説明

真空汲み取り管路および点検用真空ます

【構成】真空汲み取り管路10では、接続口16と終点マンホール20とを真空管路22で繋ぎ、また、真空管路22の適当な位置に点検用真空ます24、点検用管路口26および管路弁28などを配置する。そして、各建物30に設けられた便槽12に汚水が溜まると、作業員が搬送車14を終点マンホール20に着けて、収集タンク18に繋がる吸込ホース38を真空管路22の下流側末端に接合する。そして、汲み取りホース34を便槽12および接続口16にそれぞれ接合して、真空ポンプ36を作動する。これによって真空管路22などが真空にされ、汚水が汲み取りホース34に吸引される。そして、真空管路22および吸込ホース38などを通り、収集タンク18に収容される。
【効果】建設費および維持費などが嵩む施設および設備などを用いる必要がなく、経済的であり、しかも狭小地および小規模地域などにも敷設することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、真空汲み取り管路および点検用真空ますに関し、特にたとえば、搬送車の真空ポンプを利用して、便槽に溜められた汚水を搬送車の収集タンクに汲み取るために用いられる、真空汲み取り管路および点検用真空ますに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、汚水の収集に真空式下水道システムが利用されている。このシステムでは、汚水が流入管を経て真空弁ユニットへ自然流下し、真空弁ユニットの汚水だまりに溜められる。そして、汚水だまり内の水位が上昇すると真空弁が開いて、汚水が中継ポンプ場の真空ポンプにより吸引されて、真空下水管を通って集水タンクへ搬送される。さらに、集水タンク内の汚水が一定量に達すると、圧送ポンプが作動して、下水処理場や自然流下幹線などへ輸送される。
【0003】
このようなシステムには、汚水を搬送する真空下水管以外に真空弁ユニットおよび中継ポンプ場を設ける必要がある。この真空弁ユニットには汚水だまり、真空弁および水位検知器などを設け、また中継ポンプ場には真空ポンプ、集水タンクおよび圧送ポンプなどを設けるため、真空式下水道システムの利用には真空弁ユニットおよび中継ポンプ場の建設費および維持費が嵩む。
【0004】
これを解決する方法の一例として、特許文献1および2が開示されている。
【0005】
特許文献1の真空式下水道では、中継ポンプ場の代わりに集水ユニットを用いている。そして、真空弁ユニットを真空下水管によって集水ユニットの集水タンクへ接続し、その集水タンクを下水接続管および幹線汚水管によって処理場へ接続している。また、集水ユニットおよび真空ポンプ場を通気接続管および真空通気管で接続して、集水ユニットを真空にしている。
【0006】
また、特許文献2の真空式下水道システムでは、中継ポンプ場の代わりに運搬車を用いている。真空弁ユニットに仕切り弁を介して取付管を接続し、取付管の先に接続部を設ける。そして、接続部を運搬車の集水タンクに真空下水管で接続してから、運搬車の真空ポンプを作動させて、集水タンクを真空にしている。
【特許文献1】特開2002−194807号公報[E03F 5/22]
【特許文献2】特開2002−70130号公報[E03F 3/02、E03F 5/22]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1および2の従来技術ではともに中継ポンプ場を設けないため、中継ポンプ場の建設費や維持費などを削減することができる。しかし、真空弁ユニットを設ける必要があり、真空弁ユニットの建設費や維持費などが嵩む。しかも、狭小地では真空弁ユニットの建設用地を確保できない場合がある。
【0008】
また、汚水が汚水溜まりへ自然流下するように、汚水溜まりを深くするため、真空弁ユニットの建設にバック・ホーなどの掘削土木機械を持ち込まなければならない。しかし、狭小地では道路の幅員が狭く、掘削土木機械を運び入れられず、真空弁ユニットを建設することができない。
【0009】
それゆえに、この発明の主たる目的は、敷設場所を選ばず、経済的に利用することができる、真空汲み取り管路および点検用真空ますを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、便槽に溜められた汚水を搬送車に積載された収集タンクに搬送車の真空ポンプにより汲み取るために用いられる、真空汲み取り管路であって、真空ポンプにより真空にされる真空管路、真空管路に設けられる接続口、および真空管路の下流側末端が接続される終点マンホールを備え、汚水を、便槽から接続口へ吸引し、真空管路に通して搬送し、真空管路の下流側末端から収集タンクへ収集する、真空汲み取り管路である。
【0011】
請求項1の発明では、便槽(12:実施例において相当する部分を例示する参照符号。以下同じ。)に汚水を溜めておき、たとえば便槽(12)の中に汚水が一定量溜まると、作業員が搬送車(14)で終点マンホール(20)へ向かい、搬送車(14)を終点マンホール(20)に着ける。そして、終点マンホール(20)の中で真空管路(22)の下流側末端に収集タンク(18)を繋ぎ、接続口(16)に便槽(12)を繋いで、真空ポンプ(36)を作動させる。これにより、真空管路(22)の中が真空になって、便槽(12)の中の汚水が接続口(16)へ吸引されて、真空管路(22)を通って収集タンク(18)へ運ばれる。そして、汚水を収集タンク(18)に収集し終えると、作業員が汚水を搬送車(14)で下水処理場などへ運ぶ。
