説明

硬化性組成物並びにシーリング材組成物及び接着剤組成物

【課題】 少量の配合で極性の大きな樹脂や有機溶剤、可塑剤など或いは触媒を使用しても長期間極めて安定した揺変性を付与することができ、結果として顧客のニーズに応じた多様な組成を組むことができる、硬化物の諸物性に優れた硬化性組成物並びにシーリング材組成物及び接着剤組成物を提供する。また、触媒を使用することができるため硬化速度を大きくすることができる、硬化性組成物並びにシーリング材組成物及び接着剤組成物を提供する。
【解決手段】 イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、微粉状シリカと、有機イソシアネート化合物と水酸基に結合した窒素原子を有する化合物とを反応させて得られる揺変性付与助剤とからなる、硬化性組成物並びにシーリング材組成物及び接着剤組成物である。この揺変性付与助剤は、実質的にイソシアネート基或いは水酸基を含有しない化合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長期にわたって極めて安定した揺変性を有する硬化性組成物並びにシーリング材組成物及び接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建築、土木、自動車などの用途のシーリング材、接着剤、塗料などには、樹脂成分として、変成シリコーン樹脂やイソシアネート基含有プレポリマーなどの室温硬化性樹脂が多く使用されている。これらの用途では、用いられる箇所によって垂直面域いは斜面などで使用されるため、室温硬化性樹脂に揺変性を付与することが必要である。例えば建築用途において、外壁に形成される目地や天井に形成される目地に充填施工されるシーリング材は、施工中及び施工後にシーリング材が垂れないように(スランプしないように)する必要がある。また、自動車用途等においても、部材を接着する場合などに部材が自重でズレないようにする必要がある。これらの垂れないように(スランプしないように)又はズレないようにするため、一般に、室温硬化性樹脂に表面処理炭酸カルシウムや微粉状シリカなどを配合して、揺変性を付与することが行なわれている。
【0003】
しかしながら、前記従来公知の技術には次のような種々の問題点がある。
すなわち、室温硬化性樹脂に十分な揺変性を付与するため、脂肪酸処理炭酸カルシウムを使用すると、その使用量が多くなって処方の自由度が小さくなる、低伸張時の応力が大きくなる、また湿気硬化型の室温硬化性樹脂に配合する場合にはその含水分により貯蔵安定性が悪化するなどの問題がある。また、コロイド状シリカを使用する場合は、比較的少ない使用量で十分な揺変性を付与することができるが、反面、配合する室温硬化性樹脂や有機溶剤などの極性が大きかったり、触媒を添加することで硬化速度を早くすると、揺変性が消失しタレやスランプを発生してしまうという問題や、含水分により貯蔵安定性が悪化するなどの問題がある。
これらを改善するため、ポリウレタン樹脂に、疎水性コロイド状シリカとポリイソシアネート−アミノシラン反応物を配合した揺変性ポリウレタン樹脂組成物(特許文献1参照。)が提案されているが、依然として揺変性付与効果が不十分であるという問題がある。また、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーなどに、ビスフェノール誘導体とコロイド状シリカを配合した貯蔵安定性と揺変性を有するウレタン組成物(特許文献2参照)が提案されているが、この組成物も揺変性付与効果は不十分であり、極性の大きな溶媒や触媒の配合により揺変性が消失したり貯蔵安定性が不十分であったりする。更に、末端にイソシアネート基を有する水膨潤性ポリウレタンプレポリマーと特定化学構造のポリ尿素化合物の揺変性付与剤とを含有する湿気硬化型水膨潤性ポリウレタン組成物(特許文献3参照。)も提案されているが、この組成物の揺変性付与効果は良好であるが、ポリ尿素化合物を多量に配合する必要があり、この組成物の貯蔵安定性は不十分であるという問題がある。
【特許文献1】特開昭64−24851号公報
【特許文献2】特開平7−41537号公報
【特許文献3】特開平10−140001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記従来公知技術の問題点を解決して、少量の配合で極性の大きな樹脂や有機溶剤、可塑剤など或いは触媒を使用しても長期間極めて安定した揺変性を付与することができ、結果として顧客のニーズに応じた多様な組成を組むことができる、硬化物の諸物性に優れた硬化性組成物並びにシーリング材組成物及び接着剤組成物を提供することである。また、本発明の他の目的は、触媒を使用することができるため硬化速度を大きくすることができる硬化性組成物並びにシーリング材組成物及び接着剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに揺変性付与剤として微粉状シリカを使用した系に、揺変性付与助剤として、実質的にイソシアネート基或いは水酸基を含有しない特定の化合物を使用することにより、長期にわたって極めて安定した揺変性を有する硬化性組成物、シーリング材組成物及び接着剤組成物が得られることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(6)に示されるものである。
【0006】
(1) イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、微粉状シリカと、揺変性付与助剤とからなる硬化性組成物であって、前記揺変性付与助剤が、有機イソシアネート化合物と水酸基に結合した窒素原子を有する化合物とを反応させて得られる、実質的にイソシアネート基或いは水酸基を含有しない化合物であること、を特徴とする前記硬化性組成物。
【0007】
(2) 前記の水酸基に結合した窒素原子を有する化合物が、オキシム化合物又はヒドロキシルアミン化合物である、前記(1)の硬化性組成物。
【0008】
(3) 前記微粉状シリカが、親水性コロイド状シリカである、前記(1)又は(2)の硬化性組成物。
【0009】
(4) 更に添加剤を配合してなる、前記(1)〜(3)のいずれかの硬化性組成物。
【0010】
(5) イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、微粉状シリカと、揺変性付与助剤とからなるシーリング材組成物であって、前記揺変性付与助剤が、有機イソシアネート化合物と水酸基に結合した窒素原子を有する化合物とを反応させて得られる、実質的にイソシアネート基或いは水酸基を含有しない化合物であること、を特徴とする前記シーリング材組成物。
【0011】
(6) イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、微粉状シリカと、揺変性付与助剤とからなる接着剤組成物であって、前記揺変性付与助剤が、有機イソシアネート化合物と水酸基に結合した窒素原子を有する化合物とを反応させて得られる、実質的にイソシアネート基或いは水酸基を含有しない化合物であること、を特徴とする前記接着剤組成物。
【発明の効果】
【0012】
