熱転写印字装置
【課題】 外径を拡大/縮小させる操作を可能とすることで(支管)ボビンを不要としたリボン巻取軸に、誤って径を縮小させたままリボンを巻き取ってしまう誤操作を防止する機構を設けた熱転写印字装置を提供する。
【解決手段】 リボン巻取軸を内周部材2と、その外側に取り付けた外周部材3とから構成し、外周部材3を内周部材2の軸方向先端側に相対移動することで縮径するようにするとともに、外周部材3の基端側に係合部3eを設け、この係合部3eが外周部材3の移動に伴い、パルス発生手段を構成する回転板23から離脱することで、リボン巻取軸の外径が縮小しているときにはパルス発生手段を無効化させ、プリンタにエラーを発生させる。
【解決手段】 リボン巻取軸を内周部材2と、その外側に取り付けた外周部材3とから構成し、外周部材3を内周部材2の軸方向先端側に相対移動することで縮径するようにするとともに、外周部材3の基端側に係合部3eを設け、この係合部3eが外周部材3の移動に伴い、パルス発生手段を構成する回転板23から離脱することで、リボン巻取軸の外径が縮小しているときにはパルス発生手段を無効化させ、プリンタにエラーを発生させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクリボン(以下、「リボン」という)を使用した熱転写印字装置に関し、特に、リボンの巻取軸に支管(ボビン)を使用しないでリボンを巻き取ることができる熱転写印字装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図13中の熱転写プリンタ300において、リボンIRは、供給軸301から図示しないガイドローラ等に案内されながら印字用紙Pと共にサーマルヘッド302とプラテンローラ303の間を通って、リボン巻取軸304に巻取られる。
【0003】
リボン巻取軸304は、ステッピングモータ305によりベルトBおよび図示しないフリクションクラッチを介して回転駆動され、サーマルヘッド302による印字に伴いリボンIRを巻取るようになっている。
【0004】
306はリボン供給軸301と一体となって回転する軸フランジで、その周囲に一定周期でスリット306cが形成され、このスリット306cを発光部と受光部で挟むように配置された透過センサ307により、リボン供給軸301の回転を連続したパルスとして検出する。
【0005】
リボン供給軸301の回転を示すパルスは制御部308に入力され、前記ステッピングモータ305が回転しているにもかかわらずリボン供給軸301が停止であると検出した場合、制御部308はリボン切れ(リボンの消費)と判断して印字を停止し、プリンタ301の図示しない表示部にエラー表示をする。
【0006】
ところで、従来技術では、リボン巻取軸304に支管(ボビン)を嵌め込み、その外側に使用済みリボンIRを巻取り、巻取り終わったインクリボンは支管ごと捨てていた。
【0007】
これに対し、特許文献1では、巻取軸を軸方向に分割して固定軸部および可動軸部とし、可動軸部のスライド方向を斜め方向および径方向の二段階とすることにより、巻取軸の外径を変化させることを可能としたリボン巻取り装置が提案されている。
【0008】
上記特許文献1の技術によると、リボンの巻取り始め時に巻取軸の外径を大きくしておき、巻き取ったリボンを巻取軸から抜き取るときに巻取軸の外径を減少させるよう操作しなければならない。
【0009】
然るに、上記の手順を踏むことを忘れ、巻取軸の外径が縮小したままリボンを巻取ってしまうと、巻取軸からリボンを取り除くのにはリボンを切断するか巻取軸を逆回転する必要が生じ、取扱い操作が煩雑になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2004−299862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、支管を用いることなく、リボンを直接巻き取るとともに、印字が終了したのちのロール状のリボンを簡単かつ安定して取り出すことができる熱転写印字装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明が採用する構成の特徴は、巻取軸の外径を拡大/縮小させる操作を可能にするとともに、巻取軸が縮小状態の場合に、パルス発生手段を無効化する検出無効化手段を設け、検出無効化手段が動作するとエラーを発生して印字を停止し、および/または、警告を表示するよう構成したことにある。
【0013】
ここで、前記巻取軸は、内周部材と、その外側に取り付けた外周部材とからなり、外周部材を内周部材の軸方向先端側に相対移動することで縮径するよう構成するのとともに、外周部材の基端側に係合部を設け、この係合部が外周部材の移動に伴い、前記パルス発生手段を構成する回転板との係合/離脱により、前記検出無効化手段を構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、印字が始まる際に、巻取軸が縮小状態となっていないかを監視でき、巻取軸が縮小状態となっていた場合には、エラーを発生させて印字動作が開始されないようにすることで、誤って縮小状態の巻取軸にリボンを巻きつけて使用してしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係るサーマルプリンタの構成説明図である。
【図2】帯状体巻回リールにインクリボンが巻回される状態を説明する斜視図である。
【図3】図2に示す帯状体巻回リールの分解斜視図である。
【図4】図3に示す内周部材の分解斜視図である。
【図5】図3に示す外周部材を構成する嵌合部材の斜視図である。
【図6】図3に示す外周部材を構成する嵌合部材の斜視図である。
【図7】嵌合部材の凹部の周辺を拡大して示す断面図である。
【図8】外径縮径部材に取り付けられた外周部材の構成の概略を示す断面図である。
【図9】図3に示す固定キャップの斜視図である。
【図10】本実施形態の帯状体巻回リールを備えて構成されるサーマルプリンタの構成の一部を示す分解斜視図である。
【図11】帯状体巻回リールを側方から見た図であり、(a)は外周部材の縮径前、(b)は外周部材の縮径後の状態を示す。
【図12】帯状体巻回リールを先端側から見た図であり、(a)は外周部材の縮径前、(b)は外周部材の縮径後の状態を示す。
【図13】従来の技術に係るサーマルプリンタの構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図12を用いて詳述する。なお、上述した従来の技術と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0017】
図1は本発明に係るサーマルプリンタの構成説明図、図2は本実施形態の帯状体巻回リール1にインクリボンIRが巻回される状態を説明する斜視図、図3は帯状体巻回リール1の構成を示す分解斜視図である。
【0018】
図1中の熱転写プリンタ201において、帯状体巻回リール1には図2に示すようにその外周にインクリボンIRが巻き取られるものであり、該帯状体巻回リール1は、図3に示すように内周部材2と、内周部材2の外周を覆う外周部材3と、内周部材2に対する外周部材3の取付位置を固定する固定キャップ4とを備えて構成され、該固定キャップ4を先端側に備え、基端側が熱転写プリンタ201の本体に取り付けられて用いられる。
【0019】
内周部材2は、図3に示すように、回転軸21と、回転軸21の外周を覆う外径縮経部材22と、回転軸21を挿通した軸フランジ23とを備えて構成されている。回転軸21は、帯状体巻回リール1の回転軸になる。回転軸21は、ステンレス等の金属から形成されている。
【0020】
図4は図3に示す内周部材2の分解斜視図である。図4に示すように、回転軸21の先端部A1と中央部C1との間、及び、基端部B1と中央部C1との間には段差X2、X1が設けられている。先端部A1及び基端部B1は中央部C1に比べて小さな外径を有している。また、回転軸21は、先端部A1より更に先端側に係合部21aを備えている。係合部21aは、回転軸21の中央部C1とほぼ等しい大きさの外径を有しており、外周には軸心を挟んで互いに平行に対向する位置に一対の平坦面21a−1を備えている。両平坦面21a−1,21a−1間の距離は、両平坦面21a−1,21a−1に挟まれる係合部21aの外径よりも短く設定されている。回転軸21の中央部C1の基端部B1側には、環溝21bが成されている。環溝21bは、回転軸21の周方向に沿って形成されている。環溝21bには、止め輪24が嵌入される。また、回転軸21の中央部C1にはそれぞれ螺子孔21cが設けられている。螺子孔21cは螺子が螺着されるネジ孔である。
【0021】
2つの外径縮経部材22は、互いに同じ構成を有しており、組み合わされて回転軸21に取り付けられる。外径縮経部材22は、プラスチック等の合成樹脂から形成されている。外径縮経部材22は、全体として基端E2(一方の端部)側から先端D2(他方の端部)側にかけて外径が徐々に小さくなる外面形状を有している。また、その内面部には基端E2側から先端D2側にかけて複数のリブ22aを設けている。これらのリブ22aは回転軸21の中央部の外径とほぼ等しい内径を有する円弧状の内面形状を有している。外径縮経部材22の先端D2の内周縁部は、外径縮経部材22の基端E2側に内側に向けて折れ曲がった形状を有している。外径縮経部材22の外周面の幅方向中央部には、基端E2側から先端D2側に延びるガイド突部22bが設けられている。さらに、外径縮経部材22の幅方向中央部の先端部A2及び基端部B2にはそれぞれ挿通孔22cが設けられている。挿通孔22cは螺子が挿通されるネジ孔である。
