説明

現像装置

【課題】 磁性キャリア及び非磁性トナーを用いた現像装置において、現像履歴現象を確実に防止するとともに磁性キャリアの流出を防止する。
【解決手段】 現像装置10は磁性キャリア及び非磁性トナーを有する二成分現像剤が用い、静電潜像が担持される感光体ドラム4に対向して配置されトナーによって静電潜像を現像してトナー像とする現像ローラ14と、現像ローラと対向して配置され複数の磁気ローラ磁極を有し二成分現像剤を保持して前記トナーを現像ローラに供給する磁気ローラ13とを備えている。現像ローラは非磁性回転スリーブ13aと、非磁性回転スリーブに内包されて磁気ローラと対向する対向面を備え、対向面に磁気ローラ磁極N1と異磁極である現像ローラ磁極Sが着磁された現像ローラ磁極体14bとを備えており、現像ローラ磁極体には、現像ローラ磁極によって形成される主磁力に対して対向面の非磁性回転スリーブの回転方向両端で生じる磁力を低減させるエッジ部が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、又はファクシミリ装置等の画像形成装置で用いられる現像装置に関し、特に、磁性キャリア及び非磁性トナーを有する二成分現像剤を用いる現像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置においては、像担持体である感光体ドラム上に静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置によって現像されてトナー像となる。そして、感光体ドラム上のトナー像は、例えば、記録用紙に転写され、記録用紙上のトナー像は定着装置によって定着される。このような現像装置において、磁性キャリア及び非磁性トナーを有する二成分現像剤を用いて、感光体ドラム上の静電潜像を現像するものがあり、現像装置は感光体ドラムと対峙する現像ローラ(現像剤担持体)を備えて、磁気ローラによって現像ローラ上にトナー層を形成し、感光体ドラム上の静電潜像を現像する。
【0003】
ところで、上述のような現像装置では、感光体ドラム上の静電潜像を現像した際、現像ローラ上ではトナー消費されて無くなった部分(消費領域)とトナーが消費されずに残った部分(非消費領域)とが発生して、次回の現像の際に現像に差が生じてしまうことになる。つまり、現像ローラ上のトナー付着状態とトナーの電位差とにバラツキが生じて連続的に現像を行うと前段階の現像履歴現象が発生してしまう(言い換えると、残像(ゴースト)等の画像乱れなどが生じてしまう)。
【0004】
このような不具合を防止するため、磁気ローラを、現像剤層を搬送する非磁性回転スリーブと、回転スリーブ内に配置された磁極とで構成して、現像ローラと磁気ローラとの対向位置において、磁気ローラ内部の磁極は、磁極中央部における磁極の落ち込み量をその両側のピーク値が反発磁極とならないように設定したものがある(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開平6−130819号公報(第4頁〜第6頁、第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の現像装置では、現像履歴現象を防止するため、磁気ローラ内部の磁極は、磁極中央部における磁極の落ち込み量をその両側のピーク値が反発磁極とならないように設定して、現像ローラ上のトナー層厚を一定に保とうとしているものの、トナー層厚が一定であっても、トナー帯電量が異なると、現像性に差異が生じてしまい、このため、現像履歴現象を防止することが難しいという課題がある。
【0007】
従って、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、現像履歴現象を確実に防止することのできる現像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、少なくとも磁性キャリア及びトナーを有する二成分現像剤が用いられ、静電潜像が担持される像担持体に対向して配置され前記トナーによって前記静電潜像を現像してトナー像とする現像ローラと、前記現像ローラと対向して配置され複数の磁気ローラ磁極を有し前記二成分現像剤を保持して前記トナーを前記現像ローラに供給する磁気ローラとを有する現像装置において、前記現像ローラは非磁性回転スリーブと、該非磁性回転スリーブに内包されて前記磁気ローラ磁極の一つと対向する対向面を備え該対向面に前記磁気ローラ磁極の一つと異磁極である現像ローラ磁極が着磁された現像ローラ磁極体とを備え、前記現像ローラ磁極体には、前記現像ローラ磁極によって形成される主磁力に対して前記対向面の前記非磁性回転スリーブの回転方向両端で生じる磁力を低減させる低減手段が形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明では、例えば、前記低減手段は対向面の両端側における前記対向面のエッジ部分を丸みを帯びた滑らかな形状とすることによって形成される。