説明

照明装置

【課題】 PWM信号を出力する装置を使用することなく、複数のLEDの輝度を制御する。
【解決手段】 照明装置は、グリッド番号およびセグメント番号の組合せに対する輝度を記憶する記憶手段と、所定期間に1つのグリッド番号に対応するグリッド制御回路に第1の一方レベルの割込信号を出力し、所定期間に、所定期間を輝度の取り得る数で分割した割込単位期間であって、グリッド番号およびセグメント番号の組合せに対する輝度に応じた数の割込単位期間だけ前記セグメント制御回路に第2の一方レベルの割込信号を出力するマイコンとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光素子を有する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオ機器やPC等の照明装置としてLEDが使用されている。例えば、RGBの3色のLEDを使用すると、光の3原色によって、2(点灯/消灯)の3乗(R/G/B)=8色を表現することができる。さらに、RGBの各色のLEDの輝度を調整することによって、表現色を増加させることができる。例えば、16段階の輝度調整ができる場合、16の3乗=4096色を表現することができる。LEDの輝度を変化させる手法として、PWM信号によってLEDの点灯/消灯の期間および周期を変化させる方法が一般的である。また、多数のLEDを効率的に点灯させる場合、グリッドスキャン方式が使用されている。例えば、縦10個×横10個=100個ずつのRGBのLEDを使用するとき、マイコンにはグリッド制御用ポート=10個、各色のLEDの制御ポート=10個、合計40個のポートが必要となる。そして、各色のLEDの輝度をPWM信号によって変化させるためには、マイコンに設けられる30個のLEDの制御ポートはPWM信号を出力可能なポートである必要がある。しかし、実際には汎用的なマイコンにはPWM信号を出力可能なポートは少数しか設けられていない。従って、別途、PWM信号を出力するICを設け、マイコンによってこのICを制御する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−98991号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、PWM信号を出力する装置を使用することなく、複数のLEDの輝度を制御することができる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好ましい実施形態による照明装置は、グリッド番号およびセグメント番号の組合せで特定され、グリッド制御回路およびセグメント制御回路から発光素子を点灯させるために必要な電位が供給されたときに点灯する複数の発光素子と、各グリッド番号に対応して設けられ、制御手段から第1の一方レベルの割込信号を受信したときに、前記発光素子を点灯させるために必要な電位を、グリッドに対応する複数の前記発光素子の一方端子に供給する複数の前記グリッド制御回路と、各セグメント番号に対応して設けられ、前記制御手段から第2の一方レベルの割込信号を受信したときに、前記発光素子を点灯させるために必要な電位を、セグメントに対応する複数の前記発光素子の他方端子に供給する複数の前記セグメント制御回路と、前記グリッド番号および前記セグメント番号の組合せに対する輝度を記憶する記憶手段と、所定期間に1つの前記グリッド番号に対応する前記グリッド制御回路に前記第1の一方レベルの割込信号を出力し、前記所定期間に、前記所定期間を前記輝度の取り得る数で分割した割込単位期間であって、前記グリッド番号および前記セグメント番号の組合せに対する前記輝度に応じた数の割込単位期間だけ前記セグメント制御回路に前記第2の一方レベルの割込信号を出力する前記制御手段とを備える。
【0006】
好ましい実施形態においては、前記グリッド番号および前記セグメント番号の組合せで特定され前記発光素子が、複数色分設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、PWM信号を出力する装置を使用することなく、複数のLEDの輝度を制御することができる照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の好ましい実施形態による照明装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の好ましい実施携帯による照明回路を示す回路図である。