【0012】
このように、汚水だまりの代わりに便槽(12)を利用し、また真空弁および水位検知器の代わりに、便槽(12)の中に汚水が一定量溜まったときなどに作業員が収集タンク(18)および便槽(12)を真空管路(22)に接続すれば、真空弁ユニットを設ける必要がない。また、中継ポンプ場の真空ポンプ(36)の代わりに搬送車(14)の真空ポンプ(36)を用い、中継ポンプ場の集水収集タンク(18)の代わりに搬送車(14)の収集タンク(18)を用いて、圧送ポンプの代わりに搬送車(14)で汚水を輸送すれば、中継ポンプ場を設ける必要がない。よって、建設費や維持費などが嵩む真空弁ユニットおよび中継ポンプ場を必要とせず、経済的である。そして、真空弁ユニットおよび中継ポンプ場の建設用地を確保する必要がなく、狭小地にも敷設することができる。
【0013】
また、既存の便槽(12)を用いれば、汚水溜まりのような汚水を貯留しておく場所を新たに作らなくてもよく、建設費などを削減できる。仮に、新たに便槽(12)を設けたとしても、便槽(12)の深さが浅いため、手掘りまたは小型機械などによって便槽(12)を形成することができ、建設費を抑えられる。しかも、大型機械を搬送できないような場所でも便槽(12)を設けることができ、敷設場所を選ばない。
【0014】
請求項2の発明は、真空管路は勾配を有し、終点マンホールが勾配の最下位に設置される、請求項1記載の真空汲み取り管路である。
【0015】
請求項2の発明では、終点マンホール(20)を勾配の最下位に設置すると、接続口(16)から終点マンホール(20)に向かって真空管路(22)が下り勾配になるため、汚水が真空ポンプ(36)により便槽(12)から真空管路(22)へ汲み上げられた後、汚水が終点マンホール(20)に向かって自然流下する。よって、真空ポンプ(36)には一般的な吸引力、つまり汚水を便槽(12)から接続口(16)まで持ち上げる吸引力があればよく、既存の搬送車(14)を用いることができる。
【0016】
また、真空管路(22)の途中にリフトが設けられたとしても、リフトの高さが便槽(12)から接続口(16)までの高さと同程度であれば、真空ポンプ(36)の吸引力により汚水がリフトを乗り越えることができる。
【0017】
請求項3の発明は、点検口を有し、かつ管路に挿入されるます本体、点検口に着脱可能な蓋、およびます本体および蓋の少なくとも一方に設けられ、かつ管路を大気に開放できるバルブを備える、点検用真空ますである。
【0018】
請求項3の発明では、点検口(92)に蓋(78)を付け、バルブ(82)を塞ぐと、ます本体(76)の中は気密性を有するため、たとえば点検用真空ます(24)を真空管路(22)に接続すると、ます本体(76)の内部は真空状態になる。このままでは、ます本体(76)の内部と外部との圧力の差により蓋(78)を開けることができない。そこで、バルブ(82)により真空管路(22)を大気に開放すれば、ます本体(76)の内部と外部との圧力差が縮まり、蓋(78)を開けることができる。そして、蓋(78)を取り外した点検口(92)から内部を点検、修理または掃除などをすることができる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項3の点検用真空ますをさらに備える、請求項1または2記載の真空汲み取り管路である。
【0020】
請求項4の発明では、請求項3の発明と同様に、蓋(78)を開けて、点検口(92)から真空管路(22)などを点検、修理または掃除などをすることができる。
【0021】
たとえば、汚水が真空管路(22)の中に詰まった場合、点検口(92)から内部を点検して、詰まった汚物などを取り除くことができる。
【0022】
また、真空管路(22)の破損などの不具合により真空漏れが発生した場合、点検口(92)からテストボール(130)などを挿入したり、バルブ(82)に真空ポンプ(126)などを接続したりすることにより、真空管路(22)の真空度を測定し、真空管路(22)の不具合箇所を発見することができる。
【0023】
請求項5の発明は、終点マンホールの近傍で真空管路に接続される管路弁をさらに備え、汚水の汲み取り時には管路弁を開き、汲み取り時以外には管路弁を閉める、請求項1、2または4記載の真空汲み取り管路である。
【0024】
請求項5の発明では、管路弁(28)を開いた状態にして、便槽(12)から収集タンク(18)へ汚水を汲み取った後、管路弁(28)を閉めて、真空管路(22)を遮断する。これにより、汲み取り終了後に真空管路(22)に残っている汚水が終点マンホール(20)へ流れてきても、汚水の流下が管路弁(28)により止められる。このため、たとえば真空管路(22)の下流側末端から収集タンク(18)を取り外した後、あるいは次に真空管路(22)の下流側末端に収集タンク(18)を接続する際に、汚水が終点マンホール(20)の中に流れ出ず、汚水による悪臭の防止および作業性などが向上する。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、真空ポンプおよび収集タンクを有する運搬車と、作業員による操作などを利用することにより、真空汲み取り管路を狭小地などにも敷設することができ、しかも真空汲み取り管路の建設費および維持費などを削減することができる。