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明の現像装置は、現像ローラの非磁性回転スリーブに、磁気ローラ磁極の一つと対向する対向面を備えて対向面に磁気ローラ磁極の一つと異磁極である現像ローラ磁極が着磁された現像ローラ磁極体を内包して、現像ローラ磁極体に、現像ローラ磁極によって形成される主磁力に対して対向面の非磁性回転スリーブの回転方向両端で生じる磁力を低減させるようにしたので、現像ローラと磁気ローラとの最接近位置とにおいて磁気ブラシの拘束力が強くなって、良好な磁気ブラシが形成される結果、現像ローラ上の残ったトナーを確実に磁気ローラ側に回収できることになって、現像履歴現象を確実に防止できるばかりでなく、磁性キャリアが現像ローラ側に流出するという事態を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1による現像装置が用いられる画像形成装置を概略的に示す図であり、図示の画像形成装置は所謂タンデム型カラー画像形成装置である。図示の画像形成装置1は、各色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(BK))の画像形成ユニット2a〜2dを有しており、これら画像形成ユニット2a〜2dは搬送ベルト3に沿って配列されている。各画像形成ユニット2a〜2dは、例えば、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラム4を備え、感光体ドラム4の周囲には帯電器5、露光ユニット6、現像装置10、及びクリーニングユニット7が配置されている。そして、搬送ベルト3を挟んで各感光体ドラム4に対向して転写器8が配置されている。
【0013】
画像形成ユニット2aにおいて、感光体ドラム4の表面を帯電器5で均一に帯電した後、画像データに応じて感光体ドラム4の表面を露光して、感光体ドラム4上に静電潜像を形成する。感光体ドラム4上の静電潜像は、現像装置10によって現像されてトナー像(Yトナー像)となる。同様にして、画像形成ユニット2b〜2dにおいても、それぞれ感光体ドラム4上にMトナー像、Cトナー像、及びBKトナー像が形成される。
【0014】
一方、給紙装置9aから用紙搬送路9bを介して搬送ベルト3に記録用紙が供給され、記録用紙は搬送ベルト3を搬送されつつ、転写器8によって順次Yトナー像、Mトナー像、Cトナー像、及びBKトナー像が転写されて、記録用紙上にカラートナー像が形成される。そして、記録用紙は定着ユニット9cに送られて、ここで、カラートナー像が記録用紙上に定着された後、排紙経路9dを通って排紙トレイ9eに排紙される。
【0015】
図2及び図3を参照して、図示の現像装置10は、磁性キャリアとトナーとを有する二成分現像剤を用いて感光体ドラム4上に形成された静電潜像を現像する。現像装置10は、現像容器11を備えており、現像容器11には二成分現像剤(以下単に現像剤と呼ぶ)が収納されている。現像容器11は仕切壁11aによって第1及び第2の収納室11b及び11cに区画され、第1及び第2の収納室11b及び11cにはそれぞれ攪拌ミキサー12a及びパドルミキサー12bが配設されている。
【0016】
そして、攪拌ミキサー12a及びパドルミキサー12bによって現像剤が攪拌されつつ、軸方向に搬送され、仕切壁11aに形成された現像剤通過路を介して第1及び第2の収納室11b及び11c間を循環する。図示の例では、現像容器11は左斜め下方に延在しており、現像容器11内において、パドルミキサー12bの左斜め下側には磁気ローラ13が配置され、磁気ローラ13と対面して磁気ローラ13の左斜め下側には現像ローラ14が配置されている。そして、現像ローラ14は現像容器11のドラム開口側に面している。図2に示すように、パドルミキサー12b、磁気ローラ13、及び現像ローラ14を配置することによって、パドルミキサー12bから磁気ローラ13に効率的に現像剤を供給することができる。
