説明

田植機の植付部

【課題】横送り軸及び縦送り軸の回転方向及び回転速度を自由に設定することができ、苗載台に載せた苗マットを効率よく送ることができる田植機の植付部を提供する。
【解決手段】苗マットを苗載台16上に載置し、該苗載台16下方に配置した植付爪17の回動により所定量ずつ苗を掻き取り圃場に植え付ける田植機の植付部4において、前記苗載台16の苗載面と反対側に、前記植付爪17の回動に同期して苗載台16を左右往複動させる電動駆動手段60を配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田植機の植付部の技術に関し、特に苗載台及び苗植付爪などを備えて連続的に苗植作業を行う田植機の植付部の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、苗載台及び苗植付爪などを備えて連続的に苗植作業を行う田植機が公知となっている。前記苗載台は左右往復動自在に設けられている。前記苗載台はエンジンからの動力を動力伝達機構を介して機械的に横送り軸に伝えることにより左右往復動が可能となっている(例えば特許文献1参照)。
また、苗を苗載台後下方へ送る縦送りベルトが苗載台の下部に前後方向に巻回されている。前記縦送りベルトは、エンジンからの動力を動力伝達機構を介して機械的に縦送り軸に伝えることにより、間欠的に後方へ回動することが可能となっている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−194575号公報
【特許文献2】特開2003−153620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のようにエンジンからの動力を機械的に縦送り軸及び横送り軸に伝えることにより苗載台を左右往復動したり、縦送りベルトを回動させるための伝達機構は部品点数が多くまたギヤケースなどがスペースを占領していた。また、苗の植付作業を終えた際に、苗載台が左右どちらかに摺動した状態で停止することが多く、次の苗の植付作業を行う際に、効率よく苗マットの端から植付作業を行うことができなかった。また、機械的に横送り軸を駆動しているため、無段変速、正逆回転、間欠駆動などには不向きであった。
【0004】
そこで、本発明はかかる課題に鑑み、横送り軸及び縦送り軸の回転方向及び回転速度を自由に設定することができ、苗載台に載せた苗マットを効率よく送ることができる田植機の植付部を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
即ち、請求項1においては、苗マットを苗載台上に載置し、該苗載台下方に配置した植付爪の回動により所定量ずつ苗を掻き取り圃場に植え付ける田植機の植付部において、前記苗載台の苗載面と反対側に、前記植付爪の回動に同期して苗載台を左右往複動させる電動駆動手段を配置したものである。
【0007】
請求項2においては、前記電動駆動手段を植付部の左右揺動中心近傍に配置したものである。
【0008】
請求項3においては、前記電動駆動手段は、苗載台支持フレームに左右方向に回転自在に横架したネジ軸と、該ネジ軸を回転駆動するモータと、前記ネジ軸に螺装して苗載台に固定するナット体と、から構成するものである。
【0009】
請求項4においては、前記電動駆動手段は、前記苗載台の苗載面と反対側面に左右方向に固設したラックと、該ラックと噛合するピニオンと、該ピニオンを固定する出力軸を備えるモータと、から構成するものである。
【0010】
請求項5においては、前記ラックを苗載台を構成するフレームと一体的に構成したものである。
【0011】
請求項6においては、前記電動駆動手段は、前記苗載台の苗載面と反対側面に左右方向に張架した無端体と、該無端体を巻回する複数の回転体と、該複数の回転体の何れか一つを固定する出力軸を備えるモータと、から構成するものである。
【0012】
請求項7においては、前記電動駆動手段は、苗載台支持フレームに左右方向に横設したシリンダと、該シリンダのピストンロッド先端を苗載台に固定する固定体と、から構成するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
請求項1においては、電動駆動手段は、苗載台の苗載面と反対側の任意の位置に配置することができ、空いたスペースに配置してコンパクト化を図ることができる。また、横送り変速装置をなくすことができてコスト低減化が図れ、任意に横送り速度を設定することができる。また、植付爪の駆動手段と苗載台の左右往複動手段を別構成とするので、植付爪を駆動することなく、苗載台を任意の位置に移動することができる。
【0015】
請求項2においては、重量バランスを崩すことなく、重心に近く、できるだけ低い位置に配置でき、安定した植付が可能となる。
【0016】
請求項3においては、従来往復螺旋状に溝を穿設した送りネジに比べて、ネジ軸は加工費が安価となり、送りネジよりも短く構成でき、動力伝達経路も短縮化できる。また、従来往復螺旋状に溝を穿設した送りネジに比べて、ネジ軸とナット体で構成することにより、螺合する際の接触面積を大きくすることができるので、強度及び耐久性を向上させることができる。また、組立工数を削減できコスト低減化が図れる。
