直流モータ及び直流モータ本体
【課題】大掛かりなセンサを用いずに、しかも直流モータの回転には不要な抵抗を使わなくてもロータの回転角を検出できるようにすること。
【解決手段】直流モータ1は、ロータ4の回転角を検出できる直流モータである。直流モータ1は、直流モータ本体2と回転角検出回路6とを備え、直流電源3に接続される。直流モータ本体2は、ロータ4、ハウジング8、磁石9、ブラシ16/17を備える。ロータ4は、回転軸7、ロータコア40、コイルa、コイルb、コイルc、整流子片31/32/33を備える。直流電源3が直流電圧をブラシ16/17間に印加すると、回転軸7を中心にロータ4が回転する。巻数はコイルc<コイルb=コイルaである。コイルの巻数が異なることによって、ブラシ16/17と各整流子片との接触状態に応じてブラシ16/17間の抵抗値が変化する。その変化をブラシ16/17間に流れる電流を利用して回転角検出回路6が検出する。
【解決手段】直流モータ1は、ロータ4の回転角を検出できる直流モータである。直流モータ1は、直流モータ本体2と回転角検出回路6とを備え、直流電源3に接続される。直流モータ本体2は、ロータ4、ハウジング8、磁石9、ブラシ16/17を備える。ロータ4は、回転軸7、ロータコア40、コイルa、コイルb、コイルc、整流子片31/32/33を備える。直流電源3が直流電圧をブラシ16/17間に印加すると、回転軸7を中心にロータ4が回転する。巻数はコイルc<コイルb=コイルaである。コイルの巻数が異なることによって、ブラシ16/17と各整流子片との接触状態に応じてブラシ16/17間の抵抗値が変化する。その変化をブラシ16/17間に流れる電流を利用して回転角検出回路6が検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
回転角が検出できる直流モータ及び当該直流モータの本体に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリーエンコーダ等の大掛かりなセンサを用いずに、ロータの回転角が検出できる直流モータが知られている(特許文献1)。この直流モータは、ロータが備える一つの電機子コイルと並列な抵抗を備える。そうすると、定電圧電流をブラシ間に通電させることでロータを回転させれば、ブラシ間を流れる電流が回転角に依存して変動する。従って、その変動を測定することで回転角が検出できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−111465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先述した技術の課題は、直流モータにとっては本来余分な抵抗を設けなくてはならないことである。そうすれば、当然コストアップになる。本発明はこの課題に鑑み、大掛かりなセンサを用いずに、しかも直流モータの回転には不要な抵抗を使わなくても、ロータの回転角を検出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を解決するために発明された請求項1の直流モータは、ロータを備える直流モータ本体と、ロータの回転角を検出する検出手段とを備える直流モータである。
【0006】
そして、ロータは、三相以上の相コイルからなる電機子コイルが巻かれたロータコアと、電機子コイルに導通した整流子とが回転軸に固定されることで構成される。
【0007】
また、直流モータ本体は、整流子と摺接しながら、当該整流子と外部電源とを導通させる一対のブラシと、ロータコアを覆い、回転軸を支えるハウジングと、ハウジングに支えられ、当該ハウジング内部に磁場を作る磁石とを備える。
【0008】
そして、相コイルの巻数は、二種類以上ある。また、検出手段は、ブラシ間を流れる電流を測定することでロータの回転角を検出する。
【0009】
この直流モータによれば、大掛かりなセンサを用いずに、しかもロータの回転には本来不要な抵抗を使わなくても、ロータの回転角が検出できる。なぜなら、ロータの回転に本来必要な電機子コイルによって、ブラシ間の電気抵抗がロータの回転角に依存して二段階以上に変化するからである。よって、ロータを回転させるために流れるブラシ間の電流を測定することで、回転角を検出できる。なお、磁石は、永久磁石に限られず、電磁石等でもよい。
【0010】
請求項2の直流モータは、請求項1に記載の直流モータを前提とする。そして、相コイルの巻数は、三種類以上ある。そして、検出手段は、ブラシ間に流れる電流を測定することでロータの回転方向を検出する。
【0011】
この直流モータによれば、少なくとも一回転すれば、ロータの回転方向が検出できるように構成できる。なぜなら、ブラシ間に流れる電流値が三段階以上に変化するからである。
【0012】
請求項3の直流モータは、請求項2の直流モータを前提とする。そして、相コイルの巻数は、相の数と同じ数の種類がある。
【0013】
この直流モータによれば、ブラシに接触している整流子片が切り替わりさえすれば、ロータの回転方向が検出できる。なぜなら、回転方向によって電流値の変化パターンが異なるからである。
【0014】
請求項4の直流モータは、請求項1〜請求項3の何れかに記載の直流モータを前提とする。そして、相コイルは三相または五相である。
【0015】
請求項5の直流モータは、請求項1〜請求項4の何れかに記載の直流モータを前提とする。そして、外部電源は、ロータの回転が制動される時に、ロータの回転に必要な電流値未満の電流を流すように構成される。また、検出手段は、ロータの回転に必要な電流値未満の電流を測定することで、ロータの制動時の回転角を検出する。この直流モータによれば、ロータの制動時の回転角を検出できる。
【0016】
請求項6の直流モータは、請求項1〜請求項5の何れかに記載の直流モータを前提とする。そして、外部電源は、ロータの回転が停止している時に、ロータの回転に必要な電流値未満の電流を流すように構成される。また、検出手段は、ロータの回転に必要な電流値未満の電流を測定することで、ロータの停止時の回転角を検出する。この直流モータによれば、停止時のロータの回転角を検出できる。
【0017】
請求項7の直流モータ本体は、請求項1の直流モータ本体である。つまり、ロータを備え、当該ロータを流れる電流によって、当該ロータの回転角検出ができる直流モータ本体である。そして、ロータは、三相以上の相コイルからなる電機子コイルが巻かれたロータコアと、電機子コイルに導通した整流子とが回転軸に固定されることで構成される。
【0018】
そして、当該直流モータ本体は、整流子と摺接しながら、当該整流子と外部電源とを導通させる一対のブラシと、ロータコアを覆い、回転軸を支えるハウジングと、ハウジングに支えられ当該ハウジング内部に磁場を作る磁石とを備える。そして、相コイルの巻数は、二種類以上ある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1の直流モータの概略構成を示す図。
【図2】実施例1の回転角検出回路の概略構成を示すブロック図。
【図3】ロータが180°回転する間に生じる三種類の状態(モータ回路)を示す図。
【図4】ロータの回転中に流れる電流に関連する波形の一例を示すグラフ。
【図5】実施例2の直流モータの概略構成を示す図。
【図6】実施例2の回転角検出回路の概略構成を示すブロック図。
【図7】定常運転中において、ロータの回転中に流れる電流に関連する波形の一例を示すグラフ。
【図8】電流回路の開放による制動時おいて、ロータの回転中に流れる電流に関連する波形の一例を示すグラフ。
