説明

照明装置及び照明システム

【課題】火災の発生時に避難者を、煙が一定の濃度以上ある方向へ避難しないように誘導する装置として、通常の誘導灯と同程度の厚みをもつ装置を提供する。
【解決手段】自動火災報知設備が火災を感知すると、信号装置は、動作(点滅)信号を誘導灯10に出力する。誘導灯10の点滅ユニットは、この動作(点滅)信号が入力されると点滅光源21を点滅させ、避難者に避難方向を知らせる。避難方向に設置された煙感知器は、ある一定の濃度以上の煙を感知したとき、停止信号を出力する。誘導灯10の点滅ユニットは、動作(点滅)信号が入力されているときに、停止信号が入力されると、まず、点滅光源21を消灯させる。次に、点滅ユニットは、動作(点滅)信号が入力されているときに、避難方向に設置されている煙感知器からの停止信号が入力され続けるとき、赤色LED又は黄色LEDである停止表示ランプ22を点灯又は点滅させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置及び照明システムに関するものである。本発明は、特に、煙感知器連動停止表示機能付誘導灯、誘導灯用装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
火災が発生すると自動火災報知設備が作動し、火災信号を信号装置に送る。信号装置が動作するとランプを点滅させたり、誘導音を再生したりする機能に加え、誘導先で煙が充満するとランプの点滅や誘導音の再生を停止する機能をもつ誘導灯がある。
【0003】
誘導灯のシンボル面を緑色の光で照らす主表示部と、非常事態発生時に、シンボル面上に表示する進入禁止マークを赤色の光で照らす補助表示部を具備した誘導灯装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−277545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の誘導灯では、誘導先で煙が充満してもランプの点滅や誘導音の再生を停止するだけのため、そこから避難しないほうがよいとは分からないという課題があった。
【0006】
従来の誘導灯装置では、火災が発生したときに点滅させるランプをその用途以外に活用できないという課題があった。さらに、従来の誘導灯装置では、主表示部の背面に補助表示部が取り付けられているため、通常の誘導灯より装置の厚みが増すという課題があった。
【0007】
本発明は、例えば、火災の発生が感知された場合に点滅させる光源を有効に利用しながら、誘導先で一定の濃度以上の煙が感知された場合にそこから避難しないほうがよいことを分かりやすく示すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の態様に係る照明装置は、
火災の発生を感知すると第1信号を送信する信号装置と、一定の濃度以上の煙を感知すると第2信号を送信する煙感知器とに接続され、前記第1信号と前記第2信号とを受信する受信部と、
発光色が所定の色である光源と、
全体の発光色が前記所定の色と異なる色である複数のLEDと、
前記受信部が前記第1信号を受信していない場合、前記光源を消灯させ、前記受信部が前記第1信号を受信した場合、前記光源を点滅させ、前記光源を点滅させているときに前記受信部が前記第2信号を受信した場合、前記光源を消灯させるとともに、前記複数のLEDを点灯又は点滅させる制御部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一の態様では、照明装置が、信号装置で火災の発生が感知された場合に点滅させる光源と発光色が異なる複数のLEDを備えており、光源を点滅させているときに、煙感知器で一定の濃度以上の煙が感知された場合、上記光源を消灯させるとともに、上記複数のLEDを点灯又は点滅させる。このため、上記光源を有効に利用しながら、誘導先で一定の濃度以上の煙が感知された場合にそこから避難しないほうがよいことを分かりやすく示すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1に係る誘導灯の設置例を示す(a)システム構成図、(b)その一部の詳細構成図。
【図2】実施の形態1に係る誘導灯の斜視図。
【図3】実施の形態1に係る誘導灯の構成を示すブロック図。
【図4】実施の形態1に係る誘導灯の透明カバーで覆われた部分の(a)正面図、(b)側面図、(c)底面図、(d)断面図。
【図5】実施の形態2に係る誘導灯の斜視図。
【図6】実施の形態3に係る誘導灯の斜視図。
【図7】実施の形態4に係る誘導灯の斜視図。
【図8】実施の形態5に係る誘導灯の斜視図。
【図9】実施の形態6に係る誘導灯の斜視図。
【図10】実施の形態7に係る誘導灯の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0012】
実施の形態1.