【0022】
軸フランジ23は、パルス発生手段を構成する回転板であるのとともに、帯状体巻回リール1に巻回されるインクリボンIRの側面を支持するためのものである。軸フランジ23は、プラスチック等の合成樹脂から形成されている。軸フランジ23には、回転軸21が挿通される挿通孔23aが設けられている。また、挿通孔23aの周囲には、複数の嵌合孔23bが全体として環状を呈して配置されている。さらに、軸フランジ23の外周縁部には周期的な間隔でスリット23cが形成されている。
【0023】
内周部材2は、例えば、次の(1)〜(3)の手順で組み立てられる。なお、この手順は任意であり、他の順序で内周部材2を組み立ててもよい。
(1)回転軸21の環溝21bに止め輪24を嵌入する。
(2)回転軸21を先端部A1側から軸フランジ23の挿通孔23aに挿通する。
(3)両外径縮経部材22で回転軸21を挟み込んで互いの内周端面を当接させて組み合わせ、この状態で各外径縮経部材22の挿通孔22cを介して回転軸21の螺子孔21cに螺子25を螺着する。
【0024】
このようにして組み立てられた状態で、軸フランジ23は、止め輪24と外径縮経部材22の基端E2の端面とで挟み込まれて軸方向の位置決めがなされる。
【0025】
図5は図3に示す外周部材3を構成する第1の嵌合部材31(以下、単に嵌合部材31という。)を、図6は外周部材3を構成する第2の嵌合部材32(以下、単に嵌合部材32という。)をそれぞれ示す斜視図である。
【0026】
嵌合部材31,32は、筒状体を周方向に沿って2分割した形状を有しており、プラスチック等の合成樹脂から形成されている。図5および図6に示すように、嵌合部材31,32は、基端E3から先端D3にかけてほぼ等しい外径の周面を備える外面形状を有している。また、図6に示すように、嵌合部材31,32は、基端E3から先端D3にかけて複数のリブ3aを備えている。そして、これら複数のリブ3aによって、嵌合部材31,32は全体として基端E3から先端D3にかけて内径が徐々に小さくなる円弧状の内面形状を有している。そして、嵌合部材31,32に設けたリブ3aの円弧状の内面形状の内径は、外径縮経部材22の外径よりもやや大きく、かつ、全体として外径縮径部材22の外径とほぼ同じ割合で基端E3から先端D3まで縮経するように設定されている。このようにして、嵌合部材31,32は、基端E3から先端D3にかけて内径が縮径するリブ3aにより形成された内径縮径部をその内面によって構成している。
【0027】
嵌合部材31,32の内面の幅方向の中央部には、リブ3aが外面側に落ち込んで形成されたガイド凹部3bが、嵌合部材31,32の基端E3から先端D3にかけて形成されている。ガイド凹部3bは、外径縮経部材22のガイド突部22bに組み合わされて嵌合部材31,32の周方向の位置決めを行うための凹部である。また、嵌合部材31,32は、図5及び図6に示すように、幅方向の一方の端面を平坦に形成して構成された平坦部3cと、他方の端面を平坦に形成して構成された平坦部3dとを、それぞれ備える形状を有している。嵌合部材31,32の先端D3の内面側の縁部には、円弧状に窪んだ曲縁部3hが設けられている。
【0028】
図5に示すように、嵌合部材31は、基端部B3に形成された窪み部31aと、この窪み部31aに着脱自在に取り付けられる滑り止め部材31bとを備えている。滑り止め部材31bはゴム材などの摩擦係数の高い材質で作製され、窪み部31aに粘着剤等を介して取り付けられることにより軸方向および回転方向での移動を制限されると共に、インクリボンIRが巻回された際、摩擦によりインクリボンIRを滑りにくくして巻き取り易くするために設けられている。
【0029】
また、図6に示すように、嵌合部材32の先端部A3の内面には、金属製のロック片33が取り付けられる。ロック片33は、板状の金属をコの字状に折り曲げた形状を有しており、向かい合った一対の辺部33b,33bで挟まれる辺部には2つの挿通孔33aが設けられている。嵌合部材32の先端部A3には2つの螺子孔32aが設けられている。ロック片33は、挿通孔33aの設けられた辺部を嵌合部材32の幅方向に沿って位置させて嵌合部材32の内面に当接させ、各挿通孔33aを挿通した螺子34が螺子孔32aに螺子止めされることにより取り付けられている。
【0030】
嵌合部材31,32の基端E3の端面には嵌合突起3eが設けられている。嵌合突起3eは、軸フランジ23の嵌合孔23bに嵌合することにより、巻取リール1の拡大時には軸フランジ23と一体的に回転し、巻取リール1の縮小時には勘合部材31,32が先端側に移動して、嵌合突起3eが嵌合孔23bから離脱することにより、軸フランジ23を空転させる。即ち、巻取リール1の縮小時には軸フランジ23が回転せず、パルス発生手段が無効化されるようになっている。
【0031】
また、嵌合部材31,32の基端部B3及び先端部A3のそれぞれ幅方向両側部には、図6に示すように挿通孔3fが設けられている。これらの挿通孔3fは、螺子53が挿通される孔である。挿通孔3fの周囲には、図5に示すように凹部3gが設けられている。
【0032】
図7は、嵌合部材31,32の凹部3gの周辺を拡大して示す断面図である。図7に示すように、凹部3gは、バネ52の環装されたスペーサ51、又は、螺子53を挿入するための凹部である。スペーサ51の内周には雌螺子部51aが形成されている。また、嵌合部材31,32の先端D3の幅方向中央部には、三角形状を呈した目印3i(図5参照)が形成されている。目印3iは三角形の1つの頂点を嵌合部材31,32の先端D3側に向けて形成されている。目印3iは、後述する目印42aと三角形の頂点を互いに向かい合わせることにより、後述する固定キャップ4の回転位置を分かり易くするためのものである。
【0033】
嵌合部材31,32は、次の(1)〜(5)の手順で内周部材2に取り付けられる。なお、この手順は任意であり、他の順序で外周部材3を内周部材2に取り付けてもよい。
【0034】
(1)嵌合部材31,32を外径縮径部材22のガイド突部22bにガイド凹部3bが組み合わされるように互いの内面を向かい合わせて、互いの平坦部3cの外面と平坦部3dの内面とを合わせて組み合わせることにより、内周部材2の外径縮径部材22を挟み込む。
(2)嵌合部材31の中央部を挟んで対角線上に位置する一対の凹部3gの一方にバネ52を環装したスペーサ51を配置すると共に他方の凹部3gに螺子53を挿入する。
(3)スペーサ51が配置された嵌合部材31の凹部3gと向かい合う嵌合部材32の凹部3gに螺子53を挿入すると共に、螺子53が挿入された嵌合部材31の凹部3gと向かい合う嵌合部材32の凹部3gにバネ52を環装したスペーサ51を配置する。
(4)図7に示すように、嵌合部材31の凹部3gにバネ52を環装して配置されたスペーサ51と、嵌合部材32の凹部3gに配置された螺子53とを挿通孔3fを介して螺着し、また、嵌合部材32の凹部3gにバネ52を環装して配置されたスペーサ51と、嵌合部材31の凹部3gに配置された螺子53とを挿通孔3fを介して螺着することにより、嵌合部材31と嵌合部材32とを互いに螺子止めする。
(5)嵌合突起3eを軸フランジ23の嵌合孔23bに嵌め込む。
【0035】
このようにして嵌合部材31及び嵌合部材32が組み合わされて内周部材2に取り付けられ、外周部材3は構成される。内周部材2に取り付けられた嵌合部材31の内側の端面と嵌合部材32の内側の端面との間には、図7に示すように、隙間Yが生じた状態となり、この隙間Yの距離が短くなることにより外周部材3が縮経する。
【0036】
図8は、外径縮径部材22に取り付けられた外周部材3の構成の概略を示す断面図である。同図に示すように、外周部材3を構成する各嵌合部材31,32は、その内面が外径縮径部材22の外面に当接することにより、外径縮径部材22に支持される。つまり、各嵌合部材31,32は、スペーサ51と嵌合部材31,32との間に介装されたバネ52から加えられる付勢力を含む外面側からの力を加えられることにより、外径縮径部材22の縮径方向、つまり、先端D2側に移動するようにして、外径縮径部材22に取り付けられる。
【0037】
透過センサ207(軸フランジ23との配置関係を、便宜上水平方向にずらして図示している)は、発光部207aと受光部207bの間を通過するスリット23cの数に対応したパルスを制御部208へと出力する。
【0038】
制御部208は、モータ305を駆動している間中、パルスが発生していれば外周部材3が拡径していると判断し、プリンタ201は印字動作を継続する。
一方、モータ305の駆動中であるにも関わらず、パルスが途絶えている場合には、外周部材3が縮径していると判断し、プリンタ201にエラーを発生させる。
【0039】
嵌合部材31と嵌合部材32との螺着量、つまり、挿通孔3fを介してのスペーサ51と螺子53との螺着量は、帯状体巻回リール1に巻回されるインクリボンIRの材質やインクリボンIRの巻回量や巻回速度等に応じて調整される。例えば、インクリボンIRの巻回速度が速いときには巻回されたインクリボンIRに強い締付力が生じるので、バネ52の付勢力により嵌合部材31,32を締め付ける力が小さくても外周部材3を縮経させることができることから、スペーサ51と螺子53との螺着量は少なく設定される。一方、インクリボンIRの巻回速度が遅いときには巻回されたインクリボンIRに生じる締付力が弱くなり、バネ52の付勢力により嵌合部材31,32を強く締め付けないと外周部材3を縮経させられない虞があることから、スペーサ51と螺子53との螺着量は多く設定される。このように、インクリボンIRに生じる締付力とで嵌合部材31,32を外径縮経部材22の先端D2側に移動させることのできる程度の付勢力がバネ52から加えられる量に、スペーサ51と螺子53との螺着量を設定することができる。バネ52は、各嵌合部材31,32を螺子止めする螺子(本実施形態ではスペーサ51)と嵌合部材31,32との間に介装された弾性体であり、嵌合部材31及び嵌合部材32から構成される外周部材3を縮径方向に付勢する径方向付勢手段を構成している。
