−2をオフ」、「P−2」の制御内容を「0−1,1−1をオフ、0−2、1−2をオン」と設定する。また、「P−3」の制御内容を「0−1,0−2,1−1,1−2をオン」、「P−4」の制御内容を「0−1,0−2,1−1,1−2をオフ」に設定する。
【0040】
このアドレス設定により、スイッチ操作器6のSW1が押下される度に、異なるパターンアドレスP1〜P4が付与された伝送信号が伝送ユニット2に送信される。伝送ユニット2は、この伝送信号に基づいて、情報テーブル30から制御対象となる照明負荷9を特定すると共に、照明負荷9に対する制御状態を特定する。また、伝送ユニット2は、制御対象となる照明負荷9と対応するリレー制御端末器3に対して、照明負荷9のアドレス情報と、その制御状態とを制御指令として送信する。このことで、異なる照明負荷9での間引き点灯パターン、全点灯、及び全消灯を繰り返す間引き制御を実現する。
【0041】
このように、本実施の形態2では、スイッチ操作器6のSW1には間引き制御におけるパターンアドレスP1からP4が設定されているため、再度アドレス設定器を用いてアドレス設定を変更することなく、間引きパターンを順次変更することが可能となる。
【0042】
(第1の変形例)
本実施の形態2の第1の変形例について、図5を参照して説明する。上記実施の形態2においては、スイッチ操作器6のSW1に対して4つのパターンアドレスを設定するが、スイッチ操作器6の種類によっては1つのSWに多くのアドレスを付与できない場合がある。
【0043】
従って、本変形例では、図5に示すように、スイッチ操作器6の化粧カバー6aを外した内部に、4状態切替用のディップスイッチ(設定スイッチ)6bを設けている。このディップスイッチ6bを各状態に切り換えてパターンアドレスP1〜P4を一つずつ設定することができる。このため、ディップスイッチ6bにより、2〜4個のスイッチを備えたスイッチ操作器6においても、各スイッチSWに複数のパターンアドレスを設定して、ディップスイッチ6bを任意の配置にすることで、所望の間引き制御を実現できる。
【0044】
(実施の形態3)
以下、本発明に係る照明制御システムの実施の形態3に関して図6を参照して説明する。図6(a)に示すように、アドレス設定器11を用いてスイッチ操作器6の4つのスイッチ部SW1〜SW4に間引き制御用のパターンアドレスを設定する。この際、図6(b)のテーブル12に示すように、SW1に「P−1」、SW2に「P−5」、SW3に「P−9」、SW4に「P−13」を設定する。
【0045】
スイッチ操作器6は、各スイッチSW1〜SW4に設定されたパターンアドレスと、「パターンアドレス+1」、「パターンアドレス+2」、「パターンアドレス+3」とを一組として固定する。すなわち、スイッチ操作器6は、間引き制御用スイッチSW1〜SW4の各々が押下される度に、SW1ではP1→P2→P3→P4→P1・・・、SW2ではP5→P6→P7→P8→P5・・・、SW3ではP9→P10→P11→P12→P9・・・、SW4ではP13→P14→P15→P16→P13・・・の順番にパターンアドレスを変更する。このことで、スイッチ操作器6は、順に間引き制御のためのパターンアドレス制御を行い、照明制御システム1は照明負荷9の間引き制御を実現できる。なお、このようなパターンアドレスの変更を伝送ユニット2で自動的に行ってもよい。
【0046】
このため、本実施の形態3においては、スイッチ操作器6にディップスイッチ等を設ける必要がなく、既存のスイッチ操作器6の各SWに複数のパターンアドレスを付与できる。また、従来のアドレス設定器11を用いてスイッチ操作器6のアドレス設定ができる。
【0047】
(第1の変形例)
本実施の形態3の第1の変形例について、図7を参照して説明する。上記実施の形態3においては、スイッチ操作器6の各スイッチSW1〜SW4にパターンアドレスを一つ設定するだけで各SWに4つのパターンアドレスが制御に用いられるため、使用されるパターンアドレスが重複する可能性がある。
【0048】
従って、本変形例では、図7(a)に示すように、スイッチ操作器6のスイッチに2つのグループアドレスを設定する。具体的には、図7(b)のテーブル71に示すようにスイッチ操作器6のSW1の一度目のONアドレスは「G1」、SW1の二度目のONアドレスは「G2」、SW2の一度目のONアドレスは「G1,G2」、SW2の二度目のONアドレスは「なし」と設定する。
【0049】
これにより、スイッチ操作器6に新たにディップスイッチ等を設ける必要もなく、既存のスイッチ操作器6を用いて図7(a)に示す照明負荷9の間引き点灯制御を実現できる。また、従来のアドレス設定器を用いて、パターンアドレスの重複使用が防ぎながらスイッチ操作器6のアドレス設定ができる。
【0050】
(実施の形態4)
以下、本発明に係る照明制御システムの実施の形態4に関して図8を参照して説明する。本実施の形態4では、照明負荷9の間引き点灯制御を行う場合のスイッチ操作器6,7の操作面の表示に関して説明する。
【0051】
図8(a)に示す場合、液晶付スイッチ操作器7の液晶表示部60において、表示スイッチ周囲の全点灯時の赤表示の領域部(61)を上下に2分して、間引き制御状態であるかどうかを表示する。具体的には、間引き点灯状態のシーンが2つの場合、一方の照明負荷9群が間引き制御状態である時に上領域側の赤表示(62)を行い、他方の照明負荷9群が間引き制御状態であるときに下領域側の赤表示(63)を行う。
【0052】
この表示により、照明負荷9の間引き点灯状態を液晶付スイッチ操作器7の液晶表示部61で確認でき、ユーザが一目でその時点での照明負荷9の全体の制御状態を把握できる。また、ユーザは照明制御システム1の異常状態もいち早く検知することができる。
【0053】
