説明

直流−直流変換装置

【課題】直流−直流変換回路の同期整流回路においては、スイッチング時のサージ電圧を抑制するために、同期整流用MOSFETの両端にスナバを設けるが部品点数が増加し、装置が大型になる。
【解決手段】従来から用いられている同期整流回路制御用ICの電源に接続されているコンデンサが同期整流用MOSFETと並列接続されるように逆阻止形半導体スイッチを用いて回路を構成する。この逆阻止形半導体スイッチは、同期整流用MOSFETの駆動信号又は同期整流用MOSFETの両端電圧と同期した信号と、IC電源に接続されたコンデンサ電圧をICの上限と下限の許容値内に制御する信号とで駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電源電圧から絶縁変換された別の直流電圧を作り出す直流−直流変換装置に関し、特に変圧器二次巻線の電圧を整流する同期整流回路のスイッチング素子の過電圧保護と駆動回路用電源に関する。
【背景技術】
【0002】
図8に、特許文献1に記載された従来の技術を示す。主回路構成は、変圧器Trの一次巻線n1を直流電源DPとMOSFETQ1で駆動して高周波電圧に絶縁変換し、二次巻線n2の電圧を整流用MOSFETQ2と還流用MOSFETQ3で同期整流し、リアクトルLとコンデンサCoで構成されたフィルタで平滑して、負荷LDに直流電力を供給するフォワード形の直流−直流変換回路である。ここで、三次巻線n3とダイオードDaは変圧器Trの磁気エネルギーのリセット用回路である。
【0003】
図8(a)においては、IC4は同期整流用MOSFETQ2、Q3駆動用の制御ICである。MOSFETQ2、Q3各々は、逆並列接続されたダイオードに順方向の電流が流れるタイミングで、制御IC4から駆動信号が与えられ、MOSFETにソースからドレイン方向に電流が流れる。この時の電圧はダイオードの順方向降下電圧よりも低くなるため損失が低減される。また、整流動作から還流動作への移行又は還流動作から整流動作への移行はMOSFETQ2とQ3のオン信号期間に重なりがあると変圧器の二次巻線を短絡して素子破壊につながるため、オン信号期間に重なりが無いようにデッドタイムを設けて駆動する。制御IC4の電源端子であるVccとGNDとの間には電源用コンデンサC1が接続され、このコンデンサC1は平滑用のコンデンサCoと並列接続される。即ち制御IC4には平滑用のコンデンサCoから直流電源が供給される。
【0004】
図8(b)においては、IC5はMOSFETQ2、Q3駆動用の制御IC(集積回路)であり、その制御動作は、図8(a)と同様である。IC5の電源端子であるVccとGNDとの間にはコンデンサC1が接続され、さらに端子Vccと変圧器Trの二次巻線n2の一端とリアクトルLとの接続点との間には、抵抗R3とダイオードD3との直列回路が接続される。従って、制御IC5には変圧器Trの二次巻線n2から抵抗R3とダイオードD3を介して電源が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4094727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、同期整流用半導体スイッチとしてのダイオードとMOSFETの逆並列接続回路においては、ダイオードが順方向に電流を流している状態から逆方向に電圧が印加されるモードがあり、この時ダイオードの逆回復に伴うサージ電圧が発生する。このサージ電圧は半導体素子に電圧ストレスを与えると共に放射ノイズや伝導ノイズの原因となる。これを回避する手段として、スナバを半導体スイッチに並列接続する方法があるが、部品点数の増加、損失の増加が問題となる。従って、本発明の課題は部品点数の増加を最小限に抑制し、損失の小さな同期整流回路を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明においては、直流電源から半導体スイッチで変圧器の一次巻線をオンオフ駆動し、二次巻線電圧を同期整流するフォワード型の直流−直流変換装置において、整流用の第1のダイオードと第1のMOSFETとの逆並列回路の両端に逆阻止形の半導体スイッチとコンデンサとを直列接続した第1のスナバ回路を並列接続し、前記第1のスナバ回路が接続されたMOSFETの制御回路用電源に前記第1のスナバ回路のコンデンサの両端を接続し、前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号、又は前記逆阻止形半導体スイッチを前記第1のMOSFETの両端電圧と同期した信号と前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号とから求めた信号、で前記逆阻止形の半導体スイッチを駆動する。
