説明

監視システム

【課題】ユーザが保有している固有識別情報を照合する識別情報入力端末から通知される情報をもとに画像録画を行うか否かの選択やエレベータボタンの押機能を有効にするか否かの制御をユーザが制御できるようにすること。
【解決手段】本発明の監視システムは、ユーザが保有している固有識別情報8を掲示することにより、識別情報入力端末7から通知される情報を識別情報検出部18で受け取り、ユーザからの要求であると判断した場合、画像記録部13の記録動作を抑止することができる。また、識別情報検出部18は、エレベータボタン部40に対してエレベータボタンの押機能を許可する信号をある一定時間出力し、本信号が出力されている間は、エレベータボタンの押機能が有効となり、その情報がエレベータ制御部41に伝達され、エレベータカゴの昇降動作や扉の開閉動作が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続しているカメラまたはカメラ素子からの映像の録画の抑止、エレベータボタンの押機能の制御ならびにユーザ固有識別情報を照合する識別情報入力端末に格納されているユーザ固有識別情報を遠隔から管理することができる監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の監視システムは、カメラなどの撮影装置だけを撮影する場所に設置し、管理人室等でこの撮影装置などからの映像を録画装置に録画するといったものであり、その録画方法は常時録画するものであった。または、人がカメラの撮影範囲に入った時にだけ録画を行うようなものであった。このような監視システムには、録画機能以外における制御機能は搭載されていなかった。
【特許文献1】特開2002−314476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年は、監視カメラによる無差別の画像録画に対して個人のプライバシー侵害といった観点から問題となってきており、特に一般的な居住区域内においては居住者のプライバシー保護の点から居住者のみが画像録画を抑止でき、部外者だけまたは居住者と部外者がカメラの撮影範囲にいる場合にはセキュリティーおよび保安の観点から画像録画を行うといった画像録画動作に対する居住者による選択操作ができなかった。また、エレベータカゴへ搭乗する際に使用するエレベータボタンの押機能は、誰もが操作可能であり、居住者のみが押機能の操作を有効にすることのできる機能もなかった。
【0004】
本発明は、ユーザ固有識別情報を照合する識別情報入力端末から通知される情報をもとに画像録画を行うか否かの選択を可能とし、またユーザ固有識別情報をもとにエレベータボタンの押機能を制御することを可能とし、更にユーザ固有識別情報を照合する識別情報入力端末に格納されているユーザ固有識別情報を遠隔から管理することのできる監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の監視システムは、カメラ及びカメラ素子からの映像信号を受信するカメラ信号受信手段と映像信号を画像データに変換する画像処理手段と状態変化を検出したときに画像データを記録する画像記録手段とユーザが保有している固有識別情報を照合する識別情報入力端末から通知される固有識別情報を入力する手段を備え、前記識別情報入力端末から通知される情報が正しい場合のみ画像録画の停止を行う。更には、エレベータボタンの押機能の制御をも可能にする。
これにより、ユーザーのプライバシー保護ならびにセキュリティを確保することが可能になる。
【0006】
ユーザーの固有識別情報としては、カード、携帯電話、指紋、網膜、静脈等の固有識別情報を利用することができる。監視システムは、カメラの撮影範囲に人がいた場合、状態変化を検出し画像録画を開始する。その時に、固有識別情報として例えばカードを利用する場合、ユーザは識別情報入力端末にカードを掲示し、識別情報入力端末は、予め登録されているカード情報とユーザが掲示するカードからカード情報を読み取り、同じであればその情報を監視本体に通知する。識別情報入力端末から通知された情報により、監視システムは、プライバシーモードと判断し、画像録画を停止する。再度、ユーザが識別情報入力端末にカードを掲示し、識別情報入力端末から同じ情報が通知された場合、監視システムは直ちにプライバシーモード状態を解除し、画像録画を再開する。また、プライバシーモード状態において、ある一定時間状態変化の検出がなかった場合、監視システムは、新たな状態変化の検出モードとなり、画像録画停止状態から録画開始準備状態に復帰する。