【図9】短絡による制動時において、ロータの回転中に流れる電流に関連する波形の一例を示すグラフ。
【図10】ロータが180°回転する間に生じる五種類の状態(モータ回路)のうち三種類を示す図。
【図11】ロータが180°回転する間に生じる五種類の状態(モータ回路)のうち二種類を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を図面と共に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1に、本発明が適用された直流モータ1の概略構成を示す。直流モータ1は、ロータ4の回転角を検出できる直流モータである。図1に示すように、直流モータ1は、直流モータ本体2と回転角検出回路6とを備え、直流電源3に接続されている。直流モータ本体2は、ロータ4、ハウジング8、磁石9、ブラシ16/17を備える。ロータ4は、回転軸7、ロータコア40、コイルa、コイルb、コイルc、整流子片31/32/33を備える。つまり、ロータ4は、三相である。
【0022】
ハウジング8は、直流モータ本体2の外郭である。磁石9は、ハウジング8に固定された永久磁石である。
【0023】
直流電源3は、直流電圧をブラシ16/17間に印加する。そうすると、ブラシ16/17と整流子片31/32/33との接触状態に応じて、コイルa/b/cに直流電流が流れる。そうすると磁石9の磁界によってトルクが生じて、回転軸7を中心にロータ4が回転する。なお、コイルa/b/cの巻数は、コイルc<コイルb=コイルaである。
【0024】
回転角検出回路6は、直流電源3とグラウンドとの間、つまりブラシ16/17間を流れる電流に基づいて、ロータ4の回転角に応じた信号(回転パルス)を生成することでロータ4の回転角を検出する。詳細は後述する。
【0025】
図2に示すように、回転角検出回路6は、抵抗21、フィルタ23、アンプ(AMP)24、閾値制御回路26、コンパレータ(COMP)27、パルス生成回路28を備える。
【0026】
抵抗21は、直流電源3とグラウンドとの間に直列に接続されている。従って、ブラシ16/17間に流れた電流値に応じて、抵抗21の前後で電圧降下が起こる。その降下分の電圧を検出信号として、フィルタ23が入力を受ける。そうするとフィルタ23は、ロータ4の回転に伴う変化に対応する帯域の信号を抽出して、その抽出後の信号をアンプ24に入力する。つまり、フィルタ23は、余分な周波数成分(起動時の突入電流や制動時の急激な電流変動など)を取り除くものである。また、フィルタ23は、直流電源3と繋がって、印加電圧により遮断周波数を制御することも有り得る。
【0027】
アンプ24は、入力された検出信号を、増幅すると共にコンパレータ27の二つの入力端子のうち一方に入力する。コンパレータ27は、入力された検出信号と、閾値制御回路26から他方の入力端子に入力され閾値を示す信号(閾値信号)とに基づいて、ローレベル信号かハイレベル信号かをパルス生成回路28に入力する。
【0028】
具体的には、コンパレータ27は、検出信号の値が閾値信号の値以上なら、ハイレベル信号を出力する。逆に、検出信号の値が閾値信号の値未満なら、ローレベル信号を出力する。
【0029】
パルス生成回路28は、コンパレータ27から入力された信号に基づいて、抵抗21での電圧降下値の情報を示す信号を出力する。具体的には、コンパレータ27からローレベル信号の
入力を受ければ電圧降下値が「低」であることを示す信号L、ハイレベル信号の入力を受ければ電圧降下値が「高」であることを示す信号Hを出力する。
【0030】
図3は、ロータ4が180°回転する間における、ロータ4内部の結線状態の変化、つまり、ブラシ16/17間に形成されるモータ回路の変化を示す。図に示すように、ロータ4のモータ回路は、ロータ4が60°回転する毎に、状態イ/ロ/ハの三種類に変化する。そして、各状態における等価回路は、図中の右に示されている。
【0031】
図3(イ)は状態イの一例を示す。図示のように、Vcc側(直流電源3の正極側)のブラシ16に整流子片31が接触すると共に、GND側(グラウンド電位側)のブラシ17に整流子片32が接触した状態である。なお、Vccとは直流電源3の電源電圧を示すものである。この場合の合成抵抗R(イ)は、
R(イ)=(A+C)B/(A+B+C)
となる。なお、Aとは、コイルaによる抵抗値を示す。BやCも同様である。
【0032】
図3(ロ)は、状態ロの一例として、状態イから時計回りに約60°回転した状態を示す。状態ロでは、Vcc側のブラシ16に接触する整流子片が、状態イの時の整流子片31から整流子片33へと切り替わっている。GND側のブラシ17には、整流子片32が接触している。この場合の合成抵抗R(ロ)は、
R(ロ)=(A+B)C/(A+B+C)
となる。
【0033】
図3(ハ)は、状態ハの一例として、状態ロからさらに時計回りに約60°回転した状態を示す。状態ハでは、GND側のブラシ17に接触する整流子片が、状態イ/ロの時の整流子片32から整流子片31へと切り替わっている。Vcc側のブラシ16には整流子片33が接触している。この場合の合成抵抗R(ハ)は、
R(ハ)=A(B+C)/(A+B+C)
となる。先述したように、巻数は、コイルc<コイルb=コイルaなので、抵抗値は、C<B=Aとなる。従って、R(ロ)<R(イ)=R(ハ)となる。
【0034】
なお、R(イ)・R(ハ)の時に信号L、R(ロ)の時に信号Hをパルス生成回路28が出力するように、回転角検出回路6(特に閾値制御回路26)は構成されている。
【0035】
図4(a)はモータ電流と時間との関係を示したグラフ、図4(b)はパルス生成回路28から出力される信号レベルと時間との関係を示したグラフである。両グラフの横軸(時間)は、目盛りが一致している。
【0036】
定常運転時においては、図4(a)に示すように、電流値は時間に依存して周期的に変化する。具体的には、小→小→大を一周期として変化する。その結果、図4(b)に示すように、パルス生成回路28から出力される信号は、L→L→Hを一周期として繰り返す。
【0037】
また、直流電源3は、定常運転時には一定の電圧(例えば12V)を印加するようになっている。一方、制動時においては、直流電源3は、ロータ4にトルクが発生しない程度の低電圧(例えば1V)を一定時間印加し、その後に電圧の印加を止めるようになっている。
【0038】
低電圧を印加する目的は、制動時における回転角の検出である。通常、制動すると、過渡状態を経た後に電流が小さくなっていく。特に停止直前では回転速度は遅く、電流がほとんど流れない。そのため、回転角の検出が困難である。しかし、一定の低電圧を印加することにより、停止まで完全に回転検出することが可能となる。
【0039】
効果を述べる。直流モータ1によれば、大掛かりなセンサを用いずに、しかもロータ4の回転には不要な抵抗を使わなくても、ロータ4の回転角を検出できる。
【実施例2】
【0040】
図5は、実施例2で説明する直流モータ100を示した図である。ロータ104及び回転角検出回路106以外は、実施例1の直流モータ1と同じなので説明を省く。ロータ104は、コイルa/b/cの巻数が、コイルc<コイルb<コイルaとなっている。従って、実施例1で説明した抵抗値の関係は、R(ロ)<R(イ)<R(ハ)となる。
【0041】
回転角検出回路106については、図6を用いて説明する。図6に示すように、回転角検出回路106は、抵抗21、フィルタ23、アンプ24、閾値制御回路126/130、コンパレータ127/129、パルス生成回路128を備える。
