説明

画像読取装置

【課題】サイズの異なる撮影対象物(例えば書籍など)の画像を取り込む場合に、撮影部と撮影対象物との距離、および、配置の調整を容易に行うことのできる画像読取装置を提供すること。
【解決手段】この画像読取装置は、撮影を行う撮影部(1a)と、撮影部を撮影面に対向させた向きで支持するアーム(2)と、撮影部の画角内と画角外との前記アーム側の境界線(f)に略沿った方向にアームを伸縮可能とするアーム伸縮部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を取り込む画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CCDやCMOS等で構成されたエリアセンサを備える撮影部を原稿の上方に配置して原稿の画像を取り込む画像読取装置が開発されている(例えば特許文献1)。特許文献1の画像読取装置は、装置を支える脚部に原稿の2辺を突き当てて原稿の位置決めを行い、アーム部によって撮影部が原稿の上方位置に固定される。
【0003】
書籍の紙面の静止画を取り込む場合、エリアセンサの有する解像度を有効活用するためには、撮影部の視野内を書籍の紙面が大きく占める状態で撮影が行われると好ましい。例えば、撮影部の視野の上端および下端に、書籍の紙面の上端および下端がそれぞれ合わされた状態で撮影が行われることで、解像度の高い紙面の静止画を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−200291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
書籍には様々なサイズがある。そのため、様々なサイズの書籍に対して解像度の高い撮影を行うためには、ユーザは、先ず、撮影部の視野内で書籍の紙面が適宜な大きさになるように、撮影部と書籍との距離を調整する必要がある。さらに、ユーザは、撮影部の視野内で書籍の紙面が適切に配置されるように、撮影部または紙面を水平方向にずらして配置を調整する必要がある。これらの2つの調整を同時に行うことは、非常に煩雑である。
【0006】
本発明の目的は、サイズの異なる撮影対象物(例えば書籍など)の画像を取り込む場合に、撮影部と撮影対象物との距離および配置の調整を容易に行うことのできる画像読取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る画像読取装置は、撮影を行う撮影部と、前記撮影部を撮影面に対向させた向きで支持するアームと、前記撮影部の画角内と画角外との前記アーム側の境界線に略沿った方向に前記アームを伸縮可能とするアーム伸縮部とを具備する構成を採る。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アームを伸縮させて撮影部を移動させることで、撮影部の画角の一端をほぼ固定としたまま、撮影部と撮影対象物との距離を調整することができる。従って、撮影対象物が撮影視野内で適宜な大きさおよび配置となるように、撮影部と撮影対象物との距離および配置の調整を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1の画像読取装置を示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態1の画像読取装置の撮影時の状態の一例を示す平面図
【図3】本発明の実施の形態1の画像読取装置の作用を説明する説明図
【図4】本発明の実施の形態2の画像読取装置の作用を説明する説明図
【図5】本発明の実施の形態3の画像読取装置の作用を説明する説明図
【図6】本発明の実施の形態3における引出式トレイの構成を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の画像読取装置を示す斜視図である。
【0012】
この実施の形態1の画像読取装置は、映像を取り込む撮影部1と、撮影部1を支えるアーム2と、アーム2を支持する土台部4と、土台部4から二方向にそれぞれ伸びて装置を支える2つの脚部3,3と、撮影範囲を照らす光源部5と、から主に構成される。
【0013】
撮影部1は、電気的に映像を取り込むカメラ1a(図3参照)を備えている。カメラ1aは、カメラレンズと、カメラレンズにより結像された映像を電気信号に変換して取り込むイメージセンサとを備えている。イメージセンサは、例えばCCD(charge-coupled device)、またはCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)などの二次元(エリア)センサである。撮影部1は、カメラ1aが下方(脚部3,3に沿った面に対向する方向)を向いた角度で固定的に支持される。
【0014】
