説明

燃焼設備及び燃焼設備の異常診断方法

【課題】コストアップを招くことなく、簡易な構成で、燃料ガス流量計や空気流量計が異常であるか否かを判別すること。
【解決手段】燃料供給路3又は空気供給路7の少なくとも一方には、オリフィス13,15の上流側と下流側との差圧を測定する圧力センサ14,16が設けられ、燃焼用バーナ2の出力が予め設定された異常診断用出力であるときに、燃料供給路3及び空気供給路7のうち圧力センサ14,16を設けた側において、圧力センサ14,16の測定差圧に対応する流量と圧力センサ14,16を設けた供給路側に設けられる燃料ガス流量計4又は空気流量計8の測定流量とを比較して圧力センサ14,16を設けた供給路側に設けられる流量計が異常であるか否かを判別する異常診断手段17が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱対象空間を加熱する燃焼用バーナに燃料ガスを供給する燃料供給路には、燃料ガスの流量を測定する燃料ガス流量計と、燃料ガスの流量を調整自在な燃料ガス流量調整弁とが設けられ、前記燃焼用バーナに燃焼用空気を供給する空気供給路には、燃焼用空気の流量を測定する空気流量計と、燃焼用空気の流量を調整自在な空気流量調整弁とが設けられている燃焼設備、及び、その燃焼設備の異常診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような燃焼設備では、炉内空間等の加熱対象空間を加熱するために燃焼用バーナを設け、燃料供給路での燃料ガスの流量を制御するとともに、空気供給路での燃焼用空気の流量を制御することにより、燃焼用バーナの出力及び燃料ガスと燃焼用空気との混合気の空気比を制御するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような従来の燃焼設備では、加熱対象空間の温度を検出する温度センサを設け、その温度センサの検出情報から加熱対象空間の温度を目標温度にするための燃焼用バーナの必要出力を求め、その必要出力にて燃焼用バーナを燃焼させるときの空気比が設定空気比(例えば、1.1〜1.3)となるように目標燃料ガス流量及び目標空気流量を求める流量制御手段が設けられている。そして、流量制御手段は、燃料ガス流量計及び空気流量計の測定流量を常時監視しており、燃料ガス流量計の測定流量が目標燃料ガス流量となるように燃料ガス流量調整弁の作動を制御し、空気流量計の測定流量が目標空気流量となるように空気流量調整弁の作動を制御するように構成されている。このようにして、燃料ガス流量計及び空気流量計の測定流量を用いて、燃料ガスの流量を目標燃料ガス流量とし且つ燃焼用空気の流量を目標空気流量として、燃焼用バーナの出力及び空気比を適正に制御することができる。
【0004】
【特許文献1】特開平5−118529号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の燃焼設備では、燃料ガス流量計や空気流量計の故障や経年劣化等の異常により測定流量が真の流量からずれてしまう場合がある。このように、流量計に異常が生じている場合には、燃料ガス流量や空気流量を目標の流量とすることができず、燃焼用バーナの出力や空気比を適正に制御できなくなる虞がある。よって、燃焼用バーナの出力や空気比を適正に制御するために、燃料ガス流量計や空気流量計の流量計が異常であるか否かを判別することが求められている。また、このような燃焼設備では、高価な機器を使用することが多いが、コストアップを招くことなく、流量計が異常であるか否かを判別することが望まれている。
【0006】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、コストアップを招くことなく、簡易な構成で、燃料ガス流量計や空気流量計の流量計が異常であるか否かを判別することができる燃焼設備及びその燃焼設備の異常診断方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明に係る燃焼設備の特徴構成は、加熱対象空間を加熱する燃焼用バーナに燃料ガスを供給する燃料供給路には、燃料ガスの流量を測定する燃料ガス流量計と、燃料ガスの流量を調整自在な燃料ガス流量調整弁とが設けられ、前記燃焼用バーナに燃焼用空気を供給する空気供給路には、燃焼用空気の流量を測定する空気流量計と、燃焼用空気の流量を調整自在な空気流量調整弁とが設けられ、前記加熱対象空間内の温度に基づいて前記燃焼用バーナの必要出力を求め、その必要出力にて前記燃焼用バーナを燃焼させるときの燃料ガスと燃焼用空気との混合気の空気比が設定空気比となるように目標燃料ガス流量及び目標空気流量を求め、前記燃料ガス流量計の測定流量が前記目標燃料ガス流量となるように前記燃料ガス流量調整弁の作動を制御し、前記空気流量計の測定流量が前記目標空気流量となるように前記空気流量調整弁の作動を制御する流量制御手段が設けられている燃焼設備において、
