説明

玄米専用のコイン精米機

【課題】
本発明は、玄米専用のコイン精米機に籾を供給して精米装置の籾詰まりを防止することを課題とする。
【解決手段】
コインを投入することによって玄米供給ホッパー(16)に供給した玄米を精米作業する精米装置(14)を備えた玄米専用のコイン精米機において、玄米供給ホッパー(16)に籾と玄米を判別できる籾・玄米判別センサ(21)を設け、玄米供給ホッパー(16)に供給した穀粒を籾・玄米判別センサ(21)が籾と判別すると精米装置(14)を起動しないよう制御することを特徴とする玄米専用のコイン精米機とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、所定量の玄米とコインを投入して精米を行なうコイン精米機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には玄米とコインを投入して精米を行なう精米設備が記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、玄米専用のコイン精米機に籾を供給して精米装置の籾詰まりを防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、コインを投入することによって玄米供給ホッパー(16)に供給した玄米を精米作業する精米装置(14)を備えた玄米専用のコイン精米機において、玄米供給ホッパー(16)に籾と玄米を判別できる籾・玄米判別センサ(21)を設け、玄米供給ホッパー(16)に供給した穀粒を籾・玄米判別センサ(21)が籾と判別すると精米装置(14)を起動しないよう制御することを特徴とする玄米専用のコイン精米機とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、玄米供給ホッパー(16)に供給した穀粒を移送するエレベータ(22)と、エレベータ(22)で移送した穀粒を石抜選別装置(13)へ移送するか玄米供給ホッパー(16)の上に設ける取出口(50)に返却する分岐シュータ(23)を設け、玄米供給ホッパー(16)に供給した穀粒を籾・玄米判別センサ(21)が籾と判別すると、エレベータ(22)で移送した玄米供給ホッパー(16)の穀粒を分岐シュータ(23)から取出口(50)へ返却されるよう構成したことを特徴とする請求項1記載の玄米専用のコイン精米機とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、籾供給による精米装置14の籾詰まりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】石抜選別装置一部の側面図と、石抜選別制御のブロック図。
【図2】その全体側面図。
【図3】精米施設の平面配置図。
【図4】その精米系路図。
【図5】精米施設の内部正面図。
【図6】粗選機部の側面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図面に基づいて、石抜選別装置を有した精米装置を説明する。所定量の玄米とコインを投入することによって精米を行うコイン精米機では、ハウス11内の機械室12に石抜選別装置13や、精米装置14等を設け、作業室15からの玄米供給ホッパー16への玄米供給や、操作盤17のコインメック18へのコイン供給等によって精米作業を行うことができ、精米後の白米は白米ホッパー19から袋20詰めして取出処理することができる。該玄米供給ホッパー16に投入された玄米は、この籾、玄米判別センサ21による識別を受けてエレベータ22へ供給される。このエレベータ22から分岐シュータ23へ送られて、該判別センサ21による判別によって玄米である場合は、石抜選別装置24側へ移送され、籾である場合は、作業室15側ホッパー16上の取出口50へ取り出される。この石抜選別装置24は、玄米ホッパー25のシャッター26を開けることによって供給される石混じりの玄米を受けて搖動移送する搖動棚1と、この搖動棚1の傾斜上端側に選別口3と、この底部を開閉するシャッター4、及びこの選別口3から排出される玄米を玄米口5へ切替案内したり、石抜口6へ案内する切替弁7等から構成される。
【0010】
この石抜き口6へ切替られて排出される石礫類は機外の容器51へ排出されるが、玄米口5へ排出される玄米は、精米装置14へ搬送するエレベータ27へ供給される。該搖動棚1の上面には揺上突子が形成されていて、この搖動棚1の搖動作用によってホッパー25から供給される石混じりの玄米を受けて傾斜上位側の石抜経路2と、下位側の玄米経路28とに移送選別することができる。この玄米経路28の終端部には、この石抜選別装置13と一体的に構成された粗選機8が配置される。この粗選機8は、傾斜する搖動盤29と、この搖動盤29をクランク軸30を介して旋回駆動するモータ31を、取付ベース32に取付ける。搖動盤29の傾斜下手側には玄米口33とわら屑口34が形成されて、取付ベース32に設けられる各シュート35、36にのぞませている。このわら屑シュート36から取り出されるわら屑は機外へ排出させるが、玄米シュート35から取り出される玄米は、前記エレベータ27を経て精米装置14の精米ホッパー37へ供給される。
【0011】
前記該精米装置14は精米ホッパー37からの玄米を受けて精米作用を行うことができる。この精米された白米は白米ホッパー19へ取り出すことができるが、この白米を研米ホッパー238へ切替て、エレベータ27を介して再度精米ホッパー37へ還元させることにより再精米(乃至研米)作用を行わせることができる。
【0012】