本発明により初めて、少量の配合で極性の大きな樹脂や有機溶剤、可塑剤など或いは触媒を使用しても長期間極めて安定した揺変性を付与することができ、結果として顧客のニーズに応じた多様な組成を組むことができる、硬化物の諸物性に優れた硬化性組成物並びにシーリング材組成物及び接着剤組成物を提供することが可能となった。また、触媒を使用することができるため硬化速度を大きくすることができる硬化性組成物並びにシーリング材組成物及び接着剤組成物を提供することも可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明におけるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、イソシアネート基が湿気(水分)と反応し、尿素結合を形成して架橋、硬化するものであり、活性水素化合物と、有機イソシアネートとを、活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるものである。
具体的には、活性水素化合物と有機イソシアネートとを、原料合計のイソシアネート基/活性水素(基)の当量比が1.3〜10/1.0、更には1.5〜5.0/1.0となる範囲で同時或いは逐次に反応させて、好適に製造することができる。当量比が1.3/1.0を下回ると、得られるウレタンプレポリマーの架橋点が少なくなりすぎ、硬化性組成物の硬化後の伸びや引張強度などが低下し、ゴム弾性物性や接着性が乏しいものとなり、当量比が10/1.0を超えると、湿気と反応したとき炭酸ガスの発生量が多くなり発泡の原因となるため好ましくない。
【0014】
前記活性水素化合物としては、高分子のポリオール、アミノアルコール、ポリアミンなどが挙げられる。
高分子のポリオールとしては、ポリオキシアルキレン系ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテル・エステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリルポリオール、炭化水素系ポリオール等が挙げられ、数平均分子量500以上のものである。
ポリオキシアルキレン系ポリオールとしては、アルキレンオキシドを開環付加重合させたものや、活性水素を2個以上含有する化合物などの開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させたものなどが挙げられる。
開始剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の低分子多価アルコール類、ソルビトール、シュークロース、グルコース、ラクトース、ソルビタン等の糖類系低分子多価アルコール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の低分子多価フェノール類、エチレンジアミン、ブチレンジアミン等の低分子ポリアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類、アジピン酸、テレフタル酸等の低分子ポリカルボン酸類、これらの少なくとも1種にアルキレンオキシドを反応させて得られる低分子量のポリオキシアルキレンポリオールが挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
すなわち、ポリオキシアルキレン系ポリオールは、具体的には、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシプロピレン)−ランダム或いはブロック共重合ポリオール、ポリ(オキシプロピレン)−ポリ(オキシブチレン)−ランダム或いはブロック共重合ポリオールなどを挙げることができ、また、これらの各種ポリオールとトルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの有機ポリイソシアネートとを、イソシアネート基に対し水酸基過剰で反応させて、分子末端を水酸基としたものも挙げられる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールは、良好な作業性などの理由で、数平均分子量が500〜100,000、更に1,000〜30,000、特に1,000〜20,000のものが好ましく、また、1分子当たり平均のアルコール性水酸基の個数は2個以上、更に2〜4個、特に2〜3個が好ましい。
更に、ポリオキシアルキレン系ポリオールは、複合金属シアン化錯体などの触媒を使用して得られる、総不飽和度が0.1meq/g以下、更に0.07meq/g以下、特に0.04meq/g以下のものが好ましく、分子量分布〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比=Mw/Mn〕が1.6以下、特に1.0〜1.3の狭いものが好ましい。
なお、本発明において、ポリオキシアルキレン系ポリオールとは、分子1モルの水酸基を除いた部分の50質量%以上、更に80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されていれば、残りの部分がエーテル、ウレタン、エステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリオレフィンなどで変性されていてもよいことを意味するが、本発明においては、水酸基を除いた分子の95質量%以上がポリオキシアルキレンから成るポリオールが最も好ましい。
ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオールとしては、例えば、公知のコハク酸、アジピン酸、テレフタル酸等のジカルボン酸、それらの酸エステル、酸無水物等と、前記のポリオキシアルキレン系ポリオールの合成に開始剤として使用される活性水素を2個以上含有する化合物との脱水縮合反応で得られる化合物が挙げられる。更に、ε−カプロラクトン等の環状エステル(すなわちラクトン)モノマーの開裂重合により得られるラクトン系ポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリエーテル・エステルポリオールとしては、例えば、前記ポリオキシアルキレン系ポリオールと前記のジカルボン酸、酸無水物等とから製造される化合物が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前記のポリオキシアルキレン系ポリオールの製造に使用される低分子多価アルコール類と、ホスゲンとの脱塩酸反応、或いはジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応などから得られる化合物が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリルポリオールとしては、水酸基を含有するヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを他の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と共重合したものなどが挙げられる。