前記燃料供給路又は前記空気供給路の少なくとも一方には、オリフィスの上流側と下流側との差圧を測定する圧力センサが設けられ、前記燃焼用バーナの出力が予め設定された異常診断用出力であるときに、前記燃料供給路及び前記空気供給路のうち前記圧力センサを設けた側において、前記圧力センサの測定差圧に対応する流量と前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる前記燃料ガス流量計又は前記空気流量計の測定流量とを比較して前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる流量計が異常であるか否かを判別する異常診断手段が設けられている点にある。
【0008】
燃料ガス流量計又は空気流量計の流量計が異常であると、例えば、その流量計の測定流量と圧力センサの測定差圧に対応する流量との差又は比が正常範囲から外れることになる。そこで、本特徴構成では、異常診断手段が、圧力センサの測定差圧に対応する流量と流量計の測定流量とを比較することにより、流量計が異常であるか否かを判別することができる。
そして、本特徴構成では、異常診断手段が、燃焼用バーナの出力が調整可能な全範囲において流量計が異常であるか否かを判別するのではなく、燃焼用バーナの出力が予め設定されている異常診断用出力であるときに、流量計が異常であるか否かを判別している。これにより、圧力センサが測定する差圧を生じさせるためのオリフィスは、燃焼用バーナの出力が異常診断用出力であるときに適正な差圧を生じさせるだけのものでよく、簡易で安価なものとすることができる。また、圧力センサについても、燃焼用バーナの出力が異常診断用出力であるときに適正な差圧を検出できるものでよく、簡易で安価なものとすることができる。
以上のことから、オリフィス及び圧力センサを簡易で安価なものとしながら、流量計が異常であるか否かを判別することができるので、コストアップを招くことなく、簡易な構成で、燃料ガス流量計や空気流量計の流量計が異常であるか否かを判別することができる燃焼設備を実現できるに至った。
【0009】
本発明に係る燃焼設備の更なる特徴構成は、前記燃料供給路及び前記空気供給路の両方に、前記圧力センサが設けられ、前記異常診断手段は、前記燃料供給路に設けられた前記圧力センサの測定差圧に対応する流量と前記燃料ガス流量計の測定流量とを比較して前記燃料ガス流量計が異常であるか否かを判別し、前記空気供給路に設けられた前記圧力センサの測定差圧に対応する流量と前記空気流量計の測定流量とを比較して前記空気流量計が異常であるか否かを判別するように構成されている点にある。
【0010】
本特徴構成によれば、異常診断手段は、燃料ガス流量計及び空気流量計の夫々について異常であるか否かを判別することができる。よって、燃料ガス流量計及び空気流量計のいずれか一方が異常であると判別することにより、燃焼用バーナの燃焼を停止させる等の処置を行うことができ、流量計が異常のまま燃焼用バーナの燃焼が継続されるのを防止することができる。
【0011】
本発明に係る燃焼設備の更なる特徴構成は、前記異常診断用出力は、前記燃焼用バーナの出力として使用頻度の高い出力に設定されている点にある。
【0012】
本特徴構成によれば、異常診断用出力が使用頻度の高い出力であるので、燃焼用バーナの出力が異常診断用出力となる頻度を高くすることができる。これにより、燃焼用バーナの出力の制御を行いながら、流量計の異常判別を高い頻度で行うことができ、流量計の異常をより早い段階で判別することができる。
【0013】
本発明に係る燃焼設備の更なる特徴構成は、前記異常診断用出力は、前記燃焼用バーナの燃焼を開始させるときに調整される出力に設定されている点にある。
【0014】
本特徴構成によれば、異常診断用出力は、燃焼用バーナの燃焼を開始させるときに調整される出力であるので、燃焼用バーナの燃焼を開始させた当初に、流量計が異常であるか否かを判別することができる。よって、流量計が異常であるときには、燃焼用バーナの燃焼を開始した段階でその後の燃焼を停止させることができ、流量計が異常のまま燃焼用バーナの燃焼が継続させるのを的確に防止することができる。
【0015】
本発明に係る燃焼設備の更なる特徴構成は、前記圧力センサは、前記差圧が設定差圧以上であるか否かによりON状態とOFF状態とに切換自在な圧力スイッチにて構成され、前記異常診断手段は、前記設定差圧に対応する流量と前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる流量計の測定流量との大小関係及び前記圧力スイッチがON状態かOFF状態かにより前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる流量計が異常であるか否かを判別するように構成されている点にある。