【0040】
図9は図3に示す固定キャップ4の斜視図である。図9に示すように、固定キャップ4は、円筒状の把持部41と、把持部41の一端面の中央部に設けられたロック体41aと、ロック体41aから突出した固定筒41bと、把持部41の他端面に取り付けられる円板体42とを備えて構成されている。固定キャップ4は、プラスチック等の合成樹脂から形成されている。
【0041】
ロック体41aは、固定キャップ4の軸線方向に垂直な方向の断面が四角形状を呈している。図6に示す嵌合部材32に取り付けられたロック片33の向かい合った辺部33b,33b同士の間隔は、このロック体41aの外周を構成する一辺の長さよりも長く、かつ、対向する角部同士を結んだ長さよりも短く設定されている。
【0042】
固定筒41bは、バネ6の内径よりも小さな外径と、回転軸21の係合部21aの最大外径よりも大きな内径とを有しており、ロック体41a側の外周には突条41cが形成されている。突条41cは、固定筒41bの周方向に沿って形成されて環状を呈している。突条41cは、固定筒41bのロック体41aと反対側の端面でバネ6の一端を係止し、ロック体41a側の端面とロック体41aの突条41c側の端面とにより嵌合部材31,32の曲縁部3hを挟み込むためのものである。固定筒41bの内周には、一対の図示しない突片が固定筒41bの中心軸を挟んで対向して設けられている。各突片の固定筒41bの周方向における形成位置は、ロック体41aの外周を構成する向い合った一対の辺部と同じ位置に設定されている。両突片の先端同士の距離は、係合部21aの両平坦面21a−1,21a−1間の距離よりも長く、かつ、係合部21aの最大外径よりも短く設定されている。また、円板体42の表面には、三角形状を呈した一対の目印42a,42aが形成されている。目印42a,42aは、三角形の1つの頂点を円板体42の周縁方向に向けると共に、1つの辺部をお互い対向させて形成されている。円板体42は、把持部41の周方向における固定筒41bの各突片の形成位置と同じ位置に目印42a,42aが位置するように把持部41に取り付けられる。目印42aとは、上述した目印3iと三角形の頂点を互いに向かい合わせることにより、後述する固定キャップ4の回転位置を分かり易くするためのものである。
【0043】
固定キャップ4は、次の(1)〜(3)の手順で内周部材2の回転軸21に取り付けられる。なお、この手順は任意であり、他の順序で固定キャップ4を回転軸21に取り付けてもよい。
【0044】
(1)固定筒41b内の両突片の間に係合部21aの両平坦面21a−1,21a−1の外周部分が位置するように回転軸21に対する位置を保った状態で、バネ6内に固定筒41bを挿通させる。
(2)固定筒41b内に回転軸21の先端部A1を挿入する。
(3)固定筒41b内の両突片が回転軸21の係合部21aの側方を通過した後に把持部41を回転させて係合部21aの円弧状の外周部分に係合部21aを係止させる。
【0045】
このようにして回転軸21に取り付けられた固定キャップ4は、突条41cの内周部材2に向かい合う端面にバネ6の一端を係止する。そして、回転軸21に固定キャップ4が取り付けられた後に嵌合部材31,32が取り付けられ、突条41cとロック体41aとで嵌合部材31,32の曲縁部3hを挟み込み、嵌合部材31,32の軸方向への移動を規制する。固定キャップ4と回転軸21との間に介装されたバネ6は、固定キャップ4を帯状体巻回リール1の先端側に付勢し、さらに突条41cとロック体41aとで曲縁部3hが挟み込まれた嵌合部材31,32も固定キャップ4を介して帯状体巻回リール1の先端側に付勢する。固定キャップ4及び係合部21aは、内周部材2に対する外周部材3の取付位置を解除自在に固定する固定手段を構成している。また、バネ6は、外周部材3を基端E3から先端D3に向けて付勢する軸方向付勢手段を構成している。上述したように、本実施形態では、軸方向付勢手段を構成するバネ6は、固定キャップ4を介して外周部材3を帯状体巻回リール1の先端側に付勢している。
【0046】
図10は、本実施形態の帯状体巻回リール1を備えて構成されるサーマルプリンタの構成の一部を示す分解斜視図である。
【0047】
図10に示すのは、リール81にインクリボンIRを巻回して供給軸301とし、帯状体巻回リール1に巻き取るサーマルプリンタ(201)の一部である。帯状体巻回リール1は、軸フランジ23からサーマルプリンタ本体8側に突出した回転軸21が回転自在に支持されて、装置本体8に取り付けられる。
【0048】
装置本体8には、軸受91、プーリ92、摺動体93、軸受94、及びベルト95を含んで構成される駆動機構が備えられる。軸受91は、一端面に設けられた嵌合片91aが装置本体8の駆動機構収容部82に設けられた図示しない嵌合部と嵌合することにより位置決めされて、装置本体8に取り付けられる。プーリ92は、ベルト95が掛けられる円筒状のベルト掛け部92aと、ベルト掛け部92aよりも小さな外径を有して摺動体93が嵌入される円筒状の摺動部92bとを備えている。摺動体93は、回転軸21の挿通される挿通孔93aを備えており、挿通した回転軸21にキーを用いる等して固定される。軸受94は、ワッシャ96を介してカバー97に嵌め込まれる。カバー97は、螺子101により駆動機構収容部82に螺子止めされる。
【0049】
回転軸21は、ブッシュ102を介して装置本体8の駆動機構収容部82内に挿通され、軸受91、プーリ92、摺動体93、軸受94、及びカバー97に挿通される。カバー97内に挿通された回転軸21はブッシュ98に挿通され、ワッシャ99を介して螺子100によりカバー97に螺子止めされて、装置本体8に取り付けられる。図示しないモータの回転によりベルト95が回転するとプーリ92が回転し、プーリ92の摺動部92b内にある摺動体93が回転軸21と一体となって回転する。帯状体巻回リール1の回転軸21に大きな負荷がかかるとプーリ92の摺動部92bと摺動体93とが摺動して帯状体巻回リール1やモータ等の破損が防止される。
【0050】
次に、このような構成を有するサーマルプリンタにおいて帯状体巻回リール1にインクリボンIRを巻回する際の動作を説明する。
【0051】
図11は、帯状体巻回リール1を側方から見た図であり、(a)は外周部材3の縮径前、(b)は外周部材3の縮径後の状態を示す。図11は、帯状体巻回リール1を先端側から見た図であり、(a)は外周部材3の縮径前、(b)は外周部材3の縮径後の状態を示す。
【0052】
帯状体巻回リール1にインクリボンIRを巻回する際には、固定キャップ4の把持部41を内周部材2の基端E2側に押し込むと共に回転させて、固定筒41b内の突片を回転軸21が備える係合部21aに係合させる。この操作に伴い、図11(a)に示すように、内周部材2に取り付けられた嵌合部材31,32の嵌合突起3eが軸フランジ23の嵌合孔23bに嵌め込まれ、各嵌合部材31,32の基端E3が軸フランジ23に当接する。また、図12(a)に示すように、各嵌合部材31,32の平坦部3cと平坦部3dとが、互いの縁部のみを接触させた状態となる。この状態で、帯状体巻回リール1に巻回されるインクリボンIRの材質や巻回量や巻回速度等に応じて、スペーサ51と螺子53との螺着量を調節してバネ52による付勢力を調整する。これにより、帯状体巻回リール1にインクリボンIRを巻回できる状態となる。
【0053】
この状態では、固定キャップ4の目印42aが嵌合部材31,32の目印3iとは対向しない位置に位置している。また、固定キャップ4のロック体41aがロック片33の辺部33b,33bの間に位置し、ロック体41aがロック片33に当接することにより、固定キャップ4の回転が規制される。また、固定キャップ4はバネ6により帯状体巻回リール1の先端側に付勢されるが、固定筒41b内の係止片に回転軸21の係止部21aが係止することにより固定キャップ4の移動が規制される。また、スペーサ51と螺子53との間に介装されたバネ52により外周部材3には縮経する方向に力が加えられる。また、図8(a)に示すように基端E2から先端D2にかけて外面が傾斜して縮経している外径縮経部材22に各嵌合部材31,32の内面が支持されていることから、嵌合部材31,32には外径縮経部材22の先端D2側に移動する力も働く。これにより、嵌合部材31,32の先端D3が固定キャップ4のロック体41aに当接して、固定キャップ4を外径縮経部材22と反対側に押圧するが、固定キャップ4の移動が固定筒41b内の突片と回転軸21の係合部21aとの係合により規制されていることから、嵌合部材31,32の移動も規制された状態を保っている。
【0054】
上述のようにしてサーマルプリンタに取り付けられた帯状体巻回リール1には、図2に示すように、巻回されるインクリボンIRの先端がテープTで帯状体巻回リール1に貼り付けられた後、上述した駆動機構で回転軸21を回転させることにより、インクリボンIRの巻回が行われる。
【0055】
外周部材3は、巻回されたインクリボンIRに締め付けられて、その内面が外径縮経部材22の外面に押し付けられる。外径縮経部材22が外面の傾斜した外面形状を有して基端E2から先端D2にかけて縮経していることから、外周部材3には外径縮経部材22の先端D2側に移動する力が働くが、上述した固定キャップ4のロック体41aとの当接により、外周部材3の移動は規制された状態を保つ。
