説明

画像処理装置、画像処理方法及びそのプログラム

【課題】アイコンを保存する領域をより低減するとともに多様なアイコンを表現する。
【解決手段】
フラッシュROM23に、アイコンを複数に分割した複数種類の単位部品と、複数の単位部品からなる集合部品であって、アイコンを構成する集合部品を示すアイコン対応情報23cと、集合部品を構成する複数の単位部品を示す集合部品対応情報23dとを記憶する。CPUは、アイコンの描画指令を取得すると、アイコン対応情報23cに基づいてアイコンを構成する集合部品を特定し、集合部品対応情報23dに基づいて、特定された集合部品を構成する単位部品を特定し、特定された単位部品をフラッシュROM23から読み出して集合部品を生成し、生成した集合部品を用いてアイコンを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像処理装置としては、複数の表示データを受信する通信機能を有し、受信した複数の表示データを記憶し、表示データに対応した第1のアイコン情報と、第1のアイコン情報の表示形態とは異なる第2のアイコン情報とを記憶し、新たに登録された表示データの数に基づいて第1又は第2のアイコン情報を選択し、メニュー画面にこのアイコンを表示することにより、色や形の異なる複数のアイコンを少ないメモリ消費量で実現でき、各アイコンに対応付けられている機能をより容易に把握することができるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−202178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この特許文献1に記載された画像処理装置では、アイコンを保存する領域については考慮されていなかった。このため、例えば、画像処理装置に保持しておこうとするアイコンの種類が多くなると、それに伴いアイコンの保存領域がより多くなってしまうことがあった。
【0004】
また、アイコンの保存領域を節約するような構成とした場合、アイコンを表示する際の処理速度が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、アイコンを保存する領域をより低減するとともに多様なアイコンを表現することを目的とする。
【0006】
本発明は、アイコンを保存する領域をより低減しつつも、アイコンを表示する際の処理速度を低下させないことをさらなる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの実施態様に従う画像処理装置は、アイコンを複数に分割した複数種類の単位部品を保存する単位部品記憶手段と、複数の単位部品からなる集合部品であって、前記アイコンを構成する集合部品を示すアイコン情報を記憶するアイコン情報記憶手段と、前記集合部品を構成する複数の単位部品を示す集合部品情報を記憶する集合部品情報記憶手段と、前記アイコンの描画指令を取得すると、前記アイコン情報に基づいて前記アイコンを構成する集合部品を特定し、前記集合部品情報に基づいて、前記特定された集合部品を構成する単位部品を特定し、前記特定された単位部品を前記単位部品記憶手段から読み出して前記集合部品を生成し、生成した集合部品を用いて前記アイコンを生成する生成制御手段と、前記生成されたアイコンを表示装置に表示させる表示制御手段と、を備える。
【0008】
アイコンを単位部品に分割して保存しておくことにより、アイコンを保存する領域をより低減することができる。
【0009】
好適な実施形態では、データを一時的に記憶するバッファ手段をさらに備え、前記生成制御手段は、前記生成した集合部品を前記バッファ手段に格納し、前記アイコンを生成する際に、前記バッファ手段から前記集合部品を取得して前記アイコンを生成するようにしてもよい。
【0010】
複数の単位部品からなる集合部品として保存しておくことにより、部品の検索速度を向上させ、アイコン表示の際の処理速度を低下させないようにできる。
【0011】
好適な実施形態では、データを一時的に記憶するバッファ手段をさらに備え、前記生成制御手段は、前記生成したアイコンを前記バッファ手段に格納し、前記バッファ手段に前記アイコンが既に格納されていれば、前記生成制御手段は前記アイコンの生成を行わず、前記表示制御手段が前記バッファ手段に格納されている前記アイコンを前記表示装置に表示させるようにしてもよい。
【0012】
生成されたアイコンを保存しておくことにより、そのアイコンを再度表示する際の処理速度を高速化できる。