【図3】表示データを示す図である。
【図4】マイコン10が出力する割込信号を示すタイミングチャートである。
【図5】マイコン10の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本実施形態による照明装置を示す概略ブロック図である。照明装置は、照明回路1と、マイコン10と、メモリ11とを概略備える。マイコン(制御手段)10は、タイマー割り込みの機能を使用して、照明回路1のLEDの点灯および消灯を制御する。メモリ(例えばROM)11には、図3に示す表示データが格納されている。
【0010】
図2は、照明回路1を示す回路ブロック図である。本実施形態では、照明回路1は、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色の発光素子(LED(発光ダイオード))を100個ずつ有する。すなわち、R、G、Bの各色のLEDが縦方向に10個、かつ、横方向に10個設けられている。図2において、DR1、DR2、・・、DR11、・・等はR色のLEDを示し、DG1、DG2、・・、DG11、・・等はG色のLEDを示し、DB1、DB2、・・、DB11、・・等はB色のLEDを示している。なお、これに限定されず、1色または2色のLEDだけが設けられていてもよい。
【0011】
照明回路1において、横方向をグリッド(GRID)と定義し、縦方向をセグメント(Segment)と定義する。つまり、1つのグリッドは、R、G、Bの各色のLEDを10個ずつ有し、合計10個のグリッドが存在する。1つのセグメントは、R、G、Bの各色のLEDを10個ずつ有し、合計10個のセグメントが存在する。つまり、各LEDは、グリッド番号およびセグメント番号の組合せで特定される。例えば、グリッド番号1、セグメント番号1のLEDは、DR1、DG1、DB1であり、グリッド番号1、セグメント番号2のLEDは、DR11、DG11、DB11であり、グリッド番号2、セグメント番号1のLEDは、DR2、DG2、DB2である。
【0012】
照明回路1は、グリッドの数分のグリッド制御回路1a1〜1a10を有する。つまり、グリッド制御回路は、各グリッド番号に対応して設けられている。グリッド制御回路は、マイコン10から第1の一方レベルの割込信号(例えば、ローレベルの割込信号)を受信したときに、LEDを点灯させるために必要な電位(例えば電源電圧Va)を、グリッドに対応する複数のLEDの一方端子に供給する。その結果、グリッド制御回路は、それぞれのグリッドに含まれるLEDの点灯および消灯を、マイコン10からの割込信号に応じて制御する。各グリッド制御回路は、マイコン10の対応するグリッド制御ポートに接続されている。例えば、グリッド1のグリッド制御回路1a1は、マイコン10のグリッド1制御ポートGRD1に接続されている。グリッド2のグリッド制御回路1a2は、マイコン10のグリッド2制御ポートGRD2に接続されている。
【0013】
各グリッド制御回路は、トランジスタ(例えばpnpトランジスタ)と2つの抵抗とを含む。例えば、グリッド1のグリッド制御回路1a1は、トランジスタQ1と、抵抗R1、R2とを含む。トランジスタQ1のベースは、抵抗R1の一端と抵抗R2の一端とに接続され、そのエミッタは電源電圧Va(例えば5V)に接続され、コレクタは、グリッド1内の合計30個のLEDの各アノードに接続されている。抵抗R1の他端は、マイコン10のグリッド1制御ポートGRD1に接続されている。抵抗R2の他端は、トランジスタQ1のエミッタと、電源電圧Vaとに接続されている。なお、グリッド2〜グリッド10の各グリッド制御回路1a2〜1a10の構成も同様である。
【0014】
例えば、グリッド制御回路1a1は、マイコン10のグリッド1制御ポートからの割込信号がローレベルのときにトランジスタQ1がオン状態になり、電源電圧をグリッド1内の30個のLEDのアノードに供給する。グリッド制御回路1a1は、マイコン10のグリッド1制御ポートからの割込信号がハイレベルのときにトランジスタQ1がオフ状態になり、電源電圧をグリッド1内の30個のLEDのアノードに供給しない(つまり、各LEDのアノードを開放する)。