これにより、ユーザはユーザ本人が保有している識別情報により、画像録画の停止、再開が自由に制御することができ、プライバシーの保護が可能となる。
【0007】
識別情報入力端末から通知される情報をもとに、監視システムは、エレベータボタンの押機能を許可する信号をある一定時間出力する。この信号をエレベータボタン部へ伝達し、エレベータボタンの押情報がエレベータカゴの昇降動作や扉の開閉等を行うエレベータ制御部へ通知されることを許可する信号として使う。または、前記エレベータボタンの押機能を許可する信号を直接、前記エレベータ制御部へ通知する場合、その信号を受け取ったエレベータ制御部はエレベータボタンから送られてくる押情報を有効なものとして受け付け、エレベータカゴの昇降動作、扉の開閉動作等の指示をエレベータカゴに対して行う。
一定時間経過後は、前記エレベータボタンの押機能を許可する信号出力は停止するため、一定時間経過後はエレベータボタンの押機能は抑止された状態に戻る。再度、エレベータボタンの押機能を許可する信号を出力させるためには、ユーザが識別情報入力端末にカードを再度、掲示する必要がある。
これにより、ユーザがエレベータボタンの押機能を制御することができ、部外者によるエレベータボタンの押機能を抑止することが可能となることで、セキュリティ確保ができる。
【0008】
固有識別情報を照合する識別情報入力端末に格納してあるユーザが保有している固有識別情報を遠隔地より本発明の監視システムの移動体通信網接続手段と移動体通信網を利用しアクセスし、あらかじめ登録してある着信先からの着信であれば本発明の監視システムは接続し、遠隔地より要求されているユーザが保有している固有識別情報の追加・削除・修正等の情報を受け取り、前記識別情報入力端末との通知手段を使い、前記識別情報入力装置に格納してあるユーザ固有識別情報の変更を行う。
これにより、ユーザ固有識別情報の管理を容易に且つ、集中して行うことが可能となる。
【0009】
本発明の監視システムにユーザが保有している固有識別情報を照合する識別情報入力装置から開閉の制御またはユーザ居住内制御装置から開閉の制御が行われる共用扉の開閉制御装置から共用扉の開情報を受け取る手段を設け、前記開閉制御装置から情報を受け取った場合、一定時間エレベータボタンの押機能の抑止を停止し、有効とする。
これにより、ユーザまたはユーザが許可した者のみがエレベータボタンの押機能を利用し、エレベータに搭乗することができるため第三者の侵入を防ぐことが可能となり、セキュリティの確保ができる。
【0010】
本発明の監視システムに、遠隔地の管理センターから移動体通信網と移動体通信網接続手段経由で着信してきたときに、あらかじめ登録してある電話番号からの着信であるかを検出し、登録してある電話番号であった場合、リモートアクセスサーバ手段で接続する手段を設け、接続後はWWWサーバ手段を用いてカメラまたはカメラ素子から入力されてくる画像を遠隔地の管理センターに配信する。
これにより、遠隔地よりカメラの撮影範囲がわかり、自然もしくは故意にカメラの撮影範囲が変更されていないかの確認を定期的に行うことができ、画像監視をより確実なものにすることができる。
【0011】
本発明の監視システムに緊急呼出用に設置してあるインタホンから呼び出し要求が発生した場合の呼び出し要求を受付ける手段を設け、前記呼び出し要求を受付けた場合、監視システムに接続しているカメラから入力されてくる現在の映像信号を、画像処理手段を使って画像データに変換し、あらかじめ登録してある電子メールアドレスに対して、メール送信手段と移動体通信網接続手段と移動体通信網を使い、画像付電子メールを送る手段を設ける。また、電子メールの本文に現在移動体通信網を経由して接続している監視システムのURLを記載しておき、メールを受け取った側は、記載してあるURLにアクセスすることで監視システムと接続され、WWWサーバ手段を用いて最新の現場の画像を確認することができる。
これにより、これまではインタホン経由で音声だけの応対を行っていたが、現在の現場状況が画像として確認できることで、遠隔地のオペレータから適切な指示を出すことが可能となる。
【0012】
本発明のシステムに、機器状態の管理制御を行う管理制御装置から、機器の管理情報を遠隔地の管理センターへ送信する要求を受付ける手段を設け、前記管理装置から送信要求を受付けた場合、あらかじめ監視システムに登録してある電話番号に対して移動体通信網接続手段と移動体通信網を使って発信し、前記遠隔地の管理センターが受付けた後、前記管理装置から受け取った機器状態情報と必要とされる機器の画像を前記遠隔地の管理センターへ送信する。