なお、撮影部1は、不使用時において、上アーム2aに設けられたヒンジ部を中心に回動して上アーム2aに収納可能にされるが、使用時には、図1〜図3に示すように、上アーム2aに対して所定の角度で固定される。
【0015】
アーム2は、土台部4に支持される下アーム2bと、撮影部1を支持する上アーム2aとから構成される。下アーム2bは、土台部4により所定の角度で固定的に支持される。アーム2には、アーム2の長さを伸縮可能とする伸縮機構が設けられている。伸縮機構は、具体的にはスライド機構であり、例えば上アーム2aの長手方向に設けられた凸部が下アーム2bの長手方向に設けられた凹状のガイド溝(いずれも図示せず)に支持されてアーム2の長手方向にスライド可能にされている。上アーム2aは、一定以上の力を加えることで下アーム2bに対してスライド移動するが、力が加えられなければそのスライド位置が維持される。
【0016】
アーム2のスライド機構には、所定のスライド位置で上アーム2aと下アーム2bとが係止されるストッパーが設けられている。両者が係止されるスライド位置には、複数の位置が設定されている。この構成により、ユーザは、アーム2を規定の複数の長さに段階的に容易に合わせることができる。これらの複数の長さは、撮影対象の書籍が、例えばA4サイズおよびB5サイズなど、規定のサイズである場合に対応して、撮影部1をこれら規定の書籍サイズに合った高さへ移動できる長さに設定されている。
【0017】
なお、アーム2は、不使用時において、土台部4に設けられたヒンジ部を中心に回動して、脚部3,3と平行になる位置まで折り畳み可能にされるが、使用時には、所定の角度で土台部4に固定的に支持される。アーム2が支持される角度は、例えば、画像読込装置を水平面に置いたときに、アーム2の長手方向が鉛直線に対して斜めになる角度(例えば鉛直線を基準に30°〜60°、好ましくは40°〜50°など)に設定されている。
【0018】
光源部5は、上アーム2aの一方の面(原稿載置面20(図3参照)へ向いた面)に設けられている。光源部5は、複数の発光素子(例えばLED:発光ダイオード)5aを有し、これら複数の発光素子5aがアーム2の長手方向に沿って並んで設けられている。光源部5は、アーム2の伸縮時に上アーム2aに伴って位置を上下に変化させる。
【0019】
脚部3,3は、各々が一方向に長い形状であり、各々の一端が土台部4に接続されている。脚部3,3は、画像読込装置が水平面に置かれた場合に、この水平面上で二方向へ伸びて画像読込装置を支える。脚部3,3の上面は平面状にされ、その土台部4に近い箇所には、撮影対象の書籍の一端が合わせられる目印(位置決めマーク)7,7が設けられている。
【0020】
なお、脚部3,3は、不使用時において、土台部4に設けられた支軸を中心に回動して互いに閉じた状態(脚部3,3が互いに平行になるように)に畳むことができるが、使用時には、所定の角度(例えば60°〜120°、好ましくは80°〜100°など)に開かれる。
【0021】
土台部4は、画像読込装置の土台となるものであり、上述のようにアーム2を支持するとともに、上述のように2つの脚部3,3が接続される。また、土台部4の内側中央の端部(脚部3,3に挟まれた真ん中の部分)は、撮影対象の書籍の一端が当接されて位置決めされるストッパー8として機能する。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態1の画像読取装置の撮影時の状態の一例を示す平面図である。
【0023】
上記構成の画像読取装置においては、図2に示すように、撮影対象の書籍30が脚部3,3に一部をかぶせた状態で載置される。図示するように書籍30はストッパー8の円弧部分に突き当てられて位置決めされるが、目印7,7は、その延長線がストッパー8の円弧部分と接するような位置関係となっていることか望ましい。書籍30と撮影部1との位置合わせについては後述する。このとき、光源部5の照明が書籍の紙面に斜め方向から照射される。そして、この状態で、撮影部1が動作することで、書籍の紙面の静止画が取り込まれる。ユーザが書籍のページをめくりながら、この静止画の取り込みを繰り返すことで、書籍の複数ページの紙面の静止画が順次取り込まれていく。これらの静止画は、コンピュータに送られて画像処理により書籍30の縁部が直線状に補正された平面状かつ矩形の画像に変換される。
【0024】
図3は、本発明の実施の形態1の画像読取装置の作用を説明する説明図である。
【0025】
図3Aは、アーム2を縮めた状態、図3Bは、アーム2を伸ばした状態である。図3において、画像読取装置の載置面をX−Y平面(水平面)とし、画像読取装置の正面に伸びる方向(アーム2の長手方向の水平方向成分)をX方向とし、画像読取装置の高さ方向をZ方向とする。なお、図3は説明を簡単にするため、脚部3,3等のZ方向の厚み等を省略して描かれている。