【0026】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1に示すこの発明の一実施例である真空汲み取り管路10は、便槽12に溜められた汚水を搬送車14の収集タンク18に汲み取る際に用いられる。そして、真空汲み取り管路10は、便槽12からの汚水が流入する接続口16、汚水を搬送する真空管路22、真空管路22の下流側末端が接続される終点マンホール20、真空管路22のメンテナンスなどに用いられる点検用真空ます24および点検用管路口26、ならびに真空管路22を制御する管路弁28を備える。
【0028】
便槽12は、図1および図2に示すように、汚水を溜める容器などであって、建物30の地下などに埋設される。便槽に汚水管31が接続され、汚水管31の先は便器32に繋がる。この汚水管31が便器32から便槽12に向かって下り勾配になっているため、便器32から流入する汚水が汚水管31を自然流下し、便槽12に溜められる。
【0029】
また、便槽12の上部が開口し、この上部開口に通常蓋(図示せず)が装着されるが、汚水の汲み取り時には上部開口から汲み取りホース34が挿入される。
【0030】
汲み取りホース34には、その内部を汚水が通る際に激しく振れ動いても破損しない程度の強度を有し、かつ丸めて束ねることができる程度に可撓性を有する管が用いられる。汲み取りホース34は、通常丸めて束ねられた状態で搬送車14に積まれていて、汲み取る際に作業員によって搬送車14から各接続口16および便槽12まで運ばれる。このため、汲み取りホース34の長さは、作業員が運ぶことができる程度の長さであって、たとえば20m程度に設定される。また、汲み取りホース34の径は、たとえば50mm程度に設定される。そして、汚水の汲み取り時には汲み取りホース34の先端部に吸引口35が取り付けられる。吸引口35には複数の孔が設けられ、孔の大きさは、汲み取りホース34にトイレットペーパなどが詰まらない程度の大きさ、たとえば25〜35mmに設定される。ただし、この吸引口35を汲み取りホース34の先端部に取り付けずに、汲み取りホース34を便槽12の中に挿入してもよい。
【0031】
搬送車14は、図1に示すように収集タンク18および真空ポンプ36などを積載した自動車などであって、搬送車14にはたとえばバキュームカーなどが用いられる。収集タンク18には吸込ホース38が接続され、吸込ホース38の先は終点マンホール20の中の真空管路22の下流側末端に接続される。また、収集タンク18には真空ポンプ36が装着され、真空ポンプ36を作動すると収集タンク18の内部が真空となり、吸込ホース38から収集タンク18の中に吸い込む。この真空ポンプ36にはバキュームカーが有する一般的な吸引力が少なくとも要求される。一般的な吸引力としては、汚水を便槽12から便槽12の上部開口まで持ち上げる吸引力であって、たとえば0.069Mpaである。
【0032】
接続口16は、図1に示すように、1つ、または複数の便槽12から汲み取りホース34が届く位置に設けられる。図3に示すように、主管部40から分岐する分岐管部42を有する管、たとえばY字管44が用いられる。この主管部40が真空管路22に接続されて、分岐管部42の先端に接続口16が形成される。接続口16の先にキャップ46が着脱可能に装着されて、キャップ46により接続口16が密閉される。また、接続口16が接続口用空間の中に設けられる。
【0033】
接続口用空間は接続口用防護ハット48および接続口用防護短管50の内側に形成される。接続口用防護ハット48は蓋体52およびそれを支持する台座54を有する。蓋体52が接続口用空間の口、つまり台座54の中心孔を開閉可能に塞ぎ、蓋体52の上面が地表面に現れる。台座54は円筒形状であって、接続口16の上方に埋設される。そして、台座54の内側に接続口用防護短管50が配置され、接続口用防護短管50は接続口16を囲むように埋設される。接続口用防護短管50は硬質塩化ビニル樹脂などの樹脂管で形成され、その長さは真空管路22の土被りより短く、たとえば300mmに設定される。接続口用防護短管50の径は、接続口16と汲み取りホース34との接続作業ができる程度の大きさであって、たとえば200mmに設定される。
【0034】
通常台座54の中心孔が蓋体52で覆われ、接続口16がキャップ46で塞がれているが、汚水を汲み取る際には、図2に示すように、台座54の中心孔から蓋体52が外されて、キャップ46の代わりに接続口16に接続変換継手56が接続される。
【0035】
図2および図4に示すように、接続変換継手56は、汲み取りホース34と接続口16との間を繋ぐ際に用いられ、それ以外の時は後述する管路弁用空間などに収納されている。そして、接続変換継手56は管部58を有し、管部58の長さは、たとえば450mmに設定される。管部58は曲部60および可撓部62を含み、曲部60および可撓部62が気密性および水密性を有した状態で連結されている。曲部60には硬質塩化ビニル樹脂などにより形成される曲管が用いられ、可撓部62にはポリエチレン樹脂などで形成される可撓性を有するホースが用いられる。曲部60の径は、接続口16の径と同じく、たとえば75mmに設定され、可撓部62の径は、汲み取りホース34の径と同じく、たとえば50mmに設定される。そして、管部58に接続口16と接続されるゴム輪受口64が設けられ、可撓部62に汲み取りホース34と接続されるユニオンタイプ受口66が形成される。そして、このユニオンタイプ受口66を採用することにより、接続方向を自由に変えることができる。