【0042】
抵抗21とフィルタ23とアンプ24とについては、回転角検出回路6が備えるものと同じなので説明を省く。
【0043】
コンパレータ127/129は、アンプ24と、閾値制御回路126/130とから信号を受ける。そして、アンプ24から入力された検出信号と、閾値制御回路126/130から入力される閾値信号とに基づいて、ローレベル信号かハイレベル信号かをパルス生成回路128に入力する。
【0044】
具体的には、コンパレータ127/129は、検出信号の値が閾値信号の値以上なら、ハイレベル信号を出力する。逆に、検出信号の値が閾値信号の値未満なら、ローレベル信号を出力する。また、閾値制御回路126が出力する閾値信号(低閾値信号)の値は、閾値制御回路130が出力する閾値信号(高閾値信号)の値よりも低い。
【0045】
従って、検出信号<低閾値信号の場合、コンパレータ127/129は両方とも、ローレベル信号を出力する。低閾値信号≦検出信号<高閾値信号の場合、コンパレータ127はハイレベル信号、コンパレータ129はローレベル信号を出力する。高閾値信号≦検出信号の場合、コンパレータ127/129は両方とも、ハイレベル信号を出力する。
【0046】
パルス生成回路128は、コンパレータ127/129から入力された信号に基づいて、抵抗21での電圧降下値の情報を示す信号を出力する。具体的には、コンパレータ127/129両方からローレベル信号の入力を受ければ電圧降下値が「低」であることを示す信号L、コンパレータ127からハイレベル信号、コンパレータ129からローレベル信号の入力を受ければ電圧降下値が「中」であることを示す信号M、コンパレータ127/129両方からハイレベル信号の入力を受ければ電圧降下値が「高」であることを示す信号Hを出力する。
【0047】
なお、R(ハ)の時に信号L、R(イ)の時に信号M、R(ロ)の時に信号Hをパルス生成回路128が出力するように、回転角検出回路106(特に閾値制御回路126/130)は構成されている。
【0048】
図7は、定常運転時についてのグラフである。図7(a)はモータ電流と時間との関係を示したグラフ、図7(b)はパルス生成回路128から出力される信号レベルと時間との関係を示したグラフである。両グラフの横軸(時間)は、目盛りが一致している。
【0049】
図7(a)に示すように、電流値は時間に依存して周期的に変化する。具体的には、小→中→大を一周期として変化する。その結果、図7(b)に示すように、パルス生成回路128から出力される信号は、L→M→Hを一周期として繰り返す。
【0050】
ところで実施例1で述べたように、制動時において直流電源3は、ロータ104にトルクが発生しない程度の低電圧(例えば1V)を一定時間印加し、その後に電圧の印加を止めるようになっている。
【0051】
実施例1の直流モータ1では、低電圧を印加する目的は、単に制動時の回転角の検出であった。それに対して、実施例2の直流モータ100では、逆転の検出も目的としている。通常、制動すると、正転で減速→一旦停止→逆転→完全停止となる。この過程における回転角の検出をする。以下、詳述する。
【0052】
図8は、電流回路の開放による制動時についてのグラフである。図8(a)はモータ電流と時間との関係を示したグラフ、図8(b)はフィルタ23から出力される信号と時間との関係を示したグラフ、図8(c)はコンパレータ127から出力される信号と時間との関係を示したグラフ、図8(d)はコンパレータ129から出力される信号と時間との関係を示したグラフ、図8(e)はパルス生成回路128から出力される信号レベルと時間との関係を示したグラフである。各グラフの横軸(時間)は、目盛りが一致している。
【0053】
図8(a)に示すように、モータ電流は、定常運転を止めて制動に入ると、ロータ104の抵抗値変化と過渡現象との影響を受けて変化していく。
【0054】
図8(b)に示すように、フィルタ23が出力する情報は、過渡現象の影響が取り除かれ、ロータ104の抵抗値変化による電流値変化に対応している。そして、波形は、大→中→小→中となっている。これは、図に示された「ロータ逆転」の時刻において、一旦停止および逆転開始が起こった結果に対応している。
【0055】
この結果、図8(c)(d)(e)に示すように、フィルタ23からの信号に応じて、コンパレータ127/129は信号を出力し、この出力に応じてパルス生成回路128は、H→M→L→Mの順に信号を出力する。よって、制動時における逆転を検出できる。
【0056】
なお、図示しなかったが、直流電源3と閾値制御回路126/130とは接続されている。そして、閾値制御回路126/130は、直流電源3によって印加される電圧が、定常運転時のものなのか、制動時のものなのかを知ることができるようになっている。そして、閾値制御回路126/130は、印加電圧の減少に応じて、出力する閾値信号値を小さくするようになっている。そうすることで制動時においても、パルス生成回路128は、ロータ104の回転角に対応した信号値を出力できる。
【0057】
そして、直流電源3は、印加する電圧を一定時間経過後に零にして、制動を終える。
【0058】
図9は、短絡制動による制動時についてのグラフである。図9(a)はモータ電流と時間との関係を示したグラフ、図9(b)はフィルタ23から出力される信号と時間との関係を示したグラフ、図9(c)はコンパレータ127から出力される信号と時間との関係を示したグラフ、図9(d)はコンパレータ129から出力される信号と時間との関係を示したグラフ、図9(e)はパルス生成回路128から出力される信号レベルと時間との関係を示したグラフである。各グラフの横軸(時間)は、目盛りが一致している。
【0059】
図9(a)に示すように、制動を開始すると、ブラシ16/17間の抵抗値変化の影響を受けつつ、過渡現象によってモータ電流は負になる。その後、徐々に大きくなっていく。図9(b)〜図9(e)は、図8(b)〜図8(e)と同じなので説明を省く。
【0060】
ここから効果を述べる。直流モータ100によれば、大掛かりなセンサを用いずに、しかもロータ104の回転には不要な抵抗を使わなくても、ロータ104の回転角を検出できる。さらに、逆転を検出できる。
【0061】
逆転を検出できる理由は、ブラシ16/17と整流子片31/32/33との接触状態に応じて変化するブラシ16/17間の抵抗値の種類が、相の数だけあるからである。そうすれば正転、逆転を必ず検出できる。
【0062】
しかも、ブラシと整流子片との接触状態が切り替わりさえすれば、逆転を検出できる。なぜなら、接触状態が切り替わる場合、正転したとき及び逆転したときを比べると、ブラシ16/17間の抵抗値が同じでないからである。なお、このような逆転を「接触状態単位の逆転」と呼ぶ。
【0063】
さらに、制動時に微弱な電圧を印加する構成によって、制動時の逆転も検出できる。また、停止時にも微弱な電圧を印加することで、停止時の回転角を検出できる。つまり、制動〜停止時には回転しない程度の一定電圧を印加することで、停止した時の電流値から、どの範囲で停止したかが検出可能となる。また、この「どの範囲で停止したかの検出」を利用することによっても、逆転を検出することができる。
【0064】
このような構成を回転に不要な抵抗で実現しようとすると、さらにもう一つ抵抗を追加する必要があり、さらにコストアップになってしまう。本発明によれば、そのようなコストアップを防ぐことができる。
【実施例3】
