説明

燃料タンクの波消し構造

【課題】波消し部材が、樹脂で形成されたシート状部材を折り畳んで形成した波消し部材と、この波消し部材を燃料タンクに支持する支持部材とから構成される場合に、波消し部材に支持部材を通しやすく、且つ所定の位置に位置決めできることを可能にする。
【解決手段】波消し部材70は、シート状部材95を折り畳んで形成される波消し本体部71と、この波消し本体部71を覆う保持部材72とから構成される略筒状の部材であり、波消し本体部71が、支持部材44が挿通される挿通部73と、この挿通部73から連続的に折り畳まれ、燃料の騒音や衝撃を抑制する折り畳み部74とが形成され、挿通部73の両端部78,78が、支持部材44の軸心に直交させて支持部材44を切断したときの断面積と略同等に形成され、挿通部73の両端部78,78を除く中間部79は、支持部材44の断面積よりも大きく形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する燃料タンクの波消し構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料タンクの波消し構造の中には、
燃料タンクと一体的に形成されたもの、金属の別部品で形成されたもの、若しくは樹脂の別部品で形成されたものなどが知られている。
この種の燃料タンクの波消し構造は、
例えば、ブロー成形等で一体的に形成された燃料タンク、若しくは上側ピースと下側ピースとに2分割構成される燃料タンクのように、燃料タンクの構成により、異なった種類の波消し部材(揺動音低減部材)が使用されていた。
【0003】
このような燃料タンクの波消し構造として、金属で形成された波消し部材、若しくは、繊維状の樹脂材料で構成された波消し部材が知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【特許文献1】特開2006−264580公報
【特許文献2】特開平5−139169号公報
【0004】
特許文献1の燃料タンクの波消し構造は、上側ピースと下側ピースとに2分割構成された燃料タンクに用いられたものであり、金属板で形成され上側ピースに波消し部材が取付けられたものである。
特許文献2の燃料タンクの波消し構造は、2分割構成された上下のタンク本体から構成された燃料タンクに用いられたものであって、上下のタンク本体に挟み込まれる枠体と、この枠体の開口部に取付けられ、繊維状の樹脂材料で形成した波消し部材とから構成されたものである。
【0005】
このような燃料タンクの波消し構造が、例えば、波消し部材が、樹脂で形成されたシート状部材を折り畳んで形成した波消し部材と、この波消し部材を燃料タンクに支持する支持部材とから構成される場合には、波消し部材に支持部材を通しやすく、且つ所定の位置に位置決めできることが好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、波消し部材が、樹脂で形成されたシート状部材を折り畳んで形成した波消し部材と、この波消し部材を燃料タンクに支持する支持部材とから構成される場合に、波消し部材に支持部材を通しやすく、且つ所定の位置に位置決めできる燃料タンクの波消し構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、シート状部材を折り畳んで形成され、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する波消し部材と、この波消し部材をタンク本体に支持する支持部材とを備えた燃料タンクの波消し構造において、波消し部材が、シート状部材を折り畳んで形成される波消し本体部と、この波消し本体部を覆う保持部材とから構成される略筒状の部材であり、波消し本体部が、支持部材が挿通される挿通部と、この挿通部から連続的に折り畳まれ、燃料の騒音や衝撃を抑制する折り畳み部とが形成され、挿通部の両端部が、支持部材の軸心に直交させて支持部材を切断したときの断面積と略同等に形成され、挿通部の両端部を除く中間部は、支持部材の断面積よりも大きく形成されたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、挿通部が、シート状部材を折り畳んで貼り合わせることにより形成されるものであり、挿通部の両端部における折り畳方向の貼り合わせ代は、中間部における折り畳方向の貼り合わせ代よりも長く設定したことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、シート状部材に、シート状若しくは網状の弾性を有した樹脂素材が用いられることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、折り畳み部が、波消し部材を軸方向に直交して切断したときに、