【0036】
終点マンホール20は、図1に示すように、真空管路22の下流側末端に設けられ、真空管路22の下り勾配の最下位に設置される。また、終点マンホール20は、その周囲に搬送車14を乗り入れて着けることができる場所であって、作業者が収集タンク18と真空管路22の下流側末端との接続作業などをすることができる場所に設けられる。
【0037】
図5〜図7に示す終点マンホール20には、たとえば幅680mm、奥行き980mm、高さ1210mmの直方体形状のものが用いられる。終点マンホール20の上部が開口し、この上部開口に鉄蓋68などが脱着可能に装着される。
【0038】
終点マンホール20の側面から内部に向かって真空管路22の下流側末端部が突出し、その端に径方向の外側へ張り出すフランジ部70が設けられる。そのフランジ70によって真空管路22に接続変換継手72が接続される。なお、この接続変換継手72を外せば、真空管路22の下流側末端が開口するため、この下流側開口は真空管路22の点検、修理および掃除などに利用される。
【0039】
接続変換継手72は、吸込ホース38と真空管路22の下流側末端とを繋ぐものであって、たとえば図4に示す接続口16と汲み取りホース34とを繋ぐ接続変換継手56と同様のものが用いられる。ただし、管部58の長さは長く、たとえば900mmに設定される。また、ゴム輪受口64の代わりにフランジ74が取り付けられている。そして、ユニオンタイプ受口66は利用時にのみ吸込ホース38と接続されるが、フランジ74は常時真空管路22の下流側末端と接続されている。そして、利用時以外には、図7に示すように、接続変換継手72が真空管路22の下流側末端に接続された状態で曲げられて、終点マンホール20の中に収容される。
【0040】
真空管路22は、図1に示すように、その中が真空ポンプ36により真空にされて、汚水を接続口16から終点マンホール20へ運ぶ管路であって、地中に埋設される。その土被りは、自動車などが通行しない場所では、たとえば350mm以上に設定され、その中でも400mm以上が好ましい。自動車などが通行して土圧がかかる、またはかかる可能性がある場所では、土被りは600mm以上に設定される。
【0041】
真空管路22には、外部からの土圧および内部からの減圧などに対して変形しない管、たとえば硬質塩化ビニル樹脂などの樹脂管が用いられる。その管径は、大き過ぎると真空管路22の中を真空にするのに時間がかかったり、材料費および敷設費が嵩んだりし、一方小さ過ぎると汚水に含まれる汚物などが詰まり易くなるため、たとえば75mmに設定される。また、径が75mmの硬質塩化ビニル樹脂管は真空下水用管路として開発されたものがある点、その周辺部材の品揃えが豊富である点、およびそれを容易に特殊加工できる点などから、この樹脂管を真空管路22の管材として利用しやすい。
【0042】
真空管路22は、主に地形に応じて配管されるため、その一部に水平部および上り勾配が付けられたリフト部などを有していてもよいが、全長を通して接続口16から終点マンホール20に向かって下り勾配になるように設置される。この真空管路22の勾配は、たとえば0.2%以上に設定される。そして、リフト部の高さは、真空ポンプ36の吸引力によりリフト部の低位置にある汚水を高位置へ吸い上げることができる高さ以下に設定される。
【0043】
また、真空管路22の合流部にはY字管などを用いて、真空管路22が上流側から下流側に向かって鈍角に曲がるように形成される。これにより、汚水が合流部の中をスムーズに流れるため、真空管路22は汚水に含まれる汚物などが詰まりにくい管路となる。
【0044】
点検用真空ます24は、図8に示すような真空管路22の曲がり部、図9および図10に示すような真空管路22の合流部、ならびに比較的長い真空管路22の直線部などに設置され、真空管路22などの点検、修理および掃除などに用いられる。そして、ます本体76、蓋78、およびバルブ82を備え、ます本体76および蓋78が硬質塩化ビニル樹脂などの合成樹脂で形成される。
【0045】
ます本体76は、図8〜図11に示すように、底を有し、その側壁が円筒形状に形成され、その上流側に上流側管部84が設けられ、下流側に下流側管部86が設けられる。上流側管部84の先にゴム輪受口88が設けられ、下流側管部86の先に差口90が設けられ、このゴム輪受口88および差口90がそれぞれ真空管路22の差口および受口に嵌められて、ます本体76、上流側管部84および下流側管部86は真空管路22に挿入される。
【0046】
そして、ます本体76の径は、真空管路22から流入する空気と汚水との分離を避けるために小さく、たとえば100mmに設定される。また、上流側管部84が下流側管部86より高い位置に設けられ、かつ下流側管部86の管底とます本体76の底との間に段差が付かないようにこれらの高さを一致させて形成される。しかも、上流側が下流側より高くなるように点検用真空ます24が埋設されることにより、上流側管部84、下流側管部86およびます本体76の底が上流側から下流側に向かって下り勾配が付けられる。このため、上流側から流入する汚水が点検用真空ます24の中に滞留することが防がれる。
【0047】
