説明

移植機

【課題】クラッチ切断時に植付カップが地面に近い位置で停止しないよう調節可能とする。
【解決手段】植付カップ22へ連繋される伝達軸46にクラッチ作動体45を軸線方向に摺動自在で且つ共回転するように外嵌すると共に、クラッチ作動体45をエンジン14と連動するクラッチギヤ44と係合方向にバネ72で付勢し、かつ、クラッチ作動体45の外周面にリード部45aとなる傾斜段差を周方向に設けると共に、リード部45aに対して径方向から係合/離反するクラッチ爪67を設け、クラッチ爪67をクラッチレバー65に連繋して径方向に作動させると共に、クラッチ爪67の軸線方向位置を調節してクラッチ解除時の伝達軸46の回転位相角を変更可能とする調節手段を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移植機に関し、詳しくは、動力源からクラッチを介して植付手段に動力を伝達する移植機においてクラッチ構造を改良するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の移植機には、エンジンからの動力で昇降する植付カップを備え、該植付カップが上方に位置する際に苗を受け取り、降下した際に植付カップを圃場に突き刺して苗を植え付ける構造とするものがある。
例えば、特開平8−214638号公報に開示された移植機は、図13に示すように、クランク軸2が電磁クラッチ3を介してエンジンに連結され、クランク軸2の回転により植付カップ1が昇降を繰り返す構成としている。
植付カップ1は、昇降動作中の下死点に位置した時に苗の植え付けを行う一方、上死点に位置した時には電磁クラッチ3が一時的に切断されると共に制動装置4により植付カップ1が停止され、苗の受け取りを行う。
【0003】
制動装置4は、図14に示すように、クランク軸2に固定され且つゴム製の制動ロール7を突設しているブレーキアーム5と、段差状のカム部6aを有するブレーキカム6とを備え、植付カップ1が昇降動作して上死点に位置する毎に、制動ロール7がブレーキカム6のカム部6aに係合し、植付カップ1を上死点で一旦停止させる構成としている。
前記移植機においては、電磁クラッチ3をオフするとクランク軸2への動力伝達が遮断され、慣性力で回転するクランク軸2は、ブレーキアーム5の制動ロール7がカム部6aに係合することにより停止し、植付カップ1が上死点で停止する。
【0004】
しかしながら、制動装置4による制動力は、クランク軸2が回転駆動された時にはブレーキアーム5がブレーキカム6を押し開いて植付カップ1の昇降が開始できる程度に設定されているため、電磁クラッチ3をオフしても慣性力で制動ロール7がカム部6aを乗り越える可能性があり、植付カップ1が地面に近い下方位置で停止する場合がある。このように植付カップ1が下方で停止すると、移植機を圃場から移動させる際などにおいて、植付カップ1が地面から突出する段差等に引っ掛りやすく、故障が発生する恐れがある。
【特許文献1】特開平8−214638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、クラッチを切断した時に植付手段が地面に近い下方位置で停止しないように容易に調節可能な構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、動力源からクラッチを介して伝達される動力で昇降動作して圃場に苗を植え付ける植付手段を備えた移植機において、
前記クラッチは、前記植付手段へ連繋される伝達軸にクラッチ作動体を軸線方向に摺動自在で且つ共回転するように外嵌すると共に、該クラッチ作動体を前記動力源と連動するクラッチギヤと係合方向にバネで付勢し、かつ、該クラッチ作動体の外周面にリード部となる傾斜段差を周方向に設けると共に、該リード部に対して径方向から係合/離反するクラッチ爪を設け、該クラッチ爪をクラッチレバーに連繋して径方向に作動させると共に、該クラッチ爪の軸線方向位置を調節して前記クラッチ解除時の前記伝達軸の回転位相角を変更可能とする調節手段を設けていることを特徴とする移植機を提供している。
【0007】
前記構成とすると、クラッチ爪をクラッチ作動体のリード部の段差端面に係合させ、クラッチ爪にリード部を沿わせながらクラッチ作動体が回転すると、リード部が傾斜しているので、クラッチ作動体がクラッチギアから離反する方向に伝達軸上を摺動して係合解除され、クラッチギアの回転動力がクラッチ作動体に伝達しないように遮断される。この際、クラッチ爪の位置を調節して伝達軸の軸線方向に対して移動させれば、クラッチ爪とクラッチ作動体のリード部との位置関係が軸線方向に変更される。すると、クラッチ作動体がクラッチギアに対して係合解除される時点におけるリード部上でのクラッチ爪の周方向位置が変化する。