【0008】
第2の発明においては、直流電源から半導体スイッチで変圧器の一次巻線をオンオフ駆動し、二次巻線電圧を同期整流するフォワード型の直流−直流変換装置において、還流用の第2のダイオードと第2のMOSFETとの逆並列回路の両端に逆阻止形の半導体スイッチとコンデンサとを直列接続した第2のスナバ回路を並列接続し、前記第2のスナバ回路が接続されたMOSFETの制御回路用電源に前記第2のスナバ回路のコンデンサの両端を接続し、前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号、又は前記逆阻止形半導体スイッチを前記第2のMOSFETの両端電圧と同期した信号と前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号とから求めた信号、で前記逆阻止形の半導体スイッチを駆動する。
【0009】
第3の発明においては、直流電源から半導体スイッチで変圧器の一次巻線をオンオフ駆動し、二次巻線電圧を同期整流するフォワード型の直流−直流変換装置において、一端が互いに接続された整流用の第1のダイオードと第1のMOSFETとを逆並列接続した第1の逆並列回路と還流用の第2のダイオードと第2のMOSFETとを逆並列接続した第2の逆並列回路と、前記第1の逆並列回路の他端に一端が接続された第1の逆阻止形半導体スイッチと、前記第2の逆並列回路の他端に一端が接続された第2の逆阻止形半導体スイッチと、前記第1の逆阻止形半導体スイッチの他端と前記第2の逆阻止形半導体スイッチの他端との接続点と前記第1及び第2の逆並列回路の接続点との間に接続されたコンデンサと、を備え、前記コンデンサの両端を前記第1及び第2のMOSFETの制御回路用電源に接続し、前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号、又は前記第1又は第2のMOSFETの両端電圧と同期した信号と前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号とから求めた信号、で前記第1及び第2の逆阻止形半導体スイッチを駆動する。
【0010】
第4の発明においては、第1〜第3の発明における前記コンデンサと並列に半導体スイッチと抵抗との直列回路を接続する。
第5の発明においては、第1〜第4の発明における前記コンデンサ又は逆阻止形半導体スイッチと直列に抵抗を接続する。
【0011】
第6の発明においては、第1〜第5の発明における前記第1又は第2のMOSFETの両端電圧と同期した信号は、前記第1又は第2のMOSFETのゲート駆動信号と同期させる。
【0012】
第7の発明においては、第1〜第5の発明における前記第1又は第2のMOSFETの両端電圧と同期した信号は、前記第1又は第2のMOSFETのドレイン−ソース間電圧のレベルを基準値と比較して得られた信号と同期させる。
【0013】
第8の発明においては、直流電源から半導体スイッチで変圧器の一次巻線をオンオフ駆動し、二次巻線電圧を同期整流するフライバック型の直流−直流変換装置において、整流用のダイオードが逆並列接続されたMOSFETと、前記MOSFETと並列接続される逆阻止形半導体スイッチとコンデンサとの直列回路からなるスナバ回路と、を備え、前記コンデンサの両端を前記MOSFETの制御回路用電源に接続し、前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号、又はMOSFETの両端電圧と同期した信号と前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号とから求めた信号、で前記逆阻止形半導体スイッチを駆動する。
【0014】
第9の発明においては、第8の発明における前記コンデンサと並列に半導体スイッチと抵抗との直列回路を接続する。
第10の発明においては、第8又は第9の発明における前記コンデンサ又は前記逆阻止形半導体スイッチと直列に抵抗を接続する。
【0015】
第11の発明においては、第8〜第10の発明における前記MOSFETの両端電圧と同期した信号は、前記MOSFETのゲート駆動信号と同期させる。