【0013】
好適な実施形態では、データを一時的に記憶するバッファ手段をさらに備え、前記部品記憶手段は、前記単位部品を所定の圧縮データとして保存し、前記生成制御手段は、前記集合部品を生成するに際して、前記単位部品の圧縮データを前記部品記憶手段から読み出し、前記読み出した圧縮データから前記単位部品の画像データに展開し、前記バッファ手段に前記展開した画像データをロック状態で記憶させるようにしてもよい。
【0014】
好適な実施形態では、前記部品記憶手段は、前記圧縮データとしてPNGデータを記憶するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明を具現化した一実施形態であるプリンタ20の構成の概略を示す構成図である。プリンタ20は、装置全体の制御を司るコントローラ21と、記録紙Sへ画像を印刷処理する印刷機構25と、接続された外部機器(例えばユーザPC32)との間で情報の入出力が可能なインタフェース(I/F)27と、ユーザへ情報を表示可能でありユーザの指示を入力可能である操作パネル28と、を備えている。コントローラ21や印刷機構25、I/F27、操作パネル28は、バス29によって電気的に接続されている。コントローラ21は、CPU22を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、情報を記憶消去可能であり各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶するフラッシュROM23と、一時的にデータを記憶するRAM24とを備えている。RAM24には、操作パネル28に表示する画像を一時的に記憶するバッファ領域が設けられている。このコントローラ21は、例えば画面表示するアイコンの部品を含む矩形範囲を連続的及び断片的なメモリ領域であるかに関わらずコピー可能なICチップである矩形複写部30を更に備えており、この矩形複写部30を利用して表示画面を生成するよう構成されている。印刷機構25は、図示しないが、各色のインクに圧力をかけ、この加圧されたインクを記録紙Sに吐出して印刷処理を実行するインクジェット方式の機構である。なお、インクへ圧力をかける機構は、圧電素子の変形によるものとしてもよいしヒータの熱による気泡の発生によるものとしてもよい。操作パネル28は、ユーザがプリンタ20に対して各種の指示を入力するためのデバイスであり、各種の指示に応じた文字や画像が表示されタッチパネルとして構成されたカラー液晶パネルである表示部28aや、ユーザの指示を各種ボタンにより入力可能である操作部28bなどが設けられている。
【0017】
図2は、フラッシュROM23に保存されている情報の説明図であり、図3は、フラッシュROM23に保存されているアイコンの部品の説明図である。このフラッシュROM23には、画面表示に用いられる画面名とその画面を構成する1以上のアイコンとを対応付けた画面対応情報23aと、アイコン名とそのアイコンを構成する1以上の部品及びその個数とを対応付けたアイコン対応情報23bとが保存されている。これらの情報を用いて各アイコンの画像や各画面が作成される。ここで、表示画面(後述図5参照)に含まれているアイコンは、複数に分割された部品により構成されている。例えば、図3に示すように、枠アイコン42は、上下左右非対称の枠であり、左上端部部品42a、上繰返部品42b、右上端部部品42c、左繰返部品42d、中央繰返部品42e、右繰返部品42f、左下端部部品42g、下繰返部品42h、右下端部部品42iの9つの部品により構成されている。この枠アイコン42は、各端部部品が4角に1つずつ用いられ、各繰返部品が予め定められた繰返数、繰り返して配置されることにより形成されるようになっている。また、枠アイコン44は、左端部部品44aと、中央繰返部品44bと、右端部部品44cとの3つの部品から構成され、中央繰返部品44bが予め定められた繰返数、繰り返して配置されることにより形成されるようになっている。フラッシュROM23には、これらの部品が透過情報を指定可能であるPNGファイル形式で圧縮保存されているものとした。このフラッシュROM23には、このように、アイコンの部品がアイコンの基本的な種類の数だけ保存されている。
【0018】