【0016】
本特徴構成によれば、圧力センサが、簡易な構成の圧力スイッチにて構成されているので、コストの低減及び構成の簡素化を図ることができる。そして、流量計が正常であれば、例えば、流量計の測定流量が設定差圧に対応する流量よりも大きいと圧力スイッチがON状態となる等、設定差圧に対応する流量と流量計の測定流量との大小関係と圧力スイッチがON状態かOFF状態かとの関係が一定の関係となる。そこで、異常診断手段は、この一定の関係が崩れると、流量計が異常であると判別することができる。よって、圧力スイッチという簡易な構成を用いながら、流量計の異常判別を的確に行うことができる。
【0017】
本発明に係る燃焼設備の更なる特徴構成は、前記圧力センサは、前記差圧に応じて出力する差圧発信器にて構成され、前記異常診断手段は、前記差圧発信器による差圧出力に対応する流量と前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる流量計の測定流量との差又は比が正常範囲内にあるか否かにより前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる流量計が異常であるか否かを判別するように構成されている点にある。
【0018】
流量計が正常であれば、差圧発信器による差圧出力に対応する流量と流量計の測定流量との差又は比が正常範囲内となるが、流量計が異常となると、差圧発信器による差圧出力に対応する流量と流量計の測定流量との差又は比が正常範囲外となる。よって、本特徴構成によれば、異常診断手段は、差圧発信器による差圧出力に対応する流量と流量計の測定流量とを比較して、その差又は比が正常範囲内であるか否かの単純な判別を行うだけで、流量計の異常判別を的確に行うことができる。
【0019】
本発明に係る燃焼設備の更なる特徴構成は、前記燃料供給路及び前記空気供給路の両方に、前記差圧発信器が設けられ、前記異常診断手段は、前記燃料供給路及び前記空気供給路の夫々に設けられた前記差圧発信器の夫々による差圧出力に対応する流量から求めた空気比と、前記燃料ガス流量計の測定流量と前記空気流量計の測定流量とから求めた空気比との差又は比が、正常範囲内にあるか否かにより前記燃料ガス流量計及び前記空気流量計が異常であるか否かを判別するように構成されている点にある。
【0020】
燃料ガス流量計及び空気流量計が正常であれば、差圧発信器の夫々による差圧出力に対応する流量から求めた空気比と燃料ガス流量計の測定流量と空気流量計の測定流量とから求めた空気比との差又は比が正常範囲内となるが、燃料ガス流量計又は空気流量計が異常となると、差圧発信器の夫々による差圧出力に対応する流量から求めた空気比と燃料ガス流量計の測定流量と空気流量計の測定流量とから求めた空気比との差又は比が正常範囲外となる。よって、本特徴構成によれば、異常診断手段は、差圧発信器の測定結果から求めた空気比と流量計の測定結果から求めた空気比とを比較して、その差又は比が正常範囲内であるか否かの単純な判別を行うだけで、燃料ガス流量計及び空気流量計の異常判別を的確に行うことができる。
【0021】
本発明に係る燃焼設備の更なる特徴構成は、前記流量制御手段は、前記異常診断手段にて前記燃料ガス流量計又は前記空気流量計が異常であると判別された場合には、前記差圧発信器による差圧出力に対応する流量が前記目標燃料ガス流量となるように前記燃料ガス流量調整弁の作動を制御する、又は、前記差圧発信器による差圧出力に対応する流量が前記目標空気ガス流量となるように前記空気流量調整弁の作動を制御するバックアップ運転を実行可能に構成されている点にある。
【0022】
本特徴構成によれば、差圧発信器は、差圧に応じて出力するので、その差圧出力に対応する流量が燃料ガス流量又は空気流量とすることができる。これにより、燃料ガス流量計又は空気流量計が異常であるときには、流量制御手段が、燃料ガス流量計又は空気流量計に代えて、差圧発信器を用いてバックアップ運転を行っても、燃焼用バーナの燃焼を適正に行うことができる。よって、燃料ガス流量計又は空気流量計が異常となっても、異常判別のために差圧発信器を用いて、燃焼用バーナの燃焼を継続させることができる。
【0023】
本発明に係る燃焼設備の異常診断方法の特徴構成は、加熱対象空間内の温度に基づいてその加熱対象空間を加熱する燃焼用バーナの必要出力を求め、その必要出力にて前記燃焼用バーナを燃焼させるときの燃料ガスと燃焼用空気との混合気の空気比が設定空気比となるように目標燃料ガス流量及び目標空気流量を求め、前記燃焼用バーナに燃料ガスを供給する燃料供給路において燃料ガス流量計の測定流量が前記目標燃料ガス流量となるように燃料ガス流量調整弁の作動を制御し、前記燃焼用バーナに燃焼用空気を供給する空気供給路において空気流量計の測定流量が前記目標空気流量となるように空気流量調整弁の作動を制御する燃焼設備の異常診断方法において、