【0008】
したがって、クラッチ爪の位置調節を行うだけで、クラッチ解除時におけるクラッチ作動体の回転方向の位相角を調節することができ、クラッチ作動体に固定された伝達軸の停止時の回転位相角を調節することができる。その結果、伝達軸に連繋されて昇降する植付手段がクラッチ解除時に停止する上下方向の位置を簡単に調節することが可能となる。
なお、前記固定部材は、クラッチを収容するケースや該ケースに固定された部材等とするとよい。
【0009】
具体的には、前記クラッチ爪は前記伝達軸と軸線方向が同方向である軸部材に固定し、かつ、前記軸部材はクラッチレバーと接続し、前記クラッチレバーを揺動することで前記軸部材を介して前記クラッチ爪を径方向に傾動可能としており、
前記調節手段は、前記軸部材に回転自在に外嵌固定され且つ外周面にネジが刻設されているネジ付き円筒体と、前記固定部材に穿設され且つ内周面にネジが刻設された貫通穴とを備え、前記ネジ付き円筒体を前記固定部材の前記貫通穴に内嵌螺着し、前記ネジ付き円筒体を巻回することで前記クラッチ爪の軸線方向の位置を調節可能としていると好適である。
【0010】
前記構成とすると、固定部材の貫通穴に対して螺着されたネジ付き円筒体を螺子回すだけで、ネジ付き円筒体と一体として軸部材が軸線方向に移動し、クラッチ爪の位置を容易に調節することができる。この際、クラッチ爪が固定された軸部材はネジ付き円筒体に対して回転自在に固定されているので、ネジ付き円筒体を巻回しても軸部材は回転せず、クラッチ爪の係合動作に悪影響を与えることはない。
【0011】
前記ネジ付き円筒体は前記貫通穴より延出する部位を巻回調節部とし、前記巻回調節部はケースの外部に露出していることが好ましい。
【0012】
前記構成とすると、クラッチ切断時における植付手段の上下方向の停止位置を調節する際に、ユーザはケースを開けて解体することなく外部から巻回調節部を回すだけでよいので、非常にメンテナンス性が良好となる。
また、ネジ付き円筒体は貫通穴と嵌合する外周面を断面円形状としている一方、ケース外部に露出する巻回調節部は断面多角形状としているとよい。即ち、巻回調節部を断面多角形状とすることで工具により容易に回転することができ、作業性が良好となる。
【発明の効果】
【0013】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、クラッチ爪の位置を調節するだけで、係合解除時に伝達軸が停止する回転位相角を調節でき、その結果、伝達軸に連繋されて昇降する植付手段のクラッチ切断時における上下方向の停止位置を調節することが可能となる。
また、クラッチ爪の位置調節は、クラッチ爪に固定された軸部材を外嵌するネジ付き円筒体の巻回調節部をケース外より回すだけで容易に行うことができ、作業性が飛躍的に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は実施形態の移植機10を示し、機体11に設けられた前輪12および後輪13と、動力源となるエンジン14と、減速ミッション15と、後述するクラッチ100が内蔵された伝動ミッション16と、機体後方に動力伝達を中継する伝動ボックス17と、苗を圃場に植え付ける植付カップ22(植付手段)と、一対の植付カップ22(22A、22B)を交互に昇降させるロータリーボックス20と、ロータリーボックス20からの回転出力を植付カップ22の昇降動作に変換する昇降用連結体21とを備えている。
【0015】
機体11後方には、ポット苗箱Nの送り動作を行う苗載台23と、操縦用のハンドル28と、ポット苗箱Nから押出装置(図示せず)により押し出された苗を横方向に搬送する苗搬送ベルト26と、苗搬送ベルト26の終端より落下する苗を水平姿勢から垂直姿勢に変更させて植付カップ22に導く苗挟持ローラ25とを備えている。また、植付カップ22の後方には覆土輪27を付設している。
【0016】
次に、図2に基づいてエンジン14から植付カップ22までの動力伝達経路について説明する。
