説明

熱転写成形装置

【課題】真空(減圧)条件の下で熱転写成形を行う成形装置に要する設備経費を圧縮し、連続的な生産を可能とすることにより時間当たりの生産性の向上も実現できる熱転写成形装置を提供する。
【解決手段】被加工材を減圧して搬送する搬送成形ユニット10と、搬送成形ユニット内の被加工材を補助加熱する補助加熱部30と、搬送成形ユニットを挟持して補助加熱部よりも高圧力により被加工材を加熱成形する加圧熱成形部40と、搬送成形ユニット内の被加工材を冷却する加圧冷却部50と、搬送成形ユニットを挟持して加圧冷却部よりも低圧力により被加工材を補助冷却する補助冷却部60と、搬送成形ユニットの脱気部を通じて内部を減圧し補助加熱部に向けて搬出する搬出部70と、補助冷却部から搬送成形ユニットを受け入れてその分離を行う搬入部80と、接続部110を備え搬送成形ユニットを各部の配置順に搬送し所定位置に載置する搬送装置100を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱転写成形装置に関し、特に被加工材自体を移動させるのではなく被加工材自体を収容したユニットごと移動することによって成形する熱転写成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂等からなる被加工材に対し型面を転写する熱転写成形の装置では、熱板を有する固定側部材上に被加工材が載置され、固定側部材に対して可動熱板を有する可動側部材が前進され、双方からの押圧により被加工材の加熱加圧が行われる。このような熱転写成形の装置としては、例えば、可動側部材の前進時に真空チャンバを形成し、減圧状態で被加工材を加熱加圧(熱転写プレス)する装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。前記の特許文献1,2等の熱転写プレスの装置においては、成形時真空状態とするため、被加工材に対するスタンパの密着が良好となり、特に精密かつ微細な表面形状の成形に好都合である。
【0003】
前記の特許文献等の装置の場合、成形時を減圧状態とすることから、被加工材に対する加熱加圧及び冷却加圧は、ともに一対のプレス装置内にて行われている。つまり、加熱加圧には、被加工材に型面を転写するスタンパの背後のプレス盤側に形成された流路内に水蒸気等が送通される。また、冷却加圧時には、同じ流路内に冷水等が送通される。成形のためいったん装置内を減圧状態とした後、被加工材は装置外に取り出されることなく、圧着状態が維持されたまま、プレス盤の側で温度上昇と降下が繰り返される。
【0004】
被加工材に応じた所定の設定温度条件において加熱加圧並びに冷却加圧を行う必要上、各処理同士の間にプレス盤の温度調整のための準備時間が否応なく生じてしまう。それゆえ、作業の連続化による単位時間当たりの処理能力の向上を勘案すると、その要望に必ずしも応えきれていない。また、従来装置により処理能力を向上させようとする場合、装置や機器の数を増やして対応することになる。このため、設備投資が増す問題がある。
【0005】
そこで、真空(減圧)条件の下で熱転写成形を行う成形装置において、装置に要する設備経費を圧縮し、かつ、連続的な生産を可能とすることにより時間当たりの生産性の向上も実現できる成形装置が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−167788号公報
【特許文献2】特開2008−155521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、真空(減圧)条件の下で熱転写成形を行う成形装置に要する設備経費を圧縮し、連続的な生産を可能とすることにより時間当たりの生産性の向上も実現できる熱転写成形装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、請求項1の発明は、被加工材と、前記被加工材の上下表面に密着する上側スタンパ及び下側スタンパと、前記上側スタンパ、前記被加工材及び前記下側スタンパとする順に収容する上側収容部材及び下側収容部材と、前記上側収容部材と前記下側収容部材との合着により形成された収容空間内を減圧する脱気部を備え、減圧状態を維持しながら搬送可能とする搬送成形ユニットと、上下一対の補助加熱盤部を備え前記補助加熱盤部同士の間に前記搬送成形ユニットを挟持するとともに前記搬送成形ユニットに対して加圧及び補助加熱して、前記搬送成形ユニット内の前記被加工材を補助加熱する補助加熱部と、前記補助加熱部の前側に配置され、上下一対の加熱盤部を備え前記加熱盤部同士の間に前記搬送成形ユニットを挟持するとともに前記搬送成形ユニットに対して前記補助加熱部よりも高圧力により加圧及び加熱して、前記搬送成形ユニット内の前記被加工材を加熱成形する加圧熱成形部と、前記加圧熱成形部の前側に配置され、上下一対の冷却盤部を備え前記冷却盤部同士の間に前記搬送成形ユニットを挟持するとともに前記搬送成形ユニットに対して加圧及び冷却して、前記搬送成形ユニット内の前記被加工材を冷却する加圧冷却部と、前記加圧冷却部の前側に配置され、上下一対の補助冷却盤部を備え前記補助冷却盤部同士の間に前記搬送成形ユニットを挟持するとともに前記搬送成形ユニットに対して前記加圧冷却部よりも低圧力により加圧しながら冷却して、前記搬送成形ユニット内の前記被加工材を補助冷却する補助冷却部と、前記補助加熱部の後ろ側に配置され、被加工材を収容した搬送成形ユニットの前記脱気部を通じて前記収容空間内の減圧を行うとともに待機位置に載置し前記補助加熱部に向けて前記搬送成形ユニットを搬出する搬出部と、前記補助冷却部の前側に配置され、前記補助冷却部から搬入される前記搬送成形ユニットを受け入れて当該搬送成形ユニットの分離を行う搬入部と、前記搬送成形ユニットと接続する接続部を備え、前記接続部と接続した前記搬送成形ユニットを前記搬出部、前記補助加熱部、前記加圧熱成形部、前記加圧冷却部、前記補助冷却部、及び前記搬入部とする配置順に搬送するとともに、前記接続部と接続した前記搬送成形ユニットを前記補助加熱盤部同士の間、前記加熱盤部同士の間、前記冷却盤部同士の間、及び前記補助冷却盤部同士の間の所定位置に載置する搬送装置とを有することを特徴とする熱転写成形装置に係る。
【0009】
請求項2の発明は、前記搬入部において、前記搬送成形ユニットから成形を終えた被加工材の取り出しと、成形前の被加工材の前記搬送成形ユニット内への装着が行われる請求項1に記載の熱転写成形装置に係る。
【0010】
請求項3の発明は、前記搬入部から前記搬出部に向けて成形前の被加工材を収容した前記搬送成形ユニットを返送する返送装置を備える請求項2に記載の熱転写成形装置に係る。
【0011】
請求項4の発明は、前記返送装置に返送ローラーコンベアが含まれており、前記返送ローラーコンベアは前記補助加熱部の前記補助加熱盤部、前記加圧熱成形部の前記加熱盤部、前記加圧冷却部の前記冷却盤部、及び前記補助冷却部の前記補助冷却盤部の直下に敷設される請求項3に記載の熱転写成形装置に係る。
【0012】
請求項5の発明は、前記搬送装置は、搬送ローラーコンベアと、前記接続部を複数備えた移動ビーム部材、前記移動ビーム部材を前進後退駆動する駆動部を備える請求項1ないし4のいずれか1項に記載の熱転写成形装置に係る。
