説明

照明器具

【課題】平面らせん形蛍光ランプの最冷点の昇温を防止して、発光効率を改善することのできる照明器具を提供する。
【解決手段】器具本体12に取り付けられている熱伝導体19を、平面らせん形蛍光ランプ20の最冷点である発光管22の中央部22aに接触させたので、発光管22の中央部22aの熱を、熱伝導体19を介して器具本体12へ逃がすことができ、最冷点22aの昇温を防止して、発光効率を改善することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面らせん形状をした発光管を有する平面らせん形蛍光ランプを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、平面的な光源を得るための平面らせん形蛍光灯を用いた照明器具が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ところで、特許文献1に記載されているような平面らせん形蛍光灯においては、ランプ着脱時に発光管が破損するのを防止するために、発光管を保持する保持部材が設けられる場合がある(例えば特許文献2参照)。
【0004】
図7(a)および(b)に示すように、特許文献2に記載の平面らせん形蛍光ランプ100においては、一連の屈曲した発光管101が、中央部102を中心として略一平面上で渦巻状に旋回された二重渦巻き形状を有している。そして、略対向して離れた両端部、すなわち管端部103a、103bの間には保持部材としてのブリッジ104が設けられている。発光管101の両端面には口金105が設けられており、各口金105には、管端部103a、103bの内部に設けられているフィラメント(図示省略)に接続される一対のランプピン106が設けられている。
【特許文献1】特開2007−157367号公報(第12図、第13図)
【特許文献2】特開2007−87968号公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した平面らせん形蛍光ランプ100においては、フィラメントの発熱により昇温する管端部103a、103bにブリッジ104が取り付けられ、このフィラメントが、最冷点である発光管の中央部102に近接して設けられている。このため、管端部103a、103bの熱によってブリッジ104が加熱され、ブリッジ104の温度が発光管の中央部102に伝達されて、最冷点の温度が上昇し、発光効率が低下するという不都合がある。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、最冷点の昇温を防止して、発光効率を改善することのできる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明器具は、平面らせん形状をした発光管を有する平面らせん形蛍光ランプと、前記平面らせん形蛍光ランプを駆動させる点灯装置と、前記平面らせん形蛍光ランプ及び前記点灯装置を保持する器具本体と、を備えた照明器具であって、前記器具本体に取り付けられて前記発光管の最冷点である中央部に接触する熱伝導体を設けた構成を有している。
【0008】
この構成により、器具本体に取り付けられている熱伝導体を、平面らせん形蛍光ランプの最冷点である発光管の中央部に接触させたので、発光管の中央部の熱を、熱伝導体を介して器具本体へ逃がすことができ、最冷点の昇温を防止して、発光効率を改善することができる。
【0009】
また、本発明の照明器具は、前記発光管の両端部を連結するブリッジを有し、該ブリッジにおける前記発光管の中央部に対応する位置に開口を設け、前記熱伝導体が前記開口を通過して前記発光管の中央部に接触する構成を有している。
【0010】
この構成により、昇温する発光管端部を連結するブリッジを設け、ブリッジにおける発光管の中央部に対応する位置に開口を設けたので、熱伝導体は、開口を介して器具本体と発光管の中央部との間に設けることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、器具本体に取り付けられている熱伝導体を、最冷点である発光管の中央部に接触させたので、中央部の熱を、熱伝導体を介して器具本体へ逃がすことができ、最冷点の昇温を防止して、発光効率を改善することができるという効果を有する照明器具を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の第1実施形態にかかる照明器具の斜視図、図2は本発明の照明器具で用いられる平面らせん形蛍光ランプの斜視図、図3は平面らせん形蛍光ランプを器具本体に取り付ける状態を示す断面図、図4は平面らせん形蛍光ランプを器具本体に取り付けた状態を示す断面図である。
【0013】
図1に示すように、本発明にかかる照明器具10は、天井や壁等の壁面11に固定して使用するものであり、例えば矩形箱状の器具本体12と、器具本体12の前面開口を覆う透明あるいは半透明の樹脂等からなるパネル13を有している。器具本体12の底板12aには、一方の端部寄りに商用交流電源(図示省略)に接続されている点灯装置14等の電気部品が取付けられており、点灯装置14等を覆うとともにパネル13を取付けるための取付板15が設けられている。パネル13は、ネジ13aを取付板15のネジ穴15aに螺合し、締め付けることにより着脱可能に取付けられる。
【0014】
また、底板12の中央部および他方の端部寄りには、光源である平面らせん形蛍光ランプ20の照明光をパネル13側に反射して照明効率を向上させる反射板16が設けられており、反射板16の上面に、平面らせん形蛍光ランプ20を装着するための一対のランプソケット17、17が取付けられている。これらランプソケット17、17は、電源線(図示省略)によって、点灯装置14に接続されている。