これにより、これまで機器状態情報通知用として別に通信回線が必要であったが、監視システムと通信回線を共用することで通信費を抑えることができる。また、機器状態を画像で確認できるため、正確な機器管理の実現ができる。
【0013】
本発明の監視システムに、遠隔地の管理センターから機器状態の管理情報の要求を受付ける手段を設け、前記遠隔地の管理センターの電話番号をあらかじめ登録しておき、移動体通信網と移動体通信網接続手段から、着信を受けた電話番号と登録してある電話番号を比較し、同じであれば、接続要求を受付け、機器管理装置との接続手段から現在の機器状態の情報を要求し、前記機器管理装置との接続手段から受け取った機器状態と、必要とされる機器の画像を前記遠隔地の管理センターへ受け渡す機能を設ける。
これにより、遠隔地の管理センターからは機器状態の情報を任意に取り出せることができるとともに監視システムと通信回線を共用することで通信費を抑えることができる。また、機器状態を画像で確認できるため、正確な機器管理の実現ができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザ固有識別情報を照合する識別情報入力端末から通知される情報をもとに画像録画を行うか否かの選択を可能とし、またユーザ固有識別情報をもとにエレベータボタンの押機能を制御することを可能とし、更にユーザ固有識別情報を照合する識別情報入力端末に格納されているユーザ固有識別情報を遠隔から管理することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。第1実施形態の監視システムを用いた基本構成図を図1に示す。本発明の監視システム1は、監視システム1に無線または有線で接続されているカメラおよびカメラ素子2からの映像信号を受信するカメラ信号受信部11と映像信号を画像データに変換する画像処理部12と人感センサーなどの外部トリガ入力A4と当該外部トリガ入力Aを検出する検出部17と当該外部トリガ入力A4が入力されたとき、画像処理部12から送られてくる画像データを画像記録部13で録画するときに、ユーザが保有している固有識別情報8を識別情報入力端末7に掲示し、あらかじめ識別情報入力端末7に登録してある情報と固有識別情報8が一致した場合、識別情報入力端末7は識別情報検出部18へ一致した旨の情報を受け渡す。
【0016】
識別情報入力端末7より情報を受け取った識別情報検出部18は、画像記録部13に対して画像記録停止の情報を送出する。識別情報検出部18から送出されてきた情報を受けた画像記録部13は、プライバシーモードと判断し、画像録画を停止する。また、画像記録部13がプライバシーモード状態となっている時に、再度、ユーザが識別情報入力端末7に固有識別情報8を掲示したとき、前記固有情報の判断と同様に識別情報検出部18から画像記録部13へ情報が送られ、画像記録部13はプライバシーモードの解除として画像処理部12から送られてくる画像データの録画を再開する。また、画像記録部13がプライバシーモード状態のとき、ある一定時間外部トリガ入力A4からの入力がなく、外部トリガ入力A検出部17からの出力がなくなった場合、画像記録部13は、新たな外部トリガ入力Aの検出モードとなり、画像記録部13は画像録画停止状態から録画開始準備状態へ復帰する。
【0017】
図2は、第2実施形態の監視システムを用いた構成図である。エレベータボタンの押機能をユーザが制御できるようにするために第1実施形態の監視システムに更に識別情報検出部18からの出力を設け、当該出力をエレベータボタン部40と接続する。固有識別情報8を識別情報入力端末7に掲示し、あらかじめ識別情報入力端末7に登録してある情報と固有識別情報8が一致した場合、識別情報入力端末7は識別情報検出部18へ一致した旨の情報を受け渡す。識別情報入力端末7より情報を受け取った識別情報検出部18は、画像記録部13とエレベータボタン部40へ情報を渡す。
【0018】
識別情報検出部18から出力される情報を受け付けたエレベータボタン部40は、ユーザがエレベータボタンを押した情報をエレベータ制御部41へ伝達する。エレベータボタン部40からエレベータボタンの押情報を受けたエレベータ制御部41はエレベータカゴの昇降動作、扉の開閉動作等の指示を出す。また、識別情報検出部18から出力される信号をエレベータ制御部40と接続してもよい。この場合は、エレベータボタン部40から伝達されてくるユーザがエレベータボタンを押した、エレベータボタン押情報を識別情報検出部18から情報が伝達されたときのみ有効としてエレベータカゴへの指示を出す。これにより、ユーザがエレベータボタンの押機能を制御できることができ、部外者によるエレベータボタン押機能の抑止が可能となり、セキュリティ確保ができる。