次に、こうして構成された本実施形態のプリンタ20の動作、特に表示部28aに表示する画像データを作成する動作について説明する。図4は、表示画面作成処理ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図5は、コピー設定画面50の説明図である。ここでは、図5に示したコピー設定画面50を作成する場合を具体的に説明するものとした。また、表示部28aに表示される画像は、ユーザのタッチ操作に基づいてアイコンがスクロールして動いたり、タッチパネル上のアイコンがユーザに押下されると、押下されたことがわかる態様に変化する(例えば色が変化するなど)よう設定されている。表示画面作成処理ルーチンはフラッシュROM23に記憶されており、電源がオンされたあとに実行される。また、この表示画面作成処理ルーチンは、コントローラ21のCPU22により矩形複写部30を利用して実行される。このルーチンを実行すると、CPU22は、まず、画面の変更指示(画像生成指令)がされたか否かを操作部28bの操作により画面変更用のボタンが押下されたか否かに基づいて判定する(ステップS100)。また、ステップS100では、電源オン直後など表示画面がないときにも肯定判定されるものとした。画面変更が指示されたときには、表示部28aに表示するアイコンのうちの1つがRAM24に格納済みであるか否かを判定する(ステップS110)。この判定は、新たに表示する画面に含まれているアイコンを画面対応情報23aを用いて特定し、特定したアイコンがRAM24のバッファ領域に格納されているか否かにより行うものとした。
【0019】
アイコンがRAM24のバッファ領域に格納されていないときには、CPU22は、新たなアイコンを格納する領域があるか否かを判定し(ステップS120)、新たな格納領域がないときには、例えば利用されない状態で所定時間経過したアイコンなどの格納領域を開放する(ステップS130)。ステップS130のあと、またはステップS120でアイコンを格納する領域があるときには、CPU22は、このアイコンの部品がRAM24のバッファ領域に格納済みであるか否かを判定する(ステップS140)。アイコンの部品が格納済みでないときには、アイコン対応情報を利用してこのアイコンの部品を特定し、特定した部品をフラッシュROM23から読み出してビットマップデータに展開処理し、この展開した部品の画像データをRAM24のバッファ領域にロックした状態で格納する(ステップS150)。図6は、RAM24に記憶される情報の説明図である。このルーチンの実行時には、RAM24には、各表示画面に含まれるアイコンを格納した展開済アイコン24aと、アイコンを構成する展開後の画像データである展開済部品24bとが記憶されている。ここでは、展開済部品24bは、このルーチンの実行している間には上書き消去できないロック状態で記憶されるものとした。次に、アイコン対応情報に含まれる繰返部品の繰返数とRAM24に格納された各部品を用いてアイコンを生成し、RAM24に格納する(ステップS160)。このアイコンの生成は、例えば繰返単位である矩形画像を生成し、矩形複写部30によりこの矩形画像を繰り返しコピーすることにより行うものとした。こうすれば、ソフトで行うよりもハードで行う方が高速であるから、アイコンの生成処理を迅速に行うことができる。ここで、アイコンによっては、例えば幅だけが違うものや長さだけが違うものなど、共通の部品を含むものがある。ここでは、その繰返数を様々に設定しておくことにより、より少ない部品数で多様なアイコンを生成するのである。このように、図3や図5で配置されるアイコンなどを生成するのである。
【0020】
ステップS160のあと、または、ステップS110でアイコンがRAM24に格納済みであるときには、CPU22は、表示しようとする画面に含まれるアイコンがすべてRAM24に格納されているか否かを判定する(ステップS170)。アイコンがすべてRAM24に格納されていないときには、ステップS120以降の処理を実行する一方、アイコンがすべてRAM24に格納されているときには、表示する画面を作成してRAM24に格納すると共に、表示部28aへ表示出力させる(ステップS180)。表示画面の作成は、アイコン対応情報に含まれている情報をもとに、RAM24にバッファされているアイコン画像を配置することにより行うものとした。このように、例えば図5に示すコピー設定画面50などを作成するのである。
【0021】
ステップS180のあと、または、ステップS100で画面変更がないときには、CPU22は、処理が終了したか否かを電源がオフされたか否かに基づいて判定し(ステップS190)、処理が終了していないときには、ステップS100以降の処理を実行し、処理が終了したときには、部品の格納された領域を開放し(ステップS200)、このルーチンを終了する。