図1(a)は、本実施の形態に係る誘導灯10の設置例を示すシステム構成図である。図1(b)は、その一部の詳細構成図である。
【0013】
図1(a)及び(b)の例において、煙感知器連動停止表示機能付誘導灯である誘導灯10は、地下2階、地上4階建ての建物の各階に設置されている。誘導灯10は、階段入口又は非常口に設置される。なお、避難階(この例では、非常口がある1階)には、煙感知器連動停止表示機能付誘導灯以外の誘導灯が設置されてもよい。
【0014】
誘導灯10は、照明装置の例である。誘導灯10は、電線51で接続される分電盤52と、信号線53で接続される信号装置54と、信号装置54を介して接続される自動火災報知設備55と、信号線56で接続される煙感知器57とともに、照明システム50を構成している。誘導灯10は、上下階のうち避難階に近い階に設置された煙感知器57に接続される。また、誘導灯10は、上下階に設置された他の誘導灯10とも信号線58(渡り線)で接続される。なお、避難階に設置された誘導灯10は、他の誘導灯10と接続されていなくてもよい。
【0015】
分電盤52は、電線51を介して誘導灯10に電力を供給する。なお、誘導灯10は、非常用の電源として蓄電池を内蔵しているものとする。自動火災報知設備55は、不図示の感知器が熱や煙を感知した場合、あるいは、不図示の発信機が人間の操作等に従って所定の信号を発信した場合、火災の発生を通知する火災信号や音声を出力する。信号装置54は、自動火災報知設備55から出力された火災信号を受信すると、即ち、火災の発生を感知すると、信号線53を介して動作(点滅)信号(第1信号)を誘導灯10に送信する。煙感知器57は、一定の濃度以上の煙を感知すると、信号線56を介して停止信号(第2信号)を送信する。この場合、誘導灯10は、信号線58を介して、上下階のうち避難階に近い階に設置された他の誘導灯10に停止信号を転送してもよい。
【0016】
図2は、誘導灯10の斜視図である。図3は、誘導灯10の構成を示すブロック図である。
【0017】
図2及び図3において、誘導灯10は、点滅機能部20と誘導灯機能部30を備える。
【0018】
点滅機能部20は、点滅光源21と、複数の停止表示ランプ22と、点滅ユニット40と、透明カバー23を備える。
【0019】
点滅光源21は、キセノンランプ等であり、発光色が所定の色(例えば、白色)である光源の例である。
【0020】
複数の停止表示ランプ22は、赤色LEDや黄色LED等であり、全体の発光色が上記所定の色と異なる色(赤色、黄色のほか、橙色等でもよい)である複数のLEDの例である。停止表示ランプ22を全て赤色LED又は黄色LEDとすることで、遠方からも視認しやすく、看者が危険であることを認識する光色で停止表示することができる。後述するように、ここでは、誘導灯10は、停止表示ランプ22を6つ備えているが、5つ以下あるいは7つ以上備えていてもよい。
【0021】
点滅ユニット40は、外部信号(外部からの信号)を入力し、この外部信号に基づいて点滅光源21と停止表示ランプ22の点灯状態を制御する。具体的には、点滅ユニット40は、入力される外部信号に基づいて、点滅光源21と停止表示ランプ22を点灯、点滅又は消灯させる制御を行う。点滅ユニット40が入力する外部信号は、例えば、信号装置54が出力する動作(点滅)信号や煙感知器57が出力する停止信号である。
【0022】
点滅ユニット40は、受信部41と制御部42を備える。
【0023】
受信部41は、外部信号を受信する。具体的には、受信部41は、信号装置54から信号線53を介して動作(点滅)信号を受信する。また、受信部41は、煙感知器57から信号線56を介して停止信号を受信する。
【0024】
制御部42は、受信部41が信号装置54から動作(点滅)信号を受信していない場合、点滅光源21を消灯させる。一方、制御部42は、受信部41が信号装置54から動作(点滅)信号を受信した場合、点滅光源21を点滅させる。制御部42は、点滅光源21を点滅させているときに受信部41が煙感知器57から停止信号を受信した場合、点滅光源21を消灯させるとともに、停止表示ランプ22を全て点灯又は点滅させる。
【0025】