【0019】
図3は、第3実施形態の監視システムを用いた構成図である。識別情報入力端末7に格納されている固有識別情報の内容変更を遠隔地の管理センター35から行う場合、管理センター35から有線もしくは無線通信網34から移動体通信網30を経由して監視装置101に発信を行う。着信を受けた監視システム101は、移動体通信接続部22から着信検出部23へ着信情報を送る。着信検出部23は、あらかじめ登録しておいた管理センター35の電話番号からの着信であるかの判断を行い、登録している電話番号からの着信であった場合、固有識別情報接続部24と管理センター35とを接続する。
【0020】
管理センター35と固有識別情報接続部24との間で識別情報入力端末7に格納してある固有識別情報の内容に関して修正、追加、削除等のやりとりを行う。修正情報等を受け取った固有識別情報接続部24は、当該情報を識別情報入力端末7に送り、当該情報を受け取った識別情報入力端末7は、格納している固有識別情報の内容の変更を行う。これにより、ユーザ固有識別情報の管理が遠隔地から容易に行うことができる。
【0021】
図4は、第4実施形態の監視システムを用いた構成図である。ユーザから許可された者のみがエレベータボタンの押機能を利用することができるようにするため、第2実施形態の監視システムに更に、共用扉開閉制御部50からの情報を受け取る手段を識別情報検出部18に設け、ユーザの居住内の居住内制御部51より共用扉制御部9に共用扉開情報が伝達された場合、共用扉の開情報を監視システム102の識別情報検出部18で受け取り、識別情報検出部18は、ある一定時間、エレベータボタン部40に対して押情報を有効にする情報を伝達する。
【0022】
識別情報検出部18から出力される情報を受け付けたエレベータボタン部40は、ユーザがエレベータボタンを押した情報をエレベータ制御部41へ伝達する。エレベータボタン部40からエレベータボタンの押情報を受けたエレベータ制御部41はエレベータカゴの昇降動作、扉の開閉動作等の指示を出す。また、識別情報検出部18から出力される信号をエレベータ制御部40と接続してもよい。この場合は、エレベータボタン部40から伝達されてくるユーザがエレベータボタンを押した、エレベータボタン押情報を識別情報検出部18から情報が伝達されたときのみ有効としてエレベータカゴへの指示を出す。これにより、ユーザが許可した者だけがエレベータボタンの押機能を制御できることができ、セキュリティ確保ができる。
【0023】
図5は、第5実施形態の監視システムの構成図である。第1実施形態の監視システムに着信検出部23とリモートアクセスサーバ25を設けた。これにより、遠隔地の管理センター35から有線もしくは無線通信網34から移動体通信網30を経由して監視システム103に発信を行う。着信を受けた監視システム103は、移動体通信接続部22から着信検出部23へ着信情報を送る。着信検出部23は、あらかじめ登録しておいた電話番号からの着信であるかの判断を行い、登録している電話番号からの着信の場合、リモートアクセスサーバ25と管理センター35とを接続する。
【0024】
管理センター35とリモートアクセスサーバ25との間で認証等のやりとりを行った後、リモートアクセスサーバ25は、管理センター35とWWWサーバ19と接続する。接続されたWWWサーバ19は、画像処理部12から現在の画像を管理センター35に対して配信する。これにより、遠隔地より設置されているカメラの撮影範囲が把握でき、自然もしくは故意にカメラの撮影範囲が変更されていないかの確認を定期的に行うことが可能となり、画像監視をより確実なものにすることができる。
【0025】
図6は、第6実施形態の監視システムの構成図である。第1実施形態の監視システム1の外部トリガ入力B3として、緊急呼出用として設置してあるインタホン60の呼出ボタンが押される情報を入力として設け、前記インタホンから呼出ボタンが押されたときに、監視システム104の外部トリガ入力B検出部16は、画像処理部12にトリガ入力が発生したことを通知し、画像処理部12は、カメラ及びカメラ素子2から入力されてくる現在の画像をデータ処理し、電子メール送信部20に渡す。