【0056】
インクリボンIRの巻回が終了すると、固定キャップ4による外周部材3の取付位置の固定が解除される。これは、固定キャップ4の把持部41を握って固定キャップ4の目印42aが嵌合部材31,32の目印3iと対向する位置に位置するまで、右又は左方向に回転させることにより行われる。この操作により、ロック片33の辺部33b,33bを撓ませてロック体41aがこれらの辺部33b,33bの間を通過して、固定キャップ4の固定筒41b内にある係止片と回転軸21の係止部21aとの係止が解け、バネ6の付勢力により固定キャップ4が帯状体巻回リール1の先端側に移動して、回転軸21の先端部A1から抜け出す。固定キャップ4のロック体41aと突条41cとの間に曲縁部3hが挟み込まれた嵌合部材31,32は、固定キャップ4と共に帯状体巻回リール1の先端側に移動する。つまり、図8(a)に示す状態から、嵌合部材31,32の内面が外径縮径部材22の外面に沿って帯状体巻回リール1の先端側に移動し、嵌合部材31の内側の端面と嵌合部材32の内側の端面との間に生じていた図7に示す隙間Yが短くなって、図8(b)に示すように、外周部材3が縮径した状態となる。
【0057】
この状態では、外径縮径部材22に取り付けられた外周部材3は、図11(b)に示すように、各嵌合部材31,32の嵌合突起3eが軸フランジ23の嵌合孔23bから抜け出して外径縮径部材22の先端D2側に全体が移動している。また、図12(b)に示すように、各嵌合部材31,32の平坦部3cと平坦部3dとが、互いの全面を接触させている。このようにして外周部材3の外周が縮経することにより、巻回されたインクリボンIRの内周部と外周部材3との間に隙間が生じ、巻回されたインクリボンIRを帯状体巻回リール1から取り外すことが可能となる。
【0058】
帯状体巻回リール1から巻回されたインクリボンIRを抜き出した後、固定キャップ4を嵌合部材31,32と共に内周部材2の基端E2側に押し込み、固定キャップ4を回転軸21の係合部21aに係合させると共に嵌合部材31,32の嵌合突起3eを軸フランジ23の嵌合孔23bに嵌め込んで、上述したインクリボンIRを巻回することのできる状態に戻すことにより、新たにインクリボンIRの巻回作業を行うことが可能となる。
【0059】
このように、本実施形態による帯状体巻回リール1によれば、固定キャップ4を回転させて固定手段による固定を解除するという簡単な操作で、巻回されたインクリボンIRを帯状体巻回リール1から取り外すことができる。しかも、外周部材3が外径縮経部材22の先端D2側に移動して外周部材3全体の外径が縮経されることから、巻回されたインクリボンIRとの間に生じる隙間を帯状体巻回リール1の基端から先端にかけて均一にすることができる。従って、インクリボンIRに生じる締付力を考慮した巻回速度の調整を行うことなく、帯状体巻回リール1に巻回されたインクリボンIRを容易に取り外すことができる。
【0060】
また、本実施形態による帯状体巻回リール1によれば、外周部材3の外周へのインクリボンIRの巻回量が十分でない等により外周部材3を縮経させる力がインクリボンIRから十分に加えられない場合でも、固定キャップ4を回転させることにより外周部材3の取付位置の固定が解かれたときに外周部材3をバネ52により縮経方向に付勢すると共にバネ6により帯状体巻回リール1の先端側に付勢することにより外周部材3を外径縮経部材22の先端D2側に移動させ、外周部材3を縮径させることが可能となる。従って、インクリボンIRに生じる締付力を考慮した巻回速度の調整を行うことなく、帯状体巻回リール1に巻回されたインクリボンIRを容易に取り外すことができるという作用効果を、より確実に得ることができるようになる。
【0061】
また、本実施形態による帯状体巻回リール1によれば、各嵌合部材31,32間の螺子止め量を調整するという簡単な作業により、外周部材3を縮経させようとする力の大きさを調整することができる。このため、インクリボンIRから加えられる締付力に関わらず、外周部材3を外径縮経部材22の先端D2側に移動させて外周部材3を縮経させるのに十分な付勢力を外周部材3に働かせることができる。この結果、インクリボンIRに生じる締付力を考慮した巻回速度の調整を行うことなく、帯状体巻回リールに巻回されたインクリボンIRを容易に取り外すことができるという作用効果をより確実に得ることが可能となる。
【0062】
なお、上記実施形態では、外面の一部のみが基端E2側から先端D2側にかけて回転軸21側に傾斜している形状を有する外径縮経部材22を外径縮経部として本発明を適用した場合について説明した。しかしながら、外径縮経部材22は、基端E2側から先端D2側にかけて縮経方向に傾斜するテーパー面を有する外面形状を有して、全体として基端E2側から先端D2側にかけて縮経しており、先端D2側への外周部材3の移動を妨げないのであれば、その形状は任意であり、例えば、外面の全体が基端E2側から先端D2側にかけて内面側に傾斜したテーパー面を有する形状でもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、嵌合部材31,32の内面に設けられたリブ3aにより内径縮経部が構成されている場合について説明した。しかしながら、内径縮経部は、嵌合部材31,32の内面が全体として基端E3側から先端D3側にかけて縮経方向に傾斜するテーパー面を有する内面形状を有して、全体として基端E3側から先端D3側にかけて縮経しており、先端D3側への外周部材3の移動を妨げないのであれば、その形状は任意であり、例えば、外面の全体が基端E3側から先端D3側にかけて内面側に傾斜したテーパー面を有する形状でもよい。また、外周部材の構成も、内径縮径部を備えると共に径方向に拡縮自在に構成され、外径縮径部に内径縮径部が支持されることにより内周部材に取り付けられるのであれば任意である。例えば、上記実施形態の説明では筒状体を周方向に沿って2分割した形状を有する嵌合部材31及び嵌合部材32を組み合わせて外周部材3を構成した場合について説明したが、筒状体を3分割した形状の3つの嵌合部材から外周部材3を構成してもよい。
【0064】
上記実施形態の説明では、スペーサ51と嵌合部材31,32との間に介装されたバネ52により経方向付勢手段を構成した場合について説明したが、螺子53と嵌合部材31,32との間にバネを介装して経方向付勢手段を構成してもよく、また、スペーサ51と嵌合部材31,32との間及び螺子53と嵌合部材31,32との間にバネを介装して経方向付勢手段を構成してもよい。また、上記実施形態の説明では、嵌合部材31,32にそれぞれ形成された4つの挿通孔3fのうちの2つの挿通孔3fを介して、バネ52を環装したスペーサ51と螺子53との螺着を行った場合について説明したが、このような螺着を全ての挿通孔3fを介して行う構成としてもよい。また、経方向付勢手段を構成する弾性体の種類は任意である。
【0065】
上記実施形態の説明では、回転軸21に環装されたバネ6により軸方向付勢手段を構成した場合について説明したが、外周部材3を基端E3側から先端D3側に向けて付勢することができるのであれば軸方向付勢手段の構成は任意である。
【0066】
上記実施形態の説明では、固定キャップ4の突条41cとロック体41aとで嵌合部材31,32の曲縁部3hを挟み込むことにより、固定キャップ4と嵌合部材31,32とが一体となって移動する場合について説明した。しかしながら、軸方向付勢手段により嵌合部材31,32に対して直接付勢力を働かせると共に、固定キャップ4と嵌合部材31,32とが別々に移動できる構成としてもよい。また、外径縮経部材22の先端D2側への嵌合部材31,32の移動を規制することができるのであれば、固定手段の構成も任意である。
【0067】
また、上記実施形態の説明では、本発明の帯状体巻回リールをインクリボンを巻回するリールとして用いた場合について説明したが、巻回する帯状体の種類は任意であり、例えば、ラベルが仮着された帯状台紙等を巻回するリールにも本発明の帯状体巻回リールを適用することができる。また、上記実施形態の説明では、固定筒41bに形成された突条41cにバネ6の一端を係止させた場合について説明した。しかしながら、固定筒41bの先端部にバネ6の一端を係止させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 帯状体巻回リール(巻取軸)
2 内周部材
21 回転軸
21a 係合部
22 外径縮径部材(外径縮経部)
23 軸フランジ(パルス発生手段)
3 外周部材
31,32 嵌合部材
33 ロック片
4 固定キャップ
41a ロック体
41b 固定筒
51 スペーサ
52 バネ
53 螺子
207 透過センサ(パルス発生手段)
208 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクリボン(以下、「リボン」という)を使用した熱転写印字装置に関し、特に、リボンの巻取軸に支管(ボビン)を使用しないでリボンを巻き取ることができる熱転写印字装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図13中の熱転写プリンタ300において、リボンIRは、供給軸301から図示しないガイドローラ等に案内されながら印字用紙Pと共にサーマルヘッド302とプラテンローラ303の間を通って、リボン巻取軸304に巻取られる。
【0003】
リボン巻取軸304は、ステッピングモータ305によりベルトBおよび図示しないフリクションクラッチを介して回転駆動され、サーマルヘッド302による印字に伴いリボンIRを巻取るようになっている。
【0004】