【0013】
請求項6の発明は、前記移動ビーム部材は、前記搬出部、前記補助加熱部、前記加圧熱成形部、前記加圧冷却部、及び前記補助冷却部に載置されている各搬送成形ユニットを一括して保持可能とする長さを有し、前記搬送装置は、前記搬出部、前記補助加熱部、前記加圧熱成形部、前記加圧冷却部、及び前記補助冷却部に載置されている各搬送成形ユニットを一括して前記補助加熱部、前記加圧熱成形部、前記加圧冷却部、前記補助冷却部、及び前記搬入部に搬送し載置する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の熱転写成形装置に係る。
【0014】
請求項7の発明は、前記搬送成形ユニットは、前記補助加熱部、前記加圧熱成形部、前記加圧冷却部、及び前記補助冷却部のいずれにおいても前記脱気部を通じて減圧される請求項1ないし6のいずれか1項に記載の熱転写成形装置に係る。
【0015】
請求項8の発明は、前記搬送成形ユニットは前記補助冷却部において補助冷却を終えた後、前記脱気部を通じ給気されて前記収容空間内が加圧される請求項1ないし7のいずれか1項に記載の熱転写成形装置に係る。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明に係る熱転写成形装置によると、被加工材と、前記被加工材の上下表面に密着する上側スタンパ及び下側スタンパと、前記上側スタンパ、前記被加工材及び前記下側スタンパとする順に収容する上側収容部材及び下側収容部材と、前記上側収容部材と前記下側収容部材との合着により形成された収容空間内を減圧する脱気部を備え、減圧状態を維持しながら搬送可能とする搬送成形ユニットと、補助加熱盤部同士の間に前記搬送成形ユニットを挟持して加圧及び補助加熱し前記搬送成形ユニット内の前記被加工材を補助加熱する補助加熱部と、加熱盤部同士の間に前記搬送成形ユニットを挟持して前記補助加熱部よりも高圧力により加圧及び加熱し前記搬送成形ユニット内の前記被加工材を加熱成形する加圧熱成形部と、冷却盤部同士の間に前記搬送成形ユニットを挟持して加圧及び冷却し前記搬送成形ユニット内の前記被加工材を冷却する加圧冷却部と、補助冷却盤部同士の間に前記搬送成形ユニットを挟持して前記加圧冷却部よりも低圧力により加圧し前記搬送成形ユニット内の前記被加工材を補助冷却する補助冷却部と、前記補助加熱部の後ろ側に配置され、前記脱気部を通じて前記収容空間内の減圧を行うとともに待機位置に載置し前記補助加熱部に向けて前記搬送成形ユニットを搬出する搬出部と、前記補助冷却部の前側に配置され、前記補助冷却部から搬入される前記搬送成形ユニットを受け入れて当該搬送成形ユニットの分離を行う搬入部と、前記搬送成形ユニットと接続する接続部を備え、前記接続部と接続した前記搬送成形ユニットを前記搬出部、前記補助加熱部、前記加圧熱成形部、前記加圧冷却部、前記補助冷却部、及び前記搬入部とする配置順に搬送するとともに、前記接続部と接続した前記搬送成形ユニットを前記補助加熱盤部同士の間、前記加熱盤部同士の間、前記冷却盤部同士の間、及び前記補助冷却盤部同士の間の所定位置に載置する搬送装置とを有するため、真空(減圧)条件の下で熱転写成形を行う成形装置に要する設備経費を圧縮し、連続的な生産を可能とすることにより時間当たりの生産性の向上も実現できる。
【0017】
請求項2の発明に係る熱転写成形装置によると、請求項1の発明において、前記搬入部において、前記搬送成形ユニットから成形を終えた被加工材の取り出しと、成形前の被加工材の前記搬送成形ユニット内への装着が行われるため、被加工材の取り出しと新たな取り付けを搬入部に集約しているため、作業の効率化が図られる。また、作業に要する場所も少なくすることができる。
【0018】
請求項3の発明に係る熱転写成形装置によると、請求項2の発明において、前記搬入部から前記搬出部に向けて成形前の被加工材を収容した前記搬送成形ユニットを返送する返送装置を備えるため、搬送成形ユニットの循環が容易となり、処理の連続化が可能となる。
【0019】
請求項4の発明に係る熱転写成形装置によると、請求項3の発明において、前記返送装置に返送ローラーコンベアが含まれており、前記返送ローラーコンベアは前記補助加熱部の前記補助加熱盤部、前記加圧熱成形部の前記加熱盤部、前記加圧冷却部の前記冷却盤部、及び前記補助冷却部の前記補助冷却盤部の直下に敷設されるため、熱転写成形装置の横に張り出して置かれることなく、熱転写成形装置内での敷設場所が節約可能である。
【0020】
請求項5の発明に係る熱転写成形装置によると、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記搬送装置は、搬送ローラーコンベアと、前記接続部を複数備えた移動ビーム部材、前記移動ビーム部材を前進後退駆動する駆動部を備えるため、搬送成形ユニットの搬送に要する機構を比較的簡単にすることができる。
【0021】
請求項6の発明に係る熱転写成形装置によると、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記移動ビーム部材は、前記搬出部、前記補助加熱部、前記加圧熱成形部、前記加圧冷却部、及び前記補助冷却部に載置されている各搬送成形ユニットを一括して保持可能とする長さを有し、前記搬送装置は、前記搬出部、前記補助加熱部、前記加圧熱成形部、前記加圧冷却部、及び前記補助冷却部に載置されている各搬送成形ユニットを一括して前記補助加熱部、前記加圧熱成形部、前記加圧冷却部、前記補助冷却部、及び前記搬入部に搬送し載置するため、移動ビーム部材の1回の前進動作で搬送可能となり、熱転写成形装置内の搬送成形ユニットの搬送効率が高められる。
【0022】
請求項7の発明に係る熱転写成形装置によると、請求項1ないし6のいずれかの発明において、前記搬送成形ユニットは、前記補助加熱部、前記加圧熱成形部、前記加圧冷却部、及び前記補助冷却部のいずれにおいても前記脱気部を通じて減圧されるため、成形や冷却に先立ち常に真空度を高めることができる。そして、常に一定の真空度を確保した上で加圧を伴う成形及び冷却が可能となり、成形不良や被加工材とスタンパとの位置ずれを回避して成形品質を向上させることができる。
【0023】
請求項8の発明に係る熱転写成形装置によると、請求項1ないし7のいずれかの発明において、前記搬送成形ユニットは前記補助冷却部において補助冷却を終えた後、前記脱気部を通じ給気されて前記収容空間内が加圧されるため、収容空間内に注入された空気が加工を終えた被加工材の上下のそれぞれの間に侵入し、搬送成形ユニットからのスタンパや被加工材の分離、脱型を比較的円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例に係る熱転写成形装置の概要斜視図である。
【図2】搬送成形ユニットの全体斜視図である。
【図3】搬送成形ユニットの概略断面図である。
【図4】熱転写成形装置の全体側面図である。
【図5】加圧熱成形部の正面図である。
【図6】図5の加圧熱成形部の搬送装置付近の部分拡大図である。
【図7】搬送装置の接続部の部分拡大斜視図である。
【図8】搬送装置の駆動部付近の部分拡大図である。
【図9】熱転写成形装置の第1側面模式図である。