【0017】
請求項4においては、従来往復螺旋状に溝を穿設した送りネジに比べて、ラックは安価に構成することができ、動力伝達経路も短縮化できる。また、組立工数を削減できコスト低減化が図れる。
【0018】
請求項5においては、強度をアップして簡単な構成とすることができる。
【0019】
請求項6においては、従来往復螺旋状に溝を穿設した送りネジに比べて、無端体は安価に構成することができ、動力伝達経路も短縮化できる。また、組立工数を削減できコスト低減化が図れる。
【0020】
請求項7においては、部品点数が少なく構造が簡単となる。また、組立工数を削減できコスト低減化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る田植機の全体的な構成を示した側面図、図2は田植機を示す平面図、図3は植付部を示す斜視図、図4は植付部を示す正面図、図5は横送りモータ及びネジ軸を具備する電動駆動手段を示す正面図、図6は横送りモータ及びラックを具備する電動駆動手段を示す正面図、図7は横送りモータ及びワイヤを具備する電動駆動手段を示す正面図、図8は横送りモータ及びチェーンを具備する電動駆動手段を示す正面図、図9はシリンダを具備する電動駆動手段を示す正面図、図10は電動駆動手段の駆動制御を示すグラフ図、図11は縦送りベルト電動駆動手段を示す斜視図、図12は縦送りベルト及び排出ガイドを示す斜視図、図13は植付部の制御を示すブロック図である。なお、図1に示す田植機の矢印方向を正面とし、図面手前方向が右側面、図面奥方向が左側面とする。
【0022】
まず、本発明の一実施例として、植付部4が搭載される8条乗用田植機の全体構成について説明する。
図1から図3に示すように、田植機は走行部1の後部に昇降リンク機構27を介して植付部4が配置され、該走行部1は車体フレーム3前部上方にエンジン2を搭載し、前下部に図示せぬフロントアクスルケースを介して前輪6を支持させると共に、後部にリヤアクスルケース7を介して後輪8を支持している。
そして、エンジン2はボンネット9に覆われ、該ボンネット9後部のダッシュボード5上に操向ハンドル14を配置し、該ボンネット9両側とその後部の車体フレーム3上を車体カバー12で覆い、操向ハンドル14後方位置に座席13を配置し、ボンネット9の両側を前ステップとし、座席13前部を中ステップとし、座席13左右両側を後ステップとしている。また、前記ボンネット9の両側には予備苗載台10・10が配設されている。
そして、前記ダッシュボード5の側部には走行変速レバー等のレバー類が、ダッシュボード5の下部のステップ上には走行用ペダル等のペダル類が配設されている。
【0023】
本実施例における植付部4は、苗載台16や植付爪17・17やセンターフロート34やサイドフロート35や苗マット押さえ46や縦送りベルト51や苗マット保持機構50等から構成され、走行部1の後方に配設されるものである。
前記苗載台16は前高後低に配設され、図4に示すように、該苗載台16の前部には縦フレーム23a・23aと横フレーム23b・23bからなる苗載台支持フレーム23が枠状に配設され、該苗載台支持フレーム23の上部に上レール30aが左右方向に固設され、下部には下レール30bが左右方向に固設されている。該上レール30aと下レール30bとに苗載台16が左右摺動自在に載置されている。前記苗載台支持フレーム23の左右中央下部に支持フレーム20が設けられ、該支持フレーム20より連結パイプ63を介してチェーンケース21(図1参照)を後方へ突出させ、該チェーンケース21の後部に一方向に回動するロータリーケース22を配置し、該ロータリーケース22の両側に一対の植付爪17・17を配置している。
【0024】
また、前記支持フレーム20の前面には揺動支持部20aが形成され、前記昇降リンク機構27の後端には左右揺動中心となる揺動支点軸が後方に突出され、前記揺動支持部20aに嵌合されて、左右揺動自在に連結され、該昇降リンク機構27はトップリンク25やロアリンク26等から構成されて、座席13下方に配置した図示しない昇降シリンダによって植付部4を昇降できるようにしている。
本発明の植付部4に関する説明においては、苗載台16の前上部を上流側とし、苗載台16の後下部を下流側とする。
【0025】
次に、前記苗載台16の左右往復動構造について説明する。
前記苗載台16は前記上レール30a及び下レール30bに対して左右方向摺動自在に支持され、且つ、後述する電動駆動手段60にて、左右の横方向に往復動するように構成されている。
前記電動駆動手段60は、前記苗載台16の苗載面と反対側に配置されている。前記電動駆動手段60は、前記植付爪17・17の回動に同期して苗載台16を左右往復動させるものである。また、前記電動駆動手段60は植付部4の左右揺動中心近傍に配置されている。このように構成することにより、重量バランスを崩すことなく、重心に近く、できるだけ低い位置に配置でき、安定した植付が可能となる。
【実施例1】
【0026】
次に前記電動駆動手段60について図5を用いて説明する。
