知的プローブ
本システム、方法、製品、ソフトウェア及び装置は知的プローブシステム又はその構成部分である。本発明のある実施形態では、1個又は複数個の可換なプローブ内にICチップを埋め込んであるので、CMM上でのプローブ換装を、何回でも、迅速に、容易に且つ誤りなく行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略、座標計測機(CMM)等の計測装置及びそれによる計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CMMは部品製造工程等で部品計測に用いられる装置である。その計測は、例えばそのプローブの先端(プローブ端)を計測対象部品に物理的に接触させることで、或いは非接触計測手段を介して行われる。また、そのロボットアームセグメント(CMMアーム)同士を関節にて連結したCMMでは、その関節内に角度エンコーダ等の部材を組み込むことができるので、適宜ユーザが指定する座標系に従いプローブ端位置を計測することができる。更に、例えばコンピュータ支援設計(CAD)システム又はそのソフトウェアに対し、CMMの動作を協調させることもできる。
【0003】
使用するプローブ乃至エンドエフェクタの種類はその用途によって異なる。例えば、計測対象物上の到達困難部位をCMMで計測するには、それに相応しい寸法乃至形状を有するプローブを使用しなければならない。そのため、計測対象部位の性質に応じプローブを換装するのが普通である。
【0004】
しかしながら、CMM使用時の校正には往々にして時間がかかる。特に、CMM上のプローブを別の寸法等のプローブに換装する際には、プローブ再校正が必要になるのが普通である。例えばアセンブリライン環境では、CMMを20分間に亘りオフラインにし、そのプローブ端を換装して再校正を行うことが、問題となりうる。そのため、製造業者等は、そのプローブを正確に換装することができ、しかもその再校正用ダウンタイム(ライン休止時間)が十分に短いCMMを期待しているのであるが、その達成には更なる技術革新が必要である。
【0005】
なお、本願出願人は、CMM又はその関連分野に属する米国特許を何件か取得している。例えば特許文献1〜7である。この参照を以て、それらの文献に記載の事項を全て本願に組み込むこととする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5611147号明細書
【特許文献2】米国特許第5794356号明細書
【特許文献3】米国特許第6612044号明細書
【特許文献4】米国特許第6820346号明細書
【特許文献5】米国特許第6796048号明細書
【特許文献6】米国特許第6920697号明細書
【特許文献7】米国特許第6965843号明細書
【特許文献8】米国特許第6931745号明細書
【特許文献9】米国特許第5829148号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在使用されているシステムのうち、例えばRomer(登録商標;以下表記省略)SimcorInfiniteシリーズの製品では、可換プローブ毎にピン配置を変えるピン識別システムを採用している。このシステムでは、CMM上で一組のプローブを換装使用するに当たり、そのCMMが、プローブ毎にユニークな物理的又は電気的ピン配置に基づき個々のプローブを識別する。その識別を行うには、事前に、例えばCMM内メモリにそのピン配置を記憶させておかねばならない。従って、このシステムでは、装着できるプローブの個数がピン配置の実現可能種類数によって制限される。そのサイズや種類が同一のプローブ同士を弁別できない。加えて、例えばCMM内にあるメモリに対し初期セットアップ及び入力を行っておかないと、データベースにそのエンドエフェクタの寸法及び特性が登録されずそのデータベースを利用できなくなる。従って、このシステムを使用できる分野は限られている。全自動認識システムでもなく、その即時性、取扱容易性及び拡張性に欠けている。更には、計測中のオンザフライ設定即ち動的設定もできない。例えば、ある特定のアルゴリズム乃至データをあるプローブについて使用している際、Romerプローブにはプロセッサやメモリが備わっていないため、そのプローブで使用するアルゴリズム乃至データの更新版でそのプローブ内のアルゴリズム乃至データを更新することは容易でない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るシステム、方法、製品及び装置は知的プローブシステムを提供する。本発明のある実施形態では、1個又は複数個の可換なプローブ内に集積回路(IC)チップを埋め込んであるので、CMM上へのプローブ換装を、何回でも、迅速に、容易に且つ誤りなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】関節付アームを有するCMM及びそれに付属するコンピュータの前斜視図である。
【図2】集積回路内蔵型可換プローブの後斜視図である。
【図3】CMM上の可換プローブ取付先の前斜視図である。
【図4】第2実施形態における同心環状整流子の表面図である。
【図5】第2実施形態における同心環状整流子の裏面図である。
【図6】第2実施形態における同心環状整流子型接続部の斜視図である。
【図7】第2実施形態における同心環状整流子型接続部付プローブ本体の分解図である。
【図8】第2実施形態における同心環状整流子型接続部付プローブ本体の分解図である。
【図9】第2実施形態における同心環状整流子型接続部付プローブ本体の切欠図である。
【図10】第2実施形態における同心環状整流子型接続部付プローブ本体の断面図である。
【図11】第2実施形態における同心環状整流子型接続部付プローブ本体の透視図である。
【図12】第3実施形態における無線接続部付プローブ本体の後斜視図である。
【図13】第3実施形態における無線接続部付CMMアームの前斜視図である。
【図14】本システムにてソフトウェア的に発生させる表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、別紙図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。なお、その説明及び図面記載はいずれも例示に過ぎず、要旨限定を意図したものではない。図中、同様の部材には同様の参照符号を付してある。
【0011】
図1にCMM30の全体構成を示す。
【0012】
図2及び図3に、本発明に係る知的プローブシステム(以下「本システム」)の第1実施形態を示す。本実施形態では、可換なプローブ10内にICチップ15を埋め込み、そのチップ15と電子的なシリアルナンバーとにより各プローブ10を“電子的にシリアル化”している。従って、CMM30上でのプローブ換装を、何回でも、迅速に、容易に且つ誤りなく行うことができる。更に、そのチップ15内にはメモリ(バッファ)がある。そのメモリには、そのプローブ10の属性、そのプローブ10の特性、そのCMM30の校正状態等についての情報を格納することができる。
【0013】
また、図10に示すように、普通の即ち非知的なプローブ端10aを使用する場合には、そのプローブ端10aとCMMアーム20との間にプローブ10をアダプタとして入れ、そのプローブ10の本体にこのICチップ15を組み込むこともできる。このように、ICチップ位置に細かな制限はなく、本システム内の様々な場所に設けることができる。
【0014】
更に、本実施形態では、図2に示したプローブ10をCMMアーム20上に装着すると、その内部に埋め込まれているICチップ15上の情報に基づきそのプローブ10の寸法や種類が認識されるだけでなく、例えばそのプローブ10とアーム20の組合せ毎に校正データセットが形成される。そのため、同一のプローブ10を複数本のアーム20で使い回す場合でも、そのプローブ10(のシリアルナンバー)とアーム20の組合せに対しユニークとなるよう校正データセットが形成されるので、精度を最大限に高めることができる。
【0015】
また、その校正データセットはプローブ10の校正を通じ随時生成される。新規生成されたデータセットは、CMMアーム20上に保存、存置することも、またプローブ10側ICチップ15のメモリ内に保存することもできる。いずれにするかは用途に応じ決めればよい。アーム20は、それ1本にプローブ複数個分のデータを保存できるよう構成することが可能である。そうしたければ、プローブ10側に全ての所要データを格納してもよい。
【0016】
このように、プローブ10内又はプローブ10外のどこかにICチップ15を配置し、そのチップ15上のメモリ例えばEEPROMから校正データ、プローブデータ等の情報を転送できるようにした点で、本システムのプローブ10は知的(スマート)である。どのような情報を格納するかは個別の構成設定及びプログラム次第であるが、例えばプローブ端直径、熱膨張係数(CTE)、プローブ種別(例えばハードプローブ、メカニカルタッチプローブ等の種別)、ボール直径、プローブ単体或いは個別CMM装着時の“x,y,x,オフセット”乃至6自由度座標等、種々の情報やそれらの任意の組合せを格納することができる。それらの情報は、その知的プローブ10をCMMアーム20に装着すると必要な校正データ及びプローブデータが漏れなく自動的に転送されるよう、シリアルナンバー等に関連づけ或いは相応のデータフォーマットで格納する。図14に、本システムにてソフトウェア的に発生させる表示画面(スクリーンショット)の一例を示す。この例では、プローブ10のシリアルナンバーが読み込まれており、プローブ端直径が6mmであることやそのCTEが1.0e−009であることが表示されている。ただ、どのデータフィールドを読み込むかは、ユーザが自分の好みや構成設定に応じ決めることができるので、このスクリーンショットに示されている構成設定に限縮して本発明を解釈すべきではない。
【0017】
加えて、CMMアーム20等の校正は、本システムで校正用のボール、孔等の基準物を計測することで、行うことができる。その手法については、ロボット工学の分野で周知であることから詳細な説明を省略する。
【0018】