【図10】熱転写成形装置の第2側面模式図である。
【図11】圧力及び温度の履歴を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1の概要斜視図に示す熱転写成形装置1は、例えばPMMA、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂からなる被加工材W(図3参照)の表層に対し加熱加圧を行うことにより、その表面にパターン形成をするための装置である。成形後の被加工材Wは、例えば液晶ディスプレイ等の各種表示装置に装着されるバックライト用の導光板として用いられる。あるいは、LED照明の拡散用や導光用の板としても用いられる。
【0026】
本発明の熱転写成形装置1を用いた熱転写成形方法においては、被加工材Wがそれ自体単独で順次搬送されて加熱成形、冷却が行われるのではない。被加工材Wは、図2、図3に開示する搬送成形ユニット10内に収容され、搬送成形ユニット10が順次搬送されることによって当該搬送成形ユニット10の内部に収容された被加工材Wに対して加熱加圧等が行われる。以下、本発明の熱転写成形装置1の構成を説明する。
【0027】
図1から把握される熱転写成形装置1において、搬送成形ユニット10の前進順に合わせて搬出部70、補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、補助冷却部60、そして搬入部80が同一直線状に配置される。搬送成形ユニット10の前進方向への搬送は搬送装置100により行われる。搬送成形ユニット10は搬出部70から順送りされて搬入部80に到達した後、内部の被加工材Wが交換されて返送装置94により搬出部70まで返送される。図1中、符号71は搬出部昇降板、72は搬出部上ステージ、73は搬出部下ステージ、81は搬入部昇降板、82は搬入部上ステージ、83は搬入部下ステージ、91は押し出し装置、95は返送ローラーコンベア、101は移動ビーム部材、110は接続部である。
【0028】
搬送成形ユニット10について、図2及び図3を用い説明する。搬送成形ユニット10は上側収容部材13及び下側収容部材14から形成される。上側収容部材13の中央部分全体は上側台板部21であり、その全周囲に上側台枠部23が設けられる。同様に、下側収容部材14の中央部分全体は下側台板部22であり、その全周囲に下側台枠部24が設けられる。上側台板部21及び下側台板部22は、補助加熱部30以降の補助加熱盤部31,32等からの加圧、加熱及び冷却を受ける。そのため、金属板等の熱伝導性に優れた部材から形成される。
【0029】
被加工材Wが搬送成形ユニット10に収容されるに際し、被加工材Wの上表面Waに対して密着する上側スタンパ11及び同被加工材Wの下表面Wbに対して密着する下側スタンパ12も同時に挟み込まれる。そこで、図3(a)のとおり、上側スタンパ11、被加工材W、及び下側スタンパ12とする上下方向順を維持したまま、これらは上側収容部材13と下側収容部材14との間の所定位置に収容される。上側スタンパ及び下側スタンパには所定の成形模様が付され、加熱に伴い軟化した被加工材Wの表面に両スタンパの模様が転写される。被加工材Wの表面を平面(平滑面)に加工する場合、鏡面仕上げのスタンパが用いられる。
【0030】
上側収容部材13と下側収容部材14には、互いの合着時の位置合わせのため、ピンと係合穴等を備えた位置決め部材16が備えられる。また、合着時の気密性確保等の目的から上側収容部材13と下側収容部材14との接合面にガスケット(図示せず)が備えられる。図2中の符号19は係着ブロックであり、図7にて詳述する。
【0031】
図3(b)のとおり、上側収容部材13と下側収容部材14が合着することにより、上側スタンパ11、被加工材W、及び下側スタンパ12は収容保持される。上側収容部材13と下側収容部材14との合着により収容空間15が生じる。被加工材Wは減圧条件において加熱加圧される。減圧状態とすることにより、上側及び下側スタンパ11,12と被加工材Wとの隙間の空気が除去されて密着精度が高まる。特に微細な模様を均一に形成する際の歩留まり改善に都合よい。
【0032】
そこで、搬送成形ユニット10内に形成された収容空間15内を脱気して、減圧状態(真空状態)を維持するための脱気部が備えられる。この脱気部には公知の逆止弁、チェック弁等が用いられる。図示では上側脱気部17と下側脱気部18が備えられる。後述するように、収容空間15内の脱気(減圧化)は、補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、及び補助冷却部60における加圧に先立って行われ、また、搬出部70においても待機中に収容空間15内の脱気が行われる。列記の各部において、個々の搬送成形ユニット10の上側脱気部17、下側脱気部18は、図6等に示す上側脱気コネクタ部27、下側脱気コネクタ部28と接続される。そして、真空ポンプVの吸引力により収容空間15内の空気が吸引される。
【0033】
図1に加え図4を用い補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50及び補助冷却部60、加えて搬出部70及び搬入部80等の熱転写成形装置1に含まれる各部の構造を説明する。
【0034】
補助加熱部30では、上下一対となる上側補助加熱盤部31及び下側補助加熱盤部32が備えられる。上側補助加熱盤部31及び下側補助加熱盤部32の間に搬送成形ユニット10は1基載置され挟持される。下側補助加熱盤部32の下方に油圧プレス装置36が配置される。すなわち、下側補助加熱盤部32が可動側であり上側補助加熱盤部31が固定側である。補助加熱部30において、搬送成形ユニット10は上側補助加熱盤部31及び下側補助加熱盤部32の加圧及び補助加熱を受ける。
【0035】
加圧熱成形部40は補助加熱部30の前側(搬送成形ユニット10の進路順の前方側)に配置される。加圧熱成形部40では、上下一対となる上側加熱盤部41及び下側加熱盤部42が備えられる。前記の両加熱盤部41,42の間に搬送成形ユニット10は1基載置され挟持される。下側加熱盤部42の下方に油圧プレス装置46が配置される。すなわち、下側加熱盤部42が可動側であり上側加熱盤部41が固定側である。加圧熱成形部40において、搬送成形ユニット10は上側加熱盤部41及び下側加熱盤部42の加圧及び加熱を受ける。
【0036】
加圧冷却部50は加圧熱成形部40の前側(搬送成形ユニット10の進路順の前方側)に配置される。加圧冷却部50では、上下一対となる上側冷却盤部51及び下側冷却盤部52が備えられる。前記の両冷却盤部51,52の間に搬送成形ユニット10は1基載置され挟持される。下側冷却盤部52の下方に油圧プレス装置56が配置される。すなわち、下側冷却盤部52が可動側であり上側冷却盤部51が固定側である。加圧冷却部50において、搬送成形ユニット10は上側冷却盤部51及び下側冷却盤部52の加圧及び冷却を受ける。
【0037】