306はリボン供給軸301と一体となって回転する軸フランジで、その周囲に一定周期でスリット306cが形成され、このスリット306cを発光部と受光部で挟むように配置された透過センサ307により、リボン供給軸301の回転を連続したパルスとして検出する。
【0005】
リボン供給軸301の回転を示すパルスは制御部308に入力され、前記ステッピングモータ305が回転しているにもかかわらずリボン供給軸301が停止であると検出した場合、制御部308はリボン切れ(リボンの消費)と判断して印字を停止し、プリンタ301の図示しない表示部にエラー表示をする。
【0006】
ところで、従来技術では、リボン巻取軸304に支管(ボビン)を嵌め込み、その外側に使用済みリボンIRを巻取り、巻取り終わったインクリボンは支管ごと捨てていた。
【0007】
これに対し、特許文献1では、巻取軸を軸方向に分割して固定軸部および可動軸部とし、可動軸部のスライド方向を斜め方向および径方向の二段階とすることにより、巻取軸の外径を変化させることを可能としたリボン巻取り装置が提案されている。
【0008】
上記特許文献1の技術によると、リボンの巻取り始め時に巻取軸の外径を大きくしておき、巻き取ったリボンを巻取軸から抜き取るときに巻取軸の外径を減少させるよう操作しなければならない。
【0009】
然るに、上記の手順を踏むことを忘れ、巻取軸の外径が縮小したままリボンを巻取ってしまうと、巻取軸からリボンを取り除くのにはリボンを切断するか巻取軸を逆回転する必要が生じ、取扱い操作が煩雑になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2004−299862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、支管を用いることなく、リボンを直接巻き取るとともに、印字が終了したのちのロール状のリボンを簡単かつ安定して取り出すことができる熱転写印字装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明が採用する構成の特徴は、巻取軸の外径を拡大/縮小させる操作を可能にするとともに、巻取軸が縮小状態の場合に、パルス発生手段を無効化する検出無効化手段を設け、検出無効化手段が動作するとエラーを発生して印字を停止し、および/または、警告を表示するよう構成したことにある。
【0013】
ここで、前記巻取軸は、内周部材と、その外側に取り付けた外周部材とからなり、外周部材を内周部材の軸方向先端側に相対移動することで縮径するよう構成するのとともに、外周部材の基端側に係合部を設け、この係合部が外周部材の移動に伴い、前記パルス発生手段を構成する回転板との係合/離脱により、前記検出無効化手段を構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、印字が始まる際に、巻取軸が縮小状態となっていないかを監視でき、巻取軸が縮小状態となっていた場合には、エラーを発生させて印字動作が開始されないようにすることで、誤って縮小状態の巻取軸にリボンを巻きつけて使用してしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係るサーマルプリンタの構成説明図である。
【図2】帯状体巻回リールにインクリボンが巻回される状態を説明する斜視図である。
【図3】図2に示す帯状体巻回リールの分解斜視図である。
【図4】図3に示す内周部材の分解斜視図である。
【図5】図3に示す外周部材を構成する嵌合部材の斜視図である。
【図6】図3に示す外周部材を構成する嵌合部材の斜視図である。
【図7】嵌合部材の凹部の周辺を拡大して示す断面図である。
【図8】外径縮径部材に取り付けられた外周部材の構成の概略を示す断面図である。
【図9】図3に示す固定キャップの斜視図である。
【図10】本実施形態の帯状体巻回リールを備えて構成されるサーマルプリンタの構成の一部を示す分解斜視図である。
【図11】帯状体巻回リールを側方から見た図であり、(a)は外周部材の縮径前、(b)は外周部材の縮径後の状態を示す。
【図12】帯状体巻回リールを先端側から見た図であり、(a)は外周部材の縮径前、(b)は外周部材の縮径後の状態を示す。
【図13】従来の技術に係るサーマルプリンタの構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図12を用いて詳述する。なお、上述した従来の技術と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0017】
図1は本発明に係るサーマルプリンタの構成説明図、図2は本実施形態の帯状体巻回リール1にインクリボンIRが巻回される状態を説明する斜視図、図3は帯状体巻回リール1の構成を示す分解斜視図である。
【0018】
図1中の熱転写プリンタ201において、帯状体巻回リール1には図2に示すようにその外周にインクリボンIRが巻き取られるものであり、該帯状体巻回リール1は、図3に示すように内周部材2と、内周部材2の外周を覆う外周部材3と、内周部材2に対する外周部材3の取付位置を固定する固定キャップ4とを備えて構成され、該固定キャップ4を先端側に備え、基端側が熱転写プリンタ201の本体に取り付けられて用いられる。
【0019】
内周部材2は、図3に示すように、回転軸21と、回転軸21の外周を覆う外径縮経部材22と、回転軸21を挿通した軸フランジ23とを備えて構成されている。回転軸21は、帯状体巻回リール1の回転軸になる。回転軸21は、ステンレス等の金属から形成されている。
【0020】
図4は図3に示す内周部材2の分解斜視図である。図4に示すように、回転軸21の先端部A1と中央部C1との間、及び、基端部B1と中央部C1との間には段差X2、X1が設けられている。先端部A1及び基端部B1は中央部C1に比べて小さな外径を有している。また、回転軸21は、先端部A1より更に先端側に係合部21aを備えている。係合部21aは、回転軸21の中央部C1とほぼ等しい大きさの外径を有しており、外周には軸心を挟んで互いに平行に対向する位置に一対の平坦面21a−1を備えている。両平坦面21a−1,21a−1間の距離は、両平坦面21a−1,21a−1に挟まれる係合部21aの外径よりも短く設定されている。回転軸21の中央部C1の基端部B1側には、環溝21bが成されている。環溝21bは、回転軸21の周方向に沿って形成されている。環溝21bには、止め輪24が嵌入される。また、回転軸21の中央部C1にはそれぞれ螺子孔21cが設けられている。螺子孔21cは螺子が螺着されるネジ孔である。
【0021】
2つの外径縮経部材22は、互いに同じ構成を有しており、組み合わされて回転軸21に取り付けられる。外径縮経部材22は、プラスチック等の合成樹脂から形成されている。外径縮経部材22は、全体として基端E2(一方の端部)側から先端D2(他方の端部)側にかけて外径が徐々に小さくなる外面形状を有している。また、その内面部には基端E2側から先端D2側にかけて複数のリブ22aを設けている。これらのリブ22aは回転軸21の中央部の外径とほぼ等しい内径を有する円弧状の内面形状を有している。外径縮経部材22の先端D2の内周縁部は、外径縮経部材22の基端E2側に内側に向けて折れ曲がった形状を有している。外径縮経部材22の外周面の幅方向中央部には、基端E2側から先端D2側に延びるガイド突部22bが設けられている。さらに、外径縮経部材22の幅方向中央部の先端部A2及び基端部B2にはそれぞれ挿通孔22cが設けられている。挿通孔22cは螺子が挿通されるネジ孔である。
【0022】
軸フランジ23は、パルス発生手段を構成する回転板であるのとともに、帯状体巻回リール1に巻回されるインクリボンIRの側面を支持するためのものである。軸フランジ23は、プラスチック等の合成樹脂から形成されている。軸フランジ23には、回転軸21が挿通される挿通孔23aが設けられている。また、挿通孔23aの周囲には、複数の嵌合孔23bが全体として環状を呈して配置されている。さらに、軸フランジ23の外周縁部には周期的な間隔でスリット23cが形成されている。
【0023】
内周部材2は、例えば、次の(1)〜(3)の手順で組み立てられる。なお、この手順は任意であり、他の順序で内周部材2を組み立ててもよい。
(1)回転軸21の環溝21bに止め輪24を嵌入する。
(2)回転軸21を先端部A1側から軸フランジ23の挿通孔23aに挿通する。
(3)両外径縮経部材22で回転軸21を挟み込んで互いの内周端面を当接させて組み合わせ、この状態で各外径縮経部材22の挿通孔22cを介して回転軸21の螺子孔21cに螺子25を螺着する。
【0024】
このようにして組み立てられた状態で、軸フランジ23は、止め輪24と外径縮経部材22の基端E2の端面とで挟み込まれて軸方向の位置決めがなされる。
【0025】
図5は図3に示す外周部材3を構成する第1の嵌合部材31(以下、単に嵌合部材31という。)を、図6は外周部材3を構成する第2の嵌合部材32(以下、単に嵌合部材32という。)をそれぞれ示す斜視図である。
【0026】
嵌合部材31,32は、筒状体を周方向に沿って2分割した形状を有しており、プラスチック等の合成樹脂から形成されている。図5および図6に示すように、嵌合部材31,32は、基端E3から先端D3にかけてほぼ等しい外径の周面を備える外面形状を有している。また、図6に示すように、嵌合部材31,32は、基端E3から先端D3にかけて複数のリブ3aを備えている。そして、これら複数のリブ3aによって、嵌合部材31,32は全体として基端E3から先端D3にかけて内径が徐々に小さくなる円弧状の内面形状を有している。そして、嵌合部材31,32に設けたリブ3aの円弧状の内面形状の内径は、外径縮経部材22の外径よりもやや大きく、かつ、全体として外径縮径部材22の外径とほぼ同じ割合で基端E3から先端D3まで縮経するように設定されている。このようにして、嵌合部材31,32は、基端E3から先端D3にかけて内径が縮径するリブ3aにより形成された内径縮径部をその内面によって構成している。