図示しないが、プローブの形状及び形態はその用途で様々に異なる。ここに、本システムでは、そのプローブ10が知的であるので、プローブ10の換装をその再校正無しで随時行うことができる。具体的には、複数個の電極60が相応の向きで配置されている電気的接続部40にプローブ10を装着すると、そのプローブ10のシリアルナンバーが自動的に検知され、システムコンピュータ50その他の相応部材によって真正な校正データセットが呼び出され、その校正データセットに基づきコンピュータ支援計測(CAM)用計測ソフトウェア等がCMM30を動作させる。プローブ10が電子的にシリアル化されているので、メニュー上でプローブ10を選択する必要はない。このように、プローブ10が自動的に認識乃至インストールされ、そのプローブ10とその装着先のCMMアーム20とがプラグアンドプレイ式に自動校正されるのは、個々のプローブ10に係る校正データセットをそのプローブ10のシリアルナンバーで参照し、そのプローブの動作キネマティクスと関連づけるシステムを採っているからである。
【0019】
また、本発明を実施する際には、様々な構造の連結部乃至接続部を使用することができる。これからその接続部について例示説明するが、本発明を実施する際には他の種類乃至構造の接続部を使用することもできる。
【0020】
まず、図2及び図3に示した第1実施形態では、3個のボール70及び1個のピン80を有するボールキネマティックマウント式接続部が用いられている。本実施形態では、ピン80を孔81に差し込んで電極60の位置を合わせた上で、環状螺着部85を回して組み付けることで、プローブ10をCMMアーム20の電気的接続部40上に固定する。
【0021】
ご留意頂きたいことに、図2ではICチップ15がプローブ端10aに組み込まれている。このようにした方が便利ではあるが、これまで諸プローブ端製造業者によって製造されてきたプローブ端は、その大半が非知的なプローブ端である。そうした非知的プローブ端をプローブ端10aとして使用する場合は、書込可能なICチップ15が組み込まれたプローブ本体(図示せず)に、そのプローブ端10aを装着するようにするとよい。それに先立ちそのチップ15上にそのプローブ端10aの特性や寸法についての情報を書き込んでおく必要があるが、それを行っておけば、そのプローブ(本体にプローブ端10aを装着したもの)は実質的に知的プローブ10となる。この場合、誰が製造したどんな非知的プローブでも、そのプローブ本体に取り付けるだけで知的プローブ10になるので、そのプローブ本体は一種のアダプタであるといえよう。図10には、螺入式の非知的プローブ端10aをプローブ本体に嵌めて知的プローブ10を形成する例が明示されている。
【0022】
次に、図4〜図9に示す第2実施形態では、プローブ10の螺着だけで電極60・同心環状整流子100間が電気的に接続される構造の接続部を採用している。即ち、その螺着だけでプローブ10をCMMアーム20上に装着できる。なお、本実施形態では電極60を4個設けている。
【0023】
更に、プローブ10は動的に構成設定可能である。即ち、プログラム、校正データ、ソフトウェア、データ、アルゴリズム等、その内部に格納されている種々の情報を容易に更新乃至変更することができる。例えば、そのプローブ10である特定のデータを使用しているとする。その場合、そのプローブ10に埋め込まれているICチップ15のメモリ機能等を利用して、そのプローブ10で使用するデータをそのプローブ10内に書き込むだけで、そのデータを容易に更新することができる。また、システムコンピュータ50上或いはCMM30の構成部材上で更新版のデータを保持しておき、プローブ10がCMMアーム20に装着されたときにそのICチップ15上の情報が更新されるようにしてもよい。これによる時間節約の効果は顕著であり、従来の非知的プローブに比した融通性の向上も顕著である。
【0024】
また、シリアルナンバー付のプローブ10をCMMアーム20上に装着したところ、その校正データが未収集であった場合、そのプローブ10の校正をユーザが行わねばならない。しかし、それによって得られたデータをどこか適当な場所、例えばプローブ10内に保存してしまえば、そのプローブ10とアーム20の組合せについてはその後のプローブ校正を行う必要がなくなる。
【0025】
更に、シリアルナンバーが付与されていない普通のプローブをそのCMMアーム20上で使用したい場合は、接続部カバーを装着すればよい。その際には、プローブ寸法をメニュー上でマニュアル選択することが必要となろう。
【0026】
従って、本システムのユーザは、プローブ10を別の寸法乃至形状のものに素早く換装することができ、ひいては種々の形状を好適な精度で計測することができる。本システム無しの場合、プローブを交換したら必ずシステムを再校正しなければならないが、本システムであれば、そのプローブ10をいつでもまたプローブ再校正無しで換装することができる。
【0027】
また、校正データセットがアーム・プローブ対毎に作成されるので、1個のプローブを複数本のCMMアーム20で使い回す場合でも、そのプローブ10(のシリアルナンバー)とアームの対に係るユニークな校正データセットを用い、精度を最大限に高めることができる。
【0028】
更に、その校正データセットはプローブ校正を通じ随時作成される。その新たな校正データセットは、CMMアーム20上に保存、存置させてもよいし、プローブ10自体の内部に保存してもよい。
【0029】
また、新たに装着したプローブ10の校正が適正に行われていないのでは、という疑念を抱いたユーザは、勿論のことプローブ校正を実行することができる。それによって工程が一つ増えることにはなるが、本システムに係るプローブ10がICチップ15内蔵型の知的プローブである分、簡略なプローブ校正となる。これは、プローブ端直径、プローブ長等の既知又は不変の数値をプローブ校正時に再計算乃至再計測する必要がないからである。
【0030】
更に、CMMアーム20上で校正されたプローブ10についてのデータは、そのアーム20内に保存することができ、更にはシステムコンピュータ50の表示画面上に表示させることやその画面上で更新することができる。そのためのデータベース(図示せず)は、CMM30内に設けてもよいし、CMM30外に設けてもよい。そのデータベースへのアクセスは、例えば無線その他の手段で行うことができる。
【0031】
また、本システムは、基本的にはどのような種類のプローブにも適用できる。なかでも接触スイッチ技術を利用する換装型のRenishaw(登録商標;以下表記省略)プローブは、本発明に係る技術の適用でその価値を高めることができる。例えば、接触方向によるプローブ性能変化についての情報をそのICチップ15内に保存することで、そのシステムの精度及び性能を向上させることができる。
【0032】
本システムは、更に、特許文献6、8及び9に記載のシステム等、種々のCMM、計測システム等に適用することができる。また、その適用によって、そのシステムを改良することができる。
【0033】
本システムでは、また、周期的に質問を発してプローブ10の存否を確かめることができる。それによって、そのプローブ10が取り外されたり交換されたりしていないことを確認し、そのシステム及び個々の計測結果について無欠性を確保することができる。
【0034】
また、CMMアーム20の動作を設定するソフトウェアは、知的プローブ10以外のプローブを使用できるように作成しておくとよい。但し、知的プローブ10でないプローブは、その使用前に校正しなければならないし、取り外されたことを検知できないので共通誤差源となりうる。これに対し、本システムに係る知的プローブ10を装着した場合は、そのソフトウェアによってアプリケーションの動作を自動設定することができる。
【0035】
そして、CMM30等の計測装置上にプローブ10を装着する際には、その手段としてキネマティックマウントを使用するとよい。それにより、プローブ10の装着状態を初回即ち校正時におけるそれと厳密に同じ状態にすることができる。キネマティックマウントとは、例えば、計測装置上に等間隔配置された3個のボール70と、プローブ10上に形成された3個の内面傾斜孔81とからなるマウントである。ピン80が設けられているので、再装着時に3個のボール70が嵌り込む孔81は、校正時に嵌っていた先と同じ孔になる。
【0036】
[知的プローブ及びその種類]
加えて、知的プローブと呼びうる範囲には、上掲のプローブ10より高度なタイプのプローブも包含される。例えば、プローブの種別や属性等のパラメタだけでなく関節属性等のデータをも、その内部メモリに保存可能なエンドエフェクタである。その種のプローブでは、装着先アームを変えること自体が既使用アームを学ぶプロセスであるので、一度装着したことがあるアームについての情報を外から教える必要はない。その意味で、このプローブは真正な“プラグアンドプレイ”型プローブである。
【0037】
更に、プローブ自体も接触式エンドエフェクタには限定されない。能動センサやダイナミックセンサを備えていてもよく、また複数個のセンサの組合せであってもよい。例えば、温度センサを接触式エンドエフェクタに埋め込み、その温度センサで検査対象物温度を計測して等温線を描画することもできる。また、その温度センサ付プローブからシステムへと、計測面への接触時刻及び接触点を知らせることもできる。なお、他種センサ、例えば圧力、抵抗、静電容量、光、磁気、電磁気、輻射、音響等を検知する手段も、物理トランスデューサとして組み込むことができる。
【0038】
一例として、そのCMMアームに部品温度計測システムを付加することを考える。これは、赤外線式非接触型温度計測システムをCMMアームの先端やプローブ等の部材に組み込むことでも、或いは数msec接触させるだけで部品温度を計測できる高速温度センサをプローブ端に組み込むことでも、実現することができる。どちらの形態を採る場合でも、本発明ならば、部品温度を示すデータにその部品上での計測部位を示すデータを関連づけた温度データを、収集することができる。更に、その温度データはその部品についての計測データとリアルタイムにリンクされるので、後刻それらを解析することができる。例えば、CAD内でその部品の温度特性を求めることや、計測データ用の温度補償データを生成することができる。特に、大規模装置産業等では大型部品の計測が行われることがある。例えば航空機翼のような大型部品では、その一部分が日照を受けていても他の一部分は日陰に入っている。また、そのような大型部品の計測には長時間がかかる。数時間以上もかかるとその間に温度が変化する。そうした場合でも、本発明であれば、各回計測毎に温度データを自動収集することができる。即ち、温度データに基づき且つ計測部位毎に温度特性を導出することや、その温度データに基づき温度補償を実施することができる。このように、アームに付加した部品温度計測システムによって温度データ及び計測データを同時収集し、それを役立てることができる。これは、個々の時点毎に別体の装置を用いて行うのが普通であった従来の部品温度計測法と対照的である。