炭化水素系ポリオールとしては、ポリブタジエンポリオールや水素添加ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水素添加ポリイソプレンポリオール、塩素化ポリエチレンポリオール、塩素化ポリプロピレンポリオールなどが挙げられる。
ポリオールとしては更に、前記ポリオキシアルキレン系ポリオールの製造原料として挙げた数平均分子量500未満の低分子多価アルコール類が挙げられる。
ポリアミンとしては、ポリプロピレングリコールの末端ジアミノ化物などの、数平均分子量500以上でポリオキシアルキレン系ポリオールの末端がアミノ基となったポリオキシアルキレンポリアミン等の高分子ポリアミンが挙げられる。
ポリアミンとしては更に、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン等の数平均分子量500未満の低分子ポリアミンが挙げられる。
アミノアルコールとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等が挙げられる。
また、一般にポリウレタン工業において公知の活性水素基を含有する、数平均分子量500以上の、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等も挙げられる。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのうち、得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの粘度が低く、硬化後の物性が良好なため、これから得られる硬化性組成物の粘度が低く作業性が良好な点と、硬化後のゴム弾性物性や接着性が高い点で、高分子のポリオールが好ましく、更にポリオキシアルキレン系ポリオールが好ましく、特にポリオキシプロピレンポリオールが好ましい。また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として、ポリオキシアルキレンモノアルコール、ブチルアルコール、オクタデシルモノアルコール等の高分子のモノアルコールや低分子のモノアルコールなども使用できる。
【0015】
前記有機イソシアネートとしては、具体的には、有機モノイソシアネート、有機ポリイソシアネート、これらの混合物が挙げられるが、有機ポリイソシアネートが好ましい。
【0016】
有機モノイソシアネートは、分子内にイソシアネート基を1個含有すればよく、イソシアネート基以外の有機基としては、湿気などの水分硬化性の官能基を含有していない疎水性の有機基が好ましい。具体的には、n−ブチルモノイソシアネート、n−ヘキシルモノイソシアネート、n−テトラデシルモノイソシアネート、n−ヘキサデシルモノイソシアネート、オクタデシルモノイソシアネート、n−クロロエチルモノイソシアネートなどの脂肪族モノイソシアネート、クロロフェニルモノイソシアネート、3,5−ジクロロフェニルモノイソシアネート、p−フルオロフェニルモノイソシアネート、2,4−ジフルオロフェニルモノイソシアネート、o−トリフルオロメチルフェニルモノイソシアネート、p−ニトロフェニルモノイソシアネート、p−イソプロピルフェニルモノイソシアネート、2,6−ジイソプロピルモノイソシアネート、p−トルエンスルホニルモノイソシアネート、p−ベンジルオキシフェニルモノイソシアネートなどの芳香族モノイソシアネート、その他に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどが挙げられる。これらは単独で或いは2種以上を混合して使用できる。
【0017】
有機ポリイソシアネートは、分子内にイソシアネート基を2個以上含有する化合物であり、具体的には例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート等のトルエンジイソシアネート類、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート類、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等のフェニレンジイソシアネート類、2,4,6−トリメチルフェニル−1,3−ジイソシアネート、2,4,6−トリイソプロピルフェニル−1,3−ジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等のナフタレンジイソシアネート類、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート等のキシリレンジイソシアネート類などの芳香脂肪族ポリイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネートが挙げられる。更に、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、クルードトルエンジイソシアネートなどの有機ポリイソシアネートも使用できる。
また、これらの有機ポリイソシアネートを変性して得られる、ウレトジオン結合、イソシアヌレート結合、アロファネート結合、ビュレット結合、ウレトンイミン結合、カルボジイミド結合、ウレタン結合、ウレア結合などを1個以上含有する変性イソシアネート化合物も使用できる。
これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのうち、芳香族ポリイソシアネートが好ましい。
【0018】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成の際には、オクチル酸錫、オクチル酸ジルコニウムなどの、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄等の金属とオクチル酸、ナフテン酸等の有機酸との塩、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、EXCESTAR C−501(旭硝子社製)等の有機金属キレート化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属と有機酸との塩などの有機金属化合物、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩等の公知のウレタン化触媒を用いることができる。これらのうち有機金属化合物、更にジブチル錫ジラウレートが好ましい。
また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
【0019】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量は0.3〜15.0質量%が好ましく、特に0.5〜5.0質量%が好ましい。イソシアネート基含有量が0.3質量%未満の場合は、プレポリマー中の架橋点が少ないため、十分な接着性が得られない。イソシアネート基含有量が15.0質量%を超える場合は、プレポリマー中の架橋点が多くなりゴム弾性が悪化する点と、湿気との反応による炭酸ガスの発生量が多くなり硬化物が発泡する点で好ましくない。
【0020】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、大気中の水分(湿気)と室温で反応硬化することにより一液湿気硬化型として使用される。