花びら状の断面を呈するように折り畳まれたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、折り畳み部が、波消し部材を軸方向に直交して切断したときに、波状の断面を呈するように折り畳まれたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、支持部材が、曲がりを有する金属パイプで形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、燃料タンクに、シートを折り畳んで形成され、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する波消し部材と、この波消し部材をタンク本体に支持する支持部材とを備え、波消し部材を、シート状部材を折り畳んで形成される波消し本体部と、この波消し本体部を覆う保持部材とから構成される略筒状の部材とした。
挿通部の両端部が、支持部材の軸心に直交させて軸部材を切断したときの断面積と略同等に形成されたので、波消し部材を支持部材に確実に取付けることができるとともに、精度よく位置決めすることができる。
挿通部の両端部を除く中間部が、支持部材の断面積よりも大きく形成されたので、波消し部材の挿通部に支持部材を挿通しやすくすることができる。例えば、支持部材が曲がりを有する複雑な形状であっても、挿通部に支持部材を容易に通すことができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、挿通部の両端部における折り畳方向の貼り合わせ代を、中間部における折り畳方向の貼り合わせ代よりも長く設定したので、シート状部材を異形にするような特別な加工を省くことができる。
【0015】
請求項3に係る発明では、シート状部材に、シート状若しくは網状の弾性を有した樹脂素材が用いられることで、燃料の流動に対して変形することができ、燃料の流動を効率よく抑制することができる。
【0016】
請求項4に係る発明では、折り畳み部が、波消し部材を軸方向に直交して切断したときに、花びら状の断面を呈するように折り畳まれたので、波消し本体部にあらゆる角度から向かう燃料の流動に対して有効であり、より大きな波消し効果(揺動音低減効果)を発揮することができる。
【0017】
請求項5に係る発明では、折り畳み部が、波消し部材を軸方向に直交して切断したときに、波状の断面を呈するように折り畳まれたので、折り畳み部を容易に形成することができる。
【0018】
請求項6に係る発明では、支持部材が、曲がりを有する金属パイプで形成されたので、複数の波消し部材をタンク本体の中に強固に支持することができる。これにより、燃料の流動を確実に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1(a),(b)は本発明に係る燃料タンクの波消し構造を採用した燃料タンクの平面図であり、(a)に燃料タンクの平面が示され、(b)に波消しユニットの平面が示される。図2は図1の2−2線断面図である。
【0020】
燃料タンク11は、樹脂で成形したタンク本体(樹脂タンク本体)12と、タンク本体12の天板部13に接続している燃料供給管14と、タンク本体12内に設けたタンク内機能部品15と、波消しユニット(緩衝部材)16とを備えている。
【0021】
タンク本体12は、下方へ向け配置されている底板部21(図2参照)と、底板部21に連なっている側板部22と、側板部22に連なり底板部21に対向している天板部13とからなる。側板部22は、車両の前方へ向け配置されている前側部24、前側部24に連なる左側部25、右側部26、これらの左側部25及び右側部26に連なる後側部27とからなる。
【0022】
タンク本体12は、例えば、プロペラシャフト31との干渉を避けるように、車両の幅方向(X軸方向)の中央にアーチ状の連絡流路部32を形成している鞍型構造で、左(一方)に配置した主室34と、右(他方)に配置した副室35とが形成されている。
天板部13には、燃料供給管14を接続している供給管接続部36やタンク外配置部品(図に示していない)やタンク内機能部品15を取付けるための第1開口部37、第2開口部38、その他の開口部39が複数形成されている。
【0023】
タンク内機能部品15は、副室35から主室34に燃料を汲上げる汲上げポンプ41と、主室34からエンジン(不図示)に燃料を供給する燃料供給ポンプ42と、汲上げポンプ41と燃料供給ポンプ42との間に設ける支持部材(トランスファーチューブ)44とを備える。
【0024】
支持部材44は、変形自在な樹脂製のチューブであり、第1開口部37又は第2開口部38からタンク本体12内に配置されているとともに、一端45が燃料供給ポンプ42に接続され、他端46が汲上げポンプ41に接続されている。