補助冷却部60は加圧冷却部50の前側(搬送成形ユニット10の進路順の前方側)に配置される。補助冷却部60では、上下一対となる上側補助冷却盤部61及び下側補助冷却盤部62が備えられる。前記の両補助冷却盤部61,62の間に搬送成形ユニット10は1個載置され挟持される。下側補助冷却盤部62の下方に油圧プレス装置66が配置される。すなわち、下側補助冷却盤部62が可動側であり上側補助冷却盤部61が固定側である。補助冷却部60において、搬送成形ユニット10は上側補助冷却盤部61及び下側補助冷却盤部62の加圧及び冷却を受ける。
【0038】
補助加熱部30及び加圧熱成形部40には、図示しないものの、それぞれに作動油の供給調整のポンプ、作動油のタンク、作動油の圧力制御用のセンサ、補助加熱盤部や加熱盤部の位置検知調整用のセンサ、補助加熱盤部や加熱盤部の温度センサ、補助加熱盤部や加熱盤部への加熱油または水蒸気等の供給装置等が適式に備えられる。同様に、加圧冷却部50及び補助冷却部60にも、図示しないものの、それぞれに作動油の供給調整のポンプ、作動油のタンク、作動油の圧力制御用のセンサ、冷却盤部や補助冷却盤部の位置検知調整用のセンサ、冷却盤部や補助冷却盤部の温度センサ、冷却盤部や補助冷却盤部への冷水供給装置等が適式に備えられる。
【0039】
熱転写成形に当たり、スタンパと被加工材との隙間に空気が残留する場合がある。残留した空気は、補助加熱や加熱成形時に熱膨張して被加工材に変形や成形漏れを生じさせてしまい、製品の歩留まりを押し下げてしまう。熱転写成形では微細な加工、成形が要求されるため、わずかな空気の残留も致命的である。このような不具合を改善する目的から、減圧条件下で加熱成形することが主流になりつつある。減圧することで真空度が増し、スタンパと被加工材との隙間に残留している空気の除去効率も向上し、飛躍的に成形精度が高まる。
【0040】
搬送成形ユニット10の搬送時にその収容空間15内の真空度が低下することがある。しかし、補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、及び補助冷却部60の各部においても逐次減圧が行われるため、加圧に際し常に真空状態を得ることができる。それゆえ、スタンパと被加工材との密着性が高まることから互いの位置ずれが回避され、製品の不具合が解消される。また、スタンパが密着するため被加工材を効率よく冷却することもできる。そのため、熱転写成形装置1においても真空熱転写成形の利点をより生かすため、補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、及び補助冷却部60の各部に真空ポンプ(図示せず)が接続され、加圧に先行して搬送成形ユニット10の収容空間15内の空気吸引による減圧が行われる。
【0041】
本来的には、熱転写成形装置における加熱成形も冷却もそれぞれ1箇所ずつとすることができる。しかし、加熱成形に1箇所、冷却に1箇所とする従来装置の場合、各部において搬送成形ユニット10の減圧(脱気)と、加圧加熱または加圧冷却を完結させなければならず、ひとつの部における処理時間は長くなる。そのため、加熱と冷却が同時間とはならない場合、搬送の都合上、いずれか処理時間の長い方に他方も制約される。それゆえ、かえって被加工材の熱転写成形に時間を要することになる。
【0042】
この点を踏まえ、図示し既述のとおり、実施例の熱転写成形装置1では、加熱成形のために補助加熱部30及び加圧熱成形部40が配置され、冷却のために加圧冷却部50及び補助冷却部60が配置される。すなわち、加圧熱成形部40の本格的な加熱成形に先立って補助加熱部30により予備的な加圧及び加熱を行うことにより、加圧熱成形部40での成形に要する処理時間の軽減が図られる。同様に、加圧冷却部50及び補助冷却部60と重ねることにより、冷却をより十分とすることができる。そのため、双方を通じて冷却が完了できれば良いこととなり、処理時間の軽減が図られる。
【0043】
確かに、搬送成形ユニット10の搬送先は、補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、及び補助冷却部60と増える。しかし、搬送成形ユニット10の連続した搬送の利点を最大限活かしているため、ひとつ当たりの処理時間は短くなる。結果として、単位時間当たりの生産効率の向上に寄与できる。
【0044】
搬送成形ユニット10を補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、及び補助冷却部60の配置順に搬送し、各部にて加熱成形、冷却することにより搬送成形ユニット内の被加工材Wの成形を完了することができる。ただし、「搬送成形ユニット10内への被加工材Wの収容、搬送成形ユニット10の順送りの搬送、成形を終えて完成した被加工材Wの取り出し、再度の搬送成形ユニットへの未加工の被加工材の収容、...」のように、各工程を連続することにより生産性を向上させようとする場合、被加工材Wに対する加熱成形及び冷却以外の直接加工に関与しない工程も無視することができない。そこで、効率よい搬送成形ユニット10の送り出しのために搬出部70が備えられ、搬送成形ユニット10の受け入れのために搬入部80が備えられる。
【0045】
搬出部70は補助加熱部30の後ろ側(搬送成形ユニット10の前進方向から見た場合の後方側)に配置される。搬出部70では、被加工材Wを収容した搬送成形ユニット10に対してその収容空間内の脱気により減圧される。そして、搬送成形ユニット10は待機位置に載置され補助加熱部30に向けて所定間隔により搬出される。搬出部70では、待機位置側が搬出部上ステージ72であり、後記する搬入部80から返送されてくる搬送成形ユニット10を受け入れるための受け入れ位置側が搬出部下ステージ73である。両ステージ間の上下移動に搬出部昇降板71(搬出部エレベータ)が用いられる。搬出部昇降板71に停止装置74が備えられ搬送成形ユニット10の移動は規制される。搬出部昇降板71には、搬送成形ユニット10の移動のためのローラーコンベア76(図9参照)が設けられる。
【0046】
搬入部80は補助冷却部60の前側に配置される。搬入部80では、補助冷却部60から搬送されてくる搬送成形ユニット10を受け入れて当該搬送成形ユニット10の分離が行われる。搬送成形ユニット10は、搬入部80内のユニット分離装置85を通じて上側収容部材13が掴まれて下側収容部材14から分離される。請求項2の発明に規定するように、加熱成形及び冷却を終えて成形が完了した被加工材Wは内部から取り出される。そして、新たに未加工(成形前)の被加工材Wが上側スタンパ11、下側スタンパ12とともに上側収容部材13及び下側収容部材14の中に装着され、双方が合着されて再び搬送成形ユニット10が出来上がる。このように、被加工材の取り出しと新たな取り付けを搬入部80に集約しているため、作業の効率化が図られる。また、作業に要する場所も少なくすることができる。搬入部80の前方側に未加工の被加工材を効率よく順次供給するための被加工材供給装置90が配置される。むろん、未加工の被加工材の供給方法は装置でも人手でも可能である。
【0047】
搬入部80では、搬送されてくる搬送成形ユニット10を受け入れるための受け入れ位置側が搬入部上ステージ82であり、返送装置94を通じて搬出部70へ送り出す送り出し位置側が搬入部下ステージ83である。両ステージ間の上下移動に搬入部昇降板81(搬入部エレベータ)が用いられる。搬入部昇降板81には停止装置84が備えられ搬送成形ユニット10の移動は規制される。搬入部80では、搬入部昇降板81が搬入部下ステージ83に位置しているときに同搬入部昇降板上の搬送成形ユニット10を1個ずつ返送装置94に向けて押し出す押出装置91(プッシャー)も備えられる。搬入部昇降板81には、搬送成形ユニット10の移動のためのローラーコンベア86(図9参照)が設けられる。