【0039】
図12及び図13に第3実施形態を示す。本実施形態では、図中「W」で示す無線接続部を用いてCMM構成部材間を接続している。この無線接続部Wは、プローブ端10a、プローブ10の本体及びCMMアーム20間の接続や、CMM30・ラップトップコンピュータ間のように、その間に配線を設けたくない任意の部材間の接続に有用である。以下、使用できる無線規格について説明するが、適切なものであるなら、どのような無線規格乃至周波数を用いてもかまわない。
【0040】
知的プローブ10で使用できる無線技術としては、第1に無線周波数識別(RFID)技術がある。RFID技術は、RFIDタグ又はトランスポンダと称される装置を用いデータを保存及び遠隔取得する自動識別法である。RFIDタグは、無線波を用いた識別のため物品、動物又は人物に付着乃至内挿される物体であり、そのなかには数m離れた場所やリーダの見通し範囲外から読み取れるものもある。
【0041】
通常、RFIDタグは少なくとも2個の部品から構成される。第1の部品はICであり、情報を保存及び処理する機能や(無線周波数の)信号を変復調する機能を有している。その他の特殊機能を持たせることもできる。第2の部品はその信号を送受信するためのアンテナである。また、いわゆるチップレスRFID技術ならIC無しのタグを個別識別できるので、識別対象物上への直接印刷という(従来タグより)安価な手法で対象物にタグを付すことができる。この種のタグも本願でいうメモリに該当する。
【0042】
知的プローブ10で使用できる無線技術としては、更に以下のようなものもある。但し、これ以外の無線規格乃至周波数を使用することもできる。
【0043】
使用できる第2の無線技術は、IEEE802.11で規定されている無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)である。米国電気電子技術者協会(IEEE;登録商標(以下表記省略))が1997年に採択した規格である802.11は、WLAN技術に関する一群の仕様で構成されており、基地局・無線クライアント間又は無線クライアント同士の無線接続インタフェースについて規定している。
【0044】
802.11ファミリーに属する仕様には次のようなものがある:
・ 802.11 … 周波数ホッピング式スペクトル拡散方式(FHSS)又は直接拡散式スペクトル拡散(DSSS)方式に従い2.4GHz帯にて1又は2Mbps伝送を行うWLANを規定する;
・ 802.11a … 802.11の拡張版であり、FHSSやDSSSではなく直交周波数分割多重(OFDM)符号化方式に従い5GHz帯で54Mbps伝送を行うWLANを規定する;
・ 802.11b(別称802.11ハイレート又はWi−Fi(登録商標;以下表記省略)) … Ethernet(登録商標;以下表記省略)に比肩する無線機能を提供するため元々の802.11規格に対する拡張版として1999に採択された仕様であり、専らDSSSに従い2.4GHz帯で11Mbps伝送(或いは5.5、2又は1Mbpsでの減速伝送)を行うWLANを規定する;
・ 802.11g … データ通信高速化のため802.11aで採用しているOFDMを変調方式として使用し、2.4GHz帯で54Mbps伝送を行うWLANを規定する仕様であり、802.11gがセットアップされているコンピュータ又は端末では伝送速度を11Mbpsに落とせるので、同一ネットワーク上に802.11bデバイスと802.11gデバイスを共存させることができる;
なお、これらの他にもe,f,h,i,j,k,m,n等の枝番付仕様がある。それらは安全性、相互運用性、干渉排除、文書化等の仔細を規定している。また、最も広く用いられているのは802.11gである。
【0045】
使用できる第3の無線技術は、IEEE802.15で規定されている無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)である。802.15は、2002年に入って間もなくIEEEの規格委員会(IEEE−SA)が採択したWPAN向け通信仕様である。IEEE802.15ワーキンググループは、802.15を二種類に大別し、低速のバージョンをTG4、高速のバージョンをTG3と称している。バージョンTG4でサポートされるデータ伝送速度は20又は250kbpsであり、バージョンTG3でサポートされるデータ伝送速度は1.1〜55Mbpsの範囲内である。802.15.4即ちZigBee(登録商標;以下表記省略)はTG4に、802.15.1即ちBluetooth(登録商標;以下注記省略)はTG3に、それぞれ属している。ZigBeeは主にリモートセンサ向けに使用されている。
【0046】
他方のBluetoothは、電磁波を利用した短距離無線通信技術でありその狙いはケーブルの無用化にある。即ち、802.11b(Wi−Fi)が家庭内や事業所内のEthernet配線を不要化する接続手段を提供するのに対し、Bluetoothは、ユニバーサルシリアルバス(USB;登録商標)やプリンタ用パラレルケーブルを不要化する手段を提供している。また、これら以外の短距離配線、例えばヘッドセット、キーボード、マウス等を携帯情報端末(PDA)、携帯電話等に接続するケーブル等も、Bluetoothによって不要化することができる。Bluetoothを利用できる装置間では、ピコネットと呼ばれる短距離通信網を介しアドホックに通信することができる。ピコネットは、Bluetoothデバイス同士がある距離内に接近すると自動的に形成される。
【0047】
なお、Bluetoothでは、個々のBluetoothデバイスにユニークなアドレス(BD ADDR)を付与する必要がある。そのうちIEEEが割り当てる部分のことを組織ユニーク識別子(OUI)、製造業者が割り当てる部分のことを拡張識別子(EI)と呼び、いずれも24ビットの長さを有している。EIの長さが24ビットあるので、製造業者は、1個のOUIブロックに対し1600万通りのBD ADDRを割り当てることができる。また、Bluetoothにおける生データレートは、バージョン1.1では1Mbps、バージョン2.0+拡張データレート(EDR)では3Mbpsである。Bluetoothで通信できる範囲は、クラス3(1mW)では少なくとも1m(3フィート)、クラス2(2.5mW)では少なくとも10m(30フィート)、クラス1(100mW)では少なくとも100m(300フィート)である。従って、少なくとも本発明の実施に当たり次善の選択といえるのは、IEEE802.11b/gとBluetoothの組合せを用いることである。
【0048】
このように、本発明の実施形態に係るプローブインタフェースによれば、基準電位を0Vにすること(電源共通化)や、ディジタルリニアフィードバック付プログラマブル電源を使用することや、シリアルデータ伝送を行うことができる。例えば、知的プローブによる通信はシリアルデータ伝送で行い、Renishawプローブスイッチへのフィードバックは電源ピンで実行するようにする。電源ピンを用いることで、前掲の通り、他の能動プローブに対し所要エネルギを供給することができる。
【0049】
また、本件技術分野で習熟を積まれた方々(いわゆる当業者)ならご存じであるが、そのクライアント又はサーバとなるコンピュータ等のデバイスを展開することで、コンピュータネットワーク乃至分散型情報処理環境を構築することができる。そのこととの関連でいえば、本願明細書又は特許請求の範囲に記載の方法(以下「本方法」)はどのようなコンピュータ上でも実行でき、本願明細書又は特許請求の範囲に記載の装置(以下「本装置」)はどのようなコンピュータによっても実現することができる。即ち、コンピュータでは、何個か備えるメモリ又はストレージユニットを利用し幾通りかのアプリケーション及びプロセスを実行することができるので、それらを利用し本方法を実施し又は本装置を実現することができる。同じことは、ネットワーク環境又は分散型情報処理環境に散在しているサーバ又はクライアントコンピュータや、それらのコンピュータで使用されるリモート及びローカルストレージについても成り立つ。更に、そのプログラミング言語処理、解釈及び実行機能を活用し且つリモート又はローカルサービスを通じてデータを生成、受信及び送信するスタンドアロン型情報処理装置でも、本方法を実行し又は本装置を実現することができる。
【0050】
本方法を実行又は本装置を実現しうる汎用又は専用情報処理システム、環境乃至装置は、上記以外にも数多くある。周知の情報処理システム、環境乃至装置のなかで本方法の実行又は本装置の実現に適するものとしては、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバ用コンピュータ、ハンドヘルドデバイス、ラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースシステム、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ等のシステム乃至デバイスや、それらの任意の組合せたる分散型情報処理環境等がある。
【0051】
本方法を実行するには、複数個のコンピュータ可実行命令を文脈立てて記述し、その記述物例えばプログラムモジュールをコンピュータ上で実行させればよい。ここでいうプログラムモジュールとは、典型的にはルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等のこと、即ちその実行によってある特定のタスクを完遂でき又はある特定の抽象データセットを表現できるもののことである。例えば、種々の電力プラント乃至発電設備間を接続する分散型情報処理環境等にて本方法を実行し又は本装置を実現するには、通信ネットワークその他の伝送媒体を介しリモート接続されている情報処理装置上で、そうしたプログラムモジュールを実行すればよい。また、典型的な分散型情報処理環境では、プログラムモジュール、ルーチン、データ等は、ローカルコンピュータ内ストレージ媒体にも、リモートコンピュータ内ストレージ媒体にも、或いはそれらの一例たるメモリストレージデバイスにも、格納することができる。分散型情報処理環境におけるコンピュータリソース及びサービスの共有は、コンピュータとシステムとの間の直接交換で行われる。その交換を通じ、種々の情報、キャッシュ性ストレージ、ファイル用ディスクストレージ等のリソース乃至サービスを共用することができる。こうしたネットワーク接続性の利点を生かし分散情報処理を実行することは、クライアントの情報処理能力を飛躍的に高め、企業全体に利益をもたらすことにつながる。この点との関連でいえば、本方法の実施又は本装置の実現に利用できるアプリケーション、オブジェクト乃至リソースは、種々の装置上に散在させることができる。