【0025】
波消しユニット(緩衝部材)16は、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する複数の波消し部材70を、支持部材44で繋げて配置したもので、底板部21並びに天板部13にも略沿って配置されている。例えば、波消しユニット16では、支持部材44に複数個の波消し部材70を通し、一端45の第1抜け止め部材51と、他端46の第2抜け止め部材52で止めている。
【0026】
波消し部材70は、略筒状(略円柱状)の部材であって、シート状部材を折り畳んで形成され、支持部材44を通すための挿通部73(図3参照)を開けている。以下、波消し部材70を詳細に説明する。
【0027】
図3は図1に示された燃料タンクの波消し構造の波消し部材の斜視図であり、図4は図1に示された燃料タンクの波消し構造の波消し部材の分解斜視図であり、図5は図3の5−5線断面図であり、図3の6−6線断面図である。
【0028】
図3〜図6に示されるように、波消し部材70は、略筒状を呈し、シート状部材95(図7(a)参照)を折り畳んで形成される波消し本体部71と、この波消し本体部71を覆う保持部材72とからなる。
波消し本体部71は、シート状若しくは網状の弾性を有した樹脂素材が用いられ、保持部材72は、弾性を有する網状の部材が用いられる。
【0029】
波消し本体部71が、支持部材44が挿通される挿通部73と、この挿通部73から連続的に折り畳まれ、燃料の騒音や衝撃を抑制する折り畳み部74とが形成され、図5に示されるように、折り畳み部74は、複数の折り畳み片76a〜76hの集合であり、波消し部材70を軸方向に直交して切断したときに、花びら状の断面を呈するように折り畳まれる。
【0030】
図6に示されるように、挿通部73は、両端部78,78が、支持部材44の軸心に直交させて支持部材44を切断したときの断面積と略同等に形成され、両端部78,78を除く中間部79は、支持部材44の断面積よりも大きく形成される。
すなわち、挿通部73の両端部78,78における折り畳方向X(図7参照(a))の貼り合わせ代93,93は、中間部79における折り畳方向Xの貼り合わせ代94よりも長く設定される。
【0031】
図7(a)〜(c)は波消し本体部の折り畳み手順の一例を示す作用説明図(前半)である。
(a)において、所定幅D1及び所定長さL1のシート状部材95を用意する。所定幅D1は支持部材44の貫通方向Yに設定され、所定長さL1は波消し本体部71の折り畳み方向Xに設定される。
【0032】
(b)において、シート状部材95の一端96を、矢印a1の如く山折りするように巻き込み、シート状部材95の中間に接着して挿通部73を形成する。
このときに、挿通部73は、両端部78,78における折り畳方向Xの貼り合わせ代93,93を、中間部79における折り畳方向Yの貼り合わせ代94よりも長くして、挿通部73の両端部78,78を、図9に示されるように、支持部材44の軸心に直交させて支持部材44を切断したときの断面積と略同等に形成し、両端部78,78を除く中間部79を、支持部材44の断面積よりも大きく形成する。
【0033】
(c)において、シート状部材95を、矢印a2の如く谷折りするように巻き込み、挿通部73が矢印a3の如く谷折りするように巻き込み、第1番目の折り畳み片76aを形成し、挿通部73の外周に位置する挿通部側曲げ部77aを挿通部73に接着する。
【0034】
図8(a)〜(c)は波消し本体部の折り畳み手順の一例を示す作用説明図(後半)である。
(a)において、シート状部材95を、矢印a4の如く谷折りするように巻き込み、挿通部73で矢印a5の如く谷折りするように巻き込み、第2番目の折り畳み片76bを形成し、挿通部73の外周に位置する挿通部側曲げ部77bを挿通部73に接着する。
【0035】
(b)において、シート状部材95を、図8(a)に示した手順を繰り返し、第3・第4番目の折り畳み片76c,76dを形成する。
(c)において、シート状部材95を、図8(a)に示した手順を繰り返し、第5〜第8番目の折り畳み片76e〜76hを形成し、シート状部材95の他端97をシート状部材95の一端96に接着する。この状態で、図3に示されたように、波消し本体部71を保持部材72で保持する。
【0036】
図9は図1に示された燃料タンクの波消し構造の比較検討図であり、(a)は比較例の波消し本体部211の挿通部213を示し、(b)は実施例の波消し本体部71の挿通部73を示す。
(a)において、比較例の波消し本体部211では、挿通部213が、支持部材214の断面積に略同一の断面積に形成されたものであり、例えば、支持部材214が曲がりを有する金属パイプで形成された場合には、挿通することはできない。また、支持部材214が、変形自在な樹脂製のチューブやストレートの金属パイプである場合に、支持部材214を挿通部213に挿通するときの作業性も良くない。