【0021】
本発明における微粉状シリカは、石英や珪砂等を微粉砕した天然シリカ、乾式シリカや湿式シリカ等の合成シリカなどが挙げられ、これらのうち揺変性付与効果が高い点で合成シリカが好ましい。
合成シリカのうち、乾式シリカは、四塩化珪素などのシラン系ガスを酸素水素炎中で燃焼させて得られるものであり、ヒュームドシリカとも称されている。
また、湿式シリカは、珪酸ソーダを鉱酸で中和することによって溶液中でシリカを析出させる沈降法シリカが代表的であり、ホワイトカーボンとも称されている。
微粉状シリカの大きさは、BET比表面積が10〜500m/g、平均一次粒子径が1〜1,000nm、平均凝集粒子径が0.01〜50μmが好ましく、特にBET比表面積が50〜500m/g、平均一次粒子径が3〜100nmのコロイド状シリカが揺変性付与効果に優れているため好ましい。
また、コロイド状シリカ粒子の表面のシラノール基(−SiOH基)を処理しない親水性コロイド状シリカと、塩化トリメチルシランやトリメチルメトキシシラン等で処理した表面が疎水性のシリカがあるが、本発明においては、揺変性付与効果が優れている点で粒子表面が親水性のコロイド状シリカが好ましい。
微粉状シリカの使用量は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.1〜300質量部、更に1〜100質量部、特に1〜50質量部が好ましい。使用量が0.1質量部未満では揺変性付与効果が著しく少なくなり、300質量部を超えると粘度が高くなり、塗布や押出し等の作業性が悪化するため好ましくない。
【0022】
本発明における揺変性付与助剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと微粉状シリカとの配合系において、微粉状シリカにより付与されている揺変性をより強固に、かつ安定化させる助剤として使用するものであり、有機イソシアネート化合物と水酸基に結合した窒素原子を有する化合物とを反応させて得られる、実質的にイソシアネート基或いは水酸基を含有しない化合物である。
このうち、分子内に下記一般式(1)又は(2)で示される結合(原子団)を少なくとも1個、更に2個以上、より更に2〜15個、特に4〜10個有する、実質的にイソシアネート基或いは水酸基を含有しない化合物が好ましい。
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【化1】

【0023】
前記有機イソシアネート化合物としては、前述のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成において用いられるのと同様の有機イソシアネートを挙げることができる。具体的には、有機モノイソシアネート、有機ポリイソシアネート、これらの混合物が挙げられるが、有機ポリイソシアネートが好ましく、更には芳香脂肪族ポリイソシアネート又は脂肪族ポリイソシアネートが好ましく、特に脂肪族ポリイソシアネートを変性して得られる、ウレトジオン結合、イソシアヌレート結合、アロファネート結合、ビュレット結合、ウレトンイミン結合、カルボジイミド結合、ウレタン結合、ウレア結合などを含有する変性イソシアネート化合物が好ましい。これらの変性イソシアネート化合物のうちでは、イソシアヌレート結合やアロファネート結合を有する化合物が特に好ましい。アロファネート基を含有する変性イソシアネート化合物の一般市販品としては、ヘキサメチレンジイソシアネートとモノオールやポリオールとからのアロファネート誘導体である日本ポリウレタン工業社製のコロネート2770やコロネート2785などが挙げられる。また、イソシアヌレート基を含有する変性イソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体である住友バイエル社製スミジュールN3300、日本ポリウレタン工業社製コロネートHX、コロネートHK等、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体である住友バイエル社製デスモジュールZ4470などが挙げられる。
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0024】
前記の水酸基に結合した窒素原子を有する化合物としては、分子内に下記一般式(3)又は(4)で示される基(原子団)を少なくとも1個有する化合物が好ましく、具体的にはオキシム化合物又はヒドロキシルアミン化合物が好適に使用できる。これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。具体的には、アセトアルドキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンなどを挙げることができる。
【化2】

【0025】
揺変性付与助剤(化合物)の合成において、イソシアネート基と水酸基の反応当量比は、イソシアネート基/水酸基=0.9〜1.1/1.0、更に1.0/1.0であることが好ましい。
揺変性付与助剤(化合物)を合成する方法としては、前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成におけるのと同様の方法を用いることができ、室温下又は加熱下に有機イソシアネート化合物と水酸基に結合した窒素原子を有する化合物とを反応させて得られる。
揺変性付与助剤(化合物)を合成する際には、触媒は使用しなくてもよいが、前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成において用いられるのと同様の反応触媒を用いることができ、これらのうち有機金属化合物、更にジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナートが好ましい。
また、更にイソシアネート基と不活性な公知の有機溶剤を反応溶媒として使用することができる。
揺変性付与助剤(化合物)の分子量は、300以上、更に300〜5,000、特に300〜2,000のものが好ましい。分子量が300未満では揺変性付与助剤としての効果が乏しいため好ましくない。
【0026】
なお、本発明において、前記「実質的にイソシアネート基或いは水酸基を含有しない」とは、この揺変性付与助剤の合成の際に、イソシアネート基と水酸基の反応当量比の選択により、イソシアネート基や水酸基が少量残存する場合があるが、含有しないとみなしても、揺変性付与助剤としての効果と、これを配合して得られる硬化性組成物の貯蔵安定性、接着性、ゴム弾性物性などの各種性能に悪影響がないことを意味する。悪影響を及ぼさないイソシアネート基或いは水酸基の含有量は、具体的には、揺変性付与助剤中に0.05mmol/g未満、更に0mmol/gであることが好ましい。
【0027】