【0027】
嵌合部材31,32の内面の幅方向の中央部には、リブ3aが外面側に落ち込んで形成されたガイド凹部3bが、嵌合部材31,32の基端E3から先端D3にかけて形成されている。ガイド凹部3bは、外径縮経部材22のガイド突部22bに組み合わされて嵌合部材31,32の周方向の位置決めを行うための凹部である。また、嵌合部材31,32は、図5及び図6に示すように、幅方向の一方の端面を平坦に形成して構成された平坦部3cと、他方の端面を平坦に形成して構成された平坦部3dとを、それぞれ備える形状を有している。嵌合部材31,32の先端D3の内面側の縁部には、円弧状に窪んだ曲縁部3hが設けられている。
【0028】
図5に示すように、嵌合部材31は、基端部B3に形成された窪み部31aと、この窪み部31aに着脱自在に取り付けられる滑り止め部材31bとを備えている。滑り止め部材31bはゴム材などの摩擦係数の高い材質で作製され、窪み部31aに粘着剤等を介して取り付けられることにより軸方向および回転方向での移動を制限されると共に、インクリボンIRが巻回された際、摩擦によりインクリボンIRを滑りにくくして巻き取り易くするために設けられている。
【0029】
また、図6に示すように、嵌合部材32の先端部A3の内面には、金属製のロック片33が取り付けられる。ロック片33は、板状の金属をコの字状に折り曲げた形状を有しており、向かい合った一対の辺部33b,33bで挟まれる辺部には2つの挿通孔33aが設けられている。嵌合部材32の先端部A3には2つの螺子孔32aが設けられている。ロック片33は、挿通孔33aの設けられた辺部を嵌合部材32の幅方向に沿って位置させて嵌合部材32の内面に当接させ、各挿通孔33aを挿通した螺子34が螺子孔32aに螺子止めされることにより取り付けられている。
【0030】
嵌合部材31,32の基端E3の端面には嵌合突起3eが設けられている。嵌合突起3eは、軸フランジ23の嵌合孔23bに嵌合することにより、巻取リール1の拡大時には軸フランジ23と一体的に回転し、巻取リール1の縮小時には勘合部材31,32が先端側に移動して、嵌合突起3eが嵌合孔23bから離脱することにより、軸フランジ23を空転させる。即ち、巻取リール1の縮小時には軸フランジ23が回転せず、パルス発生手段が無効化されるようになっている。
【0031】
また、嵌合部材31,32の基端部B3及び先端部A3のそれぞれ幅方向両側部には、図6に示すように挿通孔3fが設けられている。これらの挿通孔3fは、螺子53が挿通される孔である。挿通孔3fの周囲には、図5に示すように凹部3gが設けられている。
【0032】
図7は、嵌合部材31,32の凹部3gの周辺を拡大して示す断面図である。図7に示すように、凹部3gは、バネ52の環装されたスペーサ51、又は、螺子53を挿入するための凹部である。スペーサ51の内周には雌螺子部51aが形成されている。また、嵌合部材31,32の先端D3の幅方向中央部には、三角形状を呈した目印3i(図5参照)が形成されている。目印3iは三角形の1つの頂点を嵌合部材31,32の先端D3側に向けて形成されている。目印3iは、後述する目印42aと三角形の頂点を互いに向かい合わせることにより、後述する固定キャップ4の回転位置を分かり易くするためのものである。
【0033】
嵌合部材31,32は、次の(1)〜(5)の手順で内周部材2に取り付けられる。なお、この手順は任意であり、他の順序で外周部材3を内周部材2に取り付けてもよい。
【0034】
(1)嵌合部材31,32を外径縮径部材22のガイド突部22bにガイド凹部3bが組み合わされるように互いの内面を向かい合わせて、互いの平坦部3cの外面と平坦部3dの内面とを合わせて組み合わせることにより、内周部材2の外径縮径部材22を挟み込む。
(2)嵌合部材31の中央部を挟んで対角線上に位置する一対の凹部3gの一方にバネ52を環装したスペーサ51を配置すると共に他方の凹部3gに螺子53を挿入する。
(3)スペーサ51が配置された嵌合部材31の凹部3gと向かい合う嵌合部材32の凹部3gに螺子53を挿入すると共に、螺子53が挿入された嵌合部材31の凹部3gと向かい合う嵌合部材32の凹部3gにバネ52を環装したスペーサ51を配置する。
(4)図7に示すように、嵌合部材31の凹部3gにバネ52を環装して配置されたスペーサ51と、嵌合部材32の凹部3gに配置された螺子53とを挿通孔3fを介して螺着し、また、嵌合部材32の凹部3gにバネ52を環装して配置されたスペーサ51と、嵌合部材31の凹部3gに配置された螺子53とを挿通孔3fを介して螺着することにより、嵌合部材31と嵌合部材32とを互いに螺子止めする。
(5)嵌合突起3eを軸フランジ23の嵌合孔23bに嵌め込む。
【0035】
このようにして嵌合部材31及び嵌合部材32が組み合わされて内周部材2に取り付けられ、外周部材3は構成される。内周部材2に取り付けられた嵌合部材31の内側の端面と嵌合部材32の内側の端面との間には、図7に示すように、隙間Yが生じた状態となり、この隙間Yの距離が短くなることにより外周部材3が縮経する。
【0036】
図8は、外径縮径部材22に取り付けられた外周部材3の構成の概略を示す断面図である。同図に示すように、外周部材3を構成する各嵌合部材31,32は、その内面が外径縮径部材22の外面に当接することにより、外径縮径部材22に支持される。つまり、各嵌合部材31,32は、スペーサ51と嵌合部材31,32との間に介装されたバネ52から加えられる付勢力を含む外面側からの力を加えられることにより、外径縮径部材22の縮径方向、つまり、先端D2側に移動するようにして、外径縮径部材22に取り付けられる。
【0037】
透過センサ207(軸フランジ23との配置関係を、便宜上水平方向にずらして図示している)は、発光部207aと受光部207bの間を通過するスリット23cの数に対応したパルスを制御部208へと出力する。
【0038】
制御部208は、モータ305を駆動している間中、パルスが発生していれば外周部材3が拡径していると判断し、プリンタ201は印字動作を継続する。
一方、モータ305の駆動中であるにも関わらず、パルスが途絶えている場合には、外周部材3が縮径していると判断し、プリンタ201にエラーを発生させる。
【0039】
嵌合部材31と嵌合部材32との螺着量、つまり、挿通孔3fを介してのスペーサ51と螺子53との螺着量は、帯状体巻回リール1に巻回されるインクリボンIRの材質やインクリボンIRの巻回量や巻回速度等に応じて調整される。例えば、インクリボンIRの巻回速度が速いときには巻回されたインクリボンIRに強い締付力が生じるので、バネ52の付勢力により嵌合部材31,32を締め付ける力が小さくても外周部材3を縮経させることができることから、スペーサ51と螺子53との螺着量は少なく設定される。一方、インクリボンIRの巻回速度が遅いときには巻回されたインクリボンIRに生じる締付力が弱くなり、バネ52の付勢力により嵌合部材31,32を強く締め付けないと外周部材3を縮経させられない虞があることから、スペーサ51と螺子53との螺着量は多く設定される。このように、インクリボンIRに生じる締付力とで嵌合部材31,32を外径縮経部材22の先端D2側に移動させることのできる程度の付勢力がバネ52から加えられる量に、スペーサ51と螺子53との螺着量を設定することができる。バネ52は、各嵌合部材31,32を螺子止めする螺子(本実施形態ではスペーサ51)と嵌合部材31,32との間に介装された弾性体であり、嵌合部材31及び嵌合部材32から構成される外周部材3を縮径方向に付勢する径方向付勢手段を構成している。
【0040】
図9は図3に示す固定キャップ4の斜視図である。図9に示すように、固定キャップ4は、円筒状の把持部41と、把持部41の一端面の中央部に設けられたロック体41aと、ロック体41aから突出した固定筒41bと、把持部41の他端面に取り付けられる円板体42とを備えて構成されている。固定キャップ4は、プラスチック等の合成樹脂から形成されている。
【0041】
ロック体41aは、固定キャップ4の軸線方向に垂直な方向の断面が四角形状を呈している。図6に示す嵌合部材32に取り付けられたロック片33の向かい合った辺部33b,33b同士の間隔は、このロック体41aの外周を構成する一辺の長さよりも長く、かつ、対向する角部同士を結んだ長さよりも短く設定されている。
【0042】
固定筒41bは、バネ6の内径よりも小さな外径と、回転軸21の係合部21aの最大外径よりも大きな内径とを有しており、ロック体41a側の外周には突条41cが形成されている。突条41cは、固定筒41bの周方向に沿って形成されて環状を呈している。突条41cは、固定筒41bのロック体41aと反対側の端面でバネ6の一端を係止し、ロック体41a側の端面とロック体41aの突条41c側の端面とにより嵌合部材31,32の曲縁部3hを挟み込むためのものである。固定筒41bの内周には、一対の図示しない突片が固定筒41bの中心軸を挟んで対向して設けられている。各突片の固定筒41bの周方向における形成位置は、ロック体41aの外周を構成する向い合った一対の辺部と同じ位置に設定されている。両突片の先端同士の距離は、係合部21aの両平坦面21a−1,21a−1間の距離よりも長く、かつ、係合部21aの最大外径よりも短く設定されている。また、円板体42の表面には、三角形状を呈した一対の目印42a,42aが形成されている。目印42a,42aは、三角形の1つの頂点を円板体42の周縁方向に向けると共に、1つの辺部をお互い対向させて形成されている。円板体42は、把持部41の周方向における固定筒41bの各突片の形成位置と同じ位置に目印42a,42aが位置するように把持部41に取り付けられる。目印42aとは、上述した目印3iと三角形の頂点を互いに向かい合わせることにより、後述する固定キャップ4の回転位置を分かり易くするためのものである。
