狭地建築工法
【課題】隣地との間隔が狭い敷地であっても、能率よく施工でき、雨漏り等の不具合が発生しない狭地建築工法を提供する。
【解決手段】建物の基礎Bを施工する基礎工事工程と、建物の左右のフレーム1を基礎Bに本来の建て幅よりも狭い位置で仮据付けする仮据付け工程と、左右のフレーム1に、窓枠2の取付け、ALC3の取付け、ALC間のコーキング4および塗装を含む側壁工事を行う側壁仕上げ工程と、側壁工事を終えた左右の側壁10を、基礎B上において本来の建て幅位置へ移動させる側壁移動工程と、移動を終えた左右の側壁10を基礎B上に据付ける本据付け工程とを含む。仮据付け工程で、本来の建て幅よりも狭く左右のフレームを建てるので、隣地との間が狭くても作業員が体ごとフレームに対面して側壁仕上げ工程が実施できる。このため、窓枠の取付けやALCの取付け、コーキングなどをしっかり施工できるので、施工不良が生じない。
【解決手段】建物の基礎Bを施工する基礎工事工程と、建物の左右のフレーム1を基礎Bに本来の建て幅よりも狭い位置で仮据付けする仮据付け工程と、左右のフレーム1に、窓枠2の取付け、ALC3の取付け、ALC間のコーキング4および塗装を含む側壁工事を行う側壁仕上げ工程と、側壁工事を終えた左右の側壁10を、基礎B上において本来の建て幅位置へ移動させる側壁移動工程と、移動を終えた左右の側壁10を基礎B上に据付ける本据付け工程とを含む。仮据付け工程で、本来の建て幅よりも狭く左右のフレームを建てるので、隣地との間が狭くても作業員が体ごとフレームに対面して側壁仕上げ工程が実施できる。このため、窓枠の取付けやALCの取付け、コーキングなどをしっかり施工できるので、施工不良が生じない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、狭地建築工法に関する。さらに詳しくは、上地が狭く隣地の建物との間が狭い、いわゆる狭地に建物を建築する狭地建築工法に関する。
【背景技術】
【0002】
狭地建築工法に関する従来例として、つぎの2点がある。
特許文献1の従来工法は、狭隘な建築現場であっても、容易に施工できるALCパネルの構造と外壁パネルの取付け工法である。
この従来工法1では、ALCパネル1を取付け金具で鉄骨躯体2に取付けて外壁を構成し、ALCパネル1を1枚取付ける度に前記バックアップ材11の外側にシーリング材9を充填するALCパネル1の取付けるようにしている。
【0003】
特許文献2の従来工法は、隣りの建物と密接して建築する場合であっても、建物間の狭隘(きょうあい)空間での施工が可能とする工法である。
この従来工法2では、車輪支持片8aと天片8b、側片8c及び起立片8dを有するレール部材8が外壁パネル1を取付ける上梁材2に着脱可能に接合され、外壁パネル1を吊り下げた吊り下げ治具14の車輪9がレール部材8の空間内部に収容された状態で該レール部材8の下辺の両側の車輪支持片8a上に跨って走行する。レール部材8には建物前面道路側の作業用空地まで突出した導入用レール部材13が延長して取付けられている。そのため、建物内側からの作業で外壁パネルを所定の位置まで吊り下げ搬送し建物躯体に固定することができる。
【0004】
しかるに上記従来工法では、つぎの欠点がある。
すなわち、特許文献1の従来工法では、ALCパネルを1枚づつ取付けるものの、作業員が1枚のALCパネルの端に立って、手だけを伸ばしてシーリング材を充填しなければならない。この場合、作業員の眼は手元を側方から見ていることになり正面から視認できないし、充填に必要な力も充分に加えられない。このためシーリングが不十分となって、後から雨漏り等の不具合が生じやすい等の欠陥がある。
特許文献2の従来工法では、レール部材を使うので施工が大がかりになるという欠点がある。また、パネル同士の間のシーリングは作業員が横から手を伸ばして行うので、特許文献1の場合と同じ理由で雨漏り等の不具合が生じやすいという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−90236号公報