有機イソシアネート化合物と水酸基に結合した窒素原子を有する化合物とを反応させて得られる、実質的にイソシアネート基或いは水酸基を含有しない化合物が揺変性付与助剤として極めて有効な理由としては、有機イソシアネート化合物と水酸基に結合した窒素原子を有する化合物とを反応させて得られる結合の極性が強く、かつイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとの相溶性が良好(或いは分散性が極めて良好)なため、微粉状シリカと密で強固な水素結合を形成することができることにより、極性の大きな樹脂や溶媒或いはアミン触媒や金属触媒等が存在しても、これらと微粉状シリカが相互作用し揺変性付与構造を破壊するのを防ぐためと推察される。なお、この水素結合はイソシアネート基の近傍に立体障害のない有機イソシアネート化合物から得られる揺変性付与助剤のほうが形成し易い。
【0028】
揺変性付与助剤の使用量は、微粉状シリカ100質量部に対して、1質量部以上、更に1〜100質量部、特に10〜80質量部が好ましい。1質量部未満では揺変性を向上させる効果が著しく小さくなるため好ましくない。
【0029】
本発明における添加剤としては、硬化促進触媒、耐候安定剤、充填剤、接着性付与剤、微粉状シリカ以外の揺変性付与剤、貯蔵安定性改良剤(脱水剤)、可塑剤、着色剤、意匠性付与剤、有機溶剤などが挙げられる。
【0030】
硬化促進触媒は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの硬化を促進させるための触媒である。具体的には、有機金属化合物、アミン類等が挙げられ、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の2価の有機錫化合物、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、錫系キレート化合物の旭硝子社製EXCESTAR C−501、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトンマグネシウム、アセチルアセトンビスマス、アセチルアセトンニッケル、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンマンガン等の各種金属のキレート化合物、オクチル酸鉛等の有機酸鉛塩、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類、オクチル酸ビスマス、ビスマスバーサテイト等の有機ビスマス化合物、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7(DBU)、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン(DABCO)、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等の第3級アミン類、或いはこれらのアミン類とカルボン酸等の塩類などが挙げられる。これらのうち、反応速度が高く、毒性及び揮発性の比較的低い液体である点から有機錫化合物や金属キレート化合物が好ましく、特にジブチル錫ジアセチルアセトナートが好ましい。
硬化促進触媒は、硬化速度、硬化物の物性などの点から、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0〜10質量部、特に0.01〜2質量部配合するのが好ましい。
【0031】
耐候安定剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの硬化後の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけでなく耐熱性を更に向上させるために使用する。耐候安定剤としては具体的には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光硬化性化合物などを挙げることができる。
【0032】
酸化防止剤としては具体的には、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤を挙げることができ、ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。また、三共社製の商品名サノールLS−292などの他、旭電化工業社製の商品名アデカスタブシリーズのLA−52、LA−57、LA−62、LA−67、LA−77、LA−82、LA−87などの分子量1,000未満の低分子量ヒンダードアミン系酸化防止剤、同じくLA−63P、LA−68LD或いはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名CHIMASSORBシリーズの119FL、2020FDL、944FD、944LDなどの分子量1,000以上の高分子量ヒンダードアミン系酸化防止剤なども挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールなどが挙げられる。
【0033】
紫外線吸収剤としては、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0034】
光硬化性化合物としては、アクリロイル基やメタクリロイル基等の光によって反応硬化する基を分子内に1個以上含有する化合物が挙げられ、具体的には、イソシアネート基含有ウレタン樹脂に水酸基含有アクリレート化合物や水酸基含有メタクリレート化合物を反応させたウレタンアクリレートやウレタンメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートやトリメチロールプロパントリメタクリレート等のエステルアクリレートやエステルメタクリレート、ポリエチレンアジペートポリオールのアクリレートやメタクリレート等のポリエステルアクリレートやポリエステルメタクリレート、ポリエーテルポリオールのアクリレートやメタクリレート等のポリエーテルアクリレートやポリエーテルメタクリレート、或いはポリケイ皮酸ビニル類、アジド化樹脂などが挙げられ、分子量10,000以下、更に分子量5,000以下の単量体、オリゴマーが好ましく、特にアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を1分子当たり平均して2個以上含有するものが好ましい。
【0035】
耐候安定剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0〜30質量部、特に0.1〜10質量部配合するのが好ましい。
【0036】
充填剤、接着性付与剤、微粉状シリカ以外の揺変性付与剤、貯蔵安定性改良剤(脱水剤)、可塑剤、着色剤、意匠性付与剤などは、それぞれ補強や増量、接着性向上、揺変性向上、貯蔵安定性向上、着色、硬化物の表面の艶消しや凹凸付与(ざらつき感付与)等の意匠性付与などのために使用することができる。
【0037】
充填剤としては、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の無機粉末状充填剤、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状充填剤などの無機系充填剤、或いはこれらの表面を脂肪酸等の有機物で処理した充填剤、木粉、クルミ穀粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、更にポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂の粉末などの有機系充填剤などの他、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の難燃性付与充填剤なども挙げられ、粒径0.01〜1,000μmのものが好ましい。