このます本体76の上部には点検口92が開口し、点検口92に蓋78が着脱可能に装着される。この蓋78にバルブ82が装着される。点検口92は、バルブ82を塞いだ状態の蓋78で密封される。
【0048】
点検用真空ます24が点検ます用空間の中に設けられ、点検ます用空間が点検ます用防護ハット94および点検ます用防護短管96の内側に形成される。点検ます用防護ハット94には接続口用防護ハット48と同様のものが用いられ、点検ます用防護短管96には接続口用防護短管50と同様のものが用いられる。
【0049】
点検用管路口26は、図1および図12に示すように、真空管路22の上流側先端の開口に設けられ、真空管路22などの点検、修理および掃除などに用いられる。つまり、真空管路22の上流側先端部には、地表面に向かって曲がる曲管、たとえば90度ベンド98が用いられ、90度ベンド98の先が上側を向いて開口し、この開口が点検用管路口26として用いられる。そして、図12および図13に示すように、90度ベンド98の先に受部100が装着され、受部100に点検用管路口26を開閉自在に塞ぐ蓋102が設けられる。この蓋102にバルブ106が装着される。そして、バルブ106を塞いた状態で蓋102を点検用管路口26に嵌めれば、蓋102で真空管路22が密封される。
【0050】
点検用管路口26が管路口用空間の中に設けられ、管路口用空間が管路口用防護ハット108および管路口用防護短管110の内側に形成される。管路口用防護ハット108には接続口用防護ハット48と同様のものが用いられ、管路口用防護短管110には接続口用防護短管50と同様のものが用いられる。ただし、真空管路22の上流側先端部では真空管路22が斜め上側に向かって延び、真空管路22の土被りが浅くなっているため、土被りに合わせて管路口用防護短管110の長さが短く、たとえば200mmに設定される。
【0051】
管路弁28は、図1に示すように、真空管路22の途中、および終点マンホール20の近傍に設けられる。管路弁28が真空管路22の途中に設けられる場合、たとえば3つ以上の接続口16が設けられる区間の終点マンホール20側に配置される。そして、管路弁28には、仕切り弁などの公知の弁が用いられ、管路弁28は、図14および図15に示すように、弁管部112およびその内部に配置される弁体(図示せず)を有する。この弁管部112の上流側端部にゴム輪受口114が設けられ、下流側端部に差口116が設けられて、ゴム輪受口114および差口116のそれぞれが真空管路22の差口および受口に嵌められ、弁管部112が真空管路22に挿入される。そして、弁体により弁管部112を遮断したり、開通したりすることにより、真空管路22が制御される。また、弁管部112にバルブ120が装着される。
【0052】
管路弁28が管路弁用空間の中に設けられ、管路弁用空間が管路弁用防護ハット122および管路弁用防護短管124の内側に形成される。管路弁用防護ハット122には接続口用防護ハット48と同様のものが用いられ、管路弁用防護短管124には接続口用防護短管50と同様のものが用いられる。ただし、管路弁用空間の中で管路弁28の操作などが容易にできるように、管路弁用防護短管124の径は大きく、たとえば300mmに設定される。
【0053】
このような図1に示す真空汲み取り管路10を用いて、各便槽12に溜められた汚水を搬送車14で汲み取る場合、たとえば一定期間ごとに予め設けられた収集日、または便槽12の中に汚水が一定量溜まると連絡を受けて、作業員が搬送車14で終点マンホール20へ向かい、搬送車14を終点マンホール20の傍に着けて、吸込ホース38を用意する。なお、汲み取りを始める前には、接続口16のキャップ46(図3)、点検用真空ます24の蓋78(図11)、点検用管路口26の蓋102(図13)、および終点マンホール20の近傍にある管路弁28がそれぞれ閉められ、かつ終点マンホール20近傍にある管路弁28以外の管路弁28が開けられている。
【0054】
そして、図7に示すように、終点マンホール20の中から接続変換継手72を取り出し、図6に示すように、その先に吸込ホース38を接合する。これにより、図1に示すように、接続変換継手72および吸込ホース38を介して収集タンク18が真空管路22の下流側末端に接続される。
【0055】
次に、作業員が汲み取りホース34を搬送車14から降ろし、目的の便槽12の最寄りにある接続口16まで運んで、図3に示すように、接続口用空間の中で接続口16のキャップ46を外す。また、管路弁用空間などから接続変換継手56を用意し、図2に示すように、ゴム輪受口64を接続口16に接続し、ユニオンタイプ受口66を汲み取りホース34に接続する。そして、接続口16から便槽12まで汲み取りホース34を延ばして、汲み取りホース34の先端を便槽12に挿入する。
【0056】
それから、図1に示すように、終点マンホール20の近傍にある管路弁28を開け、便槽12から収集タンク18まで連通させてから、真空ポンプ36を作動させると、収集タンク18の中が真空にされ、それに続いて吸込ホース38、真空管路22および汲み取りホース34などが真空になる。これにより、汚水が吸引されて、汲み取りホース34、真空管路22および吸込ホース38などを通って収集タンク18へ運ばれる。このとき、真空管路22の下り勾配となっている部分では、汚水が終点マンホール20に向かって自然流下する。また、リフトの部分では、汚水が真空ポンプ36の吸引力により持ち上げられて、リフトを乗り越える。