【0022】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のフラッシュROM23が本発明の部品記憶手段及び対応情報記憶手段に相当し、コントローラ21が生成制御手段に相当し、矩形複写部30が矩形複写手段に相当し、表示部28aが表示手段に相当する。なお、本実施形態では、プリンタ20の動作を説明することにより本発明の画像処理方法の一例も明らかにしている。
【0023】
以上詳述した本実施形態のプリンタ20によれば、所定の表示用画像を生成する画像生成指令を取得するとこの生成する表示用画像に含まれるアイコンに対応付けられた端部部品と繰返部品とをアイコン対応情報23bを用いて特定し、この特定した部品を読み出し、読み出した端部部品及び繰返部品とこの繰返部品の繰返数とを用いてアイコンを生成する。このように、アイコンを分割した部品として保存するため、例えばアイコン自体を保存するものに比して保存領域を低減することができる。また、繰返部品の繰返数を任意のものとすれば様々なアイコンを生成可能であるし、端部部品を様々に組み合わせることにより様々なアイコンを生成可能である。したがって、アイコンを保存する領域をより低減すると共に多様なアイコンを表現することができる。また、生成したアイコンをバッファするため、生成したアイコンをあとで利用することが可能であり、より高速に表示画像を生成することができる。更に、端部部品及び繰返部品を圧縮データであるPNGデータとして保存し、アイコンを生成するに際して、圧縮データから端部部品及び前記繰返部品の画像データに展開し、RAM24にこの展開した画像データをロック状態でバッファするため、各部品を展開する処理を低減可能であり、より高速に表示画像を生成することができる。また、アイコンに比して小さい各部品の展開データを確実に保持することができ、この展開データを利用して、より高速にアイコンを生成することができる。また、透過情報などが含まれているPNGデータを用いて、保存領域をより小さくすると共に、透過を用いて描画した画像をより自然なものとすることができる。更にまた、矩形複写部30を用いて矩形画像を複写することにより表示用画像を作成するため、断片的となる画像をより容易に複写可能であり、より高速に表示用画像を作成することができる。そして、作成した表示用画像を操作パネル28へ表示出力するため、生成したアイコンにより作成された表示用画像を視覚的に提示することができる。また、このように高速で表示画像を作成することができるため、例えばユーザの操作により表示画像をアクションさせたりすることがしやすい。また、画面の開発中に変更が生じても、部品及び対応情報を直せばよいため比較的容易にその内容を変更することができる。
【0024】
以上、本発明の第1の実施形態に係るプリンタについて説明した。次に、本発明の第2の実施形態に係るプリンタについて説明する。以下の説明では、主に、第1の実施形態と異なる構成ないし機能について説明し、第1の実施形態と共通する構成については、第1の実施形態と同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0025】
第2の実施形態に係るプリンタは、図1に示す第1の実施形態に係るプリンタと同じ構成を有する。
【0026】
図7は、第2の実施形態において、フラッシュROM23に保存されている情報の説明図である。同図に示すように、このフラッシュROM23には、画面対応情報23aと、アイコン名とそのアイコンを構成する1以上の集合部品及びその個数とを対応付けたアイコン対応情報23cと、集合部品名とその集合部品を構成する1以上の単位部品及びその個数とを対応付けた集合部品対応情報23dとが保存されている。
【0027】
ここで、単位部品とは、第1の実施形態における部品(図3参照)に相当する。つまり、単位部品は、アイコンを構成する最小単位の部品である。集合部品とは、複数の単位部品から構成される部品である。従って、集合部品対応情報23dによって、集合部品を構成する単位部品が定義される。アイコン対応情報23cによって、アイコンを構成する集合部品が定義される。フラッシュROM23には、アイコンの単位部品がアイコンの基本的な種類の数だけ保存されている。単位部品は、フラッシュROM23にPNGファイル形式で圧縮保存されていてもよい。集合部品は、次に説明するように、CPU22によって単位部品を組み合わせて生成され、RAM24のバッファ領域に保存される。