【0038】
接着性付与剤としては、カップリング剤のほか、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、アルキルチタネート類等が挙げられる。
カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などの各種カップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物が挙げられる。これらのうちシラン系カップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物が接着性に優れている点で好ましい。
シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシランなどの炭化水素基結合アルコキシシラン類、ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシランなどの炭化水素基結合イソプロペノキシシラン類、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類やイソプロペノキシシラン類などの分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物及び/又はこれらシランカップリング剤の1種又は2種以上の部分加水分解縮合物で分子量200〜3,000の化合物が挙げられる。
【0039】
微粉状シリカ以外の揺変性付与剤は、本発明においては本質的に使用する必要はないが、実際上の必要に応じて、前記の微粉状シリカと併用することができる。微粉状シリカ以外の揺変性付与剤としては、前記脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウム等の無機系揺変剤や、有機ベントナイト、変性ポリエステルポリオール、脂肪酸アマイド等の有機系揺変剤が挙げられる。
【0040】
貯蔵安定性改良剤としては、硬化性組成物中に存在する水分と反応する、前記ビニルトリメトキシシランなどの低分子の架橋性シリル基含有化合物、酸化カルシウム、p−トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
【0041】
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル類、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の非芳香族2塩基酸エステル類、トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類、塩素化パラフィン等のハロゲン化脂肪族化合物などの分子量500未満の低分子量可塑剤が挙げられ、分子量500以上の高分子量タイプの可塑剤としては、例えば、ジカルボン酸類とグリコール類とからのポリエステル類等のポリエステル系可塑剤、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのエーテル化或いはエステル化誘導体、シュークロース等の糖類多価アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキシドを付加重合し、更にエーテル化或いはエステル化した糖類系ポリエーテル類等のポリエーテル類、ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類、低粘度の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体などが挙げられる。これらのうち、硬化物表面に移行(ブリード)し難い点で、分子量500以上の高分子量タイプの可塑剤が好ましい。
【0042】
着色剤としては、酸化チタンや酸化鉄などの無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0043】
意匠性付与剤は、硬化性組成物に配合することにより硬化物表面の艶を消す補助をしたり、表面の艶を消すと共に凹凸を付与し天然のざらついた岩石を模した外観を付与したりして意匠性を付与する効果を発揮させるものであり、具体的に、艶消しを付与するものとしては、蜜ロウ、カルナバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類や、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ステアリルアミン等の融点30℃以上の高級脂肪族アミン、或いはこのアミンをアセトン、メチルエチルケトン、イソブチルアルデヒド等のカルボニル化合物と反応脱水して得られるケチミン化合物やアルジミン化合物などが挙げられる。
表面の艶を消すとともに凹凸を付与するものとしては、粒状物やバルーンなどが挙げられ、粒状物としては前記充填剤として挙げたものと同様のもので、粒径が50μm以上の大きなものが挙げられる。
バルーンは中空の物質であり、その形状は球状だけでなく、立方状、直方状、金平糖状など各種あり、また硬化性組成物に対する凹凸付与効果を消失させない程度にバルーンを少し破壊したものも挙げられるが、硬化性組成物の作業性の良さから球状が好ましい。具体的に、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーン等の無機系バルーン、フェノール樹脂バルーン、尿素樹脂バルーン、ポリスチレンバルーン、ポリエチレンバルーン、サランバルーン等の有機系バルーン、或いは無機系化合物と有機系化合物を混合したり積層したりした複合化バルーンなどが挙げられる。
また、これらのバルーンをコーティングしたり表面処理したりしたものも使用でき、無機系バルーンを前記シランカップリング剤などで表面処理したもの、有機系バルーンを炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどでコーティングしたものなども挙げられる。
これらのうち、意匠性付与効果の大きさの点から、粒状物及び/又はバルーンが好ましく、更に粒状無機系充填剤及び/又は無機系バルーンが好ましく、特に粗粒重質炭酸カルシウム及び/又はセラミックバルーンが好ましい。
粒状物及び/又はバルーンの粒径は、意匠性付与効果の大きさの点から50μm以上、更には100〜1,000μmが好ましい。
【0044】
充填剤、接着性付与剤、微粉状シリカ以外の揺変性付与剤、貯蔵安定改良剤(脱水剤)、可塑剤、着色剤及び意匠性付与剤の合計の配合量は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0〜500質量部、特に10〜300質量部が好ましい。
【0045】
本発明の硬化性組成物は粘度が低いため、有機溶剤は使用しなくてもよいか、使用しても極めて少ない量で済み、環境負荷物質を放出しないので安全性が高い。