【0026】
電子メール送信部20は、受け取った画像を電子メールに添付するとともに、あらかじめ登録してある管理センター35の電子メールアドレスに対して、メール送信要求をダイヤルアップ部21に出す。要求を受付けたダイヤルアップ部21は、移動体通信接続部22と移動体通信網を経由し、接続契約を行っているISP131にダイヤルアップ接続動作を行う。
【0027】
ISP1は、ダイヤルアップ部21と認証を行い、接続完了した旨を通知する。ダイヤルアップ部21は、接続完了時にISP131から通知される情報の中から、現在接続されている状態でのIPアドレスを知ることができる。前記IPアドレスを電子メール送信部20に通知し、IPアドレス情報を通知された電子メール送信部20は、送信する電子メールの本文に前記IPアドレスをURLとした情報を記載し、電子メールを送信する。
【0028】
送信された電子メールは、ISP131からネットワーク32を経由し、管理センター35が接続契約をしているISP233へ送られ、ISP233から管理センター35が接続している通信網34経由で管理センター35へ通知される。管理センター35では、送信されてきた電子メールに添付されている画像により、インタホンの呼出要求が発生した時点の画像確認ができる。また、送られてきた電子メールの本文中に記載されているURLをアクセスすることで、管理センター35から通信網34、ISP233、ネットワーク32、ISP131、および移動体通信網30を経由し、監視システム104のWWWサーバ19にアクセスすることができる。
【0029】
アクセスされたWWWサーバ19は、カメラおよびカメラ素子2から入力されてくる現在の映像の画像処理を行った画像を画像処理部12から受け取り、管理センター35に配信する。なお、電子メールアドレスの登録は複数可能であり、登録されている電子メールアドレスに同時に電子メールを送信することが可能であり、電子メール本文に記載してあるURLに対するアクセスも複数からのアクセスが可能である。これにより、これまでインタホン経由で音声だけの応対を行っていたが、現在の現場状況を画像で確認することができるようになり、遠隔地の管理センターのオペレータから適切な指示を出すことが可能となる。
【0030】
図7は、第7実施形態の監視システムを用いたシステム構成図である。これは、第1実施形態の監視システムに機器情報収集部26を設けたものである。これにより、制御機器71の状態を管理する管理制御機70で収集した機器状態情報を前記管理制御機70から管理センター35に前記機器状態情報を送る必要が発生した場合、管理制御機70が収集した前記機器状態情報を機器情報収集部26に伝達し、当該機器状態情報を受け取った前記機器情報収集部26は、画像処理部12から現在の制御機器71の状況をカメラおよびカメラ素子2で撮影した画像データの要求を出し、ダイヤルアップ部21に対して、あらかじめ登録してある管理センター35への接続要求を出す。
【0031】
接続要求を受けたダイヤルアップ部21は、移動体通信接続部22を使い、移動体通信網30と通信網34を経由し、管理センター35に接続する。機器情報収集部26は、管理制御機70から受け取った機器状態情報と画像処理部12から受けた画像データを管理センター35に送信する。これにより、これまで機器状態情報通知用として通信回線が必要であったが、監視システムの通信回線を共用することで通信費を抑えることができる。また、機器状態を画像でも確認ができるため、正確な機器管理を行うことができる。
【0032】
図8は、第8実施形態の監視システムを用いたシステム構成図である。これは、第7実施形態の監視システムに着信検出部23を設けたものである。これにより、遠隔地の管理センター35より機器の状態情報を取り出したい場合、管理センター35から有線もしくは無線通信網34から移動体通信網30を経由して監視装置106に発信を行う。着信を受けた監視システム106は、移動体通信接続部22から着信検出部23へ着信情報を送る。着信検出部23は、あらかじめ登録しておいた管理センター35の電話番号からの着信であるかの判断を行い、登録している電話番号からの着信であった場合、機器情報収集部26と管理センター35とを接続する。
【0033】