【0028】
次に、第2の実施形態に係るプリンタ20の動作、特に表示部28aに表示する画像データを作成する動作について説明する。
【0029】
図8は、本実施形態における表示画面作成処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。ここでは、第1の実施形態と同様に、図5に示したコピー設定画面50を作成する場合を具体的に説明するものとした。表示画面作成処理ルーチンはフラッシュROM23に記憶されており、電源がオンされたあとに実行される。また、この表示画面作成処理ルーチンは、コントローラ21のCPU22により矩形複写部30を利用して実行される。
【0030】
本実施形態では、ステップS100からステップS130までは、第1の実施形態と同じである。すなわち、画面の変更指示があれば(ステップS100:Yes)、表示部28aに表示するアイコンのうちの1つがRAM24に格納済みであるか否かを判定する(ステップS110)。アイコンがRAM24のバッファ領域に格納されていないときには(ステップS110:No)、CPU22は、新たなアイコンを格納する領域があるか否かを判定し(ステップS120)、新たな格納領域がないときには、例えば利用されない状態で所定時間経過したアイコンなどの格納領域を開放する(ステップS130)。
【0031】
アイコンを格納する領域が確保された後、CPU22は、画面対応情報23aを参照して、このアイコンの集合部品がRAM24のバッファ領域に格納済みであるか否かを判定する(ステップS210)。アイコンの集合部品が格納済みのときは(ステップS210:Yes)、ステップS220〜S240をスキップする。アイコンの集合部品が格納済みでないときには(ステップS210:No)、CPU22は、アイコン対応情報23cを参照して、この集合部品を構成する単位部品がRAM24のバッファ領域に格納済みであるか否かを判定する(ステップS220)。集合部品の単位部品が格納済みでないときには(ステップS220:No)、CPU22は、ここで必要な単位部品をフラッシュROM23から読み出してビットマップデータに展開処理し、この展開した単位部品の画像データをRAM24のバッファ領域にロックした状態で格納する(ステップS230)。集合部品を構成する単位部品がRAM24に格納済みであるとき(ステップS220:No)、あるいは、ステップS230で単位部品をRAM24に格納したときは、CPU22は、ビットマップデータに展開された単位部品を組み合わせて、ここで必要な集合部品を生成し、生成した集合部品の画像データをRAM24のバッファ領域にロックした状態で格納する(ステップS240)。
【0032】
図9は、RAM24に記憶される情報の説明図である。このルーチンの実行時には、RAM24には、各表示画面に含まれるアイコンを格納した展開済アイコン24aと、アイコンを構成する展開後の画像データである展開済部品24cとが記憶されている。展開済部品24cには、単位部品及び集合部品の両方が含まれる。ここでは、展開済部品24cは、このルーチンの実行している間には上書き消去できないロック状態で記憶されるものとした。
【0033】
ここで、図8へ戻ると、CPU22は、アイコン対応情報23cに含まれる集合部品の繰返数とRAM24に格納された集合部品を用いてアイコンを生成し、RAM24に格納する(ステップS250)。このアイコンの生成は、矩形複写部30が集合部品画像を繰り返しコピーすることにより行うものとした。これにより、第1の実施形態のように単位部品を繰り返しコピーする場合よりも、部品の検索に要する時間を短縮することができ、さらに高速で処理を行うことができるようになる。ここで、単位部品ないしは集合部品は、その向きを90度ないしは180度回転させて使用することもできる。従って、その繰返数を様々に設定しておくことにより、より少ない部品数で多様なアイコンを生成することができる。
【0034】