【0037】
(b)において、実施例の波消し本体部71(図4参照)では、挿通部73が、両端部78,78における折り畳方向X(図7(a)参照)の貼り合わせ代93,93を、中間部79における折り畳方向の貼り合わせ代94よりも長くして、挿通部73の両端部78,78を、支持部材44の軸心に直交させて支持部材44を切断したときの断面積と略同等に形成し、両端部78,78を除く中間部79を、支持部材44の断面積よりも大きく形成した。
【0038】
従って、支持部材44を、曲がりを有するとともに剛性の金属パイプで形成された場合にも、支持部材44を挿通部73に挿通することができる。また、ストレートの金属パイプを挿通部73に挿通する場合にも、支持部材44を挿通するときの作業性がよい。さらに、挿通部73の両端部78,78を、支持部材44の軸心に直交させて支持部材44を切断したときの断面積と略同等に形成したので、支持部材44に対する波消し部材70の保持性もよい。
【0039】
支持部材44が、曲がりを有するとともに剛性の金属パイプで形成された場合には、複数の波消し部材70をタンク本体12の中に強固に支持することができる。これにより、燃料の流動を確実に抑制することができる。なお、燃料タンクは、2分割構成の金属製のタンクや、タンク本体に開口が設けられ、この開口に蓋部材を備えるタンクが好適である。
【0040】
図1〜図3に示されたように、燃料タンクの波消し構造では、燃料タンク11に、
シート状部材95を折り畳んで形成され、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する波消し部材70と、この波消し部材70をタンク本体12に支持する支持部材44とを備え、波消し部材70を、シート状部材95を折り畳んで形成される波消し本体部71と、この波消し本体部71を覆う保持部材72とから構成される略筒状の部材とした。
【0041】
挿通部73の両端部78,78が、支持部材44の軸心に直交させて軸部材を切断したときの断面積と略同等に形成されたので、波消し部材70を支持部材44に確実に取付けることができるとともに、精度よく位置決めすることができる。
【0042】
挿通部73の両端部78,78を除く中間部79が、支持部材44の断面積よりも大きく形成されたので、波消し部材70の挿通部73に支持部材44を挿通しやすくすることができる。例えば、支持部材44が曲がりを有する複雑な形状であっても、挿通部73に支持部材44を容易に通すことができる。
【0043】
燃料タンクの波消し構造では、挿通部73の両端部78,78における折り畳方向の貼り合わせ代93,93を、中間部79における折り畳方向の貼り合わせ代94よりも長く設定したので、シート状部材95を異形にするような特別な加工を省くことができる。
【0044】
燃料タンクの波消し構造では、シート状部材95に、シート状若しくは網状の弾性を有した樹脂素材が用いられることで、燃料の流動に対して変形することができ、燃料の流動を効率よく抑制することができる。
【0045】
折り畳み部74は、波消し部材70を軸方向に直交して切断したときに、花びら状の断面を呈するように折り畳まれたので、波消し本体部71にあらゆる角度から向かう燃料の流動に対して有効であり、より大きな波消し効果(揺動音低減効果)を発揮することができる。
【0046】
保持部材72は、弾性を有する網状の部材が用いられたので、波消し本体部71の形状を容易に保持することができるとともに、波消し本体部71に燃料を通過させることができる。
【0047】
図10は本発明に係る別実施例の燃料タンクの波消し構造の波消し部材の断面図である。
波消し部材110は、略筒状を呈し、シート状部材を折り畳んで形成される波消し本体部111と、この波消し本体部111を覆う保持部材112とからなる。
【0048】
波消し本体部111は、支持部材(不図示)が挿通される挿通部113と、この挿通部113から連続的に折り畳まれ、燃料の騒音や衝撃を抑制する折り畳み部114とが形成され、折り畳み部114は、複数の折り畳み片116a〜116hの集合であり、波消し部材110を軸方向に直交して切断したときに、波状の断面を呈するように折り畳まれる。
【0049】
すなわち、折り畳み部114が、波消し部材110を軸方向に直交して切断したときに、波状の断面を呈するように折り畳まれたので、折り畳み部114を容易に形成することができる。
【0050】
尚、本発明に係る燃料タンクの波消し構造は、図1に示されたように、支持部材44は、変形自在な樹脂製のチューブであったが、これに限るものではなく、変形自在な金属製のワイヤ、図9(b)に示されたように、曲がりを有するとともに剛性のある金属パイプであってもよい。また、ストレートの金属パイプ若しくはストレートの樹脂部材を用いることを妨げるものではない。さらに、燃料タンク(タンク本体)は、一体的のタンクでもよく、上下ピースに分割構成されたタンクであってもよく、開口を蓋部材で塞いだタンクであってもよい。