機器情報収集部26は、管理制御機70に機器の状態情報通知の要求を出すとともに画像処理部12から現在の制御機器71の状況をカメラおよびカメラ素子2で撮影した画像データの要求を出す。状態通知情報の要求を受けた管理制御機70は、接続している制御機器71の状態情報を収集し、機器情報収集部に通知する。機器情報収集部26は、管理制御機70から受け取った機器状態情報と画像処理部12から受けた画像データを管理センター35に送信する。これにより、遠隔地の管理センター35から機器状態の情報を任意に取り出せることが可能になるとともに監視システムと通信回線を共用することで通信費を抑えることができる。また、機器状態を画像でも確認できるため、正確な機器管理を行うことができる。
【0034】
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、各実施形態を組み合わせてもよい。また、本発明の移動体通信網とは、携帯電話網やPHS網等、公衆網経由で発信者番号通知付き発呼を受けるとこができるものであればよく、また、管理センターに接続されている通信網は、有線の公衆網であっても上記移動体通信網であってもよい。
【0035】
以上のように、この実施の形態によれば、接続しているカメラまたはカメラ素子からの映像録画の抑止、エレベータボタンの押機能の制御ができる。また、ユーザ固有識別情報を照合する識別情報入力端末に格納されているユーザ固有識別情報や機器制御情報を設置場所に行くこともなく、簡単に遠隔地より更新や情報収集を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施形態の監視システムの構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態の監視システムの構成図である。
【図3】本発明の第3実施形態の監視システムの構成図である。
【図4】本発明の第4実施形態の監視システムの構成図である。
【図5】本発明の第5実施形態の監視システムの構成図である。
【図6】本発明の第6実施形態の監視システムの構成図である。
【図7】本発明の第7実施形態の監視システムの構成図である。
【図8】本発明の第8実施形態の監視システムの構成図である。
【符号の説明】
【0037】
1,100,101,102,103,104,105,106…監視システム
2 …カメラおよびカメラ素子
3 …外部トリガ入力B
4 …外部トリガ入力A
5 …表示装置
6 …記録装置
7 …識別情報入力端末
8 …固有識別情報
11…カメラ信号受信部
12…画像処理部
13…画像記録部
14…記録画像出力部
15…記録画像出力部
16…外部トリガB検出部
17…外部トリガA検出部
18…識別情報検出部
19…WWWサーバ
20…電子メール送信部
21…ダイヤルアップ部
22…移動体通信接続部
23…着信検出部
24…固有識別情報接続部
25…リモートアクセスサーバ
26…機器情報収集部
30…移動体通信網
31…ISP1
32…ネットワーク
33…ISP2
34…通信網
35…管理センター
40…エレベータボタン部
41…エレベータ制御部
50…共用扉開閉制御部
51…居住内共用扉制御部
60…インタホン
70…管理制御機
71…制御機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ及びカメラ素子からの映像信号を受信するカメラ信号受信手段と、
前記映像信号を画像データに変換する画像処理手段と、
外部入力トリガの検出手段と、
前記外部入力トリガが入力されたことを検出したときに画像データを記録する画像記録手段と、
記録された画像データを外部に接続されるパソコンまたはモニタにより確認するための記録画像確認手段と、
記録画像の中で、所望とする記録部分のみを記録媒体へ送出する記録画像送出手段と、
ネットワークを通じて画像データを通信端末に配信するWWWサーバと、
前記外部入力トリガとは異なる外部入力トリガの検出手段と、
前記異なる外部入力トリガが入力されたことを検出したときに、画像データをあらかじめ登録してある複数の電子メールアドレスに対して電子メールで一斉に通知する電子メール送信手段と、
移動体通信網に接続する移動体通信網接続手段と、
ユーザが保有している固有識別情報を照合する識別情報入力端末から通知される固有識別情報を検出する手段と、
通知される前記固有識別情報が正しい場合のみ、前記画像データの記録手段を抑止する手段とを備えたことを特徴とする監視システム。
【請求項2】
カメラ及びカメラ素子からの映像信号を受信するカメラ信号受信手段と、
映像信号を画像データに変換する画像処理手段と外部入力トリガの検出手段と、
前記外部入力トリガが入力されたことを検出したときに、画像データを記録する画像記録手段と、