第12の発明においては、第8〜第10の発明における前記MOSFETの両端電圧と同期した信号は、前記MOSFETのドレイン−ソース間電圧のレベルを基準値と比較して得られた信号と同期させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、従来から用いられている同期整流回路制御用IC(集積回路)の電源に接続されているコンデンサが同期整流用MOSFETと並列接続されるように逆阻止形半導体スイッチを用いて回路を構成する。この逆阻止形半導体スイッチは、同期整流用MOSFETの駆動信号又は同期整流用MOSFETの両端電圧と同期した信号と、IC電源に接続されたコンデンサ電圧をICの上限と下限の許容値内に制御する信号とで駆動するようにしている。この結果、同期整流用MOSFETの両端には逆阻止形半導体スイッチとコンデンサからなるスナバが接続され、サージ電圧が抑制される。また、コンデンサで吸収されたエネルギーは同期整流回路制御用ICの電源として消費される。また追加部品はIC内部に内蔵可能な逆阻止形半導体スイッチとその駆動回路だけとなり小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施例を示す回路図である。
【図2】図1の制御動作を説明するための第1の動作説明図である。
【図3】図1の制御動作を説明するための第2の動作説明図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す回路図である。
【図5】本発明の第3の実施例を示す回路図である。
【図6】図5の動作を説明するための動作波形図である。
【図7】本発明の第4の実施例を示す回路図である。
【図8】従来例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の要点は、ダイオードと逆並列接続されたMOSFETで構成される同期整流用半導体スイッチの両端に逆阻止形半導体スイッチとコンデンサからなるスナバを接続し、逆阻止形半導体スイッチの駆動信号は、同期整流用半導体スイッチ(MOSFET)の駆動信号又は両端電圧と同期した信号と、コンデンサ電圧をIC電源の許容値に抑制するための信号とで構成するようにしている点である。
【実施例1】
【0019】
図1に、本発明の第1の実施例を示す。フォワード形直流−直流変換回路の整流用の同期整流用半導体スイッチと還流用の同期整流用半導体スイッチ各々に本発明を適用した場合の実施例である。変圧器Trの一次巻線n1は直流電源DPと半導体スイッチ(MOSFET)Q1で駆動される。MOSFETQ1がオンの期間に蓄積された変圧器Trの磁気エネルギーは三次巻線n3とダイオードDaでMOSFETQ1がオフの期間にリセットされる。変圧器Trの二次巻線n2の一端はリアクトルLの一端に、他端はダイオード(第1のダイオード)が逆並列接続された整流用MOSFETQ2(第1のMOSFET)のドレインに、リアクトルLの一端とMOSFETQ2のソースとの間にはダイオード(第2のダイオード)が逆並列接続された還流用のMOSFETQ3(第2のMOSFET)が、リアクトルLの他端とMOSFETQ2のソースとの間には平滑用コンデンサCoと負荷LDの並列回路が、各々接続される。
【0020】
また、整流用MOSFETQ2の両端には逆阻止形半導体スイッチS1とコンデンサC1の直列回路が、還流用MOSFETQ3の両端には逆阻止形半導体スイッチS2とコンデンサC2の直列回路(スナバ回路)が、逆阻止形半導体スイッチS1とコンデンサC1の接続点とコンデンサCoの正極Poとの間にはダイオードD1が、逆阻止形半導体スイッチS2とコンデンサC2の接続点とコンデンサCoの正極Poとの間にはダイオードD2が、各々接続される。ここで、ダイオードD1、D2は出力電圧の大きさ等に応じて設けるもので、必ずしも必要ではない。また、MOSFETQ2と逆阻止形半導体スイッチS1を駆動する制御駆動部CU1の電源VccとGNDはコンデンサC1に、MOSFETQ3と逆阻止形半導体スイッチS2を駆動する制御駆動部CU2の電源VccとGNDはコンデンサC2に、各々接続される。ここで、ダイオードを逆並列接続したMOSFET(Q2、Q3)のターンオフ動作が急峻な場合には、逆阻止形半導体スイッチS1とコンデンサC1の直列回路及び逆阻止形半導体スイッチS2とコンデンサC2の直列回路には、さらに抵抗を直列接続することにより、コンデンサへの急峻な電流の流れ込みを抑制できる。
【0021】