エンジン14からの回転動力は、減速ミッション15内において、遠心クラッチ30→第一軸31→ベベルギヤ32→第二軸33→第三軸34→第一ギヤ35→第二ギヤ36→第四軸37→第三ギヤ38→安全クラッチ39→ベベルギヤ40→PTO軸41と回転数を変換しながら動力伝達される。減速ミッション15からPTO軸41を介して伝動ミッション16に導入される回転動力は、スプロケットに巻き掛けられたチェーン42で株間切替ギヤ43に伝達され、クラッチ100を構成するクラッチギヤ44に伝達される。
【0017】
クラッチ100の接続時には、クラッチギヤ44に係合するクラッチ作動体45を介して伝達軸46に動力伝達され、ベベルギヤ47により植付カップ用前側駆動軸48へと分力される。そして、植付カップ用前側駆動軸48の端部のスプロケット49に巻き掛けられたチェーン50によりスプロケット51を介して植付カップ用後側駆動軸52に動力伝達され、ロータリーボックス20へと回転動力が導入される。
ロータリーボックス20では、一対の植付カップ22A、22Bが交互に上下するように左右の昇降用連結体21を取り付けている。昇降用連結体21は、ロータリーボックス20からの出力軸56を第一ケース57→連結軸74→第二ケース58→連結軸75→第三ケース59と連結しており、植付カップ22A、22Bの姿勢を一定に保っている。
【0018】
次に、クラッチ100の詳細構造について説明する。
図3(A)〜(C)および図4(A)(B)に示すように、伝動ミッション16のケース64(固定部材)内に設けられたクラッチ100は、エンジン14からの回転動力を受け取るクラッチギヤ44を伝達軸46に回転自在に遊嵌していると共に、クラッチギヤ44に係合/離反するクラッチ作動体45を伝達軸46に対して軸線方向に摺動自在に外嵌している。なお、クラッチ作動体45は伝達軸46に対して回転方向には固定であり、クラッチ作動体45が回転すると伝達軸46が回転する構成としている。
【0019】
クラッチ作動体45の背側ではバネ72を介してバネ受ギヤ71を伝達軸46に固定しており、バネ72の付勢力によりクラッチ作動体45をクラッチギヤ44側に押し付けている。伝達軸46はベベルギヤ47を介して直交方向の植付カップ用前側駆動軸48に動力を伝達している。
クラッチ作動体45の外周面に係合/離反するクラッチ爪67は、クラッチ作動体45側に突出する先端部67aを設け、伝達軸46と軸線方向が一致する軸部材70に固定している。また、軸部材70はクラッチ操作部(図示せず)に連繋されたクラッチレバー65に固定している。即ち、ユーザがクラッチ操作部をオン/オフ操作してクラッチレバー65が揺動することで軸部材70が回転し、クラッチ爪67がクラッチ作動体45に対して係合あるいは離反する構成としている。
【0020】
軸部材70には調節手段としてネジ付き円筒体69を回転自在に外嵌している。ネジ付き円筒体69は外周面にネジを刻設している一方、内周面は滑面としている。伝動ミッション16のケース64にはボス状の貫通穴64aを穿設しており、該貫通穴64aの内周面にはネジを刻設している。ネジ付き円筒体69はケース64の貫通穴64aに内嵌して螺着し、ネジ付き円筒体69の貫通穴64aより延出する部位に断面四角状の巻回調節部69aを形成してケース64の外部に露出している。また、巻回調節部69aにはクラッチ調節板68の鋸歯孔68aを外嵌して噛合わせていると共に、クラッチ調節板68の取付孔68bをケース64にボルト留め固定している。
なお、クラッチ調整板68は、取付孔68bでケース64にボルト固定された状態では、鋸歯孔68aが巻回調節部69aを係止して、ネジ付き円筒体69が不意に回転するのを防止している。
【0021】
クラッチ作動体45は、図5(A)〜(D)に示すように、貫通孔45cを有する略円筒形状で、外周面にはリード部45aとなる段差を周方向に対して傾斜して螺旋状に周設し、クラッチギヤ44との対向面には係合部45bを一対突出している。リード部45aは、図5(B)(D)に示すように、周方向のA位置からE位置にかけて段差の高さを滑らかに変化させている。また、貫通孔45cの内周面には、図5(B)に示すように、軸線方向に延在する凹凸を設けており、外嵌する伝達軸46の外周面にも同じく軸線方向に延在する凹凸を設けている。これら凹凸が互いに係合することで、クラッチ作動体45が伝達軸46に対して摺動自在でありながら回転方向には連結固定となる。
【0022】
クラッチギア44は、外周面に歯部45bを設けていると共に、クラッチ作動体45との対向面側に被係合部44aを設けている。
また、クラッチ爪67の先端部67aとクラッチ作動体45のリード部45aとの位置関係は、図4(A)および図6に示すように、D位置とE位置との中間位置(位相角約280°)において、軸線方向に距離L1(例えば、L1=0.5mm)だけ離反した状態としている。