前記電動駆動手段60は、苗載台支持フレーム23に左右方向に回転自在に横架したネジ軸71と、該ネジ軸71を回転駆動するモータである横送りモータ72と、前記ネジ軸71に螺装して苗載台16に固定するナット体73より構成する。
前記ネジ軸71、前記横送りモータ72、及びナット体73は植付部4の左右揺動中心近傍に配置している。前記ネジ軸71は両側が軸受を介して前記苗載台支持フレーム23に回転自在に支持され、左右方向中途部に雄ネジ71aが切られている。前記雄ネジ71aの幅は前記苗載台16の左右方向の移動幅とほぼ同じ幅設けられている。前記横送りモータ72は出力軸72aを具備し、該出力軸72aは前記ネジ軸71の一端に直接、または、チェーンまたは歯車等の動力伝達手段を介して連動連結されている。この前記横送りモータ72とネジ軸71をチェーンまたは歯車等の動力伝達手段を介して連動連結する構成とすることで、横送りモータ72は苗載台16の前側の空いた空間に配置することが可能となり、スペースを有効に利用することができる。また、前記横送りモータ72は制御装置69(図13参照)に接続されており、その回転方向及び回転速度を制御することが可能となっている。
【0027】
一方、前記ナット体73は、中央に断面視円状の孔を開口して内面に雌ネジを形成したナット孔73aと、外周から突設した連結部73bから構成されており、前記連結部73bは前記苗載台16の裏面(前面)にボルト等により連結固定されている。前記ナット孔73aに前記ネジ軸71が螺装される。
これにより、前記横送りモータ72にて出力軸72aを介し順方向または逆方向に回転することで、前記ネジ軸71が回動されて、該ネジ軸71を螺嵌したナット体73が左または右に移動する。そして、前記ナット体73を固定した前記苗載台16が、左または右方向に横移動可能となり、植付作業時に往復動される。
【実施例2】
【0028】
次に、別実施例にかかる電動駆動手段60について図6を用いて説明する。
前記電動駆動手段60は、前記苗載台16の苗載面と反対側面に左右方向に固設したラック81と、該ラック81と噛合するピニオン82と、該ピニオン82を固定する出力軸72aを備えるモータである横送りモータ72とから構成される。
前記ラック81、ピニオン82、及び横送りモータ72は植付部4の左右揺動中心近傍に配置している。前記ラック81は苗載台16裏面(前面)に固定されており、該ラック81の苗載面と反対側面にはラック溝81aが設けられている。また、横送りモータ72は苗載台支持フレーム23に固定され、該横送りモータ72から出力軸72aが突設され、該出力軸72aに前記ピニオン82が固定されている。該ピニオン82は前記ラック溝81aと噛合するように構成されており、前記ピニオン82を回動させることにより、ラック81を左右方向に移動させるものである。
これにより、前記横送りモータ72を順方向または逆方向に回転することで、前記出力軸72aに固定されたピニオン82が回動し、ラック81が左または右に移動する。そして、前記ラック81に固定した前記苗載台16が、左または右の横方向に往復動するように構成している。
【0029】
また、前記ラック81は苗載台16と一体的固定して支持する図示しないフレームと一体的に構成することも可能である。すなわち、前記ラック81は苗載台16を構成する左右方向に延伸するフレームと一体的に構成し、前記ラック81の苗載面と反対側面にラック溝81aを設けるものである。
【実施例3】
【0030】
次に、別実施例にかかる電動駆動手段60について図7を用いて説明する。
前記電動駆動手段60は、前記苗載台16の苗載面と反対側面に左右方向に張架した無端体の一例であるワイヤ(またはベルト)91と、該ワイヤ91を巻回する複数の回転体としての従動プーリ92・92、テンションプーリ93、及び駆動プーリ94と、前記駆動プーリ94を固定する出力軸72aを備えるモータである横送りモータ72とから構成する。
前記ワイヤ91、従動プーリ92・92、テンションプーリ93、及び駆動プーリ94、及び横送りモータ72は植付部4の左右揺動中心近傍に配置している。
【0031】
前記ワイヤ91は苗載面と反対側面に左右方向に張架されている。前記ワイヤ91の左右両端は回転体である従動プーリ92・92に掛架されており、ワイヤ91の中途部にはテンションプーリ93が設けられている。該従動プーリ92・92及びテンションプーリ93は苗載台支持フレーム23に回転自在に支持されている。また、前記ワイヤ91の一部分に連結部材96が設けられており、該連結部材96は苗載台16に連結固定されている。また前記横送りモータ72は苗載台支持フレーム23に固定されて出力軸72aを具備し、該出力軸72aには駆動プーリ94が固定されている。前記駆動プーリ94には、前記ワイヤ91が巻回されている。これにより、前記横送りモータ72を順方向または逆方向に回転することで、ワイヤ91を回転移動させて、前記苗載台16を左または右の横方向に往復動するように構成している。
【0032】
また、図8に示すように、前記無端体をチェーン101とし、回転体を従動スプロケット102・102、駆動スプロケット103で構成することも可能である。