【0015】
照明回路1は、セグメントの数分のセグメント制御回路1b1〜1b10を有する。つまり、セグメント制御回路は、各セグメント番号に対応して設けられている。セグメント制御回路は、マイコン10から第2の一方レベルの割込信号(例えば、ハイレベルの割込信号)を受信したときに、LEDを点灯させるために必要な電位(例えば接地電位)を、セグメントに対応する複数のLEDの他方端子に供給する。その結果、セグメント制御回路は、それぞれのセグメントに含まれるLEDの点灯および消灯を、マイコン10からの割込信号に応じて制御する。各セグメント制御回路は、マイコン10の対応するセグメント制御ポートに接続されている。例えば、セグメント1のセグメント制御回路1b1は、マイコン10のセグメント1制御ポートSEG1R、SEG1G、SEG1Bに接続されている。セグメント2のセグメント制御回路1b2は、マイコン10のセグメント1制御ポートSEG2R、SEG2G、SEG2Bに接続されている。ここで、SEG1Rのように末尾が「R」であるセグメント制御ポートは、R色のLEDの点灯および消灯を制御するポートである。SEG1Gのように末尾が「G」であるセグメント制御ポートは、G色のLEDの点灯および消灯を制御するポートである。SEG1Bのように末尾が「B」であるセグメント制御ポートは、B色のLEDの点灯および消灯を制御するポートである。
【0016】
各セグメント制御回路は、3つのトランジスタ(例えばnpnトランジスタ)と3つの抵抗とを含む。1つのトランジスタと1つの抵抗との組が1色分に対応している。例えば、セグメント1のセグメント制御回路1b1は、トランジスタQ11、Q12、Q13と、抵抗R21、R22、R23とを含む。トランジスタQ11のベースは、マイコン10のセグメント1制御ポートSEG1Rに接続され、エミッタは接地電位に接続され、コレクタは抵抗R21を介して、セグメント1内のR色の各LEDのカソードに接続されている。トランジスタQ12のベースは、マイコン10のセグメント1制御ポートSEG1Gに接続され、エミッタは接地電位に接続され、コレクタは抵抗R22を介して、セグメント1内のG色の各LEDのカソードに接続されている。トランジスタQ13のベースは、マイコン10のセグメント1制御ポートSEG1Bに接続され、エミッタは接地電位に接続され、コレクタは抵抗R23を介して、セグメント1内のB色の各LEDのカソードに接続されている。なおセグメント2〜セグメント10の各セグメント制御回路1b2〜1b10の構成も同様である。
【0017】
セグメント制御回路1b1は、マイコン10のセグメント1制御ポートSEG1Rからの割込信号がハイレベルのときにトランジスタQ11がオン状態になり、セグメント1内の10個のR色のLEDのカソードに接地電位を供給する。セグメント制御回路1b1は、マイコン10のセグメント1制御ポートSEG1Rからの割込信号がローレベルのときにトランジスタQ11がオフ状態になり、セグメント1内の10個のR色のLEDのカソードに接地電位を供給しない(つまり、R色のLEDのカソードを開放する)。
【0018】
セグメント制御回路1b1は、マイコン10のセグメント1制御ポートSEG1Gからの割込信号がハイレベルのときにトランジスタQ12がオン状態になり、セグメント1内の10個のG色のLEDのカソードに接地電位を供給する。セグメント制御回路1b1は、マイコン10のセグメント1制御ポートSEG1Gからの割込信号がローレベルのときにトランジスタQ12がオフ状態になり、セグメント1内の10個のG色のLEDのカソードに接地電位を供給しない(つまり、G色のLEDのカソードを開放する)。
【0019】
セグメント制御回路1b1は、マイコン10のセグメント1制御ポートSEG1Bからの割込信号がハイレベルのときにトランジスタQ13がオン状態になり、セグメント1内の10個のB色のLEDのカソードに接地電位を供給する。セグメント制御回路1b1は、マイコン10のセグメント1制御ポートSEG1Bからの割込信号がローレベルのときにトランジスタQ13がオフ状態になり、セグメント1内の10個のB色のLEDのカソードに接地電位を供給しない(つまり、B色のLEDのカソードを開放する)。