【0051】
本発明に係る燃料タンクの波消し構造は、図1に示されたように、支持部材44は、変形自在な樹脂製のチューブであったが、これに限るものではなく、伸縮自在の支持部材を用い、燃料タンクに形成された凹部若しくは凸部に支持部材を嵌合するものであってもよい。
【0052】
本発明に係る燃料タンクの波消し構造は、図5に示すように、8個の折り畳み片76a〜76hが形成されたが、これに限るものではなく、折り畳み片の数は任意の数である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る燃料タンクの波消し構造は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る燃料タンクの波消し構造を採用した燃料タンクの平面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図1に示された燃料タンクの波消し構造の波消し部材の斜視図である。
【図4】図1に示された燃料タンクの波消し構造の波消し部材の分解斜視図である。
【図5】図3の5−5線断面図である。
【図6】図3の6−6線断面図である。
【図7】波消し本体部の折り畳み手順の一例を示す作用説明図(前半)である。
【図8】波消し本体部の折り畳み手順の一例を示す作用説明図(後半)である。
【図9】図1に示された燃料タンクの波消し構造の比較検討図である。
【図10】本発明に係る別実施例の燃料タンクの波消し構造の波消し部材の断面図である。
【符号の説明】
【0055】
11…燃料タンク、12…タンク本体、44…支持部材、70,110…波消し部材、71…波消し本体部、72…保持部材、73…挿通部、74,114…折り畳み部、78…両端部、79…中間部、93,94…貼り合わせ代、95…シート状部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状部材を折り畳んで形成され、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する波消し部材と、この波消し部材をタンク本体に支持する支持部材とを備えた燃料タンクの波消し構造において、
前記波消し部材は、シート状部材を折り畳んで形成される波消し本体部と、この波消し本体部を覆う保持部材とから構成される略筒状の部材であり、
前記波消し本体部は、前記支持部材が挿通される挿通部と、この挿通部から連続的に折り畳まれ、前記燃料の騒音や衝撃を抑制する折り畳み部とが形成され、
前記挿通部の両端部は、前記支持部材の軸心に直交させて前記支持部材を切断したときの断面積と略同等に形成され、前記挿通部の両端部を除く中間部は、前記支持部材の前記断面積よりも大きく形成されたことを特徴とする燃料タンクの波消し構造。
【請求項2】
前記挿通部は、前記シート状部材を折り畳んで貼り合わせることにより形成されるものであり、前記挿通部の両端部における折り畳方向の貼り合わせ代は、前記中間部における折り畳方向の貼り合わせ代よりも長く設定したことを特徴とする請求項1記載の燃料タンクの波消し構造。
【請求項3】
前記シート状部材は、シート状若しくは網状の弾性を有した樹脂素材が用いられることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃料タンクの波消し構造。
【請求項4】
前記折り畳み部は、前記波消し部材を軸方向に直交して切断したときに、花びら状の断面を呈するように折り畳まれたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の燃料タンクの波消し構造。
【請求項5】
前記折り畳み部は、前記波消し部材を軸方向に直交して切断したときに、波状の断面を呈するように折り畳まれたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の燃料タンクの波消し構造。
【請求項6】
前記支持部材は、曲がりを有する金属パイプで形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃料タンクの波消し構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−18195(P2010−18195A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−181479(P2008−181479)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】