前記チェーン101は苗載面と反対側面に左右方向に張架されている。前記チェーン101の左右両端は回転体である従動スプロケット102・102に掛架されている。また、前記チェーン101の一部分に連結部材106が設けられており、該連結部材106は苗載台16に連結固定されている。また前記横送りモータ72は苗載台支持フレーム23に固定されて出力軸72aを具備し、該出力軸72aには駆動スプロケット103が固定されている。前記駆動スプロケット103には、前記チェーン101が巻回されている。これにより、前記横送りモータ72を順方向または逆方向に回転することで、チェーン101を回転移動させて、前記苗載台16を左または右の横方向に往復動するように構成する。
【実施例4】
【0033】
次に、別実施例にかかる電動駆動手段60について図9を用いて説明する。
前記電動駆動手段60は、苗載台支持フレーム23に左右方向に横設したシリンダ111と、該シリンダ111のピストンロッド111b先端を苗載台16に固定する固定体112より構成する。
前記電動駆動手段60を構成するシリンダ111及び固定体112は植付部の左右揺動中心近傍に配置している。
前記シリンダ111は、筒状に構成されたシリンダ本体111aと、前記シリンダ本体111aの中空部に左右方向摺動可能に設けられたピストンロッド111bから構成される。シリンダ本体111aは苗載台支持フレーム23の横フレーム23bに固設されている。前記シリンダ111を構成するピストンロッド111bの先端部には固定体112が設けられている。前記固定体112は、ピストンロッド111bとの連結部分と苗載台16との連結部分を有し、前記固定体112を介して苗載台16を連結固定し、前記シリンダ111内の油圧または空気圧を変化させてピストンロッド111bを左右に摺動する。または、電動シリンダにより構成するものである。これにより、前記シリンダ111を左右方向に伸縮動させることで、前記苗載台16を左右の横方向に往復動するように構成している。
【0034】
次に、前記電動駆動手段60及び縦送りベルト電動駆動手段120の制御について説明する。
【0035】
まず、電動駆動手段60の制御について説明する。
図13に示すように、苗載台16の横送りを制御するための制御装置69が走行部1の任意位置に設けられている。前記制御装置69の入力側には苗載台16の左右方向位置検出手段である左右方向位置センサ140と、苗載台16の単位時間あたりの横移動量を設定するための横移動量設定手段144と、植付爪17の回動位置を検知する植付爪位置センサ146と、が接続されており、出力側には、前記電動駆動手段60が接続されている。
前記左右方向位置センサ140は、スイッチまたは近接センサまたは光センサー等を苗載台支持フレーム23に配置して、苗載台16が左端または右端または左右中央に位置しているかを検知する。この場合、構成が簡単で安価な制御構成とすることができる。また、左右方向位置センサ140は回転数センサまたは角度センサとして横送りモータ72の出力軸72aに配置して、横送りモータ72の作動量により苗載台16の位置を検知することができる。または、左右方向位置センサ140をストロークセンサとしてシリンダ111に配置して、シリンダ111の伸縮量により苗載台16の位置を検知することができる。この場合、苗載台16の任意位置を精度よく検知することができ、移動速度も容易に演算することが可能となる。本実施例では、横送りモータ72の作動量を回転数センサにより検知して苗載台16の位置及び移動速度を検知する場合について説明する。
植付爪位置センサ146は植付爪17の回動位置に角度センサを設けたり、走行部1からのPTO軸と植付爪17までの動力伝達経路途中の回転を検知する構成としたりすることができ、限定するものではない。
【0036】
作業者は、横移動量設定手段144により植付作業時の植付爪17の回動に同期した苗載台16の横移動量を設定することができる。つまり、植付爪17による横方向の掻き取り量を設定することができる。前記制御装置69は、横移動量設定手段144によって設定された横移動量から前記電動駆動手段60の駆動速度を算出して決定するものである。
また、植付時には左右方向位置センサ140によって苗載台16の左右位置の実測値が検出され、制御装置69は、前記実測値からフィードバックして電動駆動手段60の補正駆動速度を決定するものである。
【0037】
次に、縦送りベルト電動駆動手段120について説明する。
図2及び図4に示すように、苗載台16の上流部から下流部にかけては、該苗載台16の苗載面と略同一平面状に縦送りベルト51・51・・・が各条毎に配設されており、該縦送りベルト51を縦送りベルト電動駆動手段120によって苗載台16に載置された苗マットを所定のタイミングで設定量下流へ搬送する構成となっている。但し、この縦送りベルト電動駆動手段120の駆動タイミングは苗載台16が左端または右端に位置し、植付爪17が苗掻取部28に位置していない時である。
【0038】