有機溶剤としては、n−ヘキサンなどの脂肪族系溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族系溶剤、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤など従来公知の有機溶剤が挙げられ、これらは組成物の各成分に反応しないものであればどのようなものでも使用することができる。有機溶剤は安全性の点で、硬化性組成物中に10質量%未満、更に5質量%未満、特に1質量%未満となるように使用するのが好ましく、最も好ましいのは0質量%と使用しないことである。
本発明において、前記各添加剤成分はそれぞれ単独で或いは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0046】
なお、本発明の硬化性組成物は、用途に応じ一液型としても、また本発明の硬化性組成物を主剤とし、水やアミン化合物等を硬化剤とする二液型としても用いることができるが、主剤と硬化剤を混合する手間がなく、また混合不良などの不具合もなく作業性に優れているため、一液型湿気硬化性組成物として用いることが好ましい。
また、本発明の硬化性組成物が施工の対象とする材料としては、モルタルやコンクリート等の無機系材料、大理石等の天然石材料、窯業系サイディングや金属系サイディング等のサイディング、ALC板、タイル等の窯業系材料、ポリエチレンや塩化ビニル等の各種合成樹脂製のシート状や板状の材料、木材や合板等の木質系材料、アルミニウムや亜鉛鋼板等の金属系材料などが、接着性などが良好なため好適なものとして挙げられる。特に本発明の硬化性組成物をシーリング材として使用する場合、本発明の特徴を活用できる点で、近年使用物件が増加している、サイディングやALC板で形成された外壁目地に対して使用するのが好ましい。
また、本発明の硬化性組成物を接着剤組成物として使用する場合、本発明の特徴である揺変性に優れていることによる作業性がよくクシ目立て性が良いため、コンクリートや木質等の下地への床樹脂タイル、床樹脂シート、木質フローリング材等の接着、建築物の床根太と床下張り材の接着などの木材や合板等の木質系材料の接着、タイルをコンクリートやサイディング板などの外壁下地へ接着する際に好適に使用できる。
【実施例】
【0047】
以下、本発明について実施例などにより更に詳細に説明する。
ここにおいて、硬化性組成物の例として一液型湿気硬化性シーリング材組成物及び一液型湿気硬化性接着剤組成物を示したが、これに限定されるものではない。
【0048】
〔イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成〕
合成例1
攪拌機、温度計、窒素シール管及び加温・冷却装置の付いた反応容器に、窒素気流下で、ポリオキシプロピレンジオール(旭硝子社製エクセノール−3021、数平均分子量3,200)457.6g(OH当量:0.286)と、ポリオキシプロピレントリオール(三井化学社製MN−4000、数平均分子量4,000)291.7g(OH当量:0.219)と、トルエン44.7gを仕込み、攪拌しながら4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製ミリオネートMT、分子量250)195.4g(NCO当量:1.56)(R値(NCO当量/OH当量)=3.09)とジブチル錫ジラウレート0.1gを加えたのち、加温して70〜80℃で2時間攪拌して、イソシアネート基含有量が理論値(4.49質量%)以下となった時点で反応を終了し、イソシアネート基含有ポリオキシプロピレン系ウレタンプレポリマーを製造した。
このイソシアネート基含有ポリオキシプロピレン系ウレタンプレポリマーは、滴定による実測イソシアネート基含有量4.38質量%、粘度8,500mPa・s/25℃、常温で透明の粘稠な液体であった。このウレタンプレポリマーをU−1と称する。
【0049】
〔揺変性付与助剤の合成〕
合成例2
合成例1と同様の反応容器に、アロファネート基含有変性ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製コロネート−2785)を217.6g(NCO当量:1)入れた後、酢酸エチルを76.2g加えた。この中に冷却、攪拌しながら更にメチルエチルケトンオキシム87.0g(OH当量:1)を加え、イソシアネート基含有量が理論値(0質量%)以下となった時点で反応を終了し、反応生成物を製造した。
得られた反応生成物は、滴定による実測イソシアネート基含有量0質量%(0mmol/g)、常温で透明の液体であった。この反応生成物は前記一般式(1)で示される基(原子団)を計算上4.9個有する。この反応生成物を揺変性付与助剤O−1と称する。
【0050】
合成例3
合成例1と同様の反応容器に、アロファネート基含有変性ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製コロネート−2785)を217.6g(NCO当量:1)入れた後、酢酸エチルを76.2g加えた。この中に冷却、攪拌しながら更にN,N−ジエチルヒドロキシアミン89.1g(OH当量:1)を加え、イソシアネート基含有量が理論値(0質量%)以下となった時点で反応を終了し、反応生成物を製造した。
得られた反応生成物は、滴定による実測イソシアネート基含有量0質量%(0mmol/g)、常温で透明の液体であった。この反応生成物は前記一般式(2)で示される基(原子団)を計算上4.9個有する。この反応生成物を揺変性付与助剤O−2と称する。
【0051】
実施例1
加熱、冷却装置及び窒素シール管付き混練容器に、窒素気流下で、合成例1で得たイソシアネート基含有ポリオキシプロピレン系ウレタンプレポリマーU−1 889.0gと予め90〜100℃の乾燥器中で乾燥し含有水分0.05質量%以下にした重質炭酸カルシウム100.0gとパラトルエンスルフォニルイソシアネート2.7gとを仕込み、内容物が均一になるまで60℃以下で1時間攪拌、混練した後、親水性コロイド状シリカ(トクヤマ社製レオロシールQS−102)67.6gを仕込み、さらに内容物が均一になるまで60℃以下で1時間攪拌、混練した。次いで、合成例2で得た揺変性付与助剤O−1 16.0gとジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成社製ネオスタンU−220)2.0gを順次仕込み、さらに内容物が均一になるまで、60℃以下で攪拌、混練した。次いで、30〜100hPaで減圧脱泡し、容器に充填、密封して、ペースト状の一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
【0052】
実施例2
実施例1において、揺変性付与助剤O−1 16.0gの代わりに合成例3で得た揺変性付与助剤O−2 16.0gを使用した以外は同様にして、ペースト状の一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
【0053】
比較例1
実施例1において、揺変性付与助剤O−1を使用しない以外は同様にして、ペースト状の一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
【0054】
〔シーリング材性能試験〕