【0017】
なお、現像容器11には、攪拌ミキサー12aと対面してトナーセンサ12cが配置されており、トナーセンサ12cで検知されるトナー濃度に応じてトナーホッパーから現像容器11内にトナーが補給される。
【0018】
図4を参照して、磁気ローラ13は、複数の磁極(磁気ローラ磁極)を有する固定マグネットローラ体13aを内包する非磁性の回転スリーブ13bを有しており、図示の例では、固定マグネットローラ13aは3つのN極(N1極〜N3極)と2つのS極(S1極及びS2極)を有しており、回転スリーブ13bの回転方向において、N1極とN2極との間にS1極が配置され、N3極とN1極との間にS2極が配置されている。そして、図示の例では、磁気ローラ極N1と磁気ローラ極S1との間隔は60°、磁気ローラ極S1と磁気ローラ極N2との間隔は100°、磁気ローラ極N2と磁気ローラ極N3との間隔は70°、磁気ローラ極N3と磁気ローラ極S2との間隔は60°、磁気ローラ極S2と磁気ローラ極N1との間隔は70°に設定されており、磁気ローラ極N1が現像ローラ14と最も接近した位置に形成されている。
【0019】
現像ローラ14は非磁性の回転スリーブ14aを有しており、この回転スリーブ14a内には一つの現像ローラ磁極体(マグネット体)14bが配置されている。図示の例においては、現像ローラ磁極体14bは現像ローラ軸14cに回転可能に支持され、この現像ローラ磁極体14bには、固定マグネットローラ体13aのN1極と異磁極のS極が現像ローラ磁極として着磁されている。回転スリーブ14aは磁気ローラ13とはその対面位置(対向位置)において所定のギャップをもって対向しており、磁気ローラ磁極N1と現像ローラ磁極Sとの間の吸引力によって、現像ローラ磁極体14bが現像ローラ軸14cを中心軸として回転して、現像ローラ磁極Sが磁気ローラ磁極N1に最も接近する位置に位置付けられる。つまり、現像ローラ磁極Sは所定のギャップを挟んで対向位置において磁気ローラ磁極N1と対向している。なお、図示の例では、現像ローラ磁極体14bは断面が扇形状であり、現像ローラ軸14cの中心に対してその扇角は40°〜60°に設定されている。
【0020】
再び図2を参照して、現像容器11には、トナー層厚規制部材である穂切りブレード15が回転スリーブ13bの長手方向(図2において紙面の表側から裏側に延びる方向)に沿って取り付けられており、回転スリーブ13bが図中実線矢印で示す方向に回転するとすると、穂切りブレード15は、現像ローラ14と磁気ローラ13との対向位置よりも上流側に位置付けられている。そして、穂切りブレード15の先端部と回転スリーブ13bとの表面には僅かな隙間(ギャップ)が形成されている。
【0021】
図1に示す現像装置10においては、磁気ローラ13には直流電圧(DC)31aが印加され、現像ローラ14には直流電圧(DC)30aに交流電圧(AC)30bが重畳されて現像バイアスとして印加されている。前述のように、攪拌ミキサー12a及びパドルミキサー12bによって、現像剤が攪拌されつつ現像容器11内を循環してトナーを帯電させ、パドルミキサー12bによって現像剤が磁気ローラ13に搬送される。そして、磁気ローラ13上に磁気ブラシ(図示せず)を形成し、磁気ローラ13上の磁気ブラシは穂切りブレード15によって層厚規制されて、磁気ローラ13と現像ローラ14との間の電位差(│DC31a−DC30a│:以下Δで表す)によって現像ローラ14にトナー薄層を形成する。そして、現像ローラ14上のトナー薄層によって感光体ドラム4上の静電潜像が現像される。
【0022】
なお、穂切りブレード15と磁気ローラ13とのギャップは0.3mm〜1.5mmであり、同様に、磁気ローラ13と現像ローラ14とのギャップは0.3mm〜1.5mmである。そして、前述の電位差Δを大きくすると、現像ローラ14上のトナー薄層は厚くなり、電位差Δを小さくすると、現像ローラ14上のトナー薄層は薄くなる。一般に、電位差Δは100V〜250V程度に設定される。また、現像ローラ14上のトナーは現像バイアスによって感光体ドラム4側に飛翔して、感光体ドラム4上の静電潜像が現像される(トナーの飛散を防止するため、交流(AC)30bは現像を行う直前に印加される)。
【0023】