制御部42は、動作(点滅)信号より停止信号を優先することが望ましい。よって、制御部42は、動作(点滅)信号と停止信号を同時に受信した場合や、点滅光源21を停止させているときに停止信号を受信した場合には、停止信号に従って停止表示ランプ22を全て点灯又は点滅させればよい。
【0026】
上記のように、点滅ユニット40は、信号装置54が火災信号を受信したときには、点滅機能を動作させる。そして、点滅ユニット40は、避難方向に設置された煙感知器57が作動した場合、点滅機能を停止する基本機能を動作させる。また、これと同時に、点滅ユニット40は、煙が発生していることを視覚的に表示する停止表示ランプ22を点灯又は点滅させる煙感知器連動停止表示機能を動作させる。なお、点滅ユニット40は、点滅機能を動作させる際に、避難者を階段入口等へ誘導する誘導音を再生する機能を動作させてもよい。この場合、点滅ユニット40は、点滅機能を停止する際に、誘導音を再生する機能を停止してもよいし、誘導音の代わりに、避難者に階段入口等へ来ないよう警告する音声を再生してもよい。
【0027】
点滅ユニット40は、誘導灯10の筐体11(本体)に内蔵されている。筐体11は、少なくとも1つの面(前面、あるいは、前面及び後面)を表示面として、避難誘導のための文字と図柄との少なくともいずれかを当該表示面に表示する。ここでは、筐体11は、表示面として、避難誘導のための図柄を表示するシンボル面12を有している。シンボル面12を蛍光ランプやLED等の光源で照らす誘導灯機能部30も、筐体11に内蔵されている。
【0028】
停止表示ランプ22は、シンボル面12を筐体11の正面としたときに筐体11の上面と底面と左側面と右側面とに相当する面の少なくともいずれかに取り付けられる。ここでは、停止表示ランプ22は、筐体11の底面に取り付けられている。点滅光源21も、筐体11の底面の同じ箇所に取り付けられている。このように、本実施の形態では、停止表示ランプ22が誘導灯10の正面(シンボル面12)や背面以外の部分に取り付けられているため、通常の誘導灯と同等の厚みが得られる。また、誘導灯10を両面灯とすることができる。即ち、本実施の形態では、停止表示ランプ22が誘導灯10の正面や背面以外の部分に取り付けられているため、背面にも避難誘導のための文字や図柄を表示することができる。なお、停止表示ランプ22は、筐体11の正面や背面に取り付けてもよい。この場合、停止表示ランプ22は、筐体11の正面や背面に表示される文字や図柄とは一定の間隔を空けて離れた位置(目立つ位置)に取り付けられることが望ましい。また、この場合、誘導灯10が片面灯であれば、停止表示ランプ22は、筐体11の正面と背面のうち、文字や図柄が表示される面に取り付けられることが望ましい。
【0029】
透明カバー23は、透光性及び拡散性を有し、停止表示ランプ22を覆うように筐体11に取り付けられるカバーの例である。本実施の形態では、透明カバー23は、点滅光源21と停止表示ランプ22を覆っている。
【0030】
図4(a)は、誘導灯10の透明カバー23で覆われた部分の正面図、図4(b)は、その側面図、図4(c)は、その底面図、図4(d)は、その断面図である。
【0031】
図4(a)〜(d)において、透明カバー23は、外形が略カマボコ状で、曲面部分にエッジ部(折り曲げ部)が形成されており、短手方向の断面がホームベースのような五角形となっている。透明カバー23は、長手方向においても短手方向においても下方にいくに従って幅が小さくなっており、特に、短手方向においては下端が尖っている。例えば、透明カバー23の短手方向の断面は、上辺を水平とし、5つある角の角度を上から、75度(左右とも)、150度(左右とも)、90度(下端)等とすることができる。即ち、透明カバー23は、短手方向の側面の上部が急傾斜面であり、下部が緩傾斜面である。例えば、急傾斜面と緩傾斜面の境目は、透明カバー23の上端から全高の3分の2の位置等とすることができる。透明カバー23を、このような形状とすることで、停止表示ランプ22から発せられる光を様々な方向に散乱させることができ、拡散性が向上する。その結果、停止表示ランプ22の点灯又は点滅時の視認性が高まり、避難者にとって、そこから避難しないほうがよいことがより分かりやすくなる。なお、透明カバー23の形状は、これに限らず、例えば短手方向の断面を円弧形状、半円形状、三角形状、矩形状、台形状、その他の多角形状等としてもよい。