【0052】
本方法を実行するためのコンピュータプログラムは、CD−ROM等の頒布媒体に保存しユーザ向けに広く頒布することができる。そのプログラムは、ハードディスク等の中間ストレージ媒体上にコピーすることができる。そのプログラムを実行したいときには、その頒布媒体又は中間ストレージ媒体から実行用のコンピュータ内メモリへと、そのプログラムをロードすればよい。そうすれば、そのコンピュータは、本方法に従いまた本装置として機能し始める。
【0053】
曰く「コンピュータ可読媒体」とは、頒布媒体、ストレージ媒体、コンピュータ内メモリ等、本方法を実行するためのコンピュータプログラムを、そのコンピュータが読み込めるように格納できるあらゆる媒体乃至装置を、包含する概念である。
【0054】
従って、本方法は、ハードウェア的にも、ソフトウェア的にも、或いはそれらを適宜組み合わせることによっても、実行することができる。即ち、本方法若しくは装置又はその特定の実施形態若しくは構成部分をプログラムコード乃至命令によって実現し、そのコード乃至命令を有形媒体によって提供することができる。その有形媒体、例えばフロッピー(商標)ディスク、CD−ROM、ハードディスク等、有形なコンピュータ可読媒体から、マシン例えばコンピュータへとプログラムコードをロードして実行すると、そのマシンは、本方法を実行し又は本装置として機能する装置となる。更に、そのプログラムコードの実行に使用されるマシン、例えばプログラマブルなコンピュータは、通常、プロセッサ、そのプロセッサにとり可読なストレージ媒体(揮発性メモリでも不揮発性メモリでもストレージ素子でもよい)、1個又は複数個の入力装置、並びに1個又は複数個の出力装置を備える。例えばデータ処理で本方法を実行し又は本装置を実現するためのプログラム(群)は、コンピュータシステムが理解できる手続き型又はオブジェクト指向型の高級プログラミング言語で作成するとよいが、そうしたければ、アセンブラ言語又はマシン語を用いて作成することもできる。いずれにしても、それらの言語はコンパイラ言語又はインタプリタ言語とすることができ、またハードウェア的実施形態と組み合わせることができる。
【0055】
また、本方法の実行又は本装置の実現に当たり通信を行うようにしてもよい。例えば、電気配線/ケーブル、光ファイバ等の伝送媒体を介してプログラムコードを送信し、受信側のマシンにそのコードをロードして実行するようにしてもよい。受信側となるのは、EPROM、ゲートアレイ、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、クライアントコンピュータ等、先に例示説明した信号処理機能を備えているマシンであり、本方法の実行によって本装置として機能することとなる。即ち、そのプログラムコードを例えば汎用プロセッサ上で実行すると、そのプロセッサが搭載されているマシンは、本方法及び装置に係る機能を発揮するユニークな装置になる。更に、本方法の実行及び本装置の実現に使用される種々のストレージも、ハードウェアとソフトウェアの組合せで実現されるのが常である。
【0056】
更に、上述した諸実施形態に対し、本発明の神髄及び技術的範囲を逸脱しないで様々な変形乃至置換を施すことが可能である。即ち、本発明に関するこれまでの説明は例示のためのものであり、その限定乃至限縮を意図したものではない。
【0057】
また、本明細書では、本発明及びその“ベストモード”を説明するためその実施形態を示している。いわゆる当業者であれば、その説明に基づき本発明を実施することができよう。特許付与を求める事項即ち本発明の技術的範囲については本願特許請求の範囲を参照されたい。本願中の説明に基づきいわゆる当業者が想到しうるものなら、上記以外の装置、方法及び製品も当該技術的範囲に含まれうる。少なくとも、文言上その構成要素が本願特許請求の範囲の記載に該当する場合、並びに文言上はその構成要素が本願特許請求の範囲の記載と相違してはいるがその相違が非本質的であり又は司法によってそのように認定された場合には、そうした装置、方法及び製品が本発明の技術的範囲内にあると認められるべきである。
【0058】
更に、いわゆる当業者ならば、本発明の諸実施形態の構成要素を入れ替えうることを、ご理解頂けよう。同様に、いわゆる当業者ならば、上述した種々の構成要素と、それに代わる既知の均等物とを、不整合なく混用することができよう。
【0059】
そして、本発明の好適な実施形態を説明するに当たり具体的な用語を用いたが、これは専ら説明のためである。別の用語で説明しても、別紙特許請求の範囲に記載の発明の神髄乃至技術的範囲から逸脱するものではないので、その点を理解頂きたい。即ち、本願における実施形態記載はあらゆる意味で説明用の記載と認められるべきであり、限定乃至限縮の意を持つものではない。本発明の趣旨及び均等範囲に属するような変形は、いずれも本発明の技術的範囲に属するものと認められるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略、座標計測機(CMM)等の計測装置及びそれによる計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CMMは部品製造工程等で部品計測に用いられる装置である。その計測は、例えばそのプローブの先端(プローブ端)を計測対象部品に物理的に接触させることで、或いは非接触計測手段を介して行われる。また、そのロボットアームセグメント(CMMアーム)同士を関節にて連結したCMMでは、その関節内に角度エンコーダ等の部材を組み込むことができるので、適宜ユーザが指定する座標系に従いプローブ端位置を計測することができる。更に、例えばコンピュータ支援設計(CAD)システム又はそのソフトウェアに対し、CMMの動作を協調させることもできる。
【0003】
使用するプローブ乃至エンドエフェクタの種類はその用途によって異なる。例えば、計測対象物上の到達困難部位をCMMで計測するには、それに相応しい寸法乃至形状を有するプローブを使用しなければならない。そのため、計測対象部位の性質に応じプローブを換装するのが普通である。
【0004】
しかしながら、CMM使用時の校正には往々にして時間がかかる。特に、CMM上のプローブを別の寸法等のプローブに換装する際には、プローブ再校正が必要になるのが普通である。例えばアセンブリライン環境では、CMMを20分間に亘りオフラインにし、そのプローブ端を換装して再校正を行うことが、問題となりうる。そのため、製造業者等は、そのプローブを正確に換装することができ、しかもその再校正用ダウンタイム(ライン休止時間)が十分に短いCMMを期待しているのであるが、その達成には更なる技術革新が必要である。
【0005】
なお、本願出願人は、CMM又はその関連分野に属する米国特許を何件か取得している。例えば特許文献1〜7である。この参照を以て、それらの文献に記載の事項を全て本願に組み込むこととする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5611147号明細書
【特許文献2】米国特許第5794356号明細書
【特許文献3】米国特許第6612044号明細書
【特許文献4】米国特許第6820346号明細書
【特許文献5】米国特許第6796048号明細書
【特許文献6】米国特許第6920697号明細書
【特許文献7】米国特許第6965843号明細書
【特許文献8】米国特許第6931745号明細書
【特許文献9】米国特許第5829148号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在使用されているシステムのうち、例えばRomer(登録商標;以下表記省略)SimcorInfiniteシリーズの製品では、可換プローブ毎にピン配置を変えるピン識別システムを採用している。このシステムでは、CMM上で一組のプローブを換装使用するに当たり、そのCMMが、プローブ毎にユニークな物理的又は電気的ピン配置に基づき個々のプローブを識別する。その識別を行うには、事前に、例えばCMM内メモリにそのピン配置を記憶させておかねばならない。従って、このシステムでは、装着できるプローブの個数がピン配置の実現可能種類数によって制限される。そのサイズや種類が同一のプローブ同士を弁別できない。加えて、例えばCMM内にあるメモリに対し初期セットアップ及び入力を行っておかないと、データベースにそのエンドエフェクタの寸法及び特性が登録されずそのデータベースを利用できなくなる。従って、このシステムを使用できる分野は限られている。全自動認識システムでもなく、その即時性、取扱容易性及び拡張性に欠けている。更には、計測中のオンザフライ設定即ち動的設定もできない。例えば、ある特定のアルゴリズム乃至データをあるプローブについて使用している際、Romerプローブにはプロセッサやメモリが備わっていないため、そのプローブで使用するアルゴリズム乃至データの更新版でそのプローブ内のアルゴリズム乃至データを更新することは容易でない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るシステム、方法、製品及び装置は知的プローブシステムを提供する。本発明のある実施形態では、1個又は複数個の可換なプローブ内に集積回路(IC)チップを埋め込んであるので、CMM上へのプローブ換装を、何回でも、迅速に、容易に且つ誤りなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】関節付アームを有するCMM及びそれに付属するコンピュータの前斜視図である。
【図2】集積回路内蔵型可換プローブの後斜視図である。
【図3】CMM上の可換プローブ取付先の前斜視図である。
【図4】第2実施形態における同心環状整流子の表面図である。
【図5】第2実施形態における同心環状整流子の裏面図である。
【図6】第2実施形態における同心環状整流子型接続部の斜視図である。
【図7】第2実施形態における同心環状整流子型接続部付プローブ本体の分解図である。