【0023】
次に、クラッチ100の動作について説明する。
まず、図4(A)(B)に示すように、クラッチ爪67がクラッチ作動体45から離反した状態では、バネ72の付勢力によりクラッチ作動体45の係合部45bがクラッチギア44の被係合部44aに係合しており、エンジン14からの回転動力がクラッチギヤ44→クラッチ作動体45→伝達軸46→ベベルギヤ47→植付カップ用駆動軸48の順に伝達されることとなる。
【0024】
クラッチ100の動力伝達を切断するためには、図7(A)(B)に示すように、クラッチレバー65を揺動して軸部材70を介してクラッチ爪67を回動させ、クラッチ爪67の先端部67aをクラッチ作動体45のリード部45aの段差端面に係合させる。すると、図8(A)(B)に示すように、伝達軸46と一体に回転しているクラッチ作動体45がクラッチ爪67にガイドされながら螺旋状に旋回してクラッチギヤ44より離反し、係合部45bと被係合部44aとの係合が解除されて動力伝達が遮断される。
【0025】
即ち、図11(A)に示すように、軸線方向に固定されたクラッチ爪67の先端部67aにより、クラッチ作動体45のリード部45aが回転しながらガイドされることで、クラッチ作動体45は、周方向の回転位相角が280°付近から90°付近まで回転した位置で停止し、クラッチギヤ44より離反する。
クラッチ作動体45の回転位相角、即ち、伝達軸46の回転位相角が90°付近で停止した場合、伝達軸46と連繋された植付カップ22A、22Bが図12(A)に示す位置で停止する。
【0026】
次に、クラッチ切断時における植付カップ22A、22Bの停止位置の調節について説明する。
図12(A)に示す停止位置では、片側の植付カップ22Aの地面Gからの高さH1が低く、移植機10の圃場からの移動時などにおいて植付カップ22Aが地面Gから突出する段差等に引っ掛かる恐れがある。そこで、クラッチ爪67の軸線方向位置を調節することで、植付カップ22A、22Bの停止位置の調節を行う。
【0027】
詳しくは、ユーザは、図3(A)〜(C)および図9(A)(B)に示すように、クラッチ調節板68の取付孔68bの固定を外し、鋸歯孔68aをネジ付き円筒体69の巻回調節部69aに外嵌係止した状態でクラッチ調節板68を手で回すことで、ネジ付き円筒体69の外周面のネジがケース64の貫通孔64aの内周面のネジとの間で螺子回しされ、ネジ付き円筒体69が軸部材70およびクラッチ爪67と一体となって軸線方向に移動する。
すると、クラッチ爪67の先端部67aとクラッチ作動体45のリード部45aとの位置関係は、図9(B)に示すように、D位置とE位置との中間位置(位相角が約280°)において、軸線方向に距離L2(例えば、L2=2.0mm)ほどさらに離反した状態となる。(L1<L2)
【0028】
この設定状態で、クラッチ100の動力伝達を切断すべく、クラッチ爪67の先端部67aをクラッチ作動体45のリード部45aの段差端面に再び係合させると、図10(A)(B)に示すように、クラッチ作動体45がクラッチ爪67にガイドされながらクラッチギヤ44より離反し、係合部45bと被係合部44aとが係合解除されて動力伝達が遮断される。
【0029】
この際、クラッチ爪67の軸線方向位置を変更しておいたので、図11(B)に示すように、クラッチ作動体45は、周方向の回転位相角が280°付近より20°付近まで大きく回転した位置で停止し、クラッチギヤ44より離反することになる。
このように、クラッチ切断時のクラッチ作動体45の回転位相角、即ち、伝達軸46の回転位相角が変更されることで、伝達軸46の回転に連繋された植付カップ22A、22Bの停止位置が図12(B)に示す位置へと変更され、地面Gからの高さH2を大きくすることができる。(H1<H2)
【0030】
以上に説明したように、ユーザは、植付カップ22A、22Bの停止位置が地面Gから近いと判断した場合には、伝達ミッション16のケース64を開けることなく、外部からクラッチ調節板68を使ってネジ付き円筒体69の巻回調節部69aを螺子回すだけで、植付カップ22A、22Bの停止位置を調節することが可能となる。したがって、植付カップ22A、22Bが地面G等と干渉して故障するのを防止することができ、かつ、メンテナンス性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態の移植機の概略側面図である。