【特許文献2】特開2006−193891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、隣地との間隔が狭い敷地であっても、能率よく施工でき、雨漏り等の不具合が発生しない狭地建築工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明の狭地建築工法は、建物の基礎を施工する基礎工事工程と、建物の左右のフレームを前記基礎に本来の建て幅よりも狭い位置で仮据付けする仮据付け工程と、前記左右のフレームに、窓枠の取付け、ALCの取付け、ALC間のコーキングおよび塗装を含む側壁工事を行う側壁仕上げ工程と、前記側壁工事を終えた左右の側壁を、前記基礎上において本来の建て幅位置へ移動させる側壁移動工程と、移動を終えた左右の側壁を前記基礎上に据付ける本据付け工程とを含むことを特徴とする。
第2発明の狭地建築工法は、第1発明において、前記仮据付け工程では、左右のフレームを基礎に対し取外し可能に固定し、左右のフレーム間を仮止め棒で仮固定することを特徴とする。
第3発明の狭地建築工法は、第1発明において、前記側壁仕上げ工程では、窓枠の取付け、ALCの取付け、ALC間のコーキング、塗装の順で行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1発明によれば、仮据付け工程で、本来の建て幅よりも狭く左右のフレームを建てるので、隣地との間が狭くても作業員が体ごとフレームに対面して側壁仕上げ工程が実施できる。このため、窓枠の取付けやALCの取付け、コーキングなどをしっかり施工できるので、施工不良が生じない。側壁の仕上げ工事が完了すると、本来の建て幅に移動させて、残りの工事を実行するので、狭地であっても地面一杯に広げた建物を建築できる。
第2発明によれば、仮据付工程では、左右のフレームが基礎に対し取外し可能であるので、後の側壁移動工程が支障なく行える。
第3発明によれば、側壁仕上げ工程では、ALCを取付ける前に窓枠を取付けるので、窓枠の取付けが容易であり、塗装の前にALCを取付けるので、コーキング作業が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の狭地建築工法における仮据付け工程の説明図である。
【図2】側壁仕上げ工程における窓枠の取付けを示す説明図である。
【図3】側壁仕上げ工程におけるALCの取付けを示す説明図である。
【図4】側壁仕上げ工程におけるコーキング作業の説明図である。
【図5】側壁仕上げ工程における塗装作業の説明図である。
【図6】側壁移動工程の説明図である。
【図7】本据付け工程の説明図である。
【図8】内部仕上げ工程の説明図である。
【図9】前壁仕上げ工程の説明図である。
【図10】本発明の狭地建築工法で完成させた建物の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1〜図10は本発明の狭地建築工法を工程順に説明する図である。
図1において、Gは建物を建てる地面であり、Fは前方境界線(道路等に面している)、Sは左右の境界線、Rは後方の境界線である。
Bは基礎の外延(二点鎖線図示)を示している。通常は二点鎖線で示す外延の内側に縦横に延びる基礎も工事されている。
左右の境界線S,Sは隣地の建物と接近しており、基礎Bの外延と隣地との間の隙間は、人が入れない程の狭い狭地を本図は図示している。
本明細書では、このような狭隘地に建物を建てる工法を狭地建築工法という。
【0011】
(基礎工事工程)
図1の二点鎖線内に基礎Bを施工する工程である。二点鎖線で示す外延の外、内側にも通常必要とされる基礎(バス、台所、部屋間の壁を支える基礎)が工事される。基礎工事の方法は公知の工法が用いられる。
【0012】
(仮据付け工程)
図1において、1,1は左右のフレームであり、鉄骨製である。図示の例では3階建てフレームであるが、1階または2階用、あるいは4階以上用のものであってもよい。このフレーム1,1は仮据付け工程の前に工場あるいは現場で組立てられたものである。但し、いわゆる骨組みの段階であって、窓やALCは取付けられていない。
【0013】
上記フレーム1,1は既設の基礎Bの本来の据付け位置(これは最外側になる)より内側の位置、好ましくは作業員が体を入れられるスペースを取って、本来の建て幅よりも狭い位置に仮据付けされる。仮の据付けであるから、基礎B上の仮止めができる位置で、ボルト等を通して、後で外せるように固定すればよい。
なお、左右のフレーム1,1間は適当な仮止め棒21を渡しかけて止め、フレーム1,1が倒れないようにしておくとよい。
【0014】
(側壁仕上げ工程)
図2〜図5に示すように、フレーム1,1を側壁として完成させるための種々の工事が行われる。これらの工事を側壁仕上げ工程という。
