説明

畦畔散布機

【課題】散布の均一性を容易に確保可能な畦畔散布機を提供する。
【解決手段】走行装置50上に薬剤を繰り出す繰出装置24と、薬剤を放擲するスピンナー32と、を具備する畦畔散布機1であって、スピンナー32を収容するスピンナーケース31の上部左右両側に散布口37を設け、散布口37内に複数の角度の異なるガイド部材41を設けた。そして、散布口37とスピンナー32との間に散布方向切替手段34を設けた。また、散布方向切替手段34にリミットスイッチ45・45を設けて、散布方向切替手段34と、スピンナー32を駆動させる散布モーター30と、を接続し、散布方向の切り替えに連動してスピンナー32の回転方向を変更するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力散布装置を移動台車に搭載した畦畔散布機の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、走行装置を具備する移動台車の上に、動力散布装置を載置した畦畔散布機がある。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献に記載の畦畔散布機では、ファンの吐出口に散布管を接続し、該散布管の側面には散布の均一性を確保するように、複数の噴口が所定間隔をあけて開口され、該噴口の内部には衝突板を設けて吐出方向を変更するようにしている。そして、該散布管を傾斜した状態で散布できるように、移動台車に支柱を立設し、該支柱と該散布管をワイヤまたはロープ等で連結している。また、該散布管を上下方向に回動して角度調節することにより、散布飛距離を調整するようにしている。さらに、走行速度、散布飛距離を変更した場合には、作業者が散布量調整レバーを操作することにより、散布の均一性を確保するようにしている。
【特許文献1】特開2002−361136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、散布方向や散布飛距離を調整する場合には、散布管が長いため、僅かな角度の変更により、散布飛距離が大きく変化することから、散布管の取り扱いに注意を要する。そして、畦の両側に圃場がある場合等で、片側の散布が終了し、反対側の圃場へ散布する時には、散布管の向きを左または右に回動する必要があるため、散布飛距離等も再度調整する必要があることから、散布が安定しないことがある。さらに、走行速度や散布量を変更する場合には、作業者が本機側の散布量調整レバーを操作するが、ハンドルよりも離れた位置に配置されているので、畦上での操作は面倒な作業となる。また、手動操作であるため、散布位置の正確な再現等の微妙な調節が難しく、散布ムラが生じることがある。
【0004】
本発明は以上の如き状況に鑑み、散布の均一性を容易に確保可能な畦畔散布機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
即ち、請求項1においては、走行装置上に薬剤を繰り出す繰出装置と、薬剤を放擲するスピンナーと、を具備する畦畔散布機であって、該スピンナーを収容するスピンナーケースの上部左右両側に散布口を設け、該散布口内に複数の角度の異なるガイド部材を設けたものである。
【0007】
請求項2においては、走行装置上に薬剤を繰り出す繰出装置と、薬剤を放擲するスピンナーと、を具備する畦畔散布機であって、該スピンナーを収容するスピンナーケースの上部左右両側に散布口を設け、該散布口と該スピンナーとの間に散布方向切替手段を設けたものである。
【0008】
請求項3においては、前記散布方向切替手段に散布方向検知手段を設けて、該散布方向検知手段と、前記スピンナーを駆動させる散布モーターと、を接続し、散布方向の切り替えに連動して該スピンナーの回転方向を変更するようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0010】
請求項1においては、薬剤が散布口からガイド部材に沿って放擲されるようになり、散布飛距離が長い範囲や短い範囲等で、薬剤の散布を略均一にできるようになる。また、散布管を接続して長くする必要がないため、機体をコンパクトに構成することができ、取り扱いが容易となる。
【0011】
請求項2においては、従来のような散布管を用いた場合には、散布管の向きを左または右に変更する必要があり、面倒な作業となっていたが、スピンナーケースに設けた散布方向切替手段の操作で容易に散布方向が変更できるようになる。
【0012】