前記石抜選別装置24の搖動棚1は、下側にフアン41を回転させて送風する送風室42を設け、この搖動棚1にスリット42を通して石抜経路2側へ噴風させる。この搖動棚1の石抜経路2及び玄米経路28の終端部は幅寄せ形態に狭くして、選別口3や粗選搖動盤29上にのぞませる。選別口31はこの石抜経路2終端の搖動棚1面よりも低くした位置に、前後水平状のシャッター4が設けられて、このシャッター4をシリンダ44の伸縮によって、前後に作動されて開閉される。このシャッター4が閉鎖されると選別口3は有底容器の形態となり、内部に搖動棚1から移送排出される石A混じりの玄米Bを溜めることができる。前記切替弁7は、石抜口6と玄米口5との間の弁軸45の周りに前後に回動して、玄米口5へ排出するときは、後側へ回動して石抜口6上を閉鎖し、石抜口6へ排出するときは、前側へ回動して玄米口5上を閉鎖する。このようなシャッター4と切替弁7との作動は、コントローラ46からの出力によって連動される。このコントローラ46の入力側には手動的に石抜作用を行わせる石抜スイッチ47や、前記選別口3に所定量の石A混じり玄米Bが溜ったことを検出して石抜き作動させる石抜センサ48等を設け、出力側にシャッター4を開閉作動するシリンダー44、及び切替弁45を切替作動するアクチュエータ等を設ける。
【0013】
玄米がホッパー25に供給されてシャッター26が開かれると、この玄米が揺動棚1の上面中央部に供給される。この揺動棚1の揺動と送風室42からの送風によって、石A混じりの玄米Bが石抜経路2側へ揺動移送される。このとき比重選別により石礫類Aは下層に、玄米Bは上層に浮上されて、石Aは石抜経路2に沿ってそのまま移送されるが、上層の玄米Bはこの上層部を玄米経路28に沿って流下移送されて、石Aと玄米Bとに選別される。しかしながら石抜経路2における玄米Bの選別は、完全には行われないで、少量の玄米Bが石Aと混じって選別口3へ送出されることが多い。ここで、石抜経路2から選別口3に送出された石混じりの玄米は、シャッター4の閉鎖状態に伴って溜められて、上層に石A層が溜り、この上側に玄米B層が溜った状態となる。この貯溜量が一杯になると石抜センサ48の検出によって、シリンダ44が作動されシャッター4がタイマーによる最初の一定瞬時の短かい時間にわたって開かれると共に、切替弁7が玄米口5を閉じる。このシャッター4の開きによって下層部の石Aが石抜口6へ排出される。シャッター4は直ちに閉鎖されて選別口3の後続排出の石Aや玄米Bの落下を遮断する。そしてタイマーによる一定時間が経過すると二回目の一定の短かい時間シャッター4の開きが行われて、この間に下層に溜った石A層部が排出されて、再度シャッター4閉鎖される。このようなシャッター4の開回数を二回に限らず三回、四回のように増加させることもできる。
【0014】
このようにして、一定複数回数の石抜作用が行われると、次には切替弁7が石抜口6上を閉鎖すると共に、シャッター4がタイマーによる一定時間開かれて、選別口3上層部にまで溜った玄米Bを排出して閉鎖される。このような石抜作用を繰返して玄米に混入している石礫を取除くことができる。
【0015】
前記揺動棚1上を玄米経路28に沿って送出されるわら屑混じりの玄米Bは、隣りの粗選8の揺動盤29上に供給されて、わら屑等の異物が選別除去される。この揺動盤29のクランク軸30には粗選クラッチ49が設けられていて、この祖選クラッチ49を切りにすることによってモータ31の回転に拘らず揺動を停止することができる。この粗選クラッチ49の切り作動は、前記石抜きセンサ48の検出によってシャッター4を最初に開くときに行われる。又、二回目に開かれたシャッター4の閉鎖と同時に粗選クラッチ49を入りにする構成としている。このようにして、石抜選別口3のシャッター4が開かれて石抜作用が行われるときは、粗選機8の揺動用を一旦停止することによって、この石抜き選別作用を共振等によって乱されないようにして、安定した精度の良い石抜きを行わせることができる。
【0016】
前記玄米供給ホッパー16に判別センサが設けられるため、玄米専用のコイン精米機のホッパー16に、籾を供給したときは、コイン精米機は起動されない。このホッパー16に供給された籾は分岐シュータ23から作業室15側の取出口50へ返却されて、この籾供給による精米装置14や石抜選別装置13等の籾詰まりを防止することができる。
【0017】
又、コイン精米機では、利用客の勘違い等により追加のコインをコインメック18に投入することが多い。そこで、空運転と判断したときは、使用コインを全額返却して音声で空運転である旨を利用額に通知する。又、データプリンタには空運転表示とコイン¥0を印字する。これによって、運転すれば空運転とあることが判り、コインを返却し空運転の案内をすることにより、利用者を納特させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コインを投入することによって玄米供給ホッパー(16)に供給した玄米を精米作業する精米装置(14)を備えた玄米専用のコイン精米機において、玄米供給ホッパー(16)に籾と玄米を判別できる籾・玄米判別センサ(21)を設け、玄米供給ホッパー(16)に供給した穀粒を籾・玄米判別センサ(21)が籾と判別すると精米装置(14)を起動しないよう制御することを特徴とする玄米専用のコイン精米機。
【請求項2】
玄米供給ホッパー(16)に供給した穀粒を移送するエレベータ(22)と、エレベータ(22)で移送した穀粒を石抜選別装置(13)へ移送するか玄米供給ホッパー(16)の上に設ける取出口(50)に返却する分岐シュータ(23)を設け、
玄米供給ホッパー(16)に供給した穀粒を籾・玄米判別センサ(21)が籾と判別すると、エレベータ(22)で移送した玄米供給ホッパー(16)の穀粒を分岐シュータ(23)から取出口(50)へ返却されるよう構成したことを特徴とする請求項1記載の玄米専用のコイン精米機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−285655(P2009−285655A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167762(P2009−167762)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【分割の表示】特願2005−52313(P2005−52313)の分割
【原出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】