【0020】
各LEDに着目すると、各LEDのアノードは、所属するグリッドのグリッド制御回路のトランジスタのコレクタに接続されおり、トランジスタがオン状態になると、アノードに電源電圧が供給され、トランジスタがオフ状態になると、アノードが開放される。各LEDのカソードは、所属するセグメントのセグメント制御回路の対応する色のトランジスタのコレクタに接続されており、トランジスタがオン状態になると、カソードに接地電位が供給され、トランジスタがオフ状態になると、カソードが開放される。LEDのアノードに電源電圧が供給され、かつ、カソードに接地電位が供給されると、LEDはオン状態になり電流が流れ、点灯状態になる。一方、LEDのアノードが開放される、あるいは、カソードが開放されると、LEDはオフ状態になり電流が流れず、消灯状態になる。
【0021】
マイコン10は、図3に示す表示データを利用して、各グリッド制御ポート、および、各セグメント制御ポートからハイレベル又はローレベルの割込信号を照明回路に供給する。図3において、縦軸はグリッドを、横軸はセグメントを示し、グリッドとセグメント(及び色)との組合わせに対する輝度が登録されている。輝度は0〜15の16段階で表される。例えば、グリッド1、セグメント1のR色は輝度が15であり、グリッド3、セグメント4のG色は輝度が3である。マイコン10は、所定期間に1つのグリッド番号に対応するグリッド制御回路に第1の一方レベルの割込信号(例えば、ローレベルの割込信号)を出力し、所定期間に、所定期間を輝度の取り得る数で分割した割込単位期間であって、グリッド番号およびセグメント番号の組合せに対する輝度に応じた数の割込単位期間だけセグメント制御回路に第2の一方レベルの割込信号(例えば、ハイレベルの割込信号)を出力する。
【0022】
図4は、マイコン10が各グリッド制御ポートおよび各セグメント制御ポートから出力する割込信号を示すタイミングチャートである。マイコン10は、所定時間(例えば1ミリ秒)単位で、順番に各グリッド制御ポートにローレベルの割込信号を供給し、各グリッド制御回路のトランジスタをQ1〜Q10を順番にオン状態にする。例えば、マイコン10は、最初の1ミリ秒間(期間T1)に、グリッド1制御回路1a1のトランジスタQ1をオン状態にし、他のグリッド制御回路のトランジスタをオフ状態にする。マイコン10は、次の1ミリ秒間(期間T2)に、グリッド2制御回路1a2のトランジスタQ2をオン状態にし、他のグリッド制御回路のトランジスタをオフ状態にする。この処理を各グリッド制御回路について順番に実行する。マイコン10は、最後の1ミリ秒間(期間T10)、グリッド10制御回路1a10のトランジスタQ10をオン状態にした後は、再びグリッド1に戻って、次の1ミリ秒間に、グリッド1制御回路1a1のトランジスタQ1をオン状態にする。このように、グリッド1、グリッド2、・・グリッド10、グリッド1・・の順で制御する処理をグリッドスキャンという。
【0023】
マイコン10は、各1ミリ秒間において、1ミリ秒を所定数(所定数は輝度の段階数であり、本例では16)に分割し、割込単位期間(本例では、1ミリ秒/16=62.5マイクロ秒)を決定する。図4では、各割込単位期間を1〜15の数字で表している。なお、最後の16の割込単位期間は次のグリッドに移るためのブランキング期間である。マイコン10は、割込単位期間の単位で、各セグメント制御ポートからハイレベル又はローレベルの割込信号を出力する。このときに、各セグメント制御ポートから出力される割込信号のハイレベルの期間(セグメント制御回路のトランジスタをオンする期間)は、図3に示す表示データの輝度によって決定される。つまり、輝度の段階に応じた期間だけハイレベルの信号が出力され、残りの期間はローレベルの信号が出力される。
【0024】
例えば、グリッド1の1ミリ秒間(期間T1)において、セグメント1のR色の輝度は15である。従って、図4のSEG1Rに示すように、期間T1において、マイコン10はセグメント制御ポートSEG1Rから、1割込単位期間から15割込単位期間までハイレベルの信号を継続的に出力する。これにより、1割込単位期間から15割込単位期間まで、グリッド1、セグメント1のR色のLED(DR1)を点灯させることになる。なお、最後の16割込単位期間は、グリッドの切り替えのためのブランキング期間であり、必ずローレベルになっている。