請求項3においては、散布方向を切り替えるだけで、スピンナーの回転方向が変更され、散布方向の変更操作が容易となり、操作間違いがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る畦畔散布機の全体的な構成を示した右側面図、図2は同じく正面図、図3は同じく平面図、図4は本発明に係る散布方向を切り替える散布方向切替手段を示した正面図、図5は本発明に係る制御ブロック図である。
【0014】
以下では、図1から図3を用いて、本発明における畦畔散布機の実施の一形態である畦畔散布機1の全体構成について説明する。なお、図1および図3に示す矢印Aの方向を「前方」とする。
畦畔散布機1は、動力散布装置2と、移動台車5と、を具備する。畦畔散布機1は、走行装置50を具備する移動台車5の上に動力散布装置2を載置している。走行装置50は、バッテリー11から供給される電力により作動する走行モーター51により駆動され、薬剤もしくは肥料を散布しながら、走行できるように構成されている。
【0015】
以下では、図1から図3を用いて、移動台車5の詳細構成について説明する。
移動台車5は、動力散布装置2を載置して、走行するためのものであって、フレーム54と、ハンドル55・55と、走行装置50と、バッテリー11と、スタンド56と、を具備する。
【0016】
フレーム54は、平面視口状に構成された水平フレーム54aと、水平フレーム54aの左右両側から下方に垂設して、側面視逆門型状に構成された縦フレーム54bと、を連結して構成されている。水平フレーム54aの上部には、動力散布装置2と、バッテリー11と、を載置し、下部には走行装置50を配置し、後部両側にはハンドル55・55を斜め後上方に突設している。縦フレーム54bの後下部には、スタンド56の一端が回動可能に設けている。ハンドル55・55のグリップ近傍には、走行速度設定器73を配置している。なお、後述する薬剤種類設定器71や散布飛距離設定器72、繰出量設定器74等の走行や散布に関わる操作器具もハンドル55・55のグリップ近傍に配置することも可能である。
【0017】
走行装置50は、前輪53F、後輪53Rの前後二輪からなる走行車輪53と、走行モーター51と、走行モーター51から前輪53Fおよび後輪53Rに動力を伝達する動力伝達機構等を備えている。該動力伝達機構は、チェーン52・52、スプロケット(図符号なし)等から構成されているが、ベルト伝動式やシャフト伝動式等で構成することも可能であり限定するものではない。
なお、本実施例では、前輪53Fおよび後輪53Rの両方を駆動する構成としているが、前後一方もしくはそれぞれ独立に駆動する構成とすることも可能である。また、走行可能であれば走行車輪53の車輪の数は特に限定しない。あるいは、走行装置50は、クローラー式とすることも可能である。
【0018】
バッテリー11は、走行装置50の走行モーター51と、後述する動力散布装置2の散布モーター30と、繰出モーター23と、測定器(センサー)や制御装置等に電力を供給するための手段である。
なお、本実施例では、バッテリー11により動力散布装置2と、走行装置50と、を駆動するものとしているが、駆動手段はエンジンでも駆動可能である。エンジン駆動の場合、ファン駆動軸と、走行駆動軸と、繰出軸とにはクラッチを設けて、スイッチ等の操作で動力を断接可能に構成する。
【0019】
スタンド56は、畦畔散布機1を非作業時や格納時等に立った状態に保持するためのものであって、フレーム54の後下部に設けられている。スタンド56は、背面視略U字状であり、回動基部側が縦フレーム54bの後下部に支持されて、前後水平とした状態と上下鉛直方向に回動した状態を維持できるように構成されている。スタンド56の他側は、裾広がりに構成されて安定性を高めた構成としている。なお、スタンド56は、フレーム54の前部に設けてもよい。
【0020】
以下では、図1から図4を用いて、動力散布装置2の詳細構成について説明する。
動力散布装置2は、薬剤を散布する散布部29と、薬剤を繰り出し、散布部29に供給する繰出部21とからなる。
【0021】
先ず、散布部29について説明する。
散布部29は、スピンナー32と、散布モーター30と、散布口37・37と、散布方向切替手段34とからなる。
【0022】
スピンナー32は、円板状の回転体であって、畦畔散布機1の進行方向と平行な前後水平方向の中心に設けた回転軸と、スピンナー32の周囲に配置された拡散羽根33と、を具備する。拡散羽根33は、円板の一側面に中心から所定距離あけて、円周に沿って均等角度毎に複数枚放射状に立設されている。スピンナー32は、スピンナーケース31内に収納されており、回転軸が散布モーター30の出力軸と連結されて、回転駆動するように構成されている。スピンナーケース31上部には分岐部を設けて、該分岐部の左右両側には、斜め両外側上方向に開口する散布口37・37が設けられている。