【0048】
実施例の熱転写成形装置1において、請求項3の発明に規定するように、返送装置94は搬入部80から搬出部70に向けて成形前の被加工材Wを収容した搬送成形ユニット10を返送する。返送装置94を用いることにより、搬送成形ユニット10の循環が容易となり、処理の連続化が可能となる。そして、この返送装置94には図1,4,5等に示すように、返送ローラーコンベア95が含まれている。ローラーコンベアは構造が簡単な複数のローラーからなり、極めて小さな力で搬送成形ユニット10を移動できる。特に図4から把握され、請求項4の発明に規定するように、返送ローラーコンベア95は補助加熱部30の補助加熱盤部31,32、加圧熱成形部40の加熱盤部41,42、加圧冷却部50の冷却盤部51,52、及び補助冷却部60の補助冷却盤部61,62の直下に敷設される。
【0049】
返送装置94の返送ローラーコンベア95は補助加熱部30ないし補助冷却部60の下側に潜らせた配置であるため、返送装置94は熱転写成形装置1の横に張り出して置かれることなく、熱転写成形装置1内の敷設場所が節約可能である。そこで、搬送成形ユニット10の成形に伴う進行方向と真逆の方向の返送が可能となる。
【0050】
搬送成形ユニット10を搬出部70、補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、補助冷却部60、及び搬入部80の配置順に搬送するため、実施例の搬送装置100においては、移動ビーム部材101が搬送成形ユニット10の進行方向の左右にそれぞれ1基ずつ備えられる。請求項6の発明に規定するように、移動ビーム部材101は、搬出部70、補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、及び補助冷却部60に載置されている各々の搬送成形ユニット10を一括して保持可能とする長さである(図1等参照)。
【0051】
そこで、一度の移動ビーム部材101の前進により、搬出部70、補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、及び補助冷却部60に載置されている各々の搬送成形ユニット10は、補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、補助冷却部60、及び搬入部80まで、ひとつ分ずつ順次搬送され、同時に各部の所定位置に載置される。搬送装置100の2基の移動ビーム部材101は、駆動部120により前進後退駆動可能である。移動ビーム部材101の1回の前進動作で搬送可能となり、熱転写成形装置1内の搬送成形ユニット10の搬送効率が高められる。
【0052】
熱転写成形装置1の構成から把握されるように、同装置には搬出部70と搬入部80が備えられている。このため、搬出部70では搬出のための準備や待機が可能となり、また搬入部80では搬入後の加工済み被加工材Wの取り出しや返送のための準備も可能となる。従って、補助加熱部30への搬入効率並びに補助冷却部60からの搬出効率が高められる。
【0053】
また、熱転写成形装置1は返送装置94を備え、搬入部80から搬出部70へ、新たに加工前の被加工材Wを収容した搬送成形ユニット10を返送可能としている。このため、熱転写成形装置1において、被加工材Wを封入した搬送成形ユニット10を補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、及び補助冷却部60の間で逐一進退させる必要はない。搬送成形ユニット10は常に一方通行の搬送となり、成形加工の生産性が飛躍的に向上する。
【0054】
熱転写成形装置1の補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、及び補助冷却部60では、各部の加圧力の違いにより油圧プレス装置の出力や大きさに違いがあるものの、概ね同様の構造である。そこで、図5の正面図及び図6の部分拡大図に示した加圧熱成形部40を代表例として、さらに細部を説明する。
【0055】
図5の加圧熱成形部40の正面図では、搬送成形ユニット10の直上に固定盤43とこれに接続された上側加熱盤部41が備えられる。固定盤43は上台座部47aに接続される。搬送成形ユニット10の直下に可動盤44とこれに接続された下側加熱盤部42が備えられる。可動盤44の下方に油圧プレス装置46が配置される。油圧プレス装置46により昇降可能な油圧ピストン45は可動盤44に接続される。油圧プレス装置46は下台座部47bに収容される。台座部47は台脚部49により支えられる。図示では台脚部49と図示しない接地面は接地部49bを介して固定される。
【0056】
上側加熱盤部41をはじめ上台座部47aは油圧プレス装置46の油圧ピストン45による強い押圧を受ける。そこで、上台座部47aと下台座部47bは支柱部48により互いに固定される。可動盤44の左右には支持柱部44aが備えられる。特に図5からよくわかるように、この返送装置94(返送ローラーコンベア95)は、下台座部47bの直下でありその台脚部49に囲まれた内側に配置される。従って、返送装置94は加圧熱成形部40の加熱盤部41,42の直下の敷設となり、設置場所の有効活用となる。
【0057】
搬送成形ユニット10を搬送する搬送装置100は、請求項5の発明に規定するように、搬送ローラーコンベア105、移動ビーム部材101、駆動部120、搬送成形ユニット10と接続する接続部110等を備えて構成される。そのため、搬送成形ユニット10の搬送に要する機構を比較的簡単にすることができる。図6の主要部拡大図から把握されるように、搬送成形ユニット10は搬送ローラーコンベア105上に載置され、補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、補助冷却部60の配置順に搬送される。
【0058】
搬送成形ユニット10を搬送するに際し、接続部110が搬送成形ユニット10の係着ブロック19(図7参照)に接続される。接続部110は移動ビーム部材101の長尺棒の上部に所定間隔で設置される。移動ビーム部材101はその長さ方向の移動を容易とするべくリニアガイド102と接続される。リニアガイドとしては、例えばLMガイド(登録商標)等がある。そこで、搬送装置100の可動により、接続部110と接続した搬送成形ユニット10は、補助加熱盤部31,32同士の間、加熱盤部41,42同士の間、冷却盤部51,52同士の間、及び補助冷却盤部61,62同士の間の所定位置に載置される。
【0059】
リニアガイド102を通じて長さ方向に移動可能な移動ビーム部材101は、ボールねじ126に伝達される回転により位置移動可能となる。図示では、モーター121のモータープーリー127と、ボールねじ126のプーリー122の間に伝達ベルト123が架設される。モーター121、ボールねじ126、及び各種プーリーの組み合わせにより駆動部120は構成される。移動ビーム部材101を含め駆動部120はビーム部材支持柱103に接続される。