このような構成における動作を図2、図3に基づいて説明する。逆阻止形半導体スイッチS1とS2の動作は同じであるので、S1について説明する。図2は、図1の回路構成におけるコンデンサC1の電圧を許容値内に抑制するための第1の実施例である。図2(a)が詳細回路図、図2(b)が動作波形図である。コンデンサC1の電圧Vccの上限許容値Vth2を判定するコンパレータCP2と下限許容値よりも高い電圧Vth1を判定するコンパレータCP1が備えられる。コンデンサC1の電圧VccがVth1を下回ると逆阻止形半導体スイッチS1をオンし、同期整流用MOSFETQ2の両端電圧VD3に電圧が印加されるとコンデンサC1が充電され、電圧Vccが上昇する。電圧VccがVth2に達すると逆阻止形半導体スイッチS1をオフすることにより、電圧Vccが低下する。
【0022】
このような動作を繰り返すことにより、電圧Vccをほぼ一定に保ちながら、制御IC1の駆動動作が可能となる。尚、電圧VccがVth1を下回った後、同期整流用MOSFETQ2の両端電圧VD3に電圧が印加されないと、電圧VccはIC1の動作下限電圧まで低下するが、この時は電圧VccがIC1の動作下限電圧以上になるまで、機能を停止する。
【0023】
図3は、図1の回路構成におけるコンデンサC1の電圧を許容値内に抑制するための第2の実施例である。図3(a)が詳細回路図、図3(b)が動作波形図である。図2の実施例との違いは、逆阻止形半導体スイッチS1をオンするタイミングを同期整流用MOSFETQ2の両端に電圧VD3が印加されるタイミングに同期させている点である。VthDはMOSFETQ2の両端電圧VD3の電圧がVccの電圧に対して十分高くなっていることを確認するための閾値で制御駆動部CU4内に設ける。この実施例の場合、Vth1の必要性はない。また、効果は図2の実施例と同様である。
【実施例2】
【0024】
図4に、本発明の第2の実施例を示す。実施例1では、整流用MOSFETQ2と還流用MOSFETQ3とに各々逆阻止形半導体スイッチとコンデンサの直列回路をスナバとして接続したが、本実施例ではコンデンサを共用化した実施例である。この構成の場合、制御駆動部をCU5一つにまとめることが可能である。整流用MOSFETQ2のドレインとソースとの間には、逆阻止形半導体スイッチS1とコンデンサCsの直列回路が接続され、還流用MOSFETQ3のドレインと逆阻止形半導体スイッチS1とコンデンサCsの接続点との間には逆阻止形半導体スイッチS2が接続される。また、逆阻止形半導体スイッチS1とコンデンサCsとの接続点と直流出力の平滑用コンデンサの正極Poとの間にはダイオードD1が接続される。ここで、ダイオードD1は出力電圧の大きさなどの回路条件等に応じて設けるもので、必ずしも必要ではない。また、ダイオードを逆並列接続したMOSFET(Q2、Q3)のターンオフ動作が急峻な場合には、逆阻止形半導体スイッチ(S1、S2)又はコンデンサCsと直列に抵抗を接続することにより、コンデンサへの急峻な電流の流れ込みを抑制できる。
【0025】
逆阻止形半導体スイッチS1とS2の動作は実施例1と同様であるが、コンデンサCsは1個となり、部品点数を削減できる。また、コンデンサCsを充電する回数が1周期の中で、整流用MOSFETQ2のオフ時と還流用MOSFETQ3のオフ時の2回となるため、コンデンサCsの容量を減らすことができる。
【実施例3】
【0026】
図5に、本発明の第3の実施例を示す。図1に示した本発明の第1の実施例回路において、コンデンサC1と並列に半導体スイッチS3と抵抗R1の直列回路を、コンデンサC2と並列に半導体スイッチS4と抵抗R2の直列回路を、各々接続した構成である。実施例2や後述の実施例4についても同様に適用可能である。
図6に動作図を示す。図6(a)が詳細回路図、図6(b)が動作波形図である。半導体スイッチS3とS4の動作は同じであるので、S3について説明する。
【0027】
整流用MOSFETQ2のターンオフ時の両端電圧VD3には、負荷LDの大きさ、回路中の寄生容量、インダクタンスなどにより、サージ電圧が発生する。実施例1又は2においては、逆阻止形半導体スイッチS1がオフの期間に消費されるコンデンサC1のエネルギーは制御ICのみである。このため、ICの消費電力がコンデンサC1に蓄積されるエネルギーに対して小さい場合には、コンデンサC1の電圧の低下は緩やかになり、逆阻止形半導体スイッチS1は毎スイッチングサイクル毎にオンしなくなる。その結果、コンデンサC1を整流用MOSFETQ2のターンオフ時のサージ吸収に用いることが難しくなる。
【0028】