こうして、回転するスピンナー32の中心部に薬剤を落下させると、薬剤は拡散羽根33の回転でスピンナーケース31の内周に沿って上方に搬送され、遠心力と送風によりスピンナーケース31の上部から後述するガイド板35を介して散布口37・37から右外または左外方向に放擲される。
【0023】
散布口37・37は、断面視略扇形状に構成して、中心側をスピンナー32の上方に位置させてスピンナーケース31内と連通し、円弧側の開放部を上側方に向けて配置されている。そして、散布口37・37内には、スピンナー32により放擲される薬剤を案内するガイド部材41・41が設けられ、散布範囲内で均等に散布できるようにしている。散布口37・37およびガイド部材41・41は、左右で同じ構成としているので左右片側について説明する。
【0024】
図2および図4に示すように、散布口37内には、複数(本実施例では二つ)のガイド部材41a・41bが設けられている。ガイド部材41a・41bは、プレート状に構成して、散布口37における左右水平方向の下面37aから所定角度傾斜させ、それぞれ所定の空間を隔てて下側のガイド部材41aが散布口37内に横設されている。ガイド部材41aから、さらに上方に所定角度傾斜させ、所定の空間を隔てて上側のガイド部材41bが散布口37内に横設されている。つまり、散布口37内をガイド部材41a・41bにより、上下略3等分に分けられて、下面37aからのガイド部材41a・41bの角度は、ガイド部材41bがガイド部材41aよりも勾配を大きく構成している。
このように、散布口37内に角度の異なるガイド部材41a・41bを上下に配置することで、遠距離用通路と、中距離用通路と、近距離用通路と、を構成して、吐粒口を長くすることなく、吐出方向(左右方向)に対して均一に散布できるようにしている。なお、ガイド部材41a・41bは、一端を支点として回動可能に構成して、散布飛距離に応じてそれぞれ角度を調節できるように構成することも可能である。なお、本実施例では、ガイド部材41は二つであるが個数は特に限定するものではなく、個数を多くすることにより、更に均一に散布することが可能となる。
【0025】
散布方向切替手段34は、散布口37・37と、スピンナー32との間の分岐部に配置されている。つまり、スピンナー32の上方のスピンナーケース31の上部出口に、散布口37・37と連通する分岐部を設けて、該分岐部に開口した空間を形成し、この開口部に散布方向切替手段34が配置される。散布方向切替手段34は、回動支点軸42と、ガイド板35と、操作レバー43と、ツマミ36と、を具備し、分岐部に配置されている。
回動支点軸42は、スピンナーケース31の上部の左右中央に前後水平方向に横架して、回動自在に支持されている。スピンナーケース31内の回動支点軸42には、ガイド板35の左右中央部が固設されている。
ガイド板35は、スピンナーケース31の上部開口の左右一端と、散布口37・37の機体内側の左右他側の上部開口との間を閉じる大きさに構成されている。つまり、分岐部の空間の対角状にガイド板35が配置されている。また、回動支点軸42の一端には、側面視略L字状の操作レバー43の一端が固設され、操作レバー43の他端はスピンナーケース31外に突出されて、ツマミ36を螺装している。スピンナーケース31には、回動支点軸42を中心とした長孔44が開口され、操作レバー43をガイドする構成としている。
このような構成において、ツマミ36を緩めて長孔44内の一端から他端へ回動してツマミ36を締め付けると、切替位置で固定することができる。なお、左右切替位置での固定方法は限定するものではない。この位置では、操作レバー43を介してガイド板35がシーソーの如く回動されて、スピンナーケース31内と左右の散布口37・37の通路が切り替えられて、散布方向が切り替わるように構成されている。すなわち、図2および図4に示す如く、ツマミ36が正面視右側の場合、ガイド板35は左上がりの傾斜状態となり、左側の散布口37を開口して、右側の散布口37を閉じて、左側への散布が可能となる。一方、ツマミ36が正面視左側の場合、ガイド板35は右上がりの傾斜状態となり、右側の散布口37を開口して、左側の散布口37を閉じて、右側への散布が可能となる。
【0026】