前記燃焼用バーナの出力が予め設定された異常診断用出力であるときに、前記燃料供給路又は前記空気供給路の少なくとも一方においてオリフィスの上流側と下流側との差圧を測定する圧力センサの差圧に対応する流量と前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる前記燃料ガス流量計又は前記空気流量計の測定流量とを比較して前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる流量計が異常であるか否かを判別する点にある。
【0024】
本特徴構成によれば、上記燃焼設備の特徴構成で述べた如く、オリフィス及び圧力センサを簡易で安価なものとしながら、燃料ガス流量計又は空気流量計の流量計が異常であるか否かを判別することができる。よって、コストアップを招くことなく、簡易な構成で、燃料ガス流量計や空気流量計の流量計が異常であるか否かを判別することができる燃焼設備の異常診断方法を提供できるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明に係る燃焼設備の実施形態について、図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、加熱対象空間として炉内空間1を加熱するように燃焼用バーナ2が設けられている。燃焼用バーナ2に燃料ガスを供給する燃料供給路3には、燃料ガスの流れ方向の上流側から順に、燃料ガスの流量を測定する燃料ガス流量計4と、燃料ガスの流量を調整自在な燃料ガス流量調整弁5とが設けられている。燃焼用バーナ2にブロア6からの燃焼用空気を供給する空気供給路7には、空気の流れ方向の上流側から順に、燃焼用空気の流量を測定する空気流量計8と、燃焼用空気の流量を調整自在な空気流量調整弁9とが設けられている。
ちなみに、燃料供給路3には、手動操作等により燃焼用バーナ2への燃料ガスの供給を断続させることができるように、手動操作等により開状態又は閉状態等に調整自在な調整弁18、19が設けられている。
【0026】
燃焼用バーナ2の燃焼を制御する制御装置10が設けられ、この制御装置10には、炉内空間1に設けられた温度センサ11にて検出する炉内空間1の温度を示す温度情報、燃料ガス流量計4の測定流量を示す流量情報、及び、空気流量計8の測定流量を示す流量情報が入力されるように構成されている。
【0027】
制御装置10には、温度センサ11の温度情報から炉内空間1の温度を目標温度にするための燃焼用バーナ2の必要出力を求め、その必要出力にて燃焼用バーナ2を燃焼させるときの空気比が設定空気比(例えば、1.1〜1.3)となるように目標燃料ガス流量及び目標空気流量を求める流量制御手段12が設けられている。燃焼用バーナ2の出力として、0%〜100%の間で調整可能であり、流量制御手段12は、例えば、炉内空間1の温度が目標温度よりも低いとその温度差に応じて燃焼用バーナ2の必要出力が高くなるように、燃焼用バーナ2の必要出力を求めるように構成されている。
そして、流量制御手段12は、燃料ガス流量計4及び空気流量計8の測定流量を常時監視しており、燃料ガス流量計4の測定流量が目標燃料ガス流量となるように燃料ガス流量調整弁5の作動を制御し、空気流量計8の測定流量が目標空気流量となるように空気流量調整弁9の作動を制御するように構成されている。このようにして、燃料ガスの流量を目標燃料ガス流量とし且つ燃焼用空気の流量を目標空気流量として、燃焼用バーナ2の出力及び空気比を適正に制御するようにしている。
【0028】
燃料供給路3には、燃料ガス流量計4よりも上流側に、第1オリフィス13(オリフィスに相当する)の上流側と下流側との差圧を測定する第1圧力センサ14(圧力センサに相当する)が設けられている。第1圧力センサ14は、測定する差圧が設定差圧よりも小さいとOFF状態となっており、測定する差圧が設定差圧以上となるとON状態となる第1圧力スイッチ14aにて構成されている。第1圧力スイッチ14aのON状態/OFF状態を示す情報が制御装置10に入力されるように構成されている。
空気供給路7には、燃料供給路3と同様に、空気流量計8よりも上流側に、第2オリフィス15(オリフィスに相当する)の上流側と下流側との差圧を測定する第2圧力センサ16(圧力センサに相当する)が設けられており、この第2圧力センサ16も、第1圧力センサ14と同様に、第2圧力スイッチ16aにて構成されている。そして、第2圧力スイッチ16aのON状態/OFF状態を示す情報が制御装置10に入力されるように構成されている。