【0057】
1つの便槽12の汚水を汲み取り終えた後、その接続口16から汲み取りホース34が届く範囲に便槽12があり、その便槽12の汚水を汲み取る必要がある場合、汲み取りホース34の先を便槽12から抜き取り、汲み取りホース34を接続変換継手56を介して接続口16に接続した状態のままで汲み取りホース34を別の便槽12へ運ぶ。そして、汲み取りホース34の先をその便槽12に挿入すると、汚水が吸引される。
【0058】
このようにして、1つの接続口16から汲み取りホース34が届く範囲にある便槽12の汚水をすべて汲み取り終われば、汲み取りホース34を便槽12から抜き取り、接続変換継手56を接続口16から外す。そして、図3のキャップ46を接続口16に嵌める。
【0059】
次に、図1に示す別の接続口16から便槽12の汚水を汲み取る。この場合、真空管路22の中は真空状態になっているため、点検用真空ます24、点検用管路口26または管路弁28のいずれか最寄りのバルブ82、106、120により真空管路22を大気に開放する。これにより、真空管路22の内部と外部との圧力差が縮まるため、別の接続口16のキャップ46を外すことができる。そして、その接続口16に汲み取りホース34を接続し、汲み取りホース34の先を便槽12の中に挿入して、先ほど開けたバルブ82、106、120を閉めると、再び真空管路22および汲み取りホース34などの中が真空されて、便槽12の汚水が吸引される。上記と同様にして、その接続口16から届く範囲にある便槽12の汚水をすべて汲み取り、これを繰り返す。
【0060】
そして、汚水を収集タンク18に収集し終えると、便槽12および接続口16から汲み取りホース34を取って、接続口16にキャップ46を取り付ける。それから、終点マンホール20の近傍にある管路弁28を閉めて、終点マンホール20を真空管路22から遮断した後、真空ポンプ36を止めて、吸込ホース38を接続変換継手72から外す。このように、終点マンホール20の近傍にある管路弁28を閉めることにより、汲み取り終了後に真空管路22に残っている汚水が終点マンホール20へ流れてきても、汚水の流下が管路弁28により止められる。このため、たとえば終点マンホール20から収集タンク18を取り外した後、あるいは次に終点マンホール20に収集タンク18を接続する際に、汚水が終点マンホール20の中に流れ出さず、汚水による悪臭の防止および作業性などが向上する。
【0061】
最後に、接続変換継手72を終点マンホール20の中に収納した後、作業員が汚水を搬送車14で下水処理場(図示せず)などへ運ぶ。
【0062】
このように、汚水を各便槽12に溜め、一定期間ごとまたは一定量の汚水が便槽12に溜まったときなどに、作業員が収集タンク18および便槽12を真空管路22へ接続し、真空ポンプ36およびバルブ82、106、120などを操作することにより、汚水を便槽12から収集タンク18へ汲み取り、そして、搬送車14で汚水を輸送すれば、建設費や維持費などが嵩む真空弁ユニットおよび中継ポンプ場を必要とせず、経済的である。このため、建物30が広範囲に点在するような地域にも小規模な真空汲み取り管路10を形成することができる。また、真空弁ユニットおよび中継ポンプ場の用地を確保できないような狭小地にも敷設することができる。
【0063】
また、既存の便槽12を用いれば、汚水溜まりのような汚水を貯留しておく場所を新たに作らなくてもよく、建設費などを削減できる。仮に、新たに便槽12を設けたとしても、便槽12の深さが浅いため、手掘りまたは小型機械などによって便槽12を形成することができ、建設費を抑えられる。しかも、大型機械を搬送できないような場所でも便槽12を設けることができ、敷設場所を選ばない。
【0064】
そして、自動車などが通行しない場所では真空管路22が浅く埋設されるため、敷設費を抑えることができる。
【0065】
さらに、点検用真空ます24、点検用管路口26および管路弁28にそれぞれバルブ82、106、120を設けることにより、最寄りのバルブ82、106、120を開閉すれば真空管路22の真空状態を簡単に制御することができる。たとえば、真空状態では、真空管路22の内部と外部との圧力の差によりキャップ46および蓋78、102などを開けることができないが、バルブ82、106、120により真空管路22を大気に開放すれば、真空管路22の内部と外部との圧力差が縮まって、キャップ46および蓋78、102などを開けることができるようになる。
【0066】
そして、このような真空汲み取り管路10において、接続口16、終点マンホール20の中の真空管路22の下流側開口、点検用真空ます24の点検口92、および点検用管路口26から真空管路22などの点検、修理および掃除などが行われる。
【0067】
たとえば、真空管路22に汚水に含まれる汚物などが詰まると、詰まった場所の近くにある接続口16、真空管路22の下流側開口、点検用真空ます24の点検口92、または点検用管路口26を開ける。この際、真空管路22が真空状態になっており、キャップ46または蓋78、102などを外すことができない場合、その蓋78、102に付いたバルブ82、106または近所にあるバルブ82、106、120を開けてから、キャップ46または蓋78、102などを外す。そして、真空管路22の中に掃除具や洗浄剤などを挿入して、詰まった汚物などを除去する。なお、洗浄剤を真空管路22の中に流し入れた場合、洗浄剤が真空管路22の中を流下し、下流側開口から排出されるため、終点マンホール20で排出される洗浄剤を受ける。