また、前記縦送りベルト51を駆動するための縦送りベルト電動駆動手段120が設けられている。前記縦送りベルト電動駆動手段120は、前記縦送りベルト51・51・・をそれぞれ駆動させる縦送りモータ121・121・・・から構成されている。こうして、各縦送りモータ121・121・・・を独立して駆動・停止ができるため、容易に各条の条止めが可能となる。また、前記縦送りベルト電動駆動手段120はロータリーケース22の両側に配置された二条分の植付爪17・17から構成される各ユニット単位ごとに駆動・停止を行うことができる。これにより、容易に各ユニット単位ごとに条止めが可能となる。なお、条止めを行う場合には、縦送りモータ121を逆転駆動させて、植付爪17が苗マットに作用しない位置まで苗マットを上昇させる。つまり、縦方向の一回掻き取り量だけ上昇させる。前記縦送りモータ121は前記苗載台支持フレーム23の横フレーム23bに固設されており、該縦送りモータ121の出力軸をベルト駆動軸121aとして具備している。但し、ベルト駆動軸121aを各条または各ユニット単位毎に電磁クラッチを介して8条連結して、一つの縦送りモータ121で駆動できるようにし、条止めは電磁クラッチをOFFとすることで行うように構成し、モータの数を減らしてコスト低減化を図ることもできる。
前記ベルト駆動軸121aには縦送りベルト51の上端が巻回される駆動プーリ122が固設されている。図11に示すように、縦送りベルト51は、該駆動プーリ122と該駆動プーリ122から下流方向に離間配置された図示せぬベルト従動軸上に遊嵌した従動プーリ123とに無端状に巻回されているものであって、前記駆動プーリ122によって駆動されるものである。但し、駆動プーリ122と縦送りモータ121は下側に配置する構成とすることもできる。
そして、各条または各ユニット単位の縦送りベルト51の移動量が、苗マットの上下方向位置検出手段である上下方向位置センサ141により検出される。該上下方向位置センサ141は本実施例では、前記ベルト駆動軸121aの回動量を回転センサで検知する構成としているが、限定するものではなく、直接苗マットをスイッチや光センサ等で検出する構成とすることもできる。この場合苗載台16に載置された苗マットの上端位置を検知する。
【0039】
このように構成することにより、前記縦送りモータ121のベルト駆動軸121aを正方向または逆方向に駆動させることで、縦送りベルト51を上下方向に移動させることが可能となる。こうして通常の植付作業時には、苗載台16が左端または右端に摺動した時に縦送りモータ121を駆動して縦送りベルト51を一株分下方に回動させる。また、植付爪17の取付誤差や大きさの誤差等で各条または各ユニット単位の植付爪17による掻き取り量が異なり、苗載台16上の苗マットの残量が異なる場合には、各条または各ユニット単位の苗マットの残り量を上下方向位置検出手段で検知して、苗載台16上の各条または各ユニット単位の苗マットが同一量となるように縦送りモータ121を駆動する構成とすることもできる。こうして均一に植え付けることができ苗マットも均一に減少するため、苗継ぎ作業が一度に行えて作業効率を向上することができる。
また、縦送り操作手段147となるスイッチを制御装置69に接続して、植付作業終了時には、縦送り操作手段147を操作して前記縦送りモータ121を逆転駆動させて縦送りベルト51を上方向に移動させることにより、苗載台16下部にあった苗マットを所定量上方へ移動させることができる。こうして、苗載台16上に残った苗マットは苗マット押さえ46を解除して取り出すことなく、苗マットを苗載台16上部まで移動させて残りの苗マットを容易に取り出すことが可能となる。なお、縦送り操作手段147は縦送りモータ121を正転駆動操作または逆転駆動操作ができるものであるが、一回操作することにより所定量逆転駆動するようにして、操作を簡単とし、苗マットを苗載台16の上部位置まで移動させるように構成することもできる。また、縦送り操作手段147は各条または各ユニット単位の縦送りモータ121毎に操作できるように構成することもでき、この場合苗マットの残り量が異なる場合でも容易に対応することができる。
【0040】
また、作業終了時に残った苗マットは苗載台16下方より取り出すように構成することもできる。つまり、図12に示すように、前記苗載台16の下端に排出ガイド130を切替可能に設ける。前記排出ガイド130は板状に構成されており、該排出ガイド130と苗載台16との接続部に左右方向に回動軸を設ける。前記回動軸の一端に切替操作手段を設けて、該切替操作手段を操作して回動して排出ガイド130を苗載台16の苗載面と直角方向に向いた状態を作業位置とし、苗載面と平行の状態(下方を向いた状態)を取出位置としている。これにより、植付作業終了時に、排出ガイド130を取出位置に回動して切り替え、縦送り操作手段147を操作して前記縦送りモータ121を正転駆動させて縦送りベルトを下方向に移動させることにより、縦送りベルト51下端にあった苗マットを排出ガイド130から下方に排出することが可能となる。
【0041】
次に、縦送りベルト電動駆動手段の制御について説明する。
図13に示すように、苗載台16の縦送りを制御するための制御装置69が設けられている。前記制御装置69の入力側には苗マットの上下方向位置検出手段である上下方向位置センサ141と、苗マットの縦移動量を設定するための縦移動量設定手段145と、が接続されており、出力側には、前記縦送りベルト電動駆動手段120が接続されている。