図2は窓枠2の取付け、図3はALC3(軽量気泡コンクリートパネル)の取付けを示している。図4は隣り合うALC3の間の溝をコーキング4する作業を示している。図5は塗装作業を示している。図2〜図4において、足場6は示していないが、必要に応じ図5と同様に足場を用いればよい。
【0015】
前記の側壁工事において、フレーム1,1と横境界線Sとの間は作業員が入ったり足場を立てるスペースが確保されているため、作業員が壁面に対面して作業することができる。したがって、腕だけを伸ばして無理な姿勢で作業せざるを得なかった従来工法に比べ、はるかに施工がやりやすい。このため、施工能率が高くなり、施工精度も良くなって後で雨漏りする等の不具合は生じなくなる。
【0016】
(側壁移動工程)
側壁工事を終えた側壁10は、図6に示すように、本来建てるべき建て幅の位置へ移動する。この移動には、クレーン車CR等を用いるのが便利であるが、他の方法をとってもよい。なお、移動に際して、仮止め棒21は外される。
【0017】
(本据付け工程)
左右の側壁10,10は本来据付けるべき基礎上に固定される。この固定には、基礎に植設したボルトをフレーム1,1に通して、ナット等で強固に固着すればよい。
なお、左右の側壁10,10は倒れないように、控え材22等で支えておくとよい。
【0018】
(その後の工程)
側壁10,10が本来の位置に立った後は、図8に示すように内部構造(柱11や横梁12)などを組付け、図9に示すように前面の壁13を仕上げたり屋根14をのせる等、一切の工事が施工される。
【0019】
(完成)
上記の狭地工法で建立した建物BLの一例を図10に示す。同図に示すように、側面にほとんど余裕のない狭地でありながら、広い場所に建てる場合と同じように建物を建築することができる。
【符号の説明】
【0020】
1 フレーム
2 窓枠
3 ALC
4 コーキング
10 側壁
【技術分野】
【0001】
本発明は、狭地建築工法に関する。さらに詳しくは、上地が狭く隣地の建物との間が狭い、いわゆる狭地に建物を建築する狭地建築工法に関する。
【背景技術】
【0002】
狭地建築工法に関する従来例として、つぎの2点がある。
特許文献1の従来工法は、狭隘な建築現場であっても、容易に施工できるALCパネルの構造と外壁パネルの取付け工法である。
この従来工法1では、ALCパネル1を取付け金具で鉄骨躯体2に取付けて外壁を構成し、ALCパネル1を1枚取付ける度に前記バックアップ材11の外側にシーリング材9を充填するALCパネル1の取付けるようにしている。
【0003】
特許文献2の従来工法は、隣りの建物と密接して建築する場合であっても、建物間の狭隘(きょうあい)空間での施工が可能とする工法である。
この従来工法2では、車輪支持片8aと天片8b、側片8c及び起立片8dを有するレール部材8が外壁パネル1を取付ける上梁材2に着脱可能に接合され、外壁パネル1を吊り下げた吊り下げ治具14の車輪9がレール部材8の空間内部に収容された状態で該レール部材8の下辺の両側の車輪支持片8a上に跨って走行する。レール部材8には建物前面道路側の作業用空地まで突出した導入用レール部材13が延長して取付けられている。そのため、建物内側からの作業で外壁パネルを所定の位置まで吊り下げ搬送し建物躯体に固定することができる。
【0004】
しかるに上記従来工法では、つぎの欠点がある。
すなわち、特許文献1の従来工法では、ALCパネルを1枚づつ取付けるものの、作業員が1枚のALCパネルの端に立って、手だけを伸ばしてシーリング材を充填しなければならない。この場合、作業員の眼は手元を側方から見ていることになり正面から視認できないし、充填に必要な力も充分に加えられない。このためシーリングが不十分となって、後から雨漏り等の不具合が生じやすい等の欠陥がある。
特許文献2の従来工法では、レール部材を使うので施工が大がかりになるという欠点がある。また、パネル同士の間のシーリングは作業員が横から手を伸ばして行うので、特許文献1の場合と同じ理由で雨漏り等の不具合が生じやすいという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−90236号公報