この問題を解決するのが実施例3である。図6(a)に示すように、コンデンサC1と並列に半導体スイッチS3と抵抗R1の直列回路を接続する。制御IC3においては、整流用MOSFETQ2がオンするタイミングで充電用逆阻止形半導体スイッチS1をオンさせる。整流用MOSFETQ2の電流が零になる前に整流用MOSFETQ2はオフされるので、それに同期して放電用半導体スイッチS3をオンさせる。整流用MOSFETQ2の電流が零になると整流用MOSFETQ2の両端電圧VD3はサージ波形を含んだ電圧波形となるが、この電圧波形でコンデンサC1を充電すると共に、過剰なエネルギーは抵抗R1で消費される。コンデンサC1の電圧VccがVth2になると、逆阻止形半導体スイッチS1はオフされ、電圧Vccが過電圧になるのを抑制する。この時、半導体スイッチS3はオンされ続け、電圧VccがVth1まで低下するとオフとなる。その後はコンデンサC1の電圧VccはIC3の消費電力で徐々に低下する。
尚、整流用MOSFETQ2のオンオフタイミングは、実施例1で説明したいずれの場合でも実現可能である。
【実施例4】
【0029】
図7に、本発明の第4の実施例を示す。フライバック形直流−直流変換回路の同期整流用MOSFETQ2に本発明を適用した場合の実施例である。変圧器Trの一次巻線n1を直流電源DPとMOSFETQ1で駆動すると変圧器Trに磁気エネルギーが蓄積され、MOSFETQ1をオフすると二次巻線N2→コンデンサCoと負荷LDの並列回路→MOSFETQ2の経路でエネルギーが負荷LDに供給される。他の実施例と同様にMOSFETQ2の両端には逆阻止形半導体スイッチS1とコンデンサC1との直列回路が接続され、コンデンサC1は制御駆動部CU1の電源に接続される。このような構成における動作は実施例1〜3と同様である。また、実施例3と同様にコンデンサC1と並列に半導体スイッチ3と抵抗R1との直列回路を接続することができる。
【0030】
尚、同期整流用の半導体スイッチとして、ダイオードを逆並列接続したMOSFETの例(Q2、Q3)を示したが、ダイオードはMOSFETの寄生ダイオードでも同様に実現可能である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、同期整流回路を用いるスイッチング電源やDC−DCコンバータなどへの適用、或いはこれらの電源を制御する集積回路(IC)への適用が可能である。
【符号の説明】
【0032】
Q1〜Q3・・・半導体スイッチ(MOSFET) Tr・・・変圧器
D1〜D3、Da・・・ダイオード L・・・リアクトル
S1、S2・・・逆阻止形半導体スイッチ LD・・・負荷
C1〜C3、Cs、Co・・・コンデンサ CU1〜CU8・・・制御駆動部
IC1〜IC5・・・集積回路(IC) CP1、CP2・・・コンパレータ
S3、S4・・・半導体スイッチ R1〜R3・・・抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源から半導体スイッチで変圧器の一次巻線をオンオフ駆動し、二次巻線電圧を同期整流するフォワード型の直流−直流変換装置において、
整流用の第1のダイオードと第1のMOSFETとの逆並列回路の両端に逆阻止形の半導体スイッチとコンデンサとを直列接続した第1のスナバ回路を並列接続し、前記第1のスナバ回路が接続されたMOSFETの制御回路用電源に前記第1のスナバ回路のコンデンサの両端を接続し、前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号、又は前記逆阻止形半導体スイッチを前記第1のMOSFETの両端電圧と同期した信号と前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号とから求めた信号、で前記逆阻止形の半導体スイッチを駆動することを特徴とする直流−直流変換装置。
【請求項2】
直流電源から半導体スイッチで変圧器の一次巻線をオンオフ駆動し、二次巻線電圧を同期整流するフォワード型の直流−直流変換装置において、
還流用の第2のダイオードと第2のMOSFETとの逆並列回路の両端に逆阻止形の半導体スイッチとコンデンサとを直列接続した第2のスナバ回路を並列接続し、前記第2のスナバ回路が接続されたMOSFETの制御回路用電源に前記第2のスナバ回路のコンデンサの両端を接続し、前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号、又は前記逆阻止形半導体スイッチを前記第2のMOSFETの両端電圧と同期した信号と前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号とから求めた信号、で前記逆阻止形の半導体スイッチを駆動することを特徴とする直流−直流変換装置。