【図2】移植機の動力伝達経路を示す系統図である。
【図3】(A)は伝動ミッションの正面図、(B)はネジ付き円筒体の正面図、(C)はクラッチ調整板の正面図である。
【図4】(A)はクラッチ作動体およびクラッチ爪の離反状態の正面図、(B)は図3(A)のA視から見たクラッチの一部断面平面図である。
【図5】(A)はクラッチ作動体の斜視図、(B)は上面図、(C)は側面図、(D)はリード部を平面展開した状態を示す図面である。
【図6】クラッチ爪を位置調節する前の一部断面平面図である。
【図7】(A)はクラッチ作動体およびクラッチ爪の係合状態の正面図、(B)はクラッチの一部断面平面図である。
【図8】(A)はクラッチ作動体およびクラッチ爪の係合状態の正面図、(B)はクラッチ切断後の一部断面平面図である。
【図9】(A)はクラッチ作動体およびクラッチ爪の離反状態の正面図、(B)はクラッチ爪を位置調節した後の一部断面平面図である。
【図10】(A)はクラッチ作動体およびクラッチ爪の係合状態の正面図、(B)はクラッチ切断後の一部断面平面図である。
【図11】(A)はクラッチ爪の位置調節前を示すリード部を平面展開した図面、(B)はクラッチ爪の位置調節後を示すリード部を平面展開した図面である。
【図12】(A)はクラッチ爪の位置調節前における植付カップの停止状態を示す背面図、(B)はクラッチ爪の位置調節後における植付カップの停止状態を示す背面図である。
【図13】従来例を示す図面である。
【図14】従来例の要部を示す図面である。
【符号の説明】
【0032】
10 移植機
11 機体
12 前輪
13 後輪
14 エンジン(動力源)
15 減速ミッション
16 伝動ミッション
17 伝動ボックス
20 ロータリーボックス
21 昇降用連結体
22 植付カップ(植付手段)
23 苗載台
25 苗挟持ローラ
26 苗搬送ベルト
27 覆土輪
28 ハンドル
44 クラッチギア
45 クラッチ作動体
45a リード部
45b 係合部
46 伝達軸
47 ベベルギア
48 植付カップ用駆動軸
64 ケース(固定部材)
64a 貫通穴
65 クラッチレバー
67 クラッチ爪
68 クラッチ調節板
69 ネジ付き円筒体
70 軸部材
71 バネ受ギヤ
72 バネ
100 クラッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源からクラッチを介して伝達される動力で昇降動作して圃場に苗を植え付ける植付手段を備えた移植機において、
前記クラッチは、前記植付手段へ連繋される伝達軸にクラッチ作動体を軸線方向に摺動自在で且つ共回転するように外嵌すると共に、該クラッチ作動体を前記動力源と連動するクラッチギヤと係合方向にバネで付勢し、かつ、該クラッチ作動体の外周面にリード部となる傾斜段差を周方向に設けると共に、該リード部に対して径方向から係合/離反するクラッチ爪を設け、該クラッチ爪をクラッチレバーに連繋して径方向に作動させると共に、該クラッチ爪の軸線方向位置を調節して前記クラッチ解除時の前記伝達軸の回転位相角を変更可能とする調節手段を設けていることを特徴とする移植機。
【請求項2】
前記クラッチ爪は前記伝達軸と軸線方向が同方向である軸部材に固定し、かつ、前記軸部材はクラッチレバーと接続し、前記クラッチレバーを揺動することで前記軸部材を介して前記クラッチ爪を径方向に傾動可能としており、
前記調節手段は、前記軸部材に回転自在に外嵌固定され且つ外周面にネジが刻設されているネジ付き円筒体と、前記固定部材に穿設され且つ内周面にネジが刻設された貫通穴とを備え、前記ネジ付き円筒体を前記固定部材の前記貫通穴に内嵌螺着し、前記ネジ付き円筒体を巻回することで前記クラッチ爪の軸線方向の位置を調節可能としている請求項1に記載の移植機。
【請求項3】
前記ネジ付き円筒体は前記貫通穴より延出する部位を巻回調節部とし、前記巻回調節部はケースの外部に露出している請求項1または請求項2に記載の移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−115790(P2006−115790A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−308987(P2004−308987)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(000100469)みのる産業株式会社 (158)
【Fターム(参考)】