【特許文献2】特開2006−193891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、隣地との間隔が狭い敷地であっても、能率よく施工でき、雨漏り等の不具合が発生しない狭地建築工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明の狭地建築工法は、建物の基礎を施工する基礎工事工程と、建物の左右のフレームを前記基礎に本来の建て幅よりも狭い位置で仮据付けする仮据付け工程と、前記左右のフレームに、窓枠の取付け、ALCの取付け、ALC間のコーキングおよび塗装を含む側壁工事を行う側壁仕上げ工程と、前記側壁工事を終えた左右の側壁を、前記基礎上において本来の建て幅位置へ移動させる側壁移動工程と、移動を終えた左右の側壁を前記基礎上に据付ける本据付け工程とを含むことを特徴とする。
第2発明の狭地建築工法は、第1発明において、前記仮据付け工程では、左右のフレームを基礎に対し取外し可能に固定し、左右のフレーム間を仮止め棒で仮固定することを特徴とする。
第3発明の狭地建築工法は、第1発明において、前記側壁仕上げ工程では、窓枠の取付け、ALCの取付け、ALC間のコーキング、塗装の順で行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1発明によれば、仮据付け工程で、本来の建て幅よりも狭く左右のフレームを建てるので、隣地との間が狭くても作業員が体ごとフレームに対面して側壁仕上げ工程が実施できる。このため、窓枠の取付けやALCの取付け、コーキングなどをしっかり施工できるので、施工不良が生じない。側壁の仕上げ工事が完了すると、本来の建て幅に移動させて、残りの工事を実行するので、狭地であっても地面一杯に広げた建物を建築できる。
第2発明によれば、仮据付工程では、左右のフレームが基礎に対し取外し可能であるので、後の側壁移動工程が支障なく行える。
第3発明によれば、側壁仕上げ工程では、ALCを取付ける前に窓枠を取付けるので、窓枠の取付けが容易であり、塗装の前にALCを取付けるので、コーキング作業が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の狭地建築工法における仮据付け工程の説明図である。
【図2】側壁仕上げ工程における窓枠の取付けを示す説明図である。
【図3】側壁仕上げ工程におけるALCの取付けを示す説明図である。
【図4】側壁仕上げ工程におけるコーキング作業の説明図である。
【図5】側壁仕上げ工程における塗装作業の説明図である。
【図6】側壁移動工程の説明図である。
【図7】本据付け工程の説明図である。
【図8】内部仕上げ工程の説明図である。
【図9】前壁仕上げ工程の説明図である。
【図10】本発明の狭地建築工法で完成させた建物の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1〜図10は本発明の狭地建築工法を工程順に説明する図である。
図1において、Gは建物を建てる地面であり、Fは前方境界線(道路等に面している)、Sは左右の境界線、Rは後方の境界線である。
Bは基礎の外延(二点鎖線図示)を示している。通常は二点鎖線で示す外延の内側に縦横に延びる基礎も工事されている。
左右の境界線S,Sは隣地の建物と接近しており、基礎Bの外延と隣地との間の隙間は、人が入れない程の狭い狭地を本図は図示している。
本明細書では、このような狭隘地に建物を建てる工法を狭地建築工法という。
【0011】
(基礎工事工程)
図1の二点鎖線内に基礎Bを施工する工程である。二点鎖線で示す外延の外、内側にも通常必要とされる基礎(バス、台所、部屋間の壁を支える基礎)が工事される。基礎工事の方法は公知の工法が用いられる。
【0012】
(仮据付け工程)
図1において、1,1は左右のフレームであり、鉄骨製である。図示の例では3階建てフレームであるが、1階または2階用、あるいは4階以上用のものであってもよい。このフレーム1,1は仮据付け工程の前に工場あるいは現場で組立てられたものである。但し、いわゆる骨組みの段階であって、窓やALCは取付けられていない。
【0013】
上記フレーム1,1は既設の基礎Bの本来の据付け位置(これは最外側になる)より内側の位置、好ましくは作業員が体を入れられるスペースを取って、本来の建て幅よりも狭い位置に仮据付けされる。仮の据付けであるから、基礎B上の仮止めができる位置で、ボルト等を通して、後で外せるように固定すればよい。
なお、左右のフレーム1,1間は適当な仮止め棒21を渡しかけて止め、フレーム1,1が倒れないようにしておくとよい。
【0014】
(側壁仕上げ工程)
図2〜図5に示すように、フレーム1,1を側壁として完成させるための種々の工事が行われる。これらの工事を側壁仕上げ工程という。