図8(b)及び図8(c)にはスイッチ操作器6がLED表示部を有する場合であり、既存のスイッチ操作器6として最も汎用されている製品である。図8(b)に示す場合には、従来のON時の赤点灯部分を2色発光LED(例えば赤/橙)とし、間引き点灯(橙色)と全点灯(赤色)とでLED表示色(65)を切り替える。この場合、OFF時には従来通り緑表示(66)とする。
【0054】
図8(c)に示す場合には、間引き制御を表示するため上下2つのLED表示部67を新たに追加する。例えば、照明負荷群AのみをON時の間引き点灯では、表示部67の上側のLED67aのみを橙点灯し、別の照明負荷群BのみをON時の間引き点灯では、表示部67の下側のLED67bのみを橙点灯する。この構成により、従来のスイッチ操作器6において、ユーザがその時点での照明負荷9の間引き点灯状態を視覚的に把握できるようになる。
【0055】
(第1の変形例)
本実施の形態4の第1の変形例について、図9を参照して説明する。本変形例は、ユーザに対してある程度の間引き制御を行う照明負荷9のフレキシビリティを持たせることで、照明負荷9の明るさに合わせた延命制御を行うものである。
【0056】
図9に示すように、スイッチ操作器6は、スイッチ操作器6の化粧カバー6aを取り外した表面からは見えない部分に2極のディップスイッチ6cを備える。そして、例えば、このディップスイッチ6cの2極の内の右側に設定したスイッチSW1の操作を行った場合は、照明負荷群Aを点灯し、再度押下するとOFF制御する。ディップスイッチ6cの2極の内の左側に設定したスイッチSW2の操作を行った場合は、照明負荷群Bを点灯して再度押下するとOFF制御する。
【0057】
この構成により、間引き点灯時に点灯させる照明負荷9を、ディップスイッチ6cを用いてユーザが意図的に選択できる。従って、複数の照明負荷9間で経年変化などにより明るさにばらつきがある場合など、間引き制御する照明負荷9をユーザが選択することで寿命を均一化することができ、また点灯中の明るさのばらつきによる違和感をなくすことができる。
【0058】
(第2の変形例)
本実施の形態4の第2の変形例について、図10を参照して説明する。本変形例では、図10に示すように、ディップスイッチ6dを3極にしている。横並びのディップスイッチ6dを想定した場合に、左端/右端に設定したときの動作は該変形例1のディップスイッチ6cと同様であるが、真ん中に設定した場合にスイッチ操作を行うと全点灯及び全消灯を繰り返すように設定できる。この構成により、スイッチ操作器6の1つのスイッチSWで、全点灯制御、間引き点灯制御、全消灯制御を実現することができ、かつ省スペースなスイッチ操作器6とできる。なお、本発明は、上記実施の形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 照明制御システム
2 伝送ユニット
3 リレー制御端末器(制御端末器)
4 リモコンリレー
5 リモコントランス
6 スイッチ操作器(負荷操作器)
6a 化粧カバー
6b,6c,6d ディップスイッチ
7 液晶付スイッチ操作器(負荷操作器)
8 照度センサ
9 照明負荷
11 アドレス設定器
61 液晶表示部
SW1,SW2,SW3,SW4 スイッチ(スイッチ手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象となる照明負荷の状態を変化させるために操作され、該操作に応じて信号を出力する負荷操作器と、前記負荷操作器の制御対象となる照明負荷を制御する制御端末器と、信号線を介して前記制御端末器及び前記負荷操作器と接続され伝送信号を送受信する伝送ユニットと、を備える照明制御システムにおいて、
前記負荷操作器は、
複数の照明負荷から一部の照明負荷の点灯を省く間引き制御する際、点灯させるごとに点灯する照明負荷が入れ替わるようにアドレス設定されたスイッチ手段と、
前記スイッチ手段が押下された場合、前記アドレスを含む制御信号を前記伝送ユニットに送信する送受信手段と、を備え、
前記伝送ユニットは、
前記制御信号に含まれるアドレスに対応する照明負荷を間引き制御するための制御信号を前記制御端末器に送信する制御手段を備えた、ことを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
前記アドレスには、間引き制御において一部の照明負荷を点灯させるパターンアドレス、間引き制御において前記一部の照明負荷以外の照明負荷を点灯させるパターンアドレス、全ての照明負荷を点灯させるパターンアドレス、及び全ての照明負荷を消灯させるパターンアドレスが含まれる、ことを特徴とする請求項1記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記負荷操作器は、照明負荷の点灯状態を表示する表示部を有し、
前記表示部は、間引き点灯状態と、そうでない状態とで表示色又は表示領域を異ならせた、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記表示部は、液晶表示部であり、前記間引き点灯状態においては、照明負荷の全点灯時において所定色で表示される前記液晶表示部の領域の半分の領域を前記所定色で表示する、ことを特徴とする請求項3記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記表示部は、LED表示部であり、前記間引き点灯状態においては、照明負荷の全点灯時において所定色で表示される前記LED表示部を他の色で表示する、ことを特徴とする請求項3記載の照明制御システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−199099(P2012−199099A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62989(P2011−62989)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】