【請求項3】
直流電源から半導体スイッチで変圧器の一次巻線をオンオフ駆動し、二次巻線電圧を同期整流するフォワード型の直流−直流変換装置において、一端が互いに接続された整流用の第1のダイオードと第1のMOSFETとを逆並列接続した第1の逆並列回路と還流用の第2のダイオードと第2のMOSFETとを逆並列接続した第2の逆並列回路と、前記第1の逆並列回路の他端に一端が接続された第1の逆阻止形半導体スイッチと、前記第2の逆並列回路の他端に一端が接続された第2の逆阻止形半導体スイッチと、前記第1の逆阻止形半導体スイッチの他端と前記第2の逆阻止形半導体スイッチの他端との接続点と前記第1及び第2の逆並列回路の接続点との間に接続されたコンデンサと、を備え、前記コンデンサの両端を前記第1及び第2のMOSFETの制御回路用電源に接続し、前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号、又は前記第1又は第2のMOSFETの両端電圧と同期した信号と前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号とから求めた信号、で前記第1及び第2の逆阻止形半導体スイッチを駆動することを特徴とする直流−直流変換装置。
【請求項4】
前記コンデンサと並列に半導体スイッチと抵抗との直列回路を接続することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の直流−直流変換装置。
【請求項5】
前記コンデンサ又は前記逆阻止形半導体スイッチと直列に抵抗を接続することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の直流−直流変換装置。
【請求項6】
前記第1又は第2のMOSFETの両端電圧と同期した信号は、前記第1又は第2のMOSFETのゲート駆動信号と同期させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の直流−直流変換装置。
【請求項7】
前記第1又は第2のMOSFETの両端電圧と同期した信号は、前記第1又は第2のMOSFETのドレイン−ソース間電圧のレベルを基準値と比較して得られた信号と同期させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の直流−直流変換装置。
【請求項8】
直流電源から半導体スイッチで変圧器の一次巻線をオンオフ駆動し、二次巻線電圧を同期整流するフライバック型の直流−直流変換装置において、
整流用のダイオードが逆並列接続されたMOSFETと、前記MOSFETと並列接続される逆阻止形半導体スイッチとコンデンサとの直列回路からなるスナバ回路と、を備え、前記コンデンサの両端を前記MOSFETの制御回路用電源に接続し、前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号、又はMOSFETの両端電圧と同期した信号と前記コンデンサ電圧を前記制御回路電源電圧の許容範囲内に調整するための信号とから求めた信号、で前記逆阻止形半導体スイッチを駆動することを特徴とする直流−直流変換装置。
【請求項9】
前記コンデンサと並列に半導体スイッチと抵抗との直列回路を接続することを特徴とする請求項8に記載の直流−直流変換装置。
【請求項10】
前記コンデンサ又は前記逆阻止形半導体スイッチと直列に抵抗を接続することを特徴とする請求項8又は9に記載の直流−直流変換装置。
【請求項11】
前記MOSFETの両端電圧と同期した信号は、前記MOSFETのゲート駆動信号と同期させることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の直流−直流変換装置。
【請求項12】
前記MOSFETの両端電圧と同期した信号は、前記MOSFETのドレイン−ソース間電圧のレベルを基準値と比較して得られた信号と同期させることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の直流−直流変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−93980(P2013−93980A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234700(P2011−234700)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】