【0065】
実施例3は、ロータが五相の場合である。まずモータ回路の変化を、図10、図11を用いて説明する。図に示すように実施例3においては、ブラシ116/117、整流子片131/132/133/134/135、コイルd/e/f/g/jがロータの構成要素の一部となる。コイルの巻数は、d=e=f<g<jである。従って、巻数は三種類である。
【0066】
ロータが180°回転する間における、ブラシ116/117間に形成されるモータ回路の変化を説明する。図に示すように、実施例3のモータ回路は、ロータが時計回りに36°回転する毎に、状態ニ/ホ/ヘ/ト/チの順に変化する。そして、各状態における等価回路は、図中の右に示されている。
【0067】
図10(ニ)は、状態ニを示す。図示のように、Vcc側のブラシ116に整流子片135が接触すると共に、GND側のブラシ117に整流子片132が接触した状態である。この場合の合成抵抗R(ニ)は、
R(ニ)=(D+E)(F+G+J)/(D+E+F+G+J)
となる。なお、Dとは、コイルdによる抵抗値を示す。E、F、G、Jも同様である。
【0068】
図10(ホ)は、状態ホを示す。図示のように、Vcc側のブラシ116に整流子片134が接触すると共に、GND側のブラシ117に整流子片132が接触した状態である。この場合の合成抵抗R(ホ)は、
R(ホ)=(D+E+J)(F+G)/(D+E+F+G+J)
となる。
【0069】
図10(ヘ)は、状態ヘを示す。図示のように、Vcc側のブラシ116に整流子片134が接触すると共に、GND側のブラシ117に整流子片131が接触した状態である。なお、この場合の合成抵抗R(ヘ)は、
R(ヘ)=(D+J)(E+F+G)/(D+E+F+G+J)
となる。
【0070】
図11(ト)は、状態トを示す。図示のように、Vcc側のブラシ116に整流子片133が接触すると共に、GND側のブラシ117に整流子片131が接触した状態である。この場合の合成抵抗R(ト)は、
R(ト)=(D+G+J)(E+F)/(D+E+F+G+J)
となる。
【0071】
図11(チ)は、状態チを示す。図示のように、Vcc側のブラシ116に整流子片133が接触すると共に、GND側のブラシ117に整流子片135が接触した状態である。この場合の合成抵抗R(チ)は、
R(チ)=(G+J)(D+E+F)/(D+E+F+G+J)
となる。そして、D=E=F<G<Jより、R(ニ)=R(ト)=R(チ)<R(ホ)<R(ヘ)となる。
【0072】
なお、実施例3における、直流モータの概略構成、回転角検出回路の構成、モータ電流と時間との関係を示したグラフ、及び、パルス生成回路から出力される信号レベルと時間との関係を示したグラフについては、図示は省いて簡単に説明する。
【0073】
実施例3の直流モータは、これまでの説明から明らかなように、実施例2のロータ104を五相にしたものである。また、回転角検出回路は、実施例2の回転角検出回路106と同じである。また、パルス生成回路128から出力される信号レベルは、H→M→L→H→Hを一周期として繰り返す。
【0074】
効果は、実施例2の直流モータ100とほぼ同じである。ただし、接触状態単位の逆転を検出できない場合がある。状態チを起点とすると、正転しても逆転しても、H→Hとなるからである。ただし、一回転単位の逆転は必ず検出できる。H→L→M→Hの三通りの変化のどれかを検出すれば、逆転していることが分かるからである。
【0075】
一方、実施例2よりも有利な点としては、整流子片が多いことによって、より細かい角度で回転角を検出できることである。
【0076】
変形例を述べる。ロータの相の数は三相以上であれば、いくつでも構わない。また、巻数が二種類あれば、回転角(回転数)検出が可能なので、本発明の当初の目的を達成できる。また、一回転単位の逆転検出および接触状態単位の逆転検出のための条件は、コイル同士の配置関係が関係するので、相の数ごとに異なる。詳細については、相の数ごとに調べれば分かることなので、ここでは示さない。なお、コイルの巻数の種類に応じて、回転角検出回路の構成を対応させる必要がある。
【0077】
また、フィルタの出力をデジタル処理することで、回転検出しても良い。例えば、波形をサンプリングし、移動平均をとり、段階的な変化を検出する方法が挙げられる。また、印加電圧と測定した電流とを用いて、ブラシ16/17間の合成抵抗を算出し、この合成抵抗値を用いて回転検出をしても良い。
【0078】
なお、実施例の回転角検出回路6/106は、特許請求の範囲の検出手段に相当する。つまり、回転角検出回路6/106は、回転角に応じた信号を出力するという形で回転角検出を行っている。
【符号の説明】
【0079】
1/100…直流モータ、2…直流モータ本体、3…直流電源、4/104…ロータ、6/106…回転角検出回路、7…回転軸、8…ハウジング、9…磁石、16/17/116/117…ブラシ、21…抵抗、23…フィルタ、24…アンプ、26/126/130…閾値制御回路、27/127/129…コンパレータ、28/128…パルス生成回路、31/32/33/131/132/133/134/135…整流子片、40…ロータコア、a/b/c/d/e/f/g/j…コイル
【技術分野】
【0001】
回転角が検出できる直流モータ及び当該直流モータの本体に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリーエンコーダ等の大掛かりなセンサを用いずに、ロータの回転角が検出できる直流モータが知られている(特許文献1)。この直流モータは、ロータが備える一つの電機子コイルと並列な抵抗を備える。そうすると、定電圧電流をブラシ間に通電させることでロータを回転させれば、ブラシ間を流れる電流が回転角に依存して変動する。従って、その変動を測定することで回転角が検出できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−111465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先述した技術の課題は、直流モータにとっては本来余分な抵抗を設けなくてはならないことである。そうすれば、当然コストアップになる。本発明はこの課題に鑑み、大掛かりなセンサを用いずに、しかも直流モータの回転には不要な抵抗を使わなくても、ロータの回転角を検出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を解決するために発明された請求項1の直流モータは、ロータを備える直流モータ本体と、ロータの回転角を検出する検出手段とを備える直流モータである。
【0006】
そして、ロータは、三相以上の相コイルからなる電機子コイルが巻かれたロータコアと、電機子コイルに導通した整流子とが回転軸に固定されることで構成される。
【0007】
また、直流モータ本体は、整流子と摺接しながら、当該整流子と外部電源とを導通させる一対のブラシと、ロータコアを覆い、回転軸を支えるハウジングと、ハウジングに支えられ、当該ハウジング内部に磁場を作る磁石とを備える。
【0008】
そして、相コイルの巻数は、二種類以上ある。また、検出手段は、ブラシ間を流れる電流を測定することでロータの回転角を検出する。
【0009】
この直流モータによれば、大掛かりなセンサを用いずに、しかもロータの回転には本来不要な抵抗を使わなくても、ロータの回転角が検出できる。なぜなら、ロータの回転に本来必要な電機子コイルによって、ブラシ間の電気抵抗がロータの回転角に依存して二段階以上に変化するからである。よって、ロータを回転させるために流れるブラシ間の電流を測定することで、回転角を検出できる。なお、磁石は、永久磁石に限られず、電磁石等でもよい。