ステップ250のあとは、第1の実施形態と同様に、CPU22はステップS170〜S200の処理を行う。すなわち、ステップ250のあと、または、ステップS110でアイコンがRAM24に格納済みであるときには、CPU22は、表示しようとする画面に含まれるアイコンがすべてRAM24に格納されているか否かを判定する(ステップS170)。アイコンがすべてRAM24に格納されていないときには、ステップS120以降の処理を実行する一方、アイコンがすべてRAM24に格納されているときには、表示する画面を作成してRAM24に格納すると共に、表示部28aへ表示出力させる(ステップS180)。表示画面の作成は、アイコン対応情報に含まれている情報をもとに、RAM24にバッファされているアイコン画像を配置することにより行うものとした。このように、例えば図5に示すコピー設定画面50などを作成するのである。
【0035】
ステップS180のあと、または、ステップS100で画面変更がないときには、CPU22は、処理が終了したか否かを電源がオフされたか否かに基づいて判定し(ステップS190)、処理が終了していないときには、ステップS100以降の処理を実行し、処理が終了したときには、部品の格納された領域を開放し(ステップS200)、このルーチンを終了する。
【0036】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0037】
例えば、上述した実施形態では、中心部分が同一色のアイコンについて説明したが、内部にグラデーションを有するアイコンに適用してもよい。グラデーションしたアイコンを個別に持つよりも、各部品として組み合わせてアイコンを生成する方が保存する領域をより低減することができる。
【0038】
上述した実施形態では、矩形複写部30を用いてアイコン生成、画面作成を行うものとしたが、これを用いずにソフトにより行うものとしてもよい。こうしても、アイコンを保存する領域をより低減すると共に多様なアイコンを表現することができる。また、上述した実施形態では、部品データをPNGデータで保存するものとしたが、特にこれに限定されずに他のファイル形式で保存してもよい。なお、圧縮データとした方が、フラッシュROM23の保存領域をより確保することができる。
【0039】
上述した実施形態では、部品を格納した領域をロックするものとしたが、これをロックしないものとしてもよい。また、生成したアイコンや展開した部品をバッファに格納しておくものとしたが、このバッファ処理を省略してもよい。
【0040】
上述した実施形態では、プリンタ20を本発明の画像処理装置として説明したが、複数の部品を用いて表示画像を作成するものであれば特に限定されず、例えば、スキャナを備えたマルチファンクションプリンタ、FAXなどの印刷装置や、ユーザPC32に適用してもよいし、その他、携帯電話、ゲーム機器などの電子機器などに適用してもよい。また、プリンタ20の態様で画像処理装置として説明したが、画像処理方法の態様としてもよいし、この方法を実行するプログラムの態様としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1及び第2の実施形態に係るプリンタ20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】第1の実施形態におけるフラッシュROM23に保存されている情報の説明図である。
【図3】第1及び第2の実施形態のフラッシュROM23に保存されているアイコンの部品の説明図である。
【図4】第1の実施形態の表示画面作成処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図5】第1及び第2の実施形態のコピー設定画面50の説明図である。
【図6】第1の実施形態のRAM24に記憶される情報の説明図である。
【図7】第2の実施形態におけるフラッシュROM23に保存されている情報の説明図である。
【図8】第2の実施形態の表示画面作成処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態のRAM24に記憶される情報の説明図である。
【符号の説明】
【0042】
20 プリンタ
21 コントローラ
23a 画面対応情報
23b アイコン対応情報
23c アイコン対応情報
23d 集合部品対応情報
24a 展開済アイコン
24b 展開済部品
24c 展開済部品
25 印刷機構
28 操作パネル
42、44 枠アイコン
50 コピー設定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイコンを複数に分割した複数種類の単位部品を保存する単位部品記憶手段と、
複数の単位部品からなる集合部品であって、前記アイコンを構成する集合部品を示すアイコン情報を記憶するアイコン情報記憶手段と、