【0042】
植付作業時に作業者は、一株の量を設定するために、縦移動量設定手段145により苗載台16が左右端に至った時に苗マットの縦移動量を設定することができる。前記制御装置69は、縦移動量設定手段145によって設定された縦移動量から前記縦送りベルト電動駆動手段120の駆動時間(回転量)を算出して決定するものである。この縦送りベルト電動駆動手段120の駆動時間(回転量)は無段階に設定することが可能となり、苗掻き取り量を容易に微調整できる。
また、植付時には上下方向位置センサ141によって苗マットの上下位置の実測値が検出され、制御装置69は、前記実測値から縦送りベルト電動駆動手段120の補正駆動速度を決定するものである。
【0043】
また、第一の植付爪17が苗掻取部28を通過し、次の第二の植付爪17が苗掻取部28を通過するまでの間(1植付サイクル)の前記電動駆動手段60の作動量と、苗載台16が左右端に至った時に縦送りベルト電動駆動手段120を作動させる量を設定することにより、植付爪17が掻き取る一株分の苗の量を設定することができる。また、苗マットの面積(大きさ)は一定であるので、植え付ける圃場の面積(大きさ)を入力し、その圃場に使用する苗マットの量を設定することにより、自動的に一株分の掻き取り量を設定して、苗マットが余ることなく植え付けられるように制御することもできる。
また、単位面積あたりの植付苗の量を設定することも可能である。つまり、条間の長さは一定に定められ、走行方向の植付間隔はPTO変速装置により定められるので、一株分の苗の量を設定することにより単位面積当たりの植付苗の量を設定できる。
すなわち、図13に示すように、苗載台16の横送り及び縦送りを制御するための制御装置69が設けられ、前記制御装置69の入力側には苗載台16の左右方向位置検出手段である左右方向位置センサ140と、苗載台16上に載置した苗マットの上下方向位置検出手段である上下方向位置センサ141と、苗使用量設定手段142と、圃場面積入力手段143と、が接続されており、出力側には前記電動駆動手段60と、縦送りベルト電動駆動手段120と、が接続されている。
前記圃場面積入力手段143は、今から作業する圃場の面積を入力する手段である。前記苗使用量設定手段142は、この面積を入力した圃場に使用する苗マットの量を設定する手段である。この圃場面積入力手段143と苗使用量設定手段142によりデータが入力されると、制御装置69は1植付サイクルでの前記電動駆動手段60の作動量と、苗載台16が左右端に至った時の縦送りベルト電動駆動手段120の作動量を演算して決定する。なお、この圃場面積入力手段143と苗使用量設定手段142によりデータが入力されない場合は、横移動量設定手段144と縦移動量設定手段145により設定された植付爪17による掻き取り量で植付作業が行われる。
【0044】
そして、植付作業時には左右方向位置センサ140によって苗載台16の左右位置が検出されて制御装置69に入力され、上下方向位置センサ141によって苗マットの下方への移動量が検出されて制御装置69に入力され、制御装置69は、前記演算した電動駆動手段60及び縦送りベルト電動駆動手段120の作動量との偏差を演算し、その偏差が0となるように補正駆動し、フィードバック制御している。
【0045】
次に前記電動駆動手段60の運転制御について説明する。
前記電動駆動手段60は、横送りモータ72またはシリンダ111を駆動することによって苗載台16を左右の横方向に往復動するものである。また、前記電動駆動手段60は、植付爪17・17とは機械的に連動していないため、電動駆動手段60のみ移動させることができる。これにより、横送りモータ72またはシリンダ111を電気的に制御することで苗載台16の位置を自由に設定することが可能となる。
【0046】
よって、苗マット初期セット時に、植付爪17は側面視で苗載台16と重複しない位置で停止させるように構成しておくことで、植付爪17・17の駆動を停止させた状態で、前記電動駆動手段60を作動させて、苗載台16を左右何れか一方端まで移動させるように制御するように構成する。
例えば、前回の植付作業が終了して苗マットを取り出した状態で、次の圃場の植付作業を行う時に、苗載台16が左右の端で止らなかった場合には、制御装置69に接続した作業開始スイッチ149を操作することにより、電動駆動手段60を作動させて、苗載台16を左端または右端へ移動させるのである。このように構成することで、苗載台16に苗マットを新たに載置して植付作業を開始する時に、苗マットの左右途中部の下端位置から植付爪17による掻き取りが行われると、左右端まで移動して苗マットが下方に移動したときに、苗マット下部が変形することがあり、更に反転して横移動し掻き取り開始位置に戻った時に略二回分の量の苗掻き取りが行われることがあったが、本実施例の如く構成することで、苗マットの左右一端下部から順に掻き取るので、植付爪17による書き取り量を一定に保つことができる。
またこの作業開始スイッチ149を操作したときに、前記苗載台16の左右方向の位置を左右方向位置センサ140により検知し、左右両端までの距離を演算し、左右端まで近い方向に電動駆動手段60を作動させるように制御することができる。こうして、作業開始時に苗載台16を前記電動駆動手段60により左右端の近い側に移動させるので、開始時間を短くすることができるのである。