【0025】
また、グリッド1の1ミリ秒間において、セグメント1のG、Bの輝度は共に0である。従って、図4のSEG1G、SEG1Bに示すように、期間T1において、マイコン10はセグメント制御ポートSEG1G、SEG1Bから、1割込単位期間から15割込単位期間までローレベルの信号を継続的に出力する。これにより、1割込単位期間から15割込単位期間まで、グリッド1、セグメント1のG色のLED(DG1)、B色のLED(DB1)を消灯させることになる。
【0026】
なお、図4ではセグメント2までしか記述されていないが、セグメント3〜10までの全てのセグメントについて上記と同様の処理が実行される。
【0027】
また、例えば、グリッド2の1ミリ秒間(期間T2)において、セグメント1のR色の輝度は14である。従って、図4のSEG1Rに示すように、期間T2において、マイコン10はセグメント制御ポートSEG1Rから、1割込単位期間から14割込単位期間までハイレベルの信号を継続的に出力し、15割込単位期間はローレベルの信号を出力する。これにより、1割込単位期間から14割込単位期間まで、グリッド1、セグメント1のR色のLED(DR1)を点灯させ、15割込単位期間は、グリッド1、セグメント1のR色のLED(DR1)を消灯させることになる。
【0028】
グリッド2の1ミリ秒間(期間T2)において、セグメント1のG色、B色の輝度は1である。従って、図4のSEG1G、SEG1Bに示すように、期間T2において、マイコン10はセグメント制御ポートSEG1G、SEG1Bから、最初の1割込単位期間のみハイレベルの信号を出力し、2割込単位期間から15割込単位期間までは、ローレベルの信号を出力する。これにより、最初の1割込単位期間に、グリッド1、セグメント1のG色のLED(DG1)、B色のLED(DB1)を点灯させ、2割込単位期間から15割込単位期間までは、グリッド1、セグメント1のG色のLED(DG1)、B色のLED(DB1)を消灯させることになる。
【0029】
図5は、マイコン10の処理を示すフローチャートである。マイコン10は、グリッド番号を1に初期化し(S1)、割込単位期間を1に初期化し(S2)、セグメント番号を1に初期化する(S3)。マイコン10は、割込単位期間が1であるか否かを判断する(S4)。割込単位期間が1である場合(S4でYES)、マイコン10は、現在のグリッド番号のグリッド制御ポートからローレベルの割込信号を出力し、他のグリッド番号のグリッド制御ポートからハイレベルの割込信号を出力する(S5)。例えば、グリッド1である場合、マイコン10は、グリッド制御ポートGRD1からローレベルの割込信号を出力し、トランジスタQ1をオン状態にさせる。また、マイコン10は、他のグリッド制御ポートGRD2〜GRD10からハイレベルの割込信号を出力し、トランジスタQ2〜Q10をオフ状態にする。この状態は、グリッド番号が1増加されるまでの間、継続する。S5の処理の後、処理はS8に進む。
【0030】
一方、割込単位期間が1ではない場合(S4でNO)、マイコン10は、割込単位期間が16であるか否かを判断する(S6)。割込単位期間が16である場合の処理は後述する。ここでは、割込単位期間が16ではないので(S6でのNO)、処理はS8に進む。
【0031】
マイコン10は、現在のグリッド番号およびセグメント番号に対応するR色の輝度を図3の表示データから取得する。例えば、グリッド番号が1、セグメント番号が1である場合、R色の輝度は15である。マイコン10は、取得した輝度の数値が現在の割込単位期間以上であるか否かを判断する(S8)。取得した輝度の数値が現在の割込単位期間以上である場合(S8でYES)、マイコン10は、現在のセグメント番号のR色のセグメント制御ポートからハイレベルの信号を出力する(S9)。その結果、現在のグリッド番号およびセグメント番号に対応するR色のLEDが点灯する。例えば、グリッド番号が1、セグメント番号が1、割込単位期間が1である場合、R色の輝度が15であるので、現在の割込単位期間である1以上であると判断される。従って、割込単位期間が1のとき、グリッド番号が1、セグメント番号が1のR色のセグメント制御ポートSEG1Rからハイレベルの信号が出力される。従って、グリッド番号が1、セグメント番号が1のR色のLEDが点灯する。