【図8】第2実施形態における同心環状整流子型接続部付プローブ本体の分解図である。
【図9】第2実施形態における同心環状整流子型接続部付プローブ本体の切欠図である。
【図10】第2実施形態における同心環状整流子型接続部付プローブ本体の断面図である。
【図11】第2実施形態における同心環状整流子型接続部付プローブ本体の透視図である。
【図12】第3実施形態における無線接続部付プローブ本体の後斜視図である。
【図13】第3実施形態における無線接続部付CMMアームの前斜視図である。
【図14】本システムにてソフトウェア的に発生させる表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、別紙図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。なお、その説明及び図面記載はいずれも例示に過ぎず、要旨限定を意図したものではない。図中、同様の部材には同様の参照符号を付してある。
【0011】
図1にCMM30の全体構成を示す。
【0012】
図2及び図3に、本発明に係る知的プローブシステム(以下「本システム」)の第1実施形態を示す。本実施形態では、可換なプローブ10内にICチップ15を埋め込み、そのチップ15と電子的なシリアルナンバーとにより各プローブ10を“電子的にシリアル化”している。従って、CMM30上でのプローブ換装を、何回でも、迅速に、容易に且つ誤りなく行うことができる。更に、そのチップ15内にはメモリ(バッファ)がある。そのメモリには、そのプローブ10の属性、そのプローブ10の特性、そのCMM30の校正状態等についての情報を格納することができる。
【0013】
また、図10に示すように、普通の即ち非知的なプローブ端10aを使用する場合には、そのプローブ端10aとCMMアーム20との間にプローブ10をアダプタとして入れ、そのプローブ10の本体にこのICチップ15を組み込むこともできる。このように、ICチップ位置に細かな制限はなく、本システム内の様々な場所に設けることができる。
【0014】
更に、本実施形態では、図2に示したプローブ10をCMMアーム20上に装着すると、その内部に埋め込まれているICチップ15上の情報に基づきそのプローブ10の寸法や種類が認識されるだけでなく、例えばそのプローブ10とアーム20の組合せ毎に校正データセットが形成される。そのため、同一のプローブ10を複数本のアーム20で使い回す場合でも、そのプローブ10(のシリアルナンバー)とアーム20の組合せに対しユニークとなるよう校正データセットが形成されるので、精度を最大限に高めることができる。
【0015】
また、その校正データセットはプローブ10の校正を通じ随時生成される。新規生成されたデータセットは、CMMアーム20上に保存、存置することも、またプローブ10側ICチップ15のメモリ内に保存することもできる。いずれにするかは用途に応じ決めればよい。アーム20は、それ1本にプローブ複数個分のデータを保存できるよう構成することが可能である。そうしたければ、プローブ10側に全ての所要データを格納してもよい。
【0016】
このように、プローブ10内又はプローブ10外のどこかにICチップ15を配置し、そのチップ15上のメモリ例えばEEPROMから校正データ、プローブデータ等の情報を転送できるようにした点で、本システムのプローブ10は知的(スマート)である。どのような情報を格納するかは個別の構成設定及びプログラム次第であるが、例えばプローブ端直径、熱膨張係数(CTE)、プローブ種別(例えばハードプローブ、メカニカルタッチプローブ等の種別)、ボール直径、プローブ単体或いは個別CMM装着時の“x,y,x,オフセット”乃至6自由度座標等、種々の情報やそれらの任意の組合せを格納することができる。それらの情報は、その知的プローブ10をCMMアーム20に装着すると必要な校正データ及びプローブデータが漏れなく自動的に転送されるよう、シリアルナンバー等に関連づけ或いは相応のデータフォーマットで格納する。図14に、本システムにてソフトウェア的に発生させる表示画面(スクリーンショット)の一例を示す。この例では、プローブ10のシリアルナンバーが読み込まれており、プローブ端直径が6mmであることやそのCTEが1.0e−009であることが表示されている。ただ、どのデータフィールドを読み込むかは、ユーザが自分の好みや構成設定に応じ決めることができるので、このスクリーンショットに示されている構成設定に限縮して本発明を解釈すべきではない。
【0017】
加えて、CMMアーム20等の校正は、本システムで校正用のボール、孔等の基準物を計測することで、行うことができる。その手法については、ロボット工学の分野で周知であることから詳細な説明を省略する。
【0018】
図示しないが、プローブの形状及び形態はその用途で様々に異なる。ここに、本システムでは、そのプローブ10が知的であるので、プローブ10の換装をその再校正無しで随時行うことができる。具体的には、複数個の電極60が相応の向きで配置されている電気的接続部40にプローブ10を装着すると、そのプローブ10のシリアルナンバーが自動的に検知され、システムコンピュータ50その他の相応部材によって真正な校正データセットが呼び出され、その校正データセットに基づきコンピュータ支援計測(CAM)用計測ソフトウェア等がCMM30を動作させる。プローブ10が電子的にシリアル化されているので、メニュー上でプローブ10を選択する必要はない。このように、プローブ10が自動的に認識乃至インストールされ、そのプローブ10とその装着先のCMMアーム20とがプラグアンドプレイ式に自動校正されるのは、個々のプローブ10に係る校正データセットをそのプローブ10のシリアルナンバーで参照し、そのプローブの動作キネマティクスと関連づけるシステムを採っているからである。
【0019】
また、本発明を実施する際には、様々な構造の連結部乃至接続部を使用することができる。これからその接続部について例示説明するが、本発明を実施する際には他の種類乃至構造の接続部を使用することもできる。
【0020】
まず、図2及び図3に示した第1実施形態では、3個のボール70及び1個のピン80を有するボールキネマティックマウント式接続部が用いられている。本実施形態では、ピン80を孔81に差し込んで電極60の位置を合わせた上で、環状螺着部85を回して組み付けることで、プローブ10をCMMアーム20の電気的接続部40上に固定する。
【0021】
ご留意頂きたいことに、図2ではICチップ15がプローブ端10aに組み込まれている。このようにした方が便利ではあるが、これまで諸プローブ端製造業者によって製造されてきたプローブ端は、その大半が非知的なプローブ端である。そうした非知的プローブ端をプローブ端10aとして使用する場合は、書込可能なICチップ15が組み込まれたプローブ本体(図示せず)に、そのプローブ端10aを装着するようにするとよい。それに先立ちそのチップ15上にそのプローブ端10aの特性や寸法についての情報を書き込んでおく必要があるが、それを行っておけば、そのプローブ(本体にプローブ端10aを装着したもの)は実質的に知的プローブ10となる。この場合、誰が製造したどんな非知的プローブでも、そのプローブ本体に取り付けるだけで知的プローブ10になるので、そのプローブ本体は一種のアダプタであるといえよう。図10には、螺入式の非知的プローブ端10aをプローブ本体に嵌めて知的プローブ10を形成する例が明示されている。
【0022】
次に、図4〜図9に示す第2実施形態では、プローブ10の螺着だけで電極60・同心環状整流子100間が電気的に接続される構造の接続部を採用している。即ち、その螺着だけでプローブ10をCMMアーム20上に装着できる。なお、本実施形態では電極60を4個設けている。
【0023】
更に、プローブ10は動的に構成設定可能である。即ち、プログラム、校正データ、ソフトウェア、データ、アルゴリズム等、その内部に格納されている種々の情報を容易に更新乃至変更することができる。例えば、そのプローブ10である特定のデータを使用しているとする。その場合、そのプローブ10に埋め込まれているICチップ15のメモリ機能等を利用して、そのプローブ10で使用するデータをそのプローブ10内に書き込むだけで、そのデータを容易に更新することができる。また、システムコンピュータ50上或いはCMM30の構成部材上で更新版のデータを保持しておき、プローブ10がCMMアーム20に装着されたときにそのICチップ15上の情報が更新されるようにしてもよい。これによる時間節約の効果は顕著であり、従来の非知的プローブに比した融通性の向上も顕著である。
【0024】
また、シリアルナンバー付のプローブ10をCMMアーム20上に装着したところ、その校正データが未収集であった場合、そのプローブ10の校正をユーザが行わねばならない。しかし、それによって得られたデータをどこか適当な場所、例えばプローブ10内に保存してしまえば、そのプローブ10とアーム20の組合せについてはその後のプローブ校正を行う必要がなくなる。
【0025】
更に、シリアルナンバーが付与されていない普通のプローブをそのCMMアーム20上で使用したい場合は、接続部カバーを装着すればよい。その際には、プローブ寸法をメニュー上でマニュアル選択することが必要となろう。
【0026】
従って、本システムのユーザは、プローブ10を別の寸法乃至形状のものに素早く換装することができ、ひいては種々の形状を好適な精度で計測することができる。本システム無しの場合、プローブを交換したら必ずシステムを再校正しなければならないが、本システムであれば、そのプローブ10をいつでもまたプローブ再校正無しで換装することができる。
【0027】
また、校正データセットがアーム・プローブ対毎に作成されるので、1個のプローブを複数本のCMMアーム20で使い回す場合でも、そのプローブ10(のシリアルナンバー)とアームの対に係るユニークな校正データセットを用い、精度を最大限に高めることができる。
【0028】
更に、その校正データセットはプローブ校正を通じ随時作成される。その新たな校正データセットは、CMMアーム20上に保存、存置させてもよいし、プローブ10自体の内部に保存してもよい。
【0029】
また、新たに装着したプローブ10の校正が適正に行われていないのでは、という疑念を抱いたユーザは、勿論のことプローブ校正を実行することができる。それによって工程が一つ増えることにはなるが、本システムに係るプローブ10がICチップ15内蔵型の知的プローブである分、簡略なプローブ校正となる。これは、プローブ端直径、プローブ長等の既知又は不変の数値をプローブ校正時に再計算乃至再計測する必要がないからである。