【0032】
透明カバー23は、内側に、停止表示ランプ22から発せられる光をシンボル面12の水平方向以外の方向に反射する反射面を有する。この反射面は、透明カバー23の下部の内面に塗装又は蒸着等により設けられた反射材24によって形成されている。停止表示ランプ22からの光が反射材24の反射面で反射されるため、停止表示ランプ22の点灯又は点滅時の視認性がさらに高まる。又、内面に線状の凸部を1本以上配置して光を線状に拡散させても同様の効果が得られる。
【0033】
停止表示ランプ22は、視認性を良くするため、外部から観たときに点滅光源21に重ならないような並べ方で複数個配置されている。ここでは、停止表示ランプ22は、点滅光源21の前方に2つ、後方に2つ、左右に1つずつが配置されている。このような配置方法を採用することで、1つの透明カバー23を、点滅光源21と停止表示ランプ22とで共用できるという効果も得られる。
【0034】
次に、火災等が発生したときの照明システム50の動作について、説明する。
【0035】
建物内で火災が発生すると、空気が温められて生じる上昇気流によって、火災により発生した煙が居室内の天井付近から徐々に居室内全体に広がっていく。この煙を自動火災報知設備55が感知すると、信号装置54は、動作(点滅)信号を誘導灯10に出力する。誘導灯10の点滅ユニット40は、この動作(点滅)信号が入力されると点滅光源21を点滅させ、避難者に避難方向を知らせる。
【0036】
このように、居室内の天井等の高い位置に煙感知器を設置した場合、居室内の上部に煙が充満してきていることを避難者に通知することができる。したがって、避難者は居室内の上部に煙が充満して危険なことを知ることができ、予め姿勢を低くして誘導灯10の設置された避難口から避難すべきとの判断が行え、安全に避難をすることができる。
【0037】
避難方向(地上であれば下階)に設置された煙感知器57は、ある一定の濃度以上の煙を感知したとき、停止信号を出力する。誘導灯10の点滅ユニット40は、動作(点滅)信号が入力されているときに、停止信号が入力されると、まず、点滅光源21を消灯(点滅を停止)させる。次に、点滅ユニット40は、動作(点滅)信号が入力されているときに、避難方向に設置されている煙感知器57からの停止信号が入力され続けるとき、停止表示ランプ22を点灯又は点滅させる。
【0038】
停止信号が入力され、点滅ユニット40が点滅光源21を消灯させてから、その状態を継続する場合、点滅ユニット40を動作させているのが蓄電池であれば、その蓄電池は容量が残っていても使用されないままとなる。しかし、本実施の形態では、点滅ユニット40が停止表示ランプ22を点灯又は点滅させるため、蓄電池を有効に利用することができる。
【0039】
例えば、煙が階段室内の高い位置に充満してきたとき、煙感知器57の摂取用穴に煙が入り込み、その濃度や時間等により煙感知器57が作動し、停止信号を出力する。この場合、上記のように、誘導灯10の点滅ユニット40は、点滅機能を停止させる。これは、通常、非常口が1階にあることが多いため、1階に近い次の階(地上であれば下階)へ避難誘導を行うが、その階で煙を感知したときに、その階へ避難誘導を行うと、避難者が煙に巻き込まれるおそれがあるためである。本実施の形態では、点滅ユニット40が、煙が発生していることを視覚的に表示する停止表示ランプ22として、危険を表す色である赤色又は注意を表す色である黄色のLEDを点灯又は点滅させるため、避難者は避難先(階段室内の上部等)に煙が充満して危険なことを知ることができ、誘導灯10の設置された避難口から避難すべきでない、あるいは、他の避難口を探すべきとの判断が行え、安全に避難をすることができる。つまり、点滅光源21を消灯させ、停止表示ランプ22を点灯又は点滅させることで、積極的に避難誘導を行うことをやめ、少なくとも次の階で煙を感知していることを避難者に知らせることができる。
【0040】
このように、本実施の形態では、点滅光源21を有効に利用しながら、誘導先で一定の濃度以上の煙が感知された場合にそこから避難しないほうがよいことを分かりやすく示すことが可能となる。さらに、本実施の形態では、透明カバー23及びその反射材24に停止表示ランプ22の光があたり、拡散、反射するため、停止表示ランプ22の視認性が高い。したがって、そこから避難しないほうがよいことをより分かりやすく示すことが可能となる。