感光体ドラム4と現像ローラ14とのギャップは150μm〜400μm、好ましくは200μm〜300μmとされる。このギャップが150μm未満であると、画像カブリの要因となり、ギャップが400μmよりも広いとトナーを感光体ドラム4に飛翔させることができなくなって、十分な画像濃度を得ることができないばかりか、所謂選択現像を発生させる要因ともなる。
【0024】
上述のようにして現像が行われた後、残留トナー層を有する現像ローラ14は前述の対向位置において現像剤層を有する磁気ローラ13と最接近し、この対向位置では、磁気ブラシによる機械的な力によって、現像ローラ14上のトナー層が掻き取られるとともに、磁気ローラ13と現像ローラ14との間に形成される電位差(つまり、電界)に応じて磁気ローラ13上の現像剤層からトナーが現像ローラ14側に供給されることになる。
【0025】
前述のように、対向位置において回転スリーブ13b及び14aの回転方向は互いに反対方向であり、磁気ローラ磁極N1に対向して異磁極の現像ローラ磁極S極が存在するから、磁気ローラ磁極N1と現像ローラ磁極S極との間に磁界が形成され、これによって、磁気ブラシの拘束力が強くなって、つまり、磁気ブラシが良好に形成されることになって、現像ローラ14上のトナーがキャリアによる磁気ブラシによって機械的に掻き取られて、磁気ローラ13側に引き戻される。このようにして、磁気ブラシによるトナー掻き取り力を強くしたから、現像ローラ14上に残ったトナーを確実に磁気ローラ側に回収することができる。
【0026】
ところで、図4に示すように、現像ローラ磁極体14bが断面扇形状である際には、現像ローラ磁極体14bのエッジ部分(図4に符号Eで示す部分)において現像ローラ磁極Sによる磁力とは異なる磁力が発生してしまうことが分かった。つまり、断面形状が扇形状であると、円周面に生じる磁力と逆の磁力が斜面部分を含むエッジ部分に生じてしまう。図5を参照して、いま、現像ローラ磁極Sによって回転スリーブ14aの表面に生じる磁力を主磁力M1とすると、主磁力M1の両側には現像ローラ磁極Sと異なる極性の磁極(異磁極)による磁力(副磁力)M2及びM3が生じる。つまり、現像ローラ磁極体14bにおいては、主磁力M1の両側にそれぞれ副磁力M2及びM3が位置付けられた形態の磁力波形が生じることになる。
【0027】
図5に示すような磁力波形が生じると、磁気ローラ13から現像ローラ14にトナーを供給する際、磁性キャリアが磁気ローラ13から現像ローラ14に搬送されてしまい、この結果、現像の際磁性キャリアが感光体ドラム側に流出してしまうことがある。つまり、磁性キャリアの流出を防止するためには、図5に示す主磁力M1のみを生じさせるようにする必要がある。
【0028】
そこで、図6に示すように、現像ローラ磁極体14bのエッジ部分Eの面取りを行って(つまり、エッジ部分Eを滑らかにして)、現像ローラ磁極体14bによる磁力分布を計測したところ、図6に示すような磁力分布が得られた。図6から容易に理解できるように、ここでは、主磁力M1のみが存在し、主磁力M1の両側には副磁力M2及びM3は存在しない。つまり、エッジ部分の面取りを行ってエッジ部分を滑らかにすると、その部分は円周面と同一の磁極となって、その分だけ逆磁極の発生する位置が軸側にずれて、円周面側から見た際にはあたかも逆磁極が相殺するように作用することになる。このため、図6に示す例においては、磁気ローラ13から現像ローラ14に磁性キャリアが搬送されることがなく、この結果、現像ローラ14から感光体ドラムへの磁性キャリアの流出がない。つまり、図6に示す現像ローラ磁極体14bを用いれば、磁性キャリアの流出を防止して、しかも現像履歴現象を防止することができることになる。
【0029】
発明者の実験によれば、現像ローラ磁極体14bのエッジ部分Eが鋭いと、この部分に異磁極が生じてこの異磁極に起因して副磁力が生じることが分かった。一方、エッジ部分Eを滑らかにすると、異磁極に起因する副磁力が少なくなることが分かった。そして、回転スリーブ14aの表面において、主磁力M1が20mT〜80mTである際、副磁力M2及びM3の各々が5mT以下であれば、磁性キャリアの流出が防止できることが分かった。
【0030】