【0068】
また、真空汲み取り管路10の真空漏れを点検する場合、図16に示すように、たとえば真空ポンプ126、圧力計128およびパッカなどのテストボール130を用意する。そして、管路弁28、点検用真空ます24または点検用管路口26のいずれかのバルブ82、106、120に真空ポンプ126を接続する。なお、真空ポンプ126の代わりに、終点マンホール20に接続した搬送車14の真空ポンプ36を用いることもできる。
【0069】
次に、真空ポンプ126を作動させて、真空管路22の下流側開口、接続口16、点検口92または点検用管路口26のいずれかにテストボール130を挿入し、別の口16、92、26からテストボール130の紐132などを牽引してテストボール130を真空管路22の中に通していき、真空ポンプ126とテストボール130との間の検査部分の真空度を圧力計128で測定する。真空漏れの箇所が検査部分になければ、真空度が高くなり、一方真空漏れの箇所が検査部分にあると、真空度が低くなる。このため、真空度により真空漏れ箇所を突き止めることができる。そして、いずれかの口16、92、26から真空漏れ箇所を修理する。
【0070】
なお、真空漏れを点検する際、適宜管路弁28を閉めて、真空管路22を区切り、管路弁28およびテストボール130の間に真空ポンプ126を接続すれば、管路弁28とテストボール130との間にある部分を点検することができる。また、真空漏れなど真空汲み取り管路10に不具合がある場合には、不具合箇所より終点マンホール20の側にある管路弁28を閉めると、不具合箇所以外の部分を汲み取りに用いることができる。
【0071】
図17に示すこの発明の他の実施例である真空汲み取り管路10は、図1に示す真空汲み取り管路10とほぼ同じである。しかしながら、図1では常時接続口16と便槽12とは繋がっておらず、汚水の汲み取り時に作業員が、たとえば1本の汲み取りホース34を接続口16に接続したまま各便槽12を順次回って、その便槽12に汲み取りホース34の先を挿入した。これに対して、図17では便槽12と同じ数の汲み取りホース34を用意し、その汲み取りホース34をそれぞれ便槽12に挿入した状態で予め敷設しておき、汚水の汲み取り時に、汲み取りホース34で便槽12と接続口16とを繋ぐ。これ以外の部分に関しては図1実施例の示す真空汲み取り管路10と同様であるため、説明は省略する。なお、真空汲み取り管路10の共通する部分については同じ番号を付して、その番号の説明は省略している。
【0072】
汲み取りホース34は、図17および図18に示すように、可撓性を有するホースで形成されて、汲み取りホース34に仕切り弁133などが設けられる。また、汲み取りホース34が埋設され、その一端が接続変換継手56を介して接続口16に接続され、他端が便槽12に挿入される。
【0073】
そして、常時は仕切り弁133などを閉めて汲み取りホース34を遮断しておくが、汲み取り時には仕切り弁133を開けて汲み取りホース34を連通させる。
【0074】
これによれば、仕切り弁133などを操作するだけで、汲み取りホース34を持ち回って接続する必要がなく、作業性に優れる。
【0075】
なお、仕切り弁133により汲み取りホース34を遮断および連通させたが、図19に示すように、汲み取りホース34と接続口16との接続および切断により汲み取りホース34を遮断および連通させることもできる。
【0076】
すわなち、接続室134を地中に設ける。そして、汲み取りホース34を便槽12と接続室134との間に埋設し、汲み取りホース34の一端を便槽12に挿入し、接続室134の中に配置した汲み取りホース34の他端にキャップ136を取り付ける。また、真空管路22から分岐管部42を接続室134へ延ばして、接続室134の中に接続口16を設け、接続口16にキャップ46を取り付ける。常時は汲み取りホース34の先および接続口16がそれぞれキャップ46、136で塞がれ、これらは切断されているが、汚水の汲み取り時にはキャップ46、136をそれぞれ外して汲み取りホース34と接続口16とを接続する。これによれば、キャップ46、136の脱着および汲み取りホース34と接続口16との接続などの作業を必要とするが、汲み取りホース34を持ち回って接続する必要がなく、作業性に優れ、しかも、高価な仕切り弁133などの必要とせず、経済的である。
【0077】
なお、図17−図19では、汲み取りホース34の全てを可撓性を有するホースで形成したが、汲み取りホース34の一部、とくに埋設されている部分を可撓性がない硬質塩化ビニル樹脂管などで形成することもできる。
【0078】
なお、上記全ての実施例では、接続口16を含むY字管44および接続口16のキャップ46にバルブを設けていないが、Y字管44および/またはキャップ46にバルブを設けることもできる。
【0079】
そして、上記全ての実施例では、点検用真空ます24および点検用管路口26においては、蓋78、102にバルブ82、106を設けたが、ます本体76や90度ベンド98などにバルブを設けることもでき、また蓋78、102とます本体76や90度ベンド98とのいずれにもバルブを設けることができる。
【0080】