また、散布方向切替手段34には、散布方向検知手段が設けられており、本実施例では、リミットスイッチ45・45が操作レバー43を検知するように、長孔44の両側に配置されている。なお、散布方向検知手段は、リミットスイッチ45・45に限定するものではなく、スイッチや位置センサー、近接センサー等で構成することも可能である。また、リミットスイッチ45・45の配置位置も限定するものではなく、ツマミ36またはガイド板35の位置や有無を検知する構成であってもよい。リミットスイッチ45・45は、制御部75と接続されており、制御部75には、散布モーター30が接続されている。
こうして、ツマミ36の操作に連動して、散布モーター30の回転方向が切り替わるように構成されている。すなわち、ツマミ36が正面視右側に回動されて、ガイド板35が左上がりの傾斜状態で、散布方向が左側の場合、散布モーター30の回転方向は反時計回り(左回転)となる。一方、ツマミ36が正面視左側に回動されて、ガイド板35が右上がりの傾斜状態で、散布方向が右側の場合、散布モーター30の回転方向は前記と逆の時計回り(右回転)となる。このようにして、散布方向を切り替えるだけで散布モーター30の回転方向も切り替えられ、散布方向を切り替える度に散布モーター30の回転方向を変更する操作を省き、散布モーター30の回転方向の間違いを防止することができる。
【0027】
次に、繰出部21について説明する。
繰出部21は、ハンドル55・55の前方で散布部29の後方に位置し、バッテリー11の上方に配置されている。繰出部21は、繰出装置24と、薬剤タンク22と、繰出モーター23とからなる。
【0028】
繰出装置24は、繰出ケース25と、水平目皿26と、繰出口27と、を具備する。繰出装置24は、薬剤タンク22の下部に設けられており、薬剤タンク22に充填された薬剤を設定量ずつ繰り出すための装置である。薬剤タンク22の上部に設けた蓋を開けて、薬剤を補給することができる。繰出ケース25の下部内に、切り欠きまたは孔を設けた水平目皿26を収納し、その下方に配置した繰出モーター23により回転可能に設けている。
【0029】
繰出モーター23は、制御部75と接続されており、制御部75には、繰出量設定器74や薬剤種類設定器71等が接続され、これらの設定器の設定値に応じた回転数で駆動される。繰出モーター23の出力軸には、水平目皿26の中心が固設されている。水平目皿26下方の繰出ケース25下端には、漏斗状の繰出口27が配置されており、繰出口27の下部には、導入パイプ28が連通され、導入パイプ28の他端は、スピンナー32の中心部に延設されている。
こうして、繰出モーター23を駆動させることにより水平目皿26が回転され、この回転数を変更することにより、繰出量を調整できるようにしている。水平目皿26から落下した薬剤は、繰出口27から導入パイプ28を介してスピンナー32の中心部に至り、拡散羽根33の上部に薬剤が落下し、スピンナー32の回転によって、薬剤が散布口37・37から放擲されるようになっている。
なお、水平目皿26を、孔の大きさが異なる水平目皿や孔の数や孔形状の異なる水平目皿と交換することにより、大きさや効能等の異なる種類の薬剤を散布することが可能となる。また、本実施例では、繰り出し方法は水平目皿式としたが、例えば、溝を設けたロールを回転させて繰出量を調整する横溝ロール式や、シャッターの開閉により繰出量を調整するシャッター式なども実施可能である。
【0030】
以下では、図5を用いて、制御部75の詳細構成について説明する。
制御部75は、薬剤の種類を入力する薬剤種類設定器71と、散布飛距離を設定する散布飛距離設定器72と、走行速度を設定する走行速度設定器73と、繰出装置24の繰出量を設定する繰出量設定器74と、リミットスイッチ45・45と、繰出モーター23と、散布モーター30と、走行モーター51と、を接続している。制御部75は、薬剤種類設定器71により薬剤の種類を設定すると、薬剤の種類に応じた散布量を演算する。さらに、散布飛距離を散布飛距離設定器72により設定することにより、スピンナー32の回転数が演算される。例えば、散布飛距離を長くするには、散布モーター30の回転数を増加させることにより、吐出風量を増加させて散布飛距離を長くする。
また、走行速度を走行速度設定器73により設定すると、走行速度に合わせて繰出モーター23の回転数が補正される。例えば、走行速度が速い場合は、水平目皿26の回転数を増加させることにより薬剤の繰出量を増加させて、走行速度が遅い場合は、水平目皿26の回転数を減少させることにより薬剤の繰出量を減少させて、散布の均一性を確保する。なお、走行速度をセンサーにより検出して、制御部75で演算する構成とすることにより、より正確な散布制御が可能となる。
【0031】