【0060】
図7の部分拡大斜視図を用い、搬送装置100に備えられる接続部110について動作も含めて説明する。接続部110の本体部111は移動ビーム部材101に固定される。本体部111に対して進退する進退板113が備えられ、進退板113の先端に接続ピン112が設けられる。進退板113の前進に伴い接続ピン112も進む。進退板113は例えばエアシリンダにより進退動作が可能である。進退板113には進退ピン114が備えられており、本体部111内を挿通する。図示の搬送成形ユニット10の係着ブロック19はブロック凹部19cを有する爪状であるため、接続ピン112は係着ブロック19側に受け入れられる。
【0061】
搬送成形ユニット10を現在の載置位置から次の載置位置に搬送する場合、接続部110の進退板113が本体部111から前進することにより、接続ピン112が係着ブロック19と接続する。図示では省略しているものの、搬送成形ユニット10の反対側も同様である。接続部110は搬送装置100の移動ビーム部材101に設置されているため、移動ビーム部材101の移動は接続部110(接続ピン112)を介して搬送成形ユニット10にも伝えられる。そこで、搬送成形ユニット10は、移動ビーム部材101の前進方向にそのまま引きずられて搬送される。そして、所定の載置位置に到達した時点で進退板113が本体部111側へ後退して接続ピン112と係着ブロック19との接続は解除される。成形や冷却を終えた後、接続部110の接続ピン112が係着ブロック19に再度接続される。
【0062】
図示のように搬送成形ユニット10の補助加熱部30等の各盤部における規定位置に載置されているとき、搬送成形ユニット10の下側脱気部18の直下に下側脱気コネクタ部28が位置合わせされる。図示を省略するものの、上側脱気部17の直上にも上側脱気コネクタ部27が位置合わせされる。その後、油圧プレス装置の油圧ピストンの上昇に伴い、下側脱気部18に下側脱気コネクタ部28が接続され、上側脱気部17に上側脱気コネクタ部27が接続される。これらの接続位置については図6が参照される。下側脱気コネクタ部28等は図示しない真空ポンプに接続される。
【0063】
図8の部分拡大斜視図を用い、駆動部120における駆動の様子を含めて説明する。移動ビーム部材101の下部にビーム側固定部125が備えられる。ビーム側固定部125内に駆動部120のボールねじ126が螺合して挿通される。ボールねじ126はプーリー122と接続され、かつ、ボールねじ支持部124に回転可能に支持される。モーター121の回転はベルト123及びプーリー122を通じてボールねじ126に伝達され、ボールねじ126自体も回転する。そこで、ボールねじ126に螺合しているビーム側固定部125はボールねじの長さ方向に前後移動でき、移動ビーム部材101も前進後退移動可能となる。
【0064】
図7及び8からわかるように、搬送ローラーコンベア105は、搬送成形ユニット10の下側収容部材14(下側台枠部24)のみが接する短い長さのローラーから構成される。つまり、搬送成形ユニット10の内側に加熱盤部等が密着する必要からローラーが邪魔にならなくするためである。符号106はローラー枠、107はローラー台部であり、ビーム部材支持柱103に固定される(図6参照)。
【0065】
図9及び図10の概略模式図を用い、搬送成形ユニット10が搬出部70から搬入部80まで搬送され、再び搬出部70に戻る過程を説明する。図9は、搬送装置100の移動ビーム部材101が搬出部70、補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、及び補助冷却部60の位置している時点である。図示のとおり、各部に搬送成形ユニット10が載置されている。搬出部70では搬送成形ユニット10の送り出し時点であるため、当然ながら、搬送成形ユニット10の待機位置となる搬出部上ステージ72に搬出部昇降板71は位置している。搬送時では各部において搬送成形ユニット10の係着ブロック19に対して接続部110の接続ピン112が接続され、各部における載置、加圧の際には、接続ピン112と係着ブロック19との接続が解除される(図7等参照)。
【0066】
この場合、請求項7の発明に規定するように、当該時点における補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、及び補助冷却部60のいずれにおいても搬送成形ユニット10の脱気部(上側脱気部17と下側脱気部18)を通じて収容空間15内が減圧される。上側脱気部17と上側脱気コネクタ部27、下側脱気部18と下側脱気コネクタ部28との接続態様については前出の図6、図7が参照される。
【0067】
上側脱気部17や下側脱気部18の脱気部には、減圧状態を維持するために公知の逆止弁が備えられる。しかし、気密性等の精度上、持続時間が十分ではない場合がある。従って、搬送時に搬送成形ユニット10の収容空間内の真空度が低下したとしても、加圧を伴う4箇所の各部において逐次脱気して減圧状態とすることにより、成形や冷却に先立ち常に真空度を高めることができる。そして、常に一定の真空度を確保した上で加圧を伴う成形及び冷却が可能となり、成形不良や被加工材とスタンパとの位置ずれを回避して成形品質を向上することができる。
【0068】
補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、及び補助冷却部60では、脱気の後、各部の油圧プレス装置36,46,56,66を通じて下側補助加熱盤部32、下側加熱盤部42、下側冷却盤部52、下側補助冷却盤部62は上昇する。そして、各部の搬送成形ユニット10(4基)は、一度に載置されている各部において補助加熱、加熱成形、冷却、補助冷却される。
【0069】
次に、図10のとおり、搬送装置100の移動ビーム部材101の可動に伴い、補助加熱部30の搬送成形ユニット10は加圧熱成形部40へ、加圧熱成形部40の搬送成形ユニット10は加圧冷却部50へ、加圧冷却部50の搬送成形ユニット10は補助冷却部60へ、補助冷却部60の搬送成形ユニット10は搬入部80へ搬送される。搬送成形ユニット10と接続部110との接続及びその解除は前記と同様であるため、省略する。
【0070】
搬入部80では、受け入れ位置側(搬入部上ステージ82)に搬入部昇降板81が待機しており、新たに搬送されてくる搬送成形ユニット10は受け入れられる。新たに搬送、載置された各部においても前記と同様の加圧を伴った補助加熱、加熱成形、冷却、補助冷却が実行される。
【0071】
その後、搬送装置100の移動ビーム部材101は前掲の図9に示した位置に後退する。そして、移動ビーム部材101は接続部110を通じて新たに4基の搬送成形ユニット10を一括して保持し、図10の位置に前進する。この動作が繰り返され、当初、搬出部70に載置された搬送成形ユニット10は、補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、補助冷却部60へ一定の時間ごとに順送りされ、最後は搬入部80に到達する。移動ビーム部材101の前進後退については、図8参照のとおりボールねじ126の正回転と逆回転により制御される。むろん、モーターによるボールねじの回転以外にも、ソレノイドや圧縮空気を用いた駆動手段を用いることもできる。