また、上記全ての実施例では、接続口16の径を真空管路22の径と同じ大きさに設定したが、接続口16の径を汲み取りホース34の径と同じに設定することもできる。
【0081】
さらに、上記全ての実施例では、汲み取り時以外では吸込ホース38および汲み取りホース34を搬送車14に積載したが、吸込ホース38および/または汲み取りホース34を終点マンホール20または管路弁用空間などに収納することもできる。
【0082】
そして、上記全ての実施例では、吸込ホース38を真空管路22の下流側末端に接続し、汲み取りホース34を接続口16に接続してから、終点マンホール20の近傍にある管路弁28を開けて真空ポンプ36を作動したが、これらの順序は問わない。
【0083】
また、上記全ての実施例では、バルブ82、106、120の開閉により真空管路22の中の真空状態を調整したが、真空ポンプ36の作動および停止により真空管路22の中の真空状態を調整することもできる。
【0084】
なお、上で挙げた角度や寸法の具体的数値はいずれも単なる一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】この発明の一実施例の真空汲み取り管路を示す図解図である。
【図2】図1実施例の真空汲み取り管路に用いられる接続口に接続変換継手を介して汲み取りホースを接続し、汲み取りホースの先を便槽に挿入した状態を示す断面図である。
【図3】図2の接続口にキャップを装着し、接続口を接続口用防護ハットおよび接続口用防護短管で囲んだ状態を示す断面図である。
【図4】接続変換継手を示す断面図である。
【図5】終点マンホールの上面を示す平面図である。
【図6】終点マンホールにおいて、真空管路の下流側末端に接続変換継手を介して吸込ホースを接続した状態を示す断面図である。
【図7】接続変換継手から吸込ホースを外して、接続変換継手を終点マンホールの中に収納した状態を示す断面図である。
【図8】真空管路の曲がり部に点検用真空ますを設けた状態を示す断面図である。
【図9】真空管路の合流部に点検用真空ますを設けた状態を示す断面図である。
【図10】真空管路の合流部に点検用真空ますを設けた状態を示す断面図である。
【図11】点検用真空ますを点検ます用防護ハットおよび点検ます用防護短管で囲んだ状態を示す断面図である。
【図12】真空管路に設けた接続口および点検用管路口を示す断面図である。
【図13】点検用管路口を示す断面図である。
【図14】管路弁を管路弁用防護ハットおよび管路弁用防護短管で囲んだ状態を示す断面図である。
【図15】管路弁を示す断面図である。
【図16】真空管路の真空漏れを真空ポンプおよびテストボールなどを用いて検査した状態を示す断面図である。
【図17】この発明の別の実施例の真空汲み取り管路を示す図解図である。
【図18】図17実施例の真空汲み取り管路において、接続口と便槽との間を汲み取りホースで繋ぎ、その汲み取りホースに仕切り弁を設けた状態を示す断面図である。
【図19】この発明のさらに別の実施例の真空汲み取り管路に用いられる接続口および汲み取りホースを接続室に配置した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0086】
10…真空汲み取り管路
12…便槽
14…搬送車
16…接続口
18…収集タンク
20…終点マンホール
22…真空管路
24…点検用真空ます
28…管路弁
36…真空ポンプ
76…ます本体
78…蓋
82…バルブ
92…点検口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便槽に溜められた汚水を搬送車に積載された収集タンクに前記搬送車の真空ポンプにより汲み取るために用いられる、真空汲み取り管路であって、
前記真空ポンプにより真空にされる真空管路、
前記真空管路に設けられる接続口、および
前記真空管路の下流側末端が接続される終点マンホールを備え、
前記汚水を、前記便槽から前記接続口へ吸引し、前記真空管路に通して搬送し、前記真空管路の下流側末端から前記収集タンクへ収集する、真空汲み取り管路。
【請求項2】
前記真空管路は勾配を有し、前記終点マンホールが前記勾配の最下位に設置される、請求項1記載の真空汲み取り管路。
【請求項3】
点検口を有し、かつ管路に挿入されるます本体、
前記点検口に着脱可能な蓋、および
前記ます本体および前記蓋の少なくとも一方に設けられ、かつ前記管路を大気に開放できるバルブを備える、点検用真空ます。
【請求項4】
請求項3の点検用真空ますをさらに備える、請求項1または2記載の真空汲み取り管路。
【請求項5】
前記終点マンホールの近傍で前記真空管路に接続される管路弁をさらに備え、
前記汚水の汲み取り時には前記管路弁を開き、汲み取り時以外には前記管路弁を閉める、請求項1、2または4記載の真空汲み取り管路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−239353(P2007−239353A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−64721(P2006−64721)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(505142964)クボタシーアイ株式会社 (192)
【出願人】(503315702)クボタシーアイプラテック株式会社 (16)
【Fターム(参考)】