【0010】
請求項2の直流モータは、請求項1に記載の直流モータを前提とする。そして、相コイルの巻数は、三種類以上ある。そして、検出手段は、ブラシ間に流れる電流を測定することでロータの回転方向を検出する。
【0011】
この直流モータによれば、少なくとも一回転すれば、ロータの回転方向が検出できるように構成できる。なぜなら、ブラシ間に流れる電流値が三段階以上に変化するからである。
【0012】
請求項3の直流モータは、請求項2の直流モータを前提とする。そして、相コイルの巻数は、相の数と同じ数の種類がある。
【0013】
この直流モータによれば、ブラシに接触している整流子片が切り替わりさえすれば、ロータの回転方向が検出できる。なぜなら、回転方向によって電流値の変化パターンが異なるからである。
【0014】
請求項4の直流モータは、請求項1〜請求項3の何れかに記載の直流モータを前提とする。そして、相コイルは三相または五相である。
【0015】
請求項5の直流モータは、請求項1〜請求項4の何れかに記載の直流モータを前提とする。そして、外部電源は、ロータの回転が制動される時に、ロータの回転に必要な電流値未満の電流を流すように構成される。また、検出手段は、ロータの回転に必要な電流値未満の電流を測定することで、ロータの制動時の回転角を検出する。この直流モータによれば、ロータの制動時の回転角を検出できる。
【0016】
請求項6の直流モータは、請求項1〜請求項5の何れかに記載の直流モータを前提とする。そして、外部電源は、ロータの回転が停止している時に、ロータの回転に必要な電流値未満の電流を流すように構成される。また、検出手段は、ロータの回転に必要な電流値未満の電流を測定することで、ロータの停止時の回転角を検出する。この直流モータによれば、停止時のロータの回転角を検出できる。
【0017】
請求項7の直流モータ本体は、請求項1の直流モータ本体である。つまり、ロータを備え、当該ロータを流れる電流によって、当該ロータの回転角検出ができる直流モータ本体である。そして、ロータは、三相以上の相コイルからなる電機子コイルが巻かれたロータコアと、電機子コイルに導通した整流子とが回転軸に固定されることで構成される。
【0018】
そして、当該直流モータ本体は、整流子と摺接しながら、当該整流子と外部電源とを導通させる一対のブラシと、ロータコアを覆い、回転軸を支えるハウジングと、ハウジングに支えられ当該ハウジング内部に磁場を作る磁石とを備える。そして、相コイルの巻数は、二種類以上ある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1の直流モータの概略構成を示す図。
【図2】実施例1の回転角検出回路の概略構成を示すブロック図。
【図3】ロータが180°回転する間に生じる三種類の状態(モータ回路)を示す図。
【図4】ロータの回転中に流れる電流に関連する波形の一例を示すグラフ。
【図5】実施例2の直流モータの概略構成を示す図。
【図6】実施例2の回転角検出回路の概略構成を示すブロック図。
【図7】定常運転中において、ロータの回転中に流れる電流に関連する波形の一例を示すグラフ。
【図8】電流回路の開放による制動時おいて、ロータの回転中に流れる電流に関連する波形の一例を示すグラフ。
【図9】短絡による制動時において、ロータの回転中に流れる電流に関連する波形の一例を示すグラフ。
【図10】ロータが180°回転する間に生じる五種類の状態(モータ回路)のうち三種類を示す図。
【図11】ロータが180°回転する間に生じる五種類の状態(モータ回路)のうち二種類を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を図面と共に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1に、本発明が適用された直流モータ1の概略構成を示す。直流モータ1は、ロータ4の回転角を検出できる直流モータである。図1に示すように、直流モータ1は、直流モータ本体2と回転角検出回路6とを備え、直流電源3に接続されている。直流モータ本体2は、ロータ4、ハウジング8、磁石9、ブラシ16/17を備える。ロータ4は、回転軸7、ロータコア40、コイルa、コイルb、コイルc、整流子片31/32/33を備える。つまり、ロータ4は、三相である。
【0022】
ハウジング8は、直流モータ本体2の外郭である。磁石9は、ハウジング8に固定された永久磁石である。
【0023】
直流電源3は、直流電圧をブラシ16/17間に印加する。そうすると、ブラシ16/17と整流子片31/32/33との接触状態に応じて、コイルa/b/cに直流電流が流れる。そうすると磁石9の磁界によってトルクが生じて、回転軸7を中心にロータ4が回転する。なお、コイルa/b/cの巻数は、コイルc<コイルb=コイルaである。
【0024】
回転角検出回路6は、直流電源3とグラウンドとの間、つまりブラシ16/17間を流れる電流に基づいて、ロータ4の回転角に応じた信号(回転パルス)を生成することでロータ4の回転角を検出する。詳細は後述する。
【0025】
図2に示すように、回転角検出回路6は、抵抗21、フィルタ23、アンプ(AMP)24、閾値制御回路26、コンパレータ(COMP)27、パルス生成回路28を備える。
【0026】
抵抗21は、直流電源3とグラウンドとの間に直列に接続されている。従って、ブラシ16/17間に流れた電流値に応じて、抵抗21の前後で電圧降下が起こる。その降下分の電圧を検出信号として、フィルタ23が入力を受ける。そうするとフィルタ23は、ロータ4の回転に伴う変化に対応する帯域の信号を抽出して、その抽出後の信号をアンプ24に入力する。つまり、フィルタ23は、余分な周波数成分(起動時の突入電流や制動時の急激な電流変動など)を取り除くものである。また、フィルタ23は、直流電源3と繋がって、印加電圧により遮断周波数を制御することも有り得る。
【0027】
アンプ24は、入力された検出信号を、増幅すると共にコンパレータ27の二つの入力端子のうち一方に入力する。コンパレータ27は、入力された検出信号と、閾値制御回路26から他方の入力端子に入力され閾値を示す信号(閾値信号)とに基づいて、ローレベル信号かハイレベル信号かをパルス生成回路28に入力する。
【0028】
具体的には、コンパレータ27は、検出信号の値が閾値信号の値以上なら、ハイレベル信号を出力する。逆に、検出信号の値が閾値信号の値未満なら、ローレベル信号を出力する。
【0029】
パルス生成回路28は、コンパレータ27から入力された信号に基づいて、抵抗21での電圧降下値の情報を示す信号を出力する。具体的には、コンパレータ27からローレベル信号の
入力を受ければ電圧降下値が「低」であることを示す信号L、ハイレベル信号の入力を受ければ電圧降下値が「高」であることを示す信号Hを出力する。
【0030】
図3は、ロータ4が180°回転する間における、ロータ4内部の結線状態の変化、つまり、ブラシ16/17間に形成されるモータ回路の変化を示す。図に示すように、ロータ4のモータ回路は、ロータ4が60°回転する毎に、状態イ/ロ/ハの三種類に変化する。そして、各状態における等価回路は、図中の右に示されている。
【0031】