【0026】
この画像読取装置は、図3に示すように、脚部3,3が載置される面が撮影対象の書籍が置かれる原稿載置面20となり、カメラ1aの撮影方向(カメラレンズの光軸方向)が略鉛直下方に設定される。
【0027】
また、カメラ1aの画角(図3中に一点鎖線で示す)のうち、アーム2側の境界線fは、アーム2の伸縮方向(この実施の形態ではアーム2の長手方向と同一)とほぼ平行に設定される。境界線fは、カメラ1aの画角内と画角外との境界を表わしている。
【0028】
さらに、アーム2の先端からカメラ1aまでのオフセットL(図3Aの線分PC1−B1と図3Bの線分PC2−B2)は、アーム2の支持部4aから原稿載置面20の一端の位置P0までのオフセット(図3A,Bの線分P0−C)とほぼ同一に設定される。言い換えれば、アーム2の伸縮経路に沿った直線からカメラ1aのカメラレンズの中心までのオフセットLと、上記直線から原稿載置面20の一端の位置P0までのオフセットとがほぼ同一にされる。ここで、オフセットとは、変位量および変位方向を表わしている。また、位置P0は、書籍の端部がストッパー8に当接する位置、或いは、目印7により位置合わせされる書籍の一辺と支持部4aからX方向に伸びる直線との交点の位置である。
【0029】
この実施の形態1の画像読取装置によれば、図3Aに示すように、アーム2を縮めると、カメラ1aから原稿載置面20までの距離は短くなり、それゆえ、カメラ1aの読取範囲W1が小さくなる。一方、図3Bに示すように、アーム2を伸ばすと、カメラ1aから原稿載置面20までの距離は長くなり、それゆえ、カメラ1aの読取範囲W2が大きくなる。図3Aと図3Bとでは、カメラ1aの高さA1,A2は距離Dzだけ異なっている。さらに、これら両方の場合において、カメラ1aの読取範囲W1,W2の一端は位置P0に固定され、他端の位置PE1,PE2が変化している。すなわち、アーム2の伸縮量を変化させても、カメラ1aの画角の一端と原稿載置面20との交点は位置P0に固定される。
【0030】
従って、書籍と撮影部1との位置を調整する場合には、ユーザは、先ず、書籍の一端を位置P0に合わせて書籍を原稿載置面20に置く。続いて、ユーザは、書籍の紙面がカメラ1aの読取範囲に適宜な大きさで収まるように、アーム2の伸縮量を調整する。これらの調整だけで、ユーザは、撮影部1と書籍とを適切な距離および配置に調整することができる。書籍のサイズが異なっても、同様の方法で、ユーザは撮影部1と書籍とを適切な距離および配置に容易に調整することができる。
【0031】
また、図3Aに示すように、アーム2が縮んでいるときには、光源部5は低い位置から原稿載置面20を照らす。一方、図3Bに示すように、アーム2が伸びたときには、光源部5は高い位置から原稿載置面20を照らす。図3Aと図3Bとでは、光源部5の高さは距離Dzだけ異なっている。従って、光源部5は、アーム2を縮めれば、カメラ1aの小さな読取範囲W1を効率的に照らすことができ、アーム2を伸ばせば、照明範囲を広げて大きな読取範囲W2の全体を照らすことができる。
【0032】
さらに、光源部5は、傾斜したアーム2に沿って設けられている。そして、光源部5の照明は、アーム2の伸縮量に関わらずに原稿載置面20に対して斜めに照射される。そのため、照明の直接的な反射光がカメラ1aに入射することが回避され、書籍の紙面で照明が散乱した光がカメラ1aに入射される。それゆえ、主にイメージセンサの出力が飽和することで発生する画像の白とびやスミアが生じることが回避され、カメラ1aは、綺麗で正確な画像を取り込むことができる。また、光源部5が、傾斜したアーム2に設けられ、かつX方向においてアーム2側の境界線fからオフセットLだけ離れていることで、光源部5は必ずカメラ1aの画角の外に配置されることになるため、光源部5の照射光が直接的にカメラ1aのカメラレンズに入射することが回避される。それゆえ、カメラ1aは、綺麗で正確な画像を取り込むことができる。
【0033】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2の画像読取装置の作用を説明する説明図である。
【0034】
実施の形態2の画像読取装置は、装置が載置されるX−Y面を水平面として、脚部3の上面に先端側から根元側(支持部側)へ向かうに従って高くなる傾斜(θs)が設けられている。この傾斜により、撮影対象の書籍を載置した際に上記傾斜に沿って書籍が斜めに保持される。すなわち、原稿載置面20が上記傾斜に沿って斜めに設定される。
【0035】
実施の形態2の画像読取装置は、さらに、原稿載置面20の傾斜(θs)に対応させて、カメラ1aを水平方向から同様の角度θsだけ傾けている。表現を変えれば撮影部1の撮影方向を、脚部3の上面の傾斜に対応して鉛直方向よりアーム2の支持部4aの方へ傾けている。すなわち、カメラ1aの撮影方向(カメラレンズの光軸方向、画角θi+θiの中心方向)が、原稿載置面20とほぼ直交する向きに設定されている。