【0047】
また、前記電動駆動手段60は、植付作業終了時に、苗載台16を左右中央まで移動させるように制御するように構成する。従来、植付作業終了時に、苗載台16は左右どちらかに移動したまま停止することが多く、植付部4を上昇させた時に重心が左右一側に偏るので傾くことがあり、路上走行時などで不安定になることがあった。そこで、植付作業終了時に、苗載台16を左右中央まで移動させることにより、植付部4の重心が左右中央に位置するため安定することとなる。例えば、作業終了スイッチ148を制御装置69と接続し、作業終了時に、作業終了スイッチ148を操作することにより電動駆動手段60を作動させて、苗載台16を左右中央に移動させるのである。なお、作業終了スイッチ148及び前記作業開始スイッチ149は操向ハンドル14近傍に配置される。
【0048】
また、前記電動駆動手段60の駆動は苗載台16を等速で左右方向に往復動するように構成することも可能であるが、植付爪17が苗掻取部28(図2参照)を通過するとき停止し、それ以外は駆動する間欠駆動とすることができる。すなわち、図10(a)に示すように、植付爪17が苗掻取部28を通過するとき(T1・T2・T3・・・)には、制御装置69は横送りモータ72またはシリンダ111の駆動信号をOFFとして停止させるようにし、植付爪17が苗掻取部28を通過した後に次の植付爪17が苗掻取部28を通過するまでの間には、制御装置69は横送りモータ72またはシリンダ111の駆動信号をONとして駆動させるものである。
【0049】
また、前記電動駆動手段60を、植付爪17が苗掻取部28を通過するとき低速駆動し、それ以外は高速駆動する構成とすることもできる。すなわち、図10(b)に示すように、植付爪17が苗掻取部28を通過するときには制御装置69は、PWM制御や位相制御等により横送りモータ72またはシリンダ111の駆動信号の幅を狭くし、または、駆動電力を減少して低速駆動させ、植付爪17が苗掻取部28を通過した後次の植付爪17が苗掻取部28を通過するまでの間には、制御装置69は横送りモータ72またはシリンダ111の駆動信号の幅を広くし、または、駆動電力を増加して高速駆動させるものである。
こうして、乗用田植機は、前進走行とともに苗載台16を左右に往復動させ、該往復動に同期させて植付爪17・17を駆動して一株分の苗を切り出し、連続的に植付作業を行う。そして、植付爪17が苗掻取部28を通過するときに、苗載台16の左右方向の移動速度は、低速となっているので、植付爪17により苗マットを横方向に押す力が小さくなり、斜めに掻き取ることがなく、安定した掻き取り量で植え付けることが可能となるのである。
【0050】
以上のように、前記田植機は、苗マットを苗載台16上に載置し、該苗載台16下方に配置した植付爪17の回動により所定量ずつ苗を掻き取り圃場に植え付ける田植機の植付部4において、前記苗載台16の苗載面と反対側に、前記植付爪17の回動に同期して苗載台16を左右往復動させる電動駆動手段60を配置したものである。このように構成することにより、電動駆動手段60は、苗載台16の苗載面と反対側の任意の位置に配置することができ、空いたスペースに配置してコンパクト化を図ることができる。また、横送り変速装置をなくすことができてコスト低減化が図れ、任意に横送り速度を設定することができる。また、植付爪17の駆動手段と苗載台16の左右往復動手段を別構成とするので、苗載台16を植付爪17を駆動することなく、苗載台16を任意の位置に移動することができる。
【0051】
また、前記電動駆動手段60を植付部4の左右揺動中心近傍に配置したものである。このように構成することにより、重量バランスを崩すことなく、重心に近く、できるだけ低い位置に配置でき、安定した植付が可能となる。
【0052】
また、前記電動駆動手段60は、苗載台支持フレーム23に左右方向に回転自在に横架したネジ軸71と、該ネジ軸71を回転駆動する横送りモータ72と、前記ネジ軸71に螺装して苗載台16に固定するナット体73と、から構成することができる。このように構成することにより、従来往復螺旋状に溝を穿設した送りネジに比べて、ネジ軸71は加工費が安価となり、送りネジよりも短く構成でき、動力伝達経路も短縮化できる。また、組立工数を削減できコスト低減化が図れる。
【0053】
また、前記電動駆動手段60は、前記苗載台16の苗載面と反対側面に左右方向に固設したラックと、該ラック81と噛合するピニオン82と、該ピニオン82を固定する出力軸72aを備える横送りモータ72と、から構成することもできる。このように構成することにより、従来往復螺旋状に溝を穿設した送りネジに比べて、ラック81は安価に構成することができ、動力伝達経路も短縮化できる。また、従来往復螺旋状に溝を穿設した送りネジに比べて、ネジ軸とナット体で構成することにより、螺合する際の接触面積を大きくすることができるので、強度及び耐久性を向上させることができる。また、組立工数を削減できコスト低減化が図れる。
【0054】