【0041】
本実施の形態では、非常時(パニック時)に他の避難経路が考えられない場合の最終手段として、煙に十分注意を行いながら避難ができるように、誘導灯10のシンボル面12は避難誘導を示すように点灯させつつ、停止表示ランプ22を点灯又は点滅させて、少なくとも次の階では煙を感知していることに関し、注意を喚起することができる。
【0042】
なお、通常別の階(地上であれば下階)に設置される煙感知器57の動作を確認する際は、その階に設置されている誘導灯10の動作点検ランプにて、動作確認をしなければならない。しかし、本実施の形態では、点検時にも、誘導灯10の停止表示ランプ22を点灯又は点滅させる動作を確認することにより、別の階に設置されている誘導灯10の動作点検ランプの点灯状態を確認することなく、別の階に設置されている煙感知器57の動作確認ができるため、点検が容易になる。
【0043】
本実施の形態では、煙が発生していることを視覚的に表示する停止表示ランプ22として、危険を表す色である赤色のLED、又は、注意を表す色である黄色のLEDを用いているため、避難者が色で瞬時に危険を察知することができる。
【0044】
なお、前述したように、誘導灯10は、非常時等に誘導音を発する誘導音付の煙感知器連動停止表示機能付誘導灯であってもよい。
【0045】
以上のように、本実施の形態によれば、火災発生時に避難する方向に煙が充満していることが事前にわかり、事前に安全な避難口を選定して避難することが可能となる。
【0046】
本実施の形態では、避難先に煙が充満している場合、点滅機能(及び誘導音の再生機能)が設けられた誘導灯10の煙感知器連動停止機能により、点滅機能を停止するとともに、そこに危険な煙が充満していることを知らせるために、停止表示ランプ22を点灯又は点滅させる。したがって、避難者は火災発生場所から遠い安全な避難口に避難することが可能となり、死亡事故や煙による中毒を防止しやすくなる。
【0047】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0048】
図5は、本実施の形態に係る誘導灯10の斜視図である。
【0049】
図5に示すように、停止表示ランプ22は、筐体11の底面の点滅光源21と異なる箇所に取り付けられてもよい。ここでは、停止表示ランプ22は、カバーで覆われていないが、透明カバー23と同様のカバーで覆われていてもよい。
【0050】
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0051】
図6は、本実施の形態に係る誘導灯10の斜視図である。
【0052】
図6において、停止表示ランプ22は、点滅光源としても用いられる。したがって、本実施の形態では、キセノンランプ等の点滅光源21は不要となる。
【0053】
点滅ユニット40において、受信部41の動作については、実施の形態1と同様である。
【0054】
制御部42は、受信部41が信号装置54から動作(点滅)信号を受信していない場合、停止表示ランプ22を消灯させる。一方、制御部42は、受信部41が信号装置54から動作(点滅)信号を受信した場合、停止表示ランプ22を白色(青色や緑色等でもよい)に調光して点滅させる。制御部42は、停止表示ランプ22を白色に調光して点滅させているときに受信部41が煙感知器57から停止信号を受信した場合、停止表示ランプ22を赤色又は黄色(橙色等でもよい)に調光して点灯又は点滅させる。
【0055】
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0056】
図7は、本実施の形態に係る誘導灯用装置10aの斜視図である。
【0057】
図7において、誘導灯用装置10aは、天井埋込型の煙感知器連動停止表示機能付誘導灯用装置であり、実施の形態1の誘導灯10から誘導灯機能部30を省いたものである。誘導灯用装置10aは、信号線を介して、誘導灯機能部30を備えた外部の誘導灯(シンボル面12も有する)に接続され、当該誘導灯とともに、実施の形態1と同様の照明装置を構成する。照明装置の動作については、実施の形態1と同様である。
【0058】
実施の形態5.