前記集合部品を構成する複数の単位部品を示す集合部品情報を記憶する集合部品情報記憶手段と、
前記アイコンの描画指令を取得すると、前記アイコン情報に基づいて前記アイコンを構成する集合部品を特定し、前記集合部品情報に基づいて、前記特定された集合部品を構成する単位部品を特定し、前記特定された単位部品を前記単位部品記憶手段から読み出して前記集合部品を生成し、生成した集合部品を用いて前記アイコンを生成する生成制御手段と、
前記生成されたアイコンを表示装置に表示させる表示制御手段と、
を備えた画像処理装置。
【請求項2】
データを一時的に記憶するバッファ手段をさらに備え、
前記生成制御手段は、前記生成した集合部品を前記バッファ手段に格納し、前記アイコンを生成する際に、前記バッファ手段から前記集合部品を取得して前記アイコンを生成する、請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
データを一時的に記憶するバッファ手段をさらに備え、
前記生成制御手段は、前記生成したアイコンを前記バッファ手段に格納し、
前記バッファ手段に前記アイコンが既に格納されていれば、前記生成制御手段は前記アイコンの生成を行わず、前記表示制御手段が前記バッファ手段に格納されている前記アイコンを前記表示装置に表示させる、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
データを一時的に記憶するバッファ手段をさらに備え、
前記部品記憶手段は、前記単位部品を所定の圧縮データとして保存し、
前記生成制御手段は、前記集合部品を生成するに際して、前記単位部品の圧縮データを前記部品記憶手段から読み出し、前記読み出した圧縮データから前記単位部品の画像データに展開し、前記バッファ手段に前記展開した画像データをロック状態で記憶させる、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記部品記憶手段は、前記圧縮データとしてPNGデータを記憶する、請求項4に記載
の画像処理装置。
【請求項6】
アイコンを複数に分割した複数種類の単位部品を保存する単位部品記憶手段と、複数の単位部品からなる集合部品であって、前記アイコンを構成する集合部品を示すアイコン情報を記憶するアイコン情報記憶手段と、前記集合部品を構成する複数の単位部品を示す集合部品情報を記憶する集合部品情報記憶手段と、を備えた画像処理装置が行う画像処理方法であって、
前記アイコンの描画指令を取得すると、前記アイコン情報記憶手段に記憶されたアイコン情報に基づいて前記アイコンを構成する集合部品を特定するステップと、
前記特定された集合部品を構成する単位部品を、前記集合部品情報記憶手段に記憶された集合部品情報に基づいて特定するステップと、
前記特定された単位部品を前記単位部品記憶手段から読み出して前記集合部品を生成し、生成した集合部品を用いて前記アイコンを生成するステップと、
前記生成されたアイコンを表示装置に表示させるステップと、を行う画像処理方法。
【請求項7】
アイコンを複数に分割した複数種類の単位部品を保存する単位部品記憶手段と、複数の単位部品からなる集合部品であって、前記アイコンを構成する集合部品を示すアイコン情報を記憶するアイコン情報記憶手段と、前記集合部品を構成する複数の単位部品を示す集合部品情報を記憶する集合部品情報記憶手段と、を備えた画像処理装置が行う画像処理のためのコンピュータプログラムであって、
前記画像処理装置に、
前記アイコンの描画指令を取得すると、前記アイコン情報記憶手段に記憶されたアイコン情報に基づいて前記アイコンを構成する集合部品を特定するステップと、
前記特定された集合部品を構成する単位部品を、前記集合部品情報記憶手段に記憶された集合部品情報に基づいて特定するステップと、
前記特定された単位部品を前記単位部品記憶手段から読み出して前記集合部品を生成し、生成した集合部品を用いて前記アイコンを生成するステップと、
前記生成されたアイコンを表示装置に表示させるステップと、を実行させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−145801(P2010−145801A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323745(P2008−323745)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】