【0072】
これまでの説明にあるように、搬送装置100の移動ビーム部材101は、搬出部70、補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、補助冷却部60、及び搬入部80の中のひとつの部に相当する距離の前進と後退を繰り返す。この動作により、絶えず搬送成形ユニット10は前進方向に搬送される。こうして、移動ビーム部材101の1回の前進ごとに常に搬送成形ユニットが搬送され、熱転写成形装置1内での搬送成形ユニットの搬送効率は高まる。
【0073】
搬送途中の搬送成形ユニット10では、真空ポンプによる脱気のため程度の差はあるものの被加工材W等を収容する収容空間15内の減圧状態は維持されている(高真空状態である)。そのため、単に脱気部の気密を解除して収容空間15内を大気圧に戻したとしても、大気圧との差から、搬入部80において搬送成形ユニット10の上側収容部材13及び下側収容部材14を分離することは必ずしも容易ではない。成形を終えた被加工材Wの取り出しと新たな加工前の被加工材Wの装着の効率向上のため、上側収容部材13及び下側収容部材14の分離を促すことが必要となる。加えて、被加工材Wは加熱と加圧を伴いスタンパと強固に密着している。このため、被加工材Wとスタンパとの分離を促す必要もある。
【0074】
そこで、請求項8の発明に規定するように、当該熱転写成形装置1の搬入部80では、補助冷却部60において補助冷却を終えた搬送成形ユニット10に対し、搬送成形ユニット10の脱気部(上側脱気部17と下側脱気部18)を通じて給気(圧縮空気注入)され、その収容空間15内が加圧される。すると、収容空間15内が大気圧よりも陽圧となるため、収容空間15内に注入された空気は、上側台板部21、上側スタンパ11、加工を終えた被加工材W、下側スタンパ12、下側台板部22のそれぞれの間に侵入する。この結果、搬送成形ユニット10からのスタンパや被加工材の分離、脱型を比較的円滑に行うことができる。このことから、搬入部80のユニット分離装置85や被加工材供給装置90(図4参照)による作業性が向上する。
【0075】
図11のグラフにおいて、上段は時間経過とともに被加工材Wに加わる圧力変化のグラフであり、下段は被加工材Wの温度の経時変化のグラフである。縦の最左列から搬出部70、補助加熱部30、加圧熱成形部40、加圧冷却部50、補助冷却部60、搬入部80の順であり、搬送成形ユニット10の搬送順である。そして、最右列は搬入部80から返送装置94により搬出部70まで返送されている段階である。
【0076】
これまでに述べた搬送装置100の移動ビーム部材101の構成からわかるように、常時一定の前進後退の移動である。すなわち、搬送成形ユニット10が搬出部70から搬入部80までの各部を搬送するに際し、いずれも一定の時間となる。本実施例の熱転写成形装置1では、各部における移動を含めた処理時間を40秒としている。従って、40秒ごとに新たな搬送成形ユニット10が搬入部80に搬送されてくることになり、40秒ごとに1枚の加工を終えた被加工材Wが出来上がる。以下、図11のグラフにおける各部の状態を順に述べる。
【0077】
搬出部70における圧力、温度の関係では、搬送成形ユニット10内に加工前の被加工材Wが収容されているため、当初被加工材Wに加わる圧力は大気圧のままである(ゲージ圧で0MPa)。その後、搬送成形ユニット10が待機位置の搬出部上ステージ72に載置中、脱気部(上側脱気部17、下側脱気部18)から収容空間15内の空気が脱気され減圧状態となる。このため、搬出部70の最終段階では見かけ上被加工材Wに加わる圧力が上昇する(ゲージ圧で0.1MPa)。温度については、室温で一定である。以降の圧力表記は「ゲージ圧」を意味する。
【0078】
補助加熱部30における圧力、温度の関係では、搬送成形ユニット10は上側補助加熱盤部31及び下側補助加熱盤部32の間に載置、挟持され、双方により加圧及び補助加熱される。そこで、被加工材Wに加わる圧力上昇が見られる(1MPa)。同時に、被加工材Wは両補助加熱盤部からの熱伝達により最高120℃まで昇温する。グラフの圧力と温度の低下部分は、加圧及び補助加熱を終えて搬送される段階である。
【0079】
加圧熱成形部40における圧力、温度の関係では、搬送成形ユニット10は上側加熱盤部41及び下側加熱盤部42の間に載置、挟持され、双方により加圧及び加熱される。この場合、補助加熱部30における加圧よりも高圧力により加圧される。グラフの被加工材Wに加わる圧力によると、5MPaへの上昇である。そして、この実施例では、被加工材Wは両加熱盤部からの熱伝達により最高140℃まで昇温する。この場合、補助加熱部30により既に被加工材Wは十分に加熱されていることから、加圧熱成形部40の加熱盤部の加熱温度設定を補助加熱部30と同等の設定としても良い。これは、処理時間、被加工材の材質、厚さ、加工精度等に応じて最適に設定、選択される。グラフの圧力の低下部分は、加圧及び加熱成形を終えて搬送される段階である。なお、十分な昇温であるため、搬送時の温度低下はわずかである。
【0080】
加圧冷却部50における圧力、温度の関係では、搬送成形ユニット10は上側冷却盤部51及び下側冷却盤部52の間に載置、挟持され、双方により加圧及び冷却される。加圧冷却部50において、被加工材Wに加わる最大加圧は加圧熱成形部40における圧力同様としており、冷却の進行により被加工材Wに対する加圧は減少するように設定される。冷却盤部からの熱伝達により、被加工材Wの温度は140℃から40℃まで低下する。すなわち、加圧冷却部50において被加工材Wは急冷される。通常、加圧冷却部50を経由することにより、被加工材Wの熱転写成形の概ね完了する。グラフの圧力の低下部分は、加圧及び冷却を終えて搬送される段階である。
【0081】
補助冷却部60における圧力、温度の関係では、搬送成形ユニット10は上側補助冷却盤部61及び下側補助冷却盤部62の間に載置、挟持され、双方により加圧及び補助冷却される。補助冷却部60において被加工材Wに加わる圧力は加圧冷却部50における高加圧力(5MPa)よりも低圧力の加圧(1MPa)である。補助冷却部60において、被加工材Wに対する低圧力による加圧と補助冷却が加わることにより、追加の冷却時間の確保が可能となる。従って、仮に加圧冷却部50を通過した時点での温度低下が少ない場合、補助冷却部60でも冷却されるため、被加工材Wに対する冷却を十分とすることができる。図示の温度履歴より、被加工材Wは既に40℃であることから、補助冷却部60の補助冷却ではその後の室温までの徐冷である。
【0082】
搬入部80では、搬送成形ユニット10内の加工を終えた被加工材Wが取り出される。このため、被加工材Wに加わる圧力は大気圧のみとなる(0MPa)。そして、被加工材Wの温度は、ほぼ室温に近づく。こうして、搬出部70から搬入部80までの一連の搬送により被加工材Wの熱転写成形は完了する。
【0083】
返送装置94に対応するグラフ部分では、搬入部80にて新たに未加工(成形前)の被加工材Wが装着されて再び搬送成形ユニット10が組み立てられる。それゆえ、返送装置94により返送中の被加工材Wに加わる圧力は大気圧のみとなる(0MPa)。また、被加工材Wの温度も室温である。