本実施の形態について、主に実施の形態4との差異を説明する。
【0059】
図8は、本実施の形態に係る誘導灯用装置10aの斜視図である。
【0060】
図8に示すように、誘導灯用装置10aは、壁直付型の煙感知器連動停止表示機能付誘導灯用装置であってもよい。
【0061】
実施の形態6.
本実施の形態について、主に実施の形態3との差異を説明する。
【0062】
図9は、本実施の形態に係る誘導灯用装置10aの斜視図である。
【0063】
図9において、誘導灯用装置10aは、実施の形態4と同様に、天井埋込型の煙感知器連動停止表示機能付誘導灯用装置であり、実施の形態3の誘導灯10から誘導灯機能部30を省いたものである。
【0064】
実施の形態7.
本実施の形態について、主に実施の形態6との差異を説明する。
【0065】
図10は、本実施の形態に係る誘導灯10の斜視図である。
【0066】
図10に示すように、誘導灯用装置10aは、壁直付型の煙感知器連動停止表示機能付誘導灯用装置であってもよい。
【0067】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらのうち、2つ以上の実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらのうち、2つ以上の実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
【符号の説明】
【0068】
10 誘導灯、10a 誘導灯用装置、11 筐体、12 シンボル面、20 点滅機能部、21 点滅光源、22 停止表示ランプ、23 透明カバー、24 反射材、30 誘導灯機能部、40 点滅ユニット、41 受信部、42 制御部、50 照明システム、51 電線、52 分電盤、53 信号線、54 信号装置、55 自動火災報知設備、56 信号線、57 煙感知器、58 信号線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災の発生を感知すると第1信号を送信する信号装置と、一定の濃度以上の煙を感知すると第2信号を送信する煙感知器とに接続され、前記第1信号と前記第2信号とを受信する受信部と、
発光色が所定の色である光源と、
全体の発光色が前記所定の色と異なる色である複数のLEDと、
前記受信部が前記第1信号を受信していない場合、前記光源を消灯させ、前記受信部が前記第1信号を受信した場合、前記光源を点滅させ、前記光源を点滅させているときに前記受信部が前記第2信号を受信した場合、前記光源を消灯させるとともに、前記複数のLEDを点灯又は点滅させる制御部と
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記照明装置は、さらに、
少なくとも1つの面を表示面として、避難誘導のための文字と図柄との少なくともいずれかを前記表示面に表示する筐体
を備え、
前記複数のLEDは、前記表示面を前記筐体の正面としたときに前記筐体の上面と底面と左側面と右側面とに相当する面の少なくともいずれかに取り付けられることを特徴とする請求項1の照明装置。
【請求項3】
前記照明装置は、さらに、透光性を有し、前記複数のLEDを覆うように前記筐体に取り付けられるカバーであって、内側に、前記複数のLEDから発せられる光を前記表示面の水平方向以外の方向に反射する反射面を有するカバーを備えることを特徴とする請求項2の照明装置。
【請求項4】
前記複数のLEDは、前記光源としても用いられ、
前記制御部は、前記受信部が前記第1信号を受信していない場合、前記複数のLEDを消灯させ、前記受信部が前記第1信号を受信した場合、前記複数のLEDを白色に調光して点滅させ、前記複数のLEDを白色に調光して点滅させているときに前記受信部が前記第2信号を受信した場合、前記複数のLEDを赤色又は黄色に調光して点灯又は点滅させる請求項1の照明装置。
【請求項5】
火災の発生を感知すると第1信号を送信する信号装置と、
一定の濃度以上の煙を感知すると第2信号を送信する煙感知器と、
前記信号装置と前記煙感知器とに接続され、前記第1信号と前記第2信号とを受信する受信部と、発光色が所定の色である光源と、全体の発光色が前記所定の色と異なる色である複数のLEDと、前記受信部が前記第1信号を受信していない場合、前記光源を消灯させ、前記受信部が前記第1信号を受信した場合、前記光源を点滅させ、前記光源を点滅させているときに前記受信部が前記第2信号を受信した場合、前記光源を消灯させるとともに、前記複数のLEDを点灯又は点滅させる制御部とを有する照明装置と
を備えることを特徴とする照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−43534(P2012−43534A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180765(P2010−180765)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】