【0015】
反射板16の上面には、平面らせん形蛍光ランプ20をランプソケット17に装着した際に、平面らせん形蛍光ランプ20の端部22bを保持するランプ支持バネ18が設けられている。また、反射板16の上面における、平面らせん形蛍光ランプ20を取り付けた際に、発光管22の中央部22aに対応する位置には、熱伝導体19が設けられている(図3参照)。熱伝導体19は、例えばシリコン製の円柱状の部材であり、下端面が反射板16に接着剤等により固定されている。
【0016】
図2に示すように、平面らせん形蛍光ランプ20は、管状の放電路が長手方向中央部22aを始点として同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された発光管22を有しており、発光管22の中央部22aは、その他の部分に比して太径となっていて、最冷点となっている。発光管22の両端部22bにはそれぞれ口金23、23が取付けられており、両口金23、23は、発光管22の中央部22aに対して、点対称の位置に設けられている。各口金23、23には、平面らせん形蛍光ランプ20の平面に直交する方向(図2において上下方向)に配置された一対のランプピン21が、発光管22の軸方向に沿って突出して設けられている。
【0017】
発光管22における最冷点(22a)と反対側面(図2において上側面)には、発光管22の両端部22b、22b同士を連結する保持部材であるブリッジ24が設けられており、ブリッジ24の両端には、発光管22を保持するためのリング状の保持部24aが設けられている。また、ブリッジ24の中央部には、最冷点である発光管22の中央部22aに対応して開口25が設けられている。開口25の形状および大きさは、反射板16に取り付けられている熱伝導体19が通過可能なものであればよく、形状を一致させる必要はない。
【0018】
従って、図4に示すように、平面らせん形蛍光ランプ20を器具本体12に取り付けると、反射板16に取り付けられている熱伝導体19は、平面らせん形蛍光ランプ20のブリッジ24に設けられている開口25を貫通して、平面らせん形蛍光ランプ20の発光管22の中央部22aに接触する。なお、熱伝導体19の長さ(高さ)は、平面らせん形蛍光ランプ20が取り付けられた際に、少なくとも、上端面が発光管22の中央部22aに押し付けられるものとする。
【0019】
以上、説明した本発明の実施形態にかかる照明器具10によれば、器具本体12に取り付けられている熱伝導体19を、最冷点である発光管の中央部22aに接触させたので、発光管の中央部22aの熱を、熱伝導体19を介して器具本体12へ逃がすことができ、最冷点(22a)の昇温を防止して、発光効率を改善することができる。
【0020】
次に、本発明の第2実施形態にかかる照明器具を説明する。
図5は装着前の状態を示す断面図、図6は装着後の状態を示す断面図である。なお、前述した第1実施形態にかかる照明器具と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0021】
本発明にかかる第2実施形態の照明器具10Bにおいては、熱伝導体19Bとして、例えばステンレス製の弾性部材19bをネジ19c等により反射板16に固定し、シリコン製のカバー19dを取り付けた先端部が発光管22の中央部22aに当接するようにした。この際、弾性部材19bの先端のカバー19dは、弾性部材19bの弾性力により、発光管22の中央部22aに押し付けられる。
このようにしても、前述した第1実施形態にかかる照明器具10と同様の作用効果を得ることができる。
【0022】
なお、本発明の照明器具は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる照明器具の斜視図
【図2】本発明の照明器具で用いる平面らせん形蛍光ランプの斜視図
【図3】平面らせん形蛍光ランプを器具本体に取り付ける状態を示す断面図
【図4】平面らせん形蛍光ランプを器具本体に取り付けた状態を示す断面図
【図5】本発明の第2実施形態装着前の状態を示す断面図
【図6】図6は装着後の状態を示す断面図
【図7】(a)従来より知られている平面らせん形蛍光ランプを上方から見た斜視図、(b)は同じく下方から見た斜視図
【符号の説明】
【0024】
10 照明器具
12 器具本体
14 点灯装置
19 熱伝導体
20 平面らせん形蛍光ランプ
22 発光管
22a 中央部
24 ブリッジ
25 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面らせん形状をした発光管を有する平面らせん形蛍光ランプと、前記平面らせん形蛍光ランプを駆動させる点灯装置と、前記平面らせん形蛍光ランプ及び前記点灯装置を保持する器具本体と、を備えた照明器具であって、
前記器具本体に取り付けられて前記発光管の最冷点である中央部に接触する熱伝導体を設けたことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記発光管の両端部を連結するブリッジを有し、該ブリッジにおける前記発光管の中央部に対応する位置に開口を設け、前記熱伝導体が前記開口を通過して前記発光管の中央部に接触することを特徴とする請求項1記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−9880(P2010−9880A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−166437(P2008−166437)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】