図3(イ)は状態イの一例を示す。図示のように、Vcc側(直流電源3の正極側)のブラシ16に整流子片31が接触すると共に、GND側(グラウンド電位側)のブラシ17に整流子片32が接触した状態である。なお、Vccとは直流電源3の電源電圧を示すものである。この場合の合成抵抗R(イ)は、
R(イ)=(A+C)B/(A+B+C)
となる。なお、Aとは、コイルaによる抵抗値を示す。BやCも同様である。
【0032】
図3(ロ)は、状態ロの一例として、状態イから時計回りに約60°回転した状態を示す。状態ロでは、Vcc側のブラシ16に接触する整流子片が、状態イの時の整流子片31から整流子片33へと切り替わっている。GND側のブラシ17には、整流子片32が接触している。この場合の合成抵抗R(ロ)は、
R(ロ)=(A+B)C/(A+B+C)
となる。
【0033】
図3(ハ)は、状態ハの一例として、状態ロからさらに時計回りに約60°回転した状態を示す。状態ハでは、GND側のブラシ17に接触する整流子片が、状態イ/ロの時の整流子片32から整流子片31へと切り替わっている。Vcc側のブラシ16には整流子片33が接触している。この場合の合成抵抗R(ハ)は、
R(ハ)=A(B+C)/(A+B+C)
となる。先述したように、巻数は、コイルc<コイルb=コイルaなので、抵抗値は、C<B=Aとなる。従って、R(ロ)<R(イ)=R(ハ)となる。
【0034】
なお、R(イ)・R(ハ)の時に信号L、R(ロ)の時に信号Hをパルス生成回路28が出力するように、回転角検出回路6(特に閾値制御回路26)は構成されている。
【0035】
図4(a)はモータ電流と時間との関係を示したグラフ、図4(b)はパルス生成回路28から出力される信号レベルと時間との関係を示したグラフである。両グラフの横軸(時間)は、目盛りが一致している。
【0036】
定常運転時においては、図4(a)に示すように、電流値は時間に依存して周期的に変化する。具体的には、小→小→大を一周期として変化する。その結果、図4(b)に示すように、パルス生成回路28から出力される信号は、L→L→Hを一周期として繰り返す。
【0037】
また、直流電源3は、定常運転時には一定の電圧(例えば12V)を印加するようになっている。一方、制動時においては、直流電源3は、ロータ4にトルクが発生しない程度の低電圧(例えば1V)を一定時間印加し、その後に電圧の印加を止めるようになっている。
【0038】
低電圧を印加する目的は、制動時における回転角の検出である。通常、制動すると、過渡状態を経た後に電流が小さくなっていく。特に停止直前では回転速度は遅く、電流がほとんど流れない。そのため、回転角の検出が困難である。しかし、一定の低電圧を印加することにより、停止まで完全に回転検出することが可能となる。
【0039】
効果を述べる。直流モータ1によれば、大掛かりなセンサを用いずに、しかもロータ4の回転には不要な抵抗を使わなくても、ロータ4の回転角を検出できる。
【実施例2】
【0040】
図5は、実施例2で説明する直流モータ100を示した図である。ロータ104及び回転角検出回路106以外は、実施例1の直流モータ1と同じなので説明を省く。ロータ104は、コイルa/b/cの巻数が、コイルc<コイルb<コイルaとなっている。従って、実施例1で説明した抵抗値の関係は、R(ロ)<R(イ)<R(ハ)となる。
【0041】
回転角検出回路106については、図6を用いて説明する。図6に示すように、回転角検出回路106は、抵抗21、フィルタ23、アンプ24、閾値制御回路126/130、コンパレータ127/129、パルス生成回路128を備える。
【0042】
抵抗21とフィルタ23とアンプ24とについては、回転角検出回路6が備えるものと同じなので説明を省く。
【0043】
コンパレータ127/129は、アンプ24と、閾値制御回路126/130とから信号を受ける。そして、アンプ24から入力された検出信号と、閾値制御回路126/130から入力される閾値信号とに基づいて、ローレベル信号かハイレベル信号かをパルス生成回路128に入力する。
【0044】
具体的には、コンパレータ127/129は、検出信号の値が閾値信号の値以上なら、ハイレベル信号を出力する。逆に、検出信号の値が閾値信号の値未満なら、ローレベル信号を出力する。また、閾値制御回路126が出力する閾値信号(低閾値信号)の値は、閾値制御回路130が出力する閾値信号(高閾値信号)の値よりも低い。
【0045】
従って、検出信号<低閾値信号の場合、コンパレータ127/129は両方とも、ローレベル信号を出力する。低閾値信号≦検出信号<高閾値信号の場合、コンパレータ127はハイレベル信号、コンパレータ129はローレベル信号を出力する。高閾値信号≦検出信号の場合、コンパレータ127/129は両方とも、ハイレベル信号を出力する。
【0046】
パルス生成回路128は、コンパレータ127/129から入力された信号に基づいて、抵抗21での電圧降下値の情報を示す信号を出力する。具体的には、コンパレータ127/129両方からローレベル信号の入力を受ければ電圧降下値が「低」であることを示す信号L、コンパレータ127からハイレベル信号、コンパレータ129からローレベル信号の入力を受ければ電圧降下値が「中」であることを示す信号M、コンパレータ127/129両方からハイレベル信号の入力を受ければ電圧降下値が「高」であることを示す信号Hを出力する。
【0047】
なお、R(ハ)の時に信号L、R(イ)の時に信号M、R(ロ)の時に信号Hをパルス生成回路128が出力するように、回転角検出回路106(特に閾値制御回路126/130)は構成されている。
【0048】
図7は、定常運転時についてのグラフである。図7(a)はモータ電流と時間との関係を示したグラフ、図7(b)はパルス生成回路128から出力される信号レベルと時間との関係を示したグラフである。両グラフの横軸(時間)は、目盛りが一致している。
【0049】
図7(a)に示すように、電流値は時間に依存して周期的に変化する。具体的には、小→中→大を一周期として変化する。その結果、図7(b)に示すように、パルス生成回路128から出力される信号は、L→M→Hを一周期として繰り返す。
【0050】
ところで実施例1で述べたように、制動時において直流電源3は、ロータ104にトルクが発生しない程度の低電圧(例えば1V)を一定時間印加し、その後に電圧の印加を止めるようになっている。
【0051】
実施例1の直流モータ1では、低電圧を印加する目的は、単に制動時の回転角の検出であった。それに対して、実施例2の直流モータ100では、逆転の検出も目的としている。通常、制動すると、正転で減速→一旦停止→逆転→完全停止となる。この過程における回転角の検出をする。以下、詳述する。
【0052】
図8は、電流回路の開放による制動時についてのグラフである。図8(a)はモータ電流と時間との関係を示したグラフ、図8(b)はフィルタ23から出力される信号と時間との関係を示したグラフ、図8(c)はコンパレータ127から出力される信号と時間との関係を示したグラフ、図8(d)はコンパレータ129から出力される信号と時間との関係を示したグラフ、図8(e)はパルス生成回路128から出力される信号レベルと時間との関係を示したグラフである。各グラフの横軸(時間)は、目盛りが一致している。
【0053】
図8(a)に示すように、モータ電流は、定常運転を止めて制動に入ると、ロータ104の抵抗値変化と過渡現象との影響を受けて変化していく。
【0054】