また、前記ラック81を苗載台16を構成するフレームと一体的に構成したものである。このように構成することにより、強度をアップして簡単な構成とすることができる。
【0055】
また、前記電動駆動手段60は、前記苗載台16の苗載面と反対側面に左右方向に張架した無端体であるワイヤ91と、該ワイヤを巻回する複数の従動プーリ92、テンションプーリ93、駆動プーリ94と、前記駆動プーリ94を固定する出力軸72aを備える横送りモータ72と、から構成することもできる。このように構成することにより、従来往復螺旋状に溝を穿設した送りネジに比べて、ワイヤ91は安価に構成することができ、動力伝達経路も短縮化できる。また、組立工数を削減できコスト低減化が図れる。また、前記無端体はチェーン101で構成することもできる。
【0056】
また、前記電動駆動手段60は、苗載台支持フレーム23に左右方向に横設したシリンダ111と、該シリンダ111のピストンロッド111b先端を苗載台16に固定する固定体112と、から構成することもできる。このように構成することにより、部品点数が少なく構造が簡単となる。また、組立工数を削減できコスト低減化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施例に係る田植機の全体的な構成を示した側面図。
【図2】田植機を示す平面図。
【図3】植付部を示す斜視図。
【図4】植付部を示す正面図。
【図5】横送りモータ及びネジ軸を具備する電動駆動手段を示す正面図。
【図6】横送りモータ及びラックを具備する電動駆動手段を示す正面図。
【図7】横送りモータ及びワイヤを具備する電動駆動手段を示す正面図。
【図8】横送りモータ及びチェーンを具備する電動駆動手段を示す正面図。
【図9】シリンダを具備する電動駆動手段を示す正面図。
【図10】電動駆動手段の駆動制御を示すグラフ図。
【図11】縦送りベルト電動駆動手段を示す斜視図。
【図12】縦送りベルト及び排出ガイドを示す斜視図。
【図13】植付部の制御を示すブロック図。
【符号の説明】
【0058】
1 走行部
2 エンジン
3 車体フレーム
4 植付部
16 苗載台
17 植付爪
23 苗載台支持フレーム
23a 縦フレーム
23b 横フレーム
51 縦送りベルト
60 電動駆動手段
69 制御装置
71 ネジ軸
72 横送りモータ
72a 出力軸
73 ナット体
81 ラック
82 ピニオン
91 ワイヤ
92 従動プーリ
93 テンションプーリ
94 駆動プーリ
101 チェーン
102 従動スプロケット
103 駆動スプロケット
111 シリンダ
111b ピストンロッド
120 縦送りベルト電動駆動手段
121 縦送りモータ
130 排出ガイド
140 左右方向位置センサ
141 上下方向位置センサ
142 苗使用量設定手段
143 圃場面積入力手段
144 横移動量設定手段
145 縦移動量設定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗マットを苗載台上に載置し、該苗載台下方に配置した植付爪の回動により所定量ずつ苗を掻き取り圃場に植え付ける田植機の植付部において、前記苗載台の苗載面と反対側に、前記植付爪の回動に同期して苗載台を左右往複動させる電動駆動手段を配置したことを特徴とする田植機の植付部。
【請求項2】
前記電動駆動手段を植付部の左右揺動中心近傍に配置したことを特徴とする請求項1に記載の田植機。
【請求項3】
前記電動駆動手段は、苗載台支持フレームに左右方向に回転自在に横架したネジ軸と、該ネジ軸を回転駆動するモータと、前記ネジ軸に螺装して苗載台に固定するナット体と、から構成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の田植機の植付部。
【請求項4】
前記電動駆動手段は、前記苗載台の苗載面と反対側面に左右方向に固設したラックと、該ラックと噛合するピニオンと、該ピニオンを固定する出力軸を備えるモータと、から構成することを特徴とする請求項1または2に記載の田植機の植付部。
【請求項5】
前記ラックを苗載台を構成するフレームと一体的に構成したことを特徴とする請求項4に記載の田植機の植付部。
【請求項6】
前記電動駆動手段は、前記苗載台の苗載面と反対側面に左右方向に張架した無端体と、該無端体を巻回する複数の回転体と、該複数の回転体の何れか一つを固定する出力軸を備えるモータと、から構成することを特徴とする請求項1または2に記載の田植機の植付部。
【請求項7】
前記電動駆動手段は、苗載台支持フレームに左右方向に横設したシリンダと、該シリンダのピストンロッド先端を苗載台に固定する固定体と、から構成することを特徴とする請求項1または2に記載の田植機の植付部。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−110267(P2010−110267A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285896(P2008−285896)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】