前記実施例1、2と比較例1で調製した一液型湿気硬化性シーリング材組成物それぞれを用いて、以下の試験を行った。
(1)スランプ
JIS A1439:(1997、改正2002)「建築用シーリング材の試験方法」、4.1スランプ試験により、試験温度23℃で製造直後のスランプ(縦)を測定した。
これとは別に、得られた一液型湿気硬化性シーリング材組成物を50℃で5日間で促進貯蔵した後、23℃に1日間放置したもののスランプを上記と同様の方法で測定した。
(2)硬さ
シーリング材組成物を厚さが約10mmのシート状になるようにスレート板に塗布し、23℃、50%相対湿度で14日間養生、硬化させたものを試験体とし、JIS K 6253(1997、確認2001)「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」、5.デュロメータ硬さ試験により、スプリング式硬さ試験機(デュロメータ)タイプAを用いて、試験温度23℃で硬化物の硬さを測定した。
硬さが30以上のものを○と評価した。
(3)伸び
シーリング材組成物を厚さが約2mmのシート状になるように、離型紙上に塗布し、23℃、50%相対湿度で14日間養生、硬化させた後、離型紙を剥離したものを試験体とし、JIS K 6251(1993、確認1999)「加硫ゴム物理試験方法」により、3号形ダンベル状に打ち抜いたものを試験片として、試験温度23℃で硬化物の切断時伸びを測定した。
伸びが200%以上のものを○と評価した。
一液型湿気硬化性シーリング材組成物の原料組成及びその性能をまとめて表1に示す。
【0055】
【表1】

【0056】
実施例3
加熱、冷却装置及び窒素シール管付き混練容器に、窒素気流下で、合成例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーU−1 480.0gと、予め90〜100℃の乾燥器中で乾燥し含有水分0.05質量%以下にした重質炭酸カルシウム300.0gと、パラトルエンスルフォニルイソシアネート1.5gとを仕込み、内容物が均一になるまで60℃以下で1時間攪拌、混練した後、親水性コロイド状シリカ(トクヤマ社製レオロシールQS−102)25.0gを仕込み、さらに内容物が均一になるまで60℃以下で1時間攪拌、混練した。次いで、合成例2で得た揺変性付与助剤O−1を16.0gとヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製イルガノックス1010)を5.0gとジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成社製ネオスタンU−220)を0.48g順次仕込み、さらに内容物が均一になるまで、60℃以下で攪拌、混練した。次いで、30〜100hPaで減圧脱泡し、容器に充填、密封して、ペースト状の一液型湿気硬化性接着剤組成物を調製した。
【0057】
実施例4
実施例3において、揺変性付与助剤O−1 16.0gの代わりに合成例3で得られた揺変性付与助剤O−2 16.0gを使用した以外は同様にして、ペースト状の一液型湿気硬化性接着剤組成物を調製した。
【0058】
比較例2
実施例3において、揺変性付与助剤O−1を使用しない以外は同様にして、ペースト状の一液湿気硬化性接着剤組成物を調製した。
【0059】
〔接着剤性能試験〕
(1)クシ目立ち性
JIS A5536:(2003)「床用仕上げ材用接着剤」、5.3.1塗布性により、製造直後の一液型湿気硬化性接着剤組成物を試験温度23℃で1日間放置したものをフレキシブル板の平滑面上にとり、クシ目ゴテを斜めに立てて塗布したときのクシ目山の状態を評価した。
これとは別に、得られた一液型湿気硬化性接着剤組成物を50℃で5日間促進貯蔵した後、23℃で1日間放置したもののクシ目立ち性を上記と同様の方法で評価した。
クシ目山が明瞭で、崩れていたり斜めに倒れかかっていないものを○、これら以外の場合を×とした。
(2)圧縮せん断接着強さ
JIS K 6833(1994)「接着剤の一般試験方法」に準拠し、製造直後の一液型湿気硬化性接着剤組成物を試験温度23℃で1日間放置したものを(被着材として)米松の板の表面に塗布し、米松の接着面同士を張り合わせてクリップで圧締して、試験片とした。
この試験片を23℃、50%相対湿度で7日間養生し、JIS K6852:(1994)「接着剤の圧縮せん断接着強さ試験方法」により、圧縮試験機のクロスヘッド移動速度を3mm/min.とし、試験温度23℃で測定した。
【0060】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の硬化性組成物はその特徴を活用して、建築用、土木用、自動車用などの接着剤、塗料、塗膜防水材、シーリング材として好適に使用できる。更には、建築物外壁用、土木用のシーリング材や接着剤として、特に建築物外壁用の高性能の防水シーリング材や接着剤に適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、微粉状シリカと、揺変性付与助剤とからなる硬化性組成物であって、
前記揺変性付与助剤が、有機イソシアネート化合物と水酸基に結合した窒素原子を有する化合物とを反応させて得られる、実質的にイソシアネート基或いは水酸基を含有しない化合物であること、を特徴とする前記硬化性組成物。
【請求項2】
前記の水酸基に結合した窒素原子を有する化合物が、オキシム化合物又はヒドロキシルアミン化合物である、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
前記微粉状シリカが、親水性コロイド状シリカである、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
【請求項4】
更に添加剤を配合してなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項5】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、微粉状シリカと、揺変性付与助剤とからなるシーリング材組成物であって、
前記揺変性付与助剤が、有機イソシアネート化合物と水酸基に結合した窒素原子を有する化合物とを反応させて得られる、実質的にイソシアネート基或いは水酸基を含有しない化合物であること、を特徴とする前記シーリング材組成物。
【請求項6】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、微粉状シリカと、揺変性付与助剤とからなる接着剤組成物であって、
前記揺変性付与助剤が、有機イソシアネート化合物と水酸基に結合した窒素原子を有する化合物とを反応させて得られる、実質的にイソシアネート基或いは水酸基を含有しない化合物であること、を特徴とする前記接着剤組成物。


【公開番号】特開2007−45958(P2007−45958A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−232833(P2005−232833)
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(000103541)オート化学工業株式会社 (83)
【Fターム(参考)】