【0043】
固定キャップ4は、次の(1)〜(3)の手順で内周部材2の回転軸21に取り付けられる。なお、この手順は任意であり、他の順序で固定キャップ4を回転軸21に取り付けてもよい。
【0044】
(1)固定筒41b内の両突片の間に係合部21aの両平坦面21a−1,21a−1の外周部分が位置するように回転軸21に対する位置を保った状態で、バネ6内に固定筒41bを挿通させる。
(2)固定筒41b内に回転軸21の先端部A1を挿入する。
(3)固定筒41b内の両突片が回転軸21の係合部21aの側方を通過した後に把持部41を回転させて係合部21aの円弧状の外周部分に係合部21aを係止させる。
【0045】
このようにして回転軸21に取り付けられた固定キャップ4は、突条41cの内周部材2に向かい合う端面にバネ6の一端を係止する。そして、回転軸21に固定キャップ4が取り付けられた後に嵌合部材31,32が取り付けられ、突条41cとロック体41aとで嵌合部材31,32の曲縁部3hを挟み込み、嵌合部材31,32の軸方向への移動を規制する。固定キャップ4と回転軸21との間に介装されたバネ6は、固定キャップ4を帯状体巻回リール1の先端側に付勢し、さらに突条41cとロック体41aとで曲縁部3hが挟み込まれた嵌合部材31,32も固定キャップ4を介して帯状体巻回リール1の先端側に付勢する。固定キャップ4及び係合部21aは、内周部材2に対する外周部材3の取付位置を解除自在に固定する固定手段を構成している。また、バネ6は、外周部材3を基端E3から先端D3に向けて付勢する軸方向付勢手段を構成している。上述したように、本実施形態では、軸方向付勢手段を構成するバネ6は、固定キャップ4を介して外周部材3を帯状体巻回リール1の先端側に付勢している。
【0046】
図10は、本実施形態の帯状体巻回リール1を備えて構成されるサーマルプリンタの構成の一部を示す分解斜視図である。
【0047】
図10に示すのは、リール81にインクリボンIRを巻回して供給軸301とし、帯状体巻回リール1に巻き取るサーマルプリンタ(201)の一部である。帯状体巻回リール1は、軸フランジ23からサーマルプリンタ本体8側に突出した回転軸21が回転自在に支持されて、装置本体8に取り付けられる。
【0048】
装置本体8には、軸受91、プーリ92、摺動体93、軸受94、及びベルト95を含んで構成される駆動機構が備えられる。軸受91は、一端面に設けられた嵌合片91aが装置本体8の駆動機構収容部82に設けられた図示しない嵌合部と嵌合することにより位置決めされて、装置本体8に取り付けられる。プーリ92は、ベルト95が掛けられる円筒状のベルト掛け部92aと、ベルト掛け部92aよりも小さな外径を有して摺動体93が嵌入される円筒状の摺動部92bとを備えている。摺動体93は、回転軸21の挿通される挿通孔93aを備えており、挿通した回転軸21にキーを用いる等して固定される。軸受94は、ワッシャ96を介してカバー97に嵌め込まれる。カバー97は、螺子101により駆動機構収容部82に螺子止めされる。
【0049】
回転軸21は、ブッシュ102を介して装置本体8の駆動機構収容部82内に挿通され、軸受91、プーリ92、摺動体93、軸受94、及びカバー97に挿通される。カバー97内に挿通された回転軸21はブッシュ98に挿通され、ワッシャ99を介して螺子100によりカバー97に螺子止めされて、装置本体8に取り付けられる。図示しないモータの回転によりベルト95が回転するとプーリ92が回転し、プーリ92の摺動部92b内にある摺動体93が回転軸21と一体となって回転する。帯状体巻回リール1の回転軸21に大きな負荷がかかるとプーリ92の摺動部92bと摺動体93とが摺動して帯状体巻回リール1やモータ等の破損が防止される。
【0050】
次に、このような構成を有するサーマルプリンタにおいて帯状体巻回リール1にインクリボンIRを巻回する際の動作を説明する。
【0051】
図11は、帯状体巻回リール1を側方から見た図であり、(a)は外周部材3の縮径前、(b)は外周部材3の縮径後の状態を示す。図11は、帯状体巻回リール1を先端側から見た図であり、(a)は外周部材3の縮径前、(b)は外周部材3の縮径後の状態を示す。
【0052】
帯状体巻回リール1にインクリボンIRを巻回する際には、固定キャップ4の把持部41を内周部材2の基端E2側に押し込むと共に回転させて、固定筒41b内の突片を回転軸21が備える係合部21aに係合させる。この操作に伴い、図11(a)に示すように、内周部材2に取り付けられた嵌合部材31,32の嵌合突起3eが軸フランジ23の嵌合孔23bに嵌め込まれ、各嵌合部材31,32の基端E3が軸フランジ23に当接する。また、図12(a)に示すように、各嵌合部材31,32の平坦部3cと平坦部3dとが、互いの縁部のみを接触させた状態となる。この状態で、帯状体巻回リール1に巻回されるインクリボンIRの材質や巻回量や巻回速度等に応じて、スペーサ51と螺子53との螺着量を調節してバネ52による付勢力を調整する。これにより、帯状体巻回リール1にインクリボンIRを巻回できる状態となる。
【0053】
この状態では、固定キャップ4の目印42aが嵌合部材31,32の目印3iとは対向しない位置に位置している。また、固定キャップ4のロック体41aがロック片33の辺部33b,33bの間に位置し、ロック体41aがロック片33に当接することにより、固定キャップ4の回転が規制される。また、固定キャップ4はバネ6により帯状体巻回リール1の先端側に付勢されるが、固定筒41b内の係止片に回転軸21の係止部21aが係止することにより固定キャップ4の移動が規制される。また、スペーサ51と螺子53との間に介装されたバネ52により外周部材3には縮経する方向に力が加えられる。また、図8(a)に示すように基端E2から先端D2にかけて外面が傾斜して縮経している外径縮経部材22に各嵌合部材31,32の内面が支持されていることから、嵌合部材31,32には外径縮経部材22の先端D2側に移動する力も働く。これにより、嵌合部材31,32の先端D3が固定キャップ4のロック体41aに当接して、固定キャップ4を外径縮経部材22と反対側に押圧するが、固定キャップ4の移動が固定筒41b内の突片と回転軸21の係合部21aとの係合により規制されていることから、嵌合部材31,32の移動も規制された状態を保っている。
【0054】
上述のようにしてサーマルプリンタに取り付けられた帯状体巻回リール1には、図2に示すように、巻回されるインクリボンIRの先端がテープTで帯状体巻回リール1に貼り付けられた後、上述した駆動機構で回転軸21を回転させることにより、インクリボンIRの巻回が行われる。
【0055】
外周部材3は、巻回されたインクリボンIRに締め付けられて、その内面が外径縮経部材22の外面に押し付けられる。外径縮経部材22が外面の傾斜した外面形状を有して基端E2から先端D2にかけて縮経していることから、外周部材3には外径縮経部材22の先端D2側に移動する力が働くが、上述した固定キャップ4のロック体41aとの当接により、外周部材3の移動は規制された状態を保つ。
【0056】
インクリボンIRの巻回が終了すると、固定キャップ4による外周部材3の取付位置の固定が解除される。これは、固定キャップ4の把持部41を握って固定キャップ4の目印42aが嵌合部材31,32の目印3iと対向する位置に位置するまで、右又は左方向に回転させることにより行われる。この操作により、ロック片33の辺部33b,33bを撓ませてロック体41aがこれらの辺部33b,33bの間を通過して、固定キャップ4の固定筒41b内にある係止片と回転軸21の係止部21aとの係止が解け、バネ6の付勢力により固定キャップ4が帯状体巻回リール1の先端側に移動して、回転軸21の先端部A1から抜け出す。固定キャップ4のロック体41aと突条41cとの間に曲縁部3hが挟み込まれた嵌合部材31,32は、固定キャップ4と共に帯状体巻回リール1の先端側に移動する。つまり、図8(a)に示す状態から、嵌合部材31,32の内面が外径縮径部材22の外面に沿って帯状体巻回リール1の先端側に移動し、嵌合部材31の内側の端面と嵌合部材32の内側の端面との間に生じていた図7に示す隙間Yが短くなって、図8(b)に示すように、外周部材3が縮径した状態となる。
【0057】
この状態では、外径縮径部材22に取り付けられた外周部材3は、図11(b)に示すように、各嵌合部材31,32の嵌合突起3eが軸フランジ23の嵌合孔23bから抜け出して外径縮径部材22の先端D2側に全体が移動している。また、図12(b)に示すように、各嵌合部材31,32の平坦部3cと平坦部3dとが、互いの全面を接触させている。このようにして外周部材3の外周が縮経することにより、巻回されたインクリボンIRの内周部と外周部材3との間に隙間が生じ、巻回されたインクリボンIRを帯状体巻回リール1から取り外すことが可能となる。
【0058】
帯状体巻回リール1から巻回されたインクリボンIRを抜き出した後、固定キャップ4を嵌合部材31,32と共に内周部材2の基端E2側に押し込み、固定キャップ4を回転軸21の係合部21aに係合させると共に嵌合部材31,32の嵌合突起3eを軸フランジ23の嵌合孔23bに嵌め込んで、上述したインクリボンIRを巻回することのできる状態に戻すことにより、新たにインクリボンIRの巻回作業を行うことが可能となる。