【0030】
更に、CMMアーム20上で校正されたプローブ10についてのデータは、そのアーム20内に保存することができ、更にはシステムコンピュータ50の表示画面上に表示させることやその画面上で更新することができる。そのためのデータベース(図示せず)は、CMM30内に設けてもよいし、CMM30外に設けてもよい。そのデータベースへのアクセスは、例えば無線その他の手段で行うことができる。
【0031】
また、本システムは、基本的にはどのような種類のプローブにも適用できる。なかでも接触スイッチ技術を利用する換装型のRenishaw(登録商標;以下表記省略)プローブは、本発明に係る技術の適用でその価値を高めることができる。例えば、接触方向によるプローブ性能変化についての情報をそのICチップ15内に保存することで、そのシステムの精度及び性能を向上させることができる。
【0032】
本システムは、更に、特許文献6、8及び9に記載のシステム等、種々のCMM、計測システム等に適用することができる。また、その適用によって、そのシステムを改良することができる。
【0033】
本システムでは、また、周期的に質問を発してプローブ10の存否を確かめることができる。それによって、そのプローブ10が取り外されたり交換されたりしていないことを確認し、そのシステム及び個々の計測結果について無欠性を確保することができる。
【0034】
また、CMMアーム20の動作を設定するソフトウェアは、知的プローブ10以外のプローブを使用できるように作成しておくとよい。但し、知的プローブ10でないプローブは、その使用前に校正しなければならないし、取り外されたことを検知できないので共通誤差源となりうる。これに対し、本システムに係る知的プローブ10を装着した場合は、そのソフトウェアによってアプリケーションの動作を自動設定することができる。
【0035】
そして、CMM30等の計測装置上にプローブ10を装着する際には、その手段としてキネマティックマウントを使用するとよい。それにより、プローブ10の装着状態を初回即ち校正時におけるそれと厳密に同じ状態にすることができる。キネマティックマウントとは、例えば、計測装置上に等間隔配置された3個のボール70と、プローブ10上に形成された3個の内面傾斜孔81とからなるマウントである。ピン80が設けられているので、再装着時に3個のボール70が嵌り込む孔81は、校正時に嵌っていた先と同じ孔になる。
【0036】
[知的プローブ及びその種類]
加えて、知的プローブと呼びうる範囲には、上掲のプローブ10より高度なタイプのプローブも包含される。例えば、プローブの種別や属性等のパラメタだけでなく関節属性等のデータをも、その内部メモリに保存可能なエンドエフェクタである。その種のプローブでは、装着先アームを変えること自体が既使用アームを学ぶプロセスであるので、一度装着したことがあるアームについての情報を外から教える必要はない。その意味で、このプローブは真正な“プラグアンドプレイ”型プローブである。
【0037】
更に、プローブ自体も接触式エンドエフェクタには限定されない。能動センサやダイナミックセンサを備えていてもよく、また複数個のセンサの組合せであってもよい。例えば、温度センサを接触式エンドエフェクタに埋め込み、その温度センサで検査対象物温度を計測して等温線を描画することもできる。また、その温度センサ付プローブからシステムへと、計測面への接触時刻及び接触点を知らせることもできる。なお、他種センサ、例えば圧力、抵抗、静電容量、光、磁気、電磁気、輻射、音響等を検知する手段も、物理トランスデューサとして組み込むことができる。
【0038】
一例として、そのCMMアームに部品温度計測システムを付加することを考える。これは、赤外線式非接触型温度計測システムをCMMアームの先端やプローブ等の部材に組み込むことでも、或いは数msec接触させるだけで部品温度を計測できる高速温度センサをプローブ端に組み込むことでも、実現することができる。どちらの形態を採る場合でも、本発明ならば、部品温度を示すデータにその部品上での計測部位を示すデータを関連づけた温度データを、収集することができる。更に、その温度データはその部品についての計測データとリアルタイムにリンクされるので、後刻それらを解析することができる。例えば、CAD内でその部品の温度特性を求めることや、計測データ用の温度補償データを生成することができる。特に、大規模装置産業等では大型部品の計測が行われることがある。例えば航空機翼のような大型部品では、その一部分が日照を受けていても他の一部分は日陰に入っている。また、そのような大型部品の計測には長時間がかかる。数時間以上もかかるとその間に温度が変化する。そうした場合でも、本発明であれば、各回計測毎に温度データを自動収集することができる。即ち、温度データに基づき且つ計測部位毎に温度特性を導出することや、その温度データに基づき温度補償を実施することができる。このように、アームに付加した部品温度計測システムによって温度データ及び計測データを同時収集し、それを役立てることができる。これは、個々の時点毎に別体の装置を用いて行うのが普通であった従来の部品温度計測法と対照的である。
【0039】
図12及び図13に第3実施形態を示す。本実施形態では、図中「W」で示す無線接続部を用いてCMM構成部材間を接続している。この無線接続部Wは、プローブ端10a、プローブ10の本体及びCMMアーム20間の接続や、CMM30・ラップトップコンピュータ間のように、その間に配線を設けたくない任意の部材間の接続に有用である。以下、使用できる無線規格について説明するが、適切なものであるなら、どのような無線規格乃至周波数を用いてもかまわない。
【0040】
知的プローブ10で使用できる無線技術としては、第1に無線周波数識別(RFID)技術がある。RFID技術は、RFIDタグ又はトランスポンダと称される装置を用いデータを保存及び遠隔取得する自動識別法である。RFIDタグは、無線波を用いた識別のため物品、動物又は人物に付着乃至内挿される物体であり、そのなかには数m離れた場所やリーダの見通し範囲外から読み取れるものもある。
【0041】
通常、RFIDタグは少なくとも2個の部品から構成される。第1の部品はICであり、情報を保存及び処理する機能や(無線周波数の)信号を変復調する機能を有している。その他の特殊機能を持たせることもできる。第2の部品はその信号を送受信するためのアンテナである。また、いわゆるチップレスRFID技術ならIC無しのタグを個別識別できるので、識別対象物上への直接印刷という(従来タグより)安価な手法で対象物にタグを付すことができる。この種のタグも本願でいうメモリに該当する。
【0042】
知的プローブ10で使用できる無線技術としては、更に以下のようなものもある。但し、これ以外の無線規格乃至周波数を使用することもできる。
【0043】
使用できる第2の無線技術は、IEEE802.11で規定されている無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)である。米国電気電子技術者協会(IEEE;登録商標(以下表記省略))が1997年に採択した規格である802.11は、WLAN技術に関する一群の仕様で構成されており、基地局・無線クライアント間又は無線クライアント同士の無線接続インタフェースについて規定している。
【0044】
802.11ファミリーに属する仕様には次のようなものがある:
・ 802.11 … 周波数ホッピング式スペクトル拡散方式(FHSS)又は直接拡散式スペクトル拡散(DSSS)方式に従い2.4GHz帯にて1又は2Mbps伝送を行うWLANを規定する;
・ 802.11a … 802.11の拡張版であり、FHSSやDSSSではなく直交周波数分割多重(OFDM)符号化方式に従い5GHz帯で54Mbps伝送を行うWLANを規定する;
・ 802.11b(別称802.11ハイレート又はWi−Fi(登録商標;以下表記省略)) … Ethernet(登録商標;以下表記省略)に比肩する無線機能を提供するため元々の802.11規格に対する拡張版として1999に採択された仕様であり、専らDSSSに従い2.4GHz帯で11Mbps伝送(或いは5.5、2又は1Mbpsでの減速伝送)を行うWLANを規定する;
・ 802.11g … データ通信高速化のため802.11aで採用しているOFDMを変調方式として使用し、2.4GHz帯で54Mbps伝送を行うWLANを規定する仕様であり、802.11gがセットアップされているコンピュータ又は端末では伝送速度を11Mbpsに落とせるので、同一ネットワーク上に802.11bデバイスと802.11gデバイスを共存させることができる;
なお、これらの他にもe,f,h,i,j,k,m,n等の枝番付仕様がある。それらは安全性、相互運用性、干渉排除、文書化等の仔細を規定している。また、最も広く用いられているのは802.11gである。
【0045】
使用できる第3の無線技術は、IEEE802.15で規定されている無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)である。802.15は、2002年に入って間もなくIEEEの規格委員会(IEEE−SA)が採択したWPAN向け通信仕様である。IEEE802.15ワーキンググループは、802.15を二種類に大別し、低速のバージョンをTG4、高速のバージョンをTG3と称している。バージョンTG4でサポートされるデータ伝送速度は20又は250kbpsであり、バージョンTG3でサポートされるデータ伝送速度は1.1〜55Mbpsの範囲内である。802.15.4即ちZigBee(登録商標;以下表記省略)はTG4に、802.15.1即ちBluetooth(登録商標;以下注記省略)はTG3に、それぞれ属している。ZigBeeは主にリモートセンサ向けに使用されている。
【0046】
他方のBluetoothは、電磁波を利用した短距離無線通信技術でありその狙いはケーブルの無用化にある。即ち、802.11b(Wi−Fi)が家庭内や事業所内のEthernet配線を不要化する接続手段を提供するのに対し、Bluetoothは、ユニバーサルシリアルバス(USB;登録商標)やプリンタ用パラレルケーブルを不要化する手段を提供している。また、これら以外の短距離配線、例えばヘッドセット、キーボード、マウス等を携帯情報端末(PDA)、携帯電話等に接続するケーブル等も、Bluetoothによって不要化することができる。Bluetoothを利用できる装置間では、ピコネットと呼ばれる短距離通信網を介しアドホックに通信することができる。ピコネットは、Bluetoothデバイス同士がある距離内に接近すると自動的に形成される。