【0032】
一方、取得した輝度の数値が現在の割込単位期間未満である場合(S8でNO)、マイコン10は、現在のセグメント番号のR色のセグメント制御ポートからローレベルの信号を出力する。その結果、現在のグリッド番号およびセグメント番号に対応するR色のLEDが消灯する。例えば、グリッド番号が7、セグメント番号が3、割込単位期間が8である場合、R色の輝度が7であるので、現在の割込単位期間である8未満であると判断される。従って、割込単位期間が8のとき、グリッド番号が7、セグメント番号が3のR色のセグメント制御ポートSEG1Rからローレベルの信号が出力される。従って、グリッド番号が7、セグメント番号が3のR色のLEDが消灯する。
【0033】
マイコン10は、現在のグリッド番号およびセグメント番号に対応するG色の輝度を図3の表示データから取得する。例えば、グリッド番号が1、セグメント番号が3である場合、G色の輝度は2である。マイコン10は、取得した輝度の数値が現在の割込単位期間以上であるか否かを判断する(S10)。取得した輝度の数値が現在の割込単位期間以上である場合(S10でYES)、マイコン10は、現在のセグメント番号のG色のセグメント制御ポートからハイレベルの信号を出力する(S11)。その結果、現在のグリッド番号およびセグメント番号に対応するG色のLEDが点灯する。例えば、グリッド番号が1、セグメント番号が3、割込単位期間が1である場合、G色の輝度が2であるので、現在の割込単位期間である1以上であると判断される。従って、割込単位期間が1のとき、グリッド番号が1、セグメント番号が3のG色のセグメント制御ポートからハイレベルの信号が出力される。従って、グリッド番号が1、セグメント番号が3のG色のLEDが点灯する。
【0034】
一方、取得した輝度の数値が現在の割込単位期間未満である場合(S10でNO)、マイコン10は、現在のセグメント番号のG色のセグメント制御ポートからローレベルの信号を出力する。その結果、現在のグリッド番号およびセグメント番号に対応するG色のLEDが消灯する。例えば、グリッド番号が1、セグメント番号が1、割込単位期間が1である場合、G色の輝度が0であるので、現在の割込単位期間である1未満であると判断される。従って、割込単位期間が1のとき、グリッド番号が1、セグメント番号が1のG色のセグメント制御ポートからローレベルの信号が出力される。従って、グリッド番号が1、セグメント番号が1のG色のLEDが消灯する。
【0035】
マイコン10は、現在のグリッド番号およびセグメント番号に対応するB色の輝度を図3の表示データから取得する。例えば、グリッド番号が1、セグメント番号が3である場合、B色の輝度は2である。マイコン10は、取得した輝度の数値が現在の割込単位期間以上であるか否かを判断する(S12)。取得した輝度の数値が現在の割込単位期間以上である場合(S12でYES)、マイコン10は、現在のセグメント番号のB色のセグメント制御ポートからハイレベルの信号を出力する(S13)。その結果、現在のグリッド番号およびセグメント番号に対応するB色のLEDが点灯する。例えば、グリッド番号が1、セグメント番号が3、割込単位期間が1である場合、B色の輝度が2であるので、現在の割込単位期間である1以上であると判断される。従って、割込単位期間が1のとき、グリッド番号が1、セグメント番号が3のB色のセグメント制御ポートからハイレベルの信号が出力される。従って、グリッド番号が1、セグメント番号が3のB色のLEDが点灯する。
【0036】
一方、取得した輝度の数値が現在の割込単位期間未満である場合(S12でNO)、マイコン10は、現在のセグメント番号のB色のセグメント制御ポートからローレベルの信号を出力する。その結果、現在のグリッド番号およびセグメント番号に対応するB色のLEDが消灯する。例えば、グリッド番号が1、セグメント番号が1、割込単位期間が1である場合、B色の輝度が0であるので、現在の割込単位期間である1未満であると判断される。従って、割込単位期間が1のとき、グリッド番号が1、セグメント番号が1のB色のセグメント制御ポートからローレベルの信号が出力される。従って、グリッド番号が1、セグメント番号が1のB色のLEDが消灯する。
【0037】