同様にして、図7(a)に示すように、現像ローラ磁極体14bの両側面を面取りして行うようにしてもよく、また、図7(b)に示すように、現像ローラ磁極体14bのエッジ部分Eを滑らかにして、磁気ローラ磁極N1との対向面幅を減少させて磁気ローラ磁極N1の幅以下にするようにしてもよい。さらには、図7(c)に示すように、断面長方形状の現像ローラ磁極体14bを用いれば、断面扇形の現像ローラ磁極体14bのように、副磁極が生じることはほとんどない。いずれにしても、現像ローラ磁極体14bには主磁力に対して副磁力を低減する手段が備えられていることになる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この現像装置は、現像ローラの非磁性回転スリーブに、磁気ローラの一つと対向する対向面を備えて対向面に磁気ローラ磁極の一つと異磁極である現像ローラ磁極が着磁された現像ローラ磁極体を内包して、現像ローラ磁極体に、現像ローラ磁極によって形成される主磁力に対して対向面の非磁性回転スリーブの回転方向両端で生じる磁力を低減させるようにしたから、現像ローラと磁気ローラとの最接近位置とにおいて磁気ブラシの拘束力が強くなって、良好な磁気ブラシが形成される結果、現像ローラ上の残ったトナーを確実に磁気ローラ側に回収できることになって、現像履歴現象を確実に防止できるばかりでなく、磁性キャリアが現像ローラ側に流出するという事態を確実に防止することができる結果、複写機、プリンター、又はファクシミリ装置等の画像形成装置における現像装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施例1による現像装置が用いられる画像形成装置概略的に示す図である。
【図2】本発明の実施例1による現像装置を示す図である。
【図3】図2に示す現像装置における磁気ローラ及び現像ローラの配置関係を示す斜視図である。
【図4】図2に示す現像装置における磁気ローラ及び現像ローラの構造の一例を示す図である。
【図5】図4に示す現像ローラに内蔵された現像ローラ磁極体によって形成される主磁力及び副磁力の分布が概念的に示す図である。
【図6】現像ローラ磁極体の対向面のエッジ部分を滑らかにした際の磁力分布を概念的に示す図である。
【図7】現像ローラ磁極体の他の例を示すであり、(a)〜(c)は現像ローラ磁極体の別の形状を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1 画像形成装置
2a〜2d 画像形成ユニット
3 搬送ベルト
4 感光体ドラム
5 帯電器
6 露光ユニット
7 クリーニングユニット
8 転写器
9c 定着ユニット
10 現像装置
11 現像容器
12a 攪拌ミキサー
12b パドルミキサー
13 磁気ローラ
13b、14a 回転スリーブ
13a 固定マグネットローラ体
14 現像ローラ
14b 現像ローラ磁極体
14c 現像ローラ軸
15 穂切りブレード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも磁性キャリア及びトナーを有する二成分現像剤が用いられ、静電潜像が担持される像担持体に対向して配置され前記トナーによって前記静電潜像を現像してトナー像とする現像ローラと、前記現像ローラと対向して配置され複数の磁気ローラ磁極を有し前記二成分現像剤を保持して前記トナーを前記現像ローラに供給する磁気ローラとを有する現像装置において、
前記現像ローラは非磁性回転スリーブと、該非磁性回転スリーブに内包されて前記磁気ローラ磁極の一つと対向する対向面を備え該対向面に前記磁気ローラ磁極の一つと異磁極である現像ローラ磁極が着磁された現像ローラ磁極体とを備え、
前記現像ローラ磁極体には、前記現像ローラ磁極によって形成される主磁力に対して前記対向面の前記非磁性回転スリーブの回転方向両端で生じる磁力を低減させる低減手段が形成されていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記低減手段は対向面の両端側における前記対向面のエッジ部分を丸み帯びた滑らかな形状とすることによって形成されることを特徴とする請求項1記載の現像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−106027(P2006−106027A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288368(P2004−288368)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】