【0047】
なお、Bluetoothでは、個々のBluetoothデバイスにユニークなアドレス(BD ADDR)を付与する必要がある。そのうちIEEEが割り当てる部分のことを組織ユニーク識別子(OUI)、製造業者が割り当てる部分のことを拡張識別子(EI)と呼び、いずれも24ビットの長さを有している。EIの長さが24ビットあるので、製造業者は、1個のOUIブロックに対し1600万通りのBD ADDRを割り当てることができる。また、Bluetoothにおける生データレートは、バージョン1.1では1Mbps、バージョン2.0+拡張データレート(EDR)では3Mbpsである。Bluetoothで通信できる範囲は、クラス3(1mW)では少なくとも1m(3フィート)、クラス2(2.5mW)では少なくとも10m(30フィート)、クラス1(100mW)では少なくとも100m(300フィート)である。従って、少なくとも本発明の実施に当たり次善の選択といえるのは、IEEE802.11b/gとBluetoothの組合せを用いることである。
【0048】
このように、本発明の実施形態に係るプローブインタフェースによれば、基準電位を0Vにすること(電源共通化)や、ディジタルリニアフィードバック付プログラマブル電源を使用することや、シリアルデータ伝送を行うことができる。例えば、知的プローブによる通信はシリアルデータ伝送で行い、Renishawプローブスイッチへのフィードバックは電源ピンで実行するようにする。電源ピンを用いることで、前掲の通り、他の能動プローブに対し所要エネルギを供給することができる。
【0049】
また、本件技術分野で習熟を積まれた方々(いわゆる当業者)ならご存じであるが、そのクライアント又はサーバとなるコンピュータ等のデバイスを展開することで、コンピュータネットワーク乃至分散型情報処理環境を構築することができる。そのこととの関連でいえば、本願明細書又は特許請求の範囲に記載の方法(以下「本方法」)はどのようなコンピュータ上でも実行でき、本願明細書又は特許請求の範囲に記載の装置(以下「本装置」)はどのようなコンピュータによっても実現することができる。即ち、コンピュータでは、何個か備えるメモリ又はストレージユニットを利用し幾通りかのアプリケーション及びプロセスを実行することができるので、それらを利用し本方法を実施し又は本装置を実現することができる。同じことは、ネットワーク環境又は分散型情報処理環境に散在しているサーバ又はクライアントコンピュータや、それらのコンピュータで使用されるリモート及びローカルストレージについても成り立つ。更に、そのプログラミング言語処理、解釈及び実行機能を活用し且つリモート又はローカルサービスを通じてデータを生成、受信及び送信するスタンドアロン型情報処理装置でも、本方法を実行し又は本装置を実現することができる。
【0050】
本方法を実行又は本装置を実現しうる汎用又は専用情報処理システム、環境乃至装置は、上記以外にも数多くある。周知の情報処理システム、環境乃至装置のなかで本方法の実行又は本装置の実現に適するものとしては、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバ用コンピュータ、ハンドヘルドデバイス、ラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースシステム、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ等のシステム乃至デバイスや、それらの任意の組合せたる分散型情報処理環境等がある。
【0051】
本方法を実行するには、複数個のコンピュータ可実行命令を文脈立てて記述し、その記述物例えばプログラムモジュールをコンピュータ上で実行させればよい。ここでいうプログラムモジュールとは、典型的にはルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等のこと、即ちその実行によってある特定のタスクを完遂でき又はある特定の抽象データセットを表現できるもののことである。例えば、種々の電力プラント乃至発電設備間を接続する分散型情報処理環境等にて本方法を実行し又は本装置を実現するには、通信ネットワークその他の伝送媒体を介しリモート接続されている情報処理装置上で、そうしたプログラムモジュールを実行すればよい。また、典型的な分散型情報処理環境では、プログラムモジュール、ルーチン、データ等は、ローカルコンピュータ内ストレージ媒体にも、リモートコンピュータ内ストレージ媒体にも、或いはそれらの一例たるメモリストレージデバイスにも、格納することができる。分散型情報処理環境におけるコンピュータリソース及びサービスの共有は、コンピュータとシステムとの間の直接交換で行われる。その交換を通じ、種々の情報、キャッシュ性ストレージ、ファイル用ディスクストレージ等のリソース乃至サービスを共用することができる。こうしたネットワーク接続性の利点を生かし分散情報処理を実行することは、クライアントの情報処理能力を飛躍的に高め、企業全体に利益をもたらすことにつながる。この点との関連でいえば、本方法の実施又は本装置の実現に利用できるアプリケーション、オブジェクト乃至リソースは、種々の装置上に散在させることができる。
【0052】
本方法を実行するためのコンピュータプログラムは、CD−ROM等の頒布媒体に保存しユーザ向けに広く頒布することができる。そのプログラムは、ハードディスク等の中間ストレージ媒体上にコピーすることができる。そのプログラムを実行したいときには、その頒布媒体又は中間ストレージ媒体から実行用のコンピュータ内メモリへと、そのプログラムをロードすればよい。そうすれば、そのコンピュータは、本方法に従いまた本装置として機能し始める。
【0053】
曰く「コンピュータ可読媒体」とは、頒布媒体、ストレージ媒体、コンピュータ内メモリ等、本方法を実行するためのコンピュータプログラムを、そのコンピュータが読み込めるように格納できるあらゆる媒体乃至装置を、包含する概念である。
【0054】
従って、本方法は、ハードウェア的にも、ソフトウェア的にも、或いはそれらを適宜組み合わせることによっても、実行することができる。即ち、本方法若しくは装置又はその特定の実施形態若しくは構成部分をプログラムコード乃至命令によって実現し、そのコード乃至命令を有形媒体によって提供することができる。その有形媒体、例えばフロッピー(商標)ディスク、CD−ROM、ハードディスク等、有形なコンピュータ可読媒体から、マシン例えばコンピュータへとプログラムコードをロードして実行すると、そのマシンは、本方法を実行し又は本装置として機能する装置となる。更に、そのプログラムコードの実行に使用されるマシン、例えばプログラマブルなコンピュータは、通常、プロセッサ、そのプロセッサにとり可読なストレージ媒体(揮発性メモリでも不揮発性メモリでもストレージ素子でもよい)、1個又は複数個の入力装置、並びに1個又は複数個の出力装置を備える。例えばデータ処理で本方法を実行し又は本装置を実現するためのプログラム(群)は、コンピュータシステムが理解できる手続き型又はオブジェクト指向型の高級プログラミング言語で作成するとよいが、そうしたければ、アセンブラ言語又はマシン語を用いて作成することもできる。いずれにしても、それらの言語はコンパイラ言語又はインタプリタ言語とすることができ、またハードウェア的実施形態と組み合わせることができる。
【0055】
また、本方法の実行又は本装置の実現に当たり通信を行うようにしてもよい。例えば、電気配線/ケーブル、光ファイバ等の伝送媒体を介してプログラムコードを送信し、受信側のマシンにそのコードをロードして実行するようにしてもよい。受信側となるのは、EPROM、ゲートアレイ、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、クライアントコンピュータ等、先に例示説明した信号処理機能を備えているマシンであり、本方法の実行によって本装置として機能することとなる。即ち、そのプログラムコードを例えば汎用プロセッサ上で実行すると、そのプロセッサが搭載されているマシンは、本方法及び装置に係る機能を発揮するユニークな装置になる。更に、本方法の実行及び本装置の実現に使用される種々のストレージも、ハードウェアとソフトウェアの組合せで実現されるのが常である。
【0056】
更に、上述した諸実施形態に対し、本発明の神髄及び技術的範囲を逸脱しないで様々な変形乃至置換を施すことが可能である。即ち、本発明に関するこれまでの説明は例示のためのものであり、その限定乃至限縮を意図したものではない。
【0057】
また、本明細書では、本発明及びその“ベストモード”を説明するためその実施形態を示している。いわゆる当業者であれば、その説明に基づき本発明を実施することができよう。特許付与を求める事項即ち本発明の技術的範囲については本願特許請求の範囲を参照されたい。本願中の説明に基づきいわゆる当業者が想到しうるものなら、上記以外の装置、方法及び製品も当該技術的範囲に含まれうる。少なくとも、文言上その構成要素が本願特許請求の範囲の記載に該当する場合、並びに文言上はその構成要素が本願特許請求の範囲の記載と相違してはいるがその相違が非本質的であり又は司法によってそのように認定された場合には、そうした装置、方法及び製品が本発明の技術的範囲内にあると認められるべきである。
【0058】
更に、いわゆる当業者ならば、本発明の諸実施形態の構成要素を入れ替えうることを、ご理解頂けよう。同様に、いわゆる当業者ならば、上述した種々の構成要素と、それに代わる既知の均等物とを、不整合なく混用することができよう。
【0059】
そして、本発明の好適な実施形態を説明するに当たり具体的な用語を用いたが、これは専ら説明のためである。別の用語で説明しても、別紙特許請求の範囲に記載の発明の神髄乃至技術的範囲から逸脱するものではないので、その点を理解頂きたい。即ち、本願における実施形態記載はあらゆる意味で説明用の記載と認められるべきであり、限定乃至限縮の意を持つものではない。本発明の趣旨及び均等範囲に属するような変形は、いずれも本発明の技術的範囲に属するものと認められるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