【0029】
制御装置10には、燃焼用バーナ2の出力が予め設定されている異常診断用出力であるときに、第1圧力スイッチ14aからの入力情報及び燃料ガス流量計4からの入力情報に基づいて燃料ガス流量計4が異常であるか否かを判別し、第2圧力スイッチ16aからの入力情報及び空気流量計8からの入力情報に基づいて空気流量計8が異常であるか否かを判別する異常診断手段17が設けられている。
【0030】
異常診断手段17は、第1圧力スイッチ14aにおける設定差圧に対応する流量と燃料ガス流量計4の測定流量との大小関係及び第1圧力スイッチ14aがON状態かOFF状態かにより、燃料ガス流量計4が異常であるか否かを判別するように構成されている。また、異常診断手段17は、燃料ガス流量計4と同様にして、空気流量計8についても、第2圧力スイッチ16aにおける設定差圧に対応する流量と空気流量計8の測定流量との大小関係及び第2圧力スイッチ16aがON状態かOFF状態かにより、異常であるか否かを判別するように構成されている。そして、異常診断手段17が、燃料ガス流量計4又は空気流量計8の何れか一方でも異常であると判別すると、燃焼用バーナ2の燃焼を停止させるようにしている。
【0031】
以下、異常診断手段17による空気流量計8の異常判別について説明する。燃料ガス流量計4の異常判別も同様であるので、詳細な説明は省略する。
例えば、燃焼用バーナ2の出力が異常診断用出力(例えば、80%)であるときに、空気供給路7の目標空気流量が80〔m3/h〕となる場合に、異常診断手段17は、80〔m3/h〕を基準として空気流量計8の異常判別を行う。このとき、第2オリフィス15の上流側と下流側との差圧が30〔mmH2O〕となるように第2オリフィス15の孔径を選定し、第2圧力スイッチ16aは、測定する差圧が設定差圧(30〔mmH2O〕)より小さいとOFF状態となっており、測定する差圧が設定差圧(30〔mmH2O〕)以上となるとON状態となるように設定する。異常診断手段17は、空気流量計8の測定流量が設定差圧に対応する流量(80〔m3/h〕よりも小さい70〔m3/h〕)以下の間は第2圧力スイッチ16aがOFF状態であるとする条件と、空気流量計8の測定流量が設定差圧に対応する流量(80〔m3/h〕よりも大きい90〔m3/h〕)以上の間は第2圧力スイッチ16aがON状態であるとする条件との2つの条件を満たす場合には、空気流量計8は正常であると判別し、2つの条件の何れか一方でも満たさない場合には、空気流量計8は異常であると判別する。
【0032】
このように、本発明に係る燃焼設備の異常診断方法は、燃焼用バーナ2の出力が予め設定された異常診断用出力であるときに、燃料供給路3又は空気供給路7の一方においてオリフィス13,15の上流側と下流側との差圧を測定する圧力センサ14,16の差圧に対応する流量と燃料ガス流量計4又は空気流量計8の流量計の測定流量とを比較して燃料ガス流量計4又は空気流量計8の流量計が異常であるか否かを判別するようにしている。
【0033】
異常診断用出力としては、図2に示すように、例えば、燃焼用バーナ2の燃焼を開始させるときに調整される出力(例えば、80%)に設定されている。燃焼用バーナ2の燃焼を開始させるときには、最初、炉内空間1の温度が低いので、流量制御手段12にて求められる燃焼用バーナ2の必要出力が80%となり、燃焼用バーナ2の出力が80%に調整されることになる。また、燃焼用バーナ2の燃焼を開始させるときには、燃焼用バーナ2の状態を確認するために、一旦、燃料ガスの流量を最大とし且つ燃焼用空気の流量を最大として燃焼用バーナ2の出力を100%とすることもある。本発明では、このように、燃焼用バーナ2の燃焼を開始させるときに調整される出力(例えば、80%)を異常診断用出力に設定しておくことで、燃焼用バーナ2の燃焼を開始させた当初に、燃料ガス流量計4及び空気流量計8が異常であるか否かを判別することができる。よって、燃料ガス流量計4及び空気流量計8が異常であるときには、燃焼用バーナ2の燃焼を開始した段階でその後の燃焼を停止させることができ、燃料ガス流量計4及び空気流量計8が異常のまま燃焼用バーナ2の燃焼が継続させるのを的確に防止することができる。
【0034】
また、異常診断用出力としては、図3に示すように、例えば、燃焼用バーナ2の出力として使用頻度の高い出力K%(例えば、40〜60%)に設定することもできる。燃焼用バーナ2の出力は、炉内空間1の温度によって調整されるので、その出力は上下に変化することになる。そこで、例えば、燃焼用バーナ2の出力として最も使用頻度の高い出力K%(例えば、40〜60%)を異常診断用出力に設定することで、燃料ガス流量計4及び空気流量計8の異常判別を行う頻度を高くすることができる。よって、燃焼用バーナ2の出力調整を行いながら、燃料ガス流量計4及び空気流量計8が異常であることを早い段階で判別することができ、燃料ガス流量計4及び空気流量計8が異常のまま燃焼用バーナ2の燃焼が継続させるのを的確に防止することができる。