こうして、繰出モーター23および散布モーター30の回転数が設定される。そして、作業時に、散布量の過不足を判断した場合には、繰出量設定器74により演算した設定量を増減できるように、繰出モーター23の回転数を手動で変更可能としている。また、走行速度設定器73により設定された走行速度となるように走行モーター51が駆動される。走行速度設定器73を操作して、走行速度を変更した場合には、制御部75は、その速度に応じた繰出モーター23の回転数を演算して、繰出モーター23回転数を変更し、均一な散布ができるようにしている。
【0032】
以上の如く、本実施例の畦畔散布機1は、走行装置50上に薬剤を繰り出す繰出装置24と、薬剤を放擲するスピンナー32と、を具備する畦畔散布機1であって、スピンナー32を収容するスピンナーケース31の上部左右両側に散布口37を設け、散布口37内に複数の角度の異なるガイド部材41を設けたものである。
このように構成することにより、薬剤が散布口からガイド部材に沿って放擲されるようになり、散布飛距離が長い範囲や短い範囲等で薬剤の散布を略均一にできるようになる。また、散布管を接続して長くする必要がないため、機体をコンパクトに構成することができ、取り扱いが容易となる。
また、走行装置50上に薬剤を繰り出す繰出装置24と、薬剤を放擲するスピンナー32と、を具備する畦畔散布機1であって、スピンナー32を収容するスピンナーケース31の上部左右両側に散布口37を設け、散布口37とスピンナー32との間に散布方向切替手段34を設けたものである。
このように構成することにより、従来のような散布管を用いた場合には、散布管の向きを左または右に変更する必要があり、面倒な作業となっていたが、スピンナーケースに設けた散布方向切替手段の操作で容易に散布方向が変更できるようになる。
そして、散布方向切替手段34にリミットスイッチ45・45を設けて、散布方向切替手段34と、スピンナー32を駆動させる散布モーター30と、を接続し、散布方向の切り替えに連動してスピンナー32の回転方向を変更するようにしたものである。
このように構成することにより、散布方向を切り替えるだけで、スピンナーの回転方向が変更され、散布方向の変更操作が容易となり、操作間違いがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る畦畔散布機の全体的な構成を示した右側面図。
【図2】同じく正面図。
【図3】同じく平面図。
【図4】本発明に係る散布方向を切り替える散布方向切替手段を示した正面図。
【図5】本発明に係る制御ブロック図。
【符号の説明】
【0034】
1 畦畔散布機
24 繰出装置
30 散布モーター
31 スピンナーケース
32 スピンナー
34 散布方向切替手段
37 散布口
41 ガイド部材
45 リミットスイッチ
50 走行装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置上に薬剤を繰り出す繰出装置と、薬剤を放擲するスピンナーと、を具備する畦畔散布機であって、該スピンナーを収容するスピンナーケースの上部左右両側に散布口を設け、該散布口内に複数の角度の異なるガイド部材を設けたことを特徴とする畦畔散布機。
【請求項2】
走行装置上に薬剤を繰り出す繰出装置と、薬剤を放擲するスピンナーと、を具備する畦畔散布機であって、該スピンナーを収容するスピンナーケースの上部左右両側に散布口を設け、該散布口と該スピンナーとの間に散布方向切替手段を設けたことを特徴とする畦畔散布機。
【請求項3】
前記散布方向切替手段に散布方向検知手段を設けて、該散布方向検知手段と、前記スピンナーを駆動させる散布モーターと、を接続し、散布方向の切り替えに連動して該スピンナーの回転方向を変更するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の畦畔散布機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−271930(P2008−271930A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122888(P2007−122888)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター 刊行物名 平成18年度事業報告 発行年月日 平成19年3月1日
【出願人】(390029621)ニューデルタ工業株式会社 (55)
【出願人】(000006851)ヤンマー農機株式会社 (132)
【出願人】(501203344)独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 (827)
【Fターム(参考)】