図8(b)に示すように、フィルタ23が出力する情報は、過渡現象の影響が取り除かれ、ロータ104の抵抗値変化による電流値変化に対応している。そして、波形は、大→中→小→中となっている。これは、図に示された「ロータ逆転」の時刻において、一旦停止および逆転開始が起こった結果に対応している。
【0055】
この結果、図8(c)(d)(e)に示すように、フィルタ23からの信号に応じて、コンパレータ127/129は信号を出力し、この出力に応じてパルス生成回路128は、H→M→L→Mの順に信号を出力する。よって、制動時における逆転を検出できる。
【0056】
なお、図示しなかったが、直流電源3と閾値制御回路126/130とは接続されている。そして、閾値制御回路126/130は、直流電源3によって印加される電圧が、定常運転時のものなのか、制動時のものなのかを知ることができるようになっている。そして、閾値制御回路126/130は、印加電圧の減少に応じて、出力する閾値信号値を小さくするようになっている。そうすることで制動時においても、パルス生成回路128は、ロータ104の回転角に対応した信号値を出力できる。
【0057】
そして、直流電源3は、印加する電圧を一定時間経過後に零にして、制動を終える。
【0058】
図9は、短絡制動による制動時についてのグラフである。図9(a)はモータ電流と時間との関係を示したグラフ、図9(b)はフィルタ23から出力される信号と時間との関係を示したグラフ、図9(c)はコンパレータ127から出力される信号と時間との関係を示したグラフ、図9(d)はコンパレータ129から出力される信号と時間との関係を示したグラフ、図9(e)はパルス生成回路128から出力される信号レベルと時間との関係を示したグラフである。各グラフの横軸(時間)は、目盛りが一致している。
【0059】
図9(a)に示すように、制動を開始すると、ブラシ16/17間の抵抗値変化の影響を受けつつ、過渡現象によってモータ電流は負になる。その後、徐々に大きくなっていく。図9(b)〜図9(e)は、図8(b)〜図8(e)と同じなので説明を省く。
【0060】
ここから効果を述べる。直流モータ100によれば、大掛かりなセンサを用いずに、しかもロータ104の回転には不要な抵抗を使わなくても、ロータ104の回転角を検出できる。さらに、逆転を検出できる。
【0061】
逆転を検出できる理由は、ブラシ16/17と整流子片31/32/33との接触状態に応じて変化するブラシ16/17間の抵抗値の種類が、相の数だけあるからである。そうすれば正転、逆転を必ず検出できる。
【0062】
しかも、ブラシと整流子片との接触状態が切り替わりさえすれば、逆転を検出できる。なぜなら、接触状態が切り替わる場合、正転したとき及び逆転したときを比べると、ブラシ16/17間の抵抗値が同じでないからである。なお、このような逆転を「接触状態単位の逆転」と呼ぶ。
【0063】
さらに、制動時に微弱な電圧を印加する構成によって、制動時の逆転も検出できる。また、停止時にも微弱な電圧を印加することで、停止時の回転角を検出できる。つまり、制動〜停止時には回転しない程度の一定電圧を印加することで、停止した時の電流値から、どの範囲で停止したかが検出可能となる。また、この「どの範囲で停止したかの検出」を利用することによっても、逆転を検出することができる。
【0064】
このような構成を回転に不要な抵抗で実現しようとすると、さらにもう一つ抵抗を追加する必要があり、さらにコストアップになってしまう。本発明によれば、そのようなコストアップを防ぐことができる。
【実施例3】
【0065】
実施例3は、ロータが五相の場合である。まずモータ回路の変化を、図10、図11を用いて説明する。図に示すように実施例3においては、ブラシ116/117、整流子片131/132/133/134/135、コイルd/e/f/g/jがロータの構成要素の一部となる。コイルの巻数は、d=e=f<g<jである。従って、巻数は三種類である。
【0066】
ロータが180°回転する間における、ブラシ116/117間に形成されるモータ回路の変化を説明する。図に示すように、実施例3のモータ回路は、ロータが時計回りに36°回転する毎に、状態ニ/ホ/ヘ/ト/チの順に変化する。そして、各状態における等価回路は、図中の右に示されている。
【0067】
図10(ニ)は、状態ニを示す。図示のように、Vcc側のブラシ116に整流子片135が接触すると共に、GND側のブラシ117に整流子片132が接触した状態である。この場合の合成抵抗R(ニ)は、
R(ニ)=(D+E)(F+G+J)/(D+E+F+G+J)
となる。なお、Dとは、コイルdによる抵抗値を示す。E、F、G、Jも同様である。
【0068】
図10(ホ)は、状態ホを示す。図示のように、Vcc側のブラシ116に整流子片134が接触すると共に、GND側のブラシ117に整流子片132が接触した状態である。この場合の合成抵抗R(ホ)は、
R(ホ)=(D+E+J)(F+G)/(D+E+F+G+J)
となる。
【0069】
図10(ヘ)は、状態ヘを示す。図示のように、Vcc側のブラシ116に整流子片134が接触すると共に、GND側のブラシ117に整流子片131が接触した状態である。なお、この場合の合成抵抗R(ヘ)は、
R(ヘ)=(D+J)(E+F+G)/(D+E+F+G+J)
となる。
【0070】
図11(ト)は、状態トを示す。図示のように、Vcc側のブラシ116に整流子片133が接触すると共に、GND側のブラシ117に整流子片131が接触した状態である。この場合の合成抵抗R(ト)は、
R(ト)=(D+G+J)(E+F)/(D+E+F+G+J)
となる。
【0071】
図11(チ)は、状態チを示す。図示のように、Vcc側のブラシ116に整流子片133が接触すると共に、GND側のブラシ117に整流子片135が接触した状態である。この場合の合成抵抗R(チ)は、
R(チ)=(G+J)(D+E+F)/(D+E+F+G+J)
となる。そして、D=E=F<G<Jより、R(ニ)=R(ト)=R(チ)<R(ホ)<R(ヘ)となる。
【0072】
なお、実施例3における、直流モータの概略構成、回転角検出回路の構成、モータ電流と時間との関係を示したグラフ、及び、パルス生成回路から出力される信号レベルと時間との関係を示したグラフについては、図示は省いて簡単に説明する。
【0073】
実施例3の直流モータは、これまでの説明から明らかなように、実施例2のロータ104を五相にしたものである。また、回転角検出回路は、実施例2の回転角検出回路106と同じである。また、パルス生成回路128から出力される信号レベルは、H→M→L→H→Hを一周期として繰り返す。
【0074】
効果は、実施例2の直流モータ100とほぼ同じである。ただし、接触状態単位の逆転を検出できない場合がある。状態チを起点とすると、正転しても逆転しても、H→Hとなるからである。ただし、一回転単位の逆転は必ず検出できる。H→L→M→Hの三通りの変化のどれかを検出すれば、逆転していることが分かるからである。
【0075】
一方、実施例2よりも有利な点としては、整流子片が多いことによって、より細かい角度で回転角を検出できることである。
【0076】
変形例を述べる。ロータの相の数は三相以上であれば、いくつでも構わない。また、巻数が二種類あれば、回転角(回転数)検出が可能なので、本発明の当初の目的を達成できる。また、一回転単位の逆転検出および接触状態単位の逆転検出のための条件は、コイル同士の配置関係が関係するので、相の数ごとに異なる。詳細については、相の数ごとに調べれば分かることなので、ここでは示さない。なお、コイルの巻数の種類に応じて、回転角検出回路の構成を対応させる必要がある。