【0036】
ただし、実施の形態2の画像読取装置においても、実施の形態1と同様に、カメラ1aの画角のうちアーム2側の境界線fは、アーム2の伸縮方向と平行に設定されている。さらに、実施の形態1と同様に、アーム2の先端からカメラ1aまでのオフセットと、アーム2の支持部4aから原稿載置面20の一端の位置P0までのオフセットとが、ほぼ同一にされている(図3A,図3Bを参照)。位置P0は、書籍の端部が当接されるストッパー8の位置、或いは、目印7により位置合わせされる書籍の一辺と支持部4aからX方向に伸びる直線との交点の位置である。
【0037】
この実施の形態2の画像読取装置によれば、実施の形態1と同様に、ユーザは、書籍の一端を位置P0に合わせてアーム2の伸縮量を調整するだけで、撮影部1と書籍とを適切な距離および配置に調整することができる。さらに、この実施の形態2の画像読取装置によれば、原稿載置面20が手前に低く奥に高くなる向きに傾斜しているので、書籍をセットする際および書籍のページをめくる際の作業性が向上し、また、セットされた書籍の視認性が向上する。
【0038】
なお、水平面に対して傾斜する原稿載置面20の長さは、当該画像読取装置が読み取ることを想定する最大原稿サイズ(例えばA3サイズであれば、その短手方向である297mm)の全てを原稿載置面20によって支持する長さとすることが望ましい。即ち、図4Bに記載した原稿載置面20を(X方向からθsだけ傾斜した方向に)延伸し、P0−PE2間にわたって延在させることが望ましい。このようにすることで、原稿載置面20に載置された書籍等の原稿面とカメラ1aの光軸が略直交することになり、撮像領域の全体で形状歪みの少ない(偏りのない)画像を取得することが可能となる。
【0039】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3の画像読取装置の作用を説明する説明図である。
【0040】
実施の形態3の画像読取装置は、装置が載置されるX−Y面を水平面として、脚部3の上面に先端側から根元側へ向かうに従って低くなる傾斜(θs’)が設けられている。この傾斜により、撮影対象の書籍等を載置した際に上記傾斜に沿って書籍が斜めに保持される。すなわち、原稿載置面20が上記傾斜に沿って斜めに設定される。
【0041】
実施の形態3の画像読取装置は、さらに、原稿載置面20の傾斜(θs’)に対応させて、カメラ1aを水平方向(水平面と平行な線)から同様の角度θs’だけ傾けている。表現を変えれば撮影部1の撮影方向を、脚部3の上面の傾斜に対応して鉛直方向より脚部3の先端部の方へ傾けている。すなわち、カメラ1aの撮影方向(カメラレンズの光軸方向、画角θi+θiの中心方向)が、原稿載置面20とほぼ直交する向きに設定されている。
【0042】
ただし、実施の形態3の画像読取装置においても、実施の形態1と同様に、カメラ1aの画角のうちアーム2側の境界線fは、アーム2の伸縮方向と平行に設定されている。さらに、実施の形態1と同様に、アーム2の先端からカメラ1aまでのオフセットと、アーム2の支持部4aから原稿載置面20の一端の位置P0までのオフセットとが、ほぼ同一にされている(図3A,図3Bを参照)。位置P0は、書籍の端部が当接されるストッパー8の位置、或いは、目印7により位置合わせされる書籍の一辺と支持部4aからX方向に伸びる直線との交点の位置である。
【0043】
この実施の形態3の画像読取装置によれば、実施の形態1と同様に、ユーザは、書籍の一端を位置P0に合わせてアーム2の伸縮量を調整するだけで、撮影部1と書籍とを適切な距離および配置に調整することができる。さらに、この実施の形態3の画像読取装置によれば、原稿載置面20が手前に高く奥に低くなる向きに傾斜しているので、書籍をセットした後に書籍が手前に滑り落ちてくることがなく、安定して支持することが可能となる。
【0044】
図5A,Bにおいて9は引出式トレイである。
【0045】
図6は、本発明の実施の形態3における引出式トレイ9の構成を示す説明図である。
以降、図5に図6を併用して引出式トレイ9の構成と機能について説明する。
【0046】
脚部3には引出式トレイ9を収納する空間である凹部(図示せず)が設けられ、使用しないとき、引出式トレイ9は脚部3の内部に収納される。未使用時や、小サイズの書籍を読取る場合等、引出式トレイ9を脚部3に収納することで装置サイズをコンパクトにできる。一方、大判書籍やA3用紙等を読取る際は、2つの引出式トレイ9を回動軸12を中心にDxの方向に回転させて脚部3の外部に引き出して使用する。
【0047】