【0059】
このように、本実施形態による帯状体巻回リール1によれば、固定キャップ4を回転させて固定手段による固定を解除するという簡単な操作で、巻回されたインクリボンIRを帯状体巻回リール1から取り外すことができる。しかも、外周部材3が外径縮経部材22の先端D2側に移動して外周部材3全体の外径が縮経されることから、巻回されたインクリボンIRとの間に生じる隙間を帯状体巻回リール1の基端から先端にかけて均一にすることができる。従って、インクリボンIRに生じる締付力を考慮した巻回速度の調整を行うことなく、帯状体巻回リール1に巻回されたインクリボンIRを容易に取り外すことができる。
【0060】
また、本実施形態による帯状体巻回リール1によれば、外周部材3の外周へのインクリボンIRの巻回量が十分でない等により外周部材3を縮経させる力がインクリボンIRから十分に加えられない場合でも、固定キャップ4を回転させることにより外周部材3の取付位置の固定が解かれたときに外周部材3をバネ52により縮経方向に付勢すると共にバネ6により帯状体巻回リール1の先端側に付勢することにより外周部材3を外径縮経部材22の先端D2側に移動させ、外周部材3を縮径させることが可能となる。従って、インクリボンIRに生じる締付力を考慮した巻回速度の調整を行うことなく、帯状体巻回リール1に巻回されたインクリボンIRを容易に取り外すことができるという作用効果を、より確実に得ることができるようになる。
【0061】
また、本実施形態による帯状体巻回リール1によれば、各嵌合部材31,32間の螺子止め量を調整するという簡単な作業により、外周部材3を縮経させようとする力の大きさを調整することができる。このため、インクリボンIRから加えられる締付力に関わらず、外周部材3を外径縮経部材22の先端D2側に移動させて外周部材3を縮経させるのに十分な付勢力を外周部材3に働かせることができる。この結果、インクリボンIRに生じる締付力を考慮した巻回速度の調整を行うことなく、帯状体巻回リールに巻回されたインクリボンIRを容易に取り外すことができるという作用効果をより確実に得ることが可能となる。
【0062】
なお、上記実施形態では、外面の一部のみが基端E2側から先端D2側にかけて回転軸21側に傾斜している形状を有する外径縮経部材22を外径縮経部として本発明を適用した場合について説明した。しかしながら、外径縮経部材22は、基端E2側から先端D2側にかけて縮経方向に傾斜するテーパー面を有する外面形状を有して、全体として基端E2側から先端D2側にかけて縮経しており、先端D2側への外周部材3の移動を妨げないのであれば、その形状は任意であり、例えば、外面の全体が基端E2側から先端D2側にかけて内面側に傾斜したテーパー面を有する形状でもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、嵌合部材31,32の内面に設けられたリブ3aにより内径縮経部が構成されている場合について説明した。しかしながら、内径縮経部は、嵌合部材31,32の内面が全体として基端E3側から先端D3側にかけて縮経方向に傾斜するテーパー面を有する内面形状を有して、全体として基端E3側から先端D3側にかけて縮経しており、先端D3側への外周部材3の移動を妨げないのであれば、その形状は任意であり、例えば、外面の全体が基端E3側から先端D3側にかけて内面側に傾斜したテーパー面を有する形状でもよい。また、外周部材の構成も、内径縮径部を備えると共に径方向に拡縮自在に構成され、外径縮径部に内径縮径部が支持されることにより内周部材に取り付けられるのであれば任意である。例えば、上記実施形態の説明では筒状体を周方向に沿って2分割した形状を有する嵌合部材31及び嵌合部材32を組み合わせて外周部材3を構成した場合について説明したが、筒状体を3分割した形状の3つの嵌合部材から外周部材3を構成してもよい。
【0064】
上記実施形態の説明では、スペーサ51と嵌合部材31,32との間に介装されたバネ52により経方向付勢手段を構成した場合について説明したが、螺子53と嵌合部材31,32との間にバネを介装して経方向付勢手段を構成してもよく、また、スペーサ51と嵌合部材31,32との間及び螺子53と嵌合部材31,32との間にバネを介装して経方向付勢手段を構成してもよい。また、上記実施形態の説明では、嵌合部材31,32にそれぞれ形成された4つの挿通孔3fのうちの2つの挿通孔3fを介して、バネ52を環装したスペーサ51と螺子53との螺着を行った場合について説明したが、このような螺着を全ての挿通孔3fを介して行う構成としてもよい。また、経方向付勢手段を構成する弾性体の種類は任意である。
【0065】
上記実施形態の説明では、回転軸21に環装されたバネ6により軸方向付勢手段を構成した場合について説明したが、外周部材3を基端E3側から先端D3側に向けて付勢することができるのであれば軸方向付勢手段の構成は任意である。
【0066】
上記実施形態の説明では、固定キャップ4の突条41cとロック体41aとで嵌合部材31,32の曲縁部3hを挟み込むことにより、固定キャップ4と嵌合部材31,32とが一体となって移動する場合について説明した。しかしながら、軸方向付勢手段により嵌合部材31,32に対して直接付勢力を働かせると共に、固定キャップ4と嵌合部材31,32とが別々に移動できる構成としてもよい。また、外径縮経部材22の先端D2側への嵌合部材31,32の移動を規制することができるのであれば、固定手段の構成も任意である。
【0067】
また、上記実施形態の説明では、本発明の帯状体巻回リールをインクリボンを巻回するリールとして用いた場合について説明したが、巻回する帯状体の種類は任意であり、例えば、ラベルが仮着された帯状台紙等を巻回するリールにも本発明の帯状体巻回リールを適用することができる。また、上記実施形態の説明では、固定筒41bに形成された突条41cにバネ6の一端を係止させた場合について説明した。しかしながら、固定筒41bの先端部にバネ6の一端を係止させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 帯状体巻回リール(巻取軸)
2 内周部材
21 回転軸
21a 係合部
22 外径縮径部材(外径縮経部)
23 軸フランジ(パルス発生手段)
3 外周部材
31,32 嵌合部材
33 ロック片
4 固定キャップ
41a ロック体
41b 固定筒
51 スペーサ
52 バネ
53 螺子
207 透過センサ(パルス発生手段)
208 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給軸から巻取軸に巻取られるインクリボンと、該リボンに熱を加え印字用紙に画像を印字するサーマルヘッドと、前記リボンを巻取るため、前記巻取軸を回転駆動するモータと、前記リボンを介してサーマルヘッドと印字用紙を挟持し、自ら回転して印字用紙を搬送するプラテンローラと、前記巻取軸と一体回転し、巻取軸の回転角度に対応した数のパルスを発生させるパルス発生手段とを備えた熱転写印字装置において、
前記巻取軸は外径を拡大/縮小させる操作を可能にするとともに、該巻取軸が縮小状態の場合に、前記パルス発生手段を無効化する検出無効化手段を設け、該検出無効化手段が動作するとエラーを発生して印字を停止し、および/または、警告を表示するよう構成したことを特徴とする熱転写印字装置。
【請求項2】
前記巻取軸は、内周部材と、その外側に取り付けた外周部材とからなり、外周部材を内周部材の軸方向先端側に相対移動することで縮径するよう構成するのとともに、外周部材の基端側に係合部を設け、この係合部が外周部材の移動に伴い、前記パルス発生手段を構成する回転板との係合/離脱により、前記検出無効化手段を構成することを特徴とする請求項1に記載の熱転写印字装置。
【請求項1】
供給軸から巻取軸に巻取られるインクリボンと、該リボンに熱を加え印字用紙に画像を印字するサーマルヘッドと、前記リボンを巻取るため、前記巻取軸を回転駆動するモータと、前記リボンを介してサーマルヘッドと印字用紙を挟持し、自ら回転して印字用紙を搬送するプラテンローラと、前記巻取軸と一体回転し、巻取軸の回転角度に対応した数のパルスを発生させるパルス発生手段とを備えた熱転写印字装置において、
前記巻取軸は外径を拡大/縮小させる操作を可能にするとともに、該巻取軸が縮小状態の場合に、前記パルス発生手段を無効化する検出無効化手段を設け、該検出無効化手段が動作するとエラーを発生して印字を停止し、および/または、警告を表示するよう構成したことを特徴とする熱転写印字装置。
【請求項2】
前記巻取軸は、内周部材と、その外側に取り付けた外周部材とからなり、外周部材を内周部材の軸方向先端側に相対移動することで縮径するよう構成するのとともに、外周部材の基端側に係合部を設け、この係合部が外周部材の移動に伴い、前記パルス発生手段を構成する回転板との係合/離脱により、前記検出無効化手段を構成することを特徴とする請求項1に記載の熱転写印字装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−189513(P2011−189513A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54982(P2010−54982)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】
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