【0077】
また、フィルタの出力をデジタル処理することで、回転検出しても良い。例えば、波形をサンプリングし、移動平均をとり、段階的な変化を検出する方法が挙げられる。また、印加電圧と測定した電流とを用いて、ブラシ16/17間の合成抵抗を算出し、この合成抵抗値を用いて回転検出をしても良い。
【0078】
なお、実施例の回転角検出回路6/106は、特許請求の範囲の検出手段に相当する。つまり、回転角検出回路6/106は、回転角に応じた信号を出力するという形で回転角検出を行っている。
【符号の説明】
【0079】
1/100…直流モータ、2…直流モータ本体、3…直流電源、4/104…ロータ、6/106…回転角検出回路、7…回転軸、8…ハウジング、9…磁石、16/17/116/117…ブラシ、21…抵抗、23…フィルタ、24…アンプ、26/126/130…閾値制御回路、27/127/129…コンパレータ、28/128…パルス生成回路、31/32/33/131/132/133/134/135…整流子片、40…ロータコア、a/b/c/d/e/f/g/j…コイル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータを備える直流モータ本体と、前記ロータの回転角を検出する検出手段とを備える直流モータであって、
前記ロータは、三相以上の相コイルからなる電機子コイルが巻かれたロータコアと、前記電機子コイルに導通した整流子とが回転軸に固定されることで構成され、
前記直流モータ本体は、
前記整流子と摺接しながら、当該整流子と外部電源とを導通させる一対のブラシと、
前記ロータコアを覆い、前記回転軸を支えるハウジングと、
前記ハウジングに支えられ、当該ハウジング内部に磁場を作る磁石とを備え、
前記相コイルの巻数は、二種類以上あり、
前記検出手段は、前記ブラシ間を流れる電流を測定することで前記ロータの回転角を検出する
ことを特徴とする直流モータ。
【請求項2】
前記相コイルの巻数は、三種類以上あり、
前記検出手段は、前記ブラシ間を流れる電流を測定することで前記ロータの回転方向を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の直流モータ。
【請求項3】
前記相コイルの巻数は、相の数と同じ数の種類がある
ことを特徴とする請求項2に記載の直流モータ。
【請求項4】
前記相コイルは三相または五相であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の直流モータ。
【請求項5】
前記外部電源は、前記ロータの回転が制動される時に、前記ロータの回転に必要な電流値未満の電流を流すように構成され、
前記検出手段は、前記ロータの回転に必要な電流値未満の電流を測定することで、前記ロータの制動時の回転角を検出する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の直流モータ。
【請求項6】
前記外部電源は、前記ロータの回転が停止している時に、前記ロータの回転に必要な電流値未満の電流を流すように構成され、
前記検出手段は、前記ロータの回転に必要な電流値未満の電流を測定することで、前記ロータの停止時の回転角を検出する
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の直流モータ。
【請求項7】
ロータを備え、当該ロータを流れる電流によって、当該ロータの回転角検出ができる直流モータ本体であって、
前記ロータは、三相以上の相コイルからなる電機子コイルが巻かれたロータコアと、前記電機子コイルに導通した整流子とが回転軸に固定されることで構成され、
前記整流子と摺接しながら、当該整流子と外部電源とを導通させる一対のブラシと、
前記ロータコアを覆い、前記回転軸を支えるハウジングと、
前記ハウジングに支えられ、当該ハウジング内部に磁場を作る磁石とを備え、
前記相コイルの巻数は、二種類以上ある
ことを特徴とする直流モータ本体。
【請求項1】
ロータを備える直流モータ本体と、前記ロータの回転角を検出する検出手段とを備える直流モータであって、
前記ロータは、三相以上の相コイルからなる電機子コイルが巻かれたロータコアと、前記電機子コイルに導通した整流子とが回転軸に固定されることで構成され、
前記直流モータ本体は、
前記整流子と摺接しながら、当該整流子と外部電源とを導通させる一対のブラシと、
前記ロータコアを覆い、前記回転軸を支えるハウジングと、
前記ハウジングに支えられ、当該ハウジング内部に磁場を作る磁石とを備え、
前記相コイルの巻数は、二種類以上あり、
前記検出手段は、前記ブラシ間を流れる電流を測定することで前記ロータの回転角を検出する
ことを特徴とする直流モータ。
【請求項2】
前記相コイルの巻数は、三種類以上あり、
前記検出手段は、前記ブラシ間を流れる電流を測定することで前記ロータの回転方向を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の直流モータ。
【請求項3】
前記相コイルの巻数は、相の数と同じ数の種類がある
ことを特徴とする請求項2に記載の直流モータ。
【請求項4】
前記相コイルは三相または五相であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の直流モータ。
【請求項5】
前記外部電源は、前記ロータの回転が制動される時に、前記ロータの回転に必要な電流値未満の電流を流すように構成され、
前記検出手段は、前記ロータの回転に必要な電流値未満の電流を測定することで、前記ロータの制動時の回転角を検出する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の直流モータ。
【請求項6】
前記外部電源は、前記ロータの回転が停止している時に、前記ロータの回転に必要な電流値未満の電流を流すように構成され、
前記検出手段は、前記ロータの回転に必要な電流値未満の電流を測定することで、前記ロータの停止時の回転角を検出する
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の直流モータ。
【請求項7】
ロータを備え、当該ロータを流れる電流によって、当該ロータの回転角検出ができる直流モータ本体であって、
前記ロータは、三相以上の相コイルからなる電機子コイルが巻かれたロータコアと、前記電機子コイルに導通した整流子とが回転軸に固定されることで構成され、
前記整流子と摺接しながら、当該整流子と外部電源とを導通させる一対のブラシと、
前記ロータコアを覆い、前記回転軸を支えるハウジングと、
前記ハウジングに支えられ、当該ハウジング内部に磁場を作る磁石とを備え、
前記相コイルの巻数は、二種類以上ある
ことを特徴とする直流モータ本体。
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図5】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図5】
【公開番号】特開2010−183793(P2010−183793A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27185(P2009−27185)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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