【0035】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、第1圧力センサ14及び第2圧力センサ16を圧力スイッチにて構成した形態を説明したが、この第2実施形態では、図4に示すように、第1圧力センサ14及び第2圧力センサ16が、測定する差圧に応じて出力する第1差圧発信器14b及び第2差圧発信器16b(差圧発信器に相当する)にて構成されている。
【0036】
異常診断手段17は、第1差圧発信器14bによる差圧出力に対応する流量と燃料ガス流量計4の測定流量との差又は比が正常範囲内にあるか否かにより、燃料ガス流量計4が異常であるか否かを判別するように構成されている。異常診断手段17は、燃料ガス流量計4と同様にして、空気流量計8についても、第2差圧発信器16bによる差圧出力に対応する流量と空気流量計8の測定流量との差又は比が正常範囲内にあるか否かにより、異常であるか否かを判別するように構成されている。
【0037】
以下、異常診断手段17による空気流量計8の異常判別について説明する。燃料ガス流量計4の異常判別も同様であるので、詳細な説明は省略する。
異常診断手段17は、第2差圧発信器16bからの差圧出力ΔP及びオリフィスの流量係数kから差圧出力に対応する流量Q2(=k×√ΔP)を求め、その求めた流量Q2と空気流量計8の測定流量Q1とを比較し、Q1とQ2との比(Q1/Q2)、又は、Q1とQ2との差(|Q1−Q2|)が正常範囲内にあるか否かにより、空気流量計8が異常であるか否かを判別する。
例えば、オリフィスの流量係数k=1の場合には、第2差圧発信器16bからの差圧出力ΔPが100〔mmH2O〕であると、差圧出力に対応する流量Q2は10〔m3/h〕となる。そこで、異常診断手段17は、空気流量計8の測定流量Q1からQ1/Q2を求め、その求めたQ1/Q2が正常範囲(例えば、0.9〜1.1)内にある場合には、空気流量計8が正常であると判別し、Q1/Q2が正常範囲(例えば、0.9〜1.1)外にある場合には、空気流量計8が異常であると判別する。また、異常診断手段17は、Q1/Q2に代えて、|Q1−Q2|を用いて判別するときには、|Q1−Q2|が正常範囲(例えば、±1〔m3/h〕)内である場合には、空気流量計8が正常であると判別し、|Q1−Q2|が正常範囲(例えば、±1〔m3/h〕)外にある場合には、空気流量計8が異常であると判別する。
【0038】
この第2実施形態では、圧力センサとして差圧発信器を用いているので、差圧発信器の差圧出力に対応する流量が燃料ガス流量又は空気流量とすることができる。よって、流量制御手段12は、差圧発信器の差圧出力に対応する流量を用いて、燃料ガス流量又は空気流量を制御するバックアップ運転を実行可能に構成されている。
流量制御手段12は、異常診断手段17にて燃料ガス流量計4が異常であると判別された場合には、バックアップ運転として、第1差圧発信器14bによる差圧出力に対応する流量が目標燃料ガス流量となるように燃料ガス流量調整弁4の作動を制御するように構成されている。また、流量制御手段12は、異常診断手段17にて空気流量計4が異常であると判別された場合には、バックアップ運転として、第2差圧発信器16bによる差圧出力に対応する流量が目標空気流量となるように空気流量調整弁8の作動を制御するように構成されている。
【0039】
〔第3実施形態〕
この第3実施形態は、上記第2実施形態において、異常診断手段17による燃料ガス流量計4や空気流量計8の異常診断の構成についての別実施形態である。
この第3実施形態では、異常診断手段17が、燃料供給路3及び空気供給路7の夫々に設けられた第1差圧発信器14b及び第2差圧発信器16bの夫々による差圧出力に対応する流量から空気比N1を求め、燃料ガス流量計4の測定流量と空気流量計8の測定流量とから空気比N2を求め、空気比N1と空気比N2との差又は比が正常範囲内にあるか否かにより、燃料ガス流量計4及び空気流量計8が異常であるか否かを判別するように構成されている。
つまり、燃料ガス流量計4及び空気流量計8が正常であると、空気比N1と空気比N2との差又は比が正常範囲内に収まるが、燃料ガス流量計4又は空気流量計8が異常であると、空気比N1と空気比N2との差又は比が正常範囲外となる。そこで、異常診断手段17は、空気比N1と空気比N2とを比較することにより、燃料ガス流量計4及び空気流量計8が異常であるか否かを判別するように構成されている。
【0040】
〔別実施形態〕