続いて、マイコン10は、セグメント番号を1増加させ(S14)、セグメント番号が11であるか否かを判断する(S15)。セグメント番号が11ではなく、10以下である場合(S15でNO)、処理はS8に戻って、S8〜S13の処理を繰り返す。つまり、セグメント番号1〜10について、S8〜S13の処理を実行し、各LDEの点灯および消灯を制御する。一方、セグメント番号が11である場合(S15でYES)、マイコン10は、割込単位期間を1増加させ(S16)、処理はS3に戻る。つまり、次の割込単位期間に移り、セグメント番号を1に初期化して、S4〜S14の処理を繰り返す。
【0038】
上記の処理を繰返し、割込単位期間が16になると(S6でYES)、マイコン10は、全てのセグメント制御ポートからローレベルの信号を出力する(S7)。つまり、マイコン10は、全てのLEDを消灯させる。続いて、マイコン10は、グリッド番号を1増加させ(S17)、グリッド番号が11であるか否かを判断する(S18)。グリッド番号が11ではなく、2〜10である場合(S18でNO)、処理はS2に戻る。つまり、次のグリッド番号について上記と同じ処理を繰り返す。一方、グリッド番号が11である場合(S11でYES)、処理はS1に戻って、マイコン10はグリッド番号を1に初期化して(S1)、上記と同じ処理を繰り返す。
【0039】
以上のように、本実施形態によると、マイコン10が図3の表示データを使用して割込信号を出力することによって、PWM信号を生成するポートを要することなく、LEDの点灯および消灯を制御することができる。
【0040】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。グリッド制御回路のトランジスタをnpnトランジスタとする場合、マイコン10からの第1の一方レベルの割込信号はハイレベルの信号である。同様に、セグメント制御回路のトランジスタをpnpトランジスタとする場合、マイコン10からの第2の一方レベルの割込信号はローレベルの信号である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、例えばオーディオ機器などの照明装置に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0042】
1 照明回路
10 マイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリッド番号およびセグメント番号の組合せで特定され、グリッド制御回路およびセグメント制御回路から発光素子を点灯させるために必要な電位が供給されたときに点灯する複数の発光素子と、
各グリッド番号に対応して設けられ、制御手段から第1の一方レベルの割込信号を受信したときに、前記発光素子を点灯させるために必要な電位を、グリッドに対応する複数の前記発光素子の一方端子に供給する複数の前記グリッド制御回路と、
各セグメント番号に対応して設けられ、前記制御手段から第2の一方レベルの割込信号を受信したときに、前記発光素子を点灯させるために必要な電位を、セグメントに対応する複数の前記発光素子の他方端子に供給する複数の前記セグメント制御回路と、
前記グリッド番号および前記セグメント番号の組合せに対する輝度を記憶する記憶手段と、
所定期間に1つの前記グリッド番号に対応する前記グリッド制御回路に前記第1の一方レベルの割込信号を出力し、前記所定期間に、前記所定期間を前記輝度の取り得る数で分割した割込単位期間であって、前記グリッド番号および前記セグメント番号の組合せに対する前記輝度に応じた数の割込単位期間だけ前記セグメント制御回路に前記第2の一方レベルの割込信号を出力する前記制御手段とを備える、照明装置。
【請求項2】
前記グリッド番号および前記セグメント番号の組合せで特定され前記発光素子が、複数色分設けられている、請求項1に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−45661(P2013−45661A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183185(P2011−183185)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】