【0084】
一連の装置並びに工程の説明から理解されるように、被加工材に対する真空熱転写成形の連続化が可能である。それゆえ、単位時間当たりの生産性を高めることができる。また、被加工材を単独ではなく、搬送成形ユニットとして減圧状態を維持した状態のまま搬送することができる。このため、従前の装置のように加熱成形部や冷却部自体を減圧チャンバで囲む必要もなくなり、装置自体も簡素化することができる。加えて、補助加熱部の補助加熱盤部、加圧熱成形部の加熱盤部、加圧冷却部の冷却盤部、補助冷却部の補助冷却盤部の温度を予め一定に維持することができることから、温度の昇降調節も不要となり、時間短縮に貢献する。さらに、補助加熱部と補助冷却部も備えていることから、事前の加熱と事後の冷却により、いっそうの加熱及び冷却効率を高めることができる。
【符号の説明】
【0085】
1 熱転写成形装置
10 搬送成形ユニット
11 上側スタンパ
12 下側スタンパ
13 上側収容部材
14 下側収容部材
15 収容空間
17 上側脱気部(脱気部)
18 下側脱気部(脱気部)
19 係着ブロック
21 上側台板部
22 下側台板部
27 上側脱気コネクタ部
28 下側脱気コネクタ部
30 補助加熱部
31 上側補助加熱盤部
32 下側補助加熱盤部
36 油圧プレス装置
40 加圧熱成形部
41 上側加熱盤部
42 下側加熱盤部
46 油圧プレス装置
50 加圧冷却部
51 上側冷却盤部
52 下側冷却盤部
56 油圧プレス装置
60 補助冷却部
61 上側補助冷却盤部
62 下側補助冷却盤部
66 油圧プレス装置
70 搬出部
71 搬出部昇降板
72 搬出部上ステージ
73 搬出部下ステージ
80 搬入部
81 搬入部昇降板
82 搬入部上ステージ
83 搬入部下ステージ
85 ユニット分離装置
94 返送装置
95 返送ローラーコンベア
100 搬送装置
101 移動ビーム部材
102 リニアガイド
105 搬送ローラーコンベア
110 接続部
112 接続ピン
120 駆動部
121 モーター
123 ベルト
124 ボールねじ支持部
125 ビーム側固定部
126 ボールねじ
V 真空ポンプ
W 被加工材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工材と、前記被加工材の上下表面に密着する上側スタンパ及び下側スタンパと、前記上側スタンパ、前記被加工材及び前記下側スタンパとする順に収容する上側収容部材及び下側収容部材と、前記上側収容部材と前記下側収容部材との合着により形成された収容空間内を減圧する脱気部を備え、減圧状態を維持しながら搬送可能とする搬送成形ユニットと、
上下一対の補助加熱盤部を備え前記補助加熱盤部同士の間に前記搬送成形ユニットを挟持するとともに前記搬送成形ユニットに対して加圧及び補助加熱して、前記搬送成形ユニット内の前記被加工材を補助加熱する補助加熱部と、
前記補助加熱部の前側に配置され、上下一対の加熱盤部を備え前記加熱盤部同士の間に前記搬送成形ユニットを挟持するとともに前記搬送成形ユニットに対して前記補助加熱部よりも高圧力により加圧及び加熱して、前記搬送成形ユニット内の前記被加工材を加熱成形する加圧熱成形部と、
前記加圧熱成形部の前側に配置され、上下一対の冷却盤部を備え前記冷却盤部同士の間に前記搬送成形ユニットを挟持するとともに前記搬送成形ユニットに対して加圧及び冷却して、前記搬送成形ユニット内の前記被加工材を冷却する加圧冷却部と、
前記加圧冷却部の前側に配置され、上下一対の補助冷却盤部を備え前記補助冷却盤部同士の間に前記搬送成形ユニットを挟持するとともに前記搬送成形ユニットに対して前記加圧冷却部よりも低圧力により加圧しながら冷却して、前記搬送成形ユニット内の前記被加工材を補助冷却する補助冷却部と、
前記補助加熱部の後ろ側に配置され、被加工材を収容した搬送成形ユニットの前記脱気部を通じて前記収容空間内の減圧を行うとともに待機位置に載置し前記補助加熱部に向けて前記搬送成形ユニットを搬出する搬出部と、
前記補助冷却部の前側に配置され、前記補助冷却部から搬入される前記搬送成形ユニットを受け入れて当該搬送成形ユニットの分離を行う搬入部と、
前記搬送成形ユニットと接続する接続部を備え、前記接続部と接続した前記搬送成形ユニットを前記搬出部、前記補助加熱部、前記加圧熱成形部、前記加圧冷却部、前記補助冷却部、及び前記搬入部とする配置順に搬送するとともに、前記接続部と接続した前記搬送成形ユニットを前記補助加熱盤部同士の間、前記加熱盤部同士の間、前記冷却盤部同士の間、及び前記補助冷却盤部同士の間の所定位置に載置する搬送装置とを有する
ことを特徴とする熱転写成形装置。
【請求項2】
前記搬入部において、前記搬送成形ユニットから成形を終えた被加工材の取り出しと、成形前の被加工材の前記搬送成形ユニット内への装着が行われる請求項1に記載の熱転写成形装置。
【請求項3】
前記搬入部から前記搬出部に向けて成形前の被加工材を収容した前記搬送成形ユニットを返送する返送装置を備える請求項2に記載の熱転写成形装置。
【請求項4】
前記返送装置に返送ローラーコンベアが含まれており、前記返送ローラーコンベアは前記補助加熱部の前記補助加熱盤部、前記加圧熱成形部の前記加熱盤部、前記加圧冷却部の前記冷却盤部、及び前記補助冷却部の前記補助冷却盤部の直下に敷設される請求項3に記載の熱転写成形装置。
【請求項5】
前記搬送装置は、搬送ローラーコンベアと、前記接続部を複数備えた移動ビーム部材、前記移動ビーム部材を前進後退駆動する駆動部を備える請求項1ないし4のいずれか1項に記載の熱転写成形装置。
【請求項6】
前記移動ビーム部材は、前記搬出部、前記補助加熱部、前記加圧熱成形部、前記加圧冷却部、及び前記補助冷却部に載置されている各搬送成形ユニットを一括して保持可能とする長さを有し、
前記搬送装置は、前記搬出部、前記補助加熱部、前記加圧熱成形部、前記加圧冷却部、及び前記補助冷却部に載置されている各搬送成形ユニットを一括して前記補助加熱部、前記加圧熱成形部、前記加圧冷却部、前記補助冷却部、及び前記搬入部に搬送し載置する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の熱転写成形装置。
【請求項7】
前記搬送成形ユニットは、前記補助加熱部、前記加圧熱成形部、前記加圧冷却部、及び前記補助冷却部のいずれにおいても前記脱気部を通じて減圧される請求項1ないし6のいずれか1項に記載の熱転写成形装置。
【請求項8】
前記搬送成形ユニットは前記補助冷却部において補助冷却を終えた後、前記脱気部を通じ給気されて前記収容空間内が加圧される請求項1ないし7のいずれか1項に記載の熱転写成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−82085(P2013−82085A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222023(P2011−222023)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(592199412)安田工機株式会社 (7)
【Fターム(参考)】