(1)上記第2及び第3実施形態では、圧力センサを測定する差圧に応じて出力する差圧発信器にて構成した例を示したが、例えば、圧力センサは、測定する差圧に応じて出力する測定出力部と、その測定出力部からの差圧出力が設定差圧以上であるか否かによりON状態とOFF状態と切換自在なリミットスイッチとを備えたものとすることもできる。この場合には、上記第1実施形態と同様に、異常診断手段は、設定差圧に対応する流量と流量計の測定流量との大小関係及び圧力センサのリミットスイッチがON状態かOFF状態かにより流量計が異常であるか否かを判別するように構成することができる。
【0041】
(2)上記第1〜第3実施形態において、異常診断用出力については、一定出力としたり、変更可能とすることができる。例えば、異常診断用出力を燃焼用バーナの出力として使用頻度の高い出力に設定する場合に、燃焼用バーナの使用状況に応じて最も使用頻度の高い出力が変化すると、異常診断手段は、その変化した最も使用頻度の高い出力になるように異常診断用出力を変更設定することもできる。
【0042】
(3)上記第1〜第3実施形態では、燃料供給路及び空気供給路の両方に圧力センサを設け、異常診断手段は、燃料ガス流量計及び空気流量計の両方について異常であるか否かを判別するようにしているが、例えば、燃料供給路にのみ圧力センサを設け、異常診断手段を、燃料ガス流量計についてのみ異常であるか否かを判別するように構成することもでき、燃料ガス流量計及び空気流量計の何れか一方のみについて異常であるか否かを判別するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、加熱対象空間を加熱する燃焼用バーナに燃料ガスを供給する燃料供給路には、燃料ガスの流量を測定する燃料ガス流量計と、燃料ガスの流量を調整自在な燃料ガス流量調整弁とが設けられ、前記燃焼用バーナに燃焼用空気を供給する空気供給路には、燃焼用空気の流量を測定する空気流量計と、燃焼用空気の流量を調整自在な空気流量調整弁とが設けられ、コストアップを招くことなく、簡易な構成で、燃料ガス流量計や空気流量計の流量計が異常であるか否かを判別することができる各種の燃焼設備及びその燃焼設備の異常診断方法に適応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1実施形態における燃焼設備の概略図
【図2】燃焼用バーナの燃焼を開始させたときの時間経過に伴う燃焼用バーナの出力の変化を示す図
【図3】時間経過に伴う燃焼用バーナの出力の変化を示す図
【図4】第2実施形態における燃焼設備の概略図
【符号の説明】
【0045】
2 燃焼用バーナ
3 燃料供給路
4 燃料ガス流量計
5 燃料ガス流量調整弁
7 空気供給路
8 空気流量計
9 空気流量調整弁
12 流量制御手段
13 オリフィス(第1オリフィス)
14 圧力センサ(第1圧力センサ)
14a 圧力スイッチ(第1圧力スイッチ)
14b 差圧発信器(第1差圧発信器)
15 オリフィス(第2オリフィス)
16 圧力センサ(第2圧力センサ)
16a 圧力スイッチ(第2圧力スイッチ)
16b 差圧発信器(第2差圧発信器)
17 異常診断手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱対象空間を加熱する燃焼用バーナに燃料ガスを供給する燃料供給路には、燃料ガスの流量を測定する燃料ガス流量計と、燃料ガスの流量を調整自在な燃料ガス流量調整弁とが設けられ、
前記燃焼用バーナに燃焼用空気を供給する空気供給路には、燃焼用空気の流量を測定する空気流量計と、燃焼用空気の流量を調整自在な空気流量調整弁とが設けられ、
前記加熱対象空間内の温度に基づいて前記燃焼用バーナの必要出力を求め、その必要出力にて前記燃焼用バーナを燃焼させるときの燃料ガスと燃焼用空気との混合気の空気比が設定空気比となるように目標燃料ガス流量及び目標空気流量を求め、前記燃料ガス流量計の測定流量が前記目標燃料ガス流量となるように前記燃料ガス流量調整弁の作動を制御し、前記空気流量計の測定流量が前記目標空気流量となるように前記空気流量調整弁の作動を制御する流量制御手段が設けられている燃焼設備であって、
前記燃料供給路又は前記空気供給路の少なくとも一方には、オリフィスの上流側と下流側との差圧を測定する圧力センサが設けられ、
前記燃焼用バーナの出力が予め設定された異常診断用出力であるときに、前記燃料供給路及び前記空気供給路のうち前記圧力センサを設けた側において、前記圧力センサの測定差圧に対応する流量と前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる前記燃料ガス流量計又は前記空気流量計の測定流量とを比較して前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる流量計が異常であるか否かを判別する異常診断手段が設けられている燃焼設備。