記録された画像データを外部に接続されるパソコンまたはモニタにより確認するための記録画像確認手段と、
記録画像の中で、所望とする記録部分のみを記録媒体へ送出する記録画像送出手段と、
ネットワークを通じて画像データを通信端末に配信するWWWサーバと、
前記外部入力トリガとは異なる外部入力トリガの検出手段と、
前記外部入力トリガが入力されたことを検出したときに画像データをあらかじめ登録してある複数の電子メールアドレスに対して電子メールで一斉に通知する電子メール送信手段と、
移動体通信網に接続する移動体通信網接続手段と、
ユーザが保有している固有識別情報を照合する識別情報入力端末から通知される固有識別情報を検出する手段と、
通知される前記固有識別情報が違っている、または固有識別情報が通知されてこない場合にはエレベータボタンの押機能を抑止する手段と
を備えたことを特徴とする監視システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の監視システムにおいて、
ユーザが保有している固有識別情報を照合する識別情報入力端末に格納されているユーザ固有識別情報を、遠隔地より移動体通信網と移動体通信網接続手段と前記識別情報入力端末との通知手段を使い、前記ユーザ固有識別情報の登録、追加、削除などができるように構成したことを特徴とする監視システム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の監視システムにおいて、
ユーザが保有している固有識別情報を、照合する識別情報入力装置から開閉の制御またはユーザ居住内制御装置から開閉の制御が行われる共用扉の開閉制御装置から共用扉の開情報を受け取る手段を備え、前記共用扉の開閉制御装置から開情報が入力された場合に、一定時間、エレベータボタンの押機能を有効にする手段を備えたことを特徴とする監視システム。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4に記載の監視システムにおいて、
移動体通信網と移動体通信網接続手段経由で着信を検出し、あらかじめ登録してある接続先からの接続要求と判断したときに、リモートアクセスサーバ手段で接続し、カメラまたはカメラ素子からの画像データを、接続先にWWWサーバ手段を用いて配信する手段を備えたことを特徴とする監視システム。
【請求項6】
請求項1、2、3、4又は5に記載の監視システムにおいて、
緊急呼出用に設置されているインタホンからの呼び出し要求が発生したとき、移動体通信網接続手段と移動体通信網を使い、あらかじめ登録してある電子メールアドレスに対して、前記インタホンの呼出要求があったときの画像データを電子メールで通知する手段を備え、且つ、電子メールの本文に現在移動体通信網を経由して接続しているURLを記載した電子メールを送信することを特徴とする監視システム。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又は6に記載の監視システムにおいて、
機器状態の管理制御を行う管理制御装置から機器状態の通知を受ける手段を備え、前記管理制御装置からの状態通知送信情報を受けたとき、あらかじめ登録してある接続先に、移動体通信網接続手段と移動体通信網を使い接続し、必要とされる機器の画像データと前記管理制御装置からの状態情報を通知する手段を備えたことを特徴とする監視システム。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の監視システムにおいて、
移動体通信網と移動体通信網接続手段経由であらかじめ登録してある接続先からの着信を検出した場合、機器状態の管理制御を行う管理制御装置に対し状態通知情報の要求を出し、前記管理制御装置から受け取った状態情報と必要とされる機器の画像を発信元に通知する手段を備えたことを特徴とする監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−124188(P2007−124188A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−312371(P2005−312371)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(300064146)株式会社アイピー・スクエア (3)
【出願人】(399091223)エス・イー・シーエレベーター株式会社 (5)
【Fターム(参考)】