そのプローブ本体が、
本知的プローブ又は座標計測機に関するプローブデータを書込可能なメモリを含む回路と、
当該本体及びその回路を座標計測機のアームに結合させるための電気的接続部と、
座標計測機のアームへのプローブ端装着に使用される部分と、
を有し、座標計測機のアームに着脱可能でそのアーム上にプローブ端を提供する知的プローブ。
【請求項2】
請求項1記載の知的プローブであって、上記プローブデータが、本知的プローブのシリアルナンバーを含む知的プローブ。
【請求項3】
請求項1記載の知的プローブであって、上記プローブデータが、プローブ本体、プローブ端又は座標計測機の寸法、校正状態又は特性についての情報を含む知的プローブ。
【請求項4】
そのアーム上に知的プローブ用の接続部がある座標計測機と、その接続部に着脱可能な複数個の知的プローブと、を備え、
各知的プローブのプローブ本体が、
その知的プローブ又は座標計測機に関するプローブデータを書込可能なメモリを有する回路と、
当該プローブ本体及びその回路を座標計測機のアームに結合させるための電気的接続部と、
その電気的接続部に装着される固有形状及び寸法のプローブ端と、
を備え、座標計測機上でプローブを換装使用するシステム。
【請求項5】
請求項4記載のシステムであって、上記プローブデータがシリアルナンバーを含むシステム。
【請求項6】
請求項4記載のシステムであって、上記プローブデータがプローブ寸法を含むシステム。
【請求項7】
請求項4記載のシステムであって、上記プローブデータがプローブ校正状態を含むシステム。
【請求項8】
メモリを有する可換な知的プローブを座標計測機のアーム上にある接続部に連結するステップと、
その知的プローブ内のメモリから情報を読み取ることでどの知的プローブが連結されたかを自動認識するステップと、
読み取った情報に基づくデータベース参照によって個別のプローブデータを自動取得するステップと、
を有し、座標計測機上で換装されるプローブを自動校正する方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法であって、上記情報がシリアルナンバーを含む方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法であって、上記情報がプローブ寸法を含む方法。
【請求項11】
請求項9記載の方法であって、上記情報がプローブ校正状態を含む方法。
【請求項12】
可換な知的プローブを座標計測機のアームに装着するステップと、
その知的プローブ内にあるメモリ付の回路から情報を読み取ることでどの知的プローブが装着されたかを自動認識するステップと、
座標計測機から知的プローブへと更新情報を書き込むことでその知的プローブ内の情報を自動更新するステップと、
を有し、座標計測機上で換装されるプローブを自動校正する方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法であって、上記情報がシリアルナンバーを含む方法。
【請求項14】
請求項12記載の方法であって、上記情報がプローブ寸法を含む方法。
【請求項15】
請求項12記載の方法であって、上記情報がプローブ校正状態を含む方法。
【請求項16】
可換な知的プローブを座標計測機のアームに装着するステップと、
その知的プローブ内に少なくともその一部が組み込まれている無線システムを介し情報を読み取ることでどの知的プローブが装着されたかを自動認識するステップと、
を有し、座標計測機上で換装されるプローブを自動校正する方法。
【請求項17】
請求項16記載の方法であって、上記無線システムがRFIDシステムを含む方法。
【請求項18】
請求項16記載の方法であって、上記無線システムがWLANシステムを含む方法。
【請求項19】
請求項16記載の方法であって、上記無線システムがWPANシステムを含む方法。
【請求項20】
請求項16記載の方法であって、上記無線システムがBluetoothシステムを含む方法。
【請求項21】
請求項1記載の知的プローブであって、更に温度センサを備える知的プローブ。
【請求項22】
請求項4記載のシステムであって、上記プローブデータが、知的プローブ内の温度センサから得られる温度情報を含むシステム。
【請求項23】
請求項1記載の知的プローブであって、上記プローブデータが熱膨張係数を含む知的プローブ。
【請求項24】
請求項4記載のシステムであって、上記プローブデータが熱膨張係数を含むシステム。
【請求項25】
請求項8記載の方法であって、上記情報が熱膨張係数を含む方法。
【請求項1】
そのプローブ本体が、
本知的プローブ又は座標計測機に関するプローブデータを書込可能なメモリを含む回路と、
当該本体及びその回路を座標計測機のアームに結合させるための電気的接続部と、
座標計測機のアームへのプローブ端装着に使用される部分と、
を有し、座標計測機のアームに着脱可能でそのアーム上にプローブ端を提供する知的プローブ。
【請求項2】
請求項1記載の知的プローブであって、上記プローブデータが、本知的プローブのシリアルナンバーを含む知的プローブ。
【請求項3】
請求項1記載の知的プローブであって、上記プローブデータが、プローブ本体、プローブ端又は座標計測機の寸法、校正状態又は特性についての情報を含む知的プローブ。
【請求項4】
そのアーム上に知的プローブ用の接続部がある座標計測機と、その接続部に着脱可能な複数個の知的プローブと、を備え、
各知的プローブのプローブ本体が、
その知的プローブ又は座標計測機に関するプローブデータを書込可能なメモリを有する回路と、
当該プローブ本体及びその回路を座標計測機のアームに結合させるための電気的接続部と、
その電気的接続部に装着される固有形状及び寸法のプローブ端と、
を備え、座標計測機上でプローブを換装使用するシステム。
【請求項5】
請求項4記載のシステムであって、上記プローブデータがシリアルナンバーを含むシステム。
【請求項6】
請求項4記載のシステムであって、上記プローブデータがプローブ寸法を含むシステム。
【請求項7】
請求項4記載のシステムであって、上記プローブデータがプローブ校正状態を含むシステム。
【請求項8】
メモリを有する可換な知的プローブを座標計測機のアーム上にある接続部に連結するステップと、
その知的プローブ内のメモリから情報を読み取ることでどの知的プローブが連結されたかを自動認識するステップと、
読み取った情報に基づくデータベース参照によって個別のプローブデータを自動取得するステップと、
を有し、座標計測機上で換装されるプローブを自動校正する方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法であって、上記情報がシリアルナンバーを含む方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法であって、上記情報がプローブ寸法を含む方法。
【請求項11】
請求項9記載の方法であって、上記情報がプローブ校正状態を含む方法。
【請求項12】
可換な知的プローブを座標計測機のアームに装着するステップと、
その知的プローブ内にあるメモリ付の回路から情報を読み取ることでどの知的プローブが装着されたかを自動認識するステップと、
座標計測機から知的プローブへと更新情報を書き込むことでその知的プローブ内の情報を自動更新するステップと、
を有し、座標計測機上で換装されるプローブを自動校正する方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法であって、上記情報がシリアルナンバーを含む方法。
【請求項14】
請求項12記載の方法であって、上記情報がプローブ寸法を含む方法。
【請求項15】
請求項12記載の方法であって、上記情報がプローブ校正状態を含む方法。
【請求項16】
可換な知的プローブを座標計測機のアームに装着するステップと、
その知的プローブ内に少なくともその一部が組み込まれている無線システムを介し情報を読み取ることでどの知的プローブが装着されたかを自動認識するステップと、
を有し、座標計測機上で換装されるプローブを自動校正する方法。
【請求項17】
請求項16記載の方法であって、上記無線システムがRFIDシステムを含む方法。
【請求項18】
請求項16記載の方法であって、上記無線システムがWLANシステムを含む方法。
【請求項19】
請求項16記載の方法であって、上記無線システムがWPANシステムを含む方法。
【請求項20】
請求項16記載の方法であって、上記無線システムがBluetoothシステムを含む方法。
【請求項21】
請求項1記載の知的プローブであって、更に温度センサを備える知的プローブ。
【請求項22】
請求項4記載のシステムであって、上記プローブデータが、知的プローブ内の温度センサから得られる温度情報を含むシステム。
【請求項23】
請求項1記載の知的プローブであって、上記プローブデータが熱膨張係数を含む知的プローブ。
【請求項24】
請求項4記載のシステムであって、上記プローブデータが熱膨張係数を含むシステム。
【請求項25】
請求項8記載の方法であって、上記情報が熱膨張係数を含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2010−502953(P2010−502953A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526757(P2009−526757)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/019279
【国際公開番号】WO2008/027588
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(598064510)ファロ テクノロジーズ インコーポレーテッド (60)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/019279
【国際公開番号】WO2008/027588
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(598064510)ファロ テクノロジーズ インコーポレーテッド (60)
【Fターム(参考)】
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