図2は窓枠2の取付け、図3はALC3(軽量気泡コンクリートパネル)の取付けを示している。図4は隣り合うALC3の間の溝をコーキング4する作業を示している。図5は塗装作業を示している。図2〜図4において、足場6は示していないが、必要に応じ図5と同様に足場を用いればよい。
【0015】
前記の側壁工事において、フレーム1,1と横境界線Sとの間は作業員が入ったり足場を立てるスペースが確保されているため、作業員が壁面に対面して作業することができる。したがって、腕だけを伸ばして無理な姿勢で作業せざるを得なかった従来工法に比べ、はるかに施工がやりやすい。このため、施工能率が高くなり、施工精度も良くなって後で雨漏りする等の不具合は生じなくなる。
【0016】
(側壁移動工程)
側壁工事を終えた側壁10は、図6に示すように、本来建てるべき建て幅の位置へ移動する。この移動には、クレーン車CR等を用いるのが便利であるが、他の方法をとってもよい。なお、移動に際して、仮止め棒21は外される。
【0017】
(本据付け工程)
左右の側壁10,10は本来据付けるべき基礎上に固定される。この固定には、基礎に植設したボルトをフレーム1,1に通して、ナット等で強固に固着すればよい。
なお、左右の側壁10,10は倒れないように、控え材22等で支えておくとよい。
【0018】
(その後の工程)
側壁10,10が本来の位置に立った後は、図8に示すように内部構造(柱11や横梁12)などを組付け、図9に示すように前面の壁13を仕上げたり屋根14をのせる等、一切の工事が施工される。
【0019】
(完成)
上記の狭地工法で建立した建物BLの一例を図10に示す。同図に示すように、側面にほとんど余裕のない狭地でありながら、広い場所に建てる場合と同じように建物を建築することができる。
【符号の説明】
【0020】
1 フレーム
2 窓枠
3 ALC
4 コーキング
10 側壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の基礎を施工する基礎工事工程と、
建物の左右のフレームを前記基礎に本来の建て幅よりも狭い位置で仮据付けする仮据付け工程と、
前記左右のフレームに、窓枠の取付け、ALCの取付け、ALC間のコーキングおよび塗装を含む側壁工事を行う側壁仕上げ工程と、
前記側壁工事を終えた左右の側壁を、前記基礎上において本来の建て幅位置へ移動させる側壁移動工程と、
移動を終えた左右の側壁を前記基礎上に据付ける本据付け工程とを含む
ことを特徴とする狭地建築工法。
【請求項2】
前記仮据付け工程では、左右のフレームを基礎に対し取外し可能に固定し、左右のフレーム間を仮止め棒で仮固定する
ことを特徴とする請求項1記載の狭地建築工法。
【請求項3】
前記側壁仕上げ工程では、窓枠の取付け、ALCの取付け、ALC間のコーキング、塗装の順で行う
ことを特徴とする請求項1記載の狭地建築工法。
【請求項1】
建物の基礎を施工する基礎工事工程と、
建物の左右のフレームを前記基礎に本来の建て幅よりも狭い位置で仮据付けする仮据付け工程と、
前記左右のフレームに、窓枠の取付け、ALCの取付け、ALC間のコーキングおよび塗装を含む側壁工事を行う側壁仕上げ工程と、
前記側壁工事を終えた左右の側壁を、前記基礎上において本来の建て幅位置へ移動させる側壁移動工程と、
移動を終えた左右の側壁を前記基礎上に据付ける本据付け工程とを含む
ことを特徴とする狭地建築工法。
【請求項2】
前記仮据付け工程では、左右のフレームを基礎に対し取外し可能に固定し、左右のフレーム間を仮止め棒で仮固定する
ことを特徴とする請求項1記載の狭地建築工法。
【請求項3】
前記側壁仕上げ工程では、窓枠の取付け、ALCの取付け、ALC間のコーキング、塗装の順で行う
ことを特徴とする請求項1記載の狭地建築工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−285744(P2010−285744A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137917(P2009−137917)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(500554634)株式会社タニグチ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(500554634)株式会社タニグチ (1)
【Fターム(参考)】
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