実施の形態3においては、脚部3は支持部4a(根元)よりもユーザが操作する側に高くなるように構成されているが、引出式トレイ9の引き出し具合(左右の回転角度は変えてもよい)を調整することで、ユーザの側において、特に単葉の書類等が撓んで変形することもなく、様々なサイズの原稿を原稿載置面20が形成する平面上に設置することができる。このようにすることで、原稿載置面20に載置された書籍等の原稿面とカメラ1aの光軸が略直交することになり、撮像領域の全体で形状歪みの少ない(偏りのない)画像を取得することが可能となる。
【0048】
以上、本発明の各実施の形態について説明した。
【0049】
なお、上記実施の形態では、画像読取装置が、書籍の一端を位置決めする目印7およびストッパー8を備える構成としたが、目印7およびストッパー8を備えない構成としてもよい。この場合でも、ユーザは、例えば、映像画面を見ながら映像画面の端に書籍の一端を合わせることで、目印7またはストッパー8が有る場合と同様に、書籍の位置合わせを行うことができる。また、図4AにP0としてに示すように、脚部に目印7の代りに切り欠きを設けて、これをストッパーとしてもよい。
【0050】
また、上記実施の形態では、アームがスライド機構により伸縮する構成としたが、アームは様々な伸縮機構によって伸縮する構成としてもよい。また、アームは、伸縮によって撮影部を画角の境界線に沿って移動させることができれば、直線形状でなく折り曲がった形状をしていてもよい。
【0051】
また、実施の形態3で説明した引出式トレイ9は、実施の形態1,2のいずれについても簡単に応用することができる。
【0052】
また、上記実施の形態では、書籍の紙面を撮影対象とする例をとって説明したが、本発明の画像読取装置の撮影対象は書籍以外にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、書籍の紙面を撮影する画像読取装置に適用できる。
【符号の説明】
【0054】
1 撮影部
1a カメラ
2 アーム
3 脚部
4 土台部
4a 支持部
5 光源部
5a 発光素子
7 目印
8 ストッパー
9 引出式トレイ
f 画角の境界線



【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影を行う撮影部と、
前記撮影部を撮影面に対向させた向きで支持するアームと、
前記撮影部の画角内と画角外との前記アーム側の境界線に略沿った方向に前記アームを伸縮可能とするアーム伸縮部と、
を具備する画像読取装置。
【請求項2】
撮影対象物の端部を合わせる位置決め部をさらに具備し、
前記アームの伸縮経路に沿った直線から前記位置決め部までの位置ズレ量と前記直線から前記撮影部までの位置ズレ量とが略同一である
請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記位置決め部は目印である
請求項2記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記位置決め部は、撮影対象物である印刷物の端部を係止するストッパーである
請求項2記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記アームが支持される土台部から二方向に伸びて装置を支える脚部をさらに具備し、
前記アームは前記脚部の二つの長手方向に沿った面に対して斜めの向きに支持され、
前記撮影部は前記脚部の二つの長手方向に沿った面に対向する向きに支持されている
請求項1記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記脚部の上面には前記アームの支持部側へ進むに従って高くなる傾斜が設けられ、
前記撮影部の撮影方向が、前記脚部の上面の傾斜に対応して鉛直方向より前記アームの支持部の方へ傾いている
請求項5記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記脚部の上面には前記アームの支持部側へ進むに従って低くなる傾斜が設けられ、
前記撮影部の撮影方向が、前記脚部の上面の傾斜に対応して鉛直方向より前記脚部の先端部の方へ傾いている
請求項5記載の画像読取装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−62782(P2013−62782A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201729(P2011−201729)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【特許番号】特許第4991016号(P4991016)
【特許公報発行日】平成24年8月1日(2012.8.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】