【請求項2】
前記燃料供給路及び前記空気供給路の両方に、前記圧力センサが設けられ、
前記異常診断手段は、前記燃料供給路に設けられた前記圧力センサの測定差圧に対応する流量と前記燃料ガス流量計の測定流量とを比較して前記燃料ガス流量計が異常であるか否かを判別し、前記空気供給路に設けられた前記圧力センサの測定差圧に対応する流量と前記空気流量計の測定流量とを比較して前記空気流量計が異常であるか否かを判別するように構成されている請求項1に記載の燃焼設備。
【請求項3】
前記異常診断用出力は、前記燃焼用バーナの出力として使用頻度の高い出力に設定されている請求項1又は2に記載の燃焼設備。
【請求項4】
前記異常診断用出力は、前記燃焼用バーナの燃焼を開始させるときに調整される出力に設定されている請求項1〜3の何れか1項に記載の燃焼設備。
【請求項5】
前記圧力センサは、前記差圧が設定差圧以上であるか否かによりON状態とOFF状態とに切換自在な圧力スイッチにて構成され、
前記異常診断手段は、前記設定差圧に対応する流量と前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる流量計の測定流量との大小関係及び前記圧力スイッチがON状態かOFF状態かにより前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる流量計が異常であるか否かを判別するように構成されている請求項1〜4の何れか1項に記載の燃焼設備。
【請求項6】
前記圧力センサは、前記差圧に応じて出力する差圧発信器にて構成され、
前記異常診断手段は、前記差圧発信器による差圧出力に対応する流量と前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる流量計の測定流量との差又は比が正常範囲内にあるか否かにより前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる流量計が異常であるか否かを判別するように構成されている請求項1〜4の何れか1項に記載の燃焼設備。
【請求項7】
前記燃料供給路及び前記空気供給路の両方に、前記差圧発信器が設けられ、
前記異常診断手段は、前記燃料供給路及び前記空気供給路の夫々に設けられた前記差圧発信器の夫々による差圧出力に対応する流量から求めた空気比と、前記燃料ガス流量計の測定流量と前記空気流量計の測定流量とから求めた空気比との差又は比が、正常範囲内にあるか否かにより前記燃料ガス流量計及び前記空気流量計が異常であるか否かを判別するように構成されている請求項6に記載の燃焼設備。
【請求項8】
前記流量制御手段は、前記異常診断手段にて前記燃料ガス流量計又は前記空気流量計が異常であると判別された場合には、前記差圧発信器による差圧出力に対応する流量が前記目標燃料ガス流量となるように前記燃料ガス流量調整弁の作動を制御する、又は、前記差圧発信器による差圧出力に対応する流量が前記目標空気ガス流量となるように前記空気流量調整弁の作動を制御するバックアップ運転を実行可能に構成されている請求項6又は7に記載の燃焼設備。
【請求項9】
加熱対象空間内の温度に基づいてその加熱対象空間を加熱する燃焼用バーナの必要出力を求め、その必要出力にて前記燃焼用バーナを燃焼させるときの燃料ガスと燃焼用空気との混合気の空気比が設定空気比となるように目標燃料ガス流量及び目標空気流量を求め、前記燃焼用バーナに燃料ガスを供給する燃料供給路において燃料ガス流量計の測定流量が前記目標燃料ガス流量となるように燃料ガス流量調整弁の作動を制御し、前記燃焼用バーナに燃焼用空気を供給する空気供給路において空気流量計の測定流量が前記目標空気流量となるように空気流量調整弁の作動を制御する燃焼設備の異常診断方法であって、
前記燃焼用バーナの出力が予め設定された異常診断用出力であるときに、前記燃料供給路又は前記空気供給路の少なくとも一方においてオリフィスの上流側と下流側との差圧を測定する圧力センサの差圧に対応する流量と前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる前記燃料ガス流量計又は前記空気流量計の測定流量とを比較して前記圧力センサを設けた供給路側に設けられる流量計が異常であるか否かを判別する燃焼設備の異常診断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−281618(P2009−281618A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−132367(P2008−132367)
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】